JP2006289613A - 2光子吸収光記録材料、2光子吸収光記録媒体及びその記録再生方法、並びに2光子吸収光記録再生装置 - Google Patents

2光子吸収光記録材料、2光子吸収光記録媒体及びその記録再生方法、並びに2光子吸収光記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】2光子吸収化合物により吸収が変化する記録成分、特に発色型色素前駆体を用いた際に、高感度で、高速に発色が起きる2光子吸収光記録材料を提供する。
【解決手段】 少なくとも(1)2光子吸収化合物、(2)2光子吸収化合物の励起状態から電子移動またはエネルギー移動によって吸収スペクトルが変化する記録成分、(3)2光子吸収化合物または/および記録成分を構成する化合物へ電子を供与することのできる電子供与性化合物を含む2光子吸収光記録材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、非線形光学効果を発現する非共鳴2光子吸収材料を含有する2光子吸収光記録材料に関し、更に該材料を用いた2光子吸収光記録媒体、その媒体の記録再生方法及びその装置に関するものである。
一般に、非線形光学効果とは、印加する光電場の2乗、3乗あるいはそれ以上に比例する非線型な光学応答のことであり、印加する光電場の2乗に比例する2次の非線形光学効果としては、第二高調波発生(SHG)、光整流、フォトリフラクティブ効果、ポッケルス効果、パラメトリック増幅、パラメトリック発振、光和周波混合、光差周波混合などが知られている。また印加する光電場の3乗に比例する3次の非線形光学効果としては第三高調波発生(THG)、光カー効果、自己誘起屈折率変化、2光子吸収などが挙げられる。
これらの非線形光学効果を示す非線形光学材料としてはこれまでに多数の無機材料が見い出されてきた。ところが無機物においては、所望の非線形光学特性や、素子製造のために必要な諸物性を最適化するためのいわゆる分子設計が困難であることから実用するのは非常に困難であった。一方、有機化合物は分子設計により所望の非線形光学特性の最適化が可能であるのみならず、その他の諸物性のコントロールも可能であるため、実用の可能性が高く、有望な非線形光学材料として注目を集めている。
近年、有機化合物の非線形光学特性の中でも3次の非線形光学効果が注目されており、その中でも特に、非共鳴2光子吸収が注目を集めている。2光子吸収とは、化合物が2つの光子を同時に吸収して励起される現象であり、化合物の(線形)吸収帯が存在しないエネルギー領域で2光子の吸収が起こる場合を非共鳴2光子吸収という。なお、以下の記述において特に明記しなくても2光子吸収とは非共鳴2光子吸収を指す。
ところで、非共鳴2光子吸収の効率は印加する光電場の2乗に比例する(2光子吸収の2乗特性)。このため、2次元平面にレーザーを照射した場合においては、レーザースポットの中心部の電界強度の高い位置のみで2光子の吸収が起こり、周辺部の電界強度の弱い部分では2光子の吸収は全く起こらない。一方、3次元空間においては、レーザー光をレンズで集光した焦点の電界強度の大きな領域でのみ2光子吸収が起こり、焦点から外れた領域では電界強度が弱いために2光子吸収が全く起こらない。印加された光電場の強度に比例してすべての位置で励起が起こる線形吸収に比べて、非共鳴2光子吸収では、この2乗特性に由来して空間内部の1点のみで励起が起こるため、空間分解能が著しく向上する。
通常、非共鳴2光子吸収を誘起する場合には、化合物の(線形)吸収帯が存在する波長領域よりも長波で吸収の存在しない、近赤外領域の短パルスレーザーを用いることが多い。いわゆる透明領域の近赤外光を用いるため、励起光が吸収や散乱を受けずに試料内部まで到達でき、非共鳴2光子吸収の2乗特性のために試料内部の1点を極めて高い空間分解能で励起できる。化合物の色が変化するということはすなわち複素屈折率(n+ik)の実部である屈折率nと虚部である消衰係数kが変化することである。したがって、非共鳴2光子吸収により得た励起エネルギーを用いて3次元空間内部の任意の点で色素前駆体の発色や色素の吸収変化を誘起せしめることができれば(即ち、屈折率変化を誘起せしめることができれば)、情報を3次元空間に立体的に書き込める3次元光記録媒体や、画像を立体に表示できる3次元画像表示媒体等への応用が可能となる。
非共鳴2光子吸収化合物を用いた光情報記録媒体および画像表示媒体は、国際公開WO97/09043号公報[特許文献1]に開示されている。該公報に示された方法は、蛍光性2光子吸収色素を含む高分子組成物を記録媒体および画像表示媒体に用い、Ti:Sapphireレーザーのフェムト秒パルスをレンズで絞って該記録媒体もしくは画像表示媒体に照射すると、焦点位置付近で2光子吸収が起こり、該2光子吸収色素が光分解して蛍光強度が弱くなることを利用して、周りの非照射部分の強い蛍光強度との差を読み出すものであるが、この方法では2光子吸収色素が光分解するほどの光照射が必要となるため感度が低くなることに加え、四方八方に輻射する蛍光の強度の強弱を読み出すため、記録部と非記録部のコントラストが低くなるという問題点がある。
一方、S.Kawata et al.,Chem.Rev.2000年,100巻,1777頁[非特許文献1]には、フォトクロミック色素の2光子フォトクロミズムを利用して吸収の変化を誘起することで情報を記録する光記録媒体の例が報告されているが、該記録媒体に用いられているフォトクロミック色素の2光子吸収断面積が小さいため、極めて感度の低い記録媒体しか得られていない。
特開2005−15699号公報には、2光子吸収断面積が大きい2光子吸収化合物を用いた光感応性高分子組成物が記載されているが、さらなる改良が望まれている。
国際公開第97/09043号パンフレット 特開2005−15699号公報 S.Kawata et al.,Chem.Rev.2000年,100巻,1777頁
本発明の課題は2光子吸収化合物により吸収が変化する記録成分、特に発色型色素前駆体を用いた際に、高感度で、高速に発色が起きる2光子吸収光記録材料、更に該材料を用いた2光子吸収光記録媒体、その媒体の記録再生方法及びその装置を提供する。
前記の課題は下記の手段により達成された。
(1) 少なくとも(1)2光子吸収化合物、(2)2光子吸収化合物の励起状態から電子移動またはエネルギー移動によって吸収スペクトルが変化する記録成分、(3)2光子吸収化合物または/および記録成分を構成する化合物へ電子を供与することのできる電子供与性化合物を含むことを特徴とする2光子吸収光記録材料。
(2) 該電子供与性化合物の酸化電位が該2光子吸収化合物の酸化電位よりも卑であることを特徴とする(1)に記載の2光子吸収光記録材料。
(3) 該電子供与性化合物の酸化電位が、該2光子吸収化合物の光励起状態の酸化電位よりも卑であることを特徴とする(1)または(2)に記載の2光子吸収光記録材料。
(4) 該電子供与性化合物の酸化電位が標準カロメロ電極(SCE)の電位に換算して+0.4Vよりも貴でかつ、+1.0Vよりも卑であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
(5) 該電子供与性化合物がアルキルアミン類、アニリン類、フェニレンジアミン類、トリフェニルアミン類、カルバゾール類、フェノチアジン類、フェノキサジン類、フェナジン類、ハイドロキノン類、カテコール類、アルコキシベンゼン類、アミノフェノール類、イミダゾール類、ピリジン類、メタロセン類、金属錯体類、半導体微粒子のいずれかであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
(6) 該電子供与性化合物がアニリン類、トリフェニルアミン類、フェノチアジン類、フェノキサジン類、フェナジン類のいずれかであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
(7) 該電子供与性化合物が2光子吸収化合物と共有結合によって結合した構造を有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
(8) 該電子供与性化合物が主鎖または側鎖に共有結合を介して結合した高分子化合物を含むことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
(9) 該電子供与性化合物が下記一般式(1−1)、(1−2)、または(1−3)で表されることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
Figure 2006289613
一般式(1−1)において、X1は−S−,−O−、−NR10−または−CR1112−のいずれかを表す。R1、R10はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R2、R3はそれぞれ独立に置換基を表し、R11、R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。a2、a3はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、a2、a3が2以上の時、複数のR2、R3は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
一般式(1−2)において、R4、R5、R6はそれぞれ独立に置換基を表し、a4、a5、a6はそれぞれ独立に0〜5の整数を表す。a4、a5、a6が2以上の時、複数のR4、R5、R6は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
一般式(1−3)において、R7、R8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基のいずれかを表し、R9は置換基を表し、a9は0〜5の整数を表す。a9が2以上の時、複数のR9は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
(10) 該電子供与性化合物が一般式(1−1)で表され、かつX1が−S−で表されることを特徴とする(9)に記載の2光子吸収光記録材料。
(11) 該2光子吸収化合物が1000GM以上の2光子吸収断面積を有することを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
(12) 該記録成分に、2光子吸収化合物からの電子移動により酸を発生させることの可能な光酸発生剤と、酸により吸収帯が発現する酸発色型色素前駆体の少なくとも2成分を含むことを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
(13) 該酸発色型色素前駆体が、酸により発色した色素としてトリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、シアニン色素を生成する色素前駆体、および/またはフルオラン系色素であることを特徴とする(12)に記載の2光子吸収光記録材料。
(14) 該2光子吸収化合物からの電子移動により酸を発生させることの可能な前記光酸発生剤がジアリールヨウドニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、金属アレーン錯体、トリハロメチル置換トリアジンまたはスルホン酸エステルであることを特徴とする(12)または(13)に記載の2光子吸収光記録材料。
(15) 該記録成分に、2光子吸収化合物からの電子移動により塩基を発生させることの可能な光塩基発生剤と、塩基により吸収が発現する塩基発色型色素前駆体の少なくとも2成分を含むことを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
(16) 該塩基発色型色素前駆体が、塩基により発色した色素としてアゾ色素、アゾメチン色素、オキソノール色素、キサンテン系色素、フルオラン系色素またはトリフェニルメタン系色素を生成する色素前駆体であることを特徴とする(15)に記載の2光子吸収光記録材料。
(17) 該光塩基発生剤が、下記一般式(2−1)〜(2−4)で表されることを特徴とする(15)または(16)に記載の2光子吸収光記録材料。
Figure 2006289613
一般式(2−1)〜(2−4)中、R201、R202、R213、R214、R215はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R201、R202は互いに連結して環を形成しても良く、R213、R214、R215は互いに連結して環を形成しても良い。R203、R206、R207、R209はそれぞれ独立に置換基を表し、R204 、R205、R208、R210、R211はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R210、R211は互いに連結して環を形成しても良い。R216、R217、R218、R219はそれぞれ独立にアルキル基またはアリール基を表し、R212はアリール基またはヘテロ環基を表す。n201は0または1の整数を表し、n202〜n204はそれぞれ独立に0〜5の整数を表す。
(18) 該記録成分として少なくとも下記一般式(3)を含むことを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
一般式(3)
Figure 2006289613
一般式(3)中、A1とPDは共有結合しており、A1は2光子吸収化合物励起状態との電子移動またはエネルギー移動によりPDとの共有結合を切断する機能を有する有機化合物部位であり、PDはA1と共有結合している際とA1との共有結合が切断されて放出された際に発色体となる特徴を有する有機化合物部位を表す。
(19) 該記録成分に、少なくとも吸収を消失させることの可能な消色型色素を含むことを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
(20) 該記録成分に含まれる色素の発色および/または消色による吸収スペクトル変化が2光子吸収化合物の線形吸収スペクトルの極大波長よりも長波長領域で発現することを特徴とする(1)〜(19)のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
(21) 前記2光子吸収光記録材料であって、2光子吸収化合物の線形吸収スペクトルの極大波長よりも長波長領域に発現する記録成分の吸収スペクトル変化が読み出し波長において発現することを特徴とする(20)に記載の2光子吸収光記録材料。
(22) (20)記載の2光子吸収光記録材料であって、2光子吸収化合物の線形吸収スペクトルの極大波長よりも長波長領域に発現する記録成分の吸収スペクトル変化が読み出し波長よりも短波長領域において発現し、かつ読み出し波長での吸収スペクトル変化が存在しないことを特徴とする(20)に記載の2光子吸収光記録材料。
(23) (1)〜(22)のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料を用いた2光子吸収光記録媒体。
(24) (23)に記載の2光子吸収光記録媒体であって、1回だけの書き込みが可能なライトワンス型であることを特徴とする2光子吸収光記録媒体。
(25) (23)または(24)に記載の2光子吸収光記録媒体であって、屈折率、散乱、回折または干渉により記録および読み出しを行うことを特徴とする(23)または(24)に記載の2光子吸収光記録媒体。
(26) (23)〜(25)のいずれかに記載の2光子吸収光記録媒体に書き込まれた情報を反射率の違いにより読み出すことを特徴とする2光子吸収記録媒体の再生方法。
(27) (23)〜(25)のいずれかに記載の2光子吸収光記録媒体への光記録における書き込み波長と、情報の読み出しに用いる再生波長とが同一波長であることを特徴とする2光子吸収光記録媒体の記録再生方法。
(28) (23)〜(25)のいずれかに記載の2光子吸収光記録媒体への光記録における書き込み波長と、情報の読み出しに用いる再生波長とが異なる波長であることを特徴とする2光子吸収光記録媒体の記録再生方法。
(29) (26)〜(28)のいずれかに記載の2光子吸収光記録媒体の記録再生方法であって、請求項23−25に記載の2光子吸収光記録媒体を回転または走行させながら情報の書き込みおよび再生を行うことを特徴とする2光子吸収光記録媒体の記録再生方法。
(30) (23)〜(25)のいずれかに記載の2光子吸収光記録媒体と、(26)〜(29)のいずれかに記載の記録再生方法を行う光学ヘッドの相対位置を変化させることが可能な駆動機構を有する2光子吸収光記録再生装置。
本発明により、早い発色が起きる2光子吸収光記録材料、更に該材料を用いた2光子吸収光記録媒体、その媒体の記録再生方法及びその装置を提供できる。
次に本発明の2光子吸収化合物について説明する。
なお、本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、特に断りの無い限りは、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても、置換されていなくても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。また、本発明における化合物に使用できる置換基は、置換の有無にかかわらず、どのような置換基でも良い。
また、本発明において、特定の部分を「環」と称した場合、あるいは「基」に「環」が含まれる場合は、特に断りの無い限りは単環でも縮環でも良く、置換されていても置換されていなくても良い。
例えば、「アリール基」はフェニル基でもナフチル基でも良く、置換フェニル基でも良い。
本発明に用いられる2光子吸収化合物は、500GM(1GM=1.0×10-50 cm4 s photon-1)以上の2光子吸収断面積を有するものが好ましい。
本発明に用いられる2光子吸収化合物としては特に限定は無いが、下記に示したような色素化合物を挙げることができる。
例えば、シアニン色素、ヘミシアニン色素、ストレプトシアニン色素、スチリル色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、インジゴ色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、または金属錯体色素。
好ましくは、シアニン色素、ヘミシアニン色素、ストレプトシアニン色素、スチリル色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、オキソノール色素、スクアリウム色素、アリーリデン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素、ポルフィリン色素、フタロシアニン色素、または金属錯体色素が挙げられ、より好ましくはシアニン色素、ヘミシアニン色素、ストレプトシアニン色素、メロシアニン色素、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、オキソノール色素、スクアリウム色素、アリーリデン色素等、メチン色素が挙げられ、さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、またはオキソノール色素である。
これらの色素の詳細については、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズーシアニンダイズ・アンド・リレィティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds−Cyanine Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社ーニューヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズースペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds−Special topics in heterocyclic chemistry)」、第18章、第14節、第482から515頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons) 社−ニューヨーク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977刊、第15章、第369から422頁、エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing Company Inc.)社刊、ニューヨーク、などに記載されている。
シアニン色素、メロシアニン色素またはオキソノール色素の具体例としては、F.M.Harmer著、Heterocyclic Compounds−Cyanine Dyes and Related Compounds、John&Wiley&Sons、New York、London、1964年刊に記載のものが挙げられる。
シアニン色素、メロシアニン色素の一般式は、米国特許第5,340,694号第21及び22頁の(XI)、(XII)に示されているもの(ただしn12、n15の数は限定せず、0以上の整数(好ましくは0〜4の整数)とする)が好ましい。
本発明の色素がシアニン色素の時、好ましくは特開2005−15699号公報の段落番号0026から0036に記載の一般式(1)にて表わされる化合物が用いられる。
本発明の2光子吸収化合物がメロシアニン色素の時、好ましくは特開2005−15699号公報の段落番号0037から0048に記載の一般式(2)にて表わされる化合物が用いられる。
本発明の2光子吸収化合物がオキソノール色素の時、好ましくは特開2005−15699号公報の段落番号0049から0054に記載の一般式(3)にて表わされる化合物が用いられる。
また、本発明の2光子吸収化合物は特開2005−15699号公報の段落番号0055から0063に記載の一般式(4)にて表わされる化合物も好ましく用いられる。
本発明の2光子吸収化合物は水素結合性基を分子内に有することも好ましい。ここで水素結合性基とは、水素結合における水素を供与する基または水素を受容する基を表し、そのどちらの性質も有している基がより好ましい。
また本発明の水素結合性基を有する化合物は溶液または固体状態にて水素結合性基同士の相互作用により会合的相互作用することが好ましく、分子内相互作用でも分子間相互作用でも良いが、分子間相互作用である方がより好ましい。
水素結合性基として好ましくは、−COOH、−CONHR11、−SO3H、−SO2NHR12、−P(O)(OH)OR13、−OH、−SH、−NHR14、−NHCOR15、−NR16C(O)NHR17のいずれかで表される。ここで、R11、R12はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(好ましくは炭素原子数(以下C数という)1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、−COR18または−SO219を表し、R13〜R19はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはヘテロ環基を表す(以上好ましい例はR11、R12と同じ)。
11として好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、−COR18基、または−SO219基を表し、その際R18、R19としてはそれぞれ独立にアルキル基またはアリール基が好ましい。
11としてより好ましくは水素原子、アルキル基、または−SO219基を表し、最も好ましくは水素原子を表す。
12として好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、−COR18基、または−SO219基を表し、その際R18、R19としてはそれぞれ独立にアルキル基またはアリール基が好ましい。
12としてより好ましくは水素原子、アルキル基、または−COR18基を表し、最も好ましくは水素原子を表す。
13として好ましくは水素原子、アルキル基、またはアリール基を表し、より好ましくは水素原子を表す。
14として好ましくは水素原子、アルキル基、またはアリール基を表す。
15として好ましくはアルキル基、またはアリール基を表す。
16として好ましくは水素原子を表し、R17として好ましくは水素原子、アルキル基、またはアリール基を表す。
水素結合性基としてより好ましくは、−COOH、−CONHR11、−SO2NHR12、−NHCOR15、−NR16C(O)NHR17のいずれかであり、さらに好ましくは−COOH、−CONHR11、−SO2NHR12のいずれかであり、最も好ましく−COOH、−CONH2のいずれかである。
本発明の2光子吸収化合物はモノマー状態で用いても良いが、会合状態で用いても良い。
ここで、色素発色団同士が特定の空間配置に、共有結合又は配位結合、あるいは種々の分子間力(水素結合、ファン・デル・ワールス力、クーロン力等)などの結合力によって固定されている状態を、一般的に会合(又は凝集)状態と称している。
本発明の2光子吸収化合物は、分子間会合状態で用いても、2光子吸収を行うクロモフォアを分子内に2個以上有し、それらが分子内会合状態にて2光子吸収を行う状態で用いても良い。会合体の説明は特開2005−15699号公報の段落番号0069から0073に記載を参照できる。
以下に、本発明で用いられる2光子吸収化合物の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006289613
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2光子吸収化合物の合成例は特開2005−15699号公報の段落番号[0167」〜[0197]に記載されており、この合成例以外の化合物も同様に合成することができる。
次に、本発明の2光子吸収光記録材料において、好ましい記録成分について詳しく説明する。
本発明の記録成分は、2光子吸収化合物が2光子吸収することにより生成した励起状態からエネルギー移動または電子移動によって吸収スペクトルが変化する記録成分を含むことが好ましい。
したがって、本発明の記録成分は、2光子吸収化合物励起状態から直接電子移動またはエネルギー移動することにより、あるいは2光子吸収化合物励起状態から酸発生剤または塩基発生剤に電子移動またはエネルギー移動することにより発生した酸または塩基により、元の状態から吸収が変化した発色体となることができる色素前駆体を含むことが好ましい。
本発明の2光子吸収光記録材料における記録成分として好ましくは、以下の組み合わせが挙げられる。
A)少なくとも色素前駆体としての酸発色型色素前駆体と、さらに酸発生剤を含む組み合わせ。必要によりさらに酸増殖剤を含む組み合わせ。
B)少なくとも色素前駆体としての塩基発色型色素前駆体と、さらに塩基発生剤含む組み合わせ、必要によりさらに塩基増殖剤を含む組み合わせ。
C)2光子吸収化合物励起状態との電子移動またはエネルギー移動により共有結合を切断する機能を有する有機化合物部位と、共有結合している際と放出された際に発色体となる特徴を有する有機化合物部位が共有結合している化合物を含む場合。必要によりさらに塩基を含む組み合わせ。
D)2光子吸収化合物励起状態との電子移動により反応し、吸収形を変化させることができる化合物を含む場合。
いずれの場合も2光子吸収化合物励起状態からのエネルギー移動機構による場合は、2光子吸収化合物1重項励起状態からエネルギー移動が起こるフェルスター型機構でも、3重項励起状態からエネルギー移動が起こるデクスター型機構でもどちらでも良い。
その際、エネルギー移動が効率良く起こるためには、2光子吸収化合物の励起エネルギーが、色素前駆体の励起エネルギーよりも大きいことが好ましい。
一方、2光子吸収化合物励起状態からの電子移動機構の場合は、2光子吸収化合物1重項励起状態から電子移動が起こる機構でも、3重項励起状態から電子移動が起こる機構でもどちらでも良い。
また、2光子吸収化合物励起状態が色素前駆体、酸発生剤または塩基発生剤に電子を与えても、電子を受け取っても良い。2光子吸収化合物励起状態から電子を与える場合、電子移動が効率良く起こるためには、2光子吸収化合物の励起状態における酸化電位が、色素前駆体、酸発生剤または塩基発生剤の還元電位よりも卑であることが好ましい。
2光子吸収化合物励起状態が電子を受け取る場合、電子移動が効率良く起こるためには、2光子吸収化合物の励起状態における還元電位が、色素前駆体、酸発生剤または塩基発生剤の酸化電位よりも貴であることが好ましい。
以下に本発明の2光子吸収光記録材料及びその組成物における記録成分の好ましい組み合わせについて詳しく説明していく。
まず、本発明の2光子吸収光記録材料及びその組成物における記録成分が少なくとも色素前駆体としての酸発色型色素前駆体と、さらに酸発生剤を含む場合について説明する。
その際、酸発生剤とは、2光子吸収化合物励起状態からのエネルギー移動または電子移動により酸を発生することができる化合物である。酸発生剤は暗所では安定であることが好ましい。本発明における酸発生剤は2光子吸収化合物励起状態からの電子移動により酸を発生することができる化合物であることが好ましい。
本発明の酸発生剤として好ましくは、以下の6個の系が挙げられる。
なお、これらの酸発生剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
1)トリハロメチル置換トリアジン系酸発生剤
2)ジアゾニウム塩系酸発生剤
3)ジアリールヨードニウム塩系酸発生剤
4)スルホニウム塩系酸発生剤
5)金属アレーン錯体系酸発生剤
6)スルホン酸エステル系酸発生剤
以下に好ましい上記の系について具体的に説明していく。
1)トリハロメチル置換トリアジン系酸発生剤
トリハロメチル置換トリアジン系酸発生剤は好ましくは以下の一般式(11)にて表される。
Figure 2006289613
一般式(11)中、R21、R22、R23はそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、好ましくは塩素原子を表す。R24、R25はそれぞれ独立に水素原子、−CR21R22 R23、またはその他の置換基を表す。
置換基として好ましい例は例えば、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(好ましくはC数0〜20、例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20、例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N、N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、イミノ基(好ましくはC数2〜20、例えばフタルイミノ)、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル)、またはカルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばカルバモイルアミノ、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、またはアルコキシカルボニル基である。
R24は好ましくは−CR21R22R23を、より好ましくは−CCl3基を表し、R25は好ましくは、 −CR21R22R23、アルキル基、アルケニル基、またはアリール基である。
トリハロメチル置換トリアジン系酸発生剤の具体例としては、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4’−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4’−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4'−メトキシ−1'−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが例示される。好ましい例として、英国特許1388492号および特開昭53−133428号公報記載の化合物も挙げられる。
2)ジアゾニウム塩系酸発生剤
ジアゾニウム塩系酸発生剤は好ましくは以下の一般式(12)にて表される。
Figure 2006289613
R26はアリール基またはヘテロ環基を表し、好ましくはアリール基であり、より好ましくはフェニル基である。
R27は置換基を表し(以上置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、a21は0〜5の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。a21が2以上の時、複数のR27は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
X21 -は、HX21がpKa4以下(水中、25℃)、好ましくは3以下、より好ましくは2以下の酸となる陰イオンで、好ましくは例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホレート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどである。
ジアゾニウム系酸発生剤の具体例としては例えば、ベンゼンジアゾニウム、4−メトキシジアゾニウム、4−メチルジアゾニウムの上記X21 -塩などが挙げられる。
3)ジアリールヨードニウム塩系酸発生剤
ジアリールヨードニウム塩系酸発生剤は好ましくは以下の一般式(13)にて表される。
Figure 2006289613
一般式(13)中、X21 -は一般式(12)と同義である。R28、R29はそれぞれ独立に置換基を表し(以上置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基を表す。
a22、a23はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、好ましくは0〜1の整数を表す。a22、a23が2以上の時、複数のR28、R29は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
ジアリールヨードニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、4,4'−ジクロロジフェニルヨードニウム、4,4'−ジメトキシジフェニルヨードニウム、4,4'−ジメチルジフェニルヨードニウム、4,4'−t-ブチルジフェニルヨードニウム、3,3'−ジニトロジフェニルヨードニウム、フェニル(p−メトキシフェニル)ヨードニウム、フェニル(p−オクチルオキシフェニル)ヨードニウム、ビス(p−シアノフェニル)ヨードニウムなどのクロリド、ブロミド、ヨージド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホレート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、パーフルオロブタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネートなどが挙げられる。
また、「マクロモレキュールス(Macromolecules)」、第10巻、p1307(1977年)に記載の化合物、特開昭58−29803号公報、特開平1−287105号公報、特願平3−5569号に記載されているようなジアリールヨードニウム塩類も挙げられる。
4)スルホニウム塩系酸発生剤
スルホニウム塩系酸発生剤は好ましくは以下の一般式(14)にて表される。
Figure 2006289613
一般式(14)中、X21 -は一般式(12)と同義である。R30、R31、R32 はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、ヘテロ環基(以上好ましい例はR24に同じ)を表し、好ましくは、アルキル基、フェナシル基、アリール基を表す。
スルホニウム塩系酸発生剤の具体例としては、トリフェニルスルホニウム、ジフェニルフェナシルスルホニウム、ジメチルフェナシルスルホニウム、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、4−tert−ブチルトリフェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウム、4−フェニルチオトリフェニルスルホニウム、ビス−1−(4−(ジフェニルスルホニウム)フェニル)スルフィド、ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウム、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−フェノキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、(tert−ブトキシカルボニルメトキシフェニル)スルホニウム、(4−フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムなどのスルホニウム塩のクロリド、ブロミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホレート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、パーフルオロブタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネートなどが例示される。
5)金属アレーン錯体系酸発生剤
金属アレーン錯体系酸発生剤としては、金属は鉄またはチタンが好ましい。
具体的には、特開平1−54440号、ヨーロッパ特許第109851号、ヨーロッパ特許第126712号および「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の鉄アレーン錯体、「オルガノメタリックス(Organometallics)」、第8巻、第2737頁(1989年)記載の鉄アレーン有機ホウ素錯体、「Prog.Polym.Sci、第21巻、7〜8頁(1996年)記載の鉄アレーン錯体塩、特開昭61−151197号公報に記載されるチタセノン類、などが好ましい例として挙げられる。
6)スルホン酸エステル系酸発生剤
スルホン酸エステル系酸発生剤としては、好ましくはスルホン酸エステル類、スルホン酸ニトロベンジルエステル類、イミドスルホネート類、等を挙げることができる。
スルホン酸エステル類の具体例としては好ましくは、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリメシレート、スルホン酸ニトロベンジルエステル類の具体例としては好ましくは、o−ニトロベンジルトシレート、2,6−ジニトロベンジルトシレート、2',6'−ジニトロベンジル−4−ニトロベンゼンスルホネート、p−ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、2−ニトロベンジルトリフルオロメチルスルホネート、イミドスルホネート類の具体例として好ましくはN−トシルフタル酸イミド、9−フルオレニリデンアミノトシレート、α−シアノベンジリデントシルアミン、等が挙げられる。
他に、酸発生剤としては、例えば「UV硬化;科学と技術(UV CURING;SCIENCE AND TECHNOLOGY)」[p.23〜76、S.ピーター・パーパス(S.PETER PAPPAS)編集、ア・テクノロジー・マーケッティング・パブリケーション(A TECHNOLOGY MARKETING PUBLICATION)]及び「コメンツ・インオーグ.ケム.(Comments Inorg.Chem.)」[B.クリンゲルト、M.リーディーカー及びA.ロロフ(B.KLINGERT、M.RIEDIKER and A.ROLOFF)、第7巻、No.3、p109−138(1988)]などに記載されているものを用いることもできる。
また、上記以外の酸発生剤として、S.Hayaseetal,J.PolymerSci.,25,753(1987)、E.Reichmanisetal,J.PolymerSci.,PolymerChem.Ed.,23,1(1985)、D.H.R.Bartonetal,J.Chem.Soc.3571(1965)、P.M.Collinsetal,J.Chem.Soc.,PerkinI,1695(1975)、M.Rudinsteinetal,TetrahedronLett.,(17),1445(1975)、J.W.Walkeretal,J.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、S.C.Busmanetal,J.ImagingTechnol.,11(4),191(1985)、H.M.Houlihanetal,Macromolecules,21,2001(1988)、P.M.Collinsetal,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayaseetal,Macromolecules,18,1799(1985)、E.Reichmanisetal,J.Electrochem.Soc.,SolidStateSci.Technol.,130(6)、F.M.Houlihanetal,Macro‐molecules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号などに開示されているo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、特開平4−338757号に開示されているハロゲン化スルホラン誘導体(具体的には、3,4−ジブロモスルホラン、3,4−ジクロロスルホランなど)、メチレングリコールビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテルなどのハロゲン含有アルキレングリコールエーテル化合物類、1,1,3,3−テトラブロモアセトン、ヘキサクロロアセトンなどのハロゲン含有ケトン類、2,3−ジブロモプロパノールなどのハロゲン含有アルコール類なども挙げることができる。
さらに、本発明の酸発生剤として酸を発生する基を主鎖もしくは側鎖に導入したポリマーを用いることもできる。本発明の酸発生剤が酸を発生する基を主鎖もしくは側鎖に導入したポリマーである場合には、該ポリマーがバインダーの役割を兼ねて行ってもよい。
本発明の酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物として具体的には、M.E.Woodhouseetal,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982)、S.P.Pappasetal,J.ImagingSci.,30(5),218(1986)、S.Kondoetal.Makromol.Chem.,RapidCommun.,9,625(1988)、J.V.Crivelloetal.J.PolymerSci.,PolymerChem.Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,849,137号、独国特許第3,914,407、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146037、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号、特開2000‐143796号に開示されている化合物を用いることができる。
本発明の酸発生剤としては、より好ましくは、
3)ジアリールヨードニウム塩系酸発生剤
4)スルホニウム塩系酸発生剤
6)スルホン酸エステル系酸発生剤
が挙げられる。
なお、前述の酸発生剤はすべてカチオン重合開始剤を兼ねることができる。
また、
1)トリハロメチル置換トリアジン系酸発生剤
2)ジアゾニウム塩系酸発生剤
3)ジアリールヨードニウム塩系酸発生剤
4)スルホニウム塩系酸発生剤
5)金属アレーン錯体系酸発生剤
は、カチオン重合開始剤とラジカル重合開始剤を兼ねることができる。
したがって、本発明の2光子吸収光記録材料及びその組成物に、重合性モノマーや重合性バインダー、反応性バインダーや架橋剤を併用して、記録を行いながら、重合、架橋等による膜の硬化等を行うこともできる。
次に、本発明の2光子吸収光記録材料及びその組成物における記録成分が少なくとも色素前駆体としての酸発色型色素前駆体と、さらに酸発生剤を含む場合における酸発色型色素前駆体について説明する。
本発明における酸発色前駆体は、酸発生剤により発生した酸により、元の状態から吸収が変化した発色体となることができる色素前駆体である。本発明の酸発色前駆体としては、酸により吸収が長波長化する化合物が好ましく、酸により無色から発色する化合物がより好ましい。
酸発色型色素前駆体として好ましくは、トリフェニルメタン系、フタリド系(インドリルフタリド系、アザフタリド系、トリフェニルメタンフタリド系を含む)、フェノチアジン系、フェノキサジン系、フルオラン系、チオフルオラン系、キサンテン系、ジフェニルメタン系、クロメノピラゾール系、ロイコオーラミン、メチン系、アゾメチン系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサンテン系、フルオレン系、スピロピラン系の化合物が挙げられる。これらの化合物の具体例は、例えば特開2002−156454号およびその引用特許、特開2000‐281920号、特開平11‐279328号、特開平8‐240908号等に開示されている。
酸発色型色素前駆体としてより好ましくは、ラクトン、ラクタム、オキサジン、スピロピラン等の部分構造を有するロイコ色素であり、フルオラン系、チオフルオラン系、フタリド系、ローダミンラクタム系、スピロピラン系の化合物が挙げられる。
本発明の記録成分にて、酸発色型色素前駆体から生成する色素はキサンテン(フルオラン)色素またはトリフェニルメタン色素であることが好ましい。
なお、これらの酸発色型色素前駆体は、必要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
以下に、本発明の記録成分として好ましい酸発色型色素前駆体の具体例を挙げるが、本発明は以下の具体例のみに限定されるものではない。
フタリド系色素前駆体として好ましくは下記の一般式(21)にて示される。
Figure 2006289613
一般式(21)中、X41はCHまたはNを表し、R33、R34はそれぞれ独立に炭素数(以下C数という)1〜20のアルキル基、C数6〜24のアリール基、C数1〜24のヘテロ環基または下記の一般式(22)で表される基を表し、R35はそれぞれ独立に置換基を表す(置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)。R35としてより好ましくは塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、C数1〜20のアルキル基、C数1〜20のアルコキシ基、アミノ基、C数1〜20のアルキル基を有するアルキルアミノ基、それぞれ独立してC数1〜20のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、C数6〜24のアリール基を有するアリールアミノ基、それぞれ独立にC数6〜24のアリール基を有するジアリールアミノ基、ヒドロキシル基、C数1〜20のアルコキシ基、ヘテロ環基を表し、k41は0〜4の整数を表し、k41が2以上の整数のとき、複数個のR35はそれぞれ独立して上記の基を表す。これらの基はさらに置換基を有してもよく、好ましい置換基としてR24にて挙げた基を挙げることができる。
Figure 2006289613
一般式(22)中、R36はC数1〜3のアルキレン基を表し、k42は0〜1の整数を表し、R37は置換基を表す(置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)。R37としてより好ましくは、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、C数1〜20のアルキル基、C数1〜20のアルコキシ基、アミノ基、C 数1〜20のアルキル基を有するアルキルアミノ基、それぞれ独立してC数1〜20のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、C数6〜24のアリール基を有するアリールアミノ基、それぞれ独立にC数6〜24のアリール基を有するジアリールアミノ基、ヒドロキシル基、C数1〜20のアルコキシ基、ヘテロ環基を表し、k43は0〜5の整数を表し、k43が2以上の整数のとき、複数個のR37はそれぞれ独立して上記の基を表す。これらの基はさらに置換基を有してもよく、好ましい置換基としてR24にて挙げた基を挙げることができる。
一般式(21)中、R33、R34で表されるヘテロ環基としてさらに好ましくは、下記の一般式(23)で表されるインドリル基である。
Figure 2006289613
一般式(23)中、R38は置換基を表し(置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、R38としてより好ましくは、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、C数1〜20のアルキル基、C数1〜20のアルコキシ基、アミノ基、C数1〜20のアルキル基を有するアルキルアミノ基、それぞれ独立してC数1〜20のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、C数6〜24のアリール基を有するアリールアミノ基、それぞれ独立にC数6〜24のアリール基を有するジアリールアミノ基、ヒドロキシル基、C数1〜20のアルコキシ基、ヘテロ環基を表し、k44は0〜4の整数を表し、k44が2以上の整数のとき、複数個のR38はそれぞれ独立して上記の基を表す。R39は水素原子またはC数1〜20のアルキル基を表し、R40はC数1〜20のアルキル基、C数1〜20のアルコキシ基を表す。これらの基はさらに置換基を有してもよく、好ましい置換基としてR24にて挙げた基を挙げることができる。
フタリド系色素前駆体(インドリルフタリド系色素前駆体、アザフタリド系色素前駆体を含む)の具体例としては、3,3−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1、3−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−6−ヒドロキシフタリド、3,3−ビス(4−ヘキシルオキシフェニル)フタリド、3,3−ビス(4−ヘキシルオキシフェニル)−6−メトキシフタリド、等が挙げられる。
一般式(21)で示されるフタリド系色素前駆体としてさらに好ましくは、下記の一般式(24)にて示されるトリフェニルメタンフタリド系色素前駆体である。
Figure 2006289613
一般式(24)中、R41、R42、R43はそれぞれ独立に置換基を表し(置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、R41、R42、R43の置換基として好ましくは、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、C数1〜20のアルキル基、C数1〜20のアルコキシ基、アミノ基、C数1〜20のアルキル基を有するアルキルアミノ基、それぞれ独立してC数1〜20のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、C数6〜24のアリール基を有するアリールアミノ基、それぞれ独立にC数6〜24のアリール基を有するジアリールアミノ基、ヒドロキシル基、C数1〜20のアルコキシ基、ヘテロ環基を表し、k45、k46、k47はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、k45、k46、k47のそれぞれが2以上の整数のとき、複数個のk45、k46、k47はそれぞれ独立して上記の基を表す。これらの基はさらに置換基を有してもよく、好ましい置換基としてR24にて挙げた基を挙げることができる。
トリフェニルメタンフタリド系色素前駆体の具体例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(すなわちクリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジヘキシルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジオクチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、4−ヒドロキシ‐4’−ジメチルアミノトリフェニルメタンラクトン、4,4’−ビスジヒドロキシ‐3,3’−ビスジアミノトリフェニルメタンラクトン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフタリド、3,3−ビス(4−ヘキシルオキシフェニル)フタリド、3,3−ビス(4−ヘキシルオキシフェニル)−6−メトキシフタリド、等が挙げられる。
フルオラン系色素前駆体として好ましくは下記の一般式(25)にて示される。
Figure 2006289613
一般式(25)中、R44、R45、R46はそれぞれ独立に置換基を表し(置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、R44、R45、R46の置換基として好ましくは、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、C数1〜20のアルキル基、C数1〜20のアルコキシ基、アミノ基、C数1〜20のアルキル基を有するアルキルアミノ基、それぞれ独立してC数1〜20のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、C数6〜24のアリール基を有するアリールアミノ基、それぞれ独立にC数6〜14のアリール基を有するジアリールアミノ基、ヒドロキシル基、ヘテロ環基を表し、k48、k49、k50はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、k48、k49、k50のそれぞれが2以上の整数のとき、複数個のR44、R45、R46はそれぞれ独立して上記の基を表す。これらの基はさらに置換基を有してもよく、好ましい置換基としてR24にて挙げた基を挙げることができる。
フルオラン系色素前駆体の具体例としては、3−ジエチルアミノ−6−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチル−6−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ)−7−メチル−6−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−7−メチル−6−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−7−メチル−6−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチル−6−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシ−6、7−ベンゾフルオラン、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ブロモ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−N,N−ジベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メトシキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチル−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3,6−ビスジエチルアミノフルオラン、3,6―ジヘキシルオキシフルオラン、3,6−ジクロロフルオラン、3,6−ジアセチルオキシフルオラン等が挙げられる。
ローダミンラクタム系色素前駆体の具体例としては、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(p−クロロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(o−クロロアニリノ)ラクタム等が挙げられる。
スピロピラン系色素前駆体の具体例としては、3−メチル−スピロジナフトピラン、3−エチル−スピロジナフトピラン、3,3’−ジクロロ−スピロジナフトピラン、3−ベンジル−スピロジナフトピラン、3−プロピル−スピロジベンゾピラン、3−フェニル−8’−メトキシベンゾインドリノスピロピラン、8’−メトキシベンゾインドリノスピロピラン、4,7,8’−トリメトキシベンゾインドリノスピロピラン等が挙げられる。
さらには、特開2000-281920号公報に開示されているスピロピラン系色素前駆体も具体例として挙げることができる。
また、本発明の酸発色型色素前駆体としては、特開2000−284475公報に開示されている一般式(6)で示されるBLD化合物や特開2000−144004に開示されているロイコ色素、および下記に示した構造のロイコ色素も好適に用いることができる。
Figure 2006289613
さらに本発明の色素前駆体は、酸(プロトン)付加により発色する一般式(26)にて表される化合物であることも好ましい。
Figure 2006289613
一般式(26)中、Za1、及びZa2はそれぞれ5員または6員の含窒素複素環を形成する原子群を表わす。Ra2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。アルキル基、アルケニル基、アリール基、またはヘテロ環基は一般式(11)のR24における同名の置換基と同じ例及び同じ好ましい例が挙げられる。
Ma1〜Ma7はそれぞれ独立にメチン基を表わし、置換基を有していても良く、他のメチン基と環を形成しても良い。na1、及びna2はそれぞれ0または1であり、ka1は0〜3の整数を表わす。ka1が2以上の時、複数のMa3、Ma4は同じでも異なってもよい。
本発明の一般式(26)にて表される化合物の好ましい例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006289613
本発明の記録成分が、少なくとも色素前駆体としての酸発色型色素前駆体と、酸発生剤を含む時、さらに酸増殖剤を含んでも良い。
本発明の酸増殖剤は、酸が存在しない場合は安定であるのに対し、酸が存在すると分解して酸を放出し、その酸でまた別の酸増殖剤を分解させてまた酸を放出する、というように酸発生剤により発生した小量の酸をトリガーとして酸を増殖する化合物である。
その際、酸増殖剤としては、下記一般式(34−1)〜(34−6)で表されることが好ましい。
Figure 2006289613
一般式(34−1)〜(34−6)中、R101はR101OHがpKa5以下の酸となる基を表し、好ましくはpKa3以下の酸となる基を表す。
101はR101OHがスルホン酸、カルボン酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸のいずれかである基であることが好ましく、スルホン酸、電子求引性基置換カルボン酸のいずれかであることがより好ましく、その際電子求引性基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環基が好ましい。R101はR101OHがスルホン酸である基であることが最も好ましい。
以下にR101の好ましい具体例を挙げるが本発明はこれに限定されるわけではない。
Figure 2006289613
一般式(34−1)中、R102は2−アルキル−2−プロピル基、2−アリール−2−プロピル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、ビス(p−アルコキシフェニル)メチル基のいずれかを表し、好ましくは2−アルキル−2−プロピル基、2−アリール−2−プロピル基のいずれかを表し、より好ましくは2−アルキル−2−プロピル基を表し、最も好ましくはt−ブチル基を表す。
一般式(34−1)中、R103、R104はそれぞれ独立に置換基を表し(以上置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、より好ましくはそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、さらに好ましくはアルキル基またはアリール基を表し、最も好ましくはアルキル基を表す。
一般式(34−1)〜(34−6)中、R105、R106、R107、R110、R113、R116はそれぞれ独立に水素原子または置換基(置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)を表し、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、またはアリール基を表す。
105、R106、R116は共に水素原子であることがより好ましい。R107、R110、R113はアルキル基であることがより好ましい。
一般式(34−2)中、R108、R109はそれぞれ独立にアルキル基を表し、好ましくはメチル基、またはエチル基であり、また互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としてはジオキサール環及びジオキサン環が好ましい。
一般式(34−3)中、R111、R112は互いに連結して環を形成するアルキル基を表す。形成する環としては飽和シクロアルカン環が好ましい。
一般式(34−4)中、R114は水素原子またはニトロ基を表し、ニトロ基であることが好ましい。R115は置換基を表し、n101は0〜3の整数を表し、好ましくはn101は0または1であり、より好ましくは0である。
一般式(34−6)中、R117は置換基を表し(以上置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、より好ましくはそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、さらに好ましくはアルキル基またはアリール基を表し、最も好ましくはアルキル基を表す。
本発明の酸増殖剤は一般式(34−1)、(34−3)または(34−4)のいずれかで表されることがより好ましく、一般式(34−1)で表されることが最も好ましい。
以下に本発明の酸増殖剤の具体例を示すが本発明はこれに限定されるわけではない。
Figure 2006289613
Figure 2006289613
Figure 2006289613
酸増殖時には加熱することが好ましいため、露光後、加熱処理することが好ましい。
次に、本発明の2光子吸収光記録材料における記録成分が少なくとも色素前駆体としての塩基発色型色素前駆体と、さらに塩基発生剤を含む場合について説明する。
その際、塩基発生剤とは、2光子吸収化合物励起状態からのエネルギー移動または電子移動により塩基を発生することができる化合物である。塩基発生剤は暗所では安定であることが好ましい。本発明における塩基発生剤は2光子吸収化合物励起状態からの電子移動により塩基を発生することができる化合物であることが好ましい。
本発明の塩基発生剤は、光によりブレンステッド塩基を発生することが好ましく、有機塩基を発生することがさらに好ましく、有機塩基としてアミン類を発生することが特に好ましい。
本発明の塩基発生剤として好ましくは、一般式(2−1)〜(2−4)で表される。なお、これらの塩基発生剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
一般式(2−1)または(2−2)にて、R201、R202はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(好ましくは炭素原子数(以下C数という)1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクタデシル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)のいずれかを表し、より好ましくは水素原子、アルキル基、またはシクロアルキル基を表し、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、またはシクロペンチル基を表す。
201、R202は互いに連結して環を形成しても良く、形成するヘテロ環として好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環、モロホリン環、ピリジン環、キノリン環、またはイミダゾール環であり、より好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、またはイミダゾール環であり、最も好ましくはピペリジン環である。
201、R202のより好ましい組み合わせとしては、R201が置換しても良いシクロヘキシル基でR202が水素原子、R201が置換しても良いアルキル基でR202が水素原子、R201、R202が連結してピペリジン環またはイミダゾール環を形成、等が挙げられる。
一般式(2−1)または(2−2)にて、n201は0または1であり、好ましくは1である。
一般式(2−1)にて、R203はそれぞれ独立に置換基を表し、置換基として好ましい例は例えば、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(好ましくはC数0〜20、例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20、例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N、N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、イミノ基(好ましくはC数2〜20、例えばフタルイミノ)、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル)、またはカルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばカルバモイルアミノ、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、またはアルコキシカルボニル基である。
一般式(2−1)にて、R203はニトロ基またはアルコキシ基であることが好ましく、ニトロ基またはメトキシ基であることがより好ましく、ニトロ基であることが最も好ましい。
一般式(2−1)にて、n202は0〜5の整数であり、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは1または2である。n202が2以上の時、複数のR203は同じでも異なっても良く、連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。
一般式(2−1)にて、R203がニトロ基である時、2位または2,6位に置換することが好ましく、R203がアルコキシ基である時、3、5位に置換することが好ましい。
一般式(2−1)にて、R204、R205はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し(置換基として好ましくはR203にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基のいずれかを表し、より好ましくは水素原子、メチル基、2−ニトロフェニル基のいずれかを表す。
204、R205のより好ましい組み合わせとしては、R204、R205共水素原子、R204がメチル基でR205が水素原子、R204、R205共メチル基、R204が2−ニトロフェニル基でR205が水素原子、等が挙げられ、さらに好ましくはR204、R205共水素原子である。
一般式(2−2)にて、R206、R207はそれぞれ独立に置換基を表し(置換基として好ましくはR203にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは、アルコキシ基、アルキルチオ基、ニトロ基、またはアルキル基を表し、より好ましくはメトキシ基を表す。
一般式(2−2)にて、n203、n204はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。n203、n204が2以上の時、複数のR206、R207は同じでも異なっても良く、連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。
一般式(2−2)にて、R206は3、5位に置換したアルコキシ基であることがより好ましく、3、5位に置換したメトキシ基であることがさらに好ましい。
一般式(2−2)にて、R208は水素原子または置換基を表し(置換基として好ましくはR203にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは水素原子またはアリール基であり、より好ましくは水素原子である。
一般式(2−3)にて、R209は置換基を表し(置換基として好ましくはR 203にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくはアルキル基、アリール基、ベンジル基、またはアミノ基であり、より好ましくは置換しても良いアルキル基、t−ブチル基、フェニル基、ベンジル基、置換しても良いアニリノ基、またはシクロヘキシルアミノ基を表す。
なお、一般式(2−3)で表される化合物はR209からポリマー鎖に連結した化合物であっても良い。
一般式(2−3)にて、R210、R211はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し(置換基として好ましくはR203にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくはアルキル基またはアリール基を表し、より好ましくはメチル基、フェニル基、または2−ナフチル基を表す。
210、R211は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては例えばフルオレン環が好ましい。
一般式(2−4)にて、R212はアリール基またはヘテロ環基を表し、より好ましくは下記アリール基またはヘテロ環基である。
Figure 2006289613
一般式(2−4)にて、R213、R214、R215はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基(以上好ましい例はR201、R202に同じ)のいずれかを表し、好ましくはアルキル基を表し、より好ましくはブチル基を表す。なお、R213、R214、R215は互いに連結して環を形成しても良く、形成するヘテロ環として好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環、モロホリン環、ピリジン環、キノリン環、またはイミダゾール環であり、より好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、またはイミダゾール環である。
一般式(2−4)にて、R216、R217、R218、R219はそれぞれ独立にアルキル基またはアリール基を表し、R216、R217、R218は全てフェニル基であり、かつ、R219はn−ブチル基またはフェニル基であることがより好ましい。
本発明の塩基発生剤は一般式(2−1)または(2−3)で表されることが好ましく、一般式(2−1)で表されることがより好ましい。
以下に、本発明の塩基発生剤の好ましい具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2006289613
Figure 2006289613
Figure 2006289613
Figure 2006289613
次に、本発明の2光子吸収光記録材料における記録成分が少なくとも色素前駆体としての塩基発色型色素前駆体と、さらに塩基発生剤を含む場合における塩基発色型色素前駆体について説明する。
本発明における塩基発色型色素前駆体は、塩基発生剤により発生した塩基により、元の状態から吸収が変化した発色体となることができる色素前駆体である。
本発明の塩基発色型色素前駆体としては、塩基により吸収が長波長化する化合物が好ましく、塩基によりモル吸光係数が大きく増加する化合物がより好ましい。
本発明における塩基発色型色素前駆体は好ましくは解離型色素の非解離体である。なお、解離型色素とは、色素クロモフォア上にpKa12以下、より好ましくはpKa10以下の解離してプロトンを放出しやすい解離基を有しており、非解離型から解離型になることにより、吸収が長波長化、あるいは無色から有色となる化合物のことである。解離基として好ましくは、OH基、SH基、COOH基、PO32基、SO3H基、NR9192+基、NHSO293基、CHR9495基、NHR96基が挙げられる。
ここで、R91、R92、R96はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し(以上好ましい例はR203の例と同じ)、好ましくは水素原子またはアルキル基を表す。R93はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し(以上好ましい例はR203の例と同じ)、好ましくは置換しても良いアルキル基または置換しても良いアリール基を表し、置換しても良いアルキル基であることがより好ましく、その際、置換基としては電子求引性であることが好ましく、フッ素であることが好ましい。
94、R95は、それぞれ独立に置換基を表す(置換基として好ましくはR203にて挙げた置換基の例に同じ)が、電子求引性の置換基が好ましく、シアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基であることが好ましい。
本発明の解離型色素の解離基としては、OH基、COOH基、NHSO293基、NHR96基、CHR9495基がより好ましく、OH基、CHR9495基がさらに好ましく、OH基が最も好ましい。
本発明における塩基発色型色素前駆体として好ましい解離型色素非解離体としては、解離型アゾ色素、解離型アゾメチン色素、解離型オキソノール色素、解離型アリーリデン色素、解離型キサンテン(フルオラン)色素、解離型トリフェニルアミン型色素の非解離体であり、解離型アゾ色素、解離型アゾメチン色素、解離型オキソノール色素、解離型アリーリデン色素の非解離体であることがさらに好ましい。
以下に、本発明の塩基発色型色素前駆体の例として、解離型色素非解離体の例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2006289613
Figure 2006289613
Figure 2006289613
本発明の記録成分が、少なくとも色素前駆体としての塩基発色型色素前駆体と、塩基発生剤を含む時、さらに塩基増殖剤を含んでも良い。
本発明の塩基増殖剤は、塩基が存在しない場合は安定であるのに対し、塩基が存在すると分解して塩基を放出し、その塩基でまた別の塩基増殖剤を分解させてまた塩基を放出する、というように塩基発生剤により発生した小量の塩基をトリガーとして塩基を増殖する化合物である。
その際、塩基増殖剤としては、下記一般式(35)で表されることが好ましい。
Figure 2006289613
一般式(35)中、R121、R122はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し(以上置換基として好ましくはR201にて挙げた置換基の例に同じ)、より好ましくは水素原子、アルキル基、またはシクロアルキル基を表し、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、またはシクロペンチル基を表す。
121、R122は互いに連結して環を形成しても良く、形成するヘテロ環として好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環、モロホリン環、ピリジン環、キノリン環、またはイミダゾール環であり、より好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、またはイミダゾール環であり、最も好ましくはピペリジン環である。R121、R122のより好ましい組み合わせとしては、R121が置換しても良いシクロヘキシル基でR122が水素原子、R121が置換しても良いアルキル基でR122が水素原子、R121、R122が連結してピペリジン環またはイミダゾール環を形成、等が挙げられる。
123、R124はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し(置換基として好ましくはR203にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは水素原子、アリール基またはアリールスルホニル基を表し、より好ましくはアリール基を表す。
123、R124は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはフルオレン環が挙げられる。
125、R126はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し(置換基として好ましくはR203にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは水素原子またはアルキル基を表し、より好ましくは水素原子またはメチル基を表す。
n102は0または1の整数を表し、好ましくは1を表す。
本発明の塩基増殖剤はより好ましくは一般式(36−1)または(36−2)で表される。
Figure 2006289613
一般式(36−1)、(36−2)中、R121、R122は一般式(35)と同義であり、好ましいものも同様である。
本発明の塩基増殖剤は一般式(36−1)で表されることがより好ましい。
以下に本発明の塩基増殖剤の具体例を示すが本発明はこれに限定されるわけではない。
Figure 2006289613
塩基増殖時には加熱することが好ましいため、本発明の2光子吸収光記録材料において塩基増殖剤を用いる場合は、露光後、加熱処理することが好ましい。
次に、本発明の記録成分が、2光子吸収化合物励起状態との電子移動またはエネルギー移動により共有結合を切断する機能を有する有機化合物部位と、共有結合している際と放出された際の吸収形が異なる特徴を有する有機化合物部位が共有結合している化合物を含む場合について説明する。
その際、本発明の記録成分が、少なくとも前記一般式(3)にて表される色素前駆体を含むことが好ましい。
一般式(3)中、A1とPDは共有結合しており、A1は2光子吸収化合物励起状態との電子移動またはエネルギー移動によりPDとの共有結合を切断する機能を有する有機化合物部位であり、PDはA1と共有結合している際とA1との共有結合が切断されて放出された際の吸収形が異なる特徴を有する有機化合物部位を表す。
なお、A1は2光子吸収化合物励起状態との電子移動によりPDとの共有結合を切断する機能を有する有機化合物部位であることがより好ましい。
PDとして好ましくは解離型アゾ色素、解離型アゾメチン色素、解離型オキソノール色素、解離型アリーリデン色素等の解離型色素、またはトリフェニルメタン色素、キサンテン(フルオラン)色素等のいわゆる「ロイコ色素」となりうる色素などのいずれかから成る基であり、これらはクロモフォア上でA1と共有結合で連結している。
PDとしては解離型アゾ色素、解離型アゾメチン色素、解離型オキソノール色素、解離型アリーリデン色素のいずれかであることがより好ましい。
PDとしては、A1と共有結合している際は無色または淡色、あるいは吸収が短波長で、A1との共有結合が切断されて放出された際は強く着色または吸収が長波長化することが好ましい。
以下にPDの好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2006289613
Figure 2006289613
Figure 2006289613
Figure 2006289613
PDはA1と共有結合を作る際、色素クロモフォア上であればA1上のどの部分で共有結合しても良いが、上図で矢印で示した原子でA1と共有結合することが好ましい。
一般式(3)の色素前駆体が下記一般式(33−1)〜(33−6)のいずれかで表されることがより好ましい。
Figure 2006289613
一般式(33−1)〜(33−6)中、PDは一般式(3)と同義である。
一般式(33−1)にて、R71は水素原子または置換基(置換基として好ましくはR203にて挙げた置換基の例に同じ)を表し、好ましくはアルキル基またはアリール基を表し、より好ましくはt−ブチル基である。
72は置換基(置換基として好ましくはR203にて挙げた置換基の例に同じ)を表し、好ましくは電子吸引性基を表し、より好ましくはニトロ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、またはハロゲン原子を表す。a71はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、a71が2以上の時、複数のR72は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。a71は好ましくは1または2であり、2位か4位にR72が置換することが好ましい。
一般式(33−2)にて、R73は置換基(置換基として好ましくはR203にて挙げた置換基の例に同じ)を表し、好ましくは電子吸引性基を表し、より好ましくはニトロ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、またはハロゲン原子を表し、より好ましくはニトロ基を表す。a72はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、a72が2以上の時、複数のR73は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。a72は好ましくは1または2であり、a72が1の時、2位に置換することが好ましく、a72が2の時、2位、4位または2位、6位に置換することが好ましく、2位、6位に置換することがより好ましい。
a73は0または1を表す。
一般式(33−3)にて、R74〜R77はそれぞれ独立にアルキル基を表し、好ましくはいずれもメチル基を表す。
一般式(33−4)にて、R78、R79はそれぞれ独立に置換基(以上置換基として好ましくはR203にて挙げた置換基の例に同じ)を表し、R79は好ましくはアルコキシ基を表し、より好ましくはメトキシ基を表す。a74、a75はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、a74、a75が2以上の時、複数のR78、R79は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。a74、a75は好ましくは0〜2であり、a74はより好ましくは0または1であり、a75はより好ましくは2である。a75が2の際、3位及び5位にR79が置換することが好ましい。
a76は0または1を表す。
一般式(33−5)にて、R80、R81はそれぞれ独立に水素原子または置換基(以上置換基として好ましくはR203にて挙げた置換基の例に同じ)を表し、R 80とR81は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としてはベンゼン環、ノルボルネン環が好ましい。環を形成しない際はR80、R81共水素原子であることが好ましい。
一般式(33−6)にて、R82、R83はそれぞれ独立に置換基(以上置換基として好ましくはR203にて挙げた置換基の例に同じ)を表し、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基を表す。R82とR83は互いに連結して環を形成することが好ましく、形成する環としては、フルオレン環、ジベンゾピラン環、テトラヒドロナフタレン環が好ましい。
一般式(32)で表される色素前駆体として好ましくは、一般式(33−1)、(33−2)、(33−4)で表される。
以下に、一般式(33−1)〜(33−6)で表される本発明の色素前駆体の好ましい例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2006289613
Figure 2006289613
Figure 2006289613
なお、本発明の記録成分が、少なくとも前記一般式(32)または(33−1)〜(33−6)にて表される色素前駆体を含むとき、本発明の2光子吸収光記録材料は、生成する解離型色素を解離させる目的で、必要によりさらに塩基を含むことも好ましい。塩基は有機塩基でも無機塩基でも良く、好ましくは例えば、アルキルアミン類、アニリン類、イミダゾール類、ピリジン類、炭酸塩類、水酸化物塩類、カルボン酸塩類、金属アルコキシドなどが挙げられる。あるいは、それらの塩基を含むポリマーも好ましく用いられうる。
次に、本発明の記録成分が2光子吸収化合物励起状態との電子移動により反応し吸収形を変化させることができる化合物を含む場合を説明する。
前記を起こすことができる化合物は、いわゆる「エレクトロクロミック化合物」として総称されている。
本発明で色素前駆体として用いるエレクトロクロミック化合物として好ましくは、ポリピロール類(好ましくは例えばポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(N−メチルインドール)、ポリピロロピロール)、ポリチオフェン類(好ましくは例えばポリチオフェン、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリイソチアナフテン、ポリジチエノチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン)、ポリアニリン(好ましくは例えばポリアニリン、ポリ(N−ナフチルアニリン)、ポリ(o−フェニレンジアミン)、ポリ(アニリン−m−スルホン酸)、ポリ(2−メトキシアニリン)、ポリ(o−アミノフェノール))、ポリ(ジアリ−ルアミン)、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、Coピリジノポルフィラジン錯体、Niフェナントロリン錯体、Feバソフェナントロリン錯体である。
またさらに、ビオローゲン類、ポリビオローゲン類、ランタノイドジフタロシアニン類、スチリル色素類、TNF類、TCNQ/TTF錯体類、Ruトリスビピリジル錯体類等のエレクトロクロミック材料も好ましい。
本発明の記録成分は市販品であるか、あるいは公知の方法により合成することができる。
本発明の2光子吸収光記録材料には、2光子吸収化合物または/および記録成分を構成する化合物へ電子を供与することのできる電子供与性化合物を含む。以下に電子供与性化合物について説明する。
電子供与性化合物として好ましくは例えば、アルキルアミン類(好ましくは例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N、N−ジメチルドデシルアミン、トリエタノールアミン、トリエトキシエチルアミン)、アニリン類(好ましくは例えば、N、N−ジオクチルアニリン、N、N−ジメチルアニリン、4−メトキシ−N、N−ジブチルアニリン、2−メトキシ−N、N −ジブチルアニリン)、フェニレンジアミン類(好ましくは例えば、N、N、N’、N’−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、N、N、N’、N’−テトラメチル−1,2−フェニレンジアミン、N、N、N’、N’―テトラエチル−1,3−フェニレンジアミン、N,N’−ジブチルフェニレンジアミン)、トリフェニルアミン類(好ましくは例えばトリフェニルアミン、トリ(4−メトキシフェニル)アミン、トリ(4−ジメチルアミノフェニル)アミン、TPD)、カルバゾール類(好ましくは例えば、N−ビニルカルバゾール、N−エチルカルバゾール)、フェノチアジン類(好ましくは例えば、N−メチルフェノチアジン、N−フェニルフェノチアジン)、フェノキサジン類(好ましくは例えば、N−メチルフェノキサジン、N−フェニルフェノキサジン)、フェナジン類(好ましくは例えば、N、N’−ジメチルフェナジン、N、N’−ジフェニルフェナジン)、ハイドロキノン類(好ましくは例えば、ハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、2,5−ジクロロハイドロキノン、2,3,4,5−テトラクロロハイドロキノン、2、6−ジクロロ−3、5−ジシアノハイドロキノン、2、3−ジクロロ−5、6−ジシアノハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、9,10−ジヒドロキシアントラセン)、カテコール類(好ましくは例えば、カテコール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン)、アルコキシベンゼン類(好ましくは例えば、1,2−ジメトキシベンゼン、1,2−ジブトキシベンゼン、1,2,4−トリブトキシベンゼン、1,4−ジヘキシルオキシベンゼン)、アミノフェノール類(好ましくは例えば、4−(N、N−ジエチルアミノ)フェノール、N−オクチルアミノフェノール)、イミダゾール類(好ましくは例えば、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−オクチルイミダゾール、N−ブチル−2−メチルイミダゾール)、ピリジン類(好ましくは例えばピリジン、ピコリン、ルチジン、4−t−ブチルピリジン、4−オクチルオキシピリジン、4−(N、N−ジメチルアミノ)ピリジン、4−(N、N−ジブチルアミノ)ピリジン、2−(N−オクチルアミノ)ピリジン)、メタロセン類(好ましくは例えば、フェロセン、チタノセン、ルテノセン)、金属錯体類(好ましくは例えば、Ruビスビピリジン錯体類、Cuフェナントロリン錯体類、Coトリスビピリジン錯体類、FeEDTA錯体類、他にもRu、Fe、Re、Pt、Cu、Co、Ni、Pd、W、Mo、Cr、Mn、Ir、Ag錯体等)、半導体微粒子(好ましくは例えば、Si、CdSe、GaP、PbS、ZnS)等が挙げられる。
該電子供与性化合物がアルキルアミン類、アニリン類、フェニレンジアミン類、トリフェニルアミン類、カルバゾール類、フェノチアジン類、フェノキサジン類、フェナジン類、ハイドロキノン類、カテコール類、アルコキシベンゼン類、アミノフェノール類、イミダゾール類、ピリジン類、メタロセン類、金属錯体類、半導体微粒子のいずれかであることが好ましく、アニリン類、トリフェニルアミン類、フェノチアジン類、フェノキサジン類、フェナジン類のいずれかであることがより好ましい。
電子供与性化合物の酸化電位は2光子吸収化合物の励起状態の還元電位よりも卑(マイナス側)であることが好ましく、電子受容性化合物の還元電位は2光子吸収化合物の励起状態の酸化電位よりも貴(プラス側)であることが好ましい。
該電子供与性化合物の酸化電位が標準カロメロ電極(SCE)の電位に換算して+0.4Vよりも貴でかつ、+1.0Vよりも卑であることが好ましい。
電子供与性化合物としてより好ましくは、アニリン類、トリフェニルアミン類、フェノチアジン類、フェノキサジン類、フェナジン類のいずれかであり、さらに好ましくは、トリフェニルアミン類、フェノチアジン類のいずれかであり、最も好ましくはフェノチアジン類である。
本発明の電子供与性化合物は好ましくは前記一般式(1−1)、(1−2)または(1−3)のいずれかにて表される。
一般式(1−1)にて、X1は−S−、−O−、−NR10−または−CR11R12−のいずれかを表し、好ましくは−S−、−O−、−NR10−を表し、より好ましくは−S−または−O−を表し、さらに好ましくは−S−を表す。
一般式(1−1)中、R1、R10はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(好ましくは炭素原子数(以後C数という)1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、カルボキシメチル、アルコキシカルボニルメチル、N,N−ジメチルカルバモイルメチル、2−ヒドロキシエチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−ブチニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−(ジメチルアミノ)フェニル、4−シアノフェニル、4−メトキシカルボニルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル)のいずれかを表し、より好ましくはアルキル基またはアリール基を表し、さらに好ましくはアルキル基を表し、最も好ましくはメチル基を表す。
一般式(1−1)中、R2、R3はそれぞれ独立に置換基を表し、置換基として好ましい例は例えば、アルキル基(好ましくは炭素原子数(以後C数という)1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、カルボキシメチル、アルコキシカルボニルメチル、N,N−ジメチルカルバモイルメチル、2−ヒドロキシエチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−ブチニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、4−シアノフェニル、4−メトキシカルボニルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(好ましくはC数0〜20、例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、アニリノ、メチルアミノ)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20、例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N、N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、イミノ基(好ましくはC数2〜20、例えばフタルイミノ)、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル)、またはカルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばカルバモイルアミノ、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、であり、より好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、またはアルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは、アルキル基、アリール基、アミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、またはアシルアミノ基である。
一般式(1−1)中、R11、R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基(好ましい例はR2、R3に挙げた置換基の例に同じ)を表し、より好ましくは水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
一般式(1−1)中、a2、a3はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、好ましくは0または1を表し、より好ましくは共に0を表す。
a2、a3が2以上の時、複数のR2、R3は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環等が挙げられる。
一般式(1−2)にて、R4、R5、R6はそれぞれ独立に置換基(好ましい例はR2、R3に挙げた置換基の例に同じ)を表し、好ましくは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルキル基またはアリール基が置換しても良いアミノ基を表す。a4、a5、a6はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、好ましくは0または1を表す。a4、a5、a6が2以上の時、複数のR4、R5、R6は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環等が挙げられる。
一般式(1−3)にて、R7、R8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基のいずれかを表し(好ましい例は、 R1、R10に挙げた置換基の例に同じ)、好ましくはアルキル基を表す。
R9は置換基(好ましい例はR2、R3に挙げた置換基の例に同じ)を表し、 a9は0〜5の整数を表し、より好ましくは0〜2の整数を表す。 a9が2以上の時、複数のR9は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環等が挙げられる。
本発明の電子供与性化合物は好ましくは一般式(1−1)または(1−2)で表され、より好ましく一般式(1−1)で表される。一般式(1−1)ではX1は−S−が最も好ましいため、つまり、本発明の電子供与性化合物としては、フェノチアジン類が好ましく、N−メチルフェノチアジンが最も好ましい。
以下に本発明の電子供与性化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれに限定されるわけではない。
Figure 2006289613
Figure 2006289613
Figure 2006289613
なお、例えば本発明の化合物のDMF中の酸化電位(vsSCE)はED−1 0.67V、ED−7 0.74V、ED−12 0.97V、ED−14 0.60V、ED−17 0.73V、ED−19 0.61V、ED−24 0.8V、ED−27 0.79V、ED−41 1.00Vとすべて先述の好ましい要件を満たす。また後述の2光子吸収化合物の代表例としてS−6、S−23、S−75の酸化電位は1.05、1.01、1.27Vであり、それぞれまた先述の好ましい要件を満たす。
本発明の2光子吸収光記録材料においては、バインダーが好ましく用いられる。バインダーは組成物の成膜性、膜厚の均一性、保存時安定性を向上させる等の目的で通常使用される。バインダーとしては、2光子吸収化合物、記録成分と相溶性の良いものが好ましい。
バインダーとしては、溶媒可溶性の熱可塑性重合体が好ましく、単独又は互いに組合せて使用することができる。
バインダーは反応性部位を有して、架橋剤や重合性モノマーやオリゴマーと反応して架橋、硬膜等されても良い。その際の反応性部位としては、ラジカル反応性部位として、アクリル基、メタクリル基に代表されるエチレン性不飽和基、カチオン反応性部位としてオキシラン化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル基、縮重合反応部位としてカルボン酸、アルコール、アミン等が好ましく挙げられる。
本発明に用いるバインダーとして好ましくは例えば、アクリレート及びアルファ−アルキルアクリレートエステル及び酸性重合体及びインターポリマー(例えばポリメタクリル酸メチル及びポリメタクリル酸エチル、メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体)、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸/アクリル酸ビニル、ポリ酢酸/メタクリル酸ビニル及び加水分解型ポリ酢酸ビニル)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、飽和及び不飽和ポリウレタン、ブタジエン及びイソプレン重合体及び共重合体及びほぼ4,000〜1,000,000の重量平均分子量を有するポリグリコールの高分子量ポリ酸化エチレン、エポキシ化物(例えば、アクリレート又はメタクリレート基を有するエポキシ化物)、ポリアミド(例えば、N−メトキシメチルポリヘキサメチレンアジパミド)、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートサクシネート及びセルロースアセテートブチレート)、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルベンジルセルロース)、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール(ポリビニルブチラール及びポリビニルホルマール)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、適当なバインダーとして機能する酸含有重合体及び共重合体として、米国特許3,458,311中及び米国特許4,273,857中に開示されているものなどが挙げられる。
さらに、ポリスチレン重合体、並びに例えばアクリロニトリル、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステルとの共重合体、塩化ビニリデン共重合体(例えば、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、ビニリデンクロリド/メタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体)、ポリ塩化ビニル及び共重合体(例えば、ポリビニルクロリド/アセテート、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体)、ポリビニルベンザル合成ゴム(例えば、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、2−クロロブタジエン−1,3重合体、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)、コポリエステル(例えば、式HO(CH2)nOH(式中nは、2〜10の整数である)のポリメチレングリコール、並びに(1)ヘキサヒドロテレフタル酸、セバシン酸及びテレフタル酸、(2)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸、(3)テレフタル酸及びセバシン酸、(4)テレフタル酸及びイソフタル酸の反応生成物から製造されたもの、並びに(5)該グリコール及び(i)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸及び(ii)テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸及びアジピン酸から製造されたコポリエステルの混合物)、ポリN−ビニルカルバゾール及びその共重合体、並びにH.カモガワらによりJournal of Polymer Science:Polymer Chemistry Edition,18巻、9〜18頁(1979)中開示されているようなカルバゾール含有重合体、ビスフェノールと炭酸エステルからなるポリカーボネートなどが挙げられる。
また、フッ素原子含有高分子も低屈折率バインダーとして好ましい。好ましいものとしては、フルオロオレフィンを必須成分とし、アルキルビニルエーテル、アリサイクリックビニルエーテル、ヒドロキシビニルエーテル、オレフィン、ハロオレフィン、不飽和カルボン酸およびそのエステル、およびカルボン酸ビニルエステルから選ばれる1種もしくは2種以上の不飽和単量体を共重合成分とする有機溶媒に可溶性の重合体である。好ましくは、その重量平均分子量が5,000から200,000で、またフッ素原子含有量が5ないし70質量%であることが望ましい。
フッ素原子含有高分子におけるフルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどが使用される。また、他の共重合成分であるアルキルビニルエーテルとしては、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルなど、アリサイクリックビニルエーテルとしてはシクロヘキシルビニルエーテルおよびその誘導体、ヒドロキシビニルエーテルとしてはヒドロキシブチルビニルエーテルなど、オレフィンおよびハロオレフィンとしてはエチレン、プロピレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど、カルボン酸ビニルエステルとしては酢酸ビニル、n−酪酸ビニルなど、また不飽和カルボン酸およびそのエステルとしては(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸、および(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどの(メタ)アクリル酸のC1からC18のアルキルエステル類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のC2からC8のヒドロキシアルキルエステル類、およびN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらラジカル重合性単量体はそれぞれ単独でも、また2種以上組み合わせて使用しても良く、更に必要に応じて該単量体の一部を他のラジカル重合性単量体、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリロニトリルなどのビニル化合物と代替しても良い。また、その他の単量体誘導体として、カルボン酸基含有のフルオロオレフィン、グリシジル基含有ビニルエーテルなども使用可能である。
前記したフッ素原子含有高分子の具体例として、例えば水酸基を有する有機溶媒可溶性の「ルミフロン」シリーズ(例えばルミフロンLF200、重量平均分子量:約50,000、旭硝子社製)が挙げられる。この他にも、ダイキン工業(株)、セントラル硝子(株)、ペンウオルト社などからも有機溶媒可溶性のフッ素原子含有高分子が上市されており、これらも使用することができる。
本発明の2光子吸収光記録材料に用いるバインダーとしては、屈折率が1.5以下のバインダーが好ましい。
本発明の2光子吸収光記録材料は、必要により重合性モノマー、重合性オリゴマー、架橋剤、熱安定剤、可塑剤、溶媒等の添加物を適宜用いることができる。
重合性モノマー、重合性オリゴマー、架橋剤を本発明の2光子吸収光記録材料に用いる際の好ましい例としては例えば、特願2003−82732号に記載のものが挙げられる。
本発明の2光子吸収光記録材料には、保存時の保存性を向上させるために熱安定剤を添加することができる。
有用な熱安定剤にはハイドロキノン、フェニドン、p−メトキシフェノール、アルキルおよびアリール置換されたハイドロキノンとキノン、カテコール、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2-ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、フェノチアジン、およびクロルアニールなどが含まれる。Pazos氏の米国特許第4,168,982号中に述べられた、ジニトロソダイマ類もまた有用である。
可塑剤は2光子吸収光記録材料の接着性、柔軟性、硬さ、およびその他の機械的諸特性を変えるために用いられる。可塑剤としては例えば、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、ジエチルセバケート、ジブチルスベレート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジブチルフタレート等が挙げられる。
本発明の2光子吸収光記録材料中の各成分の割合は、一般的に組成物の全質量を基準に以下の%の範囲内であることが好ましい。
(反応性)バインダー、重合性モノマー、重合性オリゴマー、架橋剤:好ましくは0〜95質量%、より好ましくは30〜95質量%
記録成分:好ましくは3〜80質量%、より好ましくは5〜60質量%
2光子吸収化合物:好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜3質量%
電子供与性化合物:好ましくは3〜60%、より好ましくは5〜40%
本発明の2光子吸収光記録材料用組成物は通常の方法で調製されてよい。例えば上述の必須成分および任意成分をそのままもしくは必要に応じて溶媒を加えて調製することができる。
溶媒としては例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテート、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル系溶媒、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、N、N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒などが挙げられる。
本発明の2光子吸収光記録材料は、スピンコーター、ロールコーターまたはバーコーターなどを用いることによって基板上に直接塗布することも、あるいはフィルムとしてキャストしついで通常の方法により基板にラミネートすることもでき、それらにより2光子吸収光記録材料とすることができる。
ここで、「基板」とは、任意の天然又は合成支持体、好適には柔軟性又は剛性フィルム、シートまたは板の形態で存在することができるものを意味する。
基板として好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、樹脂下塗り型ポリエチレンテレフタレート、火炎又は静電気放電処理されたポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ガラス等である。
使用した溶媒は乾燥時に蒸発除去することができる。蒸発除去には加熱や減圧を用いても良い。
さらに、2光子吸収光記録材料の上に、酸素遮断のための保護層を形成してもよい。保護層は、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレートまたはセロファンフィルムなどのプラスチック製のフィルムまたは板を静電的な密着、押し出し機を使った積層等により貼合わせるか、前記ポリマーの溶液を塗布してもよい。また、ガラス板を貼合わせてもよい。また、保護層と感光膜の間および/または、基材と感光膜の間に、気密性を高めるために粘着剤または液状物質を存在させてもよい。
[実施例]
以下に、本発明の具体的な実施例について実験結果を基に説明する。勿論、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の組成にて、2光子吸収光記録材料の本発明の試料(1)、(2)、比較試料(1)、(2)を作製した。2光子吸収光記録材料(1)(2)、および比較材料(1)、(2)は各々下記の組成物をスライドグラス上にスピンコートし、厚さ約10μmの膜を得た。
2光子吸収光記録材料(1)の組成:
・2光子吸収化合物:D−104(1質量部)
・記録成分:酸発生剤ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ燐酸(9.1質量部)
酸発色型色素前駆体:クリスタルバイオレットラクトン(9.1質量部)
・電子供与性化合物:10−メチルフェノチアジン(36.3質量部)
・バインダー:ポリメチルメタクリレート(平均分子量120,000)(45.4質量部)
溶媒:クロロホルム(上記成分の合計質量の3倍質量)
2光子吸収光記録材料(2)の組成:
・2光子吸収化合物:D−126(1質量部)
・記録成分:酸発生剤:I−101(9.1質量部)
酸発色型色素前駆体:R−7(9.1質量部)
・電子供与性化合物:10−メチルフェノチアジン(36.3質量部)
・バインダー:ポリ(メチルメタクリレート−co−エチルアクリレート)(平均分子量101,000)(45.4質量部)
溶媒:クロロホルム(上記成分の合計質量の3倍質量)
比較材料(1)の組成:
上記2光子吸収光記録材料(1)から電子供与性化合物を除いたもの。
比較材料(2)の組成
上記2光子吸収光記録材料(2)から電子供与性化合物を除いたもの。
[光照射時における発色性の評価]
本発明の2光子吸収光記録材料の性能評価には発振波長可変のTi:サファイアレーザーを用い、レーザー光を本発明の2光子光記録材料のスピンコート膜へレンズで絞って照射した。
照射したレーザー光の波長は、本材料に含まれる2光子吸収化合物の2光子吸収断面積が極大となる波長付近を用いた。
発色速度の評価には、Ti:サファイアレーザー光照射により発色する色素の吸光度がある一定の値になるまでのレーザー光照射時間を測定することで発色速度を見積もった。電子供与性化合物を含まない比較材料におけるレーザー光照射時の発色色素濃度がある値になるまでの時間から発色速度を求め、これを1として、電子供与性化合物が含まれる場合の発色速度を比較した。
[2光子吸収断面積の評価]
本発明の2光子吸収化合物の2光子吸収断面積の評価は、該化合物が蛍光性の場合には蛍光法を、該化合物が非蛍光性の場合にはZ−Scan法を用いて行った。
<蛍光法>
2光子吸収断面積の蛍光法による評価は、M.A.Albota et al.,Appl.Opt.1998,37,7352.記載の方法を参考に行った。この測定法は、非共鳴2光子吸収が起こることにより誘起された励起状態からの発光の強度を、基準物質と被測定物質との間で比較する方法であり、2光子発光を起こす化合物でなければ測定できないが、他の方法に比べて簡便で比較的正確な値が得られるのが特徴である。2光子吸収断面積測定用の光源には、Ti:sapphire パルスレーザー(パルス幅:100fs 、繰り返し:80MHz 、平均出力:1W、ピークパワー:100kW )を用い、700nmから1000nmの波長範囲で2光子吸収断面積を測定した。また、基準物質としてローダミンBおよびフルオレセインを測定し、得られた測定値をC.Xu et al.,J.Opt.Soc.Am.B 1996,13,481.に記載のローダミンB およびフルオレセインの2光子吸収断面積の値を用いて補正することで、各化合物の2光子吸収断面積を得た。2光子吸収測定用の試料には、1×10-3の濃度でクロロホルムまたはDMSOに化合物を溶かした溶液を用いた。
<Z−Scan法>
2光子吸収断面積のZ−Scan法による評価は、MANSOOR SHEIK−BAHAE et al.,IEEE.Journal of Quantum Electronics.1990,26,760.記載のZスキャン法で行った。Zスキャン法は、非線形光学定数の測定方法として、広く用いられている方法であり、集光したレーザビームの焦点付近で、測定試料をビームに沿って移動させ、透過する光量の変化を記録する。試料の位置により、入射光のパワー密度が変化するため、非線形吸収がある場合には、焦点付近で透過光量が減衰する。透過光量変化を、入射光強度、集光スポットサイズ、試料厚み、試料濃度などから予測される理論曲線に対し、フィッティングを行うことにより、2光子吸収断面積を算出した。2光子吸収断面積測定用の光源には、Ti:sapphire パルスレーザー(パルス幅:100fs、繰り返し:80MHz、平均出力:1W、ピークパワー:100kW)を用い、700nmから1000nmの波長範囲で2光子吸収断面積を測定した。2光子吸収測定用の試料には、1×10-3の濃度でクロロホルムに化合物を溶かした溶液を用いた。
本発明の2光子吸収化合物の2光子吸収断面積を表1に示した。また、発色速度の評価結果を表2に示した。
Figure 2006289613
Figure 2006289613
表2より、本発明の2光子吸収光記録材料は比較材料に比して発色速度が著しく速くなっていることがわかる。

Claims (30)

  1. 少なくとも(1)2光子吸収化合物、(2)2光子吸収化合物の励起状態から電子移動またはエネルギー移動によって吸収スペクトルが変化する記録成分、(3)2光子吸収化合物または/および記録成分を構成する化合物へ電子を供与することのできる電子供与性化合物を含むことを特徴とする2光子吸収光記録材料。
  2. 該電子供与性化合物の酸化電位が該2光子吸収化合物の酸化電位よりも卑であることを特徴とする請求項1に記載の2光子吸収光記録材料。
  3. 該電子供与性化合物の酸化電位が、該2光子吸収化合物の光励起状態の酸化電位よりも卑であることを特徴とする請求項1または2に記載の2光子吸収光記録材料。
  4. 該電子供与性化合物の酸化電位が標準カロメロ電極(SCE)の電位に換算して+0.4Vよりも貴でかつ、+1.0Vよりも卑であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
  5. 該電子供与性化合物がアルキルアミン類、アニリン類、フェニレンジアミン類、トリフェニルアミン類、カルバゾール類、フェノチアジン類、フェノキサジン類、フェナジン類、ハイドロキノン類、カテコール類、アルコキシベンゼン類、アミノフェノール類、イミダゾール類、ピリジン類、メタロセン類、金属錯体類、半導体微粒子のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
  6. 該電子供与性化合物がアニリン類、トリフェニルアミン類、フェノチアジン類、フェノキサジン類、フェナジン類のいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
  7. 該電子供与性化合物が2光子吸収化合物と共有結合によって結合した構造を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
  8. 該電子供与性化合物が主鎖または側鎖に共有結合を介して結合した高分子化合物を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
  9. 該電子供与性化合物が下記一般式(1−1)、(1−2)、または(1−3)で表されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
    Figure 2006289613
    一般式(1−1)において、X1は−S−,−O−、−NR10−または−CR1112−のいずれかを表す。R1、R10はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R2、R3はそれぞれ独立に置換基を表し、R11、R12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。a2、a3はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、a2、a3が2以上の時、複数のR2、R3は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
    一般式(1−2)において、R4、R5、R6はそれぞれ独立に置換基を表し、a4、a5、a6はそれぞれ独立に0〜5の整数を表す。a4、a5、a6が2以上の時、複数のR4、R5、R6は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
    一般式(1−3)において、R7、R8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基のいずれかを表し、R9は置換基を表し、a9は0〜5の整数を表す。a9が2以上の時、複数のR9は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
  10. 該電子供与性化合物が一般式(1−1)で表され、かつX1が−S−で表されることを特徴とする請求項9に記載の2光子吸収光記録材料。
  11. 該2光子吸収化合物が1000GM以上の2光子吸収断面積を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
  12. 該記録成分に、2光子吸収化合物からの電子移動により酸を発生させることの可能な光酸発生剤と、酸により吸収帯が発現する酸発色型色素前駆体の少なくとも2成分を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
  13. 該酸発色型色素前駆体が、酸により発色した色素としてトリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、シアニン色素を生成する色素前駆体、および/またはフルオラン系色素であることを特徴とする請求項12に記載の2光子吸収光記録材料。
  14. 該光酸発生剤がジアリールヨウドニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、金属アレーン錯体、トリハロメチル置換トリアジンまたはスルホン酸エステルであることを特徴とする請求項12または13に記載の2光子吸収光記録材料。
  15. 該記録成分に、2光子吸収化合物からの電子移動により塩基を発生させることの可能な光塩基発生剤と、塩基により吸収が発現する塩基発色型色素前駆体の少なくとも2成分を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
  16. 該塩基発色型色素前駆体が、塩基により発色した色素としてアゾ色素、アゾメチン色素、オキソノール色素、キサンテン系色素、フルオラン系色素またはトリフェニルメタン系色素を生成する色素前駆体であることを特徴とする請求項15に記載の2光子吸収光記録材料。
  17. 該光塩基発生剤が、下記一般式(2−1)−(2−4)で表されることを特徴とする請求項15または16に記載の2光子吸収光記録材料。
    Figure 2006289613
    一般式(2−1)〜(2−4)中、R201、R202、R213、R214、R215はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R201、R202は互いに連結して環を形成しても良く、R213、R214、R215は互いに連結して環を形成しても良い。R203、R206、R207、R209はそれぞれ独立に置換基を表し、R204、R205、R208、R210、R211はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R210、R211は互いに連結して環を形成しても良い。R216、R217、R218、R219はそれぞれ独立にアルキル基またはアリール基を表し、R212はアリール基またはヘテロ環基を表す。n201は0または1の整数を表し、n202〜n204はそれぞれ独立に0〜5の整数を表す。
  18. 該記録成分として少なくとも下記一般式(3)を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
    一般式(3)
    Figure 2006289613
    一般式(3)中、A1とPDは共有結合しており、A1は2光子吸収化合物励起状態との電子移動またはエネルギー移動によりPDとの共有結合を切断する機能を有する有機化合物部位であり、PDはA1と共有結合している際とA1との共有結合が切断されて放出された際に発色体となる特徴を有する有機化合物部位を表す。
  19. 該記録成分に、少なくとも吸収を消失させることの可能な消色型色素を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
  20. 該記録成分に含まれる色素の発色および/または消色による吸収スペクトル変化が2光子吸収化合物の線形吸収スペクトルの極大波長よりも長波長領域で発現することを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料。
  21. 請求項20に記載の2光子吸収光記録材料であって、2光子吸収化合物の線形吸収スペクトルの極大波長よりも長波長領域に発現する記録成分の吸収スペクトル変化が読み出し波長において発現することを特徴とする請求項20に記載の2光子吸収光記録材料。
  22. 請求項20に記載の2光子吸収光記録材料であって、2光子吸収化合物の線形吸収スペクトルの極大波長よりも長波長領域に発現する記録成分の吸収スペクトル変化が読み出し波長よりも短波長領域において発現し、かつ読み出し波長での吸収スペクトル変化が存在しないことを特徴とする請求項20に記載の2光子吸収光記録材料。
  23. 請求項1〜22のいずれかに記載の2光子吸収光記録材料を用いた2光子吸収光記録媒体。
  24. 請求項23に記載の2光子吸収光記録媒体であって、1回だけの書き込みが可能なライトワンス型であることを特徴とする2光子吸収光記録媒体。
  25. 請求項23または24に記載の2光子吸収光記録媒体であって、屈折率、散乱、回折または干渉により記録および読み出しを行うことを特徴とする請求項23−24に記載の2光子吸収光記録媒体。
  26. 請求項23〜25のいずれかに記載の2光子吸収光記録媒体に書き込まれた情報を反射率の違いにより読み出すことを特徴とする2光子吸収記録媒体の記録再生方法。
  27. 請求項23〜25のいずれかに記載の2光子吸収光記録媒体への光記録における書き込み波長と、情報の読み出しに用いる再生波長とが同一波長であることを特徴とする2光子吸収光記録媒体の記録再生方法。
  28. 請求項23〜25のいずれかに記載の2光子吸収光記録媒体への光記録における書き込み波長と、情報の読み出しに用いる再生波長とが異なる波長であることを特徴とする2光子吸収光記録媒体の記録再生方法。
  29. 請求項26〜28のいずれかに記載の2光子吸収光記録媒体の記録再生方法であって、請求項23−25に記載の2光子吸収光記録媒体を回転または走行させながら情報の書き込みおよび再生を行うことを特徴とする2光子吸収光記録媒体の記録再生方法。
  30. 請求項23〜25のいずれかに記載の2光子吸収光記録媒体と、請求項26〜29のいずれかに記載の記録再生方法を行う光学ヘッドの相対位置を変化させることが可能な駆動機構を有する2光子吸収光記録再生装置。
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