JP2006294476A - 金属−黒鉛質系粒子およびその製造方法、ならびにリチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

金属−黒鉛質系粒子およびその製造方法、ならびにリチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高い放電容量を有し、初期充放電容量およびサイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を得るための負極材料の提供。
【解決手段】リチウムと合金化可能な金属粒子、平均粒径が2〜5μmで、アスペクト比が3以下である複数個の黒鉛質粒子、および炭素質材料を含有し、該金属粒子の平均粒径が該黒鉛質粒子の平均粒径の1/2以下であることを特徴とする金属−黒鉛質系粒子。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属と黒鉛質材料を含有する金属−黒鉛質系粒子ならびにリチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池に関する。
他の二次電池に比べて高電圧、高エネルギー密度という優れた特性を有するリチウムイオン二次電池は、電子機器の電源として広く普及している。近年、電子機器の小型化あるいは高性能化が急速に進み、リチウムイオン二次電池のさらなる高エネルギー密度化に対する要望はますます高まっている。
現在、リチウムイオン二次電池は、正極にLiCoO2 、負極に黒鉛を用いたものが一般的である。しかし、黒鉛負極は充放電の可逆性に優れるものの、その放電容量はすでに層間化合物LiC6 に相当する理論値372mAh/g に近い値まで到達しており、さらなる高エネルギー密度化を達成するためには、黒鉛より放電容量の大きい負極材料を開発する必要がある。
金属リチウムは負極材料として最高の放電容量を有するが、充電時にリチウムがデンドライト状に析出して負極が劣化し、充放電サイクルが短くなるという問題がある。また、デンドライト状に析出したリチウムがセパレータを貫通して正極に達し、短絡する可能性もある。
そのため、金属リチウムに代わる負極材料として、リチウムと合金を形成する金属または金属化合物が検討されてきた。これらの合金負極は、金属リチウムには及ばないものの黒鉛を遥かにしのぐ放電容量を有する。しかし、合金化に伴う体積膨張により活物質の粉化・剥離が発生し、未だ実用レベルのサイクル特性は得られていない。
特許文献1には、リチウムなどのアルカリ金属と合金を形成することが可能な物質、黒鉛材料、炭素材料からなる複合材料を、電極材料として用いることが開示されている。この複合材料において該炭素材料は、金属物質と黒鉛材料を結合または被覆する役割を担う。アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定した該炭素材料の表面のDバンド1360cm−1ピーク強度IDとGバンド1580cm−1ピーク強度IGの比ID/IG(R値)が0.4以上を示す。これは該炭素材料が黒鉛化されていないことを示している。しかし、金属粒子と黒鉛質粒子とは単純に混合されているだけであり、空隙については全く記載がない。この複合材料では粒子内部に金属の充電時の膨張を吸収するための充分な空隙を形成することができず、充放電を繰り返すと粒子の構造が破壊され、サイクル特性の低下を招く。
特許文献2には、粒子状黒鉛表面に、有機材料と金属化合物とに由来する被覆層を形成した複合炭素材料を電極として用いる技術が開示されている。この複合炭素材料において、有機材料に由来する被覆層は、黒鉛と金属の結合剤としての役割を担っている。粒子状黒鉛と金属とは単純に混合されているだけであり、空隙については記載がない。
また、特許文献3には、黒鉛粒子表面に、リチウムと合金化可能な金属をメカノケミカル処理で固定化し、さらにその表面に炭素層を形成してなる3層構造の複合炭素材料を電極として用いる技術が開示されている。この複合炭素材料において、メカノケミカル処理は、黒鉛と金属の密着性を向上させる目的で実施されている。空隙については記載がない。
しかし、上記特許文献2,3いずれに記載の複合炭素材料についても、金属の周囲に空隙が存在しないため、充電時の膨張を吸収することができず、複合構造が破壊され、充放電効率やサイクル特性が低下してしまう。
特許第3369589号公報 特開平11−279785号公報 特開2004−185975号公報
本発明者は、従来技術の金属−黒鉛質系粒子は、導電性を保ちながら、リチウムと合金を形成可能な金属の膨張をうまく吸収できないために、負極材料として用いた場合に、サイクル特性が悪くなるものと推測し、鋭意検討した結果、金属−黒鉛質系粒子の構成要素の一つである黒鉛質粒子の形状や大きさを規定することで合金形成時の金属の膨張を吸収でき、充放電を繰り返しても金属−黒鉛質系粒子の構造破壊を防止でき、導電性を維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、前記のような知見に鑑みてなされたものであり、リチウムイオン二次電池用負極として用いたときに、放電容量が高く、優れたサイクル特性と初期充放電効率が得られる負極材料とそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。また、そのような負極材料の材料として好適な黒鉛質材料を含有する金属−黒鉛質系粒子を提供することが目的である。
本発明は、リチウムと合金化可能な金属粒子、平均粒径が2〜5μm、アスペクト比が3以下である複数個の黒鉛質粒子、および炭素質材料を含有し、該金属粒子の平均粒径が該黒鉛粒子の平均粒径の1/2以下であることを特徴とする金属−黒鉛質系粒子である。
本発明の金属−黒鉛質系粒子は、前記金属−黒鉛質系粒子の空隙率の値が25〜80%であることが好ましい。
本発明の金属−黒鉛質系粒子は、前記金属粒子が前記黒鉛質粒子の表面に付着していることが好ましい。
本発明の金属−黒鉛質系粒子は、前記黒鉛質粒子がメソフェーズ小球体の黒鉛化物粒子であることが好ましい。
また、本発明は、平均粒径が2〜5μm、アスペクト比が3以下である黒鉛質粒子表面に、該黒鉛質粒子の平均粒径の1/2以下である、リチウムと合金化可能な金属粒子をメカノケミカル処理して付着させた後、該メカノケミカル処理物を造粒し、該造粒物に炭素質前駆体を含浸させ、600℃以上で熱処理して、金属−黒鉛質系粒子を製造することを特徴とする金属−黒鉛質系粒子の製造方法である。
本発明の金属−黒鉛質系粒子の製造方法は、前記熱処理が、600〜1300℃であることが好ましい。
また、本発明は、前記いずれかに記載の金属−黒鉛質系粒子であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料である。
また、本発明は、前記のいずれかに記載の金属−黒鉛質系粒子を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極である。
また、本発明は、前記記載のリチウムイオン二次電池用負極を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
本発明の金属−黒鉛質系粒子を含有する負極材料を用いて作製したリチウムイオン二次電池は、高い放電容量を有し、初期充放電容量およびサイクル特性に優れる。
そのため、本発明の負極材料を用いてなるリチウムイオン二次電池は、近年の高エネルギー密度化に対する要望を満たし、搭載する機器の小型化および高性能化に有効である。
以下、本発明をより具体的に説明する。
本発明の金属−黒鉛質系粒子は、リチウムと合金化可能な金属粒子、複数個の黒鉛質粒子、および炭素質材料からなる金属−黒鉛質系粒子(以下、複合粒子ということがある。)である。
始に本発明の金属−黒鉛質系粒子(複合粒子)の全体を説明し、次に各構成成分を説明し、最後に製造方法の一例を説明する。
(金属−黒鉛質系粒子)
本発明の複合粒子は、その粒子中に複数個の黒鉛質粒子と複数個の金属粒子とを有する。黒鉛質粒子と金属粒子については後に詳述する。複数個の黒鉛質粒子と複数個の金属粒子が存在すると、その形状に由来して複合粒子内部の粒子間に空隙が形成されやすく、この空隙を利用して金属の充電時の膨張を吸収することができる。黒鉛質粒子または金属粒子の合計の数は2以上であれば限定されないが、黒鉛質粒子が3〜4個が好ましい。金属粒子の個数は目的とする容量によって異なる。
金属粒子は複数個の黒鉛質粒子の表面に付着していることが好ましい。複合粒子中で金属粒子が複数個の黒鉛質粒子の表面に付着していることは、複合粒子の断面をEDX(Energy Dispersive Xray Spectrometer)分析することにより確認できる。
複数個の黒鉛質粒子と金属粒子の外周は後に説明する炭素質材料で覆われ、複合粒子の平均粒径は、5〜30μmであり、好ましくは平均粒径10〜20μmである。複合粒子の平均粒子径はレーザー回折式粒度分布計(セイシン社製、LS−5000)を用いて測定し、累積度数が体積分率で50%となる粒子径とした。以下、特に断らない限りは本明細書に記載の平均粒径はこの方法で測定したものを言う。
複合粒子の形状は、塊状であることが好ましい。これは複合粒子をリチウムイオン二次電池の負極材料として使用した場合、複合粒子が配向しにくく、サイクル特性が優れるからである。
複合粒子中の、リチウムと合金化可能な金属粒子、黒鉛質粒子、および炭素質材料の好ましい構成比(質量比)は、1〜20:40〜90:5〜50であり、より好ましい構成比は(質量比)5〜15:50〜80:15〜30である。
金属粒子が該範囲であれば、複合粒子の構造を制御することで膨張の吸収が可能であり、かつ充分な高容量を得ることができる。
黒鉛質粒子が該範囲であれば、充分な導電性を確保しつつ空隙を形成することが可能である。
炭素質材料が該範囲であれば、空隙による膨張吸収の効果を損うことなく、充放電効率や導電性を向上させることができる。
複合粒子の質量組成は、金属については、複合粒子を灰化したのち、発光分光法による元素分析を行って、金属としての濃度に換算した値とする。黒鉛質粒子と炭素質材料の割合は、複合粒子の断面を偏光顕微鏡を用いて倍率1000倍で撮影し、任意の粒子10個について結晶性の高低に由来する外観の相違から、被覆複合粒子内部の黒鉛質材料と炭素質材料が占める目視で測定した面積割合の平均値である。なお、黒鉛質粒子と炭素質材料が占める面積割合は、複合粒子の断面の薄片を調整して透過型電子顕微鏡を用いて観察することによって求めることもできる。黒鉛質粒子と炭素質材料の密度に大きな差異がないため、面積割合を質量割合とみなすことができる。
複合粒子の空隙率は、粒子断面の走査型電子顕微鏡観察から二次元的に空隙領域の面積割合を算出することによって求め、50個の複合粒子の断面における計測結果の平均値を採用した。なお、複合粒子の断面は、イオンミリング法などを用いることで、空隙をつぶすことなく、面出しすることができる。
(黒鉛質粒子)
黒鉛質粒子の平均粒径は2〜5μm、アスペクト比は3以下でなければならない。好ましい平均粒径は、3〜5μmであり、好ましいアスペクト比は、1.2〜2.5である。平均粒径が該範囲であると、黒鉛質粒子の粒子間接点が充分に確保され、導電性が向上する。また、アスペクト比が該範囲であれば、粒子形状が塊状であるため、得られる複合粒子の形状が塊状になりやすく、負極材料として使用したときに粒子が配向しにくく、サイクル特性が向上する。
黒鉛質粒子のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡で1000倍の写真(100個分)をとり、最長の部分の長さを長軸長さ、これに直交する方向の最短の長さを短軸長さとし、長軸長さ/短軸長さをアスペクト比とし、このアスペクト比の平均値を求めた。
黒鉛質粒子はリチウムイオンを吸蔵・放出できるものであればよく、特に限定されない。その一部または全部が黒鉛質で形成されているもの、例えば、夕―ル、ピッチ類を最終的に1500℃以上で熱処理(黒鉛化)して得られる人造黒鉛や天然黒鉛などである。具体的には、石油系または石炭系の夕―ルピッチ類などの易黒鉛化性炭素材料を、熱処理して重縮合させたメソフェーズ焼成体、メソフェーズ小球体、コークス類を1500℃以上、好ましくは2800〜3300℃で黒鉛化処理して得ることができ、メソフェーズ小球体の黒鉛化物が好ましい。また、液相、気相、固相における各種化学的処理、熱処理、酸化処理、物理的処理などを施したものであってもよく、粉砕処理を施したものであってもよい。
(リチウムと合金化可能な金属)
リチウムと合金化可能な金属は、Al、Pb、Zn、Sn、Bi、In、Mg、Ga、Cd、Ag、Si、B、Au、Pt、Pd、Sb、Ge、Niなどであり、これら金属の
2種以上の合金であってもよい。合金には、上記以外の元素をさらに含有していてもよい。また、金属の一部が酸化物、窒化物、炭化物などの化合物であってもよい。好ましい金属はSi(シリコン)およびSn(錫)であり、特に好ましいのはシリコンである。
金属の平均粒子径は黒鉛質粒子の平均粒径の1/2以下でなければならない。該範囲であれば空隙による金属の膨張吸収が可能である。
金属の形状は特に制約されない。粒状、球状、板状、鱗片状、針状、糸状などのいずれ
であってもよい。ここで、平均粒子径とはレーザー回折式粒度計で測定される累積度数が
体積分率で50%となる粒径を意味する。
また、金属は黒鉛質材料の表面に付着していることが好ましい。付着にはいかなる方法を用いてもよいが、金属粒子と黒鉛質粒子とに圧縮、剪断、衝突、摩擦などの機械的エネルギーを付与する方法、いわゆるメカノケミカル処理が好ましい。
(炭素質材料)
炭素質材料は導電性を有し、金属粒子と黒鉛質粒子とを結着するものであり、結着剤として不可欠な成分である。炭素質材料は、後述する金属粒子−黒鉛質粒子の造粒物に炭素質前駆体を含浸させた後、熱処理して得ることができる。
炭素質前駆体は、夕ールピッチ類および/または樹脂類であることが好ましい。具体的
には、石油系または石炭系の夕ールピッチ類として、コールタ―ル、タール軽油、タール
中油、タール重油、ナフタリン油、アントラセン油、コールタールピッチ、ピッチ油、メ
ソフェーズピッチ、酸素架橋石油ピッチ、ヘビーオイルなどが挙げられる。また樹脂類と
して、ポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂などが挙
げられる。
(金属−黒鉛質系粒子の製造方法)
本発明の金属−黒鉛質系粒子の製造方法は限定されないが、好ましくは、以下の工程を有する。
(1)黒鉛質粒子表面に、リチウムと合金可能な金属粒子をメカノケミカル処理して付着させる工程
(2)前記メカノケミカル処理物を樹脂などで造粒する工程および
(3)前記造粒物に炭素質前駆体を含浸させた後、熱処理する工程
以下に、工程(1)〜(3)について説明する。
<(1)黒鉛質粒子表面に、リチウムと合金可能な金属粒子をメカノケミカル処理して付着させる工程>
メカノケミカル処理は、黒鉛質粒子、金属粒子に圧縮力と剪断力を同時にかける処理を言う。剪断力や圧縮力は通常一般の攪拌力よりも大きいが、これらの機械的応力は、黒鉛質粒子の表面にかけられることが好ましく、黒鉛質粒子の粒子骨格を破壊しないことが好ましい。該骨格が破壊されると、負極材料として使用したときに、不可逆容量の増大を招く傾向がある。剪断力や圧縮力は、一般的にはメカノケミカル処理による黒鉛質粒子の平均粒子径の低下率を20%以下に抑える程度であることが好ましい。
メカノケミカル処理装置は、黒鉛質粒子と金属粒子に剪断力と圧縮力を同時にかけることができる装置であれば、装置の種類、構造は特に限定されない。例えば、加圧ニーダー、二本ロールなどの混練機、回転ボールミル、ハイブリダイゼーションシステム((株)奈良機械製作所製)などの高速衝撃式乾式複合化装置、メカノマイクロシステム((株)奈良機械製作所製)、メカノフュージョシステム(ホソカワミクロン(株))などの圧縮剪断式乾式粉体複合化装置などを使用することができる。
中でも、回転速度差を利用して剪断力と圧縮力を同時にかける装置が好ましい。具体的には、回転するドラム(回転ローター)と、該ドラムと回転速度の異なる内部部材(インナーピース)と、黒鉛質粒子と金属粒子の循環機構(例:循環用ブレード)とを有する装置(メカノフュージョシステム)を用い、回転ドラムと内部部材との間に供給された黒鉛質粒子と金属粒子に遠心力を付与しながら、内部部材により回転ドラムとの速度差に起因する剪断力と圧縮力とを同時に繰返しかけることによりメカノケミカル処理することが好ましい。
また、固定ドラム(ステーター)と、高速回転する回転ローターの間に黒鉛質粒子と金属粒子を通すことで固定ドラムと回転ローターとの速度差に起因する剪断力と圧縮力を黒鉛質材料と金属粒子に同時にかける装置(ハイブリダイゼーションシステム)も好ましい。
メカノケミカル処理の条件は、使用する装置によっても異なり一概に言えないが、例えば、メカノフュージョシステムの場合には、回転ドラムと内部部材との周速度差が5〜50m/s、両者間の距離が1〜100mm、処理時間が3〜90minであることが好ましい。また、ハイブリダイゼーションシステムの場合には、固定ドラムと回転ローターとの周速度差が10〜100m/s、処理時間が30s〜10minであることが好ましい。
<工程(2)前記メカノケミカル処理物を樹脂などで造粒する工程>
メカノケミカル処理物を樹脂溶液中に分散させ、該分散波をスプレードライなどにより
造粒物を製造することができる。樹脂は後述する熱処理工程で、分解や揮発するものが好
ましく、たとえばフェノール樹脂などである。樹脂の添加量は、メカノケミカル処理物に対して、5〜10質量%程度でよい。
この工程で、複合粒子中の黒鉛質粒子、金属粒子のそれぞれの量比、および合計量を所定の範囲とする。その方法は、スプレー噴出口のノズル径や、吐出圧を調整し、造粒物の粒径などを調整することにより、行う。
<(3)前記造粒物に炭素質前駆体を含浸させた後、熱処理する工程>
前記造粒物に炭素質前駆体を含浸させる。炭素質前駆体は溶液や溶融状態で用いてもよい。
炭素質前駆体の残炭率は通常約30〜50質量%なので、炭素質前駆体の添加量は、残炭率を考慮して、適宜調整する。
複合粒子の炭素質材料の含有量は、炭素質前駆体の残炭率、含浸量や熱処理時の温度、圧力、処理時間などで調整する。また、複合粒子の空隙率も、炭素質前駆体の残炭率、含浸量や熱処理時の温度、圧力、処理時間などで調整する。なお、複合粒子は、造粒後や熱処理後に解砕、粉砕や分級などで粒度調整しても構わない。
(負極)
本発明の負極の作製は、従来公知の負極の作製方法に拠り実施されるが、前記複合粒子と結着剤と溶媒からペースト状の負極合剤を調製し、これを集電材の片面または両面に塗布乾燥し、負極合剤層を形成する方法が好ましい。負極合剤層を形成した後、プレス加工などの圧着を行うと、負極合剤層と集電材との接着強度をさらに高めることができる。負極合剤の層厚は10〜200μm、好ましくは20〜200μmである。
負極合剤ペーストの調製は公知の攪拌機、混合機、混練機、ニーダーなどを用いて実施される。具体的には、本発明の金属−黒鉛質系粒子と、他に加えてもよい黒鉛質材料、結着剤および/または溶媒を、混合機を用いて混合して調製することができる。
結着剤としては、電解質に対して化学的安定性、電気化学的安定性を有するものが好ましく、有機溶媒に溶解および/または分散させる有機系結着剤はもちろんのこと、水系溶媒に溶解および/または分散する水系結着剤が広く挙げられる。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの樹脂、さらにはカルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンゴムなどのゴムなどが用いられるが、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、スチレンブタジエンゴムなどの水系結着剤を用いることが特に好ましい。これらを併用することもできる。結着剤は、通常、負極合剤の全量中0.5〜20質量%の割合で使用されるのが好ましい。
溶媒としては、負極合剤の調製に使用される通常の溶媒が使用されるが、溶媒自体が結着剤として使用するものが好ましく使用される。具体的には、Nーメチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、水、アルコールなどが挙げられるが、水系溶媒の使用が環境汚染、安全性の点から好ましい。
負極に用いる集電材の形状は特に限定されないが、箔状、またはメッシュ、エキスパンドメタルなどの網状のものなどが用いられる。集電材の材質としては、銅、ステンレス、ニッケルなどが挙げられる。集電材の厚さは、箔状の場合は、5〜20μmであることが好ましい。
また、本発明の金属−黒鉛質系粒子とポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの樹脂粉末を、必要ならば、他の黒鉛質材料とともに乾式混合し、通常の成形方法に準じて負極を成形することができる。例えば、金型内で該混合物をホットプレス成形して負極を成形することができる。
本発明の金属−黒鉛質系粒子を用いて負極材料・負極を作製する際に、負極材料の作製に通常使用される導電材、改質材、添加剤などを共存させてもよい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、気相成長炭素繊維、低結晶性炭素粒子またはこれらの黒鉛化物などを添加してもよい。これらの添加量は、一概に言えないが、総量として0.1〜50質量%である。
(リチウムイオン二次電池)
リチウムイオン二次電池は、通常、負極、正極および非水電解質を主たる電池構成要素として、正極および負極はそれぞれリチウムイオンの担持体であり、充電時にはリチウムイオンが負極に吸蔵され、放電時に負極から離脱する電池機構に拠っている。
本発明のリチウムイオン二次電池の構成要素は、負極材料として本発明の金属−黒鉛質系粒子を用いる以外は特に限定されない。正極、電解質、セパレータなどの他の電池構成要素については一般的なリチウムイオン二次電池の構成要素に準じる。
(正極)
正極は、例えば正極材料と結着剤と導電剤よりなる正極合剤を集電体の表面に塗布することにより形成される。正極材料(正極活物質)は、十分量のリチウムを吸蔵/離脱し得るものを選択することが好ましい。正極活物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物(V25、V613、V24、V38など)およびそのリチウム化合物などのリチウム含有化合物、一般式MxMo68−y(式中Mは少なくとも一種の遷移金属元素であり、Xは0≦X≦4、Yは0≦Y≦1の範囲の数である)で表されるシェブレル相化合物、活性炭、活性炭素繊維などを用いることができる。該リチウム含有遷移金属酸化物はリチウムと遷移金属との複合酸化物であり、リチウムと2種類以上の遷移金属を固溶したものであってもよい。
該リチウム含有遷移金属酸化物は、具体的には、LiM1 1−p2 p O2(式中M1およびM2は少なくとも一種の遷移金属元素であり、pは0≦p≦1の範囲の数である)、またはLiM1 1−q2 qO4(式中M1およびM2は少なくとも一種の遷移金属元素であり、qは0≦q≦1の範囲の数である)で示される。
M、M1およびM2で示される遷移金属は、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V、Fe、Zn、Al、In、Snなどであり、好ましいのはCo、Fe、Mn、Cr、Ti、V、Alなどである。好ましい具体例はLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiNi0.9Co0.1、LiNi0.5Mn0.52などである。
該リチウム含有遷移金属酸化物は、例えば、リチウムと、遷移金属の酸化物または塩類を出発原料として、これら出発原料を所望の金属酸化物の組成に応じて混合し、酸素雰囲気下、600〜1000℃の温度で焼成することにより得ることができる。出発原料は酸化物または塩類に限定されず、水酸化物などでもよい。
本発明では、正極活物質は、前記化合物を単独で使用しても、2種類以上併用してもよい。例えば、正極材料に炭酸リチウムなどの炭酸アルカリ塩を添加することもできる。
このような正極材料によって正極を形成するには、例えば、正極材料と結着材および電極に導電性を付与するための導電剤よりなる正極合剤を集電材の両面に塗布することで正極合剤層を形成する。結着剤としては、例えば、炭素材料、黒鉛やカーボンブラックが用いられる。
正極に用いる集電材の形状は特に限定されないが、箔状、またはメッシュ、エキスパンドメタルなどの網状のものなどが用いられる。集電材の材質としては、アルミニウム、銅、ステンレス、ニッケルなどが挙げられる。集電材の厚さは、箔状の場合は、10〜40μmであることが好ましい。
正極の場合も負極の場合と同様に、正極合剤を溶剤中に分散させることでペースト状にし、このペースト状正極合剤を集電材に塗布し乾燥することによって正極合剤層を形成してよく、正極合剤層を形成した後、さらにプレス加圧などの圧着を行っても構わない。これにより、正極合剤層が均一かつ強固に集電材に接着される。
(非水電解質)
本発明のリチウムイオン二次電池は、非水電解質として液系の電解質のほかに、固体電解質またはゲル電解質などの高分子電解質を使用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池に使用される非水電解質は、通常の非水電解液に使用される電解質塩であり、具体的には、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C65)、LiCl、LiBr、LiCF3SO3、LiCH3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LIN(CF3CH2OSO22、LIN(CF3CF3OSO22、LIN(HCF2CF2CH2OSO22、LIN[(CF32CHOSO22]、LIB[(C63)(CF324、LiAlCl4、LiSiF6などのリチウム塩が挙げられる。特にLiPF6とLiBF4が酸化安定性の点から好ましい。
非水電解質液とするための溶媒としては、通常の非水電解液の溶媒として使用されるものが挙げられる。具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート、1,1−または1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γーブトロラクトン、1.3−ジオキソフラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、アニソール、ジエチルエーテルなどのエーテル、スルホラン、メチルスルホランなどのチオエーテル、アセトニトリル、クロロニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル、ホウ酸トリメチル、ケイ酸テトラメチル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、トリメチルオルトホルメート、ニトロベンゼン、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、3−メチル−2−オキサゾリドン、エチレングリコール、サルファイト、ジメチルサルファイトなどの非プロトン性有機溶媒を用いることができる。電解液中の電解質塩の濃度は0.1〜5mol/dm3(0.1〜5mol/l)であることが好ましく、0.5〜3mol/dm3(0.5〜3mol/l)であることがより好ましい。
高分子電解質の製造方法は特に制限されないが、例えば、マトリックスを構成する高分子化合物、リチウム塩および非水溶媒(可塑剤)を混合し、加熱して高分子化合物を溶融・溶解する方法、混合用有機溶媒に、高分子化合物、リチウム化合物および非水溶媒を溶解させた後、混合用有機溶媒を蒸発させる方法、重合性モノマー、リチウム塩および非水溶媒を混合し、混合物に紫外線、電子線または分子線などを照射して重合させる方法などを挙げることができる。高分子電解質中の非水溶媒の割合は10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。10質量%未満であると導電率が低くなり、90質量%を越えると機械的強度が弱くなり、製膜しにくくなる。
該高分子電解質としては、ポリエチレンオキサイドやその架橋体などのエーテル系重合体、ポリメタクリレート系重合体、ポリアクリレート系重合体、ポリビニリデンフルオライドやビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系樹脂などを単独または混合して用いることができる。これらの中では、酸化還元安定性などの観点から、ポリビニリデンフルオライドやビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系樹脂などを用いることが好ましい。高分子ゲル電解質の場合、可塑剤である電解液中の電解質塩濃度は0.1〜5mol/dm3(0.1〜5mol/l)であることが好ましく、0.5〜2mol/dm3(0.5〜2mol/l)であることがより好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、前記金属−黒鉛質系粒子を用いることから、ゲル電解質を用いることができる。
ゲル電解質を用いたリチウムイオン二次電池は、前記金属−黒鉛質系粒子を含有する負極と、正極およびゲル電解質から構成される。例えば、負極、ゲル電解質、正極の順で積層し、電池の外装材内に収容することで構成される。なお、これに加えて、さらに負極と正極の外側にゲル電解質を配するようにしてもよい。本発明の負極材料を用いるゲル電解質のリチウムイオン二次電池では、ゲル電解質にプロピレンカーボネートを含有させることができる。一般にプロピレンカーボネートは黒鉛質材料に対して電気的分解反応が激しいが、本発明の負極材料に対しては分解反応性が低いので、第1サイクルにおける不可逆的な容量を小さく抑えることができる。
(セパレータ)
本発明のリチウムイオン二次電池においては、セパレータを使用することもできる。セパレータは特に限定されるものではないが、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜などが挙げられる。合成樹脂製微多孔膜が好ましいが、なかでもポリオレフィン系製微多孔膜が厚さ、膜強度、膜抵抗などの点から好ましい。具体的には、ポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜などである。
本発明のリチウムイオン二次電池の構造は任意であり、その形状、形態について特に限定されるものではなく、用途、搭載機器、要求される充放電容量などに応じて、円筒型、角型、コイン型、ボタン型などの中から任意に選択することができる。より安全性の高い密閉型非水電解液電池を得るためには、過充電などの異常時に電池内圧上昇を感知して電流を遮断させる手段を備えたものであることが好ましい。高分子固体電解質や高分子ゲル電解質電池の場合には、アルミラミネートフィルムに封入した構造とすることもできる。
本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、実施例および比較例では、図1に示す構成の評価用のボタン型二次電池を作製して評価した。実電池は、本発明の趣旨に基づき、公知の方法に準じて作製することができる。該評価用電池においては、作用電極を負極、対極を正極と表現した。
なお、実施例および比較例において、金属粒子、黒鉛質粒子、金属−黒鉛質系粒子の平均粒径(粒度)はレーザー回折式粒度計を用いて測定した累積度数が体積百分率で50%となる粒子径である。
(実施例1)
Si粉末(平均粒径1.0μm)とメソフェーズ小球体の黒鉛化物(粉砕品)(平均粒径:3.0μm、アスペクト比:1.5)とをメカノケミカル処理を行い、メソフェーズ小球体の黒鉛化物の表面にSi粉末が付着したものを作成した。なお、Si粒子とメソフェーズ小球体の黒鉛化物の割合は、金属−黒鉛質系粒子の状態で表1に示す割合となるように調整した。なお、正確な組成は、得られた金属−黒鉛質粒子を、前述した発光分光法分析と偏光顕微鏡観察から求めた。
次に、該メカノケミカル処理物をフェノール樹脂溶液に分散し、該分散液を約60℃の雰囲気へ噴霧し、造粒物を得た。造粒物に含まれるメソフェーズ小球体の黒鉛化物の個数は平均3.4個であった。(測定方法は、造粒物粒子断面の走査型電子顕微鏡観察から二次元的に個数を算出することによって求め、50個の造粒物粒子の断面における計測結果の平均値を採用した。)
該造粒物をコールタールピッチ溶液(溶媒:タール中油)に含浸し、1000℃で熱処理して、金属−黒鉛質系粒子を得た。炭素質材料の割合は、原料コールタールピッチの残炭率から計算し、前述した偏光顕微鏡観察から求めた。
(負極合剤ペーストの作製)
前記金属−黒鉛質系粒子90質量%と、ポリフッ化ビニリデン10質量%を、N−メチルピロリドン溶媒に入れ、ホモミキサーを用いて、2000rpmで3min間攪拌混合し、有機溶媒系負極合剤ペーストを調製した。
(作用電極の作製)
前記負極合剤ペーストを、銅箔上に均一な厚さで塗布し、真空中90℃で溶媒N−メチルピロリドンを揮発させ、乾燥した。得られた負極合剤層をハンドプレスによって加圧した。集電材銅箔と負極合剤層を直径15.5mmの円柱状に打抜いて、銅箔(厚み16μm)と該銅箔に密着した負極合剤(厚み50μm)からなる作用電極を作製した。
(対極の作製)
リチウム箔を集電材ニッケルネットに押付け、直径15.5mmの円柱状に打抜いて、ニッケルネットに密着したリチウム箔(厚み0.5μm)からなる対極を作製した。
(電解液・セパレータ)
エチレンカーボネート33vol%−メチルエチルカーボネート67vol%を混合してなる混合溶媒に、LiPF6を1mol/dm(1mol/l)となる濃度で溶解させ、非水電解液を調製した。得られた非水電解液をポリプロピレン多孔質シート(厚み20μm)に含浸させ、電解液が含浸したセパレータを作製した。
(評価電池の作製)
評価電池として、図1に示すボタン型二次電池を次の手順により作製した。
集電材7bに密着した作用電極2と集電材7aに密着した対極4との間に、電解液を含浸させたセパレータ5を挟んで、積層した。その後、作用電極2の集電材7b側が外装カップ1内に、対極4の集電材7a側から外装缶3内に収容されるように、外装カップ1と外装カップ3とを合わせた。その際、外装カップ1と外装缶3との周縁部に絶縁ガスケット6を介在させ、両周縁部をかしめて密着した。
該評価電池について、温度25℃で下記のような放電試験を行い、放電容量、初期充放電効率、サイクル特性を計算した。充放電特性(放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性)を表2に示した。
(放電容量・初期充放電効率)
0.9mAの電流値で回路電圧が0mVになるまで定電流充電を行い、回路電圧が0mV
に達した時点で定電圧充電に切換え、さらに電流値が20μAになるまで。充電を続けた。その間の通電量から充電容量を求めた。その後、120間休止した。次に、0.9mAの電流値で、回路電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行い、この間の通電量から放電容量を求めた。次式から、初期充放電効率を計算した。なお、この試験では、リチウムを黒鉛質粒子へ吸蔵する過程を充電、離脱する過程を放電とした。
初期充放電効率(%)=(第1サイクルの放電容量/第1サイクルの充電容量)
×100
(サイクル特性)
また、これらの評価試験とは別に、回路電圧が0mVに達するまで4.0mAの電流値で定電流充電を行った後、定電圧充電に切換え、電流値が20μmになるまで充電を続けた後、120min間休止した。つぎに、4.0mAの電流値で回路電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行った。この充放電を20サイクル繰返した。1サイクル目と20サイクル目における放電容量を求め、次式からサイクル特性を計算した。
サイクル特性(%)=(第20サイクルの放電容量/第1サイクルの放電容量)
×100
(実施例2、比較例1、2)
表1に示す黒鉛質粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、金属−黒鉛質粒子を製造し、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作成し、評価を行った。結果を表1、2に示す。
Figure 2006294476
Figure 2006294476
本発明の負極材料の充放電特性を評価するために使用するボタン型評価電池の構造を示す模式断面図。
符号の説明
1 外装カップ
2 作用電極
3 外装缶
4 対極
5 セパレータ
6 絶縁ガスケット
7a、7b 集電材

Claims (9)

  1. リチウムと合金化可能な金属粒子、
    平均粒径が2〜5μmで、アスペクト比が3以下である複数個の黒鉛質粒子、および
    炭素質材料を含有し、該金属粒子の平均粒径が該黒鉛質粒子の平均粒径の1/2以下であることを特徴とする金属−黒鉛質系粒子。
  2. 前記金属−黒鉛質系粒子の空隙率(%)の値が25〜80%である請求項1に記載の金属−黒鉛質系粒子。
  3. 前記金属粒子が前記黒鉛質粒子の表面に付着していることを特徴とする請求項1または
    2に記載の金属−黒鉛質系粒子。
  4. 前記黒鉛質粒子がメソフェーズ小球体の黒鉛化物粒子である請求項1〜3のいずれかに記載の金属−黒鉛質系粒子。
  5. 平均粒径が2〜5μmで、アスペクト比が3以下である黒鉛質粒子表面に、該黒鉛質粒子の平均粒径の1/2以下の平均粒径である、リチウムと合金化可能な金属粒子をメカノケミカル処理して付着させた後、
    該メカノケミカル処理物を造粒し、
    該造粒物に炭素質前駆体を含浸させ、600℃以上で熱処理して、金属−黒鉛質系粒子を製造する金属−黒鉛質系粒子の製造方法。
  6. 前記熱処理が、600〜1300℃の熱処理である請求項5に記載の金属−黒鉛質系粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の金属−黒鉛質系粒子であるリチウムイオン二次電池用負極材料。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載の金属−黒鉛質系粒子を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
  9. 請求項8に記載のリチウムイオン二次電池用負極を用いることを特徴とするリチウムイ
    オン二次電池。
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