JP2006269384A - アルカリ電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】親水性、耐アルカリ性、耐酸化劣化性、電池製造時の歩留まりが高く、高容量で出力特性と寿命特性に優れた電池用セパレータを提供することにある。
【解決手段】ポリエチレン系合成パルプとポリオレフィン系繊維から構成された不織布を硫酸ガスと乾燥空気または窒素ガスとの混合ガス中でスルホン化処理したことを特徴とする電池用セパレータ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池、等のアルカリ二次電池に好適に使用できるアルカリ電池用セパレータ関する。さらに詳しくは、急速充電と大電流放電が可能で、耐アルカリ性に優れたアルカリ電池用セパレータに関する。
アルカリ二次電池は、充放電特性、過充放電特性に優れ、長寿命で繰り返し使用できるため、携帯電話、パソコン、オーディオ等の小型電子機器の他に、最近ではハイブリッド自動車、電動自転車等の大型機器にも広く使用されている。小型電子機器用途および大型機器用途のどちらにおいても、アルカリ二次電池の高容量化、小型化、軽量化、使用可能な温度領域の拡大化等が求められている。アルカリ二次電池用セパレータの役割としては、正極と負極の分離、短絡防止、電解液の保持、また、電極反応により生じるガスの透過などが挙げられる。
従来から、電解液に濡れやすくて、その保液量が大きく、しかも電解液を含んだ状態で電気抵抗が低い、ポリアミド繊維不織布がアルカリ電池セパレータ用不織布として使用されている。又、比較的高温における耐久性の必要なアルカリ電池には、ポリオレフィン繊維不織布がアルカリ電池セパレータとして使用されている。
ところが、前記のポリアミド繊維不織布からなるアルカリ電池セパレータは、繰り返し使用により、ポリアミド繊維から窒素酸化物が溶出し、アルカリ電池の寿命を縮めるという欠点がある。更に、ポリアミド繊維不織布からなるアルカリ電池セパレータ用不織布は、ポリアミド中に含まれている窒素の為に、酸化されたときに硝酸根を生じ、このため、自己放電がしやすい上、電極の腐食を招くという問題があった。
一方でポリオレフィン繊維は耐アルカリ性、耐酸化劣化性には優れているものの、親水性に劣るため、ポリオレフィン繊維に親水性を付与しなければならない。ポリオレフィン系繊維で構成される不織布は、親水性が低いために、スルホン化処理、親水性単量体のグラフト処理、コロナ放電処理、界面活性剤含浸処理などが施されるのが一般的である(例えば、特許文献1〜3)。
このうち、スルホン化処理は発煙硫酸や濃硫酸によって不織布にスルホン酸基を導入する方法である。スルホン化処理を施した不織布は、電解液の保液性に優れ、かつ電池の自己放電反応を抑制する効果がある。しかしながら、発煙硫酸や濃硫酸によるスルホン化は、反応条件の設定が難しく、反応時間を長くし過ぎたり、温度を高くし過ぎると、不織布が炭化したり、熱収縮したり、フィルム化するという問題があった(例えば、特許文献2、4、5)。
ポリオレフィン繊維を用いた不織布ではスルホン化処理による強度劣化のために太繊維が使用されるが、その分通気性が大きくなり、短絡発生率が高くなる。近年、アルカリ二次電池の小型化、高容量化のため、電池用セパレータの薄膜化が進んでおり、太繊維を用いると短絡発生率が高くなる。
そこで、合成パルプを使用し、不織布の緻密性を向上することが提案されている。例えば、ポリプロピレン系合成パルプを用い緻密性をあげ、その不織布にスルホン化処理で親水化処理を行っている(特許文献6)。ポリプロピレン系合成パルプでは、熱融着が弱く、不織布の強度を出せない。無理に熱融着させようとするとフィルム化状態になり、保液性が悪くなる。また、ポリプロピレン系合成パルプをポリエチレン系合成パルプに置き換えた不織布に同様なスルホン化処理を行うと反応速度が高温のため、不織布の劣化が著しい問題があった。
特開平56−003973号公報(第1頁) 特開昭58−175256号公報(第1頁) 特開平01−132042号公報(第1頁) 特開昭64−057568号公報 特開平06−140018号公報 特開平11−339751号公報
親水性、耐アルカリ性、耐酸化劣化性、電池製造時の歩留まりが高く、高容量で出力特性と寿命特性に優れた電池用セパレータを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、
(1)ポリエチレン系合成パルプとポリオレフィン系繊維から構成された不織布を硫酸ガスと乾燥空気または窒素ガスとの混合ガス中でスルホン化処理したことを特徴とする電池用セパレータ、(2)ポリエチレン系合成パルプの含有量が8〜25質量%あることを特徴とする(1)の電池用セパレータ、(3)ポリエチレン系合成パルプとポリオレフィン系繊維から構成された不織布を熱カレンダー処理したことを特徴とする(1)又は(2)の電池用セパレータ、(4)ポリエチレン系合成パルプに0.5〜3質量%のポリビニルアルコールが含まれていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載の電池用セパレータ、を見いだした。
ポリエチレン系合成パルプの使用により薄型でも短絡が押さえられ、気相スルホン化処理により、劣化による強度不足もなく、自己放電特性にすぐれたセパレータが得られる。
以下、本発明を詳説する。
本発明はポリオレフィン系繊維を構造体として使用し、微細繊維状のポリエチレン系合成パルプを目止めに使用するという構成を基本とし、微細繊維状のポリエチレン系合成パルプを使用することで、均一な地合いを満たすことができる。また、ポリオレフィン系繊維を使用することで、熱融着によって十分な機械的強度を満たすことができる。従来のポリオレフィン系不織布のスルホン化には長時間かかるのが常であったが、本発明に使用するポリエチレン系合成パルプは、表面積が多くなるだけでなく、ポリビニルアルコールを含有するポリエチレン系合成パルプでは、その水酸基がスルホン化に対する反応点として特異点的に作用するため、短時間処理でのスルホン化が可能である。硫酸ガスと乾燥空気または窒素ガスとの混合ガスの使用により、マイルドな条件でスルホン化が可能となり、ポリエチレン系合成パルプといった低融点の微細繊維を使用していても、フィルム化など起こらずに、強度劣化もなくスルホン化処理されたアルカリ電池用セパレータを得ることができる。
本発明のポリエチレン系合成パルプとは、ポリェチレンを原料として製造されたパルプ状物をいい、なかでも、特公昭55−10683号公報に開示された、原料の炭化水素溶媒より高温、高圧の溶液を減圧領域中にフラッシュ放出する方法、または、特公昭52−47049号公報に開示されている、原料のエマルジョン溶液を高温、高圧の状態で減圧領域中にフラッシュ放出する方法などに代表されるフラッシュ紡糸方法によって得られた物が好ましい。さらに合成パルプの表面をポリビニルアルコールによって処理することが好ましい。ポリビニルアルコールによる処理は、合成パルプのエマルジョン溶液に対して0.5〜3.0質量%、好ましくは1.0〜2.0質量%を添加して行うことが好ましいが、その他の工程で添加してもよい。ポリビニルアルコールの水酸基がスルホン化に対する反応点として特異点的に作用するため、短時間処理でのスルホン化が可能である。また、ポリビニルアルコールによりポリエチレン系合成パルプは親水化され、合成パルプのフロック化が防止される。アルカリ電池用セパレータとしては、ポリエチレン系合成パルプの含有量が多すぎると通気性が低すぎて内部抵抗が高くなりすぎることがある。また、含有量が少ないと緻密性がなくなり、短絡の原因となる。好ましくは含有量が8〜25質量%であり、より好ましくは10〜20質量%である。
本発明のポリオレフィン系繊維とは、例えばポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの単一成分からなる繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂を適宜組み合わせた、芯鞘型、サイドバイサイド型、偏芯型あるいは分割性複合繊維などからなる繊維である。繊維長、繊維径は特に限定しないが、シート強度とシート化のし易さから、繊維径は1μm〜20μm、繊維長は1mm〜20mmが好ましい。また、分割繊維を水流交絡による分割、リファイナーによる分割などにより細分化して利用することもできる。
次にスルホン化について説明する。本発明の電池セパレータ主対象であるアルカリ二次電池は約30質量%の水酸化カリウム水溶液を電解液としているが、セパレータとしてはその電解液を保持することが要求される。本発明のポリオレフィン系不織布は、そのままではセパレータとして必要とされる親水性が不足しており、スルホン酸基を導入することにより親水性を持たせる必要がある。不織布を気体状無水硫酸と接触させることにより行う。例えば、反応容器中に連続して送りながら気体状無水硫酸を不織布の進行方向に対して、向流または並流などにより導入する連続反応方法、不織布を撹拌棒に均一に巻いてこれを回転させながら気体状無水硫酸を導入する方法などが上げられる。
本発明に用いられる気体状無水硫酸の濃度は、0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜30質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。気体状無水硫酸によるスルホン酸基の導入反応は、発熱反応であるため、気体状無水硫酸を空気や窒素やアルゴン等で希釈して用いることが好ましい。また、反応温度は、10〜65℃、より好ましくは20〜45℃である。反応温度が10℃より低くなると、結露等が問題となり反応が進みにくくなり、65℃を超えると、ポリエチレン系合成パルプの劣化が起こることがある。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における、部、%はすべて質量によるものである。
<ポリエチレン系合成パルプの作製>
ポリエチレンよりフラッシュ紡糸法によって得られた繊維状物を2質量%の濃度で分散させ、得られた分散液を均質化装置(Gaulin社製 15M−8TA)に常温で仕込み、4.5MPaの圧力をかけて10回通過させて、カナダ標準形濾水度500ml、繊維長1.0mmのポリエチレン合成パルプを得た。平均繊維径は、顕微鏡観察により、また、平均繊維長はTAPPI T232hm−85に従って測定した。フラッシュ紡糸時、ポリエチレンのエマルジョン溶液に対してポリビニルアルコールが2質量%添加されて得られたポリエチレン系合成パルプを合成パルプA、ポリエチレンのエマルジョン溶液に対してポリビニルアルコールが添加せず得られたポリエチレン系合成パルプを合成パルプBとする。
実施例1
合成パルプA25部を水に分散させ1質量%にしたスラリーと、ポリオレフィン系繊維としてポリプロピレンとポリエチレンからなる芯鞘繊維(大和紡績社製、NBF−H、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)75部を水中に分散させ1質量%にスラリーを調整し、湿式抄造法により丸網抄紙機で、坪量51.0g/m2、幅50cmのウェブを作製した。次に、この様にして得られたウェブを120℃でカレンダー処理を行って、厚さ125μmの不織布にした。得られた不織布を1m/minの速度で長さ2mの反応装置に送り込み、10質量%に窒素で希釈した気体状無水硫酸を流速3000ml/minを導入して、装置内温度を40℃に保持しながら処理した。アルカリで中和後、イオン交換水で洗浄し、乾燥し、スルホン化処理した電池セパレータを得た。
実施例2
合成パルプA10部を水中に分散させ1質量%にしたスラリーと、ポリオレフィン系繊維としてポリプロピレンとポリエチレンからなる芯鞘繊維(大和紡績社製、NBF−H、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)75部、ポリプロピレンからなる繊維(大和紡績社製、PZ、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)15部を水中に分散させ1質量%にスラリーを調整し、湿式抄造法により丸網抄紙機で、坪量40.0g/m2、幅50cmのウェブを作製した。次に、この様にして得られたウェブを120℃でカレンダー処理を行って、厚さ90μmの不織布にした。得られた不織布を1m/minの速度で長さ2mの反応装置に送り込み、10質量%に窒素で希釈した気体状無水硫酸を流速3000ml/minを導入して、装置内温度を40℃に保持しながら処理した。アルカリで中和後、イオン交換水で洗浄し、乾燥し、スルホン化処理した電池セパレータを得た。
実施例3
合成パルプA8部を水中に分散させ1質量%にしたスラリーと、ポリオレフィン系繊維としてポリプロピレンとポリエチレンからなる芯鞘繊維(大和紡績社製、NBF−H、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)80部、ポリプロピレンからなる繊維(大和紡績社製、PZ、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)12部を水中に分散させ1質量%にスラリーを調整し、湿式抄造法により丸網抄紙機で、坪量60.0g/m2、幅50cmのウェブを作製した。次に、この様にして得られたウェブを120℃でカレンダー処理を行って、厚さ140μmの不織布にした。得られた不織布を1m/minの速度で長さ2mの反応装置に送り込み、10質量%に窒素で希釈した気体状無水硫酸を流速3000ml/minを導入して、装置内温度を40℃に保持しながら処理した。アルカリで中和後、イオン交換水で洗浄し、乾燥し、スルホン化処理した電池セパレータを得た。
実施例4
合成パルプA15部を水中に分散させ1質量%にしたスラリーと、ポリオレフィン系繊維としてポリプロピレンとポリエチレンからなる芯鞘繊維(大和紡績社製、NBF−H、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)75部、ポリプロピレンからなる繊維(大和紡績社製、PZ、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)10部を水中に分散させ1質量%にスラリーを調整し、湿式抄造法により丸網抄紙機で、坪量43.0g/m2、幅50cmのウェブを作製した。次に、この様にして得られたウェブを120℃でカレンダー処理を行って、厚さ105μmの不織布にした。得られた不織布を1m/minの速度で長さ2mの反応装置に送り込み、10質量%に窒素で希釈した気体状無水硫酸を流速3000ml/minを導入して、装置内温度を40℃に保持しながら処理した。アルカリで中和後、イオン交換水で洗浄し、乾燥し、スルホン化処理した電池セパレータを得た。
実施例5
合成パルプA12部を水中に分散させ1質量%にしたスラリーと、ポリオレフィン系繊維としてポリプロピレンとポリエチレンからなる芯鞘繊維(大和紡績社製、NBF−H、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)78部、ポリプロピレンからなる繊維(クラレ社製、PP、繊度0.08デシテックス、繊維長3mm)10部を水中に分散させ1質量%にスラリーを調整し、湿式抄造法により丸網抄紙機で、坪量52.0g/m2、幅50cmのウェブを作製した。次に、この様にして得られたウェブを120℃でカレンダー処理を行って、厚さ125μmの不織布にした。得られた不織布を1m/minの速度で長さ2mの反応装置に送り込み、10質量%に窒素で希釈した気体状無水硫酸を流速3000ml/minを導入して、装置内温度を40℃に保持しながら処理した。アルカリで中和後、イオン交換水で洗浄し、乾燥し、スルホン化処理した電池セパレータを得た。
実施例6
合成パルプA20部を水中に分散させ1質量%にしたスラリーと、ポリオレフィン系繊維としてポリプロピレンとポリエチレンからなる芯鞘繊維(大和紡績社製、NBF−H、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)60部、ポリプロピレンからなる繊維(大和紡績社製、PZ、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)20部を水中に分散させ1質量%にスラリーを調整し、湿式抄造法により丸網抄紙機で、坪量42.0g/m2、幅50cmのウェブを作製した。次に、この様にして得られたウェブを120℃でカレンダー処理を行って、厚さ100μmの不織布にした。得られた不織布を1m/minの速度で長さ2mの反応装置に送り込み、10質量%に窒素で希釈した気体状無水硫酸を流速3000ml/minを導入して、装置内温度を40℃に保持しながら処理した。アルカリで中和後、イオン交換水で洗浄し、乾燥し、スルホン化処理した電池セパレータを得た。
実施例7
合成パルプB35部を水中に分散させ1質量%にしたスラリーと、ポリオレフィン系繊維としてポリプロピレンとポリエチレンからなる芯鞘繊維(大和紡績社製、NBF−H、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)65部を水中に分散させ1質量%にスラリーを調整し、湿式抄造法により丸網抄紙機で、坪量42.0g/m2、幅50cmのウェブを作製した。次に、この様にして得られたウェブを120℃でカレンダー処理を行って、厚さ96μmの不織布にした。得られた不織布を1m/minの速度で長さ2mの反応装置に送り込み、10質量%に窒素で希釈した気体状無水硫酸を流速3000ml/minを導入して、装置内温度を40℃に保持しながら処理した。アルカリで中和後、イオン交換水で洗浄し、乾燥し、スルホン化処理した電池セパレータを得た。
実施例8
合成パルプA3部を水中に分散させ1質量%にしたスラリーと、ポリオレフィン系繊維としてポリプロピレンとポリエチレンからなる芯鞘繊維(大和紡績社製、NBF−H、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)80部、ポリプロピレンからなる繊維(大和紡績社製、PZ、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)17部を水中に分散させ1質量%にスラリーを調整し、湿式抄造法により丸網抄紙機で、坪量53.0g/m2、幅50cmのウェブを作製した。次に、この様にして得られたウェブを120℃でカレンダー処理を行って、厚さ130μmの不織布にした。得られた不織布を1m/minの速度で長さ2mの反応装置に送り込み、10質量%に窒素で希釈した気体状無水硫酸を流速3000ml/minを導入して、装置内温度を40℃に保持しながら処理した。アルカリで中和後、イオン交換水で洗浄し、乾燥し、スルホン化処理した電池セパレータを得た。
実施例9
合成パルプB10部を水中に分散させ1質量%にしたスラリーと、ポリオレフィン系繊維としてポリプロピレンとポリエチレンからなる芯鞘繊維(大和紡績社製、NBF−H、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)75部、ポリプロピレンからなる繊維(大和紡績社製、PZ、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)15部を水中に分散させ1質量%にスラリーを調整し、湿式抄造法により丸網抄紙機で、坪量40.0g/m2、幅50cmのウェブを作製した。次に、この様にして得られたウェブを120℃でカレンダー処理を行って、厚さ90μmの不織布にした。得られた不織布を1m/minの速度で長さ2mの反応装置に送り込み、10質量%に窒素で希釈した気体状無水硫酸を流速3000ml/minを導入して、装置内温度を40℃に保持しながら処理した。アルカリで中和後、イオン交換水で洗浄し、乾燥し、スルホン化処理した電池セパレータを得た。
実施例10
合成パルプB15部を水中に分散させ1質量%にしたスラリーと、ポリオレフィン系繊維としてポリプロピレンとポリエチレンからなる芯鞘繊維(大和紡績社製、NBF−H、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)75部、ポリプロピレンからなる繊維(大和紡績社製、PZ、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)10部を水中に分散させ1質量%にスラリーを調整し、湿式抄造法により丸網抄紙機で、坪量43.0g/m2、幅50cmのウェブを作製した。次に、この様にして得られたウェブを120℃でカレンダー処理を行って、厚さ105μmの不織布にした。得られた不織布を1m/minの速度で長さ2mの反応装置に送り込み、10質量%に窒素で希釈した気体状無水硫酸を流速3000ml/minを導入して、装置内温度を40℃に保持しながら処理した。アルカリで中和後、イオン交換水で洗浄し、乾燥し、スルホン化処理した電池セパレータを得た。
(比較例1)
合成パルプA20部を水中に分散させ1質量%にしたスラリーと、ポリオレフィン系繊維としてポリプロピレンとポリエチレンからなる芯鞘繊維(大和紡績社製、NBF−H、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)80部を水中に分散させ1質量%にスラリーを調整し、湿式抄造法により丸網抄紙機で、坪量51.0g/m2、幅50cmのウェブを作製した。次に、この様にして得られたウェブを120℃でカレンダー処理を行って、厚さ125μmの不織布にした。その不織布を100℃に保持された98%濃硫酸中に3分間浸漬、その後ロールで絞り、次に硫酸の希釈熱による熱収縮や変形を起こさせないように、まず希硫酸中に浸漬後、純水洗浄、蒸気乾燥し、スルホン化した電池セパレータを得た。
(比較例2)
少なくとも一部が繊維径1mm以下にフィブリル化されたポリプロピレン繊維(ダイセル化学社製、ティアラKY−430S)25部を別に分散させ1質量%にしたスラリーと、ポリオレフィン系繊維としてポリプロピレンとポリエチレンからなる芯鞘繊維(大和紡績社製、NBF−H、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)60部、ポリプロピレンからなる繊維(大和紡績社製、PZ、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)15部を水中に分散させ1質量%にスラリーを調整し、湿式抄造法により丸網抄紙機で、坪量41.0g/m2、幅50cmのウェブを作製した。次に、この様にして得られたウェブを120℃でカレンダー処理を行って、厚さ90μmの不織布にした。得られた不織布を1m/minの速度で長さ2mの反応装置に送り込み、10質量%に窒素で希釈した気体状無水硫酸を流速3000ml/minを導入して、装置内温度を40℃に保持しながら処理した。アルカリで中和後、イオン交換水で洗浄し、乾燥し、スルホン化処理した電池セパレータを得た。
(比較例3)
ポリプロピレンとポリエチレンからなる芯鞘繊維(大和紡績社製、NBF−H、繊度0.8デシテックス、繊維長10mm)75部、ポリプロピレンからなる繊維(クラレ社製、PP、繊度0.08デシテックス、繊維長3mm)15部、エチレンビニルアルコール共重合体繊維(クラレ社製、EVAL、繊度0.08デシテックス、繊維長3mm)10部を水中に分散させ1質量%にスラリーを調整し、湿式抄造法により丸網抄紙機で、坪量51.0g/m2、幅50cmのウェブを作製した。次に、この様にして得られたウェブを120℃でカレンダー処理を行って、厚さ120μmの不織布にした。得られた不織布を1m/minの速度で長さ2mの反応装置に送り込み、10質量%に窒素で希釈した気体状無水硫酸を流速3000ml/minを導入して、装置内温度を40℃に保持しながら処理した。アルカリで中和後、イオン交換水で洗浄し、乾燥し、スルホン化処理した電池セパレータを得た。
上記実施例1〜10及び比較例1〜3で作製した電池用セパレータについて、以下の評価を行った。結果を表1、2に示す。
[硫黄含有率]
試料片を直径35mmの試料ホルダーにセットして、リガク製の蛍光X線装置System−3270(Rhターゲット、50kV−50mA、)で全元素測定を行った。硫黄含有率は、測定値をファンダメンタルパラメータ法で換算することで算出し、スルホン化処理量の指標とした。
[電池製造時の不良率の評価]
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式水酸化ニッケル正極(40mm幅)と、発泡ニッケル基材を用いた水素吸蔵合金負極(40mm幅)を1枚ずつ用い、これらの電極の間に、43mm幅の上記の実施例の電池用セパレータおよび比較例の電池用セパレータを介在させて、電池構成機を用いて巻き取り、渦巻状電極群を作製した。該渦巻状電極群を円筒形の金属ケースに収納した後、1N水酸化リチウムを含む7N水酸化カリウム水溶液を主体とするアルカリ電解液を注入し、安全弁付きの封印蓋を取り付けて、公称容量が2.0Ahの単3形密閉式ニッケル−水素電池を1万個製造した。その後、正極と負極との間に240Vの電圧を印加し、電気抵抗が1kΩ以下のものを不良とし、電池製造時の不良率[%]を決定した。電池製造時の不良率[%]が、0.5%未満を○とし、0.5%を超えると経済性が悪化するので△、0.9%を超えると経済性が劣るばかりでなく実用性が失われるので×とした。
[自己充放電試験]
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式水酸化ニッケル正極(40mm幅)と、ニッケルメッキパンチングメタル基材を用いた焼結式カドミウム負極(40mm幅)を1枚ずつ用い、これらの電極の間に、43mm幅の上記の実施例の電池用セパレータおよび比較例の電池用セパレータを介在させて、電池構成機を用いて巻き取り、渦巻状電極群を作製した。該渦巻状電極群を円筒形の金属ケースに収納した後、1N水酸化リチウムを含む7N水酸化カリウム水溶液のアルカリ電解液を注入し、安全弁付きの封印蓋を取り付けて、公称容量が1.0Ahの単3形密閉式ニッケルカドミニウム電池を20個作製した。電池の化成を行う為に、25℃において、0.1Cで15時間充電し、1Cの電流で端子電圧が0.8Vになるまで放電するという充放電を4回繰り返した。
上記のようにして得られた化成済み電池について無作為に10個選び、25℃で、1Cの電流で充電し、満充電に達した後、電池電圧が10mV低下した時点で充電を1時間休止させ、次に0.2Cの電流で終止電圧が0.7Vなるまで放電させたときの放電容量を測定しA1とする。そして同様に1Cの電流で充電してから、45℃の恒温浴槽中にて7日間保存し、その後25℃で6時間放冷し、同様に0.2Cの電流で放電させたときの放電容量をA2とし、次式から容量維持率を算出した。値が大きいほど、自己放電特性が優れている。
容量維持率(%)=A2/A1×100
[引張強度]
引張強度の評価としては、JIS L 1096に準じ、50mm(幅方向)×200mm(流れ方向)の試験片10枚をとり、定速伸長型引張試験機を用いて、つかみ間隔100mm、引張速度300mm/分の条件で伸長し、切断時の荷重値を引張強度(kN/m)とし、その平均値を示した。
[通気性]
JIS L1096に規定されるフラジール法に準じ測定した。
[保液性]
100mm角の試験片をとり、水分平衡状態の重量(W1)を測定した後、比重1.3の水酸化カリウム水溶液に1時間浸漬する。その後、水酸化カリウム水溶液中から引き上げ、10分後の重量(W2)を測定し、次の式より保液率を算出した。
保液率(%)=(W2−W1)/W1×100
Figure 2006269384
Figure 2006269384
実施例1〜6のセパレータはスルホン化処理後でも、引張強度が1.9kN/m以上あり、劣化が少なく、不良率も少なく、容量維持率も良い。
実施例7のセパレータはポリエチレン系合成パルプの配合が多いために、実施例1〜6と比較して通気性が若干悪く、容量維持率、保液が低く、強度も弱かった。
実施例8はポリエチレン系合成パルプ配合の量が少ないため、実施例1〜6と比較し、容量維持率が若干低下し、不良率が若干上がった。
実施例9、10のポリエチレン合成パルプにはポリビニルアルコール含有していないため、含有している実施例2、4と比較して硫黄含有率が若干低く、容量維持率、保液も若干低くなっている。
比較例1のセパレータはスルホン化処理より繊維劣化が激しく、強度が弱くなりすぎて、電池にすることができなかった。
比較例2のセパレータはフィブリル化されたポリプロピレン繊維を使用しため、熱融着不足により強度が弱かった。
比較例3はエチレンビニルアルコール共重合体繊維を使用したため、強度は強いが、スルホン化処理によりフィルム化してしまい、通気性が低く、容量維持率が悪かった。
本発明の電池用セパレータは親水性、耐酸化劣化にすぐれているため、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池といったアルカリ二次電池に好適に利用できる。

Claims (4)

  1. ポリエチレン系合成パルプとポリオレフィン系繊維から構成された不織布を硫酸ガスと乾燥空気または窒素ガスとの混合ガス中でスルホン化処理したことを特徴とする電池用セパレータ。
  2. 不織布に対するポリエチレン系合成パルプの含有量が8〜25質量%であることを特徴とする請求項1記載の電池用セパレータ。
  3. 該不織布を熱カレンダー処理したことを特徴とする請求項1または2記載の電池用セパレータ。
  4. ポリエチレン系合成パルプに0.5〜3質量%のポリビニルアルコールが含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の電池用セパレータ。
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