JP2006283904A - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 センサのフェールでクラッチツークラッチ変速を適切に行うことができない場合でも、第2速ギヤ段および第3速ギヤ段の両方で走行できるようにする。
【解決手段】 通常はブレーキB1を解放するとともにクラッチC0を係合するクラッチツークラッチ変速で第2速ギヤ段から第3速ギヤ段へアップシフトするが、その制御に必要な回転速度センサ等に異常が生じた場合には、ブレーキB1を解放して一方向クラッチF1を係合させるクラッチツー一方向クラッチ変速により一旦第1速ギヤ段へダウンシフトした後、クラッチC0を係合させて一方向クラッチF1を解放する一方向クラッチツークラッチ変速により第3速ギヤ段へアップシフトするため、クラッチツークラッチ変速を行うことなく第1速ギヤ段の他に第2速ギヤ段、第3速ギヤ段を共に成立させて走行することができる。
【選択図】 図8

Description

本発明は車両用自動変速機の変速制御装置に係り、特に、回転速度センサ等のフェールでクラッチツークラッチ変速が不可となった場合の変速制御に関するものである。
(a) 一方向クラッチの係合に基づいて成立させられる第1のギヤ段から、それよりも高速側の第2のギヤ段への変速は、第1摩擦係合装置を係合させて前記一方向クラッチを解放する一方向クラッチツークラッチ変速で、(b) 前記第2のギヤ段から、それよりも更に高速側の第3のギヤ段への変速は、複数の摩擦係合装置を係合および解放するクラッチツークラッチ変速である車両用自動変速機が知られている。特許文献1に記載の自動変速機はその一例で、(a) 一方向クラッチF2の係合に基づいて成立させられる第1速ギヤ段「1st」から第2速ギヤ段「2nd」への変速は、ブレーキB3を係合させて一方向クラッチF2を解放する一方向クラッチツークラッチ変速で、(b) 第2速ギヤ段「2nd」から第3速ギヤ段「3rd」への変速は、ブレーキB3を解放するとともにブレーキB2を係合させるクラッチツークラッチ変速である。
また、かかる特許文献1では、制御系に異常が生じてクラッチツークラッチ変速を適切に行うことができない場合に、上記第2速ギヤ段「2nd」を禁止し、第1速ギヤ段「1st」の状態からブレーキB2を係合させて一方向クラッチF2を解放する一方向クラッチツークラッチ変速を行うことにより、直接第3速ギヤ段「3rd」へ変速するようになっている。すなわち、一方の摩擦係合装置を解放しつつ他方の摩擦係合装置を係合させるクラッチツークラッチ変速では、両者のタイミングがずれると駆動力が大きく変化したりエンジン吹きが生じたりするため、入力側および出力側の回転速度変化に基づいて解放および係合のタイミングや係合トルクなどを厳密に管理する必要があり、回転速度センサ等が故障すると適切な変速制御を行うことができなくなるのである。また、変速比が小さい方が高車速走行が可能となるため、一般には変速比が小さい高速側のギヤ段(特許文献1では第3速ギヤ段「3rd」)を成立させるのである。
特開平6−341540号公報
しかしながら、このように第2速ギヤ段「2nd」を飛ばして第3速ギヤ段「3rd」へ変速すると、第2速ギヤ段「2nd」での走行に適した2nd運転領域で第3速ギヤ段「3rd」を用いることになるため、所定の駆動力が得られなくなって走行性能が低下する。一方、第3速ギヤ段「3rd」を中止して第2速ギヤ段「2nd」を成立させれば、上記2nd運転領域で所定の駆動力が得られるようになるものの、第3速ギヤ段「3rd」へ変速することができないため、動力源の回転速度が高くなり過ぎて高車速走行が不可になり、何れの場合も必ずしも十分に満足できない。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、回転速度センサ等のフェールでクラッチツークラッチ変速を適切に行うことができない場合でも、前記第2のギヤ段(特許文献1の第2速ギヤ段「2nd」)および第3のギヤ段(特許文献1の第3速ギヤ段「3rd」)の両方で走行できるようにすることにある。
かかる目的を達成するために、本発明は、(a) 一方向クラッチの係合に基づいて成立させられる第1のギヤ段から、それよりも高速側の第2のギヤ段への変速は、第1摩擦係合装置を係合させて前記一方向クラッチを解放する一方向クラッチツークラッチ変速で、(b) 前記第2のギヤ段から、それよりも更に高速側の第3のギヤ段への変速は、複数の摩擦係合装置を係合および解放するクラッチツークラッチ変速であるが、前記第1のギヤ段からその第3のギヤ段への変速は、第2摩擦係合装置を係合させて前記一方向クラッチを解放する一方向クラッチツークラッチ変速である車両用自動変速機の変速制御装置において、(c) 前記クラッチツークラッチ変速が不可か否かを判断するフェール判断手段と、(d) そのフェール判断手段によってクラッチツークラッチ変速が不可と判断された場合に、前記第2のギヤ段よりも高速側のギヤ段へ変速する際には、前記第1摩擦係合装置を解放して前記一方向クラッチを係合させるクラッチツー一方向クラッチ変速により前記第1のギヤ段を成立させた後、前記第2摩擦係合装置を係合させてその一方向クラッチを解放する一方向クラッチツークラッチ変速により前記第3のギヤ段を成立させるフェール時変速手段と、を有することを特徴とする。
ここで、高速側のギヤ段とは、相対的に変速比が小さいギヤ段のことで、変速比が小さい程出力回転速度(車速)に対する入力回転速度が低くなるため、動力源の回転速度が低くなって高車速走行が可能となる。
このような車両用自動変速機の変速制御装置においては、回転速度センサ等の異常でクラッチツークラッチ変速が不可と判断された場合に、第2のギヤ段よりも高速側のギヤ段へ変速する際には、第1摩擦係合装置を解放して一方向クラッチを係合させるクラッチツー一方向クラッチ変速により第1のギヤ段を成立させた後、第2摩擦係合装置を係合させてその一方向クラッチを解放する一方向クラッチツークラッチ変速により第3のギヤ段を成立させるため、クラッチツークラッチ変速を行うことなく第1のギヤ段の他に第2のギヤ段(前記特許文献1の第2速ギヤ段「2nd」)、第3のギヤ段(前記特許文献1の第3速ギヤ段「3rd」)を共に成立させて走行することができる。このため、適切な駆動力で走行できる運転領域が拡大するとともに、変速比が小さい高速側の第3のギヤ段により高車速で走行することが可能で、フェール時の走行性能が向上して運転し易くなる。
ここで、前記自動変速機は、複数の摩擦係合装置の係合、解放状態によって変速比が異なる複数のギヤ段が成立させられる遊星歯車式、平行軸式等の有段の自動変速機で、摩擦係合装置としては、油圧によって係合させられる油圧式摩擦係合装置すなわちクラッチやブレーキが広く用いられている。油圧式以外の電磁式等の摩擦係合装置を採用することもできる。
第1のギヤ段、第2のギヤ段、第3のギヤ段は、その順番で変速比が小さくなるが、必ずしも通常の変速制御で連続して切り換えられるものである必要はなく、それ等のギヤ段の間に中間の変速比のギヤ段が存在しても差し支えない。また、第2のギヤ段や第3のギヤ段は、通常の変速制御で用いられるものでも良いが、フェール時のみ成立させられるものでも良い。第2のギヤ段および第3のギヤ段の何れか一方は通常の変速制御で用いられ、他方はフェール時のみ用いられるものでも良い。
第2のギヤ段から第3のギヤ段への変速は、例えば第1摩擦係合装置を解放するとともに第2摩擦係合装置を係合させるクラッチツークラッチ変速であるが、3つ以上の摩擦係合装置の係合、解放状態を切り換えて変速するクラッチツークラッチ変速であっても良い。
フェール判断手段は、クラッチツークラッチ変速を適切に行うことができないか否かを判断するもので、例えばクラッチツークラッチ変速時の制御に必要な所定部位の回転速度を検出するための検出装置の異常の有無を判断するように構成される。検出装置は、例えば自動変速機の入力回転速度および出力回転速度を検出する回転速度センサや、そのセンサに接続された電気回路等であるが、自動変速機の構成によっては変速の中間段階の回転速度を検出して変速制御を行う場合もあり、その場合はその中間段階の回転速度を検出する回転速度センサ等も対象となる。検出装置の異常は、センサの機械的な故障だけでなく、電気回路の断線やショート、コネクタ外れなど、制御装置が正確な回転速度を取り込むことができない種々の異常が対象である。
摩擦係合装置の係合力を制御する油圧制御装置等の変速制御系に異常が発生することによりクラッチツークラッチ変速が不可となっても、一方向クラッチツークラッチ変速やクラッチツー一方向クラッチ変速が可能であれば、本発明を適用することが可能で、そのような異常もフェール判断手段によって判断できるようにしても良い。
前記回転速度センサ等がフェールしても、エンジン回転速度等の動力源回転速度や車輪速センサなどを用いて、第1のギヤ段、第2のギヤ段、および第3のギヤ段を用いた変速判断を行うことができる。エンジン回転速度や車輪速は入力回転速度や出力回転速度に対応するが、必ずしも高い精度で一致するものではないため、変速判断に用いることはできても、クラッチツークラッチ変速時の摩擦係合装置のきめ細かな係合、解放制御に利用できる程の精度は一般に得られない。
本発明では、フェール時であっても第1のギヤ段、第2のギヤ段、および第3のギヤ段を用いて走行することができるが、一方向クラッチを2つ以上備えている場合など、自動変速機の構成によっては、フェール時においてもクラッチツークラッチ変速を行うことなく4速以上のギヤ段を用いて走行できるように構成することもできる。
フェール時の変速制御でも、異常無しの通常の変速条件(変速マップなど)に従って変速を行うことができるが、第2のギヤ段から第3のギヤ段へ変速する場合に一旦第1のギヤ段へダウンシフトするため、一方向クラッチツークラッチ変速で第1のギヤ段から第3のギヤ段へ変速する際には、入力回転速度の変化幅が通常よりも大きくなって第2摩擦係合装置に掛かる負担が大きくなる。このため、その負担が軽くなるように、通常よりも例えば低車速側で第3のギヤ段へのアップシフト判断が為されるように、変速条件を補正などで変更することも可能である。
本発明は、走行用の動力源として、燃料の燃焼で動力を発生する内燃機関等のエンジンを備えている車両に好適に適用されるが、電動モータやモータジェネレータを備えている電気自動車やハイブリッド車両にも適用され得る。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両などの横置き型の車両用駆動装置の骨子図で、燃料の燃焼で動力を発生するガソリンエンジン等のエンジン10の出力は、トルクコンバータ12、自動変速機14、差動歯車装置16を経て図示しない駆動輪(前輪)へ伝達されるようになっている。トルクコンバータ12は、エンジン10のクランク軸18と連結されているポンプ翼車20と、自動変速機14の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、一方向クラッチ26を介して非回転部材であるハウジング28に固定されたステータ30と、図示しないダンパを介してクランク軸18と入力軸22とを直結するロックアップクラッチ32とを備えており、ロックアップクラッチ32は、係合側油室と解放側油室の流体の差圧によって摩擦係合させられるようになっている。ポンプ翼車20にはギヤポンプ等の機械式のオイルポンプ21が連結されており、エンジン10によりポンプ翼車20と共に回転駆動されて変速用や潤滑用などの油圧を発生するようになっている。上記エンジン10は走行用の動力源で、トルクコンバータ12は流体式動力伝達装置である。
自動変速機14は、入力軸22と同軸に配設されるとともにキャリアとリングギヤとがそれぞれ相互に連結されることにより所謂CR−CR結合の遊星歯車機構を構成するシングルピニオン型の一対の第1遊星歯車装置40および第2遊星歯車装置42と、前記入力軸22と平行なカウンタ軸44と同軸に配置された1組の第3遊星歯車装置46と、そのカウンタ軸44の軸端に固定されて差動歯車装置16と噛み合う出力ギヤ48とを備えている。上記遊星歯車装置40,42,46の各構成要素すなわちサンギヤ、リングギヤ、それらに噛み合う遊星ギヤを回転可能に支持するキャリアは、4つのクラッチC0、C1、C2、C3によって相互に或いは入力軸22に選択的に連結され、3つのブレーキB1、B2、B3によって非回転部材であるハウジング28に選択的に連結されるようになっている。また、2つの一方向クラッチF1、F2によってその回転方向により相互に若しくはハウジング28と係合させられるようになっている。なお、差動歯車装置16は軸線(車軸)に対して対称的に構成されているため、下側を省略して示してある。
上記入力軸22と同軸上に配置された一対の第1遊星歯車装置40,第2遊星歯車装置42、クラッチC0、C1、C2、ブレーキB1、B2、および一方向クラッチF1により前進4段且つ後進1段の主変速部MGが構成され、上記カウンタ軸44上に配置された1組の遊星歯車装置46、クラッチC3、ブレーキB3、一方向クラッチF2によって副変速部すなわちアンダードライブ部U/Dが構成されている。主変速部MGにおいては、入力軸22はクラッチC0、C1、C2を介して第2遊星歯車装置42のキャリアK2、第1遊星歯車装置40のサンギヤS1、第2遊星歯車装置42のサンギヤS2にそれぞれ連結されている。第1遊星歯車装置40のリングギヤR1と第2遊星歯車装置42のキャリアK2との間、第2遊星歯車装置42のリングギヤR2と第1遊星歯車装置40のキャリアK1との間はそれぞれ連結されており、第2遊星歯車装置42のサンギヤS2はブレーキB1を介して非回転部材であるハウジング28に連結され、第1遊星歯車装置40のリングギヤR1はブレーキB2を介して非回転部材であるハウジング28に連結されている。また、第2遊星歯車装置42のキャリアK2と非回転部材であるハウジング28との間には、一方向クラッチF1が設けられている。そして、第1遊星歯車装置40のキャリアK1に固定された第1カウンタギヤG1は、第3遊星歯車装置46のリングギヤR3に固定された第2カウンタギヤG2と噛み合わされ、主変速部MGとアンダードライブ部U/Dとの間で動力が伝達される。アンダードライブ部U/Dにおいては、第3遊星歯車装置46のキャリアK3とサンギヤS3とがクラッチC3を介して相互に連結され、そのサンギヤS3と非回転部材であるハウジング28との間には、ブレーキB3と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。
上記クラッチC0、C1、C2、C3およびブレーキB1、B2、B3(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)は、多板式のクラッチやバンドブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置で、油圧制御回路98(図3参照)のリニアソレノイドSL1、SL2、SL3、SLT、およびソレノイドDSL、S4、SRの励磁、非励磁やマニュアルバルブによって油圧回路が切り換えられることにより、例えば図2に示すように係合、解放状態が切り換えられ、シフトレバー72(図3参照)の操作位置(ポジション)に応じて前進5段、後進1段、ニュートラルが成立させられる。図2の「1st」〜「5th」は変速比が異なる複数の前進ギヤ段で、「○」は係合、「×」は非係合を意味している。シフトレバー72は、例えば図4に示すシフトパターンに従って駐車ポジション「P」、後進走行ポジション「R」、ニュートラルポジション「N」、前進走行ポジション「D」、「4」、「3」、「2」、「L」へ操作されるようになっており、「P」および「N」ポジションでは動力伝達を遮断するニュートラルが成立させられるが、「P」ポジションでは図示しないメカニカルパーキングブレーキによって機械的に駆動輪の回転が阻止される。
ここで、第1速ギヤ段「1st」は、クラッチC1およびブレーキB3の係合と一方向クラッチF1の係合とに基づいて成立させられる第1のギヤ段である。第2速ギヤ段「2nd」は、第1速ギヤ段「1st」よりも変速比(入力回転速度NIN/出力回転速度NOUT )が小さい高速側の第2のギヤ段で、第1速ギヤ段「1st」から第2速ギヤ段「2nd」への変速は、ブレーキB1を係合させて一方向クラッチF1を解放する一方向クラッチツークラッチ変速であり、ブレーキB1は第1摩擦係合装置に相当する。第3速ギヤ段「3rd」は、第2速ギヤ段「2nd」よりも更に変速比が小さい高速側の第3のギヤ段で、第2速ギヤ段「2nd」から第3速ギヤ段「3rd」への変速は、ブレーキB1を解放するとともにクラッチC0を係合させるクラッチツークラッチ変速である。また、第1速ギヤ段「1st」から第3速ギヤ段「3rd」へ直接変速する場合は、クラッチC0を係合させて一方向クラッチF1を解放する一方向クラッチツークラッチ変速となり、クラッチC0は第2摩擦係合装置に相当する。
図3は、図1のエンジン10や自動変速機14などを制御するために車両に設けられた制御系統を説明するブロック線図で、アクセルペダル50の操作量ACCがアクセル操作量センサ51により検出されるようになっている。アクセルペダル50は、運転者の出力要求量に応じて大きく踏み込み操作されるもので、アクセル操作部材に相当し、アクセル操作量ACCは出力要求量に相当する。エンジン10の吸気配管には、スロットルアクチュエータ54によってアクセル操作量ACCに応じた開き角(開度)θTHとされる電子スロットル弁56が設けられている。また、エンジン10の回転速度NEを検出するためのエンジン回転速度センサ58、エンジン10の吸入空気量Qを検出するための吸入空気量センサ60、吸入空気の温度TA を検出するための吸入空気温度センサ62、上記電子スロットル弁56の全閉状態(アイドル状態)およびその開度θTHを検出するためのアイドルスイッチ付スロットルセンサ64、車速Vに対応するカウンタ軸44の回転速度(出力回転速度)NOUT を検出するための車速センサ66、エンジン10の冷却水温TW を検出するための冷却水温センサ68、常用ブレーキ用のブレーキペダルの踏込み操作の有無を検出するためのブレーキスイッチ70、シフトレバー72のレバーポジション(操作位置)PSHを検出するためのレバーポジションセンサ74、タービン回転速度NT(=入力回転速度NIN)を検出するためのタービン回転速度センサ76、油圧制御回路98内の作動油の温度であるAT油温TOIL を検出するためのAT油温センサ78、第1カウンタギヤG1の回転速度NCを検出するためのカウンタ回転速度センサ80などが設けられており、それらのセンサから、エンジン回転速度NE、吸入空気量Q、吸入空気温度TA 、スロットル弁開度θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、常用ブレーキの作動状態BK、シフトレバー72のレバーポジションPSH、タービン回転速度NT、AT油温TOIL 、カウンタ回転速度NCなどを表す信号が電子制御装置90に供給されるようになっている。
電子制御装置90は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン10の出力制御や自動変速機14の変速制御などを実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用と変速制御用とに分けて構成される。エンジン10の出力制御は、スロットルアクチュエータ54により電子スロットル弁56を開閉制御する他、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁92を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ等の点火装置94を制御する。電子スロットル弁56の制御は、基本的に実際のアクセル操作量ACCに基づいてスロットルアクチュエータ54を駆動し、アクセル操作量ACCが増加するほどスロットル弁開度θTHを増加させる。
自動変速機14の変速制御に関しては、図5に示すようにフェール判断手段102、変速制御手段104、およびフェール時変速手段106を機能的に備えており、図6に示すフローチャートに従って信号処理を実行する。図6のステップS1はフェール判断手段102によって実行され、ステップS2〜S7はフェール時変速手段106によって実行され、ステップS8は変速制御手段104によって実行される。
図6は前進走行時、すなわちシフトレバー72が前進走行ポジション「D」、「4」、「3」、「2」、または「L」へ操作された場合に実行されるもので、ステップS1では、クラッチツークラッチ変速時の制御に必要なタービン回転速度NT、カウンタ回転速度NCを検出するためのタービン回転速度センサ76、カウンタ回転速度センサ80の少なくとも一方が異常か否かを判断する。この異常判断は、センサの機械的な故障だけでなく、それ等に接続された電気回路の断線やショート、コネクタ外れなど、正確な回転速度NT、NCを取り込むことができない全ての異常が対象で、タービン回転速度NT、カウンタ回転速度NCを表す信号の供給の有無や変化、エンジン回転速度NE、車速Vとの比較、或いはダイアグノーシスなどから判断できる。タービン回転速度センサ76およびカウンタ回転速度センサ80や、それ等に接続された電気回路等が検出装置を構成している。
そして、上記タービン回転速度センサ76およびカウンタ回転速度センサ80が何れも異常でない場合は、ステップS8で通常の変速制御を実行する。これは、例えば図7に示す予め記憶された変速マップ(変速条件)から実際のスロットル弁開度θTHおよび車速Vに基づいて自動変速機14のギヤ段を決定し、この決定されたギヤ段を成立させるように油圧制御回路98のソレノイドDSL、S4、SRのON(励磁)、OFF(非励磁)を切り換えたり、リニアソレノイドSL1、SL2、SL3、SLTの励磁状態をデューティ制御などで連続的に変化させたりする。図7の実線はアップシフト線で、破線はダウンシフト線であり、車速Vが低くなったりスロットル弁開度θTHが大きくなったりするに従って、変速比が大きい低速側のギヤ段に切り換えられるようになっている。なお、図中の「1」〜「5」は、第1速ギヤ段「1st」〜第5速ギヤ段「5th」を意味している。
また、前記「D」ポジションでは総ての前進ギヤ段で変速制御が行われるが、「4」、「3」、「2」の各ポジションではそれぞれ第4速ギヤ段「4th」以下、第3速ギヤ段「3rd」以下、第2速ギヤ段「2nd」以下で変速され、「L」ポジションでは第1速ギヤ段「1st」に固定される。したがって、例えば降坂路などで「D」ポジションの第5速ギヤ段「5th」での走行中にシフトレバー72が「4」、「3」、「2」ポジションへ順番に操作されると、自動変速機14は第5速ギヤ段「5th」から第4速ギヤ段「4th」、第3速ギヤ段「3rd」、第2速ギヤ段「2nd」へ順次ダウンシフトされて、エンジンブレーキが段階的に増大させられる。なお、「L」ポジションへ操作された場合の第1速ギヤ段「1st」では、ブレーキB2を係合させてエンジンブレーキが効くようにすることも可能である。
ここで、図8の(a) に示すように、第1速ギヤ段「1st」から第2速ギヤ段「2nd」、第3速ギヤ段「3rd」へ順次アップシフトする場合、第1速ギヤ段「1st」から第2速ギヤ段「2nd」への変速は、ブレーキB1を係合させるだけの一方向クラッチツークラッチ変速であるため、制御が比較的容易であるが、第2速ギヤ段「2nd」から第3速ギヤ段「3rd」への変速は、ブレーキB1を解放するとともにクラッチC0を係合するクラッチツークラッチ変速となる。このようなクラッチツークラッチ変速においては、クラッチC0を係合させるタイミングが早かったりブレーキB1を解放するタイミングが遅かったりして両方の摩擦係合装置がダブルロックすると、自動変速機14が回転不能となって駆動力が低下し、変速ショックを生じる一方、逆にクラッチC0を係合させるタイミングが遅かったりブレーキB1を解放するタイミングが早かったりすると、自動変速機14がニュートラル状態になって駆動力が低下したりエンジン10が吹き上がったりするとともに、その後のクラッチC0の係合で急に駆動力が発生して変速ショックを生じる。図8の「OWC」は、一方向クラッチ(ワンウェイクラッチ)のことである。
このため、本実施例では例えば図9に示すようにタービン回転速度NTおよびカウンタ回転速度NCに基づいて、それ等のブレーキB1の油圧PB1、およびクラッチC0の油圧PC0を制御することにより、変速ショックを抑制しつつ円滑に変速が行われるようになっている。図9は、アクセルペダル50が踏込み操作されたパワーON時の2→3アップシフトに関するもので、時間t1 は、第2速ギヤ段「2nd」から第3速ギヤ段「3rd」へ変速する2→3アップシフトの変速指令が出力された時間で、ブレーキB1の油圧PB1は変速指令に伴って低下させられる。時間t2 は、例えば変速指令(時間t1 )から所定時間経過した時間で、クラッチC0の油圧PC0が低圧待機圧まで上昇させられるとともに、ブレーキB1の油圧PB1が所定の変化率で徐々に低下させられる。時間t3 は、イナーシャ相の開始に伴って油圧PC0を低圧待機圧から徐々に増加させる時間で、イナーシャ相が始まったか否かはタービン回転速度NTやカウンタ回転速度NC、第2速ギヤ段「2nd」の変速比から判断できる。時間t4 は、変速の終了に伴って油圧PC0の終了制御を行う時間で、変速が終了したか否かは、タービン回転速度NTやカウンタ回転速度NC、第3速ギヤ段「3rd」の変速比から判断できる。なお、この油圧制御はあくまでも一例で、他の種々の制御方法を採用できる。また、第4速ギヤ段「4th」以上の変速においても、同様にクラッチツークラッチ変速が行われる。
図6に戻って、ステップS1の判断がNO(否定)の場合、すなわちタービン回転速度センサ76およびカウンタ回転速度センサ80の少なくとも一方が異常であると判断した場合には、ステップS2でフェール時の変速ギヤ段を設定し、本実施例では第3速ギヤ段「3rd」を上限として第1速ギヤ段「1st」〜第3速ギヤ段「3rd」で変速が行われるようにする。変速判断は、例えば前記図7に示す通常時の変速マップをそのまま用いて行われ、第4速ギヤ段「4th」以上への変速が禁止されるが、通常時とは異なるフェール時用の変速マップを用意することも可能である。本実施例では、フェール時に第2速ギヤ段「2nd」から第3速ギヤ段「3rd」へ変速する場合、図8の(b) に示すように一旦第1速ギヤ段「1st」へダウンシフトし、その後第3速ギヤ段「3rd」へアップシフトするため、その時のタービン回転速度NTの変化量は通常時よりも大きくなり、クラッチC0に掛かる負担が大きくなる。このため、その負担が軽くなるように、例えば図7の「2→3」アップシフト線を低車速側へずらしたフェール時用の変速マップを用いることも可能である。変速判断は、例えば車速センサ66を用いて行うことができるため、タービン回転速度センサ76やカウンタ回転速度センサ80がフェールであっても、図7の変速マップ等に従って変速制御を行うことができる。
次のステップS3では、上記変速マップに従って変速判断が為されたか否かを判断し、変速判断が為されたらステップS4で変速中でないか否かを判断する。そして、変速中でなければ直ちにステップS5を実行し、変速中の場合は、その変速が終了するのを待ってステップS5を実行する。ステップS5では、ステップS3で為された今回の変速がクラッチツークラッチ変速のアップシフトか否か、具体的には第2速ギヤ段「2nd」から第3速ギヤ段「3rd」へのアップシフト(2→3変速)か否かを判断し、2→3変速でなければ直ちにステップS7を実行してその変速を行うが、2→3変速の場合はステップS6を実行する。
ステップS6では、厳密な油圧制御が要求されるクラッチツークラッチ変速を回避するため、図8の(b) に示すように変速先を第1速ギヤ段「1st」に変更し、ブレーキB1を解放して一方向クラッチF1を係合させるクラッチツー一方向クラッチ変速により、第2速ギヤ段「2nd」から第1速ギヤ段「1st」へダウンシフトする。そして、その後ステップS7を実行し、最終変速段である第3速ギヤ段「3rd」へアップシフトするために、クラッチC0を係合させて一方向クラッチF1を解放する一方向クラッチツークラッチ変速を行い、第1速ギヤ段「1st」から第3速ギヤ段「3rd」へ変速する。これにより、クラッチツークラッチ変速を行うことなく、運転状態に応じて第1速ギヤ段「1st」、第2速ギヤ段「2nd」、および第3速ギヤ段「3rd」の各前進ギヤ段でそれぞれ走行することができる。
このように、本実施例の変速制御装置は、クラッチツークラッチ変速時の制御に必要なタービン回転速度NTやカウンタ回転速度NCを検出するタービン回転速度センサ76、カウンタ回転速度センサ80に異常が生じた場合に、第2速ギヤ段「2nd」から第3速ギヤ段「3rd」へアップシフトする2→3変速判断が為された場合には、ブレーキB1を解放して一方向クラッチF1を係合させるクラッチツー一方向クラッチ変速により一旦第1速ギヤ段「1st」へダウンシフトした後、クラッチC0を係合させて一方向クラッチF1を解放する一方向クラッチツークラッチ変速により第3速ギヤ段「3rd」へアップシフトするため、クラッチツークラッチ変速を行うことなく第1速ギヤ段「1st」の他に第2速ギヤ段「2nd」、第3速ギヤ段「3rd」を共に成立させて走行することができる。このため、適切な駆動力で走行できる運転領域が拡大するとともに、変速比が小さい高速側の第3速ギヤ段「3rd」により高車速で走行することが可能で、フェール時の走行性能が向上して運転し易くなる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
本発明が適用された車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 図1の自動変速機の各ギヤ段を成立させるためのクラッチおよびブレーキの係合、解放状態を説明する図である。 図1の車両用駆動装置のエンジン制御や変速制御を行う制御系統を説明するブロック線図である。 図3のシフトレバーのシフトパターンの一例を示す図である。 変速制御に関して図3の電子制御装置が備えている各種の機能を説明するブロック線図である。 変速制御に関して図5の各機能によって実行される信号処理の内容を具体的に説明するフローチャートである。 図5の変速制御手段による変速制御で用いられる変速マップの一例を示す図である。 第1速ギヤ段から第3速ギヤ段までアップシフトする際の手順を、通常時とフェール時とで比較して示す図である。 クラッチツークラッチ変速により第2速ギヤ段から第3速ギヤ段へアップシフトする際の油圧制御を、各部の回転速度変化と関連付けて説明するタイムチャートの一例である。
符号の説明
14:自動変速機 90:電子制御装置 102:フェール判断手段 106:フェール時変速手段 F1:一方向クラッチ B1:ブレーキ(第1摩擦係合装置) C0:クラッチ(第2摩擦係合装置) 1st:第1速ギヤ段(第1のギヤ段) 2nd:第2速ギヤ段(第2のギヤ段) 3rd:第3速ギヤ段(第3のギヤ段)

Claims (1)

  1. 一方向クラッチの係合に基づいて成立させられる第1のギヤ段から、それよりも高速側の第2のギヤ段への変速は、第1摩擦係合装置を係合させて前記一方向クラッチを解放する一方向クラッチツークラッチ変速で、
    前記第2のギヤ段から、それよりも更に高速側の第3のギヤ段への変速は、複数の摩擦係合装置を係合および解放するクラッチツークラッチ変速であるが、前記第1のギヤ段から該第3のギヤ段への変速は、第2摩擦係合装置を係合させて前記一方向クラッチを解放する一方向クラッチツークラッチ変速である
    車両用自動変速機の変速制御装置において、
    前記クラッチツークラッチ変速が不可か否かを判断するフェール判断手段と、
    該フェール判断手段によってクラッチツークラッチ変速が不可と判断された場合に、前記第2のギヤ段よりも高速側のギヤ段へ変速する際には、前記第1摩擦係合装置を解放して前記一方向クラッチを係合させるクラッチツー一方向クラッチ変速により前記第1のギヤ段を成立させた後、前記第2摩擦係合装置を係合させて該一方向クラッチを解放する一方向クラッチツークラッチ変速により前記第3のギヤ段を成立させるフェール時変速手段と、
    を有することを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置。
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