JP2006289218A - 磁気分離方法及び水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 処理効率を向上することができる磁気分離方法及び水処理方法を提供する。
【解決手段】 磁気分離方法は、磁性物質を含む被処理液を流動路5で流動させ、磁気フィルタ9に通過させて、磁性物質を磁気フィルタ9で捕集する捕集工程と、流動路5に洗浄用液を流動させ、捕集された磁性物質を磁気フィルタ9から除去する再生工程と、を備え、再生工程における洗浄用液の流速は、捕集工程における被処理液の流速よりも大きく、再生工程において磁気フィルタ9の位置に形成する磁場の磁束密度は、捕集工程において磁気フィルタ9の位置に形成する磁場の磁束密度と同じであることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 磁気分離方法は、磁性物質を含む被処理液を流動路5で流動させ、磁気フィルタ9に通過させて、磁性物質を磁気フィルタ9で捕集する捕集工程と、流動路5に洗浄用液を流動させ、捕集された磁性物質を磁気フィルタ9から除去する再生工程と、を備え、再生工程における洗浄用液の流速は、捕集工程における被処理液の流速よりも大きく、再生工程において磁気フィルタ9の位置に形成する磁場の磁束密度は、捕集工程において磁気フィルタ9の位置に形成する磁場の磁束密度と同じであることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、磁気分離方法及び水処理方法に関するものである。
従来、強磁性体の磁気フィルタを用いて被処理液中の磁性物質を除去する磁気分離方法が知られている。このような方法では、まず、被処理液を流動路で流動させ、被処理液を流動路に形成された磁場内に位置する磁気フィルタに通過させて、被処理液中の磁性物質を磁気フィルタで捕集する。そして、流動路に形成された磁場をゼロとし磁気フィルタの吸引力をなくした状態で、流動路に洗浄用液を流動させて、捕集された磁性物質を磁気フィルタから除去し、磁気フィルタの再生を行う。このように、上記磁気分離方法では、捕集作業とフィルタ再生作業とを1サイクルとして、交互に繰り返すことで、磁気フィルタの捕集能力を1サイクルごとに回復させながら、被処理液の処理が行われていた。なお、このような方法は、文献等に記載されているものではなく、磁気分離方法の基礎となる技術的思想であるので、先行技術文献情報はない。
しかしながら、上記磁気分離方法において、捕集作業とフィルタ再生作業との間で作業を移行する際に電磁石の励磁・消磁を行う必要があるが、磁場の発生源として超電導式電磁石を採用する場合には、特に、磁場発生源の交流損による発熱を抑えるため、所定以下の増加・減少速度で電磁石に供給する電流を変化させ、緩やかに励磁・消磁を行う必要がある。このため、1サイクル中には、磁場発生源を励磁・消磁するための時間を設定する必要があり、この間は捕集作業とフィルタ再生作業の何れの作業も行われないことになる。従って、上記磁気分離方法によれば、1サイクル中で捕集作業が行われる時間の割合が低下し、その結果、全体的な処理効率の低下を招くという問題があった。
そこで、本発明は、処理効率を向上することができる磁気分離方法及び水処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、磁気フィルタが磁性物質に対する吸引力を有している場合であっても、洗浄用液の流速を大きくすることで、磁気フィルタに捕集された磁性物質を払い落として磁気フィルタを再生することが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る磁気分離方法は、磁性物質を含む被処理液を流動路で流動させ、被処理液を流動路内に形成した磁場内に位置する磁気フィルタに通過させて、被処理液中の磁性物質を磁気フィルタで捕集する捕集工程と、流動路に洗浄用液を流動させ、磁気フィルタに捕集された磁性物質を磁気フィルタから除去する再生工程と、を備え、再生工程において流動路を流動する洗浄用液の流速は、捕集工程において流動路を流動する被処理液の流速よりも大きく、再生工程において磁気フィルタの位置に形成する磁場の磁束密度は、捕集工程において磁気フィルタの位置に形成する磁場の磁束密度と同じであることを特徴とする。
この磁気分離方法では、捕集工程において、被処理液を流動路において比較的小さな流速で流動させる。この場合、被処理液中の磁性物質は、形成した磁場内で磁化された磁気フィルタを通過する際に、磁気フィルタの吸引力によってこの磁気フィルタに捕集される。一方、再生工程では、磁気フィルタの位置に捕集工程と同じ磁束密度の磁場を形成し、洗浄用液を流動路において比較的大きな流速で流動させる。この場合、磁気フィルタは磁性物質に対して捕集工程と同じ吸引力を有しているが、洗浄用液の流速を、捕集工程における被処理液の流速よりも大きくすることで、磁気フィルタに捕集されている磁性物質を払い落とすことができ、磁気フィルタの再生が可能になる。このように、上記磁気分離方法によれば、捕集工程と再生工程との間で、磁気フィルタの位置に形成する磁場の磁束密度を変化させる必要がないので、磁場発生源の励磁・消磁するための時間を設ける必要がない。よって、被処理液の処理効率を向上することができる。ここで、本発明における磁性物質は、単独で磁性を有している物質、及び磁性を有さない物質と磁性を有する物質とが一体化され全体として磁性を有する物質を含む。
また、上記作用を効果的に奏するため、捕集工程及び再生工程において磁気フィルタの位置に形成させる磁場の磁束密度は、0.25T以上、かつ、1.0T以下であり、捕集工程における被処理液の流速は、0.2m/s以下であり、再生工程における洗浄用液の流速は、0.8m/s以上であることが好適である。
また、本発明に係る水処理方法は、被処理水中に含まれる固形物に磁性を付与して磁性物質を生成させる前処理工程と、前処理後の被処理水を流動路で流動させ、被処理水を流動路内に形成した磁場内に位置する磁気フィルタに通過させて、被処理水中の磁性物質を磁気フィルタで捕集する捕集工程と、流動路に洗浄用水を流動させ、磁気フィルタに捕集された磁性物質を磁気フィルタから除去する再生工程と、を備え、再生工程において流動路を流動する洗浄用水の流速は、捕集工程において流動路を流動する被処理水の流速よりも大きく、再生工程において磁気フィルタの位置に形成する磁場の磁束密度は、捕集工程において磁気フィルタの位置に形成する磁場の磁束密度と同じであることを特徴とする。
この水処理方法においては、前処理工程で、被処理水中の固形物に磁性を付与し、磁性を有さない固形物を、磁気フィルタによる分離が可能な磁性物質としている。そして、捕集工程において、この被処理水を流動路において比較的小さな流速で流動させる。この場合、被処理水中の磁性物質は、形成した磁場内で磁化された磁気フィルタを通過する際に、磁気フィルタの吸引力によってこの磁気フィルタに捕集される。一方、再生工程では、磁気フィルタの位置に捕集工程と同じ磁束密度の磁場を形成し、洗浄用水を流動路において比較的大きな流速で流動させる。この場合、磁気フィルタは磁性物質に対して捕集工程と同じ吸引力を有しているが、洗浄用水の流速を、捕集工程における被処理水の流速よりも大きくすることで、磁気フィルタに捕集されている磁性物質を払い落とすことができ、磁気フィルタの再生が可能になる。このように、上記磁気分離方法によれば、捕集工程と再生工程との間で、磁気フィルタの位置に形成する磁場の磁束密度が同じであり変化させる必要がない。従って、磁場発生源の励磁・消磁するための時間を設ける必要がなく、被処理水の処理効率を向上することができる。
本発明によれば、磁気分離方法及び水処理方法において、処理効率を向上することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る磁気分離方法及び水処理方法の好適な実施形態について詳細に説明する。まず、本発明の磁気分離方法の実施形態である水処理方法の説明に先立って、この水処理方法が適用される高勾配型磁気分離装置の一例を説明する。
図1に示す高勾配型磁気分離装置1は、被処理水中に含まれる磁性物質を磁気フィルタを用いて除去するための水処理装置である。装置1は、例えば、被処理水としての下水(被処理液)中に含まれる粒径10μm程度の土砂(固形物)等を除去するといった処理に用いられる。土砂の粒子は磁性を有さないので、この場合、後述する前処理によって下水中の土砂の粒子に磁性が付与され、磁気フィルタによる分離が可能になる。そして、前処理済みの下水を装置1で処理することにより、磁性が付与された土砂や、もともと下水に含まれていた磁性体の粒子を、磁気フィルタによって捕集し、結果として、下水から土砂を除去することになる。
この装置1は、円筒状の流動管7を備えており、流動管7の内側の空間は、下水を流動させる流動路5を構成している。この流動管7の内壁には、円柱状の磁気フィルタ9が固定されている。この磁気フィルタ9は、例えば、フェライト系ステンレスであるSUS430といった強磁性体からなる円形の網が、流動路5の延在方向に複数積層されて構成されている。装置1は、流動管7に接続された下水導入ラインL11及び下水導出ラインL12を備えており、下水は、この下水導入ラインL11を通じて流動路5に導入され、処理後の処理水は、下水導出ラインL12を通じて流動路5から排出される。また、流動管7には、洗浄水導入ラインL31及び洗浄水導出ラインL32が接続されている。詳細は後述するが、この洗浄水導入ラインL31を通じて、磁気フィルタ9を洗浄するための洗浄水が流動路5に導入され、洗浄水導出ラインL32を通じて、洗浄後の洗浄水が流動路5から排出される。更に、流動管7の外壁には、円筒状の超電導式電磁石13が固定されており、この超電導式電磁石13は、磁気フィルタ9が配置された部分を取り囲むように配置されている。このような構成に基づき、超電導式電磁石13に電流が供給されると、流動路5における磁気フィルタ9の位置に磁場が形成され、磁気フィルタ9が磁化することになる。
次に、本発明の磁気分離方法の実施形態である水処理方法の一例について説明する。
(前処理工程)
装置1に導入する前の前処理として、マグネタイト、凝集剤及び助剤ポリマーが下水に投入される。すると、凝集剤によって、除去すべき下水中の土砂と、磁性物質であるマグネタイトとが一体となり、一体となったこの粒子全体が磁性物質として挙動することになる。以下、このように一体となった磁性物質を「磁性フロッグ」と称する。以上のような処理によって、除去すべき土砂に磁性が付与され、装置1に導入するための前処理済みの下水が生成される。つまり、この前処理済みの下水には、前処理前の下水にもともと含まれていた金属等の磁性体の粒子や、上記のように土砂の粒子とマグネタイトの粒子とが一体化され全体として磁性を有する磁性フロッグが、磁性物質として含まれていることになる。
装置1に導入する前の前処理として、マグネタイト、凝集剤及び助剤ポリマーが下水に投入される。すると、凝集剤によって、除去すべき下水中の土砂と、磁性物質であるマグネタイトとが一体となり、一体となったこの粒子全体が磁性物質として挙動することになる。以下、このように一体となった磁性物質を「磁性フロッグ」と称する。以上のような処理によって、除去すべき土砂に磁性が付与され、装置1に導入するための前処理済みの下水が生成される。つまり、この前処理済みの下水には、前処理前の下水にもともと含まれていた金属等の磁性体の粒子や、上記のように土砂の粒子とマグネタイトの粒子とが一体化され全体として磁性を有する磁性フロッグが、磁性物質として含まれていることになる。
(捕集工程)
まず、超電導式電磁石13に電流を供給することにより、流動路5内の磁気フィルタ9の位置に、磁束密度0.25T以上、1.0T以下の(ここでは、0.5T)の磁場を形成させる。すると、SUS430等の強磁性体の金属からなる磁気フィルタ9は、磁場内に置かれることにより、磁化した状態となる。この状態で、バルブV31,V32を閉じ、バルブV11,V12を開ける。すると、上記の前処理済みの下水がラインL11を通じて流動路5に導入され、この流動路5を図中上向きに流動する。このとき、バルブV11,V12の開き具合によって、流動路5における下水の流速が0.2m/s以下(ここでは、0.1〜0.2m/s)になるように調整する。こうして、予め上記前処理を施した下水を流動路5に流動させ、磁化した磁気フィルタ9に通過させることができる。
まず、超電導式電磁石13に電流を供給することにより、流動路5内の磁気フィルタ9の位置に、磁束密度0.25T以上、1.0T以下の(ここでは、0.5T)の磁場を形成させる。すると、SUS430等の強磁性体の金属からなる磁気フィルタ9は、磁場内に置かれることにより、磁化した状態となる。この状態で、バルブV31,V32を閉じ、バルブV11,V12を開ける。すると、上記の前処理済みの下水がラインL11を通じて流動路5に導入され、この流動路5を図中上向きに流動する。このとき、バルブV11,V12の開き具合によって、流動路5における下水の流速が0.2m/s以下(ここでは、0.1〜0.2m/s)になるように調整する。こうして、予め上記前処理を施した下水を流動路5に流動させ、磁化した磁気フィルタ9に通過させることができる。
この捕集工程においては、流動する下水のうち、液体成分は、流動路5内の磁気フィルタ9の網目の間を通過する。一方、磁気フィルタ9は磁化することにより磁性物質に対する吸引力を有しているので、下水中の磁性フロッグ(磁性物質)は、磁気フィルタ9の網を構成する金属線に引き付けられ、この金属線上に付着することになる。このとき、下水の流速を0.2m/s以下としているので、下水が磁性フロッグを押し流す力が弱く、磁性フロッグは磁気フィルタ9の金属線上に十分に捕集される。このようにして、流動路5における磁気フィルタ9の上方には、磁性フロッグの含有量が少ない液体成分が流動することになり、この液体成分が、ラインL12を通じ、処理水として装置1から排出されることになる。
(再生工程)
上記のような捕集工程を継続していると、磁性フロッグが磁気フィルタ9の金属線上に蓄積することで、新たな磁性フロッグの捕集が出来なくなり、磁気フィルタ9の捕集能力が低下することになる。そこで、磁気フィルタ9の捕集能力を再生させるために、金属線上に付着した磁性フロッグを除去すべく、以下のような磁気フィルタ9の再生工程を行うことにしている。
上記のような捕集工程を継続していると、磁性フロッグが磁気フィルタ9の金属線上に蓄積することで、新たな磁性フロッグの捕集が出来なくなり、磁気フィルタ9の捕集能力が低下することになる。そこで、磁気フィルタ9の捕集能力を再生させるために、金属線上に付着した磁性フロッグを除去すべく、以下のような磁気フィルタ9の再生工程を行うことにしている。
まず、上記捕集工程が行われている状態から、バルブV11,V12を閉じ、バルブV31,V32を開ける。すると、磁気フィルタ9を洗浄するための洗浄水(洗浄用液)が、ラインL31を通じて流動路5に導入され、捕集工程とは逆向き(図中下向き)に流動路5を流動する。このとき、超電導式電磁石13に供給する電流は変更せず、磁気フィルタ9の位置に形成される磁場の磁束密度は、捕集工程と同じのまま(ここでは、0.5T)とする。また、このとき、バルブV31,V32の開き具合によって、流動路5における洗浄水の流速を、捕集工程における下水の流速よりも、例えば4倍以上に速くし、0.8m/s以上(ここでは、1.0m/s)になるように調整する。こうして、洗浄水を流動路5に流動させ、磁気フィルタ9に通過させることができる。ここでは、上記捕集工程によりラインL12から排出された処理水の一部を、洗浄液として用いることもできる。なお、洗浄水の流速は、流動管7への機械的な負荷を考慮し、2.0m/s以下とすることが好ましい。
この再生工程では、流動する洗浄水が、磁気フィルタ9の網目の間を通過する。このとき、磁気フィルタ9の金属線に付着した磁性フロッグは、捕集工程と同じ吸引力をもって金属線に吸引されるが、洗浄水の流速を0.8m/s以上としているので、磁性フロッグは、金属線の吸引力よりも大きな力を洗浄水から受けることになる。このため、金属線に付着した磁性フロッグは、流れる洗浄水の水圧によって金属線の吸引力に逆らって払い落とされ、金属線から除去される。このようにして、磁気フィルタ9から、捕集した磁性フロッグが除去され、磁気フィルタ9の捕集能力が再生されることになる。また、流動路5における磁気フィルタ9の下方には、磁性フロッグを多く含んだ洗浄水が流動することになり、この洗浄水が、ラインL32を通じ、フィルタ洗浄後の洗浄水として装置1から排出される。
この水処理方法では、上記した捕集工程5分間(300秒間)と再生工程5秒間とを1サイクルとして、この2工程を交互に繰り返すことにより、磁気フィルタ9の捕集能力を維持しつつ処理が行われる。そして、導入された下水から、磁性物質である磁性フロッグが、前処理前の下水にもともと含まれていた金属等の磁性体の粒子と一緒に除去され、土砂の含有量が少ない処理水が得られる。
上述したような、磁気分離装置1において、特に、磁場発生源として超電導式電磁石を用いる場合には、超電導線の交流損による発熱を抑える必要があるため、急激な励磁・消磁を避ける必要がある。しかし、上述した水処理方法によれば、超電導式電磁石13によって磁気フィルタ9の位置に形成される磁場の磁束密度を、捕集工程と再生工程との間で変更しないので、励磁時間・消磁時間を設ける必要がない。このため、磁性フロッグの捕集を行っている時間は、1サイクル305秒のうちの300秒、すなわち、処理時間全体の98%に達することになる。
一方、従来の方法によれば、励磁時間、消磁時間を必要とし、一般には、電磁石13への供給電流の増加・減少速度を、毎秒0.1A程度にする必要がある。この場合、例えば、装置1において、19.6Aの電流によって0.5Tの磁場を形成する場合を考えると、励磁時間・消磁時間はそれぞれ196秒となり、捕集工程を5分、再生工程を5秒とすれば、磁性フロッグの捕集が行われる時間は、43%になってしまう。従って、上述した実施形態の水処理方法によれば、この従来の方法に比較して、処理効率の向上を図ることが出来る。
続いて、超電導式電磁石13によって磁気フィルタ9の位置に発生させる磁場の磁束密度B、捕集工程における下水の流速(以下「捕集流速」という)Vf、及び再生工程における洗浄水の流速(以下「再生流速」という)Vrの設定の一例について説明する。本発明者らは、装置1を用いて、下水の処理の実験を、様々な磁束密度B、捕集流速Vf及び再生流速Vrについて行った。このとき用いた装置1は、SUS430からなる磁気フィルタ9及び内径30mmの流動管7を備え、この磁気フィルタ9は、金属線の線径0.6mm、目開1.2mmの網を、約100枚重ねて構成されている。なお、このような実験において設定される磁束密度B、捕集流速Vf及び再生流速Vrの値は、流動管7の内径寸法を拡大しても、そのまま適用できる。
上記実験によって得られた図2において、曲線Fは、捕集工程において磁性物質の捕集が好適に行われるための最大の捕集流速Vfと磁束密度Bとの関係を示しており、曲線Rは、再生工程において磁気フィルタ9の限界捕集時間の回復が好適に行われるための最小の再生流速Vrと磁束密度Bとの関係を示している。図2によれば、捕集工程に適した捕集流速Vfの最大値、及び再生工程に適した再生流速Vrの最小値は、磁束密度Bによって変化し、捕集工程において好適な磁束密度Bと捕集流速Vfとの組合せは、グラフ中の曲線Fよりも下の斜線部分であり、再生工程において好適な磁束密度Bと再生流速Vrとの組合せは、グラフ中の曲線Rよりも上の斜線部分である。
すなわち、磁気フィルタ9が同じ磁束密度Bの磁場内にある場合であっても、捕集流速Vfを曲線Fよりも下の値とすることで、好適な磁性物質の捕集が行われ、再生流速Vrを曲線Rよりも上の値とすることで、磁気フィルタ9の好適な再生が行われることが分かった。そして、上述の水処理方法における磁束密度B、捕集流速Vf及び再生流速Vrを設定するにあたっては、まず、適切な磁束密度Bを選択し、その磁束密度Bに対応する捕集流速Vf及び再生流速Vrをグラフ中の斜線部分の範囲において選択すれば、捕集工程と再生工程との双方を、同じ磁束密度Bで好適に行うことができることが分かった。
以上のような観点で、本発明者らが、下水から土砂を分離する処理についての種々の実験を行った結果、磁束密度Bを、0.25T以上、かつ、1.0T以下とし、捕集流速Vfを、0.2m/s以下とし、再生流速Vrを、0.8m/sとした組合せを採用すれば、捕集工程と再生工程との双方を、同じ磁束密度Bで行うことができることが分かった。
また、磁束密度Bを0.5〜0.75T付近よりも大きくしたとしても、捕集流速Vfをほとんど大きくすることはできず、しかも、再生流速Vrを極端に大きくしなければならなくなるので、磁束密度Bとしては、0.5T以上、かつ、0.75T以下の値を採用することが好ましい。そして、磁束密度Bを0.5T以上、かつ、0.75T以下とした上で、図2のグラフの斜線部分を参照して、捕集流速Vfを0.2m/s以下とし、再生流速Vrを1.2m/sとすることが特に好ましいことが分かった。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、磁性を有さない土砂を除去するために、前処理工程によって土砂の粒子に磁性を付与し磁性物質とした上でこの磁性物質を除去したが、本発明は、前処理工程を行わずに、被処理液にもともと含まれる磁性物質を除去するための磁気分離方法にも適用できる。
1…高勾配型磁気分離装置、5…流動路、9…磁気フィルタ。
Claims (3)
- 磁性物質を含む被処理液を流動路で流動させ、前記被処理液を前記流動路内に形成した磁場内に位置する磁気フィルタに通過させて、前記被処理液中の前記磁性物質を前記磁気フィルタで捕集する捕集工程と、
前記流動路に洗浄用液を流動させ、前記磁気フィルタに捕集された前記磁性物質を前記磁気フィルタから除去する再生工程と、を備え、
前記再生工程において前記流動路を流動する前記洗浄用液の流速は、前記捕集工程において前記流動路を流動する前記被処理液の流速よりも大きく、
前記再生工程において前記磁気フィルタの位置に形成する磁場の磁束密度は、前記捕集工程において前記磁気フィルタの位置に形成する磁場の磁束密度と同じであることを特徴とする磁気分離方法。 - 前記捕集工程及び前記再生工程において前記磁気フィルタの位置に形成させる前記磁場の磁束密度は、0.25T以上、かつ、1.0T以下であり、
前記捕集工程における前記被処理液の流速は、0.2m/s以下であり、
前記再生工程における前記洗浄用液の流速は、0.8m/s以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁気分離方法。 - 被処理水中に含まれる固形物に磁性を付与して磁性物質を生成させる前処理工程と、
前記前処理後の被処理水を流動路で流動させ、前記被処理水を前記流動路内に形成した磁場内に位置する磁気フィルタに通過させて、前記被処理水中の前記磁性物質を前記磁気フィルタで捕集する捕集工程と、
前記流動路に洗浄用水を流動させ、前記磁気フィルタに捕集された前記磁性物質を前記磁気フィルタから除去する再生工程と、を備え、
前記再生工程において前記流動路を流動する前記洗浄用水の流速は、前記捕集工程において前記流動路を流動する前記被処理水の流速よりも大きく、
前記再生工程において前記磁気フィルタの位置に形成する磁場の磁束密度は、前記捕集工程において前記磁気フィルタの位置に形成する磁場の磁束密度と同じであることを特徴とする水処理方法。
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