JP2006295530A - アンテナスイッチモジュール及びこれを用いた通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低域通過フィルタによる2倍波あるいは3倍波の減衰量の改善を図ったアンテナスイッチモジュールを提供する。
【解決手段】 周波数の異なる複数の送受信系に対応する複数の送信回路、前記送受信系に対応する複数の受信回路、及び分波器を有し、これらの少なくとも一部を積層誘電体内に電極パターンにより形成したアンテナスイッチモジュールにおいて、前記積層誘電体内に形成する送信信号入力端子に対応する電極パターンと、前記積層誘電体の表面に形成される送信端子電極とを接続する伝送線路をスルーホール電極で接続するようになし、よって、前記複数の送信回路のうち少なくとも1つを前記送信端子電極の近傍に配置したアンテナスイッチモジュール。
【選択図】 図5
【解決手段】 周波数の異なる複数の送受信系に対応する複数の送信回路、前記送受信系に対応する複数の受信回路、及び分波器を有し、これらの少なくとも一部を積層誘電体内に電極パターンにより形成したアンテナスイッチモジュールにおいて、前記積層誘電体内に形成する送信信号入力端子に対応する電極パターンと、前記積層誘電体の表面に形成される送信端子電極とを接続する伝送線路をスルーホール電極で接続するようになし、よって、前記複数の送信回路のうち少なくとも1つを前記送信端子電極の近傍に配置したアンテナスイッチモジュール。
【選択図】 図5
Description
本発明は、マイクロ波帯などの高周波帯域で用いられ、1つのアンテナで送受信系を取り扱うアンテナスイッチモジュール及びこれを用いた通信装置に関するものである。
セラミックRFデバイスは携帯電話機など高周波無線機器の小型化に大いに貢献するものとして大変注目されている。特にディジタル携帯電話などにおいては、アンテナと送信回路との接続、及びアンテナと受信回路との接続を電気的に切り換えるために、アンテナスイッチモジュールが広く用いられている。最近では、通信方式の異なる地域間においても使用可能なデュアルバンド、トリプルバンド携帯電話機が普及しており、これに対応して、アンテナスイッチモジュールも、複数の通信方式の送信回路、受信回路の切り換えが可能なものが用いられている。このようなアンテナスイッチモジュールとして、特許文献1〜3に示すようなアンテナスイッチモジュールが開示されている。
特許文献1のアンテナスイッチモジュールは、2つの通信方式に対応するデュアルバンド型のアンテナスイッチモジュールであって、アンテナと各通信方式に対応する送信回路との接続、アンテナと各通信方式に対応する受信回路との接続を切り換えるスイッチ回路としてダイオードを用いており、前記2つの通信方式の信号を分波する分波器、前記スイッチ回路、及び各送信回路に接続され、送信信号に含まれる高調波成分を除去するための低域通過フィルタの一部を積層誘電体内に一体形成し、さらに前記2つの受信回路への接続を制御する電圧端子を1つの端子で共用することにより小型・高機能化を実現している。さらに、前記積層誘電体の側面に形成された端子電極において、アンテナ端子に対して積層体を2分した反対側に、前記2つの通信方式に対応する送受信系の接続端子を形成している。アンテナスイッチモジュールはアンテナと送受信回路の間に配置されるので、このような端子配置により、アンテナとアンテナスイッチモジュール、及び送受信回路とアンテナスイッチモジュールを最短の距離で接続することができ、信号の余分な損失を防止している。
特許文献2のアンテナスイッチモジュールは、アンテナと各通信方式に対応する送信回路との接続、アンテナと各通信方式に対応する受信回路との接続を切り換える手段としてGaAs (ガリウム-砒素)スイッチ素子を用いたものであり、分波器、低域通過フィルタを多層基板内に形成し、GaAs スイッチ素子は前記多層基板の表面に形成された搭載用パッド電極を介して搭載することで小型化を実現している。また、前記パッド電極と多層基板の側面或いは裏面に形成された外部回路接続端子とを電気的に接続する配線を、多層基板内に配置された2つの接地電極に挟まれた領域に配置し、前記パッド電極と前記外部回路端子とを最短距離にて接続することで、他の回路との干渉と伝送損失の低減を実現している。
特許文献3に示すアンテナスイッチモジュールは、アンテナと各通信方式に対応する送信回路との接続、アンテナと各通信方式に対応する受信回路との接続をそれぞれの送信周波数、受信周波数に対応する通過帯域を持つSAW、FBARフィルタ等を用いている。分波器、送信、受信用フィルタ間の整合回路、低域通過フィルタを積層基板内に形成し、SAW、FBARフィルタを積層基板上に配置することで小型化を実現し、送信、受信回路の切り換え部にフィルタを用いることで、電圧制御をすることなく、回路の切り換えを可能としている。さらに、積層基板上に搭載するフィルタを、それぞれに対応する外部回路端子付近に配置することにより、フィルタと外部回路端子間の余分な伝送線路を排し、伝送損失の低減を実現している。
しかしながら、特許文献1に示すアンテナスイッチモジュールでは、携帯電話機の実装基板上におけるアンテナとアンテナスイッチモジュール、送受信回路とアンテナスイッチモジュールとを最短距離で接続できるような端子配置に考慮されているが、積層体内部における各回路の電磁的な干渉を考慮した配置方法については考慮されていない。
また、特許文献2に示すアンテナスイッチモジュールでは、GaAs スイッチ素子を上面に搭載する以上、パッド電極と外部回路端子の間にはある程度の伝送線路が必要となり、GaAsスイッチ素子に比較して積層体の面積が大きくなると、伝送線路は長くなる。また、積層体内に形成した分波器、低域通過フィルタの配置関係によっては、これら回路間で不要な結合が起こり、電気特性の劣化を引き起こす恐れがある。
特許文献3に示すアンテナスイッチモジュールについては、各送受信回路に1つずつのフィルタを使用するので、フィルタを対応する外部回路端子付近に配置しやすいが、積層体上部に搭載するSAW及びFBARフィルタは一般に高価で、コスト増を招く。
上に示した特許文献のように、多くのアンテナスイッチモジュールの送信側回路には、送信信号に含まれる2次高調波、3次高調波を抑制するための低域通過フィルタが積層体内部に形成されているが、デュアルバンド対応、トリプルバンド対応と高機能化するにつれ、積層体内により多くの回路が形成され、これらの回路の配置方法によっては不要な電磁的干渉が起こり、低域通過フィルタが十分に動作せず、送信信号の2次高調波、3次高調波を十分に抑制できなくなるという問題が生じる。
また、特許文献2に示すアンテナスイッチモジュールでは、GaAs スイッチ素子を上面に搭載する以上、パッド電極と外部回路端子の間にはある程度の伝送線路が必要となり、GaAsスイッチ素子に比較して積層体の面積が大きくなると、伝送線路は長くなる。また、積層体内に形成した分波器、低域通過フィルタの配置関係によっては、これら回路間で不要な結合が起こり、電気特性の劣化を引き起こす恐れがある。
特許文献3に示すアンテナスイッチモジュールについては、各送受信回路に1つずつのフィルタを使用するので、フィルタを対応する外部回路端子付近に配置しやすいが、積層体上部に搭載するSAW及びFBARフィルタは一般に高価で、コスト増を招く。
上に示した特許文献のように、多くのアンテナスイッチモジュールの送信側回路には、送信信号に含まれる2次高調波、3次高調波を抑制するための低域通過フィルタが積層体内部に形成されているが、デュアルバンド対応、トリプルバンド対応と高機能化するにつれ、積層体内により多くの回路が形成され、これらの回路の配置方法によっては不要な電磁的干渉が起こり、低域通過フィルタが十分に動作せず、送信信号の2次高調波、3次高調波を十分に抑制できなくなるという問題が生じる。
本発明の目的は上記のような問題を解決し、高機能化と、優れた電気的特性を有するアンテナスイッチモジュールを提供することにある。
本発明のアンテナスイッチモジュールは、周波数の異なる複数の送受信系に対応する複数の送信回路、前記送受信系に対応する複数の受信回路、及び分波器を有し、これらの少なくとも一部を積層誘電体内に電極パターンにより形成したアンテナスイッチモジュールであって、前記積層誘電体内に形成する送信信号入力端子に対応する電極パターンと、前記積層誘電体の表面に形成される送信端子電極とを接続する伝送線路をスルーホール電極で接続するように、前記複数の送信回路のうち少なくとも1つを前記送信端子電極の近傍に配置したことを特徴とするアンテナスイッチモジュールである。
このようにスルーホール電極で接続できるほど送信回路と送信端子電極を近傍に配置することにより回路間不要な干渉がなくなり、低域通過フィルタの特性劣化を防止し、優れた高調波減衰特性を得ることが可能となる。
このようにスルーホール電極で接続できるほど送信回路と送信端子電極を近傍に配置することにより回路間不要な干渉がなくなり、低域通過フィルタの特性劣化を防止し、優れた高調波減衰特性を得ることが可能となる。
本発明は、上記したアンテナスイッチモジュールを用いた通信装置である。例えば、デュアルバンド、トリプルバンド携帯電話機の送信信号の2次高調波あるいは3次高調波を抑制する手段として好適である。
本発明によれば送信回路と他の回路間との不要な干渉をなくし、低域通過フィルタの特性劣化を防止し、優れた高調波減衰特性を持つ複数の通信方式に対応した高機能なアンテナスイッチモジュールを提供することができる。
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係る第1の実施形態を図1〜図4に示す。本実施例はEGSM、DCS、PCSに対応したトリプルバンド型のアンテナスイッチモジュールで、図1は本実施例の回路ブロック図、図2は等価回路図、図3は本実施例の積層体を構成する誘電体シート及び電極パターン図、図4は積層誘電体の斜視図を示す。
本発明に係る第1の実施形態を図1〜図4に示す。本実施例はEGSM、DCS、PCSに対応したトリプルバンド型のアンテナスイッチモジュールで、図1は本実施例の回路ブロック図、図2は等価回路図、図3は本実施例の積層体を構成する誘電体シート及び電極パターン図、図4は積層誘電体の斜視図を示す。
分波器DIPは、EGSM系(送信周波数:880〜915MHz、受信周波数:925〜960MHz)の880〜960MHz帯の信号と、DCS系(送信周波数1710〜1785MHz、受信周波数1805〜1880MHz)及びPCS系(送信周波数1850〜1910MHz、受信周波数1930〜1990MHz)の1710〜1990MHz帯のアンテナからの信号を分波する。
スイッチ回路SW1は、送信時には、分波器DIPとEGSM系送信回路とを接続し、受信時には分波器DIPとEGSM系受信回路とを接続するよう切り換える。スイッチ回路SW2は、送信時には分波器DIPとDCS/PCS系送信回路とを接続し、受信時には分波器DIPとDCS/PCS系受信回路とを接続する。
スイッチ回路SW3は、スイッチ回路SW2が分波器DIPとDCS/PCS系受信回路を接続している場合に、DCS信号受信時には分波器DIPとDCS系受信回路を、PCS信号受信時には分波器DIPとPCS系受信回路を接続するよう動作する。
第一の低域通過フィルタLPF1は、EGSM側のパワーアンプから入力される送信信号に含まれる高次高調波歪みを抑制するため、EGSM送信信号を通過し、EGSM送信信号の2倍以上の周波数を持つ信号を減衰するような特性のフィルタが用いられる。同様に、第2の低域通過フィルタLPF2は、DCS及びPCS側からの送信信号に含まれる高次高調波歪みを抑制するため、DCS及びPCS送信信号の2倍以上の周波数を持つ信号を減衰するような特性のフィルタが用いられる。これにより、パワーアンプで発生され、アンテナANTから放射される高調波発生量を低減可能となる。
SAWフィルタSAW1は、EGSM系受信周波数を通過帯域とする帯域通過フィルタであり、アンテナANTより受信した受信信号の不要な周波数を有する信号を遮断する。SAWフィルタ SAW2、SAW3も同様に、それぞれDCS、PCS受信周波数を通過帯域とする帯域通過フィルタで、不要な周波数を有する信号を遮断する。また、SAW1、SAW2、SAW3はいずれも不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタであり、SAW1は、位相が180°異なる2つの信号をそれぞれ、受信端子EGSM RX1、EGSM RX2へと信号を出力する。SAW2、SAW3も同様であり、SAW2はDCS RX1、DCS RX2 へ、SAW3はPCS RX1、PCS RX2へと信号を出力する。
スイッチ回路SW1は、送信時には、分波器DIPとEGSM系送信回路とを接続し、受信時には分波器DIPとEGSM系受信回路とを接続するよう切り換える。スイッチ回路SW2は、送信時には分波器DIPとDCS/PCS系送信回路とを接続し、受信時には分波器DIPとDCS/PCS系受信回路とを接続する。
スイッチ回路SW3は、スイッチ回路SW2が分波器DIPとDCS/PCS系受信回路を接続している場合に、DCS信号受信時には分波器DIPとDCS系受信回路を、PCS信号受信時には分波器DIPとPCS系受信回路を接続するよう動作する。
第一の低域通過フィルタLPF1は、EGSM側のパワーアンプから入力される送信信号に含まれる高次高調波歪みを抑制するため、EGSM送信信号を通過し、EGSM送信信号の2倍以上の周波数を持つ信号を減衰するような特性のフィルタが用いられる。同様に、第2の低域通過フィルタLPF2は、DCS及びPCS側からの送信信号に含まれる高次高調波歪みを抑制するため、DCS及びPCS送信信号の2倍以上の周波数を持つ信号を減衰するような特性のフィルタが用いられる。これにより、パワーアンプで発生され、アンテナANTから放射される高調波発生量を低減可能となる。
SAWフィルタSAW1は、EGSM系受信周波数を通過帯域とする帯域通過フィルタであり、アンテナANTより受信した受信信号の不要な周波数を有する信号を遮断する。SAWフィルタ SAW2、SAW3も同様に、それぞれDCS、PCS受信周波数を通過帯域とする帯域通過フィルタで、不要な周波数を有する信号を遮断する。また、SAW1、SAW2、SAW3はいずれも不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタであり、SAW1は、位相が180°異なる2つの信号をそれぞれ、受信端子EGSM RX1、EGSM RX2へと信号を出力する。SAW2、SAW3も同様であり、SAW2はDCS RX1、DCS RX2 へ、SAW3はPCS RX1、PCS RX2へと信号を出力する。
図2に本実施例の等価回路を示す。
分波器DIPは伝送線路lf1〜lf3、コンデンサcf1〜cf4により構成される。伝送線路lf2及びコンデンサcf1は直列共振回路を形成し、DCS及びPCS周波数帯に共振周波数を持つよう設計することが望ましい。本実施例では共振周波数を1800MHzに合わせた。また、伝送線路lf3、コンデンサcf3は直列共振回路を形成し、EGSM周波数帯に共振周波数を持つように設計することが望ましい。本実施例では共振周波数を900MHzに合わせた。この回路により、EGSM系の信号とDCS系、PCS系の信号とを分波合成することが可能となる。伝送線路lf1はDCS系、PCS系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるよう、ある程度の長さに設定するのが好ましい。これにより、DCS系、PCS系の信号がEGSM系の回路へ伝達しにくくなる。一方、容量cf2、cf4はEGSM系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるように比較的小さい容量値に設定されているのが好ましい。これにより、EGSM系の信号がDCS系、PCS系の回路へ伝達しにくくなる。
分波器DIPは伝送線路lf1〜lf3、コンデンサcf1〜cf4により構成される。伝送線路lf2及びコンデンサcf1は直列共振回路を形成し、DCS及びPCS周波数帯に共振周波数を持つよう設計することが望ましい。本実施例では共振周波数を1800MHzに合わせた。また、伝送線路lf3、コンデンサcf3は直列共振回路を形成し、EGSM周波数帯に共振周波数を持つように設計することが望ましい。本実施例では共振周波数を900MHzに合わせた。この回路により、EGSM系の信号とDCS系、PCS系の信号とを分波合成することが可能となる。伝送線路lf1はDCS系、PCS系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるよう、ある程度の長さに設定するのが好ましい。これにより、DCS系、PCS系の信号がEGSM系の回路へ伝達しにくくなる。一方、容量cf2、cf4はEGSM系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるように比較的小さい容量値に設定されているのが好ましい。これにより、EGSM系の信号がDCS系、PCS系の回路へ伝達しにくくなる。
第1のスイッチ回路SW1は、コンデンサcg1、cg5、cg6、伝送線路lg2、lg3、PINダイオードDg1、Dg2、及び抵抗Rgにより構成される。伝送線路lg2、lg3はEGSM送信周波数帯においてλ/4共振器となるように伝送線路の長さを設定する。ただし、伝送線路lg2はEGSM送信周波数において、グランドレベルがオープン(高インピーダンス状態)に見える程度のチョークコイルを用いても良い。この場合のインダクタンス値は10〜100nH程度が望ましい。抵抗Rgはコントロール端子Vc1に電圧が印加された状態でのPINダイオードDg1、Dg2に流れる電流を決定する。本実施例では100〜200Ωを使用した。コンデンサcg1、cg5、cg6はコントロール端子の直流カットのために必要である。コントロール端子Vc1に電圧が印加された状態では、PINダイオードDg2には接続ワイヤ等の寄生インダクタンスが存在する。そのため、これを打ち消すようにコンデンサcg5と直列共振させる。コンデンサcg5の容量値は適宜設定する。以上により、コントロール端子Vc1に電圧が印加された状態では、PINダイオードDg1、Dg2は共にON状態となり、PINダイオードDg2と伝送線路lg3の接続点がグランドレベルとなり、λ/4共振器である伝送線路lg3の反対側のインピーダンスが無限大となる。従って、コントロール端子Vc1に電圧が印加された状態では、分波器DIP〜EGSM受信端子EGSM RX1、EGSM RX2間の経路では信号は伝達せず、分波器DIP〜EGSM 送信端子EGSM TX間の経路では信号が伝達し易くなる。一方、コントロール電圧Vc1に電圧が印加されていない時にはPINダイオードDg1もOFF状態となり、分波器DIP〜EGSM送信端子EGSM TX間の経路では信号が伝達せず、また、PINダイオードDg2もOFF状態であるので、分波器DIP〜EGSM受信端子EGSM RX1、EGSM RX2間の経路では信号が伝達し易くなる。以上の構成により、分波器DIPとEGSM送信回路および受信回路間の切り換えが可能となる。
第2のスイッチ回路SW2は、コンデンサcd4、伝送線路ld2、ld3、PINダイオードDd1、Dd2及び抵抗Rdにより構成される。第3のスイッチ回路SW3は、コンデンサcp1〜cp3、伝送線路lp1、lp2、PINダイオードDp1、Dp2及び抵抗Rpにより構成される。伝送線路ld2、ld3はDCS〜PCSの送信信号の周波数帯においてλ/4共振器となるように伝送線路の長さを設定する。ただし、伝送線路ld2はDCS、PCS送信周波数においてグランドレベルがオープン(高インピーダンス状態)に見える程度のチョークコイルでも代用可能である。この場合のインダクタンス値は5〜60nH程度が望ましい。抵抗Rdはコントロール端子Vc2に電圧が印加された状態でのPINダイオードDd1、Dd2に流れる電流を決定する。本実施例では100Ω〜200Ωを使用した。抵抗Rpは、コントロール端子Vc3に電圧が印加された状態でのPINダイオードDp1、Dp2に流れる電流を決定する。本実施例では100〜2000Ωを使用した。コンデンサcp1はコントロール端子の直流カットのために必要である。また、コントロール端子Vc2に電圧が印加された時にはPINダイオードDd2には接続ワイヤ等の寄生インダクタンスが存在するため、コンデンサcd4と直列共振するようにコンデンサcd4の容量値を設定する。以上により、コントロール端子Vc2に電圧が印加された状態では、PINダイオードDd1、Dd2は共にON状態となり、PINダイオードDd2と伝送線路ld3の接続点がグランドレベルとなり、λ/4共振器である伝送線路ld3の反対側のインピーダンスが無限大となる。従って、コントロール端子Vc2に電圧が印加された状態では、分波器DIPからDCS受信端子DCS RX1、DCS RX2及び、PCS受信端子PCS RX1、PCS RX2間の経路では信号が伝達せず、分波器DIPからDCS、PCS送信端子DCS/PCS TX間の経路では信号が伝達し易くなる。一方、コントロール端子Vc2に電圧が印加されていない状態では、PINダイオードDd1はOFF状態となり、分波器DIPからDCS、PCS送信端子DCS/PCS TX間の経路では信号が伝達せず、また、PINダイオードDd2もOFF状態なので分波器DIPからDCS受信端子DCS RX1、DCS RX2、及び、PCS受信端子PCS RX1、PCS RX2間の経路では信号が伝達し易くなる。
また、コントロール端子Vc3に電圧が印加されている時には、PINダイオードDp2には接続ワイヤ等の寄生インダクタンスが存在するため、コンデンサcp2と直列共振するようにコンデンサcp2の容量値を設定する。これによりコントロール端子Vc3に電圧が印加されている状態では、PINダイオードDp1、Dp2は共にON状態となり、PINダイオードDp2と伝送線路lp2の接続点がグランドレベルになり、λ/4共振器である伝送線路lp2の反対側のインピーダンスが無限大となる。従って、コントロール端子Vc3に電圧が印加された状態では、DCS受信端子DCS RX1、DCS RX2の経路へは信号が伝達せず、PCS受信端子PCS RX1、PCS RX2の経路へ信号が伝達し易くなる。逆に、コントロール端子Vc3に電圧が印加されていない状態では、PINダイオードDp1はOFF状態となり、PCS受信端子PCS RX1、PCS RX2の経路へは信号が伝達せず、また、PINダイオードDp2もOFF状態であるのでDCS受信端子DCS RX1、DCS RX2の経路へは信号が伝達し易くなる。以上の構成により、コントロール端子Vc2に電圧が印加されている状態では分波器DIPからDCS、PCS送信端子DCS/PCS TXの経路へ、コントロール端子Vc2に電圧が印加されず、Vc3に電圧が印加された状態では、分波器DIPからPCS受信端子PCS RX1、PCS RX2の経路へ、コントロール端子Vc2、Vc3いずれも電圧が印加されていない状態では、分波器DIPからDCS受信端子DCS RX1、DCS RX2の経路への切り換えが可能となる。
第1の低域通過フィルタLPF1は、伝送線路lg1、コンデンサcg2〜cg4で構成されるπ型低域通過フィルタである。伝送線路lg1とコンデンサcg2は並列共振回路を構成し、その共振周波数はEGSM送信周波数の2倍、もしくは3倍の周波数に設定する。本実施例では3倍の2700MHzに設定した。以上の構成により、パワーアンプから入力されるEGSM側の送信信号に含まれる高調波歪みを低減できる。図2において第1の低域通過フィルタLPF1は、第1の高周波スイッチSW1のPINダイオードDg1と、伝送線路lg2の間に配置しているが、これは分波器DIPと第1の高周波スイッチSW1との間に配置しても良いし、伝送線路lg2とEGSM送信端子EGSM TXとの間に配置しても良い。前記第1の低域通過フィルタLPF1のグランドに接続するコンデンサを伝送線路lg2と並列に配置すれば、並列共振回路を構成することとなり、伝送線路lg2の線路長をλ/4よりも短くすることが可能であり、また、チョークコイルのインダクタンス値を小さくすることも出来る。
第2の低域通過フィルタLPF2は、伝送線路ld1、コンデンサcd1〜cd3で構成されるπ型の低域通過フィルタである。ここで、伝送線路ld1とコンデンサcd1は並列共振回路を構成し、その共振周波数はDCS〜PCS送信周波数の2倍、もしくは3倍の周波数に設定する。本実施例では2倍の3600MHzに設定した。以上の構成により、パワーアンプから入力されるDCS、PCS側の送信信号に含まれる高調波歪みを低減できる。第2の低域通過フィルタLPF2も第1の低域通過フィルタLPF1と同様に、分波器DIPと第2の高周波スイッチSW2との間に配置しても良いし、伝送線路ld2とDCS、PCS送信端子DCS/PCS TXとの間に配置しても良い。図2の実施例では、第1、第2の低域通過フィルタLPF1、LPF2は、PINダイオードDg1と伝送線路lg2の間、及びPINダイオードDd1と伝送線路ld2との間に構成されて、スイッチ回路の中に設けられている。これは回路設計上好ましいが必須ではない。低域通過フィルタは送信信号が通過する分波器から送信端子間の経路であればどこに設けても良い。
コンデンサcg6とEGSM受信端子 EGSM RX1、EGSM RX2の間にはSAWフィルタSAW1、インダクタls1が接続されている。インダクタls1は、SAW1 の平衡出力部とEGSM受信端子 EGSM RX1、EGSM RX2との間に設けられ、EGSM RX1、EGSM RX2間に並列接続される。インダクタls1により、EGSM受信端子から見たインピーダンスの整合を最適な状態に調整することが可能となる。インダクタls1は、チップインダクタ等の外部素子を用いることで後から容易にインピーダンス整合の調整が可能となる。本実施例では10〜100nHを使用した。
PINダイオードDp2のカソード端子、伝送線路lp2、コンデンサcp3の接点とDCS受信端子DCS RX1、DCS RX2の間にはSAWフィルタSAW2、インダクタls2が接続されている。SAWフィルタSAW2は不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタで、SAWフィルタSAW2の2つの平衡出力端子とDCS受信端子DCS RX1、及びDCS RX2との間にインダクタls2が接続される。インダクタls2は、DCS受信端子DCS RX1、DCS RX2間に並列接続され、DCS受信端子から見たインピーダンスの整合を最適な状態に調整することが可能となる。インダクタls2は、チップインダクタ等の外部素子を用いることで、後から容易にインピーダンス整合の調整が可能となる。本実施例では4〜20nHを使用した。
PINダイオードDp1のカソード端子、伝送線路lp1の接点とPCS受信端子PCS RX1、PCS RX2の間にはSAWフィルタSAW3、インダクタls3が接続されている。SAWフィルタSAW3は不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタである。インダクタls3は、SAWフィルタSAW3の平衡出力部と、PCS受信端子PCS RX1、PCS RX2との間に設けられ、PCS RX1、PCS RX2間に並列接続される。インダクタls3により、PCS受信端子から見たインピーダンスの整合を最適な状態に調整することが可能となる。インダクタls3は、チップインダクタ等の外部素子を用いることで後から容易にインピーダンス整合の調整が可能となる。本実施例では4〜20nHを使用した。
PINダイオードDp1のカソード端子、伝送線路lp1の接点とPCS受信端子PCS RX1、PCS RX2の間にはSAWフィルタSAW3、インダクタls3が接続されている。SAWフィルタSAW3は不平衡入力・平衡出力型SAWフィルタである。インダクタls3は、SAWフィルタSAW3の平衡出力部と、PCS受信端子PCS RX1、PCS RX2との間に設けられ、PCS RX1、PCS RX2間に並列接続される。インダクタls3により、PCS受信端子から見たインピーダンスの整合を最適な状態に調整することが可能となる。インダクタls3は、チップインダクタ等の外部素子を用いることで後から容易にインピーダンス整合の調整が可能となる。本実施例では4〜20nHを使用した。
上述した本発明における分波器、スイッチ回路、低域通過フィルタ等を構成する伝送線路、及びコンデンサの一部を積層誘電体に内蔵し、スイッチ回路の一部を構成するPINダイオード、抵抗、コンデンサ、インダクタ等のチップ部品を誘電体積層基板上に搭載することにより、小型で安価なアンテナスイッチモジュールを得ることができる。
図3は、図2の等価回路で示されるアンテナスイッチモジュールの積層誘電体を構成するグリーンシート、及び電極パターンを示す図である。グリーンシート1〜15は上から順番に積層されている。グリーンシート16はグリーンシート15の裏面である。グリーンシート1には、PINダイオード、チップ抵抗、チップインダクタ、及びチップコンデンサを搭載するための多数のランド電極17、及びメタルシールド(金属ケース)を搭載するためのランド電極18が印刷形成されている。また、異なるグリーンシートに形成された電極パターン同士を接続するビアホール電極19(図中黒丸で表示)を形成している。
グリーンシート16にはグランド端子99、100、アンテナ端子101、EGSM送信端子102、DCS/PCS送信端子103、EGSM受信端子104、105、DCS受信端子106、107、PCS受信端子108、109、及び電源端子110〜112が形成されている。
グリーンシート6〜11には、インダクタ及び伝送線路となるライン電極パターンが印刷形成されており、グリーンシート3、4、5、12、13、14には主にコンデンサを形成するコンデンサ用の電極パターンが印刷形成されている。また、グリーンシート5、12、13、15にはグランド電極20〜23が印刷形成されている。
グリーンシート16にはグランド端子99、100、アンテナ端子101、EGSM送信端子102、DCS/PCS送信端子103、EGSM受信端子104、105、DCS受信端子106、107、PCS受信端子108、109、及び電源端子110〜112が形成されている。
グリーンシート6〜11には、インダクタ及び伝送線路となるライン電極パターンが印刷形成されており、グリーンシート3、4、5、12、13、14には主にコンデンサを形成するコンデンサ用の電極パターンが印刷形成されている。また、グリーンシート5、12、13、15にはグランド電極20〜23が印刷形成されている。
以下では、図2の等価回路との対応を説明する。図3において、24〜31、43〜46は、分波器DIPを構成する伝送線路で、24〜27でlf1、28〜31でlf2、43〜46でlf3を形成している。65〜71は、分波器DIPを構成するコンデンサ用の電極パターンに対応し、65でcf1、66〜68でcf2、69でcf3、70〜71でcf4を形成している。37〜42、82〜86は、スイッチ回路SW1を構成する伝送線路で、37〜42でlg2、82〜86でlg3を形成する。75は、スイッチ回路SW1のコンデンサ電極cg5を形成する。50〜64はスイッチ回路SW2、スイッチ回路SW3を構成する伝送線路で、50〜53でld2、54〜57でld3、58〜61でlp1、62〜64でlp2を形成している。77と80はスイッチ回路SW2、スイッチ回路SW3のコンデンサ用電極パターンに対応し、20と79でcd4、23と80でcp2、20と81でcp3を形成している。32〜36は第一の低域通過フィルタLPF1を構成する伝送線路lg1を形成する。72〜75は第一の低域通過フィルタLPF1のコンデンサ用電極パターンに対応し、72と74でcg2を、23と72でcg3を、23と73でcg4を形成している。
47〜49は、第2の低域通過フィルタLPF2の伝送線路ld1を形成している。76〜78は第2の低域通過フィルタLPF2のコンデンサ用電極パターンに対応し、76と77でcd1を、21と77でcd2を、20と76でcd3を形成する。また、スルーホール電極19は、各グリーンシート間の電気的な接続を行う。
47〜49は、第2の低域通過フィルタLPF2の伝送線路ld1を形成している。76〜78は第2の低域通過フィルタLPF2のコンデンサ用電極パターンに対応し、76と77でcd1を、21と77でcd2を、20と76でcd3を形成する。また、スルーホール電極19は、各グリーンシート間の電気的な接続を行う。
本実施例で使用したグリーンシートは、950℃以下の低温焼成が可能なセラミック誘電材料を用いており、伝送線路、コンデンサを形成し易いように、シート厚みが20〜200μmのものを使用した。このセラミックグリーンシート1〜12を積層・圧着した後、950℃で焼成することにより、アンテナスイッチモジュールの積層体が得られる。さらに図4に示すように、積層体113上面にダイオードDg1、Dg2、Dd1、Dd2、Dp1、Dp2、チップ抵抗Rg、Rd、Rp、チップインダクタLs1、Ls2、Ls3、チップコンデンサcg1、cg6、cp1、及びSAWフィルタ SAW1/SAW2(本実施例ではSAWフィルタSAW1、SAW2が1パッケージ化されたものを使用した)、SAW3を実装することにより、図2の等価回路で示されるアンテナスイッチモジュールが得られる。
さて、本発明のアンテナスイッチモジュールの特徴的な構成について以下に説明する。図5は、上記で説明してきた積層体内部の電極の配置状況を示す積層体の上面透視図である。ここで図中、点線で囲まれた領域 TX1、TX2、DIP にはそれぞれ EGSM送信回路、DCS/PCS送信回路、及び分波器を構成する電極が配置されている。そしてEGSM送信回路TX1はEGSM送信の入力端子102の近傍に配置すると共に、EGSM 送信回路の信号入力端子部にあたるlg1、lg2、cg4の接点(図3に示す電極73)をEGSM送信の入力端子102と重複する位置に配置することで、EGSM送信回路の信号入力端子部とEGSM送信端子102とはスルーホールでのみ接続することができるので余分な伝送線路を省くことができる。本実施例ではスルーホールの長さは 0.025〜0.1mm であり、EGSM 系の送信信号に対応する波長の1/4の長さ(誘電率8の誘電体積層基板中ではおよそ 30〜31mm)と比較して、無視できる程度の長さとすることができている。
次に、上記実施例によるアンテナスイッチモジュール及び比較用のアンテナスイッチモジュールを作成し、それぞれのEGSM送信モードにおける2次高調波及び3次高調波の周波数帯域における減衰量(それぞれ2倍波減衰量、3倍波減衰量という)を測定した。上記実施例と従来例のアンテナスイッチモジュールの電極配置の状況(DCS/PCS送信回路は図示せず)を図6(a)(b)に示す。
図6(a)は上記実施例によるアンテナスイッチモジュールを、図6(b)は従来の(比較用)アンテナスイッチモジュールの電極配置を示す透視図である。実施例ではEGSM送信回路TX1を積層体の周縁隅部に配置し、分波器DIPを積層素体中央部側に配置している。これによりEGSM送信回路TX1と積層体裏面に配置したEGSM送信端子102をスルーホールで直接接続することができる。このスルーホールの長さは0.05mmである。一方、従来のアンテナスイッチモジュールではこのような配慮は無く、しばしば分波器DIPを積層体周縁部に配置し、EGSM送信回路TX1を積層体中央部側に配置している。従って、EGSM送信回路TX1とEGSM送信端子102を接続するためには伝送線路が必要となり、その電極長はおよそ1.35mmである。
図6(a)は上記実施例によるアンテナスイッチモジュールを、図6(b)は従来の(比較用)アンテナスイッチモジュールの電極配置を示す透視図である。実施例ではEGSM送信回路TX1を積層体の周縁隅部に配置し、分波器DIPを積層素体中央部側に配置している。これによりEGSM送信回路TX1と積層体裏面に配置したEGSM送信端子102をスルーホールで直接接続することができる。このスルーホールの長さは0.05mmである。一方、従来のアンテナスイッチモジュールではこのような配慮は無く、しばしば分波器DIPを積層体周縁部に配置し、EGSM送信回路TX1を積層体中央部側に配置している。従って、EGSM送信回路TX1とEGSM送信端子102を接続するためには伝送線路が必要となり、その電極長はおよそ1.35mmである。
本実施例によるアンテナスイッチモジュールと従来例を専用の評価基板と測定治具に接続し、ネットワークアナライザ(アジレント・テクノロジー製 E5071B)を用いてEGSM送信モードにおける伝送特性を測定した。以上により測定した結果を表1に示す。
表1に示すように、本実施例においては、2倍波減衰量、3倍波減衰量はそれぞれ 30dB、29dBであり、従来例に対し2倍波減衰量は5dB、3倍波減衰量は10dB優れていることが確認できた。本実施例では、EGSM送信回路TX1を送信端子102の近傍に配置し、EGSM送信回路TX1の入力部と送信端子102の間を長さ0.05mm程度のスルーホールのみによって接続されているので他の回路との干渉が極めて低減されている。このことで、EGSM送信回路TX1内に構成されている低域通過フィルタが十分に機能し、2倍波、3倍波減衰量改善の効果が顕著に現れたものと考える。
以上の結果から、本実施例の構成によれば、余分な低域通過フィルタを付加することなく、十分な2倍波減衰量、3倍波減衰量の確保が可能であることが分かる。
本実施例では、EGSM送信モードにおける2倍波減衰量、3倍波減衰量の改善を行ったが、DCS送信回路、PCS送信回路においても同様に減衰量の改善が可能であることは明らかである。
本実施例では、EGSM送信モードにおける2倍波減衰量、3倍波減衰量の改善を行ったが、DCS送信回路、PCS送信回路においても同様に減衰量の改善が可能であることは明らかである。
図7に本発明の本実施例によるアンテナスイッチモジュールを用いた通信装置の構成を示す。本発明は、上述のアンテナスイッチモジュール120を、携帯電話等の通信装置に適用した例である。通信に用いる周波数バンドに対応して第1〜第3の無線回路123、124、125がアンテナスイッチモジュールに接続され、無線変復調の処理を行う。復調信号は信号処理部127により音声データに変換されスピーカ128より送出される。逆に、マイク129より入力された音声は、信号処理部127によって音声符号化され、変調部に送られる。制御部126はアンテナスイッチモジュール120、無線回路123、124、125及び信号処理部127の動作を制御する。例えば、第1の無線回路123に対応する周波数バンドで通信を行う場合には、第1の無線回路123の動作をON、第2の無線回路124、第3の無線回路125をOFFとする。同様に信号処理部127、アンテナスイッチモジュール120の該当部分を動作するよう制御する。必要な部分のみ動作するよう制御することにより、消費電流の低減と無線回路間の干渉抑圧ができる。変調部によって変調された信号は増幅器121、122により電力増幅されるが、この時必要な信号以外に2次高調波、3次高調波などの高調波が含まれる。高調波を含んだ信号はアンテナスイッチモジュール120を通過する際にアンテナスイッチモジュールに内蔵した低域通過フィルタにより高調波が抑制され、変調信号のみがアンテナより放射される。
本発明のアンテナスイッチモジュールは、上述の実施例に限定されるものではないが、携帯電話等の移動体通信装置に利用することが好適である。上述の実施例では、EGSM、DCS、PCS 対応のトリプルバンド型アンテナスイッチモジュールとしたが、デュアルバンド型、4バンド型のアンテナスイッチモジュールとしても構わない。また、上述のアンテナスイッチモジュールに限らず積層誘電体で形成され、高調波抑制のためのフィルタを含む回路素子においても本発明は有効である。
DIP:ダイプレクサ(分波器)
SW:スイッチ回路
LPF:低域通過フィルタ回路
SAW:SAWフィルタ
Cg、Cd、Cp:コンデンサ
Dg、Dd、Dp:ダイオード
SW:スイッチ回路
LPF:低域通過フィルタ回路
SAW:SAWフィルタ
Cg、Cd、Cp:コンデンサ
Dg、Dd、Dp:ダイオード
Claims (2)
- 周波数の異なる複数の送受信系に対応する複数の送信回路、前記送受信系に対応する複数の受信回路、及び分波器を有し、これらの少なくとも一部を積層誘電体内に電極パターンにより形成したアンテナスイッチモジュールにおいて、前記積層誘電体内に形成する送信信号入力端子に対応する電極パターンと、前記積層誘電体の表面に形成される送信端子電極とを接続する伝送線路をスルーホール電極で接続するように、前記複数の送信回路のうち少なくとも1つを前記送信端子電極の近傍に配置したことを特徴とするアンテナスイッチモジュール。
- 請求項1記載のアンテナスイッチモジュールを用いたことを特徴とする通信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005113297A JP2006295530A (ja) | 2005-04-11 | 2005-04-11 | アンテナスイッチモジュール及びこれを用いた通信装置 |
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CN114073010A (zh) * | 2019-07-02 | 2022-02-18 | 株式会社村田制作所 | 高频模块以及通信装置 |
-
2005
- 2005-04-11 JP JP2005113297A patent/JP2006295530A/ja active Pending
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