JP2006274911A - 後処理装置の昇温制御装置 - Google Patents

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峰啓 村田
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好央 武田
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Abstract

【課題】 後処理装置の排気浄化触媒に対するHC供給による触媒昇温の初期における触媒の過昇温を抑制する。
【解決手段】 昇温制御装置のECU(10)の目標HC供給量設定部(101)において、基本HC供給量設定部(102)は、触媒出口温度センサ(62)により検出された触媒(42)の下流側の排気温度に基づいて基本HC供給量を設定し、HC供給量補正部(103)は、触媒内上流温度センサ(61)により検出された触媒(42)の上流側の温度に基づいて基本HC供給量を補正して目標HC供給量を設定する。軽油添加インジェクタ(50)は、目標HC供給量に基づき触媒の上流側で排ガス中に軽油(HC)を供給する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排気浄化触媒とディーゼルパティキュレートフィルタとを有する後処理装置の昇温制御装置に関し、特に、HC供給による触媒の過昇温を抑制するようにした昇温制御装置に関する。
ディーゼルエンジンの排気中に含まれているパティキュレート(以下、PMという)を大気中に放出すると大気汚染を招くことから、エンジン排気系にディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFという)を設けてPMを捕集するようにしているが、捕集されたPMの増加に伴う排圧上昇によりエンジン性能が低下するおそれがあるため、PMを燃焼除去してDPFを再生するようにしている。また、エンジン低負荷時には排気温度が低いので、DPF再生時にHCなどの未燃焼料をDPFの上流側の排気中に供給し、DPF上流に配された酸化触媒やDPFに担持された酸化触媒により未燃焼料が酸化される際に生じる酸化熱を利用してPMを燃焼させることがある。但し、DPF再生に好適な燃料供給量は吸入空気量や排気流量によっても変化するため、DPF再生中にエンジン回転数が減少すると排気中の燃料濃度が過大になってDPF温度が過度に上昇するおそれがあり、また、排気流量が増加すると排気中の燃料濃度が過小になってDPF温度が充分に上昇せず、PMが燃焼しない可能性がある。
そこで、特許文献1に記載の排気処理装置は、DPFの上流側および下流側に温度センサを設け、DPFへの燃料供給量を上流側温度センサにより検出された排気温度が上昇するにつれて減量する一方、吸入空気量検出手段により検出された吸入空気量の増加に伴って増量するように算出し、この様に算出した燃料供給量を下流側温度センサにより検出されたDPF温度に応じて補正して、DPF再生時のエンジン運転状態に適した燃料供給を行うようにしている。
特開平5−44434号公報
特許文献1記載の排気浄化装置は、既述のように、上流側温度センサにより検出されたDPF上流側の排気温度に基づいて算出したDPFへの燃料供給量を下流側温度センサにより検出されたDPF温度(実際はDPF下流側の排気温度)に応じて補正するが、DPFの上流側や下流側の排気温度はDPF再生時のDPF温度を必ずしも良好に反映するものではなく、DPF再生時の燃料供給量を良好に制御することは実際には困難である。
また、排気浄化装置(後処理装置)の構成は種々であり、DPFと排気浄化触媒とを有する後処理装置の場合、排気浄化触媒にHCなどの未燃燃料を供給して触媒昇温を行うことがある。そして、この様な触媒昇温に際して、触媒の上流側や下流側の排気温度に基づくHC供給制御を行うとすれば、触媒の上流側および下流側の排気温度が共に触媒温度を良好に代表するものではなく、触媒温度を良好に制御することは困難である。
例えば、昇温初期では触媒がその上流側端部から温度上昇し始めるので、触媒温度分布は触媒の上流側端部で触媒温度が高く且つ下流側端部で低いものとなるため、触媒の上流側端部の温度(図3に一点鎖線で示した触媒内上流温度)は、触媒へ流入する排気の温度である触媒上流側の排気温度(図3に二点鎖線で示した触媒入口ガス温度)や熱伝達遅れを伴う触媒下流側の排気温度(図3に実線で示した触媒出口ガス温度)よりも相当高くなる。従って、触媒入口または出口ガス温度(図3では触媒出口ガス温度)に基づいて決定した基本HC供給量を触媒出口または入口ガス温度(図3では触媒入口ガス温度)に応じて補正することにより設定した目標HC供給量になるようにHC供給を行うと、触媒とくにその上流側端部が過昇温して上限触媒温度を大きく上回ることがあり(図3参照)、触媒がその分劣化するという不具合が生じる。
また、触媒温度が触媒のライトオフ温度よりも低い場合、触媒の浄化性能の低下によるHCスリップ(HCが触媒により浄化されないまま大気中へ放出されること)を生じるおそれがあり、これを防止するためにHC供給量が低減補正される。この様に、HCスリップを防止するためのHC供給量の低減補正は触媒温度がライトオフ温度を下回っているか否かに応じて行われるが、触媒の上流側や下流側の排気温度は実際の触媒温度を必ずしも反映せず、例えば、触媒上流側の排気温度はエンジン運転状態の推移によっては(例えば低負荷からのエンジン負荷の増大時などには)実際触媒温度を上回ることがある。この場合、図3に示すように触媒出口ガス温度に基づいて求めた基本HC供給量を触媒入口ガス温度に応じて補正する構成によれば、実際触媒温度がライトオフ温度を上回っていないにもかかわらず、ライトオフ温度を上回ったとの判定の下でHC供給量の低減補正が解除されてしまい、その結果、HCスリップが発生することになる。
これとは逆に、昇温初期に続く昇温維持時では、触媒温度(触媒内中心温度)が実際にはライトオフ温度以下に低下していないにもかかわらず、触媒入口ガス温度がライトオフ温度を下回ることがある。この場合、図3に示す構成によれば、触媒温度が実際にはライトオフ温度以下に低下していないにもかかわらずライトオフ温度以下に低下したとの誤判定がなされ、この誤判定に基づいてHC供給量が不必要に低減補正されるため触媒温度が目標温度から大幅に低下してしまう。この結果、昇温効率が低下して昇温に時間がかかり、また、合計HC供給量が増大して燃費が悪化する。また、昇温維持時に目標温度に対して触媒温度が大きく変動することになる。
本発明の目的は、後処理装置の排気浄化触媒に対するHC供給による触媒昇温の初期における触媒の過昇温を抑制するようにした後処理装置の昇温制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、エンジンの排気管内に配され排気浄化触媒とディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)とを有する後処理装置の昇温制御装置において、触媒出口温度センサにより検出された温度(触媒下流側の排気温度)に基づいて求めた基本HC供給量を触媒内上流温度センサにより検出された温度(触媒内上流温度すなわち触媒の上流側端部の温度)に基づいて補正することにより目標HC供給量を設定し、この目標HC供給量に基づき排気浄化触媒の上流側で排ガス中にHCを供給することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1のものにおいて、触媒内上流温度が触媒のライトオフ温度よりも低いときに目標HC供給量を低減補正することを特徴とし、例えば、基本HC供給量を低減補正して目標HC供給量を設定する。
請求項3の発明は、請求項1または2のものにおいて、触媒内上流温度が上限触媒温度よりも高いときには目標HC供給量を低減補正することを特徴とし、例えば、基本HC供給量を低減補正して目標HC供給量を設定する。
請求項1の発明では、触媒下流側の排気温度に基づいて求めた基本HC供給量を触媒内上流温度に基づいて補正することにより目標HC供給量を設定するので、触媒上流側での排ガス中へのHC供給量を触媒の上流側端部における実際触媒温度に応じて精密に制御することができ、昇温初期に生じ易い触媒上流側端部の過昇温を確実に防止することができる。
すなわち、HC供給による昇温時、排気浄化触媒はその上流側端部から温度上昇し、次いで触媒の中心部ないし下流側端部の温度が上昇するため、昇温初期には触媒上流側端部の温度上昇が顕著である一方、触媒の上流側や下流側の排気温度はその様な触媒温度よりも低く、実際触媒温度を代表しない。この様に実際の触媒温度よりも低い触媒温度が検出されるとHC供給量が過大になるので、触媒上流側端部が過昇温されることになる。この点、触媒内上流温度センサは触媒内部において触媒の上流側端部に設けられ、同センサの出力は触媒上流側端部における温度を良好に反映するものとなっており、昇温初期の目標HC供給量をこのセンサ出力(触媒内上流温度)に基づいて設定することにより昇温初期の触媒上流側端部の過昇温を抑制することができる(図2を参照)。
請求項2の発明では、請求項1のものにおいて、触媒内上流温度が触媒ライトオフ温度よりも低いときに目標HC供給量を低減補正するので、HCスリップを防止することができる。
既述のように低負荷からのエンジン負荷の増大時などに触媒上流側の排気温度が実際触媒温度よりも高くなることがあるため、触媒上流側の排気温度に基づくHC供給量補正を伴う昇温制御の場合、触媒温度が実際にはライトオフ温度に達していないにもかかわらずライトオフ温度に到達したとの誤判定が行われてHC供給量の低減補正が解除され、この結果、HC供給量が過大になってHCスリップが発生するおそれがある。また、昇温維持時に触媒上流側の排気温度が実際触媒温度よりも低くなることがあるため、触媒上流側の排気温度に基づくHC供給量補正を伴う昇温制御にあっては、触媒温度が実際にはライトオフ温度を下回っていないにもかかわらずライトオフ温度以下に低下したとの誤判定が行われてHC供給量の低減補正が不必要に行われ(図3参照)、この結果、HC供給による昇温が不充分になり、昇温効率が低下して昇温時間や燃費が増大することになる。
この点、請求項2の発明は触媒内上流温度センサにより検出される触媒内上流温度に基づいてライトオフ判定を行うものとなっており、ここで、触媒内上流温度センサは触媒内部において触媒の上流側端部に設けられ、同センサの出力(触媒内上流温度)は、低負荷からの負荷増大時や昇温維持時などにおける実際の触媒温度とくに触媒の排ガス流れ方向における上流側端部の温度を良好に反映するものになっている。従って、触媒内上流温度に基づくライトオフ判定によれば、特に、低負荷からの負荷増大時や昇温維持時などにおいてライトオフ判定を正確に行うことができ、この結果、低負荷からの負荷増大時に生じ易い昇温初期におけるHCの過剰供給によるHCスリップや、昇温維持時に生じ易いHC供給不足による昇温効率の低下を未然に防止することができる。この様に、昇温初期および昇温維持時に適正なHC供給を行うことができるので、触媒の過昇温を抑制しつつ効率良く昇温および触媒温度維持を行え、昇温制御性を向上することができ、昇温時間の短縮、昇温の効率向上、燃費低減を図ることができる。
請求項3の発明では、触媒内上流温度が上限触媒温度よりも高いときに目標HC供給量を低減補正するので、昇温初期に生じ易い過剰なHC供給による触媒の過昇温を抑制することができる。すなわち、触媒内上流温度センサは触媒内部において触媒の上流側端部に設けられ、同センサの出力(触媒内上流温度)は触媒上流側端部における温度を良好に反映するものとなっており、この触媒内上流温度が上限触媒温度を上回ったときに目標HC供給量を低減補正することにより過剰なHC供給を確実に抑制することができ、従って、昇温初期に生じやすい過剰なHC供給による触媒の過昇温を抑制可能である(図2を参照)。なお、上限触媒温度を上回るとHC供給を抑制することができるので、上限触媒温度を上回るまではHC供給を積極的に行って昇温を短時間内に完了することもできる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による後処理装置の昇温制御装置を説明する。
図1において、参照符号1は、エンジンたとえばコモンレール式ディーゼルエンジンを示し、参照符号10は、エンジン制御装置および昇温制御装置の主要部をなす電子制御ユニット(以下、ECUという)を示す。
詳細な図示を省略するが、コモンレール式ディーゼルエンジン1は、ニードル弁ならびにこのニードル弁の先端側および基端側に設けられた燃料室および制御室を有した燃料インジェクタを気筒毎に備え、燃料室および制御室は燃料通路を介して蓄圧室に接続され、制御室は燃料戻し通路を介して燃料タンクに接続されている。そして、ECU10の制御下で、燃料インジェクタに設けられた電磁弁が開くと、蓄圧室内から供給された高圧燃料が燃料インジェクタを通じてエンジン1の燃焼室に噴射され、電磁弁が閉じると燃料噴射が終了するものとなっており、このように電磁弁の開閉弁時期を制御することで燃料噴射開始・終了時期(燃料噴射量)が調節される。
エンジン1は、吸気マニホールド11に接続された吸気管12と、排気マニホールド13に接続された排気管14とを有している。吸気管12の途中には、過給機20のコンプレッサ21とインタークーラ31と吸気スロットル弁32が配されている。吸気スロットル弁32の開度は、吸気スロットル弁駆動部33を介してECU10により可変調整される。吸気スロットル弁32の開度を絞ることにより排気温度を上昇させることができる。一方、排気管14の途中には、過給機20のタービン22、排気ブレーキ15、軽油添加インジェクタ50、後処理装置40および図示しないマフラが設けられている。
過給機20のコンプレッサ21とタービン22は同期回転可能に連結され、エンジン1から排出される排気ガスの流れにより発生したタービン22の回転力によりコンプレッサ21を回転させ、コンプレッサ21により加圧された吸気をエンジン1に供給するようになっている。この際、加圧されて高温になった空気はインタークーラ31で冷却され、これにより吸入空気の密度を高めて充填効率を向上させてエンジン出力を増大するようにしている。
過給機20にはタービン22をバイパスする排気バイパス通路(図示略)が設けられ、このバイパス通路の途中に設けられた過給機20のウエイストゲート23をウエイストゲート駆動部24を介してECU10により開閉制御して、タービン(コンプレッサ)回転を増減させて吸気管12に供給される吸気の圧力を増減するようになっている。過給機ウエイストゲート23を開くことにより排気温度を上昇させることができる。同様に、排気ブレーキ駆動部16を介してECU10により排気ブレーキ15を開閉可能になっており、排気ブレーキ15を閉じることにより排気昇温可能である。
図1中、参照符号36は、排気マニホールド13から吸気管12に延びるEGR通路を示し、このEGR通路36を介して排ガスの一部を再還流ガスとしてエンジン1に供給するようになっている。EGR通路36の途中には、再還流ガスを冷却してエンジン1へのガス充填密度を高めるEGRクーラ37と、再還流ガスのエンジン1への供給および供給遮断のためのEGR弁38が設けられている。EGR弁38は、EGR弁駆動部39を介してECU10により開閉制御または開度調整される。
後処理装置40は、これに流入した排ガスに含まれるNOxおよびPMを低減するものである。本実施形態の後処理装置40は、PMを捕集して燃焼除去するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)41と、DPF41の前段に配され軽油添加インジェクタ50から供給された軽油(HC)を還元剤として用いて排ガス中のNOxを浄化するNOx吸蔵触媒(排気浄化触媒)42と、DPF41の後段に配され例えば余剰のHCを酸化する後段触媒43とを有している。
軽油添加インジェクタ50は、NOx吸蔵触媒42に軽油(HC)を噴射するものであり、軽油添加インジェクタ駆動部51を介してECU10により開閉制御されるものになっており、この際、軽油添加インジェクタ50からの軽油の噴射量は、例えばエンジン回転数、燃料噴射量、触媒下流側の排気温度、および、目標触媒温度と実際触媒温度との偏差に基づいて決定される。
図1中、参照符号61は、NOx吸蔵触媒42の内部において排ガス流れ方向にみて触媒42の上流側端部(前部)に設けられた触媒内上流排気温度センサ(触媒内上流温度センサ)であり、NOx吸蔵触媒42の上流側端部に形成された図示しない孔を挿通する温度検出端を有し、NOx吸蔵触媒42の上流側端部における排気温度(触媒温度)を検出するようになっている。また、参照符号62は、NOx吸蔵触媒42の下流側に配された温度検出端を有して触媒下流側における排気温度を検出する触媒出口排気温度センサ(触媒出口温度センサ)である。温度センサ61により検出された触媒温度データおよび温度センサ62により検出された排気温度データは昇温制御(触媒温度制御)に供される。
更に、ECU10には負荷センサ71、クランク角センサ72などの各種センサが接続されている。負荷センサ71は、図示しないアクセルペダルの踏込量すなわちアクセル開度をエンジン負荷として検出し、クランク角センサ72は、エンジン1のクランクシャフト(図示略)の回転をエンジン回転数として検出するものである。
ECU10は、負荷センサ71により検出されたエンジン負荷とクランク角センサ72により検出されたエンジン回転数とに基づいてエンジン1の運転領域を判別し、エンジン運転域に応じてエンジン1の各インジェクタ(図示略)の電磁弁をオンオフして燃料噴射時期および燃料噴射量を制御するものになっている。
上記構成のディーゼルエンジン1は、公知のように、リーン空燃比で運転され、このリーン空燃比運転中、エンジン1から排出される排ガス中に含まれるNOx(窒素酸化物)がNOx吸蔵触媒42に吸蔵される。そして、NOx吸蔵量が一定以上まで増大すると、エンジン1のリッチスパイク運転が行われ、NOx吸蔵触媒42に吸蔵されていたNOxが放出され、還元除去される。また、燃料中に含まれる硫黄分によりNOx吸蔵触媒42がS被毒されるとNOx吸蔵触媒42の排ガス浄化作用が低下するので、NOx吸蔵触媒42に吸着されたS成分を還元除去するSパージを行うべく、燃料噴射時期を遅角したり膨張行程後半で追加燃料を噴射し更には排気ブレーキ15や過給機ウエイストゲート23等の吸排気アクチュエータをオン動作させるなどの、排気温度(触媒温度)を上昇させるための昇温制御が実施される。
また、排ガス中に含まれるPMの大気中への排出量を低減するため、PMがDPF41により捕集されるが、PM捕集量が一定以上まで増大するとDPF41の目詰まりによる排圧上昇によってエンジン運転性能が低下するおそれがあるので、捕集されたPMを燃焼除去してDPF41を再生するため、昇温制御が実施される。
本実施形態では、NOx吸蔵触媒42のSパージ時やDPF41の再生時の昇温制御にあたり、ECU10の制御下で軽油添加インジェクタ50を例えば所定のデューティ比で周期的に開作動させて排ガス中に軽油(HC)を噴射し、これによりHC供給を行って排気温度(触媒温度)を上昇させるものとなっている。なお、排気昇温を更に促進するため、例えば排気ブレーキ15を閉じると共に過給機ウエイストゲート23を開くなど、排気ブレーキ15、ウエイストゲート23、吸気スロットル弁32、EGR弁38等の吸排気アクチュエータを排気流量減少方向に制御するようにしてもよい。
上記の昇温制御自体は基本的には従来の昇温制御と変わるところはないが、本発明は、HC供給による昇温における目標HC供給量の設定に特徴がある。すなわち、触媒出口温度センサ62により検出された温度(NOx吸蔵触媒42の下流側における排気温度)に基づいて基本HC供給量を求め、更に、この基本HC供給量を触媒内上流温度センサ61により検出された温度(触媒内上流温度)に基づいて補正することにより目標HC供給量を求めるものになっている。
上記の昇温制御に関連して、図1に示すように、ECU10は目標HC供給量を設定するHC供給量設定部101を備えている。このHC供給量設定部101は、触媒出口温度センサ62に接続された基本HC供給量設定部101と、触媒内上流温度センサ61に接続されたHC供給量補正部103とを有している。
本実施形態において、基本HC供給量設定部101は、例えば、エンジン回転数、燃料噴射量、および、触媒出口温度センサ62により検出された触媒下流側の排気温度に基づいて基本HC供給量を求めるものになっており、また、HC供給量補正部103は、触媒内上流温度センサ61により検出された触媒内上流温度と目標触媒温度との偏差に応じて基本HC供給量を補正して目標HC供給量(ここでは軽油添加インジェクタ50からの軽油の目標噴射量)を求めるようになっている。
そして、目標軽油噴射量(目標HC供給量)に従って軽油添加インジェクタ駆動部51が動作し、これにより、軽油添加インジェクタ50(HC供給手段)から目標量の軽油(HC)が噴射されることになる。
さて、HC供給による昇温時、NOx吸蔵触媒42はその上流側端部から温度上昇し、次いで、触媒42の中心部ないし下流側端部の温度が上昇するため、昇温初期にはNOx吸蔵触媒42の上流側端部の温度上昇が顕著になる。従って、一般には、HC供給量が過大になって触媒上流側端部が過昇温され易い。
例えば、図3に示すように触媒出口ガス温度に基づいてHC供給制御を行うと共に触媒入口ガス温度に基づいてHC供給量を補正する場合、HC供給による昇温の初期のHC供給量が過大になって触媒の上流側端部が過昇温されてしまう。図3において、実線および二点鎖線は触媒の下流側および上流側の温度センサによりそれぞれ検出される触媒出口ガス温度および触媒入口ガス温度を示し、また、破線および一点鎖線は触媒内中心温度および触媒内上流温度(例えば触媒内部における触媒の中心部および上流側端部での排ガス温度)を示す。
HC供給による昇温の初期には、NOx吸蔵触媒42はその上流側端部から温度上昇し、次いで、触媒42の中心部ないし下流側端部の温度が上昇するため、触媒出口ガス温度は触媒温度とくに触媒上流側端部の温度(触媒内上流温度)の上昇に対して相当の遅れをもって上昇することになる。また、触媒入口ガス温度は触媒42への流入排気の温度を表すものであって触媒内上流温度よりも相当に低い。従って、触媒入口および出口温度は共に実際の触媒温度を代表しない。それにも関わらず、図3の場合のように触媒入口および出口ガス温度に基づいてHC供給制御を行うと、触媒に対するHC供給量が過大になり、触媒内上流温度が図3に示すように増大する。すなわち、触媒上流側端部が過昇温されてしまい、触媒が劣化することになる。特にNOx吸蔵触媒の場合、触媒がその一部でも過昇温による劣化をきたすと、触媒のNOx浄化性能の低下が問題になる。
この点、本実施形態の昇温制御装置は、触媒出口温度センサ62により検出した触媒下流側の排気温度(図2に実線で示す)に基づいて決定した基本HC供給量を、触媒内上流温度センサ61により検出した触媒内上流温度(図2に一点鎖線で示す)に基づいて補正して目標HC供給量を設定し、これによりNOx吸蔵触媒42の上流側端部の過昇温を抑制するようにしている。触媒内上流温度センサ61は、NOx吸蔵触媒42の内部において触媒42の上流側端部に設けられ、このセンサ出力は触媒上流側端部の実際温度を良好に反映するものとなっている。従って、温度センサ61の出力(触媒内上流温度)に基づくHC供給量補正を伴うHC供給制御によれば、NOx吸蔵触媒42の上流側での排ガス中へのHC供給量を精密に制御することができ、同触媒42の上流側端部の過昇温を確実に抑制することができる。
特に、本実施形態では、触媒内上流温度が上限触媒温度(熱劣化しない範囲の上限温度よりも少し低い温度)よりも高いときに目標HC供給量を低減補正するので、昇温初期に生じ易い過剰なHC供給による触媒の過昇温を抑制することができる。すなわち、触媒内上流温度センサ61の出力(触媒内上流温度)は既述のようにNOx吸蔵触媒42の上流側端部における温度を良好に反映するものとなっており、この触媒内上流温度が上限触媒温度を上回ったときに目標HC供給量を低減補正することにより過剰なHC供給を確実に抑制することができ、従って、昇温初期に生じやすい過剰なHC供給による触媒の過昇温を抑制可能である(図2を参照)。なお、上限触媒温度を上回ったとき直ちにHC供給を抑制することができるので、上限触媒温度を上回るまではHC供給を積極的に行って昇温を短時間内に完了することができる。
更に、本実施形態では、触媒内上流温度が触媒ライトオフ温度よりも低いときに目標HC供給量を低減補正するので、HCスリップを防止することができる。詳しくは、低負荷からのエンジン負荷の増大時などにあっては触媒入口ガス温度が実際触媒温度よりも高くなることがあるため、触媒入口ガス温度に基づくHC供給量補正を伴う昇温制御の場合(図3)、触媒温度が実際にはライトオフ温度に達していないにもかかわらずライトオフ温度に到達したとの誤判定が行われてHC供給量の低減補正が解除される結果、HC供給量が過大になってHCスリップが発生するおそれがある。また、昇温初期に続く昇温維持時に触媒入口ガス温度(図3に二点鎖線で示す)が実際触媒温度よりも低くなることがあるため、図3の昇温制御によれば、触媒温度が実際にはライトオフ温度を下回っていないにもかかわらずライトオフ温度以下に低下したとの誤判定が行われてHC供給量の低減補正が不必要に行われるおそれがある。この場合、HC供給による昇温が不充分になり、昇温効率が低下して昇温時間や燃費が増大することになる。
この点、本実施形態は触媒内上流温度センサ61により検出される触媒内上流温度(図2に一点鎖線で示す)に基づいてライトオフ判定を行うものとなっており、ここで、NOx吸蔵触媒42の内部において触媒42の上流側端部に設けられた触媒内上流温度センサ61の出力(触媒内上流温度)は、低負荷からの負荷増大時や昇温維持時などにおける実際の触媒温度(とくに触媒42の排ガス流れ方向における上流側端部の温度)を良好に反映するものになっているため、特に、低負荷からの負荷増大時や昇温維持時などにおいてもライトオフ判定を正確に行うことができる。この結果、低負荷からの負荷増大時に生じ易い昇温初期におけるHCの過剰供給によるHCスリップや、昇温維持時に生じ易いHC供給不足による昇温効率の低下を未然に防止することができる。この様に、昇温初期および昇温維持時に適正なHC供給を行うことができるので、NOx吸蔵触媒42の過昇温を抑制しつつ効率良く昇温および触媒温度維持を行え、昇温制御性を向上することができ、昇温時間の短縮、昇温の効率向上、燃費低減を図ることができる。
以上で本発明の好適実施形態による昇温制御装置についての説明を終了するが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々に変形可能である。
例えば、上記実施形態では、HC供給手段として軽油添加インジェクタを用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、メイン噴射に続く膨張行程で追加燃料を噴射するポスト噴射を行うことにより排気管内にHCを供給するようにしても良い。また、上記実施形態ではDPFの前段に配される排気浄化触媒としてNOx吸蔵触媒を用いたが、酸化触媒などのその他の触媒を前段触媒として用いても良い。また、後段触媒を設けることは必須ではない。その他、本発明はその発明の範囲内において種々に変形可能である。
本発明の一実施形態による後処理装置の昇温制御装置を示す概略図である。 図1に示した昇温制御装置による昇温制御の基礎となる触媒出口ガス温度および触媒内上流温度の時間的変化を、触媒入口ガス温度および触媒内中心温度の時間的変化と共に示す図である。 従来の昇温制御の基礎となる触媒出口ガス温度および触媒入口ガス温度の時間的変化を、触媒内上流温度および触媒内中心温度の時間的変化と共に示す図である。
符号の説明
1 エンジン
10 ECU
40 後処理装置
41 DPF
42 NOx吸蔵触媒
50 軽油添加インジェクタ(HC供給手段)
61 触媒内上流温度センサ
62 触媒出口温度センサ
101 目標HC供給量設定部(HC供給量設定手段)
102 基本HC供給量設定部
103 HC供給量補正部

Claims (3)

  1. エンジンの排気管内に配され排気浄化触媒とディーゼルパティキュレートフィルタとを有する後処理装置の昇温制御装置において、
    上記排気浄化触媒の出口側の温度を検出する触媒出口温度センサと、
    上記排気浄化触媒の上流側端部の温度を検出する触媒内上流温度センサと、
    上記触媒出口温度センサにより検出された温度に基づいて求めた基本HC供給量を、上記触媒内上流温度センサにより検出された温度に基づいて補正することにより、目標HC供給量を設定するHC供給量設定手段と、
    上記目標HC供給量に基づき上記排気浄化触媒の上流側で排ガス中にHCを供給するHC供給手段と
    を備えることを特徴とする後処理装置の昇温制御装置。
  2. 上記HC供給量設定手段は、上記触媒内上流温度センサにより検出された温度が上記排気浄化触媒のライトオフ温度よりも低いときには、上記目標HC供給量を低減補正することを特徴とする請求項1に記載の後処理装置の昇温制御装置。
  3. 上記HC供給量設定手段は、上記触媒内上流温度センサにより検出された温度が上記排気浄化触媒の上限温度よりも高いときには、上記目標HC供給量を低減補正することを特徴とする請求項1または2に記載の後処理装置の昇温制御装置。
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