JP2006265668A - 油井用継目無鋼管 - Google Patents
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Abstract
【課題】省エネルギーを実現できる効率的な手段で製造が可能な、強度安定性に優れた油井用継目無鋼管を提供する。
【解決手段】C:0.14〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.5%、Mo:0.05〜2.0%、Ti:0〜0.05%、V:0〜0.1%およびAl:0.010%以上を含有し、かつ、Al含有率と、TiおよびVにより補正したN含有率の積の値が0.00001〜0.00050であり、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.025%以下、Sが0.010%以下である油井用継目無鋼管である。Ti、V、NbまたはBを含有させて焼入れ性および耐硫化物応力腐食割れ性を向上させ、また、Ca、MgまたはREMを含有させて介在物の形態改善を行い、耐硫化物応力腐食割れ性を向上させることが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】C:0.14〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.5%、Mo:0.05〜2.0%、Ti:0〜0.05%、V:0〜0.1%およびAl:0.010%以上を含有し、かつ、Al含有率と、TiおよびVにより補正したN含有率の積の値が0.00001〜0.00050であり、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.025%以下、Sが0.010%以下である油井用継目無鋼管である。Ti、V、NbまたはBを含有させて焼入れ性および耐硫化物応力腐食割れ性を向上させ、また、Ca、MgまたはREMを含有させて介在物の形態改善を行い、耐硫化物応力腐食割れ性を向上させることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、油井用継目無鋼管に関し、詳しくは、引張強度などの強度変動が少なく、強度安定性に優れた油井用継目無鋼管に関する。
溶接管に比較して信頼性の高い継目無鋼管は、過酷な油井環境や高温環境で使用されることが多く、安定した強度のもとでの高強度化、靭性向上および耐サワー性向上が常に要求されている。
例えば、特許文献1には、V、Nb、Ti、CrおよびMo含有率を所定の関係式を満足させるように調整した継目無鋼管を、焼入れ焼戻しすることにより得られるM23C6タイプの炭化物の生成を抑制することにより高靱性および高耐食性を備えた継目無鋼管が開示されている。
これらの要求を満たすためには、強度の安定化を図ることが重要であり、特に、耐サワー性を必要とされる鋼管においては、強度範囲の狭幅化が図られている。また、一般の油井管においても、鋼管の強度変動(強度バラツキ)に起因して、油井における外圧により油井管が部分的に変形するおそれがあり、鋼管の強度安定性は不可欠な要素となっている。
従来から、強度安定化を図るためには、鋼管を均一な焼戻しマルテンサイト組織とするのが好ましく、焼入れ性を調整するために、C、Mn、Cr、Moなどの元素含有率の狭幅化が必要であったが、それだけでは、安定した強度を実現することはできなかった。さらに、最近では、生産効率の向上、使用エネルギーの低減、コスト合理化を目的として、従来のオフライン熱処理に代えてインライン熱処理が採用されつつある。このインライン熱処理では、旧オーステナイトの結晶粒度の変動によって焼入れ性が変化し、安定した強度が得られないという問題もあった。
上述のとおり、旧オーステナイト結晶粒度の変動による焼入れ性の変動などを抑制し、安定した高強度、高い靱性および耐サワー性を備えた油井用継目無鋼管を得るためには、なお、解決されねばならない課題が残されている。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、省エネルギーを実現できる効率的な手段で製造が可能な、強度安定性に優れた油井用継目無鋼管を提供することにある。
本発明者らは、上述の課題を解決するために、従来の問題点を踏まえて、強度安定性に優れた油井用継目無鋼管の製造について検討を行い、下記の(a)〜(d)に示す主な知見を得て、本発明を完成させた。
(a)鋼管の焼入れ性の変動による鋼強度の変動を低減するためには、鋼中におけるAlNの析出量を所定範囲内に制御することが重要であり、その指標であるAl含有率(質量%)と、窒化物を形成するTiおよびV含有率により補正したN含有率(質量%)(以下、「補正N含有率」とも称する)との濃度積(以下、「Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}」とも記す)の値を0.00001〜0.00050の範囲内に調整する必要がある。
(b)濃度積、Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}の値を上記(a)の範囲内に調整する理由は下記のとおりである。すなわち、上記濃度積の値が0.00050を超えて高くなるとAlNの析出量が多くなるので、結晶粒の粗大化が抑制され、鋼管の焼入れ性が低下する。他方、上記濃度積の値が0.00001未満ではAlNの析出量が少なくなるので、結晶粒が粗大化し、鋼管の焼入れ性が上昇する。このようにして発生する鋼管の焼入れ性の変動を抑制し、強度の安定化を図るためには、上記濃度積の値を上記(a)に記した範囲内に調整する必要がある。
(c)焼入れ性を高めて鋼管の強度を確保するとともに靱性の低下を防止するためには、C、Si、MnおよびCr含有量を調整することが、また、焼入れ性を高めるとともに耐硫化物応力腐食割れ性を高めるためには、Mo含有量を調整することが、それぞれ有効である。
(d)Tiを含有させるとNを窒化物として固定し、Bを固溶状態で存在させることができるので、焼入れ性を向上させることができ、また、Vを含有させると焼戻し時に微細炭化物が析出することにより、強度上昇を図ることができる。Nbは炭窒化物を形成することにより、また、Bは焼入れ性を向上させてマルテンサイト量を増加させることにより、それぞれ耐硫化物応力腐食割れ性を向上させる。さらに、Ca、MgおよびREMのうちの1種以上を含有させることにより、介在物の形態を改善して耐硫化物応力割れ性を向上させることができる。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)〜(4)に示す油井用継目無鋼管にある。
(1)質量%で、C:0.14〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.5%、Mo:0.05〜2.0%、Ti:0〜0.05%、V:0〜0.1%およびAl:0.010%以上を含有し、かつ、Al、N、TiおよびV含有量が下記(1)式で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.025%以下、Sが0.010%以下であることを特徴とする油井用継目無鋼管。
0.00001≦Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}≦0.00050 ・・・・(1)
ただし、(1)式中の元素記号は、鋼中に含有される各元素の含有率(質量%)を表す。
0.00001≦Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}≦0.00050 ・・・・(1)
ただし、(1)式中の元素記号は、鋼中に含有される各元素の含有率(質量%)を表す。
(2)質量%で、C:0.14〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.5%、Mo:0.05〜2.0%、Ti:0〜0.05%、V:0〜0.1%およびAl:0.010%以上、ならびに、Nb:0.005〜0.040%およびB:0.0003〜0.005%のうちの1種または2種を含有し、かつ、Al、N、TiおよびV含有量が前記(1)式で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.025%以下、Sが0.010%以下であることを特徴とする油井用継目無鋼管。
(3)質量%で、C:0.14〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.5%、Mo:0.05〜2.0%、Ti:0〜0.05%、V:0〜0.1%およびAl:0.010%以上、ならびに、Ca:0.0003〜0.005%、Mg:0.0003〜0.005%およびREM:0.0003〜0.005%のうちの1種または2種以上を含有し、かつ、Al、N、TiおよびV含有量が前記(1)式で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.025%以下、Sが0.010%以下であることを特徴とする油井用継目無鋼管。
(4)質量%で、C:0.14〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.5%、Mo:0.05〜2.0%、Ti:0〜0.05%、V:0〜0.1%およびAl:0.010%以上、ならびに、Nb:0.005〜0.040%およびB:0.0003〜0.005%のうちの1種または2種を含有し、さらに、Ca:0.0003〜0.005%、Mg:0.0003〜0.005%およびREM:0.0003〜0.005%のうちの1種または2種以上を含有し、かつ、Al、N、TiおよびV含有量が前記(1)式で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.025%以下、Sが0.010%以下であることを特徴とする油井用継目無鋼管。
本発明において、「強度安定性に優れた」とは、鋼の引張強度などの強度変動が少ないことを意味し、その詳細については後述する。
なお、以下の説明では、「質量%」を単に「%」とも表記する。
本発明の油井用継目無鋼管は、省エネルギーを実現できる効果的手段により製造可能な、強度安定性に優れた油井用継目無鋼管である。とりわけ、インライン熱処理プロセスを経て製造した場合においても、旧オーステナイト結晶粒の粒度変動に起因する焼入れ性の変動が抑制され、安定した高強度を得ることができる。したがって、本発明の油井用継目無鋼管は、省エネルギーおよび生産効率向上の下で生産される油井用継目無鋼管として好適である。
本発明は、前記したとおり、C:0.14〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.5%、Mo:0.05〜2.0%、Ti:0〜0.05%、V:0〜0.1%およびAl:0.010%以上を含有し、かつ、Al、N、TiおよびV含有量が前記(1)式で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.025%以下、Sが0.010%以下であることを特徴とする油井用継目無鋼管である。以下に、本発明の範囲を前記のとおり限定した理由および好ましい範囲について、さらに詳しく説明する。
C:
Cは、油井用継目無鋼管の強度を確保する目的で含有させる。その含有率が0.14%未満では焼入性が不足して焼戻し温度を高めることができず、必要とする鋼性能を確保することが難しい。一方、含有率が0.35%を超えて高くなると焼き割れが発生し、また、靭性が劣化する。以上の理由から、C含有率の適正範囲を0.14〜0.35%とした。なお、C含有率の好ましい範囲は、0.16〜0.28%であり、より好ましい範囲は、0.20〜0.28%である。
Cは、油井用継目無鋼管の強度を確保する目的で含有させる。その含有率が0.14%未満では焼入性が不足して焼戻し温度を高めることができず、必要とする鋼性能を確保することが難しい。一方、含有率が0.35%を超えて高くなると焼き割れが発生し、また、靭性が劣化する。以上の理由から、C含有率の適正範囲を0.14〜0.35%とした。なお、C含有率の好ましい範囲は、0.16〜0.28%であり、より好ましい範囲は、0.20〜0.28%である。
Si:
Siは、脱酸作用を有するほか、鋼の焼入れ性を高めて強度を向上させる作用を有する元素であり、その効果を得るためには0.05%以上の含有率とする必要がある。しかし、その含有率が1.0%を超えて高くなると耐硫化物応力割れ性が低下する。そこで、Si含有率の適正範囲を0.05〜1.0%とした。なお、Si含有率の好ましい範囲は0.1〜0.5%である。
Siは、脱酸作用を有するほか、鋼の焼入れ性を高めて強度を向上させる作用を有する元素であり、その効果を得るためには0.05%以上の含有率とする必要がある。しかし、その含有率が1.0%を超えて高くなると耐硫化物応力割れ性が低下する。そこで、Si含有率の適正範囲を0.05〜1.0%とした。なお、Si含有率の好ましい範囲は0.1〜0.5%である。
Mn:
Mnは、脱酸作用を有するとともに、鋼の焼入れ性を高めて強度を向上させる作用を有する元素であり、その効果を得るには0.05%以上を含有させる必要がある。しかし、その含有率が2.0%を超えて高くなると成分偏析が増大し、靭性を低下させる。したがって、Mn含有率の適正範囲を0.05〜2.0%とした。
Mnは、脱酸作用を有するとともに、鋼の焼入れ性を高めて強度を向上させる作用を有する元素であり、その効果を得るには0.05%以上を含有させる必要がある。しかし、その含有率が2.0%を超えて高くなると成分偏析が増大し、靭性を低下させる。したがって、Mn含有率の適正範囲を0.05〜2.0%とした。
P:
Pは、鋼中の不純物元素であり、粒界に偏析して靭性低下をもたらし、特に、その含有率が0.025%を超えて高くなると靭性を著しく低下させる。そこで、P含有率の適正範囲を0.025%以下とした。なお、P含有率は0.020%以下とするのが好ましい。
Pは、鋼中の不純物元素であり、粒界に偏析して靭性低下をもたらし、特に、その含有率が0.025%を超えて高くなると靭性を著しく低下させる。そこで、P含有率の適正範囲を0.025%以下とした。なお、P含有率は0.020%以下とするのが好ましい。
S:
Sも鋼中の不純物であり、MnまたはCaと結合して介在物を形成する。S含有率が0.010%を超えると介在物に起因して鋼の靱性および耐硫化物応力割れ性の劣化が大きくなる。そこで、S含有率の適正範囲を0.010%以下とした。なお、S含有率は0.005%以下とするのが好ましい。
Sも鋼中の不純物であり、MnまたはCaと結合して介在物を形成する。S含有率が0.010%を超えると介在物に起因して鋼の靱性および耐硫化物応力割れ性の劣化が大きくなる。そこで、S含有率の適正範囲を0.010%以下とした。なお、S含有率は0.005%以下とするのが好ましい。
Cr:
Crは、鋼の焼入れ性を高めるのに有効な元素であり、その効果を発揮させるには0.05%以上を含有させる必要がある。しかし、その含有率が1.5%を超えて高くなると鋼の靱性および耐硫化物応力割れ性が低下する。そこで、Cr含有率の適正範囲を0.05〜1.5%とした。なお、Cr含有率の好ましい範囲は、0.2〜1.2%である。
Crは、鋼の焼入れ性を高めるのに有効な元素であり、その効果を発揮させるには0.05%以上を含有させる必要がある。しかし、その含有率が1.5%を超えて高くなると鋼の靱性および耐硫化物応力割れ性が低下する。そこで、Cr含有率の適正範囲を0.05〜1.5%とした。なお、Cr含有率の好ましい範囲は、0.2〜1.2%である。
Mo:
Moは、鋼の焼入れ性を高めて高強度を確保するとともに、耐硫化物応力割れ性を高めるのに有効な元素である。これらの効果を得るには、Mo含有率を0.05%以上とする必要がある。しかし、Mo含有率が2.0%を超えて高くなると靱性および耐硫化物応力割れ性が低下する。上記の理由により、Mo含有率の適正範囲を0.05〜2.0%とした。なお、Mo含有率の好ましい範囲は、0.1〜0.8%である。
Moは、鋼の焼入れ性を高めて高強度を確保するとともに、耐硫化物応力割れ性を高めるのに有効な元素である。これらの効果を得るには、Mo含有率を0.05%以上とする必要がある。しかし、Mo含有率が2.0%を超えて高くなると靱性および耐硫化物応力割れ性が低下する。上記の理由により、Mo含有率の適正範囲を0.05〜2.0%とした。なお、Mo含有率の好ましい範囲は、0.1〜0.8%である。
Al:
Alは、脱酸作用を有し、鋼の靱性および加工性を高めるのに有効な元素である。また、Al含有率が0.010%未満では、固溶C量が増加する結果、著しく強度が上昇する。そこで、Al含有率の適正範囲を0.010%以上とした。なお、Al含有率の好ましい上限値は0.080%である。
Alは、脱酸作用を有し、鋼の靱性および加工性を高めるのに有効な元素である。また、Al含有率が0.010%未満では、固溶C量が増加する結果、著しく強度が上昇する。そこで、Al含有率の適正範囲を0.010%以上とした。なお、Al含有率の好ましい上限値は0.080%である。
関係式(1)によるAl、N、TiおよびV含有率の限定理由:
前記のとおり、Al含有率とN含有率との濃度積、Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}の値を下記(1)式により表される値の範囲に調整する理由は以下のとおりである。
0.00001≦Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}≦0.00050 ・・・・(1)
上記濃度積、Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}の値は、鋼中にAlNが析出する度合いを示す指標であり、濃度積の値が0.00050を超えて高くなると鋼中におけるAlNの析出量は増大する。その結果、結晶粒の粗大化が抑制され、鋼管の焼入れ性が低下する。他方、濃度積の値が0.00001未満では鋼中におけるAlNの析出量が減少する結果、結晶粒が粗大化し、鋼管の焼入れ性が上昇する。これらの理由から、上記のようにして発生する鋼管の焼入れ性の低下および過度の上昇にともなう焼入れ性の変動を抑制し、強度を安定化させるための濃度積の値の適正範囲を上記(1)により表されるとおり、0.00001〜0.00050とした。なお、濃度積の値の好ましい範囲は、0.00003〜0.0003である。
前記のとおり、Al含有率とN含有率との濃度積、Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}の値を下記(1)式により表される値の範囲に調整する理由は以下のとおりである。
0.00001≦Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}≦0.00050 ・・・・(1)
上記濃度積、Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}の値は、鋼中にAlNが析出する度合いを示す指標であり、濃度積の値が0.00050を超えて高くなると鋼中におけるAlNの析出量は増大する。その結果、結晶粒の粗大化が抑制され、鋼管の焼入れ性が低下する。他方、濃度積の値が0.00001未満では鋼中におけるAlNの析出量が減少する結果、結晶粒が粗大化し、鋼管の焼入れ性が上昇する。これらの理由から、上記のようにして発生する鋼管の焼入れ性の低下および過度の上昇にともなう焼入れ性の変動を抑制し、強度を安定化させるための濃度積の値の適正範囲を上記(1)により表されるとおり、0.00001〜0.00050とした。なお、濃度積の値の好ましい範囲は、0.00003〜0.0003である。
図1は、焼入れ焼戻し処理を施した鋼管の降伏強度YSの変動におよぼすAlおよび補正N含有率の影響を示す図である。
同図において、鋼管の降伏強度YSの変動の大小は、後述する(2)式により評価した。すなわち、図中の○印は、強度変動が小さいことを示し、また、●印は、強度変動が大きいことを示す。
同図に示されるとおり、Al含有率および補正N含有率の適正範囲は、上記(1)式を満足し、かつ、Al含有率が0.010%以上の領域となる。
以下に、必要に応じて含有させる第1群および第2群の成分および組成について説明する。
第1群は、Ti、V、NbおよびBであり、必要に応じてこれらの元素の1種または2種以上を含有させる。
Ti:
Tiは、鋼中のNを窒化物として固定することにより、焼入れ時にBを鋼中に固溶状態で存在させ、焼入れ性向上効果を発揮させる元素である。含有させてもさせなくてもよいが、含有させることにより上記の作用を得ることができる。しかし、Tiの含有率が0.05%を超えて高くなると、粗大な窒化物として鋼中に残存し、耐硫化物応力割れ性を低下させる。上記の理由から、Tiを含有させる場合の含有率の範囲を0〜0.05%とした。なお、含有率の好ましい範囲は0.005〜0.025%である。
Tiは、鋼中のNを窒化物として固定することにより、焼入れ時にBを鋼中に固溶状態で存在させ、焼入れ性向上効果を発揮させる元素である。含有させてもさせなくてもよいが、含有させることにより上記の作用を得ることができる。しかし、Tiの含有率が0.05%を超えて高くなると、粗大な窒化物として鋼中に残存し、耐硫化物応力割れ性を低下させる。上記の理由から、Tiを含有させる場合の含有率の範囲を0〜0.05%とした。なお、含有率の好ましい範囲は0.005〜0.025%である。
B:
Bは、焼入れ性を向上させ、マルテンサイト量を増加させることにより耐硫化物応力腐腐食割れ性を向上させる作用を有する元素であり、その含有率が不純物レベルの値であっても、その作用を有する。含有させてもさせなくてもよいが、より顕著にその効果を得るには、0.0003%以上の含有率とすることが好ましい。しかし、B含有率が0.005%を超えて高くなると、鋼の靱性が低下する。そこで、Bを含有させる場合の含有率の範囲を0.0003〜0.005%とした。なお、含有率の好ましい範囲は0.0003〜0.003%である。
Bは、焼入れ性を向上させ、マルテンサイト量を増加させることにより耐硫化物応力腐腐食割れ性を向上させる作用を有する元素であり、その含有率が不純物レベルの値であっても、その作用を有する。含有させてもさせなくてもよいが、より顕著にその効果を得るには、0.0003%以上の含有率とすることが好ましい。しかし、B含有率が0.005%を超えて高くなると、鋼の靱性が低下する。そこで、Bを含有させる場合の含有率の範囲を0.0003〜0.005%とした。なお、含有率の好ましい範囲は0.0003〜0.003%である。
V:
Vは、焼戻し時に微細な炭化物として析出することにより、鋼の強度を高める作用を有する元素である。含有させてもさせなくてもよいが、含有させることにより上記の効果を得ることができる。一方、その含有率が0.3%を超えて高くなると、鋼の靱性が低下する。これらの理由から、Vを含有させる場合のV含有率の範囲を0〜0.3%とした。
Vは、焼戻し時に微細な炭化物として析出することにより、鋼の強度を高める作用を有する元素である。含有させてもさせなくてもよいが、含有させることにより上記の効果を得ることができる。一方、その含有率が0.3%を超えて高くなると、鋼の靱性が低下する。これらの理由から、Vを含有させる場合のV含有率の範囲を0〜0.3%とした。
Nb:
Nbは、高温領域で炭窒化物を形成することにより結晶粒の粗大化を防止し、鋼の靱性および耐硫化物応力腐食割れ性を向上させる作用を有する元素である。含有させてもさせなくてもよいが、含有率を0.005%以上とすることにより、その効果を得ることができる。一方、その含有率が0.040%を超えて高くなると、炭窒化物が過度に粗大化し、耐硫化物応力割れ性を低下させる。そこで、含有させる場合のNb含有率の範囲を0.005〜0.040%とした。なお、含有率の好ましい範囲は0.010〜0.030%である。
Nbは、高温領域で炭窒化物を形成することにより結晶粒の粗大化を防止し、鋼の靱性および耐硫化物応力腐食割れ性を向上させる作用を有する元素である。含有させてもさせなくてもよいが、含有率を0.005%以上とすることにより、その効果を得ることができる。一方、その含有率が0.040%を超えて高くなると、炭窒化物が過度に粗大化し、耐硫化物応力割れ性を低下させる。そこで、含有させる場合のNb含有率の範囲を0.005〜0.040%とした。なお、含有率の好ましい範囲は0.010〜0.030%である。
第2群は、Ca、MgおよびREMである。
これらの元素は、含有させても含有させなくてもよいが、含有させた場合には、いずれも、鋼中のSと反応して硫化物を形成することにより介在物の形態を改善し、鋼の耐硫化物応力割れ性を向上させる作用を有する。上記の効果を得たい場合は、Ca、Mg、およびREM(Ce、La、Yなどの希土類元素)のうちから選ばれた1種または2種以上を、それぞれ0.0005%以上を含有させることにより、その効果を得ることができる。一方、いずれの元素も、それらの含有率が0.005%を超えると、鋼中の介在物量が増加することにより、鋼の清浄度が低下して耐硫化物応力割れ性を低下させる。上記の理由から、これらの元素を含有させる場合の含有率の範囲は、いずれの元素についても、0.0005〜0.005%とした。
本発明の油井用継目無鋼管の効果を確認するため、下記の試験を行い、その結果を評価した。
表1および表2に示す化学成分組成を有する22種類の供試鋼から外径225mmのビレツトを製作し、これらを1250℃に加熱した後、マンネスマン・マンドレル製管法により、外径244.5mm、肉厚13.8mmの継目無鋼管に成形した。続いて、この継目無鋼管に焼入れおよび焼戻し処理を施し、引張試験片を採取した。
ここで、焼入れは、950℃にて5分間均一に補熱した後、水焼入れすることにより行い、また、焼戻しは、上記焼入れ後の鋼管を650℃にて30分間均熱することにより行った。なお、上記の処理条件は、一例であり、本発明の継目無鋼管の焼入れおよび焼戻し処理は、これに限られるものではない。
また、引張試験は、引張試験用鋼管の長手方向から、API規格の5CTにて規定された平行部断面が円弧状の引張試験片を採取し、引張試験を実施して降伏強度YS(MPa)を測定した。
さらに、上記の測定結果に基づいて降伏強度YSの変動(バラツキ)を求め、強度安定性を評価して、前記表2に併せて示した。
なお、表2において、降伏強度YSの変動は、下記の方法により求め、2段階により評価した。すなわち、各鋼番号の供試鋼について上記の引張試験を10回(N数=10)実施し、下記(2)式の関係を満足する場合を、YSの変動が小さく良好(○)とし、(2)式の関係を満足しない場合を、YSの変動が大きく不良(×)とした。
各YS≦平均YS−3×YS標準偏差 ・・・・(2)
ここで、「平均YS」は試験に供した全供試鋼(22種類)の平均YSを、「各YS」は対象供試鋼(1種)の平均YSを、そして、「各YS標準偏差」は対象供試鋼(1種)の標準偏差をそれぞれ表す。
ここで、「平均YS」は試験に供した全供試鋼(22種類)の平均YSを、「各YS」は対象供試鋼(1種)の平均YSを、そして、「各YS標準偏差」は対象供試鋼(1種)の標準偏差をそれぞれ表す。
試験番号1〜12は、本発明鋼である鋼番号1〜12を用いた本発明例であり、試験番号13〜22は、比較鋼である鋼番号13〜22を用いた比較例である。
Al含有率が低い鋼番号13〜15を用いた試験番号13〜15、および、Al含有率が低く、しかも濃度積、Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}の値が高い鋼番号16を用いた試験番号16は、いずれも降伏強度YSの変動が大きく、強度安定性は不良であった。また、Al含有率が本発明の範囲内であるにも拘わらず、濃度積、Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}の値が高い鋼番号17〜22を用いた試験番号17〜22は、そのいずれにおいても、YSの変動が大きく、強度安定性は不良であった。
これに対して、本発明で規定する条件を全て満足する本発明鋼である鋼番号1〜12を用いた試験番号1〜12では、いずれもYSの変動が小さく、強度安定性は良好であった。特に、Ti、V、NbまたはBを含有する鋼番号6、7、8および10を用いた試験番号6、7、8および10では、焼入れ性の向上などにより一層高い強度および耐硫化物応力腐食割れ性が得られ、また、Ca、MgおよびREMのうちの1種以上を含有する試験番号6、8、9および10では、一層高い耐硫化物応力割れ性が得られた。
本発明の油井用継目無鋼管は、省エネルギーを実現できる効果的手段により製造可能な、強度安定性に優れた油井用継目無鋼管である。特に、インライン熱処理プロセスを経て製造した場合においても、旧オーステナイト結晶粒の粒度変動に起因する焼入れ性の変動が抑制され、安定した高強度を得ることができる。したがって、本発明の油井用継目無鋼管は、省エネルギーおよび生産効率向上下で生産される強度安定性を具備した油井用継目無鋼管として好適であり、製造プロセスの合理化および用途拡大の両面で、広範に適用できる。
Claims (4)
- 質量%で、C:0.14〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.5%、Mo:0.05〜2.0%、Ti:0〜0.05%、V:0〜0.1%およびAl:0.010%以上を含有し、かつ、Al、N、TiおよびV含有量が下記(1)式で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.025%以下、Sが0.010%以下であることを特徴とする油井用継目無鋼管。
0.00001≦Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}≦0.00050 ・・・・(1)
ただし、(1)式中の元素記号は、鋼中に含有される各元素の含有率(質量%)を表す。 - 質量%で、C:0.14〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.5%、Mo:0.05〜2.0%、Ti:0〜0.05%、V:0〜0.1%およびAl:0.010%以上、ならびに、Nb:0.005〜0.040%およびB:0.0003〜0.005%のうちの1種または2種を含有し、かつ、Al、N、TiおよびV含有量が下記(1)式で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.025%以下、Sが0.010%以下であることを特徴とする油井用継目無鋼管。
0.00001≦Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}≦0.00050 ・・・・(1)
ただし、(1)式中の元素記号は、鋼中に含有される各元素の含有率(質量%)を表す。 - 質量%で、C:0.14〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.5%、Mo:0.05〜2.0%、Ti:0〜0.05%、V:0〜0.1%およびAl:0.010%以上、ならびに、Ca:0.0003〜0.005%、Mg:0.0003〜0.005%およびREM:0.0003〜0.005%のうちの1種または2種以上を含有し、かつ、Al、N、TiおよびV含有量が下記(1)式で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.025%以下、Sが0.010%以下であることを特徴とする油井用継目無鋼管。
0.00001≦Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}≦0.00050 ・・・・(1)
ただし、(1)式中の元素記号は、鋼中に含有される各元素の含有率(質量%)を表す。 - 質量%で、C:0.14〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜2.0%、Cr:0.05〜1.5%、Mo:0.05〜2.0%、Ti:0〜0.05%、V:0〜0.1%およびAl:0.010%以上、ならびに、Nb:0.005〜0.040%およびB:0.0003〜0.005%のうちの1種または2種を含有し、さらに、Ca:0.0003〜0.005%、Mg:0.0003〜0.005%およびREM:0.0003〜0.005%のうちの1種または2種以上を含有し、かつ、Al、N、TiおよびV含有量が下記(1)式で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.025%以下、Sが0.010%以下であることを特徴とする油井用継目無鋼管。
0.00001≦Al×{N−14×(Ti/144+V/153)}≦0.00050 ・・・・(1)
ただし、(1)式中の元素記号は、鋼中に含有される各元素の含有率(質量%)を表す。
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