JP2006295663A - デジタル放送受信装置及びこのデジタル放送受信装置が搭載された移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】デジタル放送受信装置において、正受信比率が100[%]でない場合に、ユーザ個々の好みに応じたデジタル放送の視聴を可能とする。
【解決手段】正受信比率CRの閾値THをユーザが外部より設定可能な閾値設定ダイヤルを設けている。正受信率が100[%]未満の不安定な受信状況となったときに、受信信号による動画映像を出力するか、ブルーバック画等の静止画映像を出力するかについて、閾値THを変更することで設定することができ、ユーザの好み(ブロックノイズが載っても動画を見たいあるいはブロックノイズが載っているときには直近の高品位の静止画を見たい等)に応じた視聴が可能となる。
【選択図】図7
【解決手段】正受信比率CRの閾値THをユーザが外部より設定可能な閾値設定ダイヤルを設けている。正受信率が100[%]未満の不安定な受信状況となったときに、受信信号による動画映像を出力するか、ブルーバック画等の静止画映像を出力するかについて、閾値THを変更することで設定することができ、ユーザの好み(ブロックノイズが載っても動画を見たいあるいはブロックノイズが載っているときには直近の高品位の静止画を見たい等)に応じた視聴が可能となる。
【選択図】図7
Description
この発明は、例えば地上デジタルテレビ放送を受信するデジタル放送受信装置及びこのデジタル放送受信装置が搭載された移動体に関する。
従来から、車両等の移動体におけるデジタル放送の視聴に関し、デジタル放送用の複数のアンテナで受信された放送波の入力に対して、受信レベルや誤り率等に応じて各アンテナからの受信入力を合成したり、最適な受信入力を有するアンテナを選択するなどして正受信率(エラーなしにデータを受信できた率)の向上を図る研究がなされている(特許文献1参照)。
このようなデジタル放送の受信装置において、受信電力が閾値以下である場合には、高周波増幅回路等への電力の供給を停止して、低消費電力化を図る携帯受信機も提案されている(特許文献2参照)。
また、デジタルオーディオ受信機において、受信信号レベルに対して閾値を設け、この閾値を可変することで、周波数サーチを始めてからオーディオ信号が再生されるまでの時間を短縮するデジタル放送受信機が提案されている(特許文献3参照)。
近時、高精細表示装置を車両のリア席用として備えたエンタテインメントシステムが提案され、これにより移動時におけるデジタル放送の視聴の環境が整いつつある。
移動体では、放送波の伝搬環境に応じて受信状況が時々刻々変化する。そして、受信状況が不安定な状況となった場合には、映像にブロックノイズが載り、映像が劣化したり、全く、映像を確認することができない状況となる場合もある。
ところで、受信状況が不安定な状況となった場合におけるユーザの許容範囲は、様々であり、例えば少々のノイズが重畳されていても受信信号の動画映像を連続して視聴することを望むユーザも存在すれば、少しでもノイズが重畳されるのであれば、前フレームの静止画映像を好むユーザも存在し、また、ノイズが重畳される際には、いわゆるブルーバック画を好むユーザも存在することが分かった。
この発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、受信状況が不安定な状況となったときに、ユーザ個々の好みに応じた視聴を可能とするデジタル放送受信装置及びこのデジタル放送受信装置が搭載された移動体を提供することを目的とする。
この発明に係るデジタル放送受信装置は、表示装置に接続して利用されるデジタル放送受信装置において、デジタル放送を受信して復調した受信信号の受信品位値を検出する受信品位値検出手段と、前記表示装置へ前記受信信号を出力するかどうかの閾値をユーザが設定可能な閾値設定手段と、前記受信品位値検出手段により検出された前記受信品位値が前記閾値を上回る値である場合には、前記受信信号を前記表示装置へ出力する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、受信品位値が閾値を上回ったときに表示装置へ受信信号を出力する前記閾値をユーザが設定可能な閾値設定手段を設けているので、ユーザの好みに応じた品位の映像を見ることができる。
この場合、さらに、予め前記閾値に応じた映像例を複数格納する映像例格納手段を有し、表示制御手段が、ユーザの閾値設定手段の操作に関連して、映像例に対応する映像信号を出力するように構成することで、その映像例をユーザが見て確認することで、ユーザの好みに応じた品位に適合する映像を出力するための閾値を容易に設定(決定)することができる。
また、表示制御手段は、閾値設定手段により設定された閾値を、受信信号の出力比率{受信信号出力時間/全受信時間}が所定比率となるように自動調整するに制御することで、受信品位値が変動した場合においても、一定の出力比率で受信信号を見ることができる。
なお、受信信号が、映像による動画信号である場合、受信信号の出力比率は、動画表示率=動画表示時間/全受信時間になる。
前記受信信号の出力比率をユーザが設定可能な受信信号表示率設定手段を備えることで、よりユーザ個々のニーズに応えることができる。
表示制御手段は、受信品位値が閾値を下回る値である場合には、受信信号を構成する静止画信号又は所定の一色からなる所定映像信号を出力するようにすることもできる。
この発明に係るデジタル放送受信装置は、移動体に搭載して使用される。すなわち、この発明に係る移動体は、前述のデジタル放送受信装置のいずれかを備える。移動体は、車両、船、水陸両用車、プレジャーボート、ヘリコプタ、飛行機等とすることができる。
この発明によれば、受信状況が不安定な状況となったとき、受信品位値が閾値を上回ったときにのみ表示装置へ受信信号を出力する前記閾値をユーザが設定可能に構成しているので、ユーザ個々の好みに応じた視聴が可能になる。
以下、この発明に係るデジタル放送受信装置及びこのデジタル放送受信装置を備える移動体について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、この実施形態に係るデジタル放送受信装置20を搭載した移動体としての車両10の概略的な平面構成図を示している。
図2は、車両10に搭載されたデジタル放送受信装置20のブロック図を示している。
デジタル放送受信装置20は、デジタル放送受信機22を有し、このデジタル放送受信機22には、地上デジタル放送受波用の複数のデジタル放送アンテナ24が接続されている。このデジタル放送アンテナ24は、図1に示すように、車両10の両リアクオーターガラスに複数配置されているが、この発明を理解する上では、繁雑となるので図2に示すように、デジタル放送アンテナ24として説明する。
図2に示すように、デジタル放送受信機22は、受信した放送波をデジタル信号の信号列(トランスポートストリーム)に復調するOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調部32と、復調された信号列の誤りを訂正して訂正後の信号列を出力するとともに、エラーなしにデータを受信できた率を表す正受信率CRを出力する誤り訂正部(受信品位置検出手段)34と、訂正後の信号列を映像音声信号に復調(復号)するMPEG復調部36と、復調された映像音声信号を処理し映像信号と音声信号を出力する映像音声処理部(表示制御手段)38を備える。
なお、誤り訂正部34は、受信品位値検出手段としても機能するが、受信品位値としては、正受信率CRの他、ビットエラーレート等の誤り率としてもよい。
MPEG復調部36には、後述する閾値THに応じた映像例を映像信号として複数格納する映像サンプルメモリ(映像例格納手段)44と、ノイズなく正しく復調されたフレームの最新映像の静止画を格納するように更新される最新映像メモリ(最新静止画格納手段)45が接続されている。映像サンプルメモリ44及び最新映像メモリ45に格納されている映像信号は、後述する所定の条件が成立したときに映像音声処理部38により読み出され、MPEG復調部36で復調され、映像音声処理部38にサンプル映像信号(動画も含まれる。)あるいは最新映像信号として供給されるようになっている。なお、映像音声処理部38は、青一色の画である、いわゆるブルバック画の映像信号を出力する機能も有する。
映像音声処理部38には、さらに、ユーザによるダイヤル操作により閾値THの設定を変更可能な閾値設定ダイヤル(閾値設定手段)46と、ユーザによりチャンネル(番組)を選択するためのチャンネル選択ボタン(番組選択手段)48と、設定された閾値THを格納する閾値格納メモリ(閾値格納手段)50が接続されている。
表示制御手段として機能する映像音声処理部38は、受信信号により復調された映像音声信号と、所定映像信号(映像サンプルメモリ44に格納されている映像例、最新映像メモリ45に格納されている最新映像あるいはブルーバック画)とを切り替えて出力する信号切替制御手段として動作する。具体的に、映像音声処理部38は、後に詳しく説明するように、誤り訂正部34により検出された正受信率CRと、閾値格納メモリ50に現在設定され格納されている閾値THを比較し、正受信率CRが閾値THを上回る値(TH>CR)である場合には、受信信号が復調された映像音声信号を出力し、閾値THを下回る値(CR<TH)である場合には、最新映像メモリ45等に格納されている所定映像信号を出力する。
映像音声処理部38から出力される映像音声信号は、車内配線60(図1参照)を通じて、映像を表示する前席側と後席側のモニタである表示装置(表示手段)40(40F、40R)と、音声を出力する前席側と後席側のスピーカ(音声出力手段)42(42FR、42FL、42RR、42RL)に供給される。
この実施形態に係るデジタル放送受信装置20を搭載した移動体としての車両10は、基本的には、以上のように構成されかつ動作するものであり、次に、デジタル放送受信装置20の詳細な動作について説明する。
図3は、デジタル放送受信機22を構成する映像音声処理部38の処理フロー(映像音声処理部38を構成するCPUが実行する、メモリに記憶されたプログラムの概要)を示している。
ステップS1において、システム電源がオン状態とされて、デジタル放送受信装置20に電源が供給されたとき、ステップS2において、最終エンジン停止時(直近エンジン停止時)に放送視聴を行っていたかどうかがフラグにより判定され、最終エンジン停止時に放送視聴を行っていた場合には、ステップS3において同じ放送番組(最終表示番組)の映像音声の出力を行う。すなわち、デジタル放送アンテナ24で受信した放送波がOFDM復調部32で復調され、復調された信号列に対して誤り訂正部34で誤り訂正され、誤り訂正後の信号列がMPEG復調部36でMPEG復調されて映像音声信号として映像音声処理部38に供給される。そして、映像音声処理部38から映像信号が表示装置40に出力されるとともに、音声信号がスピーカ42に出力されることで、表示装置40及びスピーカ42より映像と音声を視聴することができる。
ステップS2において、直近エンジン停止時に視聴を行っていなかった場合には、ユーザによる放送視聴の選択操作がなされたときに、ステップS4において、現在視聴可能な番組表(電子番組表)の一覧を表示装置40に出力する。ステップS5において、ユーザにより番組表の一覧からチャンネル選択ボタン48の操作により番組が選択された場合には、ステップS6において、選択された番組の映像信号と音声信号を表示装置40及びスピーカ42に出力する。
一方、ステップS5において、ユーザによる番組の選択がなされなかった場合には、ステップS7において、最後に(直近に)視聴された放送局の視聴番組情報が残されているかどうかを確認し、残されていた場合には、ステップS3において、その放送曲の現在の番組の映像信号と音声信号を表示装置40及びスピーカ42に出力し、残されていなかった場合には、ステップS8において、番組表の第1列目に表示されている放送局の現在の番組の映像信号と音声信号を表示装置40及びスピーカ42に出力する。
その後、ステップS9でのユーザによる閾値設定ダイヤル46の操作に基づく後述の閾値設定処理が行われ、ステップS10では、その設定閾値THに基づく後述の映像音声出力処理が行われ、ステップS11でシステム電源がオフ状態にされるまで、ステップS9、S10の処理が継続される。システム電源がオフ状態にされると、ステップS12において、映像音声出力処理が終了されて、ステップS1にもどる。
図4は、ステップS9のユーザによる閾値設定処理の詳細フローを示している。
ステップS9aにおいて、ユーザによる閾値変更のために閾値設定ダイヤル46の操作がなされたかどうかが確認され、閾値設定ダイヤル46の操作がなされた場合には、ステップS9bにおいて、その閾値調整(出力調整)を、現在の表示装置40上の映像表示(現表示番組)により行うのか、あるいは映像サンプルメモリ44に格納された、閾値THに応じたサンプル映像による表示装置40上のサンプル映像表示により行うのかの判断をユーザに求める。
現在の表示番組で行う場合には、ステップS9dにおいて、閾値設定ダイヤル46により随時調整される閾値THにより閾値格納メモリ50の閾値THが更新される。なお、閾値THの表示装置40上の表示は、正受信率CRの%表示、あるいは、(1)映像品位が落ちても、いつも受信映像を表示する、(2)映像品位が落ちてきたら早めに、受信映像に代えて、最新映像メモリ45に格納されている最新の静止画映像を表示する、(3)受信品位が落ちてきても、受信映像の内容が不明となるまでは、最新映像メモリ45に格納されている最新の静止画映像に切り替えない、(4)受信品値が落ちてきて、受信映像の内容が不明となったときに、ブルーバック画に切り替える等、ユーザが選択し易い表示とする。
一方、ステップS9bにおいて、サンプル映像表示により閾値THを調整することが選択された場合、映像サンプルメモリ44に格納されている数種類のサンプル映像が読み出され、表示装置40上に表示される。
図5は、閾値TH1(正受信率CR1)〜閾値TH4(正受信率CR4)に対応したサンプル映像201〜204の例を示している。閾値THの大小関係は、TH1>TH2>TH3>TH4であり、正受信率CRの大小関係は、CR1>CR2>CR3>CR4である。閾値THが大きいほど(正受信率CRの値が大きいほど)、ブロックノイズ出現比率の少ない映像(動画)となり、閾値THが小さいほど(正受信率CRの値が小さいほど)、ブロックノイズの出現比率の多い映像(動画)となる。
これらのサンプル映像201〜204のいずれかが、閾値設定ダイヤル46を利用して選択されとき、ステップS9dにおいて、該当する閾値THにより閾値格納メモリ50の閾値THが更新される。
図6は、ステップS9でのユーザの閾値設定ダイヤル46の操作により設定された閾値THに基づくステップS10の映像音声出力処理の詳細フローを示している。
図7は、設定閾値THに対する正受信率CRの時間的変化により変化する映像表示例の模式的説明図である。
図7の最上段の特性図は、時間軸上での正受信率CRの変化を示しており、中央段の図は、設定閾値TH1での映像表示例、下段の図は、設定閾値TH4での映像表示例をそれぞれ模式図で示している。
ステップS10aにおいて、誤り訂正部34から供給されている正受信率CRが、ユーザ設定閾値THを下回った場合には、ステップS10bにおいて、そのユーザ設定閾値THと初期設定閾値(デフォルト値)THd(TH1>THd>TH4)との大小を比較する。
ユーザ設定閾値THが初期設定閾値THdよりも低い値、例えば、図7に示すように、ユーザ設定閾値TH4であった場合には、現在の正受信率CRが初期設定閾値THdよりも低いユーザ設定閾値TH4を下回っているのであるから、これ以上の表示は困難と判断し、ステップS10cでブルーバック画を表示装置40に出力する(時点t3〜t4間の閾値TH4でのダブルハッチングで描いたブルーバック画映像表示例参照)。なお、ステップS10cでは、前フレームの静止画を出力するようにしてもよい。
一方、ステップS10bにおいて、ユーザ設定閾値THが初期設定閾値THdよりも高い値、例えば、図7に示すように、ユーザ設定閾値TH1であった場合には、ステップS10dにおいて、正受信率CRが100%でかつ直近に最新映像メモリ45に更新され格納された静止画を読み出して表示装置40に出力する(時点t2〜t5間の閾値TH1での静止画映像表示例参照)。
一方、ステップS10aにおいて、誤り訂正部34から供給されている正受信率CRが、ユーザ設定閾値THを上回って場合には、ステップS10eにおいて、正受信率CRが100[%]かどうかが判断され、正受信率CRが100[%]であった場合には、ステップS10fにおいて、最新映像メモリ45の静止画の内容をその正受信率CRが100[%]の最新映像の静止画により順次更新する。
そして、ステップS10gでは、受信信号をMPEG復調した正受信率100[%]の映像信号(動画)と音声信号を表示装置40とスピーカ42に出力する(図7において、時点t0〜t1、時点t6〜t7、時点t10〜t11の各一定期間参照)。
また、ステップS10eにおいて、正受信率CRが100[%]未満の値であった場合には、ステップS10hにおいて、ブロックノイズを含む映像信号(動画)をそのまま表示装置40に出力する。
このように、図7の閾値TH1(TH1>THd)での映像表示例を説明すれば、時点t0〜t2間では、正受信率CRが閾値TH1を上回っているので、動画「A」、動画「B」が表示され、時点t2〜t5間では、正受信率CRが閾値TH1を下回っているので、時点t1で最新映像メモリ45に格納されている直近の静止画「B」が表示される。時点t5〜t8では、正受信率CRが閾値TH1を再び上回っているので、動画「C」、動画「D」が表示され、時点t8〜t9間では、正受信率CRが閾値TH1を下回ったので、時点t7で最新映像メモリ45に格納されている直近の静止画「D」が表示される。同様に、時点t9〜t12では動画「E」、「F」が表示され、時点t12以降では時点t11で格納された直近の静止画「F」が表示される。
また、図7の閾値TH4(TH4<THd)での映像表示例を説明すれば、時点t0〜t3間では、正受信率CRが閾値TH4を上回っているので、動画「A」、動画「B」が表示されるが、時点t2以降では、正受信率CRの低下に応じてブロックノイズの多くなる動画「B」が表示される。時点t3〜t4では、正受信率CRが初期設定閾値THdよりも小さい閾値TH4を下回っているので、ブルーバック画が表示される。時点t4〜t12間では、正受信率CRが閾値TH4を上回っているので、正受信率CRに対応した動画「B」〜動画[F]が表示される。
このように図6例の処理フローに基づく、図7の表示例によれば、閾値THの基準を一定時間に対する映像情報を構成するフレーム(パケット)の正常割合を指標とした正受信率CRに設定している。
そして、正受信率CRが設定閾値THより高い場合には、良好な状態で映像(動画)を表示し続け、正受信率CRが設定閾値THより低下した場合には、一時的に映像(動画)表示を止めて、ブロックノイズ等のエラーの少ないもしくはエラーの全くない静止画を表示するようにしている。この場合、閾値THを比較的に小さい値に設定すれば、正受信率CRが悪化して映像が乱れていても映像(動画)を表示し続けることを意味し、比較的に大きい値に設定すれば、映像の乱れ始めの状態で映像(動画)を止めて高品質の静止がを表示することを意味する。
正受信率CRが高い場合には、設定閾値TH1、TH4に拘わらず、ノイズのほとんど無い映像(動画)を表示することができる。徐々に正受信率CRが低下していくにつれて、大きい閾値TH1を設定している場合の映像は早いタイミングでノイズのほとんど無い(全く無い)静止画を表示し始め、再び、正受信率CRが閾値TH1を上回るまで、静止画を表示する状況を保持する。一方、小さい閾値TH4を設定している場合の映像はある程度のノイズが発生した状況でもそのまま映像(動画)の表示を続け、閾値TH4を下回った段階で静止画の表示を行う。この静止画については、全く映像(動画)が判読不能な状態までなってしまえば、ブルーバック画表示としてもよいし、全くエラーの無い状態の静止画の更新を常に続ける最新映像メモリ45から、閾値TH4を下回った段階で最新のエラーを含まない静止画を読み出して表示するようにしてもよい。
なお、音声については、閾値THの上下に拘わらず常に出力することにしている。
このように上述した実施形態によれば、受信状況が不安定な状況となったとき、受信品位値としての正受信率CRが閾値THを上回ったときにのみ表示装置40へ受信信号を復調した映像音声信号出力する、その閾値THをユーザが外部より閾値設定ダイヤル46を操作することにより変更設定可能に構成しているので、ユーザ個々の好みに応じた視聴が可能になる。
上述した実施形態においては、ユーザが設定した閾値THは、ユーザが閾値設定ダイヤル46を操作して再設定しない限り、固定値となっている。次に、説明する他の実施形態では、閾値THを固定しないで、映像音声処理部38により、例えば映像品位として動画表示率(動画表示時間/(動画表示時間+それ以外の所定映像信号、例えば高品位の直近の静止画映像信号による静止画映像表示時間)のような指標を設定し、この指標(以下、映像品位レベルVQという。)をユーザが設定操作できるようにすることで、ユーザが好む動画表示率、通常の場合には、受信信号出力比率(復調受信信号の出力時間/全受信時間)となるように閾値THを自動的に調整することができる。
図8は、この他の実施形態に係る映像品位設定に基づく閾値自動変更の処理フローを示す。なお、この図8例において、ユーザが表示装置40上の表示を見ながら図示しない入力装置を所定操作することで、上述した閾値設定ダイヤル46の機能が、動画表示率設定ダイヤル46Aの機能に変更されているものとする。もちろん、専用の受信信号表示率設定手段としての動画表示率設定ダイヤル(品位設定ダイヤルともいう。)46Aを設けることもできる。
図8において、システム電源オンのステップS1〜S8までの処理内容、及びステップS10〜S12の処理内容は、図3の処理フローと同一であるので説明を省略する。ステップS90のユーザによる映像品位設定ステップ及びステップS21〜S24の閾値THの自動調整ステップが異なっている。
図9は、ユーザによる映像品位設定ステップS90の詳細フローを示している。
ステップS90aにおいて、ユーザによる映像品位(動画表示率)設定のために動画表示率設定ダイヤル46Aの操作がなされたかどうかが確認され、動画表示率設定ダイヤル46Aの操作がなされた場合には、ステップS90bにおいて、その品位調整(自動閾値調整)を、現在の表示装置40上の映像表示(現表示番組)により行うのか、あるいは映像サンプルメモリ44に格納された、映像品位レベルに対応した動画サンプル映像による表示装置40上の動画サンプル映像表示により行うのかの判断をユーザに求める。
現在の表示番組で行う場合には、ステップS90dにおいて、動画表示率設定ダイヤル46Aにより随時調整される映像品位レベルVQ(動画表示率)に基づいた、後述するステップS21の処理に基づく番組表示を行う。
一方、動画サンプル映像表示により映像品位レベルVQを調整することを選択した場合、映像サンプルメモリ44に格納されている数種類の動画サンプル映像が読み出され、図10に示す映像品位レベル表の動画表示率に基づいた数種類の動画サンプル映像が表示装置40上に表示される。
動画表示率とは、上述したように、動画表示率=動画表示時間/(動画表示時間+それ以外の所定映像信号による表示時間)により定義される。ここで、それ以外の所定映像信号とは、直近の静止画やブルーバック画を意味するので、動画表示率が90[%]以上の動画サンプル映像は、例えば、10秒間の動画中に、0.1秒の静止画をランダムに10回含む映像とする。同様に、動画表示率が75[%]以上の動画サンプル映像は、10秒間の動画中に、0.25秒の静止画をランダムに10回含む映像とする。動画表示率が50[%]以上の動画サンプル映像は、10秒間の動画中に0.5秒の静止画をランダムに5回含む映像とする。表示装置40上に表示されるこれら3つの映像例を見ながらユーザが許容する映像品位レベルVQ1、VQ2、VQ3のいずれかを選択する。
次いで、ステップS21において、現在設定されている閾値THでの動画表示率を算出する。図7の中段の映像表示例での動画表示率は、約40%であり、下段の映像表示例での動画表示率は、約90%である。
次に、ステップS22において、算出した動画表示率が現在設定されている映像品位レベル相当の動画表示率になっているかどうかを比較し、算出値が設定映像品位レベルの動画表示率を上回っている場合には、ステップS23において、閾値THを所定量大きい値に修正し、下回っている場合には、ステップS24において、閾値THを所定量小さい値に修正する。閾値THを修正したときには、閾値格納メモリ50に格納されている閾値THを修正閾値THに更新する。
次いで、ステップS10で、上述した閾値に基づく映像音声出力処理が行われる。
この図8例のフローに沿って閾値THを設定映像品位レベル、すなわち設定動画表示率に応じて自動修正(自動変更)するように構成することで、動画表示率を一定以上にすることができ、ユーザニーズに適合したデジタル放送番組の視聴を可能とすることができる。
上述した実施形態では、車両10に搭載されたデジタル放送受信装置20について、ユーザにより閾値THの設定や受信品位レベルの設定を閾値設定ダイヤル46又は動画表示率設定ダイヤル46Aの操作により行えるようにしているが、これらは、番組コンテンツ毎に個別に設定することも可能であり、例えばスポーツ番組等、動きの激しい映像では、手動あるいは自動で極力閾値THを下げるように設定し、動きのそれほど多くない番組コンテンツについては閾値THを上げるように設定してノイズの少ない静止画を多くするように設定するようにすることで、よりユーザニーズに適合した視聴を行うことが可能となる。
さらに、上述した実施形態においては、車両10に搭載されたデジタル放送受信装置20について説明しているが、この発明は、これに限らず、携帯向け1セグメント放送を受信して表示及び音声出力可能なデジタル放送受信機を内蔵する携帯電話等の携帯端末にも適用できることはもちろんである。
以上説明したように、上述した実施形態によれば、受信状況が不安定な状況となったとき、映像音声処理部38が、正受信率CR等の受信品位値が閾値THを上回ったときにのみ表示装置40へ復調された受信信号である映像信号出力する、その閾値THを閾値設定ダイヤル46の操作によりユーザが設定可能に構成しているので、ユーザ個々の好みに応じた視聴が可能になる。
また、受信品位値としてユーザが動画表示率設定ダイヤル46Aを操作して動画表示率を設定したときには、映像音声処理部38が、設定動画表示率となるように閾値THを自動調整しているので、ユーザ個々の好みに応じた動画視聴率での視聴が可能となる。
なお、この発明は、上述した実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…車両 20…デジタル放送受信装置
22…デジタル放送受信機 34…誤り訂正部
38…映像音声処理部 40…表示装置
44…映像サンプルメモリ 45…最新映像メモリ
46…閾値設定ダイヤル 46A…動画表示率設定ダイヤル
22…デジタル放送受信機 34…誤り訂正部
38…映像音声処理部 40…表示装置
44…映像サンプルメモリ 45…最新映像メモリ
46…閾値設定ダイヤル 46A…動画表示率設定ダイヤル
Claims (6)
- 表示装置に接続して利用されるデジタル放送受信装置において、
デジタル放送を受信して復調した受信信号の受信品位値を検出する受信品位値検出手段と、
前記表示装置へ前記受信信号を出力するかどうかの閾値をユーザが設定可能な閾値設定手段と、
前記受信品位値検出手段により検出された前記受信品位値が前記閾値を上回る値である場合には、前記受信信号を前記表示装置へ出力する表示制御手段とを
備えることを特徴とするデジタル放送受信装置。 - 請求項1記載のデジタル放送受信装置において、
さらに、予め前記閾値に応じた映像例を複数格納する映像例格納手段を有し、
前記表示制御手段は、前記ユーザの前記閾値設定手段の操作に関連して、前記映像例に対応する映像信号を出力する
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。 - 請求項1記載のデジタル放送受信装置において、
前記表示制御手段は、
前記閾値設定手段により設定された閾値を、前記受信信号の出力比率{受信信号出力時間/全受信時間}が所定比率となるように自動調整する
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。 - 請求項3記載のデジタル放送受信装置において、
さらに、前記受信信号の出力比率をユーザが設定可能な受信信号表示率設定手段を備える
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のデジタル放送受信装置において、
前記表示制御手段は、前記受信品位値が前記閾値を下回る値である場合には、前記受信信号を構成する静止画信号又は所定の一色からなる所定映像信号を出力する
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のデジタル放送受信装置が搭載された
移動体。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2014523692A (ja) * | 2011-07-06 | 2014-09-11 | エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー | 最適な表示のための、トランスコーディング検出およびコンテンツの調整 |
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-
2005
- 2005-04-13 JP JP2005115220A patent/JP2006295663A/ja active Pending
Cited By (4)
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