JP2006273620A - リチウム遷移金属複合酸化物及びその製造方法、リチウム遷移金属複合酸化物用焼成前駆体、並びにリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム遷移金属複合酸化物及びその製造方法、リチウム遷移金属複合酸化物用焼成前駆体、並びにリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 結晶性が高く、リチウム二次電池の正極活物質として使用した場合に、初期効率や電流レート特性等の電池特性を向上させることが可能な、リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法を提供する。
【解決手段】 遷移金属化合物の造粒工程と、該造粒工程により得られた遷移金属化合物の造粒粒子とリチウム原料との混合工程と、該混合工程により得られた混合物の焼成工程とを少なくとも備えた、リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法において、該混合工程において、遷移金属化合物の造粒粒子とリチウム原料を混合する際に、リチウム原料を溶解させて混合する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法と、リチウム遷移金属複合酸化物を得るための焼成前駆体、その製造方法又は焼成前駆体により得られるリチウム遷移金属複合酸化物、並びにそのリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム二次電池に関する。
近年、携帯用電子機器、通信機器の小型化、軽量化に伴い、その電源として、また、自動車用動力源として、高出力、高エネルギー密度であるリチウム二次電池が注目されている。リチウム二次電池の正極活物質としては、標準組成がLiCoO2、LiNiO2、LiMn24等のリチウム遷移金属複合酸化物が好ましいことが知られている。
更に、安全性や原料コストの観点から、これらのリチウム遷移金属複合酸化物の遷移金属の一部を他の遷移金属で置換したLiNi1-xMnx2、LiNi1-x-yMnxCoy2等のLiCoO2やLiNiO2と同じ層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物が注目されている。
これらリチウム遷移金属複合酸化物の製造方法として多くの方法が知られているが、例えば、ニッケル原料、コバルト原料、マンガン原料等の遷移金属系原料を含み、所望により更に少量のリチウム原料を含むスラリーを噴霧乾燥して造粒粒子とし、これに所望の組成比となるように更にリチウム原料を乾式混合した後、焼成する方法(特許文献1)や、ニッケル原料、コバルト原料、マンガン原料を、例えば炭酸塩として共沈させて得られる複合炭酸塩を焼成して脱炭酸し、得られた造粒粒子とリチウム原料を乾式混合した後、焼成する方法(特許文献2)などが用いられている。
特開2003−267732号公報 特開平10−134811号公報
しかしながら、上述の特許文献1及び特許文献2に記載の製造方法において、噴霧乾燥や共沈により得られた造粒粒子と混合されたリチウム原料は、通常乾式で混合されるため、混合後は造粒粒子とリチウム原料はお互い点接触しているのみである。こうした状態のものを焼成前駆体として使用した場合、焼成中に造粒粒子全体にリチウム原料が行き渡らない可能性があり、その結果、焼成後のリチウム遷移金属複合酸化物の組成に偏析が見られたり、焼成後のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶性が不十分となったりする場合があった。これによって、焼成後のリチウム遷移金属複合酸化物をリチウム二次電池の正極活物質として使用した場合に、初期効率や電流レート特性等の電池特性が不十分になるという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、結晶性が高く、リチウム二次電池の正極活物質として使用した場合に、初期効率や電流レート特性等の電池特性を向上させることが可能なリチウム遷移金属複合酸化物を製造する方法と、その製造に使用される焼成前駆体、並びにその製造方法又は焼成前駆体により得られるリチウム遷移金属複合酸化物を提供するとともに、そのリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム二次電池を提供することにある。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、遷移金属化合物の造粒粒子とリチウム原料とを混合する際に、リチウム原料を溶解させて混合することによって、結晶性が高く、リチウム二次電池の正極活物質として使用した場合に、初期効率や電流レート特性等の電池特性を向上させることが可能なリチウム遷移金属複合酸化物が得られることを見出して、本発明を完成した。
即ち、本発明の趣旨は、遷移金属化合物の造粒工程と、該造粒工程により得られた遷移金属化合物の造粒粒子とリチウム原料との混合工程と、該混合工程により得られた混合物の焼成工程とを少なくとも備えた、リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法において、該混合工程において、遷移金属化合物の造粒粒子とリチウム原料を混合する際に、リチウム原料を溶解させて混合することを特徴とする、リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法に存する(請求項1)。
ここで、リチウム原料を水分により溶解することが好ましい(請求項2)。
この場合、リチウム原料として水酸化リチウムの水和物を用い、該混合工程でリチウム原料が溶解する温度まで加熱することが好ましい(請求項3)。
また、該混合工程において、水分を共存させるのも好ましい(請求項4)。
また、本発明の別の趣旨は、焼成によりリチウム遷移金属複合酸化物を得るための前駆体であって、遷移金属化合物の造粒粒子をリチウム原料が被覆していることを特徴とする、リチウム遷移金属複合酸化物用焼成前駆体に存する(請求項5)。
また、本発明の別の趣旨は、上述のリチウム遷移金属複合酸化物の製造方法により製造されることを特徴とする、リチウム遷移金属複合酸化物に存する(請求項6)。
また、本発明の別の趣旨は、上述のリチウム遷移金属複合酸化物用焼成前駆体を用いて得られることを特徴とする、リチウム遷移金属複合酸化物に存する(請求項7)。
また、本発明の別の趣旨は、リチウムを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに、リチウム塩を電解質として含有する有機電解液を備えたリチウム二次電池であって、該正極が上述のリチウム遷移金属複合酸化物を含有することを特徴とする、リチウム二次電池に存する(請求項8)。
本発明のリチウム遷移金属複合酸化物の製造方法及びリチウム遷移金属複合酸化物用焼成前駆体によれば、結晶性が高く、リチウム二次電池の正極活物質として使用した場合に、初期効率や電流レート特性等の電池特性を向上させることが可能なリチウム遷移金属複合酸化物を得ることが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内であれば種々に変更して実施することができる。
[I.リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法]
本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物の製造方法(以下適宜「本発明の製造方法」と略する。)は、遷移金属化合物を造粒する工程(造粒工程)と、造粒工程により得られた遷移金属化合物の造粒粒子とリチウム原料とを混合する工程(混合工程)と、混合工程により得られた混合物を焼成する工程(焼成工程)とを少なくとも備えた方法であって、混合工程において、遷移金属化合物の造粒粒子とリチウム原料を混合する際に、リチウム原料を溶解させて混合するものである。
〔遷移金属化合物〕
遷移金属化合物としては、マンガン、ニッケル、コバルト等の遷移金属を含有する化合物の中から、リチウム遷移金属複合酸化物の原料として用いうることが知られているものを適宜選択して用いることができる。例としては、マンガン、ニッケル、コバルト等の遷移金属の酸化物;水酸化物;ハロゲン化物;炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの無機酸塩;酢酸塩などの有機酸塩などが挙げられる。以下の記載では、各々の遷移金属を含有する化合物を、その金属名を冠して「マンガン原料」「ニッケル原料」「コバルト原料」等と呼ぶものとする。
具体的に、マンガン原料としては、Mn23、MnO2、Mn34等のマンガン酸化物、MnCO3、Mn(NO32、MnSO4、酢酸マンガン、ジカルボン酸マンガン、クエン酸マンガン、脂肪酸マンガン等のマンガン塩、オキシ水酸化物、ハロゲン化物等が挙げられる。Mn23として、MnCO3やMnO2などの化合物を熱処理して作製したものを用いてもよい。好ましくは、Mn23、Mn34、MnO2などの酸化物、Mn(OH)2等の水酸化物等が用いられる。
ニッケル原料としては、NiO、NiO2等の酸化物;Ni(OH)2などの水酸化物;NiOOHなどのオキシ水酸化物;NiCl2などのハロゲン化物、NiCO3等が挙げられる。好ましくは、NiOなどの酸化物、Ni(OH)2などの水酸化物等が用いられる。
コバルト原料としては、Co(OH)2などの水酸化物;CoOOHなどのオキシ水酸化物;CoO、Co23などの酸化物;CoCl2などのハロゲン化物;Co(NO32・6H2Oなどの硝酸塩;Co(SO42・7H2Oなどの硫酸塩等が挙げられる。好ましくは、Co34などの酸化物;Co(OH)2などの水酸化物;オキシ水酸化コバルト;炭酸コバルト等が用いられる。
〔置換元素原料〕
本発明の製造方法においては、目的とするリチウム遷移金属複合酸化物の組成に応じて、上述のマンガン、ニッケル、コバルトの他の元素(以下適宜「置換元素」という。)を用いてもよい。
置換元素としては、Fe、Cr、V、Ti、Cu、Ga、Bi、Sn、Zn、Mg、Ge、Nb、Ta、Be、Ca、Sc、Al、B、などが挙げられる。これらの中でも好ましいのは、Al、Bi、B、V、Mg、Nbなどである。
置換元素原料としては、上述の置換元素を含有する化合物(以下適宜「置換元素原料」という。)の中から、リチウム遷移金属複合酸化物の原料として用いうることが知られているものを適宜選択して用いることができる。具体的には、酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物、硝酸塩、炭酸塩、ジカルボン酸塩、脂肪酸塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
〔リチウム原料〕
本発明の製造方法において使用されるリチウム原料は、リチウムを含有する化合物であれば特に制限されないが、好ましくは水酸化リチウムの水和物又は無水水酸化リチウムを用いる。
水酸化リチウムの水和物を使用した場合、その水和物から水分を発生させるような条件で後述の混合工程を行なうことで、外部から水分を加えなくともリチウム原料がを溶解させることができる。水酸化リチウムの水和物としては、水酸化リチウム一水和物が挙げられる。
一方、無水水酸化リチウムを使用した場合、リチウム化合物から水分が発生しないため、後述の混合工程を行なう際に外部から水分を加えて共存させることで、リチウム原料を溶解させることができる。
また、本発明の製造方法に使用されるリチウム原料は、そのメジアン径が通常0.1μm以上、中でも0.5μm以上、また、通常20μm以下、中でも15μm以下、更には10μm以下の範囲であることが好ましい。リチウム原料はメジアン径が小さいほど空気中の水分や二酸化炭素を吸収しやすく、保存安定性に劣る傾向がある。一方、リチウム原料のメジアン径が大きすぎると、得られるリチウム遷移金属複合酸化物の平均粒径が大きく、組成が不均一になりやすく、リチウム遷移金属複合酸化物を電池の正極活物質として使用した際に出力特性等の電池特性が不良となるおそれがある。
本明細書において、リチウム原料の「メジアン径」は、室温で、JIS Z 8825−1に基づいてレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって測定した値である。測定用の分散媒としては、水酸化リチウムを予め飽和溶解させたエタノールを用いる。エタノールに水酸化リチウムを予め飽和溶解させておくことで、測定中にリチウム原料がエタノールに溶解してしまうのを防ぐことができる。測定に当たっては、リチウム原料をエタノールに加えた後、出力30W、周波数22.5kHzの超音波発振器で1分間分散処理を行なってから測定に供する。測定に使用する屈折率は、1.14a000i(実数部1.14、虚数部0.00)である。
〔造粒工程〕
造粒工程としては、例えば、遷移金属化合物(マンガン原料、ニッケル原料、コバルト原料、及び必要に応じて用いられる置換元素原料を総称して呼ぶものとする。)を含有するスラリーを噴霧乾燥することにより造粒粒子を得る方法(噴霧乾燥法)、遷移金属化合物を含有する溶液から沈殿させることにより造粒粒子を得る方法(共沈法)などが挙げられる。
以下の記載では、上述の遷移金属化合物を含有するスラリーを噴霧乾燥することにより造粒粒子を得る方法(噴霧乾燥法)を例として説明を行なう。
・混合・粉砕:
まず、上述の遷移金属化合物を混合・粉砕する。各元素の配合比は、目的とするリチウム遷移金属複合酸化物の組成に応じて適宜調節する。
遷移金属化合物の混合・粉砕方法は、特に限定されるものではなく、湿式で行なっても乾式で行なってもよい。例としては、ビーズミル、ボールミル等を使用する方法が挙げられる。粉砕は、粉砕後の原料粒子の平均粒径が、通常2μm以下、中でも1μm以下、更には0.5μm以下になるまで行なうのが好ましい。平均粒径が大きすぎると、焼成工程における原料同士の反応性が低下するおそれがある。但し、必要以上に小粒径化するのは粉砕のコストアップに繋がるので、平均粒径が通常0.01μm以上、中でも0.05μm以上、更には0.1μm以上となるように粉砕すればよい。
次いで、粉砕された原料を、溶媒とともに混合してスラリーとする。溶媒としては、有機溶媒、水性溶媒などが挙げられるが、コストの点で水が好ましい。
スラリー濃度は特に限定されないが、通常1重量%以上、中でも5重量%以上、更には10重量%以上、特に15重量%以上の範囲が好ましい。スラリー濃度が低すぎると生産性が低下しやすい。一方、スラリー濃度の上限は、通常50重量%以下、中でも45重量%以下、更には40重量%以下の範囲である。スラリー濃度が高すぎるとスラリーの粘度が高くなり、後述する噴霧乾燥にてノズルで噴霧できなくなるおそれがある。
また、スラリーの粘度は特に限定されないが、通常100mPs・s以上、中でも300mPs・s以上、また、通常2000mPs・s以下、中でも1500mPs・s以下の範囲が好ましい。スラリーの粘度が低すぎると、後述の噴霧乾燥の際にきれいな球状粒子が形成されにくい傾向があり、また、高すぎるとノズルで噴霧できなくなるおそれがある。
・噴霧・乾燥:
得られたスラリーを噴霧乾燥して、遷移金属化合物の造粒粒子(これを適宜「造粒粒子」という。)を得る。噴霧乾燥は、生成する造粒粒子の均一性や粉体流動性、粉体ハンドリング性能、二次粒子を効率よく形成できる等の観点から好ましい。噴霧乾燥は公知の方法により行なえばよい。例えば、ノズルの先端に気体流とスラリーとを流入させることによって、ノズルからスラリーを液滴として吐出させ、乾燥ガスと接触させて液滴を迅速に乾燥させる方法を用いることができる。
噴霧乾燥により得られる造粒粒子の平均粒径は、通常50μm以下、中でも40μm以下となるようにするのが好ましい。但し、噴霧乾燥では小さな粒径は得にくい傾向にあるので、平均粒径の下限は通常1μm以上、中でも3μm以上である。
噴霧乾燥法で造粒粒子を製造する場合、その粒子径は、噴霧形式、加圧気体流供給速度、スラリー供給速度、乾燥温度等を適宜選定することによって制御することができる。乾燥雰囲気は通常大気であるが、窒素などの不活性雰囲気下でもよい。乾燥用ガスは、80〜300℃で噴霧装置に導入し、45〜250℃で装置から排出するのが好ましい。
〔混合工程〕
得られた遷移金属化合物の造粒粒子と上述のリチウム原料とを混合する。混合方法は特に限定されないが、混合度合いの観点から、羽根が回転して粉体を混合するミキサータイプの混合装置を用いることが好ましい。混合装置の例としては、ハイスピードミキサー(深江パウテック社製)、アキシャルミキサー(杉山重工社製)、レディゲミキサー(マツボー社製)などが挙げられる。
造粒粒子とリチウム原料との混合割合は、所望するリチウム遷移金属複合酸化物の組成によって決定される。
混合する際の雰囲気としては、不活性雰囲気中で実施することが好ましい。具体的には窒素ガス、アルゴンガス、脱炭酸空気ガス、などが挙げられる。
本発明にて目的とするリチウム遷移金属複合酸化物を得るためには、この混合工程において、リチウム原料を溶解させることが重要である。
リチウム原料を溶解させる手法は特に制限されないが、例としては下記の2種類が挙げられる。
(1)水酸化リチウムの水和物を使用し、水和物が遊離するような温度に加熱する。
(2)無水水酸化リチウムを使用し、外部から水分を加えて共存させる。
・(1)の場合:
リチウム原料として水酸化リチウムの水和物を使用する場合には、その水和物から水分を発生させるような条件下で混合する。具体的には、混合時に水和物が遊離するような温度まで加熱することで、リチウム原料を溶解させることができる。
加熱温度は、リチウム原料が溶解する限り特に制限はないが、例えば60〜80℃が挙げられる。必要に応じて、水酸化リチウムの水和物に対して更に水、メタノール、エタノールなどの溶媒を加えて溶解させてもよい。
・(2)の場合:
リチウム原料として無水水酸化リチウムを使用する場合には、混合時に外部から水分を加えて共存させることで、リチウム原料を溶解させることができる。無水水酸化リチウムは、水、メタノール、エタノールなどの溶媒によって溶解させることができるが、コスト及び溶解性の観点から、特に水分により溶解することが好ましい。
無水水酸化リチウムを使用する場合、混合時に加える水分の量は特に制限されないが、リチウム原料の重量に対して通常1%以上、中でも3%以上、また、通常20%以下、中でも10%以下の範囲である。水分の量がこの範囲を下回ると、リチウム原料が十分に溶解しない。一方、水分の量がこの範囲を上回ると、水分が過剰となり混合がうまく行かなくなる。また、あまりに水分が多くなると、水分により造粒粒子の形状が崩れてしまうおそれがある。
水分を加える方法は特に制限されないが、造粒粒子とリチウム原料との混合中に、混合装置内に水分を霧状に噴霧することが好ましい。造粒粒子及びリチウム原料を混合装置に仕込む時点で、同時に所定量の水を加えると、局所的に造粒粒子の崩れ及びリチウム原料の溶解が起こり、うまく混合ができなくなる。
〔焼成前駆体〕
造粒粒子とリチウム原料を上述の手法で混合することにより、焼成前駆体を得る。
本発明の製造方法において得られる焼成前駆体(以下、これを適宜「本発明の焼成前駆体」という。)は、造粒粒子をリチウム原料が被覆している。ここでいう被覆とは、溶解したリチウム原料が造粒粒子表面の全体あるいは一部を覆っている状態のことである。造粒粒子1粒単独に対してリチウム原料が被覆している状態に加え、いくつかの造粒粒子が纏まった状態に対してリチウム原料が被覆している状態もある。
焼成前駆体のメジアン径は、造粒粒子にも依存するが、通常3μm以上、好ましくは5μm以上、また、通常100μm以下、好ましく50μm以下の範囲である。メジアン径がこの下限を下回ると、粒子が得にくくなるため好ましくない。一方、メジアン径がこの上限を上回ると、多くの造粒粒子が纏まっている状態となり、焼成後の段階で組成の偏析に繋がる可能性がある。
リチウム原料による造粒粒子の被覆状態は、造粒粒子の表面積に対する表面被覆率によって評価することができる。本発明の造粒粒子の表面被覆率は、通常30%以上、好ましくは50%以上の範囲である。表面被覆率がこの下限を下回ると、造粒粒子とリチウム原料との接触面積が低くなるので好ましくいない。一方、表面被覆率は高いほど好ましく、完全に被覆された場合(被覆率100%)には、造粒粒子とリチウム原料との接触面積を最も有効に使用することが出来る。更に、造粒粒子が纏まった状態よりは、1粒単独で被覆されていた方が、造粒粒子とリチウム原料との接触面積をより有効に使用することが出来る。
リチウム原料による造粒粒子の被覆厚さは、通常0.05μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常10μm以下、好ましく5μm以下の範囲である。被覆厚さはできるだけ造粒粒子に対して均一な方がよい。
なお、リチウム原料による造粒粒子の表面被覆率及び被覆厚さは、造粒粒子光学顕微鏡や電子顕微鏡(SEM、TEM)等によって測定することが可能である。
混合工程でリチウム原料を溶解させることにより、上述の効果(結晶性が高く、リチウム二次電池の正極活物質として使用した場合に、初期効率や電流レート特性等の電池特性を向上させることが可能なリチウム遷移金属複合酸化物が得られる)が得られる理由は定かではないが、以下のように推測される。
即ち、リチウム原料が溶解した状態で造粒粒子とリチウム原料とを混合することで、得られる焼成前駆体は上述の様にリチウム原料が造粒粒子を被覆した状態となるため、リチウム原料を溶解させない場合と比較して、造粒粒子とリチウム原料との接触面積が向上する。その状態で焼成を行なうことで、微細なスケールで見た場合でも規則正しい層構造を形成し、その結果、XRDで確認できる結晶性が向上し、電池の正極活物質として使用した際に電池特性の優れたリチウム遷移金属複合酸化物が得られるものと考えられる。
〔焼成工程〕
得られた焼成前駆体を、リチウム遷移金属複合酸化物を得るために焼成する。
焼成温度は、通常500℃以上、好ましくは550℃以上であり、また通常1200℃以下、好ましくは1050℃以下である。焼成温度が低すぎると、結晶性の良い層状リチウム複合酸化物が得難い。また、焼成温度が高すぎると、目的とする層状リチウム複合酸化物以外の相が生成したり、欠陥が多い層状リチウム複合酸化物が生成したりするおそれがある。
また、常温から上記の焼成温度まで昇温する際には、反応をより均一に行なうために、例えば毎分5℃以下の温度で徐々に昇温するか、或いは途中で一旦昇温を停止し、一定温度で保持して全体の温度が均一となるようにするのが好ましい。
焼成時間は、通常1時間以上、好ましくは2時間以上であり、通常100時間以下、好ましくは50時間以下である。焼成時間が短すぎると結晶性の良い層状リチウム複合酸化物が得難く、逆に長すぎる反応時間は工業的に無意味である。
焼成は、通常は空気中で行なうが、他の酸素含有ガス中で行なうこともできる。なお、空気中で焼成する場合には、二酸化炭素を予め除去した空気を用いるのが好ましい。
欠陥の少ない層状リチウム複合酸化物を得るためには、上記の焼成後、ゆっくり冷却することが好ましく、通常600℃まで、特に400℃までは、毎分5℃以下の冷却速度で徐冷することが好ましい。
焼成に使用する加熱装置は、上記の温度、雰囲気を達成できるものであれば、特に制限は無く、例えば箱形炉、管状炉、トンネル炉、ロータリーキルン等を使用することができる。
焼成により得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、通常は粉砕、篩分され、リチウム二次電池の正極材料として用いられる。
[II.リチウム遷移金属複合酸化物]
〔組成〕
本発明の製造方法により得られるリチウム遷移金属複合酸化物(以下適宜「本発明のリチウム遷移金属複合酸化物」という。)の組成は、リチウム二次電池の正極活物質として利用できることが知られているものであれば、特に制限されないが、六方晶層状岩塩構造をもつリチウム遷移金属複合酸化物であることが好ましい。
具体的には、以下の式(1)で表わされる組成が挙げられる。
Figure 2006273620
上記式(1)中、Mは、NiとMnのサイトの一部を置換する金属元素を表し、Fe、Cr、V、Ti、Cu、Ga、Bi、Sn、Zn、Mg、Ge、Nb、Ta、Be、Ca、Sc、Al、B及びZrから選択される少なくとも一種の元素が挙げられる。
上記式(1)中、a、b、c、dは、それぞれ、0.2≦a≦0.85、0≦b≦0.8、0.1≦c≦0.4、0≦d≦0.4、且つ、a+b+c+d=1を満たす数を表わす。また、xは、0.7≦x≦1.3を満たす数を表わし、δは、−0.1<δ<0.1を満たす数を表わす。
また、リチウム遷移金属複合酸化物は、本発明の下記式(2)で表されるニッケル、コバルト、及びアルミニウムを含むリチウム複合酸化物、又は、下記式(3)で表されるニッケル、マンガン、及びコバルトを含むリチウム複合酸化物等であっても好ましい。
Figure 2006273620
上記式(2)中、xは、化学量論比以上のLiのモル過剰量を示し、通常0.01以上、好ましくは0.02以上であり、通常0.2以下、好ましくは0.15以下、より好ましくは0.10以下の数である。xがこの範囲外であると、結晶構造が不安定化したり、これを用いたリチウム二次電池の性能低下を招くおそれがある。
上記式(2)中、eは、通常0より大きく、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上であり、また、通常0.4以下、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下の数である。また、fは、通常0以上、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.04以上であり、また、通常0.3以下、好ましくは0.25以下、より好ましくは0.2以下の数である。e、fが小さ過ぎると、正極活物質の化学的安定性が不十分となるおそれがあり、eが大き過ぎると、コストが上昇し、fが大き過ぎると、電池にした場合の容量が低下するおそれがある。
Figure 2006273620
上記式(3)中、xは化学量論比以上のLiのモル過剰量を示し、通常0以上、好ましくは0.02以上であり、また、通常0.2以下、好ましくは0.15以下、より好ましくは0.10以下の数である。xがこの範囲外であると、結晶構造が不安定化したり、これを用いたリチウム二次電池の性能低下を招くおそれがある。
上記式(3)中、gは、通常0より大きく、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上であり、また、通常0.8以下、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.5以下の数である。
hは、通常0より大きく、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上であり、また、通常0.6以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.4以下の数である。
iは、通常0以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上であり、また、通常0.5以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.3以下の数である。
但し、g+h+i=1である。
g、h、iが上記の範囲を外れると、電池にした場合の容量が低下してしまう場合がある。
本明細書において、リチウム遷移金属複合酸化物の組成は、例えばICP(Inductively Coupled Plasma)分析等の手法により測定することが可能である。
〔メジアン径〕
本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、そのメジアン径が通常20μm以下、好ましくは15μm以下の範囲である。メジアン径が上限を上回るリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として正極を作製すると、塗布工程においてスジ引きの原因となるおそれがあり、また、組成が偏析しているおそれもある。一方、メジアン径の下限は、通常1μm以上、好ましくは3μm以上である。メジアン径が下限を下回ると、微粉が増加して粒子同士が凝集するおそれがある。
本明細書において、リチウム遷移金属複合酸化物の「メジアン径」は、JIS Z 8825−1に基づいて、公知のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって測定される値である。測定の際の分散媒としては、0.1重量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用いる。測定時に使用する屈折率は、1.60a010i(実数部1.60、虚数部0.10)である。なお、リチウム遷移金属複合酸化物粒子は分散媒中で超音波発振器による分散処理を行なうと凝集が解かれるので、凝集の度合いの指標とするために、測定試料を分散媒に投入した後、超音波発振器による分散処理は行なわずに測定に供する。
〔最大粒径〕
本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、その最大粒径が通常40μm以下、好ましくは35μm以下である。最大粒径がこの範囲を上回ると、塗膜作成時に筋ひきが発生しやすい。
本明細書において、リチウム遷移金属複合酸化物の「最大粒径」とは、上述の「メジアン径」の場合と同様、公知のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によって測定される値である。測定の際の分散媒、測定時に使用する屈折率、超音波発振器による分散処理は行なわい点等も、上述の「メジアン径」の測定の場合と同様である。
このようにして得られた本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウム二次電池の正極材料(正極活物質)として用いられる。
[III.リチウム二次電池用正極]
リチウム二次電池用の正極は、通常、正極活物質、バインダー及び導電剤を含有する正極活物質層を集電体上に形成してなり、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物はこの正極活物質として用いられる。正極活物質としては、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を一種のみ単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、一種又は二種以上の本発明のリチウム遷移金属複合酸化物と、一種又は二種以上の他の公知の正極活物質とを組み合わせて用いてもよい。
正極活物質層は通常、上記構成成分を含有するスラリーを調製し、これを集電体上に塗布・乾燥することで得ることができる。
正極活物質層中における正極活物質の割合は、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上であり、通常99.9重量%以下、好ましくは99重量%以下である。正極活物質が多すぎると正極の強度が不足する傾向にあり、少なすぎると容量の面で不十分となることがある。
正極に使用される導電剤としては、天然黒鉛、人造黒鉛、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素等を挙げることができる。活物質層中の導電剤の割合は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは1重量%以上であり、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。導電剤が多すぎると容量の面で不十分となることがあり、少なすぎると電気導電性が不十分になることがある。
また、正極に使用されるバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等のフッ素系高分子の外、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース等を挙げることができる。活物質層中のバインダーの割合は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、更に好ましくは5重量%以上であり、通常80重量%以下、好ましくは60重量%以下、更に好ましくは40重量%以下である。多すぎると容量の面で不十分となることがあり、少なすぎると強度が不十分になることがある。
また、正極活物質層を形成するためのスラリーを調製する際に使用する溶媒としては、通常は結着剤を溶解あるいは分散する有機溶剤が使用される。例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加えてSBR等のラテックスでスラリー化する場合もある。
正極活物質層の厚さは、通常10〜200μm程度である。
正極に使用する集電体の材質としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属が用いられ、好ましくはアルミニウムである。
なお、塗布・乾燥によって得られた活物質層は、電極材料の充填密度を上げるためローラープレス等により圧密されるのが好ましい。
[IV.リチウム二次電池]
本発明のリチウム二次電池は、リチウムを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに、リチウム塩を電解質として含有する有機電解液を備えたリチウム二次電池であって、正極が正極活物質として本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を含有した正極である(即ち、上記[III.リチウム二次電池用正極]の欄で説明したリチウム二次電池用正極である)ことを特徴とする。
本発明のリチウム二次電池に使用できる負極材料としては、炭素材料を使用するのが好ましい。このような炭素材料としては、天然ないし人造の黒鉛、石油系コークス、石炭系コークス、石油系ピッチの炭化物、石炭系ピッチの炭化物、フェノール樹脂・結晶セルロース等樹脂の炭化物及びこれらを一部炭化した炭素材、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、あるいはこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。負極材料は、通常、バインダー及び必要に応じて導電剤とともに集電体上に活物質層として形成される。また、リチウム金属そのものや、リチウムアルミニウム合金等のリチウム合金を負極として用いることもできる。負極に使用できるバインダーや導電剤は、正極に使用するものと同様のものを例示することができる。
負極の活物質層の厚さは、通常10〜200μm程度である。負極の活物質層の形成は、前記正極の活物質層の形成方法に準じて行なうことができる。
負極の集電体の材質としては、通常銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属が用いられ、好ましくは銅である。
本発明のリチウム二次電池に使用できる電解質としては、電解液、高分子固体電解質、半固体状電解質等が挙げられる。
電解液としては、好ましくは非水系電解液が挙げられる。非水系電解液としては、各種の電解塩を非水系溶媒に溶解したものを挙げることができる。
非水系溶媒としては、例えばカーボネート類、エーテル類、ケトン類、スルホラン系化合物、ラクトン類、ニトリル類、ハロゲン化炭化水素類、アミン類、エステル類、アミド類、燐酸エステル化合物等を使用することができる。これらの代表的なものを列挙すると、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、1,2−ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、燐酸トリメチル、燐酸トリエチル等の単独もしくは二種類以上の混合溶媒が使用できる。
上述の非水系溶媒の中でも、電解質を解離させるために高誘電率溶媒を使用するのが好ましい。高誘電率溶媒とは、概ね25℃における比誘電率が20以上の化合物を意味する。高誘電率溶媒の中で、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びそれらの水素原子をハロゲン等の他の元素又はアルキル基等で置換した化合物が電解液中に含まれることが好ましい。
このような高誘電率溶媒を使用する場合、高誘電率溶媒の電解液中に占める割合は、通常20重量%以上、好ましくは30重量%以上、更に好ましくは40重量%以上である。該高誘電率溶媒の含有量が少ないと、所望の電池特性が得られない場合がある。
電解塩としては、従来公知のいずれもが使用でき、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiB(C654、LiCl、LiBr、LiCH3SO3Li、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、LiC(SO2CF33、LiN(SO3CF32等のリチウム塩が挙げられる。
また、CO2、N2O、CO、SO2等のガスやポリサルファイドSx2-、ビニレンカーボネート、カテコールカーボネートなど負極表面にリチウムイオンの効率よい充放電を可能にする良好な皮膜を生成する添加剤を任意の割合で電解液中に存在させてもよい。
なお、電解液の代わりに、リチウムイオン等のアルカリ金属カチオンの導電体である高分子固体電解質を用いることもできる。また、上記電解液を、高分子によって非流動化して半固体状電解質を用いることもできる。本発明のリチウム二次電池においては、正極と負極との間に、上記のような様々な材料によって電解質層を設けることができる。
正極と負極との間には、通常セパレーターが設けられる。セパレータとしては、微多孔性の高分子フィルムが用いられ、その材質としては、ナイロン、ポリエステル、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンや、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィン系高分子を挙げることができる。また、ガラス繊維等の不織布フィルター、更にはガラス繊維と高分子繊維の複合不織布フィルター等も用いることができる。セパレータの化学的及び電気化学安定性は重要な因子であり、この点から材質としては、ポリオレフィン系高分子が好ましく、特に、電池セパレータの目的の一つである自己閉塞温度の点からポリエチレン製であることが好ましい。
ポリエチレン製セパレータの場合、高温形状維持性の点から超高分子量ポリエチレンであることが好ましく、その分子量の下限は好ましくは50万以上、更に好ましくは100万以上、最も好ましくは150万以上である。他方分子量の上限は、好ましくは500万以下、更に好ましくは400万以下、最も好ましくは300万以下である。分子量が大きすぎると、流動性が低すぎて加熱されたときセパレータの孔が閉塞しない場合があるからである。
リチウム二次電池の形状は、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。形状としては、例えば、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ等が挙げられる。リチウム二次電池は、目的とする電池の形状に合わせ公知の方法により組み立てればよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[I.評価方法]
〔X線回折測定〕
<測定条件>
下記条件でX線回折測定を実施し、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶性を評価した。
・X線源: CuKα線(CuKα=1.5418Å)
・発散スリット: 1°
・散乱スリット: 1°
・受光スリット: 0.3mm
・ステップ幅: 0.02°
<ピーク半価幅>
六方晶層状岩塩構造の[003]に帰属される18.8°付近のピークが最も強度が強いことから、このピークの半価幅を比較して結晶性の指標とした。半価幅の値が小さい方がより結晶性が高いことになる。
<ピーク強度比>
六方晶層状岩塩型の結晶構造では[003]に対応する反射は現れないことから、この六方晶層状岩塩構造の[003]に帰属される18.8°付近のピークが小さくなるほど、岩塩型の結晶相の混入の割合が大きく、そのようなリチウム遷移金属複合酸化物をリチウムイオン二次電池用正極材料として使用して電池評価を行なうと、容量が小さくなってしまう(特開平6−96769号公報参照)。そこで、[003]のピーク強度を定量的に比較するため、強度変化が小さい[104]に帰属される44.6°付近のピークとの強度比([003]/[104])にて、岩塩型の結晶相の混入割合を比較した。この強度比([003]/[104])の値が大きい方が、岩塩型の結晶相の混入割合が小さくなる指標となる。その結果、電池特性も良好となると考えられる。
〔電池特性測定〕
<初期効率・レート評価>
(i)電池作製:
実施例及び比較例で得られたリチウム遷移金属複合酸化物75重量部、アセチレンブラック20重量部及びポリテトラフルオロエチレンパウダー5重量部を乳鉢で十分混合し、薄くシート状にしたものを9mmφに打ち抜いた。これをアルミニウム製のエキスパンドメタルに圧着して正極とした。
負極としては、直径12mm、厚さ1mmの金属リチウムを用いた。
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの重量比3:7の混合溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/リットルとなるように溶解させ、電解液を調製した。
正極缶の中に、上述の電解液を浸した上述の正極、次いで上述の電解液を浸した多孔性ポリエチレンフィルム製のセパレータを置いた後、ポリプロピレン製ガスケットを載せて押さえた。更に上記の負極及びスペーサーを入れ、最後に負極缶をかぶせて封口し、評価用のコイン型電池(リチウム二次電池)を作成した。
(ii)初期効率の測定:
以上のようにして作製した評価用の電池について、測定条件として3.0V〜4.2Vの電圧範囲で充放電を実施した。
充電時、放電時共に0.2mA/cm2の電流密度で充放電試験を実施した際の、正極活物質単位重量当たりの初期充電容量(mAh/g)及び初期放電容量(mAh/g)を測定した。それらの比を百分率で求め({(初期放電容量)/(初期充電容量)}×100)、得られた値を初期効率とした。
(iii)レート評価:
充電時0.2mA/cm2、放電時11mA/cm2の電流密度で充放電試験を実施した際の、正極活物質単位重量当たりの初期放電容量(mAh/g)を測定し、この値をレート評価の指標として用いた。
<抵抗評価>
(i)電池作製:
実施例及び比較例で得られたリチウム遷移金属複合酸化物75重量部、アセチレンブラック20重量部及びポリテトラフルオロエチレンパウダー5重量部を乳鉢で十分に混合し、薄くシート状にしたものを12mmφに打ち抜いた。これをアルミニウム製のエキスパンドメタルに圧着して正極とした。
粒径約8〜10μmの黒鉛粉末92.5重量部と、ポリフッ化ビニリデン7.5重量部とを混合し、これにN−メチルピロリドンを加えてスラリーとした。銅箔の片面にこのスラリーを塗布し、乾燥させた。これを12mmφに打ち抜き、更に0.5トン/cm2でプレス処理して負極とした。
エチレンカーボネートをジエチルカーボネートの重量比3:7の混合溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/リットルとなるように溶解させ、電解液を調製した。
正極缶の中に、上記の電解液を浸した上記の正極、次いで上記の電解液を浸した多孔性ポリエチレンフィルム製のセパレータを置いた後、ポリプロピレン製ガスケットを載せて押さえた。更に、電解液を浸した上記の負極及びスペーサーを入れ、最後に負極缶をかぶせて封口し、評価用のコイン型電池(リチウム二次電池)を作製した。
(ii)室温抵抗評価:
次掲「(iii)サイクル負荷試験」の前後に、室温抵抗の評価を行なった。
25℃の温度下で、1/3Cの定電流で4.1Vになるまで充電した後、下限電圧3.0Vとして1/3Cの定電流充放電を行ない、充電深度40%に調整した。このコイン型電池について、1/4Cで10秒間放電を行なった。放電時の電流値(I)、放電直前のOCV(Open Circuit Voltage)1及び放電後のOCV2を測定した。OCV1とOCV2との差をΔVとし、次式より抵抗(R)を算出した。
Figure 2006273620
(iii)サイクル負荷試験:
まず25℃で定電流0.2C、充電上限電圧4.1V、放電下限電源3.0Vで充放電を2サイクル行なった。次に、60℃で、定電流1C、充電上限電圧4.1V、放電下限電圧3.0Vで充放電を100サイクル繰り返した。ここで「1C」とは、電池の基準容量を1時間で放電する電流値を表わす。
[II.リチウム遷移金属複合酸化物の作製及び分析]
〔実施例1〕
Ni(OH)2、Co(OH)2、及びMn34を、Ni:Co:Mn=0.33:0.33:0.33のモル比になるように混合し、これに水を加えて固形分濃度15重量%のスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機を用いて、スラリー中の固形分の平均粒径が0.2μm以下になるまで粉砕した。このスラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥し、メジアン径約10μmのほぼ球状の造粒粒子を得た。乾燥ガスとしては空気を用い、乾燥ガス入口温度は140℃とした。
噴霧乾燥により得られた造粒粒子とLiOH・H2O粉砕品を、Li:(Ni+Co+Mn)=1.05:1となるように秤量し、ミキサー型混合機にて30分混合し、混合粉を得た。この際、混合系内の温度を70℃(±10℃)に保温した。この混合粉を空気雰囲気下、990℃で15時間焼成し、乳鉢で解砕後、篩目45μのm篩で篩分し、リチウム遷移金属複合酸化物を得た。
実施例1のリチウム遷移金属複合酸化物について、その組成をICP法により分析した結果、その組成はほぼ仕込み通りであった。
また、実施例1のリチウム遷移金属複合酸化物について、上述の手法によりX線回折分析を実施した。結果を後出の表−1に示す。
また、実施例1のリチウム遷移金属複合酸化物を用いて、上述の手法により評価用のコイン型セル電池を作製し、電池の評価を行なった。結果を後出の表−2に示す。
〔比較例1〕
Ni(OH)2、Co(OH)2、及びMn34を、Ni:Co:Mn=0.33:0.33:0.33のモル比になるように混合し、これに水を加えて固形分濃度15重量%のスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機を用いて、スラリー中の固形分の平均粒径が0.2μm以下になるまで粉砕した。このスラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥し、メジアン径約10μmのほぼ球状の造粒粒子を得た。乾燥ガスとしては空気を用い、乾燥ガス入口温度は140℃とした。
噴霧乾燥により得られた造粒粒子と無水LiOH粉砕品を、Li:(Ni+Co+Mn)=1.05:1となるように秤量し、ミキサー型混合機にて30分混合し、混合粉を得た。この際、混合系内の温度は25℃(±5℃)に維持した。この混合粉を空気雰囲気下、990℃で15時間焼成し、乳鉢で解砕後、篩目45μのm篩で篩分し、リチウム遷移金属複合酸化物を得た。これを比較例1のリチウム遷移金属複合酸化物とする。
比較例1のリチウム遷移金属複合酸化物について、その組成をICP法により分析した結果、その組成はほぼ仕込み通りであった。
また、比較例1のリチウム遷移金属複合酸化物について、上述の手法によりX線回折分析を実施した。結果を後出の表−1に示す。
また、比較例1のリチウム遷移金属複合酸化物を用いて、上述の手法により評価用のコイン型セル電池を作製し、電池の評価を行なった。結果を後出の表−2に示す。
[III.リチウム遷移金属複合酸化物の分析結果の評価]
〔X線回折測定結果〕
Figure 2006273620
上記表−1より、実施例1のリチウム遷移金属複合酸化物は、比較例1のリチウム遷移金属複合酸化物に比べて、[003]ピーク半価幅の値が小さく、結晶性がより高いことが判る。
また、実施例1のリチウム遷移金属複合酸化物は、比較例1のリチウム遷移金属複合酸化物に比べて、[003]/[104]強度比の値が大きく、岩塩型結晶相の混入割合がより小さいことが判る。
以上の結果から、実施例1のリチウム遷移金属複合酸化物は、比較例1のリチウム遷移金属複合酸化物に比べて、リチウム二次電池の正極材料として用いた場合に、得られる電池特性も良好となると考えられる。
〔電池特性測定結果〕
Figure 2006273620
上記表−2より、実施例1のリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム二次電池は、比較例1のリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム二次電池に比べて、初期効率及び大電流(11mA/cm2)での放電容量が高く、また、サイクル試験前後での抵抗増加倍率が低かった。従って、実施例1のリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム二次電池の方が、全体的に電池特性が良好な結果となった。
以上の結果から、遷移金属化合物の造粒粒子とリチウム原料を混合する際に、リチウム原料を溶解させて混合することにより、遷移金属化合物の造粒粒子とリチウム原料との接触面積を向上させることができ、その結果、焼成後の結晶性が高いリチウム遷移金属複合酸化物が得られ、それをリチウム二次電池の正極活物質として使用することで、優れた電池特性を示すことが判った。
本発明の用途は特に限定されず、リチウム二次電池が用いられる電子機器等の各種の分野において、好適に利用できる。

Claims (8)

  1. 遷移金属化合物の造粒工程と、該造粒工程により得られた遷移金属化合物の造粒粒子とリチウム原料との混合工程と、該混合工程により得られた混合物の焼成工程とを少なくとも備えた、リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法において、
    該混合工程において、遷移金属化合物の造粒粒子とリチウム原料を混合する際に、リチウム原料を溶解させて混合する
    ことを特徴とする、リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法。
  2. リチウム原料を水分により溶解する
    ことを特徴とする、請求項1記載のリチウム遷移金属複合酸化物の製造方法。
  3. リチウム原料が水酸化リチウムの水和物であり、該混合工程でリチウム原料が溶解する温度まで加熱する
    ことを特徴とする、請求項2記載のリチウム遷移金属複合酸化物の製造方法。
  4. 該混合工程において、水分を共存させる
    ことを特徴とする、請求項2記載のリチウム遷移金属複合酸化物の製造方法。
  5. 焼成によりリチウム遷移金属複合酸化物を得るための前駆体であって、
    遷移金属化合物の造粒粒子をリチウム原料が被覆している
    ことを特徴とする、リチウム遷移金属複合酸化物用焼成前駆体。
  6. 請求項1〜4の何れか一項に記載のリチウム遷移金属複合酸化物の製造方法により製造される
    ことを特徴とする、リチウム遷移金属複合酸化物。
  7. 請求項5記載のリチウム遷移金属複合酸化物用焼成前駆体を用いて得られる
    ことを特徴とする、リチウム遷移金属複合酸化物。
  8. リチウムを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに、リチウム塩を電解質として含有する有機電解液を備えたリチウム二次電池であって、
    該正極が、請求項6又は請求項7に記載のリチウム遷移金属複合酸化物を含有する
    ことを特徴とする、リチウム二次電池。
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