JP2006278172A - 燃料電池のセパレータ用材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐食性に優れた基材を用い、さらに薄い貴金属を成膜することで、十分な耐食性と導電性を両立する燃料電池のセパレータ用材料を提供することを目的とする。
【解決手段】組成がPt、Pd、Rh、Ruのうち1種もしくは2種以上よりなり、厚みが10nm以上で、チタン基材上に成膜したことを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料。
【解決手段】組成がPt、Pd、Rh、Ruのうち1種もしくは2種以上よりなり、厚みが10nm以上で、チタン基材上に成膜したことを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料。
Description
本発明は、固体高分子電解質型燃料電池用金属セパレータに用いられる材料に関する。
固体高分子電解質型燃料電池用セパレータは、複数の単セルが積層された燃料電池スタックを構成する部材であって、十分なガス不透過性と、セル同士を導通するための電気伝導性が必要である。さらには、酸雰囲気に対して高い耐食性も要求される。従来、このような燃料電池用ガスセパレータは、炭素材料あるいは金属材料が用いられてきた。炭素材料は、金属材料よりも強度が低いため、薄くすることが困難であり、また、加工費が高いために、近年は、金属材料が広く検討されている。
燃料電池用ガスセパレータとして用いる材料に必要な特性は種々あるが、特に金属材料を用いる場合の問題点は、耐食性と導電性の両立である。
耐食性の付与に着目して、基材上に窒化物の保護層を被覆する技術(特許文献1)が、また、導電性と耐食性を両立させる手法として、ステンレスなどの基材上にAuめっき層を成膜する技術(特許文献2、3)が開示されている。
さらに、金属基材上に低電気抵抗層、耐食性層、耐剥離性層のうち2層以上からなる多層構造を厚み120nm以上形成して必要な特性を達成する技術(特許文献4)が開示されている。
しかしながら、基材上に窒化物を形成する場合は、耐食性は得られるものの十分な導電性が得らない。また、ステンレスなどの基材上にAuめっきを施す場合は、導電性は得られるものの0.01μm程度の薄い成膜では微小欠陥の発生が避けられないために耐食性が悪く、これを避けるためにAuめっきを厚く成膜する方法も考えられるが、コストの観点から工業的に実用的ではない。
一方、耐食性と導電性を両立させるために種々の機能を有する多層膜構造とする場合は、材料の加工性、コストの観点から、工業的実用化に困難が伴う。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、耐食性に優れた基材を用い、さらに薄い貴金属を成膜することで、十分な耐食性と導電性を両立する燃料電池のセパレータ用材料を提供することを目的とする。
一方、耐食性と導電性を両立させるために種々の機能を有する多層膜構造とする場合は、材料の加工性、コストの観点から、工業的実用化に困難が伴う。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、耐食性に優れた基材を用い、さらに薄い貴金属を成膜することで、十分な耐食性と導電性を両立する燃料電池のセパレータ用材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記耐食性と導電性を両立する技術を鋭意検討した結果、セパレータの基材の耐食性はステンレスレベルでは不十分であり、より耐食性に優れるチタンを用い、さらに、必要な導電率を得るために基材上にPt、Pd、Rh、Ruのうち1種もしくは2種以上を薄く成膜することが有効であることを見出した。この場合、成膜元素であるPt、Pd、Rh、Ruは、単独でも優れた耐食性を示すが、チタンと合金化することで、より強固な耐食層を形成するため、耐食性の付与に非常に有効である。また、基材の表面粗さを一定範囲とし、基材上にPt、Pd、Rh、Ruのうち1種もしくは2種以上を成膜する、あるいは、成膜後に圧延や熱処理で基材と成膜材の密着性をより強くすることが、耐食性と導電率を両立するためにより有効であることを見出した。
ここで、チタン基材については、基材の最表層部分が純チタンと同等レベル以上の耐食性が得られれば良く、チタン合金、あるいは純チタンやチタン合金のクラッド材などを用いることも可能である。
ここで、チタン基材については、基材の最表層部分が純チタンと同等レベル以上の耐食性が得られれば良く、チタン合金、あるいは純チタンやチタン合金のクラッド材などを用いることも可能である。
すなわち、本発明は、
(1)組成がPt、Pd、Rh、Ruのうち1種もしくは2種以上よりなり、厚みが10nm以上で、チタン基材上に成膜したことを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料、
(2)組成がPt、Pd、Rh、Ruのうち1種もしくは2種以上よりなり、厚みが10nm以上で、厚みが90μm以下のチタン基材上に成膜したことを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料、
(3)組成がPt、Pd、Rh、Ruのうち1種もしくは2種以上よりなり、厚みが10nm以上で、表面粗さRaが0.2〜2.0μmであり、チタン基材上に成膜したことを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料。
(4)蒸着、スパッタなどの乾式工程で成膜したことを特徴とする、上記(1)〜(3)に記載の燃料電池のセパレータ用材料。
(5)上記(1)〜(4)に記載の複合材を圧延加工度0.1〜40%で圧延加工することを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料。
(6)上記(1)〜(5)に記載の複合材を温度800〜1000℃、熱処理時間5分以上で熱処理することを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料。
(7)チタン基材上の成膜層がPt、Pd、Rh、Ruのうち1種又は2種以上とチタン基材との合金層であり、その厚みが10nm以上であることを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料、
である。
(1)組成がPt、Pd、Rh、Ruのうち1種もしくは2種以上よりなり、厚みが10nm以上で、チタン基材上に成膜したことを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料、
(2)組成がPt、Pd、Rh、Ruのうち1種もしくは2種以上よりなり、厚みが10nm以上で、厚みが90μm以下のチタン基材上に成膜したことを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料、
(3)組成がPt、Pd、Rh、Ruのうち1種もしくは2種以上よりなり、厚みが10nm以上で、表面粗さRaが0.2〜2.0μmであり、チタン基材上に成膜したことを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料。
(4)蒸着、スパッタなどの乾式工程で成膜したことを特徴とする、上記(1)〜(3)に記載の燃料電池のセパレータ用材料。
(5)上記(1)〜(4)に記載の複合材を圧延加工度0.1〜40%で圧延加工することを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料。
(6)上記(1)〜(5)に記載の複合材を温度800〜1000℃、熱処理時間5分以上で熱処理することを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料。
(7)チタン基材上の成膜層がPt、Pd、Rh、Ruのうち1種又は2種以上とチタン基材との合金層であり、その厚みが10nm以上であることを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料、
である。
基材にチタンを用い、これに組成がPt、Pd、Rh、Ruのうち1種もしくは2種以上からなる薄い成膜を形成することで、耐食性と導電性を併せ持った燃料電池のセパレータ用材料を提供することができる。
以下に限定の理由を説明する。
(1)基材と成膜元素
本発明では、基材上に導電性と耐食性に優れた成膜を形成し、燃料電池用のセパレータとして使用するが、成膜材料は高価であり、コストの観点からは、膜厚を薄くする必要が生じる。成膜層が薄くなると、ピットなどの微細な欠陥が発生しやすくなり、この欠陥部を通して基材が直接腐食環境にさらされることとなるため、基材には十分な耐食性が必要である。上記の腐食環境では、セパレータ基材としてステンレスの耐食性では不十分であり、より耐食性に優れた材料が必須となる。
基材にチタン、成膜層にPt、Pd、Rh、Ruを用いると、チタンには耐食性、Pt、Pd、Rh、Ruには耐食性と導電性を併せ持つと共に、チタンとPt、Pd、Rh、Ruが合金化することで、上記の腐食環境にも対応可能なより強固な耐食性が付与される。
従って、基材にはチタン、成膜層にはPt、Pd、Rh、Ruを用いた。
(1)基材と成膜元素
本発明では、基材上に導電性と耐食性に優れた成膜を形成し、燃料電池用のセパレータとして使用するが、成膜材料は高価であり、コストの観点からは、膜厚を薄くする必要が生じる。成膜層が薄くなると、ピットなどの微細な欠陥が発生しやすくなり、この欠陥部を通して基材が直接腐食環境にさらされることとなるため、基材には十分な耐食性が必要である。上記の腐食環境では、セパレータ基材としてステンレスの耐食性では不十分であり、より耐食性に優れた材料が必須となる。
基材にチタン、成膜層にPt、Pd、Rh、Ruを用いると、チタンには耐食性、Pt、Pd、Rh、Ruには耐食性と導電性を併せ持つと共に、チタンとPt、Pd、Rh、Ruが合金化することで、上記の腐食環境にも対応可能なより強固な耐食性が付与される。
従って、基材にはチタン、成膜層にはPt、Pd、Rh、Ruを用いた。
(2)基材の厚さ
実用性の観点から電池の体積当たりの発電量を考慮すると、燃料電池の小型化は必須であり、これに寄与するセパレータには基材の薄肉化が求められる。現在実用化されているセパレータを考慮すると、その厚さは90μm以下が求められるため、その上限を90μmとした。
実用性の観点から電池の体積当たりの発電量を考慮すると、燃料電池の小型化は必須であり、これに寄与するセパレータには基材の薄肉化が求められる。現在実用化されているセパレータを考慮すると、その厚さは90μm以下が求められるため、その上限を90μmとした。
(3)成膜層の厚さ
セパレータが十分な導電性を得るためには、成膜層を高導電率にする必要があり、その厚みの下限は10nmである。一方、厚みの上限については、技術的な制限はない。しかしながら、成膜成分であるPt、Pd、Rh、Ruは高価な貴金属であり、コストを考慮して100nm以下とすることが好ましい。
セパレータが十分な導電性を得るためには、成膜層を高導電率にする必要があり、その厚みの下限は10nmである。一方、厚みの上限については、技術的な制限はない。しかしながら、成膜成分であるPt、Pd、Rh、Ruは高価な貴金属であり、コストを考慮して100nm以下とすることが好ましい。
(4)基材の表面粗さ
チタン基材の表面粗さは、基材上の成膜層との密着性に大きく影響する。基材の表面粗さRaが0.2μm未満では、燃料電池用セパレータの腐食環境下での密着性が不十分なため下限値を0.2μmとした。また、表面粗さRaが2.0μmを超えると、厚さが薄い成膜層において均一な厚さで成膜することが困難となるため、その上限を2.0μmとした。
チタン基材の表面粗さは、基材上の成膜層との密着性に大きく影響する。基材の表面粗さRaが0.2μm未満では、燃料電池用セパレータの腐食環境下での密着性が不十分なため下限値を0.2μmとした。また、表面粗さRaが2.0μmを超えると、厚さが薄い成膜層において均一な厚さで成膜することが困難となるため、その上限を2.0μmとした。
(5)複合材の圧延加工度
チタン基材上に組成がPt、Pd、Rh、Ruのいずれか1種もしくは2種以上を成膜した後に実施する圧延加工は、基材と成膜材の密着性を向上させることが目的である。密着性は、低圧下率(低加工度)でも改善がみられ、その下限値は0.1%である。また、加工度が高くなりすぎると、成膜層が薄くなり過ぎて導電性が損なわれるため、上限値を40%とした。
チタン基材上に組成がPt、Pd、Rh、Ruのいずれか1種もしくは2種以上を成膜した後に実施する圧延加工は、基材と成膜材の密着性を向上させることが目的である。密着性は、低圧下率(低加工度)でも改善がみられ、その下限値は0.1%である。また、加工度が高くなりすぎると、成膜層が薄くなり過ぎて導電性が損なわれるため、上限値を40%とした。
(6)熱処理
チタン基材上にPt、Pd、Rh、Ruのいずれか1種もしくは2種以上を成膜した後に実施する熱処理では、基材と成膜材の金属間化合物を生成させることで密着性を向上させることが目的である。温度が低い場合には、金属原子の拡散速度が遅く、金属間化合物の生成に時間がかかるため、温度の下限は800℃とした。また、温度が高くなると、極薄い成膜層が短時間に金属間化合物を生成することから、金属間化合物層の厚みを制御することが困難となる。そのため、上限温度を1000℃とした。なお、加熱時間は温度により変わるが、5分以上で目的の達成が可能である。
チタン基材上にPt、Pd、Rh、Ruのいずれか1種もしくは2種以上を成膜した後に実施する熱処理では、基材と成膜材の金属間化合物を生成させることで密着性を向上させることが目的である。温度が低い場合には、金属原子の拡散速度が遅く、金属間化合物の生成に時間がかかるため、温度の下限は800℃とした。また、温度が高くなると、極薄い成膜層が短時間に金属間化合物を生成することから、金属間化合物層の厚みを制御することが困難となる。そのため、上限温度を1000℃とした。なお、加熱時間は温度により変わるが、5分以上で目的の達成が可能である。
(1)実施例1
板厚60μmのチタンあるいはSUS316をアセトンで超音波洗浄、酸素ガスプラズマ照射前処理の後に、スパッタリングによりPt、Pd、Rh、Ruについて膜厚を5〜1000nmの成膜を形成させた。なお、基材の表面粗さは、最終圧延のロール粗さを調整することにより、0.8〜1.2μmとした。
このようにして作製した各貴金属で成膜したチタン箔の硫酸浸漬後の接触抵抗、チタン溶出量を以下の条件で調査した。
板厚60μmのチタンあるいはSUS316をアセトンで超音波洗浄、酸素ガスプラズマ照射前処理の後に、スパッタリングによりPt、Pd、Rh、Ruについて膜厚を5〜1000nmの成膜を形成させた。なお、基材の表面粗さは、最終圧延のロール粗さを調整することにより、0.8〜1.2μmとした。
このようにして作製した各貴金属で成膜したチタン箔の硫酸浸漬後の接触抵抗、チタン溶出量を以下の条件で調査した。
接触抵抗
山崎試験機製:電気接点シミレータ CRS−1
プローブ:金
接圧:10gf
側定数:400点
山崎試験機製:電気接点シミレータ CRS−1
プローブ:金
接圧:10gf
側定数:400点
硫酸浸漬試験
溶液:硫酸 5%
温度:80℃
液量:5cc
供試材:10×50mm 浸漬
浸漬時間:〜30日
測定方法:ICP分析にてTi基材はTi、SUS316基材はFeイオンを定量
溶液:硫酸 5%
温度:80℃
液量:5cc
供試材:10×50mm 浸漬
浸漬時間:〜30日
測定方法:ICP分析にてTi基材はTi、SUS316基材はFeイオンを定量
発明例No.1〜7は、セパレータの基材としてTiを用いており、基材上のPt、Pd、Rh、Ru成膜層の厚さが10nm以上となっており、接触抵抗が20mΩ以下と導電性が良好で、さらに、硫酸浸漬後30日間で溶出したTi濃度は1mg/L未満となっており、耐食性も良好である。
一方、比較例No.8は、基材にTiを使用しており、耐食性は良好であるが、Pt成膜層の厚さが5nmと小さいために、接触抵抗が100mΩを超えており、導電性が悪い。
比較例No.9、10、11は、Pt成膜層の厚さが10nm以上であるために接触抵抗が20mΩ以下で良好であるが、基材にSUS316を用いており、30日間浸漬後のFe溶出量がいずれも1000mg/Lを超えているため、耐食性が悪い。
また、比較例No.12は、接触抵抗が20mΩ以下で良好であり、さらに、基材にSUS316を用いているにもかかわらず、30日間浸漬後のFe溶出量がいずれも12mg/Lと良好であるが、Pt成膜層の厚さが1000nmであり、工業的にはコストが高いために、実用化は困難である。
一方、比較例No.8は、基材にTiを使用しており、耐食性は良好であるが、Pt成膜層の厚さが5nmと小さいために、接触抵抗が100mΩを超えており、導電性が悪い。
比較例No.9、10、11は、Pt成膜層の厚さが10nm以上であるために接触抵抗が20mΩ以下で良好であるが、基材にSUS316を用いており、30日間浸漬後のFe溶出量がいずれも1000mg/Lを超えているため、耐食性が悪い。
また、比較例No.12は、接触抵抗が20mΩ以下で良好であり、さらに、基材にSUS316を用いているにもかかわらず、30日間浸漬後のFe溶出量がいずれも12mg/Lと良好であるが、Pt成膜層の厚さが1000nmであり、工業的にはコストが高いために、実用化は困難である。
(2)実施例2
最終圧延の圧延ロール粗さを調整して、表面粗さの異なる板厚60μmのチタン箔を作製した。これを実施例1と同様の方法でPtを膜厚10nm成膜し、実施例1と同じ硫酸浸漬試験を30日間実施後に純水で洗浄、乾燥して接触抵抗を測定した。
最終圧延の圧延ロール粗さを調整して、表面粗さの異なる板厚60μmのチタン箔を作製した。これを実施例1と同様の方法でPtを膜厚10nm成膜し、実施例1と同じ硫酸浸漬試験を30日間実施後に純水で洗浄、乾燥して接触抵抗を測定した。
発明例No.1〜4では、基材であるチタンの表面粗さ:Raが0.2μm〜2.0μmと請求項の範囲であり、30日間硫酸浸漬前後の接触抵抗にほとんど変化は見られず、Ptの剥離は見られない。
一方、比較例No.5、6では、基材であるチタンの表面粗さRaが0.2μm未満となっており、硫酸浸漬前の接触抵抗は良好であるが、30日間硫酸浸漬後の接触抵抗は大きくなっており、Ptの剥離が見られる。
一方、比較例No.5、6では、基材であるチタンの表面粗さRaが0.2μm未満となっており、硫酸浸漬前の接触抵抗は良好であるが、30日間硫酸浸漬後の接触抵抗は大きくなっており、Ptの剥離が見られる。
また、比較例No.7、8では、基材であるチタンの表面粗さRaが2.0μmを超えており、硫酸浸漬前の接触抵抗が20mΩを超えている。これは、基材の表面粗さが大きすぎるために成膜層の厚さが一部で不均一となり、部分的に成膜層が薄くなっているためである。これは、基材の表面粗さが大きくなるほど影響が強くなり、このため、比較例No.7よりも比較例No.8の方が、さらに接触抵抗が増大した。
(3)実施例3
板厚60μmのチタン基材を実施例1と同様の方法でPtを20nm成膜した後、圧延した。これを実施例1と同じ硫酸浸漬試験を30日間実施後に純水で洗浄、乾燥して接触抵抗を測定した。なお、基材の表面粗さRaは0.2μm未満とした。
板厚60μmのチタン基材を実施例1と同様の方法でPtを20nm成膜した後、圧延した。これを実施例1と同じ硫酸浸漬試験を30日間実施後に純水で洗浄、乾燥して接触抵抗を測定した。なお、基材の表面粗さRaは0.2μm未満とした。
発明例No.1〜3では、チタン基材上にPtを成膜後の圧延加工度が0.1〜40%と請求項の範囲であり、30日間硫酸浸漬前後の接触抵抗に変化は見られず、Ptの剥離は見られない。
一方、比較例No.4では、チタン基材上にPtを成膜後圧延加工しておらず、硫酸浸漬前の接触抵抗は良好であるが、30日間硫酸浸漬後の接触抵抗は大きくなっており、Ptの剥離が見られる。
一方、比較例No.4では、チタン基材上にPtを成膜後圧延加工しておらず、硫酸浸漬前の接触抵抗は良好であるが、30日間硫酸浸漬後の接触抵抗は大きくなっており、Ptの剥離が見られる。
また、比較例No.5では、チタン基材上にPtを成膜後の圧延加工度が0.05%と請求項の下限値未満となっており、基材と成膜層の成膜層の密着性が不十分なため、30日間硫酸浸漬後の接触抵抗は大きくなっており、Ptの剥離が見られる。
比較例No.6では、チタン基材上にPtを成膜後の圧延加工度が42%と請求項の上限を超えており、30日間硫酸浸漬前後の接触抵抗に大きな差異は見られないが、浸漬前の抵抗値が既に20mΩを超えており、成膜層の一部がより薄くなることで接触抵抗が増大した。
比較例No.6では、チタン基材上にPtを成膜後の圧延加工度が42%と請求項の上限を超えており、30日間硫酸浸漬前後の接触抵抗に大きな差異は見られないが、浸漬前の抵抗値が既に20mΩを超えており、成膜層の一部がより薄くなることで接触抵抗が増大した。
(4)実施例4
板厚60μmのチタン基材を実施例1と同様の方法でPtを20nm成膜した後、真空焼鈍炉にて熱処理をした。これを実施例1と同じ硫酸浸漬試験を30日間実施後に純水で洗浄、乾燥して接触抵抗を測定した。なお、基材の表面粗さRaは0.11μmとしたものを用いた。
板厚60μmのチタン基材を実施例1と同様の方法でPtを20nm成膜した後、真空焼鈍炉にて熱処理をした。これを実施例1と同じ硫酸浸漬試験を30日間実施後に純水で洗浄、乾燥して接触抵抗を測定した。なお、基材の表面粗さRaは0.11μmとしたものを用いた。
発明例No.1〜6では、チタン基材上にPtを成膜後の熱処理温度が800〜1000℃、熱処理時間が5分以上と請求項の範囲であり、30日間硫酸浸漬前後の接触抵抗に変化は見られず、Ptの剥離は見られない。
一方、比較例No.7では、チタン基材上にPtを成膜後の熱処理時間は請求項の範囲であるが、熱処理温度が請求項の下限値未満であり、基材と成膜層の合金化が十分進んでおらず、30日間硫酸浸漬後の接触抵抗は大きくなっており、Ptの剥離が見られる。
比較例No.8、9では、チタン基材上にPtを成膜後の熱処理温度は請求項の範囲であるが、熱処理時間が請求項の下限値未満であり、基材と成膜層の合金化が十分進んでおらず、30日間硫酸浸漬後の接触抵抗は大きくなっており、Ptの剥離が見られる。
一方、比較例No.7では、チタン基材上にPtを成膜後の熱処理時間は請求項の範囲であるが、熱処理温度が請求項の下限値未満であり、基材と成膜層の合金化が十分進んでおらず、30日間硫酸浸漬後の接触抵抗は大きくなっており、Ptの剥離が見られる。
比較例No.8、9では、チタン基材上にPtを成膜後の熱処理温度は請求項の範囲であるが、熱処理時間が請求項の下限値未満であり、基材と成膜層の合金化が十分進んでおらず、30日間硫酸浸漬後の接触抵抗は大きくなっており、Ptの剥離が見られる。
Claims (7)
- 組成がPt、Pd、Rh、Ruのうち1種もしくは2種以上よりなり、厚みが10nm以上で、チタン基材上に成膜したことを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料。
- 組成がPt、Pd、Rh、Ruのうち1種もしくは2種以上よりなり、厚みが10nm以上で、厚みが90μm以下のチタン基材上に成膜したことを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料。
- 組成がPt、Pd、Rh、Ruのうち1種もしくは2種以上よりなり、厚みが10nm以上で、表面粗さRaが0.2〜2.0μmであり、チタン基材上に成膜したことを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料。
- 蒸着、スパッタなどの乾式工程で成膜したことを特徴とする、請求項1〜3に記載の燃料電池のセパレータ用材料。
- 請求項1〜4に記載の複合材を圧延加工度0.1〜40%で圧延加工することを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料。
- 請求項1〜5に記載の複合材を温度800〜1000℃、熱処理時間5分以上で熱処理することを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料。
- チタン基材上の成膜層がPt、Pd、Rh、Ruのうち1種又は2種以上とチタン基材との合金層であり、その厚みが10nm以上であることを特徴とする燃料電池のセパレータ用材料。
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