JP2006294637A - カード用コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】誤った操作でカードが引き抜かれたときでも故障が生じることがなく、耐久性が向上されたカード用コネクタを提供する。
【解決手段】ハウジング11には、カード挿抜方向R1,R2に沿ってスライドするハートカムブロック20が設けられており、プッシュ・プッシュ型カード排出機構が構成されている。ハートカムブロック20には、SDカード1のロック用凹所3と係合可能なロック爪部45を有するロック用弾性片40が固定されている。SDカード1とともにハートカムブロック20をカード挿入方向R1へと押し込むと、ばね部材35によってロック用弾性片40が弾性変形させられ、ロック爪部45とロック用凹所3とが係合し、その状態で、ハートカムブロック20がロックされる。SDカード1を無理に引き抜くと、ロック用弾性片40が弾性変形し、ロック爪部45とロック凹所3との係合が解除される。
【選択図】図5

Description

この発明は、SD(Secure Digital)メモリカード、マルチメディアカードおよびメモリスティックなどのメモリカードに代表されるカード(とくに集積回路内蔵カード)を電子機器(たとえば、携帯型電子機器やノート型パソコンなど)の配線基板等に電気接続するためのカード用コネクタに関する。
携帯電話機、ディジタルカメラおよびPDA(Personal Digital Assistant)に代表される携帯型電子機器には、メモリカードを装着するためのメモリスロットが設けられることが多い。このメモリスロットの内部には、メモリカードの電気接点を内部の配線基板に電気接続するためのカード用コネクタが設けられている。
カード用コネクタの先行技術は、たとえば、下記特許文献1に開示されている。この先行技術に係るカード用コネクタは、複数の端子が横並びで装着された絶縁ハウジングと、このハウジングに組み付けられたシェルカバーと、カードの挿抜に伴って挿抜方向で進退するハートカムブロックとを有し、いわゆるプッシュ・プッシュ型のカード排出機構を採用している。ハートカムブロックは、コイルばねによって、カード排出方向へと付勢されている。ハートカムブロックは、ハート形のカム溝を有していて、このカム溝に金属棒の一旦を直角に折り曲げて形成した伝達ピンが係合している。この金属棒の他端は、ハウジングに固定されている。
ハートカムブロックは、カードに挿入方向の外力を加えることによって、カードとともにハウジングの奥部へと押し込まれる。この過程で、伝達ピンの作動部は、カム溝内を移動し、カードに加える外力が解放されることにより、カム溝のロック位置に導かれる。これにより、ハートカムブロックは、ハウジング内に押し込まれた状態で保持される。
カードに対して、もう一度、挿入方向への外力を加えると、伝達ピンの作動部がカム溝内のロック位置から外れる。その後、カードに対する外力を解放すると、コイルばねからの付勢力によって、ハートカムブロックがカード抜き取り方向へと移動し、伝達ピンの作動部はカム溝内を循環する。これにより、ハートカムブロックとともに、カードがハウジング外へと押し出される。
ハートカムブロックには、メモリカードの側面に形成された凹所に係合する係合用突起が設けられている。また、ハートカムブロックには、シェルカバーおよびハウジングに形成された特殊形状のガイド溝に係合する突部が設けられている。
この構成により、ハートカムブロックが挿抜方向にスライドされるときに、ガイド溝によって突部が案内されることにより、係合用突起がメモリカードの側面に向かう方向と、メモリカードの側面から離反する方向とに変位する。すなわち、係合用突起は、ハートカムブロックがハウジングの奥部へと挿入される過程で、メモリカードの側面の凹所に係合し、ハートカムブロックがカード抜き取り方向へと移動する過程で、その凹所から退避して係合が解除されるようになっている。
特開2002−83651号公報
カードがコネクタに装着された状態では、カードの後端はカードスロットからわずかに突出している。これは、カードを取り出す際の押し込み代を確保するためである。
しかし、プッシュ・プッシュ型のカード排出機構に不慣れな使用者は、カードスロットからわずかに突出したカードの後端を摘んで、カードスロットからそのカードを引き抜こうとする場合がある。
このような場合に、上記の先行技術では、カード側面の凹所と係合用突起とが係合したままとなり、ハートカムブロックがカードとともに引き出される。このとき、伝達ピンの作動部は、ハートカムブロックに形成されたカム溝を乗り越えて移動し、その際に、カム溝を傷つける。そのため、使用者が何度も同様な操作を繰り返すと、ハートカムブロックのカム溝が破壊され、このハートカムブロックがハウジングに押し込まれた位置(カードを挿入した状態)で保持されなくなる。その結果、メモリカードをメモリスロットに装着することができなくなり、故障に至る。
そこで、この発明の目的は、誤った操作でカードが引き抜かれたときでも故障が生じることがなく、これにより、耐久性が向上されたカード用コネクタを提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、側面に係合凹所を有するカードを機器に電気接続するためのコネクタであって、カードを収容する収容空間を有し、カードの電気接点に接触する電気接点が植設されたハウジングと、このハウジングの少なくとも一部を覆うように当該ハウジングに固定された金属シェルと、上記カードがハウジング内の所定の完全挿入位置まで挿入されたときに上記カードの係合凹所に係合するロック爪部と、上記金属シェルの打ち抜き加工によって当該金属シェルと一体的に形成されており、上記ロック爪部を支持し、上記カードに対して、カード抜き取り方向への外力が加えられたときに、上記カードから上記ロック爪部に作用する力を受けて弾性変形し、上記ロック爪部と上記カードの係合凹所との係合状態を解放させる弾性片とを含むことを特徴とするカード用コネクタである。
請求項2記載の発明は、上記係合凹所は、上記ハウジングに対するカード挿抜方向にほぼ直交する係合面を有し、上記ロック爪部は、上記係合凹所の係合面に対向するロック係合辺またはロック係合面を有し、このロック係合辺またはロック係合面は、上記カードに対してカード抜き取り方向への外力が加えられ、上記カードからロック爪部に作用する外力を受けて上記弾性片が弾性変形した状態で、上記カードの側面に対して傾斜し、上記カードの係合凹所の出口縁に摺接するようになっていることを特徴とする請求項1記載のカード用コネクタである。
請求項3記載の発明は、上記ハウジングに対してカード挿抜方向に沿ってスライド可能に結合され、カードが上記ハウジングに挿入されるときに、当該カードからのカード挿入方向への力を受けてカード挿入方向にスライドして所定のロック位置でロックされ、このロック状態から上記カードがカード挿入方向に向けてさらに押し込まれることによってロック解除されるプッシュ・プッシュ型スライド部材と、このプッシュ・プッシュ型スライド部材をカード抜き取り方向に付勢する付勢手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載のカード用コネクタである。
一具体例に係るカード用コネクタは、側面に係合凹所(3)を有するカード(1)を機器に電気接続するためのコネクタ(10)であって、カードを収容する収容空間(15)を有し、カードの電気接点に接触する電気接点(13)が植設されたハウジング(11)と、上記カードがハウジング内の所定の完全挿入位置まで挿入されたときに上記カードの係合凹所に係合するロック爪部(45,65,75)と、上記ロック爪部を支持し、上記カードに対して、カード抜き取り方向への外力が加えられたときに(たとえば、使用者がカードに対して直接的にそのような外力を加えたときに)、上記カードから上記ロック爪部に作用する力を受けて弾性変形し、上記ロック爪部と上記カードの係合凹所との係合状態を解放させる弾性片(40,60,70)と、上記ハウジングに対してカード挿抜方向に沿ってスライド可能に結合され、カードが上記ハウジングに挿入されるときに、当該カードからのカード挿入方向への力を受けてカード挿入方向にスライドして所定のロック位置でロックされ、このロック状態から上記カードがカード挿入方向に向けてさらに押し込まれることによってロック解除されるプッシュ・プッシュ型スライド部材(20)と、このプッシュ・プッシュ型スライド部材をカード抜き取り方向に付勢する付勢手段(31)と、上記プッシュ・プッシュ型スライド部材がカード挿入方向にスライドするときに、上記弾性片を上記ロック爪部と上記カードの係合凹所とが係合する姿勢に導き、上記ロック解除されたプッシュ・プッシュ型スライド部材が上記付勢手段からの付勢力を受けてカード抜き取り方向にスライドするときに、上記弾性片を上記ロック爪部と上記カードの係合凹所との係合が解除される姿勢に導く弾性片駆動部材(35,68)とを含み、上記係合凹所は、上記ハウジングに対するカード挿抜方向(たとえば、カード側面に平行な方向)にほぼ直交する係合面(3a)を有し、上記ロック爪部は、上記係合凹所の係合面に対向するロック係合辺またはロック係合面(45a,65a)を有し、このロック係合辺またはロック係合面は、上記ロック爪部と上記カードの係合凹所とが係合していて上記カードに対してカード抜き取り方向への外力が加えられていない状態では、上記係合凹所の内方に向かうほど上記係合凹所の係合面に近づく姿勢である一方、上記カードに対してカード抜き取り方向への外力が加えられ、上記カードからロック爪部に作用する外力を受けて上記弾性片が弾性変形した状態では、上記カードの側面に対して傾斜し、上記係合凹所の内方に向かうほど上記係合凹所の係合面から離れる姿勢となって上記カードの係合凹所の出口縁に摺接するようになっている。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の構成によれば、カードを完全挿入位置まで挿入すると、カードの係合凹所とロック爪部とが係合し、カードの不用意な脱落が防止される。一方、ロック爪部は弾性片に支持されているので、カードの係合凹所とロック爪部とが係合している状態で、カードの抜き取りが試みられると、弾性片の弾性変形によって、ロック爪部と係合凹所との係合が解除される。したがって、ロック爪部がカードとともにカード抜き取り方向へと移動していくことがないから、ロック爪部を支持している弾性片に結合されている部品に損傷を与えることがない。よって、誤った操作でカードが引き抜かれたときでも、故障が生じることがないから、カード用コネクタの耐久性を向上できる。
上記ロック爪部は、上記弾性片とは別の部品であってもよいし、上記弾性片に一体に形成されていてもよい。すなわち、たとえば、弾性片を板ばね部材で構成する場合に、弾性片の一部からロック爪部を上記収容空間に向かって突出形成しておいてもよい。
また、弾性片の弾性変形によって、ロック爪部のロック係合辺またはロック面がカードの係合凹所の出口縁に摺接する状態とすることができるから、誤った操作でカードが抜き取られるときには、ロック爪部とカードの係合凹所との係合を確実に解除できる。
さらに、カードをカード挿入方向に押し込むことによって、プッシュ・プッシュ型スライド部材をカード挿入方向にスライドさせながら、カードを完全挿入位置に導き、その状態で、プッシュ・プッシュ型スライド部材をロック位置にロックすることができる。この状態から、さらにカードをカード挿入方向に押し込むと、プッシュ・プッシュ型スライド部材のロック状態が解除され、付勢手段の働きによって、プッシュ・プッシュ型スライド部材はカード抜き取り方向へとスライドし、それに伴って、カードがプッシュ・プッシュ型スライド部材によって、ハウジング外へと押し出される。
上記プッシュ・プッシュ型スライド部材は、ハート形のカム溝(21)が形成されたものであってもよい。この場合には、一方端に上記カム溝内を一方向に循環する作動部(33a)を有し、他方端が上記ハウジングに結合された伝達ピン(33)をさらに含むことが好ましい。
また、ハウジング側にハート形カム溝を有するカムブロックを設け、このカムブロックのカム溝に伝達ピンの作動部を係合させ、その他方端をプッシュ・プッシュ型スライド部材に結合してもよい。
いずれの場合にも、カードをカード挿入方向に押し込む正しい操作ではなく、使用者がカードに対してカード抜き取り方向の外力を直接与えてカードを無理に抜き取る操作が行われるときに、伝達ピンの作動部がカム溝内のロック位置に保持されたままで、ロック爪部とカードの係合凹所との係合が解除されるようになっていることが好ましい。
上記の構成では、さらに、弾性片駆動部材の働きによって、プッシュ・プッシュ型スライド部材がカード挿入方向にスライドするときに、ロック爪部とカードの係合凹所とが係合し、プッシュ・プッシュ型スライド部材がカード抜き取り方向にスライドするときに、ロック爪部とカードの係合凹所との係合が解除されるように、弾性片の姿勢が変化する。
一方、カードの抜き取りに際して、カードをカード挿入方向に押し込む操作ではなく、カードの後端を摘んでカード抜き取り方向に引き出す誤った操作が行われると、ロック爪部とカードの係合凹所との係合解除は、弾性片駆動部材の働きではなく、主として弾性片の弾性変形によって達成される。したがって、使用者は、ロック爪部とカードの係合凹所との係合による抵抗を感じながら、カードを抜き取ることになる。
上記弾性片駆動部材は、弾性変形可能な部材からなっていてもよい。
また、他の具体例に係るカード用コネクタは、側面に係合凹所を有するカードを機器に電気接続するためのコネクタであって、カードを収容する収容空間を有し、カードの電気接点に接触する電気接点が植設されたハウジングと、上記カードがハウジング内の所定の完全挿入位置まで挿入されたときに上記カードの係合凹所に係合するロック爪部と、上記ロック爪部を支持し、上記カードに対して、カード抜き取り方向への外力が加えられたときに、上記カードから上記ロック爪部に作用する力を受けて弾性変形し、上記ロック爪部と上記カードの係合凹所との係合状態を解放させる弾性片と、上記ハウジングに対してカード挿抜方向に沿ってスライド可能に結合され、カードが上記ハウジングに挿入されるときに、当該カードからのカード挿入方向への力を受けてカード挿入方向にスライドして所定のロック位置でロックされ、このロック状態から上記カードがカード挿入方向に向けてさらに押し込まれることによってロック解除されるプッシュ・プッシュ型スライド部材と、このプッシュ・プッシュ型スライド部材をカード抜き取り方向に付勢する付勢手段と、弾性変形可能な部材からなり、上記プッシュ・プッシュ型スライド部材がカード挿入方向にスライドするときに、上記弾性片を上記ロック爪部と上記カードの係合凹所とが係合する姿勢に導き、上記ロック解除されたプッシュ・プッシュ型スライド部材が上記付勢手段からの付勢力を受けてカード抜き取り方向にスライドするときに、上記弾性片を上記ロック爪部と上記カードの係合凹所との係合が解除される姿勢に導く弾性片駆動部材とを含む。
これらの構成によれば、カードを誤った操作でハウジングから無理に抜き取ろうとするとき、弾性片が弾性変形し、さらに、弾性片駆動部材が弾性変形する。これにより、カードの係合凹所とロック爪部との係合の解除をよりスムーズに行わせることができ、カード用コネクタの故障を効果的に防止できる。
上記弾性片は、固定された基端部を中心に揺動することができるように片持ち支持されており、上記弾性片駆動部材は、上記弾性片を上記ロック爪部と上記カードの係合凹所とが係合する姿勢とするときに、上記ロック爪部の近傍において当該ロック爪部よりも上記基端部側の位置で上記弾性片に当接する押圧部を備えていることが好ましい。
また、上記ハウジングの少なくとも一部を覆うように当該ハウジングに固定された金属シェルをさらに含み、上記弾性片駆動部材は、上記金属シェルに打ち抜き加工によって一体的に形成されたものであることが好ましい。たとえば、金属シェルを金属板を加工して作製する場合には、この金属シェルに打ち抜き加工によって形成された片持ち梁によって、弾性片駆動部材を構成することができる。
上記係合凹所は、上記ハウジングに対するカード挿抜方向にほぼ直交する係合面を有し、上記ロック爪部は、上記係合凹所の係合面に対向するロック係合辺またはロック係合面を有し、このロック係合辺またはロック係合面は、上記カードに対してカード抜き取り方向への外力が加えられ、上記カードからロック爪部に作用する外力を受けて上記弾性片が弾性変形した状態で、上記カードの側面に対して傾斜し、上記カードの係合凹所の出口縁に摺接するようになっていることが好ましい。
上記弾性片は、上記ロック爪部を、上記カードの係合凹所から離反する方向へ付勢するものであり、上記弾性片駆動部材は、上記プッシュ・プッシュ型スライド部材が上記カード挿入方向へスライドされることによって、上記弾性片を、その付勢力に抗して、上記ロック爪部が上記カードの係合凹所と係合する係合位置に導くように変形させるものであることが好ましい。
さらに他の具体例に係るカード用コネクタは、側面に係合凹所を有するカードを機器に電気接続するためのコネクタであって、カードを収容する収容空間を有し、カードの電気接点に接触する電気接点が植設されたハウジングと、上記カードがハウジング内の所定の完全挿入位置まで挿入されたときに上記カードの係合凹所に係合するロック爪部と、上記ロック爪部を支持し、上記カードに対して、カード抜き取り方向への外力が加えられたときに、上記カードから上記ロック爪部に作用する力を受けて弾性変形し、上記ロック爪部と上記カードの係合凹所との係合状態を解放させる弾性片と、上記ハウジングに対してカード挿抜方向に沿ってスライド可能に結合され、カードが上記ハウジングに挿入されるときに、当該カードからのカード挿入方向への力を受けてカード挿入方向にスライドして所定のロック位置でロックされ、このロック状態から上記カードがカード挿入方向に向けてさらに押し込まれることによってロック解除されるプッシュ・プッシュ型スライド部材と、このプッシュ・プッシュ型スライド部材をカード抜き取り方向に付勢する付勢手段と、上記プッシュ・プッシュ型スライド部材がカード挿入方向にスライドするときに、上記弾性片を上記ロック爪部と上記カードの係合凹所とが係合する姿勢に導き、上記ロック解除されたプッシュ・プッシュ型スライド部材が上記付勢手段からの付勢力を受けてカード抜き取り方向にスライドするときに、上記弾性片を上記ロック爪部と上記カードの係合凹所との係合が解除される姿勢に導く弾性片駆動部材とを含み、上記弾性片は、上記プッシュ・プッシュ型スライド部材に固定された基端部を中心に揺動するとともに、その揺動アーム部を上記収容空間へ向かって付勢する付勢力を発生するばね部材からなり、上記揺動アーム部は、ロック爪部が設けられた中間部と、この中間部からカード抜き取り方向へと延び、上記収容空間の外側へと傾斜した形状に形成された案内部とを有し、上記弾性片駆動部材は、上記揺動アーム部の上記収容空間側の表面に当接し、上記プッシュ・プッシュ型スライド部材がカード挿入方向に変位する過程で、上記揺動アーム部の上記収容空間側の表面上を摺動し、上記中間部を越えて、上記案内部側へと移動するものであることを特徴とする。
上記係合凹所は、上記ハウジングに対するカード挿抜方向にほぼ直交する係合面を有し、上記ロック爪部は、上記係合凹所の係合面に対向するロック係合辺またはロック係合面を有し、このロック係合辺またはロック係合面は、上記カードに対してカード抜き取り方向への外力が加えられ、上記カードからロック爪部に作用する外力を受けて上記弾性片が弾性変形した状態で、上記カードの側面に対して傾斜し、上記カードの係合凹所の出口縁に摺接するようになっていることが好ましい。
また、上記弾性片が上記プッシュ・プッシュ型スライド部材に取り付けられており、上記弾性片駆動部材が、上記ハウジングに対して固定されていることが好ましい。この構成によれば、プッシュ・プッシュ型スライド部材のスライドに伴って、弾性片と弾性片駆動部材との相対移動が生じるから、これを利用して、弾性片を駆動することができる。
カードを誤った操作によってハウジングから無理に抜こうとすると、カードの係合凹所からロック爪部および弾性片を介してプッシュ・プッシュ型スライド部材にカード抜き取り方向の外力が伝達されることになる。このとき、弾性片の変形によって、ロック爪部とカードの係合凹所との間の係合は、プッシュ・プッシュ型スライド部材がロック位置に保持された状態のままで、解除されることが好ましい。これにより、プッシュ・プッシュ型スライド部材をロック位置に保持する機構が破壊されることを防止できる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係るカード用コネクタの平面図であり、図2はその右側面図であり、図3は、図1の切断面線I−Iから見た断面図である。このカード用コネクタ10は、メモリカードの一例であるSDカード1を電子機器の配線基板に電気接続するためのものである。図1ないし図3などでは、カード用コネクタ10等を拡大して表してあるが、カード用コネクタ10の実際の大きさは、たとえば、縦30mm程度、横28mm程度、厚さ3mm程度である。
SDカード1は、内部にメモリIC(集積回路)を樹脂封止した薄型のメモリカードであり、平面視においてほぼ矩形に形成されていて、その前端の一方角部には、誤挿入防止用の切り欠き2が形成されている。SDカード1において、切り欠き2の後方の側面には、ロック用の凹所3が矩形に切り欠かれて形成されている。この側面とは他方の側面には、メモリの書き換えを禁止するための書き込み保護スイッチ4が設けられている。この書き込み保護スイッチ4を、SDカード1の側面に沿ってスライドさせることによって、このSDカード1を書き込み許可状態と書き込み禁止状態とに切り換えることができる。一方、SDカード1の一方表面(図1において紙面裏側の面)には、複数の信号コンタクト5が露出状態で設けられている。
カード用コネクタ10は、樹脂製のハウジング11と、この樹脂製のハウジングの上面および側面を覆う断面U字状の金属シェル12と、ハウジング11に植設された複数本の信号コンタクト13とを備えている。この複数本の信号コンタクト13は、SDカード1の信号コンタクト5にそれぞれ圧接される圧接部13aを一端に有し、電子機器の配線基板に表面半田付けされる半田付け部13bを他端に有している。
図4は、金属シェル12を取り外した状態のカード用コネクタ10を示す平面図である。ハウジング11は、平面視において、ほぼU字状に成形されていて、SDカード1が挿入される前端側に開放したカード収容空間15を形成している。すなわち、ハウジング11は、複数本の信号コンタクト13が、SDカード1の挿入方向R1およびこれとは正反対の抜き取り方向R2(両方向を総称するときには、「カード挿抜方向R1,R2」という。)に沿って互いに平行に並設された状態で植設される本体部11Aと、この本体部11Aの両側部からカード抜き取り方向R2に向かって互いに平行に突出した一対の腕部11B,11Cとを有している。この一対の腕部11B,11Cの間にSDカード1が受け入れられ、その信号コンタクト5が本体部11Aに植設された信号コンタクト13の圧接部13aに圧接されるようになっている。
以下、カード用コネクタ10については、カード抜き取り方向R2側(すなわち、SDカード1を受け入れる側)を前方とし、SDカード1については、カード挿入方向R1側(すなわち、カード用コネクタ10に対向する側)を前方として説明する。
本体部11Aの後端には、SDカード1がカード収容空間15に完全に装着されたことを検出するためのカード検出スイッチ16が固定されている。また、一方の腕部11Bの外側面に沿って、書き込み保護検出スイッチ17が固定されている。この書き込み保護検出スイッチ17とカード検出スイッチ16との間には、共通端子18が本体部11Aに固定されて設けられている。
共通端子18は、金属製の板ばね片からなり、本体部11Aの後端部付近に、配線基板に表面半田付けされる半田付け部18aを有し、さらに、カード検出スイッチ16の接点部16aよりもカード収容空間15の内方に入り込んだカード検出接点18bと、書き込み保護検出スイッチ17の接点部17aよりもカード収容空間15の内方に入り込んだ書き込み保護スイッチ検出接点18cとを有している。
カード検出スイッチ16は、金属製の板ばね片からなり、共通端子18のカード検出接点18bに臨む接点部16aと、配線基板に表面半田付けされる半田付け部16bとを有している。
書き込み保護検出スイッチ17は、共通端子18の書き込み保護スイッチ検出接点18cに臨む接点部17aを一端に有し、腕部11Bの先端付近に位置する他端には、配線基板に表面半田付けされる半田付け部17bを有している。
カード収容空間15にSDカード1を完全に挿入して装着した状態では、カード検出接点18bは、弾性変形して、カード検出スイッチ16の接点部16aに圧接される。したがって、カード検出スイッチ16と共通端子18との間の電気導通の有無を検出すれば、SDカード1が装着されているかどうかを検出できる。
一方、書き込み保護スイッチ検出接点18cは、カード収容空間15に完全に挿入された状態のSDカード1の書き込み保護スイッチ4が書き込み許可位置にあるときに、この書き込み保護スイッチ4に対向し、書き込み保護スイッチ4が書き込み禁止位置にあるときには、これに対向しないように配置されている。そのため、SDカード1がカード収容空間15に完全に挿入され、かつ、書き込み保護スイッチ4が書き込み可能位置にある場合にのみ、共通端子18の書き込み保護スイッチ検出接点18cが書き込み保護検出スイッチ17の接点部17a側へと押し出され、この接点部17aに圧接する。よって、書き込み保護検出スイッチ17と共通端子18との間の電気導通の有無を検出すれば、装着されたSDカード1が書き込み保護設定されているかどうかを検出できる。
ハウジング11の腕部11C側には、この腕部11Cに沿って、カード挿抜方向R1,R2に往復スライド移動可能なハートカムブロック20が係合している。このハートカムブロック20は、ハウジング11にカード挿抜方向R1,R2に沿って形成されたばね収容溝30に収容されたコイルばね31からのばね力を受けて、カード抜き取り方向R2に向けて付勢されている。また、ハートカムブロック20のカード抜き取り方向R2への変位は、腕部11Cの先端部に形成された抜け止め部32によって規制されるようになっている。
このハートカムブロック20は、上面(配線基板に対向する側を下面とし、その反対側の表面)にハート形のカム溝21を有している。このカム溝21と抜け止め部32との間に伝達ピン33が架け渡されている。より具体的には、伝達ピン33は、金属棒の両端部をそれぞれほぼ直角に折り曲げて、互いに平行なピンをその両端に設けたものであり、一方のピンがカム溝21内を循環移動する作動部33aとなっており、他方のピンは、抜け止め部32に形成された受け穴に、回転自在に受け入れられている。
ハートカムブロック20は、平面視において、大略的に倒立L字状に形成されていて、ハウジング11の後方側には、カード収容空間15に突出したカード受け部22を有している。このカード受け部22は、SDカード1の切り欠き2側の角部を受け止めるべく、この切り欠き2に対応した傾斜面と、SDカード1の前端面に対応してカード挿入方向R1に直交するように形成された垂直面とからなるカード受け面22aを有している。
したがって、SDカード1をカード挿入方向R1に向かって押し込むと、このSDカード1がカード受け部22によって受け止められる。SDカード1をカード収容空間15に完全に挿入するために、操作者は、コイルばね31のばね力に抗して、SDカード1をさらにカード挿入方向R1に向けて押し込む。
この過程で、伝達ピン33の作動部33aがカム溝21内を移動して、そのロック位置に導かれる。これにより、ハートカムブロック20は、SDカード1がカード挿入方向R1に完全に挿入されたときの位置(ハートカムブロックのロック位置)でロックされる。
この状態から、SDカード1を、再度、コイルばね31のばね力に抗して、若干量だけカード挿入方向R1に向かって押し込むと、伝達ピン33の作動部33aは、ロック位置を脱して、カム溝21内を移動する。これにより、コイルばね31のばね力によって、ハートカムブロック20がカード抜き取り方向R2へと押し出され、このハートカムブロック20のカード受け部22からの力を受けて、SDカード1がカード用コネクタ10外へと押し出されることになる。
ハートカムブロック20には、板ばね片からなるロック用弾性片40が固定されている。すなわち、ハートカムブロック20の後端部には、圧入溝24が形成されており、この圧入溝24にロック用弾性片40の基端部41が圧入されている。
ロック用弾性片40は、圧入溝24に固定された基端部41を中心に揺動することができるように片持ち支持されていて、基端部41と、基端部41からカード収容空間15の一方側(腕部11C側)へと向かって斜めに延びた連結部42と、外力を受けていない状態で、連結部42からカード抜き取り方向R2に沿って延びた後に、カード収容空間15から離反するように斜めに屈曲されてその方向に延び、さらに、カード収容空間15側に再び屈曲された形状の揺動アーム部43と、この揺動アーム部43の先端部43aから、折り曲げ加工によって、カード収容空間15に向かって突出した状態に形成されたロック爪部45とを有している。ハートカムブロック20には、ロック爪部45の作動空間を確保する凹所23が形成されている。
ロック爪部45は、前端がカード受け部22に当接した状態におけるSDカード1のロック用凹所3に対向する位置に配置されている。このロック爪部45は、ロック用凹所3のカード挿入方向R1下流側の内壁面3aと係合するロック係合辺45aを有している。
図5(a)(b)は、主要部の構成を拡大して示す平面図である。この図5(a)(b)および上述の図2に示されているように、金属シェル12の腕部11C側の側壁には、打ち抜き加工によって、片持ち梁状のばね部材35が、カード収容空間15の内方に向かって突出した「く」の字形状に成形されて設けられている。
図5(a)に示すように、ばね部材35は、ハートカムブロック20が抜き取り方向R2側端部に位置しているときには、その押圧部35aがロック用弾性片40の基端部41側の位置(カード挿抜方向R1,R2とほぼ平行な部分)で揺動アーム部43の表面に当接している。
一方、ハートカムブロック20がSDカード1とともにカード挿入方向R1へと押し込まれると、ばね部材35の押圧部35aとロック用弾性片40との相対位置が変動し、押圧部35aは、揺動アーム部43の表面上を摺動して案内され、SDカード1がカード収容空間15に完全に収容された状態では、図5(b)に示すように、揺動アーム部43の先端部43aの近傍においてロック爪部45よりも基端部41側の位置に達する。これにより、ロック用弾性片40は、押圧部35aからの押圧力を受けて弾性変形し、ロック爪部45がカード収容空間15内に突出するように押し出される。これにより、ロック爪部45がロック用凹所3に入り込み、そのロック係合辺45aと内壁面3aとの係合によって、SDカード1の不用意な脱落が防止される。
ロック係合辺45aは、ロック爪部45とSDカード1のロック用凹所3とが係合していてSDカード1に対してカード抜き取り方向R2への外力が加えられていない状態では、ロック用係合凹所3の内方に向かうほど当該ロック用凹所3の内壁面3aに近づく姿勢である(図5(b)参照)。
図6は、SDカード1の抜き取りに際して、操作者が、SDカード1をカード挿入方向R1に再度押し込むという正しい操作を行わずに、カード用コネクタ10から突出している後端部を摘んでカード抜き取り方向R2に無理に引き抜こうとしている状況を示す部分拡大平面図である。ロック爪部45は弾性変形可能な揺動アーム部43の先端部43aに設けられているから、SDカード1のロック用凹所3の内壁面3aからの力がロック係合辺45aに伝えられると、ロック爪部45は、ロック用弾性片40およびばね部材35を弾性変形させながら、SDカード1の上下面に沿う平面内で回転し始める。これにより、ロック係合辺45aは、ロック用凹所3の内方に向かうほど当該ロック用凹所3の内壁面3aから離れる姿勢となって当該内壁面3aの出口縁に対して傾斜状態で当接する。よって、ロック爪部45はロック用凹所3に対する強固な係合力を失い、ロック用弾性片40が結合されたハートカムブロック20のカム溝21のロック位置から伝達ピン33の作動部33aが外れるよりも前に、ロック爪部45とロック用凹所3との係合が解除される。
すなわち、ロック爪部45は、所定の力までの抜き取り力に耐えてロック用凹所3と係合し、SDカード1の不用意な抜き取りを阻止するのであるが、カム溝21のロック位置から伝達ピン33の作動部33aが外れるほどの外力が加えられたときには、そのような作動部33aの係合解除が生じることを防ぐために、ロック用凹所3との係合を解除する。これにより、伝達ピン33の作動部33aがカム溝21を破壊して移動することを防止できるから、ハートカムブロック20が破壊されることを防止でき、プッシュ・プッシュ型排出機構の耐久寿命を向上でき、さらには、カード用コネクタ10の耐久寿命を向上できる。
図7(a)は、ハート形のカム溝21の模式図であり、図7(b)はカム溝のカム面の構成を示す展開図である。カム溝21の底面は、高さの異なる複数のカム面A〜Hで構成されており、ハートカムブロック20の往復動作に伴って、伝達ピン33の作動部33aが、カム面A〜Hを図7(a)の矢印方向(図では時計回り)に循環する。
ハート形をなすカム溝21のV字形部分の底となる部分がカム溝21のロック部になっている。このロック部をなすカム面Eは、循環方向(時計回り方向)に隣接するカム面Fよりは高いが、反循環方向(反時計回り方向)に隣接するカム面Dよりも低く設定されている。
SDカード1を装着していない状態では、ハートカムブロック20はカード抜き取り方向R2側端部に位置している。このとき、伝達ピン33の作動部33aは、カム面Aに位置している。
この状態から、SDカード1をカード挿入方向R1に向けてカード収容空間15に押し込んでハートカムブロック20をカード挿入方向R1に移動させると、伝達ピン33の作動部33aは、カム面Aから、傾斜面からなるカム面Bを経て、カム面Aよりも高いカム面Cに至り、さらに、このカム面Cよりも低いカム面Dへと導かれる。その後、SDカード1に対するカード挿入方向R1への外力が解放されると、ハートカムブロック20は、コイルばね31の復元力を受けて、カード抜き取り方向R2へと移動する。このとき、カム面C,D間の段差のために、伝達ピン33の作動部33aはカム面Cへと戻ることができず、また、カム面C,D間の段差部がカム面Eへと作動部33aを案内する案内面となっていることから、この作動部33aは、カム面Eへと導かれ、V字形部分の底部に導かれて安定する。これにより、ハートカムブロック20は、伝達ピン33の作動部33aがカム面Aにあるときよりもカード挿入方向R1に押し込まれた位置でロックされることになる。
この状態から、SDカード1を抜き取るときには、操作者は、SDカード1にカード挿入方向R1への外力を加えて、ハートカムブロック20をカード挿入方向R1へ押し込む。このとき、カム面D,E間の段差のために、伝達ピン33の作動部33aは、カム面Dへと戻ることができず、カム面Eの部分の内側壁に案内されて、カム面Eよりも低いカム面Fへと導かれることになる。
その後、SDカード1に対するカード挿入方向R1への外力が解放されると、コイルばね31の復元力によってハートカムブロック20がカード抜き取り方向R2へと移動される。これに伴って、伝達ピン33の作動部33aは、カム面Fから、傾斜面からなるカム面Gを経て、カム面Aよりも高いカム面Hに至り、さらに、カム面Aへと導かれる。
次にハートカムブロック20にカード挿入方向R1への外力が加わったときには、カム面Aとカム面Hとの間の段差のために、伝達ピン33の作動部33aは、カム面Hに戻ることができず、また、その段差部がカム面Bに作動部33aを導く案内面をなしていることから、作動部33aは、カム面Bへと向かうことになる。
図2に示されているとおり、伝達ピン33の作動部33aがカム溝21から外れることを防ぐために、金属シェル12の天面壁には、打ち抜き加工によって形成された片持ち梁状の伝達ピン押さえ部材28がハートカムブロック20の上面に向かって内方に突出した状態で設けられている。この伝達ピン押さえ部材28は、弾性変形可能であり、カム面A〜Hを通る伝達ピン33の作動部33aの上下動を許容しつつ、この作動部33aをカム面A〜Hに押し付ける。
図8は、ハウジング11の腕部11Cの近傍の構成を示す部分平面図であり、図9(a)はハートカムブロックの平面図であり、図9(b)はその右側面図であり、図9(c)はその底面図であり、図9(d)はハートカムブロック20のカード挿入方向R1から見た正面図であり、図9(e)はそのカード抜き取り方向R2から見た背面図である。
ハウジング11には、ばね収容溝30がカード挿抜方向R1,R2に沿って形成されていて、ここにコイルばね31が収容されている。コイルばね31は、ばね収容溝30の底面において、カード挿抜方向R1,R2に沿って形成された突条36によって位置規制されている。このコイルばね31の前端部側は、ハートカムブロック20の底面20a側に穿設されたばね受け溝25に受け入れられるようになっていて、このばね受け溝25のカード抜き取り方向R2側の端面25aにコイルばね31の前端が当接するようになっている。
ばね受け溝25よりもカード抜き取り方向R2側には、カード挿抜方向R1,R2に沿う突条からなるキー26が形成されている。ハウジング11には、ばね収容溝30のカード抜き取り方向R2側に、ばね収容溝30と連続する案内溝37が形成されている。この案内溝37にキー26がスライド自在に係合することによって、ハートカムブロック20がカード挿抜方向R1,R2に沿ってスライド移動可能とされている。
図10(a)(b)は、この発明の第2の実施形態に係るカード用コネクタの主要部の構成を示す平面図である。この実施形態の説明では、上述の図1〜図4を再び参照することとし、図10(a)(b)において、図1〜図9に示された各部に対応する部分には、図1〜図9の場合と同一の参照符号を付して示す。
この実施形態では、ハートカムブロック20に取り付けられたロック用弾性片60は、圧入溝24に固定された基端部61を中心に揺動することができるように片持ち支持されていて、ハートカムブロック20の後端部に固定された前記基端部61と、この基端部61から腕部11Cに向かって延びた連結部62と、この連結部62から腕部11Cにほぼ沿うように延びた揺動アーム部63とを有している。この揺動アーム部63は、連結部62から斜め方向に延びた傾斜部63bと、ロック爪部65が形成された中間部63aと、この中間部63aからさらにカード抜き取り方向R2へと延びた案内部63cとを有している。案内部63cは、カード収容空間15の外側へと傾斜した形状に形成されている。
ロック爪部65は、揺動アーム部63の中間部63aから、カード収容空間15に向かって突出して形成されている。このロック爪部65は、SDカード1のロック用凹所3の内壁面3aに対向することになるロック係合辺65aをカード挿入方向R1側に有している。
ハウジング11に装着される金属シェル12の天面からは、たとえば、折り曲げ加工によって形成されたガイド部材68が垂下している。このガイド部材68は、カード収容空間15よりも腕部11C側に位置している。ロック用弾性片60は、揺動アーム部63をカード収容空間15へ向かって揺動させる付勢力を発生するばね部材であり、このような揺動アーム部63の揺動が、ガイド部材68によって規制されるようになっている。すなわち、ガイド部材68は、揺動アーム部63は、カード収容空間15側の表面に当接している。
ハートカムブロック20がカード抜き取り方向R2側の端部に位置しているとき、図10(a)に示すように、ガイド部材68は、揺動アーム部63の中間部63aよりも基端部61側の傾斜部63bに当接し、ロック爪部65をカード収容空間15から退避した位置に規制している。
この状態からSDカード1をカード挿入方向R1に向けて押し込むと、それに応じてハートカムブロック20がカード挿入方向R1に変位する。その過程で、ガイド部材68は、揺動アーム部63のカード収容空間15側の表面上を摺動し、中間部63aを越えて、先端側の案内部63c側へと移動する。中間部63aには、ロック爪部65が、たとえば、板状のロック用弾性片60の金属シェル12とは反対側(下側)の縁部からカード収容空間15側に突出するように形成されており、ガイド部材68は、このようなロック爪部65と干渉することなく、揺動アーム部63に対して相対移動できる長さ(垂下量)に形成されている。
こうして、SDカード1がカード収容空間15に完全に押し込まれたときには、図10(b)に示すように、ロック用弾性片60の復元力によって、ロック爪部65がロック用凹所3に入り込み、SDカード1の抜き取りを阻止するようになっている。
この状態から、ハートカムブロック20をカード挿入方向R1に向けて再度押し込むという正しい操作によらず、SDカード1を無理に抜き取ろうとしたときには、ロック用凹所3の内壁面3aがロック爪部65のロック係合辺65aに当接する。これにより、ロック爪部65に働く外力のために揺動アーム部63がカード収容空間15から離反するように湾曲変形し、ロック係合辺65aが内壁面3aの出口縁に傾斜して当接する状態に至る。この状態からSDカード1をさらに抜き取る操作を継続すると、ロック係合辺65aは内壁面3aの出口縁に摺接しながら、ロック用凹所3の外部へと導かれる。これにより、ハートカムブロック20を破壊することなく、SDカード1が抜き取られることになる。
むろん、ハートカムブロック20が破壊されることの無い程度の力でSDカード1がカード抜き取り方向R1に引き出そうとしても、ロック用凹所3とロック爪部65との係合により、SDカード1が抜き取られることはない。
このようにして、この実施形態の構成によっても、SDカード1が不用意に抜き取られることを防止でき、かつ、ハートカムブロック20の破壊を防止できる。
図11(a)(b)は、この発明の第3の実施形態に係るカード用コネクタの構成を説明するための平面図である。この実施形態では、金属シェル12の腕部11C側の側面部を打ち抜き加工して、ハートカムブロック20の上方の空間を通り、カード収容空間15の近傍に至るロック用弾性片70が金属シェル12と一体的に形成されている。このロック用弾性片70は、腕部11Cの内縁にほぼ平行な部分71を有し、この部分71に、カード収容空間15に向かって突出したロック爪部75が設けられている。ロック爪部75は、平面視において、カード収容空間15に向かって突出した台形形状に形成されており、カード挿入方向R1側の斜辺は、ロック用凹所3の内壁面3aの出口縁に対して傾斜したロック係合辺75aをなし、カード抜き取り方向R2側の斜辺は、ロック用凹所3のカード抜き取り方向R2側の内壁面3bの外側縁に対して傾斜した案内辺75bを成している。
SDカード1をカード挿入方向R1に向かって押し込むと、SDカード1の切り欠き2(図1参照)がロック爪部75の案内辺75bに当接し、ロック爪部75はSDカード1の側辺に摺接する状態となる。この状態から、SDカード1をハートカムブロック20とともに押し込むと、ロック用弾性片70の復元力により、ロック用凹所3にロック爪部75が嵌り込む。この状態で、ハートカムブロック20がロックされることになる。
この状態から、SDカード1をカード挿入方向R1に向かって若干量押し込むと、ハートカムブロック20のロック状態が解除され、コイルばね31によって、ハートカムブロック20がカード抜き取り方向R2へと付勢され、それに伴って、SDカード1がカード抜き取り方向R2へと付勢される。これにより、SDカード1のロック用凹所3の内壁面3aの出口縁に係合辺75aに摺接する状態に至り、コイルばね31のばね力によってSDカード1がさらにカード抜き取り方向R2へと移動することにより、ロック爪部75はロック用凹所3から脱出する。こうして、SDカード1が排出される。
一方、操作者が、SDカード1をカード挿入方向R1に向かって押し込むという正しい操作ではなく、SDカード1の後端部を掴んでカード抜き取り方向R2へと抜き取るという誤った操作を行う場合について考察する。このときには、コイルばね31からの力の代わりに、操作者が直接的に加えた外力によって、SDカード1がカード抜き取り方向R2に移動することになるが、ロック用弾性片70は、正しい動作の場合と同様に弾性変形し、ロック爪部75とロック用凹所3との係合が解除される。つまり、ハートカムブロック20のロック状態を保持したままで、ロック爪部75とロック用凹所3との係合が解除され、ハートカムブロック20が破壊されることはない。むろん、ある程度以上の外力を加えない限り、ロック爪部75とロック用凹所3との係合が保持されるから、SDカード1が不用意に脱落することはない。
以上、この発明の3つの実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、上記の実施形態では、ロック爪部が係合辺を有する例について説明したが、SDカード1のロック用凹所3の内壁面3aに係合する係合面を有するロック爪部が用いられてもよい。
また、上記の実施形態では、SDカード1のためのカード用コネクタ10を例にとったが、メモリスティック、マルチメディアカード、スマートメディア等に代表される他の種類のメモリカードのためのカード用コネクタにも、この発明を同様に適用することができる。また、メモリカード用のコネクタ以外にも、I/O機能を有する機能カードなど同じ形状の各種カード形状であれば、本発明の構成を適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この発明の第1の実施形態に係るカード用コネクタの平面図である。 図1のカード用コネクタの右側面図である。 図1の切断面線I−Iから見た断面図である。 金属シェルを取り外した状態のカード用コネクタを示す平面図である。 上記カード用コネクタの主要部の構成を拡大して示す平面図である。 SDカードの後端部を摘んで無理に引き抜こうとしている状況を示す部分拡大平面図である。 (a)はハート形のカム溝の模式図であり、(b)はカム溝のカム面の構成を示す展開図である。 ハウジングの一方の腕部の近傍の構成を示す部分平面図である。 (a)はハートカムブロックの平面図であり、(b)はその右側面図であり、(c)はその底面図であり、(d)はその正面図であり、(e)はその背面図である。 この発明の第2の実施形態に係るカード用コネクタの主要部の構成を示す平面図である。 この発明の第3の実施形態に係るカード用コネクタの構成を説明するための平面図である。
符号の説明
1 SDカード
2 切り欠き
3 ロック用凹所
3a 内壁面
3b 内壁面
4 書き込み保護スイッチ
5 信号コンタクト
10 カード用コネクタ
11 ハウジング
11A 本体部
11B 腕部
11C 腕部
12 金属シェル
13 信号コンタクト
13a 圧接部
13b 半田付け部
15 カード収容空間
16 カード検出スイッチ
16a 接点部
16b 半田付け部
17 保護検出スイッチ
17a 接点部
17b 半田付け部
18 共通端子
18a 半田付け部
18b カード検出接点
18c 保護スイッチ検出接点
20 ハートカムブロック
20a 底面
21 カム溝
22 カード受け部
22a カード受け面
23 凹所
24 圧入溝
25 ばね受け溝
25a 端面
26 キー
28 伝達ピン押さえ部材
30 ばね収容溝
31 コイルばね
32 抜け止め部
33 伝達ピン
33a 作動部
35 ばね部材
35a 押圧部
36 突条
37 案内溝
40 ロック用弾性片
41 基端部
42 連結部
43 揺動アーム部
43a 先端部
45 ロック爪部
45a ロック係合辺
60 ロック用弾性片
61 基端部
62 連結部
63 揺動アーム部
63a 中間部
63b 傾斜部
63c 案内部
65 ロック爪部
65a ロック係合辺
68 ガイド部材
70 ロック用弾性片
75 ロック爪部
75a ロック係合辺
75b 案内辺
A〜H カム面
R1 カード挿入方向
R2 カード抜き取り方向

Claims (3)

  1. 側面に係合凹所を有するカードを機器に電気接続するためのコネクタであって、
    カードを収容する収容空間を有し、カードの電気接点に接触する電気接点が植設されたハウジングと、
    このハウジングの少なくとも一部を覆うように当該ハウジングに固定された金属シェルと、
    上記カードがハウジング内の所定の完全挿入位置まで挿入されたときに上記カードの係合凹所に係合するロック爪部と、
    上記金属シェルの打ち抜き加工によって当該金属シェルと一体的に形成されており、上記ロック爪部を支持し、上記カードに対して、カード抜き取り方向への外力が加えられたときに、上記カードから上記ロック爪部に作用する力を受けて弾性変形し、上記ロック爪部と上記カードの係合凹所との係合状態を解放させる弾性片とを含むことを特徴とするカード用コネクタ。
  2. 上記係合凹所は、上記ハウジングに対するカード挿抜方向にほぼ直交する係合面を有し、
    上記ロック爪部は、上記係合凹所の係合面に対向するロック係合辺またはロック係合面を有し、
    このロック係合辺またはロック係合面は、上記カードに対してカード抜き取り方向への外力が加えられ、上記カードからロック爪部に作用する外力を受けて上記弾性片が弾性変形した状態で、上記カードの側面に対して傾斜し、上記カードの係合凹所の出口縁に摺接するようになっていることを特徴とする請求項1記載のカード用コネクタ。
  3. 上記ハウジングに対してカード挿抜方向に沿ってスライド可能に結合され、カードが上記ハウジングに挿入されるときに、当該カードからのカード挿入方向への力を受けてカード挿入方向にスライドして所定のロック位置でロックされ、このロック状態から上記カードがカード挿入方向に向けてさらに押し込まれることによってロック解除されるプッシュ・プッシュ型スライド部材と、
    このプッシュ・プッシュ型スライド部材をカード抜き取り方向に付勢する付勢手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載のカード用コネクタ。
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