JP2006287167A - 電波吸収体用ゴム組成物及び電波吸収シート - Google Patents
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Abstract
【課題】薄肉で優れた電波吸収性能を示すと共に、耐オゾン性、耐候性、耐熱性等の耐環境性にも優れた電波吸収シートを提供する。
【解決手段】ゴム成分100重量部に、カルボニル鉄200〜1500重量部を配合してなる電波吸収体用ゴム組成物。ゴム成分は、ゴム成分100重量部中に耐候性ゴムを5重量部以上含む。好ましくは更にカーボンブラック1〜10重量部を含む。ゴム成分に所定量のカルボニル鉄を配合することにより、著しく優れた電波吸収性能を得ることができ、これにより、必要とする電波吸収量を得るための電波吸収シートの厚さを薄くすることができる。ゴム成分に耐候性ゴムを配合することにより、耐オゾン性、耐候性、耐熱性等の耐環境性を改善することができる。
【解決手段】ゴム成分100重量部に、カルボニル鉄200〜1500重量部を配合してなる電波吸収体用ゴム組成物。ゴム成分は、ゴム成分100重量部中に耐候性ゴムを5重量部以上含む。好ましくは更にカーボンブラック1〜10重量部を含む。ゴム成分に所定量のカルボニル鉄を配合することにより、著しく優れた電波吸収性能を得ることができ、これにより、必要とする電波吸収量を得るための電波吸収シートの厚さを薄くすることができる。ゴム成分に耐候性ゴムを配合することにより、耐オゾン性、耐候性、耐熱性等の耐環境性を改善することができる。
Description
本発明は電波吸収体用ゴム組成物及び電波吸収シートに係り、特に、薄肉で優れた電波吸収性能を示すと共に、耐オゾン性、耐候性、耐熱性等の耐環境性にも優れた電波吸収シートを提供し得る電波吸収体用ゴム組成物と、この電波吸収体用ゴム組成物をシート状に成形してなる電波吸収シートに関する。
近年、ETC(Electronic Toll Collection system)、OA機器や通信機器等の普及にともない、これらの機器から発生する電磁波が問題視されるようになっている。即ち、電磁波の人体への影響が懸念され、また、電磁波による精密機器の誤作動等が問題となっている。
そこで、各種の電子機器に関して、外部への電磁波の放出を防ぎ、また外部からの電磁波を吸収し、相互の干渉を防止するため、種々の電波吸収材料が開発されている。それらの多くは、フェライトや、パーマロイ、センダストなどの磁性材料の粉末を、ゴム又は合成樹脂のマトリクス中に分散させ、適宜の形状に成形してなるものである。その形状としては、一般的には使用に便利なシート状とされている。このような電波吸収シートにあっては、より薄いシートでより優れた電波吸収能を示すことが望まれる。また、複雑異形形状の機器や大型機器にも容易に適用することができ、破壊し難く、高耐久性のものとするために、柔軟性に優れることが望まれる。
電波を吸収する能力は、通常、電波吸収量などを用いて表される。この電波吸収量を大きくするためには、基本的には、電波の経路における磁性材料の存在量を大きくすることが必要である。しかし、薄いシートにより多くの磁性材料を存在させること、即ち、シートの成形材料に磁性材料の粉末を高充填することは、シートの柔軟性を大きく損なう結果となる。逆に、磁性材料を低配合とした場合、所望の電波吸収性能を得るためには、シートを厚くする必要がある。
本出願人は、薄肉で優れた電波吸収性能を示し、しかも柔軟性にも優れた電波吸収シートを提供し得る電波吸収体用ゴム組成物として、先にゴム成分100重量部にカルボニル鉄300〜1500重量部を配合してなる電波吸収体用ゴム組成物を提案した(特願2004−346500号。以下「先願」という。)。
先願によれば、天然ゴム等のゴム成分に所定量のカルボニル鉄を配合することにより、著しく優れた電波吸収性能を得ることができ、これにより、必要とする電波吸収量を得るための電波吸収シートの厚さを薄くすることができる。しかも、天然ゴム等のゴム成分にカルボニル鉄を配合したものは、低硬度で柔軟性にも著しく優れ、従って、加工性が良好で、破壊し難く、耐久性にも優れるという効果が奏される。
特願2004−346500号
電波吸収シートは、長期間継続的に使用されるものであり、従って、耐オゾン性、耐候性、耐熱性等の耐環境性に優れることが望まれるが、天然ゴムをゴム成分として用いた先願の電波吸収体用ゴム組成物では、耐オゾン性、耐候性、耐熱性等の耐環境性が劣るため、経時により老化しやすく、そのために物性が低下し、破壊に至りやすいという欠点がある。
本発明は上記先願の問題点を解決し、薄肉で優れた電波吸収性能を示すと共に、耐オゾン性、耐候性、耐熱性等の耐環境性にも優れた電波吸収シートを提供し得る電波吸収体用ゴム組成物と、この電波吸収体用ゴム組成物をシート状に成形してなる、耐オゾン性、耐候性、耐熱性等の耐環境性と電波吸収性能に優れた薄肉電波吸収シートを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の電波吸収体用ゴム組成物は、ゴム成分100重量部にカルボニル鉄200〜1500重量部を配合してなる電波吸収体用ゴム組成物であって、該ゴム成分100重量部中に耐候性ゴムを5重量部以上含むことを特徴とする。
請求項2の電波吸収体用ゴム組成物は、請求項1において、該耐候性ゴムが、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム及びクロロスルホン化ポリエチレンゴムよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
請求項3の電波吸収体用ゴム組成物は、請求項1又は2において、該ゴム成分100重量部中に耐候性ゴムを20重量部以上含むことを特徴とする。
請求項4の電波吸収体用ゴム組成物は、請求項1ないし3のいずれか1項において、該ゴム成分は耐候性ゴムと耐候性ゴム以外の汎用ゴムとで構成されることを特徴とする。
請求項5の電波吸収体用ゴム組成物は、請求項4において、該汎用ゴムが天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、及びブタジエンゴムよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
請求項6の電波吸収体用ゴム組成物は、請求項5において、該ゴム成分として天然ゴムとエチレンプロピレンゴムとを、天然ゴム/エチレンプロピレンゴム=95/5〜5/95(重量比)の割合で含むことを特徴とする。
請求項7の電波吸収体用ゴム組成物は、請求項6において、該ゴム成分として天然ゴムとエチレンプロピレンゴムとを、天然ゴム/エチレンプロピレンゴム=80/20〜55/45(重量比)の割合で含むことを特徴とする。
請求項8の電波吸収体用ゴム組成物は、請求項1ないし7のいずれか1項において、更にカーボンブラックをゴム成分100重量部に対して1〜10重量部含むことを特徴とする。
請求項9の電波吸収体用ゴム組成物は、請求項1ないし8のいずれか1項において、ゴム成分100重量部にカルボニル鉄300〜1000重量部を配合してなることを特徴とする。
請求項10の電波吸収体用ゴム組成物は、請求項1ないし9のいずれか1項において、該カルボニル鉄の平均粒子径が1〜10μmであることを特徴とする。
請求項11の電波吸収体用ゴム組成物は、請求項4ないし10のいずれか1項において、耐候性ゴムに、カルボニル鉄等の充填材を添加混練した後、汎用ゴムを添加混練して得られることを特徴とする。
請求項12の電波吸収体用ゴム組成物は、請求項11において、エチレンプロピレンゴムに、カルボニル鉄等の充填材を添加混練した後、天然ゴムを添加混練して得られることを特徴とする。
本発明(請求項13)の電波吸収シートは、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の電波吸収体用ゴム組成物をシート状に成形してなることを特徴とする。
本発明によれば、ゴム成分に所定量のカルボニル鉄を配合することにより、著しく優れた電波吸収性能を得ることができ、これにより、必要とする電波吸収量を得るための電波吸収シートの厚さを薄くすることができる。
天然ゴムやスチレンブタジエンゴム等の汎用ゴムをゴム成分とするものでは、耐オゾン性、耐候性、耐熱性等の耐環境性が劣るが、本発明によれば、耐候性ゴムをゴム成分100重量部中に5重量部以上配合することにより、耐オゾン性、耐候性、耐熱性等の耐環境性を改善することができる。
従って、本発明によれば、薄肉で、耐オゾン性、耐候性、耐熱性等の耐環境性に優れた高性能電波吸収シートにより、長期耐久性に優れた電磁波遮断対策を容易に講じることができる。
本発明において、耐候性ゴムはゴム成分100重量部中に特に20重量部以上配合することが好ましい。この耐候性ゴムとしては、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム及びクロロスルホン化ポリエチレンゴムよりなる群から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
ゴム成分として耐候性ゴムを用いることにより、耐環境性の向上が図れるが、反面、柔軟性や加工性が損なわれる場合がある。従って、この場合には、ゴム成分として汎用ゴムを併用し、必要な柔軟性や加工性を確保することが好ましい。この汎用ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、及びブタジエンゴムよりなる群から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
本発明において、更に所定量のカーボンブラックを配合することにより、耐光性、耐候性をより一層高めることができる。また、ゴム成分100重量部に対するカルボニル鉄の配合量を300〜1000重量部とすることにより、電波吸収性能をより一層確実に高めることができ、特に、ゴム成分として耐候性ゴムと汎用ゴムとを併用した場合において、電波吸収性能と柔軟性や加工性とを両立させることができる。カルボニル鉄としては平均粒子径が1〜10μmのものが好ましい。
ところで、天然ゴム等の汎用ゴムとエチレンプロピレンゴム等の耐候性ゴムとのブレンド系配合においては、充填材を高配合すると、分散性が低下する場合がある。しかし、エチレンプロピレンゴム等の耐候性ゴムに予めカルボニル鉄等の充填材を添加混練し、その後天然ゴム等の汎用ゴムを添加混練することにより、この問題を解消することができる。
以下に本発明の電波吸収体用ゴム組成物及び電波吸収シートの実施の形態を詳細に説明する。
本発明の電波吸収体用ゴム組成物は、耐候性ゴムを5phr含むゴム成分、即ち、ゴム成分100重量部中に耐候性ゴムを5重量部以上含むゴム成分に所定量のカルボニル鉄を配合してなるものである。
本発明の電波吸収体用ゴム組成物において、耐候性ゴムとしては、例えば、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム等が挙げられる。これらの耐候性ゴムは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
これらの耐候性ゴムは特に耐環境性を十分に高める上で、ゴム成分100重量部中に20重量部以上含まれることが好ましい。
前述の如く、ゴム成分として耐候性ゴムを用いることにより、耐環境性の向上が図れるが、反面、柔軟性や加工性が損なわれる場合がある。従って、この場合には、ゴム成分として汎用ゴムを併用し、必要な柔軟性や加工性を確保することが好ましい。この汎用ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられ、これらの汎用ゴムは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
ゴム成分中の汎用ゴムと耐候性ゴムの配合割合は、電波吸収体用ゴム組成物の要求特性に応じて適宜決定され、汎用ゴム/耐候性ゴム=95/5〜5/95(重量比)、特に80/20〜55/45(重量比)の範囲において、耐環境性を重視する場合には耐候性ゴムを多目に、また、柔軟性や加工性を重視する場合には、汎用ゴムを多目に配合することが好ましい。
本発明において、ゴム成分としては、上記耐候性ゴム及び汎用ゴム以外の他のゴム、例えば、臭化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)、アクリルゴム、フッ素ゴムラテックス、シリコーンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックス等の1種又は2種以上、更に、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)、SEBS(スチレン−(エチレン−ブタジエン)−スチレン)等の熱可塑性エラストマー等の1種又は2種以上を併用しても良い。
特に、ゴム成分として、天然ゴムとエチレンプロピレンゴム等の耐候性ゴムを併用した場合には、柔軟性、加工性に優れると共に耐環境性にも著しく優れた電波吸収体用ゴム組成物を得ることができる。この場合において、ゴム成分中の天然ゴムの割合が多く、エチレンプロピレンゴム等の耐候性ゴムの割合が少ないと、エチレンプロピレンゴム等の耐候性ゴムを用いたことによる耐オゾン性、耐候性、耐熱性等の耐環境性の改善効果を十分に得ることができず、逆に、天然ゴムの割合が少なく、エチレンプロピレンゴム等の耐候性ゴムの割合が多いと、天然ゴムによる柔軟性、加工性等の効果を十分に得ることができない。従って、ゴム成分中の天然ゴムとエチレンプロピレンゴム等の耐候性ゴムとの割合は天然ゴム/エチレンプロピレンゴム等の耐候性ゴム=95/5〜5/95(重量比)、80/20〜55/45(重量比)とすることが好ましい。
この場合において、ゴム成分としては、天然ゴムとエチレンプロピレンゴム等の耐候性ゴムの他に、各種の合成ゴム、例えば、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、臭化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)、アクリルゴム、フッ素ゴムラテックス、シリコーンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックス等の1種又は2種以上、更に、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)、SEBS(スチレン−(エチレン−ブタジエン)−スチレン)等の熱可塑性エラストマー等を併用しても良い。ただし、ゴム成分として天然ゴムとエチレンプロピレンゴム等の耐候性ゴムとを用いることによる上記効果を十分に得るために、天然ゴムとエチレンプロピレンゴム等の耐候性ゴム以外の他のゴム成分の使用量は、全ゴム成分100重量部中に20重量部以下、特に10重量部以下とすることが好ましく、とりわけ、ゴム成分は天然ゴムとエチレンプロピレンゴム等の耐候性ゴムとで構成されることが好ましい。
本発明で用いるカルボニル鉄粉は、有機金属間化合物であるカルボニル化鉄を熱分解して得られる、平均粒径1〜10μm程度のほぼ粒状の微粉末であり、その磁性損失により電磁波を効率的に吸収するとともに、その導電性で電磁波を抵抗損失として吸収する優れた電波吸収性材料である。
本発明において、ゴム成分に対するカルボニル鉄の配合量が少ないと十分な電波吸収性能を得ることができず、多いと柔軟性が低下する傾向にある。従って、カルボニル鉄は、ゴム成分100重量部に対して200〜1500重量部、好ましくは300〜1000重量部配合する。
本発明の電波吸収体用ゴム組成物においては、更にカーボンブラックを配合することにより、カーボンブラックの紫外線吸収効果で、より一層の耐光性、耐候性の向上効果を得ることができる。カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対して1〜10重量部とすることが好ましい。この範囲よりもカーボンブラックが少ないと、カーボンブラックを併用することによる上記効果を十分に得ることができず、多過ぎると電波吸収性能に影響を与えるため好ましくない。
本発明の電波吸収体用ゴム組成物は、カルボニル鉄、カーボンブラックの他、各種加硫剤、加硫助剤、その他必要に応じて、加硫促進助剤、軟化剤、老化防止剤、可塑剤、離型剤、硬化剤、発泡剤、着色剤等のゴム組成物に通常使用される各種の添加剤が必要に応じて配合添加される。
加硫剤としては、イオウ、有機含イオウ化合物、金属酸化物(亜鉛華、マグネシア等)、有機過酸化物(ベンゾイルパーオキシド)等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
また、加硫促進剤としては次のようなものが挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
[アルデヒド・アンモニア類]
AC:アセトアルデヒドアンモニア
ヘキサ:ヘキサメチレン・テトラミン
[アルデヒド・アミン類]
K:アセトアルデヒド・アニリン
8:ブチルアルデヒド・アニリン
[グアニジン類]
D(DPG):ジフェニル・グアニジン
DT(DOTG):ジ−o−トリル・グアニジン
BG:o−トリル・バイグアナイド
[チアゾール類]
M:2−メルカプト・ベンゾチアゾール
DM:ジベンゾチアジル・ジ・スルフィド
MZ:2−メルカプト・ベンゾチアゾールの亜鉛塩
CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
NOBS:N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
[チウラム類]
TT:テトラメチル・チウラム・ジ・スルフィド
TS:テトラメチル・チウラム・モノ・スルフィド
[ジチオ・カーバメート類]
P:ピペコリン・メチルペンタメチレン・ジ−チオカーバメート
PZ:ジメチル・ジチオカーバミン酸亜鉛
EZ:ジエチル・ジチオカーバミン酸亜鉛
BZ:ジブチル・ジチオカーバミン酸亜鉛
PX:エチル・フェニルジチオカーバミン酸亜鉛
SDC:ジエチル・ジチオカーバミン酸ナトリウム
TP:ジブチル・ジチオカーバミン酸ナトリウム
[アルデヒド・アンモニア類]
AC:アセトアルデヒドアンモニア
ヘキサ:ヘキサメチレン・テトラミン
[アルデヒド・アミン類]
K:アセトアルデヒド・アニリン
8:ブチルアルデヒド・アニリン
[グアニジン類]
D(DPG):ジフェニル・グアニジン
DT(DOTG):ジ−o−トリル・グアニジン
BG:o−トリル・バイグアナイド
[チアゾール類]
M:2−メルカプト・ベンゾチアゾール
DM:ジベンゾチアジル・ジ・スルフィド
MZ:2−メルカプト・ベンゾチアゾールの亜鉛塩
CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
NOBS:N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
[チウラム類]
TT:テトラメチル・チウラム・ジ・スルフィド
TS:テトラメチル・チウラム・モノ・スルフィド
[ジチオ・カーバメート類]
P:ピペコリン・メチルペンタメチレン・ジ−チオカーバメート
PZ:ジメチル・ジチオカーバミン酸亜鉛
EZ:ジエチル・ジチオカーバミン酸亜鉛
BZ:ジブチル・ジチオカーバミン酸亜鉛
PX:エチル・フェニルジチオカーバミン酸亜鉛
SDC:ジエチル・ジチオカーバミン酸ナトリウム
TP:ジブチル・ジチオカーバミン酸ナトリウム
本発明の電波吸収体用ゴム組成物において、通常の場合、加硫剤はゴム成分100重量部に対して0.1〜10重量部、特に1〜5重量部、加硫促進剤はゴム成分100重量部に対して0.1〜10重量部、特に1〜5重量部となるように配合することが好ましい。
また、本発明の電波吸収体用ゴム組成物においては、カルボニル鉄以外の他の磁性材料、例えばフェライト粉末等を含んでいても良いが、この場合においても、カルボニル鉄による優れた電波吸収性能を得る上で、カルボニル鉄と他の磁性材料との合計に対して、他の磁性材料を1700重量%以下、特に1200重量%以下とすることが好ましい。
このような本発明の電波吸収体用ゴム組成物、特にゴム成分として汎用ゴムと耐候性ゴムとを含む電波吸収体用ゴム組成物を調製するには、予め、エチレンプロピレンゴム等の耐候性ゴムに、カルボニル鉄等の充填材(カーボンブラックを用いる場合はカーボンブラックも充填材に含まれる。)を添加混練した後、天然ゴム等の汎用ゴムを添加混練することが、ゴムマトリクス中に微粉状のカルボニル鉄等の充填材を均一に分散させて、電波吸収性能の均一性、加工性に優れた電波吸収体用ゴム組成物を得る上で好ましい。また、この場合において、カルボニル鉄を2回以上の複数回に分けて添加混練しても良い。
本発明の電波吸収シートは、このような本発明の電波吸収体用ゴム組成物をシート状に加硫成形してなるものであるが、本発明の電波吸収シートは、特に、JIS K6253(タイプA)による硬度が80度以下で、厚み3mm以下における5.8GHz電波吸収量が15dB以上となるように設計されることが好ましく、また、本発明の電波吸収体用ゴム組成物は、JIS K6259により測定した耐オゾン性において、100時間後にクラックが発生しないものが望ましい。
このような本発明の電波吸収シートは、他の構成の電波吸収シートと積層されて使用されても良く、また、必要に応じて、裏面側に接着層や粘着層を形成したり、表面側に意匠層を形成したりして、実用に供される。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1〜5、比較例1,2
表1に示すゴム配合で電波吸収体用ゴム組成物を調製し、この電波吸収体用ゴム組成物を加硫成形することにより、表1に示す厚さの電波吸収シートを得た。なお、実施例1〜4及び比較例2では、エチレンプロピレンゴムに天然ゴム以外の成分を予め添加混練し、その後天然ゴムを添加混練した(2ステップ混練)。比較例1及び実施例5ではすべての成分を1回で添加混練した(1ステップ混練)。
表1に示すゴム配合で電波吸収体用ゴム組成物を調製し、この電波吸収体用ゴム組成物を加硫成形することにより、表1に示す厚さの電波吸収シートを得た。なお、実施例1〜4及び比較例2では、エチレンプロピレンゴムに天然ゴム以外の成分を予め添加混練し、その後天然ゴムを添加混練した(2ステップ混練)。比較例1及び実施例5ではすべての成分を1回で添加混練した(1ステップ混練)。
各電波吸収体用ゴム組成物及び電波吸収シートについて以下の評価を行い、結果を表1に示した。
分散性:目視により評価し、カルボニル鉄が均一に分散し、分散性の良い状態を「○
」、カルボニル鉄が若干凝集して分散性にやや劣る状態を「△」、カルボニ
ル鉄が凝集して分散性の悪い状態を「×」とした。分散性が悪いことは、加
工性が悪いことを意味する。
硬度:JIS K6253(タイプA)により電波吸収シートの硬度を測定した。
電波吸収性能:電波吸収シートの5.8GHz電波吸収量を反射電力法により測定し
た。
耐オゾン性:JIS K6259により測定し、100時間後のクラックの有無を評
価した。
分散性:目視により評価し、カルボニル鉄が均一に分散し、分散性の良い状態を「○
」、カルボニル鉄が若干凝集して分散性にやや劣る状態を「△」、カルボニ
ル鉄が凝集して分散性の悪い状態を「×」とした。分散性が悪いことは、加
工性が悪いことを意味する。
硬度:JIS K6253(タイプA)により電波吸収シートの硬度を測定した。
電波吸収性能:電波吸収シートの5.8GHz電波吸収量を反射電力法により測定し
た。
耐オゾン性:JIS K6259により測定し、100時間後のクラックの有無を評
価した。
表1より次のことが明らかである。
即ち、比較例1は、天然ゴム配合系であり、カルボニル鉄の分散性が良く、硬度が低く、柔軟で電波吸収特性が良好であるが、耐オゾン性に劣る。また、比較例2はカルボニル鉄の配合量が少ないために、電波吸収性能に劣る。これに対して、天然ゴムとエチレンプロピレンゴムとのブレンド系配合の実施例1〜4では、分散性、硬度、電波吸収特性、耐オゾン性のすべてを満足することができる。また、電波吸収特性についても、天然ゴム配合のものに対して更に良好な結果が得られた。なお、実施例5はエチレンプロピレンゴム配合系であるために分散性が悪く、また柔軟性に劣るが、電波吸収特性及び耐オゾン性においては良好な結果が得られている。
実施例6〜11
表2〜6に示すゴム配合で電波吸収体用ゴム組成物を調製し、この電波吸収体用ゴム組成物を加硫成形することにより、表2〜6に示す厚さの電波吸収シートを得た。なお、実施例6〜11ではすべての成分を1回で添加混練した(1ステップ混練)。
表2〜6に示すゴム配合で電波吸収体用ゴム組成物を調製し、この電波吸収体用ゴム組成物を加硫成形することにより、表2〜6に示す厚さの電波吸収シートを得た。なお、実施例6〜11ではすべての成分を1回で添加混練した(1ステップ混練)。
各電波吸収シートについて実施例1と同様にして、硬度、電波吸収性能、及び耐オゾン性の評価を行い、結果を表2〜6に示した。
表2〜6より、ゴム成分として耐候性ゴムを用いる本発明の電波吸収体用ゴム組成物によれば、電波吸収特性及び耐オゾン性に優れた電波吸収シートが得られることが分かる。
Claims (13)
- ゴム成分100重量部にカルボニル鉄200〜1500重量部を配合してなる電波吸収体用ゴム組成物であって、
該ゴム成分100重量部中に耐候性ゴムを5重量部以上含むことを特徴とする電波吸収体用ゴム組成物。 - 請求項1において、該耐候性ゴムが、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム及びクロロスルホン化ポリエチレンゴムよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする電波吸収体用ゴム組成物。
- 請求項1又は2において、該ゴム成分100重量部中に耐候性ゴムを20重量部以上含むことを特徴とする電波吸収体用ゴム組成物。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、該ゴム成分は耐候性ゴムと耐候性ゴム以外の汎用ゴムとで構成されることを特徴とする電波吸収体用ゴム組成物。
- 請求項4において、該汎用ゴムが天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、及びブタジエンゴムよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする電波吸収体用ゴム組成物。
- 請求項5において、該ゴム成分として天然ゴムとエチレンプロピレンゴムとを、天然ゴム/エチレンプロピレンゴム=95/5〜5/95(重量比)の割合で含むことを特徴とする電波吸収体用ゴム組成物。
- 請求項6において、該ゴム成分として天然ゴムとエチレンプロピレンゴムとを、天然ゴム/エチレンプロピレンゴム=80/20〜55/45(重量比)の割合で含むことを特徴とする電波吸収体用ゴム組成物。
- 請求項1ないし7のいずれか1項において、更にカーボンブラックをゴム成分100重量部に対して1〜10重量部含むことを特徴とする電波吸収体用ゴム組成物。
- 請求項1ないし8のいずれか1項において、ゴム成分100重量部にカルボニル鉄300〜1000重量部を配合してなることを特徴とする電波吸収体用ゴム組成物。
- 請求項1ないし9のいずれか1項において、該カルボニル鉄の平均粒子径が1〜10μmであることを特徴とする電波吸収体用ゴム組成物。
- 請求項4ないし10のいずれか1項において、耐候性ゴムに、カルボニル鉄等の充填材を添加混練した後、汎用ゴムを添加混練して得られることを特徴とする電波吸収体用ゴム組成物。
- 請求項11において、エチレンプロピレンゴムに、カルボニル鉄等の充填材を添加混練した後、天然ゴムを添加混練して得られることを特徴とする電波吸収体用ゴム組成物。
- 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の電波吸収体用ゴム組成物をシート状に成形してなることを特徴とする電波吸収シート。
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