JP2006281133A - 磁気ビーズセパレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】多数の試験液中のナノメートルサイズの微小な磁気ビーズで標識された目的物質を、磁気ビーズとともに高速で磁気分離することができ、少量の試験液からの磁気ビーズの分離を同時に多数種について行うことのできるマイクロアレイ化された磁気ビーズセパレータを提供する。
【解決手段】複数の分注器およびピペットチップにより、複数のマイクロベッセルに磁気ビーズで標識された特定の生体物質を含有する各試験液を分注し、複数のマイクロベッセルの各々の内側には強磁性ワイヤを配置し、これに磁石による磁界を印加して磁化し磁場勾配を形成し、この強磁性ワイヤに試験液中の磁気ビーズを吸引させ、他方で磁気ビーズをそれぞれに強磁性ワイヤに吸引させた後の各マイクロベッセル中の残留験液はピペットチップにてそれぞれに吸引し回収する。
【選択図】図1
【解決手段】複数の分注器およびピペットチップにより、複数のマイクロベッセルに磁気ビーズで標識された特定の生体物質を含有する各試験液を分注し、複数のマイクロベッセルの各々の内側には強磁性ワイヤを配置し、これに磁石による磁界を印加して磁化し磁場勾配を形成し、この強磁性ワイヤに試験液中の磁気ビーズを吸引させ、他方で磁気ビーズをそれぞれに強磁性ワイヤに吸引させた後の各マイクロベッセル中の残留験液はピペットチップにてそれぞれに吸引し回収する。
【選択図】図1
Description
本発明は、試験液に含まれる磁気ビーズおよび磁気ビーズに吸着した物質の分離を、多数の試験液について同時進行にて高速で行うことのできる磁気ビーズセパレータに関し、特に試験液に含まれるナノメータサイズの微小な磁気ビーズおよびこの微小な磁気ビーズに吸着した物質の分離を多数の試験液について同時進行にて高速で行うことのできる磁気ビーズセパレータに関する。
マイクロウェルアレイに多数のマイクロベッセルを配置し、これら多数のマイクロベッセル内の各試験液中から、それぞれに磁気ビーズで標識された物質を同時にかつ高速度で検出するために開発された磁気分離システムが従来から知られている。これは試験液を分注したマイクロベッセルの底部の外縁に磁石を配置したものである。また、特許文献1には、分注器の外縁に磁石を配置し、そこに試験液をマイクロベッセルから吸引して磁気ビーズをマイクロベッセルもしくは分注器内壁に固定する手法が開示されている。
このような磁気分離システムで用いる磁気ビーズは、粒子径ができるだけ小さくして比表面積を増大させることによって、磁気ビーズに吸着する物質の量を飛躍的に増大させることができる。ところがこれら従来の方式では、磁気ビーズのブラウン運動の擾乱力が外部に配置された磁石が作る磁場勾配による力を乱すため、磁気ビーズの寸法がおよそ100nm以下まで微細化すると、磁気分離が極めて困難または不可能になってしまうという問題点があった。
特許文献2には、ナノメートルオーダーの粒子サイズの磁気ビーズを磁気分離する技術として、漏斗状の容器先端部に多孔質の強磁性体からなるフィルタを配置し、外部から磁界を印加することによって多孔質の強磁性体フィルタ内に発生する高い磁界勾配を利用し、このフィルタ内に磁気ビーズを固定する方法が開示されている。しかしながら、この磁気ビーズの磁気分離方法は、フィルタ自体を細長い構造にし、試験液を漏斗の上端から注入し重力によって自由落下させ、細長い構造で高い流動抵抗を持つフィルタ中を溶液が通過するように設計されたものである。このため、フィルタ中を溶液が通過するのに長い時間を要し、この技術は分注器を用いて多数の試験液の吸引と吐出を行う高速の磁気分離には適さないものであった。
特開平11−242033
特開平11―319628
本発明の目的は、上記の各問題点を解決し、多数の試験液中のナノメートルオーダーの粒子サイズを有する微小な磁気ビーズおよびこのような微小な磁気ビーズで標識された目的物質を、高速で磁気分離することができ、少量の試験液からの磁気ビーズの分離を多数種について同時進行で行うことのできるマイクロアレイ化された磁気ビーズセパレータを提供することにある。
本発明の磁気ビーズセパレータは、磁気ビーズで標識された検体を含有する各試験液を収容する複数のマイクロベッセルと、複数のマイクロベッセルの各々に磁場を発生させる磁石と、複数のマイクロベッセルの各々の内側に配置され、磁石の発生する磁界によって磁化され磁場勾配を誘起して磁気ビーズを吸引する強磁性ワイヤと、各試験液を前記複数のマイクロベッセルの各々に分注し、複数のマイクロベッセルの各々に分注した各試験液の含有する磁気ビーズがそれぞれ強磁性ワイヤに吸引された後に複数のマイクロベッセル中に残留した各試験液をそれぞれ吸引し回収する複数の分注器およびピペットチップとを備えたことを特徴とする。
また本発明の検体の磁気分離方法は、検体を含有する試験液に、検体を特異的吸着する生体活性物質が表面に固定された磁気ビーズを浸漬し、試験液中の検体が特異的吸着した磁気ビーズを含有する試験液を得るステップと、検体が特異的吸着した磁気ビーズを含有する試験液を磁化された強磁性ワイヤを有するマイクロベッセルに分注し、検体が特異的吸着した磁気ビーズを強磁性ワイヤに吸引させ分離するステップと、記検体の特異的吸着した磁気ビーズが分離されて除かれた試験液を吸引分離するステップと、強磁性ワイヤに吸引されて分離された検体の特異的吸着した磁気ビーズから、前記検体を解離して回収するステップとを備えたことを特徴とする。
なお上記の記載において、検体は検査の対象とする目的の物質であり、また磁気ビーズで標識された検体は、例えば磁気ビーズには検体を特異的吸着する生体活性物質が表面に固定されており、検体がこの磁気ビーズにこの生体活性物質を通じて特異的吸着されている状態にある検体である。
本発明の磁気ビーズセパレータは、このような構成により、ナノメートルオーダーの粒子サイズを有する微小な磁気ビーズの磁気分離を、多数種について平行して同時進行で行うことができるので、効率的かつ高速な磁気分離が実現できる。
本発明の磁気ビーズセパレータを用いれば、さまざまな生体物質を含む溶液から、目的とする成分の生体物質の分離抽出を、以下に述べるプロセスにより非常に効率的に行うことができる。
すなわち、分離目的の特定の生体物質を特異的に吸着する生体活性物質を表面に固定した磁気ビーズを、さまざまな生体物質を含む溶液に加えて攪拌することにより、この特定の生体物質が磁気ビーズに吸着される。この結果、試験液はこの磁気ビーズで標識された特定の生体物質が特異的に吸着した磁気ビーズを含む試験液となる。この試験液を分注器とこれに接続されたピペットチップを用いてこの磁気ビーズセパレータのマイクロベッセルに注入すると、マイクロベッセルの内壁周辺部に配置された強磁性金属ワイヤがマイクロベッセルの外側に配置された磁石により磁化され、強磁性ワイヤの表面に高い磁場勾配が生じているので、溶液中の磁気ビーズは強磁性金属ワイヤの表面に固定される。
他方、こうして磁気ビーズが除かれた上澄み液は、ピペットチップで吸引されて分離されて外部に移送される。他方、強磁性ワイヤ表面に固定された磁気ビーズには特異的吸着した特定の生体物質がさまざまな生体物質を含む溶液から分離されて吸着しているので、解離剤を用い、この生体物質を磁気ビーズから解離させ、回収する。本発明の磁気ビーズセパレータは、この際に用いる磁気ビーズとして、ナノメートルオーダーの粒子サイズを有する微小な磁気ビーズを用いることができ、こうすることにより、分離の効率を飛躍的に高めることができる。
本発明により、従来は実施が困難であったナノメータサイズの磁気ビーズの高速磁気分離を行うことができるようになった。ナノメータサイズの磁気ビーズは従来のマイクロサイズの磁気ビーズに比べ比表面積が非常に大きく、目的物質を特異的吸着により捕獲し抽出する効率を格段に向上させることができるようになった。
なお、本発明の磁気ビーズセパレータは、既存の同時複数検体操作システムに用いられているマイクロウェルアレイに収納することができ、また従来のマイクロカラムシステムで用いるマイクロベッセルの内壁周辺部に強磁性金属ワイヤを配置して構成されるので、従来のマイクロカラムシステムが有している分注、吸入、吐出、洗浄などの機能はそのまま本発明の磁気ビーズセパレータの構成に用いることができる。
次に図面を参照し本発明の実施の形態を述べることにより、本発明についてより詳細に説明する。
1.装置の構成
図1は本発明の磁気ビーズセパレータの一実施形態を模式的に示した斜視図である。図1の磁気ビーズセパレータ11には、8×12個のマイクロベッセル12が方眼状に規則配列されている。これら複数のマイクロベッセルは5〜10mm間隔で二次元配列していることことが好ましい。一列に配列された複数の分注器13およびこれらに接続されたピペットチップ14から、複数のマイクロベッセル12の各々に同時に各試験液が分注されと、これらマイクロベッセル12の各々に分注された各試験液17は、マイクロベッセル12内で磁化された強磁性金属ワイヤ(例えば直径が50nm〜1mm、ここには図示されていない)の表面に誘起されている高い磁気勾配よって磁気ビーズが捉えられ分離される。また残った上澄み液が一列に配列されたピペットチップ14およびこれに接続された分注器13によって回収される。
図1は本発明の磁気ビーズセパレータの一実施形態を模式的に示した斜視図である。図1の磁気ビーズセパレータ11には、8×12個のマイクロベッセル12が方眼状に規則配列されている。これら複数のマイクロベッセルは5〜10mm間隔で二次元配列していることことが好ましい。一列に配列された複数の分注器13およびこれらに接続されたピペットチップ14から、複数のマイクロベッセル12の各々に同時に各試験液が分注されと、これらマイクロベッセル12の各々に分注された各試験液17は、マイクロベッセル12内で磁化された強磁性金属ワイヤ(例えば直径が50nm〜1mm、ここには図示されていない)の表面に誘起されている高い磁気勾配よって磁気ビーズが捉えられ分離される。また残った上澄み液が一列に配列されたピペットチップ14およびこれに接続された分注器13によって回収される。
図2はマイクロベッセル12に、ピペットチップ14が挿入された状態について、その詳細を示した図である。図2においてマイクロベッセル12の内壁周辺部には、強磁性ワイヤ15が多孔保持体18に保持されて配置され、マイクロベッセル12の外縁には磁石16が配置されている。このマイクロベッセル12に、着脱可能方式で分注器14に接続されたピペットチップ14が挿入され、磁気ビーズで標識された検体を含む溶液が分注される。試験液17中の磁気ビーズで標識された特定の生体物質(検体)は、磁気ビーズとともに強磁性ワイヤ15の表面に誘起されている高い磁場勾配によって強磁性ワイヤ15の表面に固定される。このあと、非磁性成分をピペットチップに吸引することによって、磁気ビーズで標識された検体を磁気ビーズとともに試験液から分離抽出することができる。
2.特定の生体物質の分離抽出
この磁気ビーズセパレータ11を用い、以下のプロセスを用いることにより、さまざまな生体物質を含む溶液から、目的とする特定の生体物質を分離抽出することができる。
この磁気ビーズセパレータ11を用い、以下のプロセスを用いることにより、さまざまな生体物質を含む溶液から、目的とする特定の生体物質を分離抽出することができる。
まず、さまざまな生体物質を含む溶液に対し、その溶液の中から分離抽出しようとする目的の一成分物質と特異的に吸着する生体活性物質を表面に固定した磁気ビーズを用意し、さまざまな生体物質を含む溶液にこの磁気ビーズを加えて攪拌し、この磁気ビーズへの特異的結合を促す。こうして目的とする一成分物質を特異的に吸着させた磁気ビーズを含有し、さまざまな生体物質を含んだ溶液を分注器13とマイクロピペット14で搬送し、磁気ビーズセパレータ11のマイクロベッセル12の強磁性ワイヤ15としてのNiワイヤ配置部位に完全に吐出する。
こうしてマイクロベッセル12に分注された溶液を数分間の短い間静置することにより、磁気ビーズと、この磁気ビーズと特異的に吸着した生体物質がこのNiワイヤ表面に磁気力で吸着される。磁気ビーズとこれに特異的に吸着した生体物質磁気分離された後の上澄み液をマイクロピペット14で回収する。ここで高い分離精度を得るために、新しいマイクロピペット14で純水を磁気ビーズセパレータ11に搬送し、マイクロベッセル12や強磁性ワイヤ15の表面に付着した水分に溶存する非目的物質を洗い取る。
次にNiワイヤの表面に磁気力で吸着した磁気ビーズに特異的に吸着している目的物質を、解離剤(特異的結合の種類によって異なる)をマイクロピペット14で搬送し、マイクロベッセル12内に注入して攪拌し、磁気ビーズから目的物質を解離させ、回収する。この際、分離精度を高めるため、新しいマイクロピペット14で純水を磁気ビーズセパレータ11に搬送し、マイクロベッセル12や強磁性ワイヤ15の表面に付着した水分に溶存する目的物質を洗い取る。
最後に強磁性ワイヤ15に磁界を印加している磁石を取り外すか、あるいはマイクロベッセル12を磁石16から遠ざけることによって磁界のない状態にし、磁気ビーズセパレータ11のマイクロベッセル12内部にマイクロピペット14で純水を搬送し、磁気ビーズを回収する。
3.強磁性ワイヤ
磁気ビーズセパレータのマイクロベッセル12内部に設ける強磁性ワイヤ16は、磁界より磁化され、その表面に高い磁界勾配を発生し、溶液中の磁気ビーズを吸引する。ここで用いる強磁性ワイヤには、各種の強磁性金属を用いることができるので特に制限されないが、例えば耐食性に優れたNiワイヤや、軟磁性特性の優れたパーマロイを用いることができる。また強磁性非晶質金属のワイヤを用いることもできる。
磁気ビーズセパレータのマイクロベッセル12内部に設ける強磁性ワイヤ16は、磁界より磁化され、その表面に高い磁界勾配を発生し、溶液中の磁気ビーズを吸引する。ここで用いる強磁性ワイヤには、各種の強磁性金属を用いることができるので特に制限されないが、例えば耐食性に優れたNiワイヤや、軟磁性特性の優れたパーマロイを用いることができる。また強磁性非晶質金属のワイヤを用いることもできる。
この磁気ビーズセパレータ11を生体物質の分離に用いる際に、強磁性ワイヤ15には非特異的吸着を防ぐための薄い被覆を設けたものを用いることができる。この目的には、例えば非特異的吸着がなく、親水性のエポキシ基を表面に有するポリマーの被覆が好ましく、またポリプロピレンなどの樹脂の被覆を用いることもできる。
磁気ビーズの吸引に用いる強磁性ワイヤ15の直径は、ある径までは細い方が高い磁界勾配が得られることから望ましいものの、細くなるにつれ、ワイヤの剛性が低下するとともに磁性が低下するようになる。このため、強磁性ワイヤの直径は50μm以上1mm以下であることが好ましく、100μm以上300μm以下であることがより好ましい。
このような強磁性ワイヤ15は、マイクロベッセル12の内側の管壁に沿って強磁性ワイヤ15の一端を固定して保持する形に配置することができる。また強磁性ワイヤ15の両端を固定した形で配置することもできる。さらにこの強磁性ワイヤの保持には、多孔保持体を用いることにより、液体の流れをよくすることができ、またマイクロベッセル内側の周辺部に保持することができる。また強磁性ワイヤはワイヤの長手方向を前記試験液の流れる方向に向けて配置することにより、溶液の流れをよくすることができる。
4.磁界勾配発生用磁石
強磁性ワイヤ15を磁化し、その表面に高い磁界勾配を発生させる磁石16は、マイクロベッセル12の外側に配置され、マイクロベッセル12内の強磁性ワイヤ15に磁界を印加しこの強磁性ワイヤ15を磁化する。
強磁性ワイヤ15を磁化し、その表面に高い磁界勾配を発生させる磁石16は、マイクロベッセル12の外側に配置され、マイクロベッセル12内の強磁性ワイヤ15に磁界を印加しこの強磁性ワイヤ15を磁化する。
この磁石は、図3に示したように、方眼状の規則的な配列をした複数のマイクロベッセル12の各々の間を仕切る仕切り板19を設け、この仕切り板19の一部に永久磁石16を配置することができる。
また、図4に示したように、複数のマイクロベッセルを仕切る仕切り板19を縦横に設け、この縦の仕切り板と横の仕切り板のうち、一方の仕切り板には厚み方向に着磁された永久磁石16を用い、他方の仕切り板には非磁性体を用いる形に磁石を配置する構成にすることができる。
これらの永久磁石として、エネルギー積が他の磁石に比べて大きいネオジム磁石を用いれば、より高い磁界を強磁性ワイヤに印加し磁化することができ、より強い磁気吸引力が得られるので好ましい。
1.磁気ビーズセパレータ:
本実施例では、図2に示した磁気分離セパレータ11のマイクロベッセル12として、内径が10mmであり、マイクロピペット14には、外径が6.5mmのものを用いた。マイクロベッセル内周部に直径200μm、長さ30mmのNi製強磁性ワイヤ15を200本用意し、これを内径6.5mmの中空部を有する外径10mmのドーナツ状ポリウレタン製多孔保持体で固定し、マイクロベッセル内部に装着した。
本実施例では、図2に示した磁気分離セパレータ11のマイクロベッセル12として、内径が10mmであり、マイクロピペット14には、外径が6.5mmのものを用いた。マイクロベッセル内周部に直径200μm、長さ30mmのNi製強磁性ワイヤ15を200本用意し、これを内径6.5mmの中空部を有する外径10mmのドーナツ状ポリウレタン製多孔保持体で固定し、マイクロベッセル内部に装着した。
2.試験液
平均粒径20nmのオレイン酸被覆したマグネタイトを磁気ビーズとし、このオレイン酸被覆マグネタイトの分散液が5mg/mlとなるように調整し、これを試験液とした。
平均粒径20nmのオレイン酸被覆したマグネタイトを磁気ビーズとし、このオレイン酸被覆マグネタイトの分散液が5mg/mlとなるように調整し、これを試験液とした。
3.磁気分離
この試験液300μlを、磁気ビーズセパレータのマイクロベッセル12中に分注し、電磁石を用いて外部磁場3kGを印加し、Niワイヤ表面にオレイン酸被覆マグネタイト粒子を集めた後、分注ピペットチップにより非回収成分を溶液と共に回収した。
この試験液300μlを、磁気ビーズセパレータのマイクロベッセル12中に分注し、電磁石を用いて外部磁場3kGを印加し、Niワイヤ表面にオレイン酸被覆マグネタイト粒子を集めた後、分注ピペットチップにより非回収成分を溶液と共に回収した。
磁気分離時間は1、3、5、10分とし、それぞれ回収された上澄み液に含まれるマグネタイトを塩酸で溶解し高周波プラズマ発光分析装置(ICPS)により上澄み液中の残留Fe濃度を測定し、原液のFe濃度と比較することでNiワイヤに回収されたマグネタイト量を算出した。
この結果を図5に経過時間と残留Fe濃度との関係として示した。図5から、磁気分離時間3分で全体の98%にあたるマグネタイトが回収され、以降は実験誤差内の値を示したため、オレイン酸被覆マグネタイト粒子の回収に必要な時間は3分以内であることがわかった。
また、Niワイヤを配置しないマイクロベッセルにて、上記と同様に、試験液に外部磁場3kGを印加し磁気回収を試みたところ、有限時間内ではオレイン酸被覆マグネタイト粒子の回収が確認されなかったことから、この磁気ビーズセパレータが、平均粒径20nmと粒子サイズが極めて小さいオレイン酸被覆マグネタイトに対して、磁気ビーズセパレータとしての磁気分離機能およびその効果が実証された。
なお、ここてはデータ取得の目的から、磁界の発生に電磁石を用いた場合を示したが、磁界の発生にネオジム磁石などの永久磁石を用いた場合にも、同様の結果が得られた。
なお、ここてはデータ取得の目的から、磁界の発生に電磁石を用いた場合を示したが、磁界の発生にネオジム磁石などの永久磁石を用いた場合にも、同様の結果が得られた。
本発明により、従来は不可能とされていたナノメータサイズの磁気ビーズの高速磁気分離が可能になった。本発明のナノメータサイズの磁気ビーズは、従来のマイクロサイズの磁気ビーズに比べ、比表面積が非常に大きいので,目的物質を特異的吸着により捕獲し抽出する効率を格段に向上させることが可能となった。しかもこの磁気ビーズセパレータは、既存のマイクロカラムシステムが有している分注、吸入、吐出、洗浄などの機能を活用して用いることができるので、簡便に磁気ビーズセパレータを構成することができるので、その産業上の利用可能性は大であると考えられる。
11…磁気ビーズセパレータ、12…マイクロベッセル、13…分注器、14…ピペットチップ、15…強磁性ワイヤ、16…磁石、17…試験液、18…多孔保持体、19…しきり板。
Claims (10)
- 磁気ビーズで標識された検体を含有する各試験液を収容する複数のマイクロベッセルと、
前記複数のマイクロベッセルの各々に磁場を発生させる磁石と、
前記複数のマイクロベッセルの各々の内側に配置され、前記磁石の発生する磁界によって磁化され磁場勾配を誘起して前記磁気ビーズを吸引する強磁性ワイヤと、
前記各試験液を前記複数のマイクロベッセルの各々に分注し、前記複数のマイクロベッセルの各々に分注した前記各試験液の含有する前記磁気ビーズがそれぞれ前記強磁性ワイヤに吸引された後に前記複数のマイクロベッセル中に残留した各試験液をそれぞれ吸引し回収する複数の分注器およびピペットチップと
を備えたことを特徴とする磁気ビーズセパレータ。 - 前記強磁性ワイヤが、多孔保持体により前記複数のマイクロベッセルの周辺部に保持されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ビーズセパレータ。
- 前記強磁性ワイヤが、ニッケルおよびパーマロイからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2記載の磁気ビーズセパレータ。
- 前記強磁性ワイヤが、非特異的吸着を生じない物質で被覆されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の磁気ビーズセパレータ。
- 前記強磁性ワイヤの長手方向を前記試験液の流れる方向に向けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の磁気ビーズセパレータ。
- 前記複数のマイクロベッセルが5〜10mmの間隔で二次元配列していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の磁気ビーズセパレータ。
- 前記複数のマイクロベッセルの各々の間に仕切り板を設け、この仕切り板の一部に永久磁石を用いたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の磁気ビーズセパレータ。
- 前記仕切り板は前記複数のマイクロベッセルを縦横に仕切る仕切り板であり、この縦横に仕切る仕切り板の縦および横のうち、一方が仕切り板の厚み方向に着磁された永久磁石であり、他方が非磁性体であることを特徴とする請求項7記載の磁気ビーズセパレータ。
- 前記永久磁石がネオジム磁石であることを特徴とする請求項7または8記載の磁気ビーズセパレータ。
- 検体を含有する試験液に、前記検体を特異的吸着する生体活性物質が表面に固定された磁気ビーズを浸漬し、試験液中の前記検体が特異的吸着した磁気ビーズを含有する試験液を得るステップと、
前記検体が特異的吸着した磁気ビーズを含有する試験液を磁化された強磁性ワイヤを有するマイクロベッセルに分注し、前記検体が特異的吸着した磁気ビーズを前記強磁性ワイヤに吸引させ分離するステップと、
前記検体の特異的吸着した磁気ビーズが分離されて除かれた前記試験液を吸引分離するステップと、
前記強磁性ワイヤに吸引されて分離された前記検体の特異的吸着した磁気ビーズから、前記検体を解離して回収するステップ
とを備えたことを特徴とする検体の磁気分離方法。
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