JP2006265367A - 防水シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 引張強さ、低温時の伸び及び溶着性に優れた防水シートを提供すること。
【解決の手段】 (A)架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー15〜40重量%及び(B)線状低密度ポリエチレン60〜85重量%、又は(A)15〜40重量%、(B)40〜85重量%及び(C)結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂0〜20重量%からなる組成物を成形加工してなることを特徴とする。
【解決の手段】 (A)架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー15〜40重量%及び(B)線状低密度ポリエチレン60〜85重量%、又は(A)15〜40重量%、(B)40〜85重量%及び(C)結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂0〜20重量%からなる組成物を成形加工してなることを特徴とする。
Description
本発明は、架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマーと線状低密度ポリエチレンからなる2成分系の組成物、及びさらに結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂を加えた3成分系の組成物を成形加工してなる、機械的物性と熱溶着加工性に優れた防水シートに関する。
池、ダム、トンネルなどの土木工事における防水施工法としては、一般に、モルタル防水法、アスファルト防水法、シート防水法等が知られている。
モルタル防水法は、セメントモルタルに防水剤を混合して、モルタル自体に防水性を付与し、施工現場で塗布する工法であるが、塗布条件等により防水効果に差を生じたり、防水層自体に亀裂を生じ易いなどの欠点がある。
アスファルト防水法は、加熱溶融したアスファルトを、フェルト、ルーフィングなどと交互に積層して防水層を作る工法であるが、熱工法の為、火災の危険や、アスファルト自体が耐候性、耐熱性、下地追随性に劣るなどの欠点がある。
また、シート防水法は、加硫ゴム等のシートを、主に接着剤で貼り付けて防水層を形成する工法であり、耐候性、耐薬品性、下地追随性など防水シートとして要求される多くの性質を満足させる反面、接着剤に溶剤が使用される場合は作業者の安全衛生上の問題があり、また、シート間の接着が不完全になり易いという施工面での欠点を持っている。
アスファルト防水法は、加熱溶融したアスファルトを、フェルト、ルーフィングなどと交互に積層して防水層を作る工法であるが、熱工法の為、火災の危険や、アスファルト自体が耐候性、耐熱性、下地追随性に劣るなどの欠点がある。
また、シート防水法は、加硫ゴム等のシートを、主に接着剤で貼り付けて防水層を形成する工法であり、耐候性、耐薬品性、下地追随性など防水シートとして要求される多くの性質を満足させる反面、接着剤に溶剤が使用される場合は作業者の安全衛生上の問題があり、また、シート間の接着が不完全になり易いという施工面での欠点を持っている。
このシート防水法の欠点を改良する方法として、近年は、熱融着可能な熱可塑性エラストマーの防水シートが用いられるようになってきている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
特開昭59−18741号公報
特許第3015808号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているシートなどにおいては、通常、充分な融着強度を得るためには熱融着時に大きな面圧を必要とする。したがって、構造物のコーナーや立上り部などでの手操作による熱融着に頼る箇所では、熱融着時の面圧を大きくすることができないため、剪断剥離変形等が生じやすく、その結果、防水効果が減じられる恐れがあり、また、このようなシートでは融着強度の融着温度依存性が大きく、施工現場での外気温や、融着温度条件の影響を受けやすいという問題もあった。すなわち融着温度が低目だと融着強度のバラツキが大きく漏水の原因となり、逆に融着剥離力を高めるために融着温度を高目にすると、シートの表面が焼け焦げて、融着強度は逆に低くなる。
特許文献2には、より低い面圧で大きな融着強度が得られ、融着温度依存性の少ない防水シートが開示されているが、引張強さと低温時の伸びが不十分であり、溶着性のより一層の改善も要望されていた。
特許文献2には、より低い面圧で大きな融着強度が得られ、融着温度依存性の少ない防水シートが開示されているが、引張強さと低温時の伸びが不十分であり、溶着性のより一層の改善も要望されていた。
本発明は、上記問題点を解消するためになされたもので、引張強さ、低温時の伸び及び溶着性に優れた防水シートを提供することを目的としてなされたものである。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマーに線状低密度ポリエチレンを特定の比率で配合した2成分系の組成物、及びさらに結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂を特定の比率で配合した3成分系の組成物を用いることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る防水シートは、
(A)架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー15〜40重量%及び(B)線状低密度ポリエチレン60〜85重量%からなる組成物を成形加工してなることを特徴とし、また、
(A)架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー15〜40重量%、(B)線状低密度ポリエチレン40〜85重量%及び(C)結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂0〜20重量%からなる組成物を成形加工してなることを特徴とする。
すなわち、本発明に係る防水シートは、
(A)架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー15〜40重量%及び(B)線状低密度ポリエチレン60〜85重量%からなる組成物を成形加工してなることを特徴とし、また、
(A)架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー15〜40重量%、(B)線状低密度ポリエチレン40〜85重量%及び(C)結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂0〜20重量%からなる組成物を成形加工してなることを特徴とする。
本発明によれば、常温及び高温時の引張強さと低温時の伸びが大きく、かつ、溶着性に優れた防水シートが得られるものである。
以下、本発明につき、具体的に詳述する。
本発明で使用される(A)架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマーは、特開昭48−26838号公報、特開昭52−13541号公報および特開昭53−149240号公報などに記載されている。このうちエチレン含有量が65〜90重量%であり、ヨウ素価20以下、100℃ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が70以上のエチレン−プロピレン−非共役ジエン系ゴム(EPDM)50〜90重量%と,プロピレン系重合体10〜50重量%を有機過酸化物の存在下でバンバリーミキサー、一軸混練機、二軸混練機などを用いて動的加硫して得た架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
更に好ましくは、エチレン含有量が70〜85重量%、ヨウ素価が5〜10、ML1+4 100℃が70以上のEPDM70〜85重量%とプロピレン系重合体15〜30重量%を有機過酸化物の存在下でバンバリーミキサー、一軸混練機、二軸混練機などを用いて、180℃以上で動的加硫して得た部分架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。なお架橋効率をたかめる為に用いる架橋助剤や、流動性向上を目的として鉱物油系軟化剤を2〜25重量%架橋反応の前又は後で添加することが好ましい。
本発明で使用される(A)架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマーは、特開昭48−26838号公報、特開昭52−13541号公報および特開昭53−149240号公報などに記載されている。このうちエチレン含有量が65〜90重量%であり、ヨウ素価20以下、100℃ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が70以上のエチレン−プロピレン−非共役ジエン系ゴム(EPDM)50〜90重量%と,プロピレン系重合体10〜50重量%を有機過酸化物の存在下でバンバリーミキサー、一軸混練機、二軸混練機などを用いて動的加硫して得た架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
更に好ましくは、エチレン含有量が70〜85重量%、ヨウ素価が5〜10、ML1+4 100℃が70以上のEPDM70〜85重量%とプロピレン系重合体15〜30重量%を有機過酸化物の存在下でバンバリーミキサー、一軸混練機、二軸混練機などを用いて、180℃以上で動的加硫して得た部分架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。なお架橋効率をたかめる為に用いる架橋助剤や、流動性向上を目的として鉱物油系軟化剤を2〜25重量%架橋反応の前又は後で添加することが好ましい。
本発明で使用される(B)線状低密度ポリエチレンは、メタロセン触媒又はチーグラー触媒の存在下にエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンとを重合して得られる共重合体であり、0.90〜0.93g/cm3 の密度を有するものが望ましく、また、そのメルトフローレート(MFR)は、0.3〜3g/10分の範囲内にあることが望ましい。
具体的には、メタロセン触媒系のものとして、三井化学社製のエボリューSP2020、SP1520、SP2520などが挙げられ、チーグラー触媒系のものとして、日本ユニカー社製のタフセンTUF2050、TUF2032、TUF2060、出光石油化学社製のモアテック0134、0138、0144、三井化学社製のウルトゼックス1520L、1022L、2520などが挙げられる。
具体的には、メタロセン触媒系のものとして、三井化学社製のエボリューSP2020、SP1520、SP2520などが挙げられ、チーグラー触媒系のものとして、日本ユニカー社製のタフセンTUF2050、TUF2032、TUF2060、出光石油化学社製のモアテック0134、0138、0144、三井化学社製のウルトゼックス1520L、1022L、2520などが挙げられる。
これら(A)架橋型熱可塑性エラストマーと(B)線状低密度ポリエチレンは、それぞれ15〜40重量%と60〜85重量%の割合で用いられる。
(A)熱可塑性エラストマーが15重量%より少ないと、シートの柔軟性が失われ、また、(B)線状低密度ポリエチレンが60重量%より少ないと、シートの引張強さや伸びが十分でない。
(A)熱可塑性エラストマーが15重量%より少ないと、シートの柔軟性が失われ、また、(B)線状低密度ポリエチレンが60重量%より少ないと、シートの引張強さや伸びが十分でない。
本発明においては、上記の(A)架橋型熱可塑性エラストマー及び(B)線状低密度ポリエチレンに(C)結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂を加えた3成分の組成物を用いることができる。
(C)結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂としては、プロピレンとエチレン又は炭素数4以上のα−オレフィン、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどの少なくとも1種、好ましくはエチレンと1−ブテン共重合体、又はエチレンとプロピレンの共重合体が用いられる。
(C)結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂としては、プロピレンとエチレン又は炭素数4以上のα−オレフィン、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどの少なくとも1種、好ましくはエチレンと1−ブテン共重合体、又はエチレンとプロピレンの共重合体が用いられる。
上記の3成分は、(A)15〜40重量%、(B)60〜85重量%及び(C)0〜20重量%、好ましくは3〜15重量%の割合で用いられる。
(C)結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂を配合することにより溶着性が向上するが、配合比率が20重量%以上になると、シートの柔軟性が低下し、下地追随性が悪化するとともに、低温での破断伸びの低下による耐寒性の低下が認められるようになる。
(C)結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂を配合することにより溶着性が向上するが、配合比率が20重量%以上になると、シートの柔軟性が低下し、下地追随性が悪化するとともに、低温での破断伸びの低下による耐寒性の低下が認められるようになる。
シート成形材料としての組成物の調製は、(A)架橋タイプのオレフィン系熱可塑性エラストマー、(B)線状低密度ポリエチレン、及び/又は(C)結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂、必要に応じてオイル、カーボンブラック、あるいは炭酸カルシウムなどの充填剤を(A)及び(B)、又は(A)、(B)及び(C)の合計100重量部あたり70重量部以下、好ましくは40重量部以下、耐候剤、加工助剤、顔料などを、バンバリーミキサー、1軸押出機、2軸押出機などの混練装置を用いて、約150〜250℃、好ましくは190〜220℃の温度で1〜30分間溶融混練することにより行われる。混合の順序については特に制限はない。
これらの組成物からのシート成形は、一般的なシート成形法で可能である。即ち160〜250℃の温度でTダイから溶融樹脂組成物を押出す方法、あるいはバンバリーミキサーやニーダー等で軟化温度以上に加熱溶融させた樹脂組成物をカレンダーロール等でシート状に成形する方法である。なおTダイシート成形時の押出機は真空ベント機構を備えた装置が好ましい。また、シートの厚みは0.2〜5mm、好ましくは0.5〜3mmである。
本発明における防水シートは熱可塑性という特徴を活かして例えば次のような用い方ができる。
長さ25m×幅2m×厚さ1.5mmのシートを用い、施工現場において、熱風機、自走式熱風溶着機などを用いて互いに端部を熱融着させて一体シートを作ったり、場合によってはシートを成形した工場内において、熱風機、ヒートシーラーなどを用いて端部を熱融着させた巾広シートを作製し、ゴルフ場の池、ダム、トンネル、用水路などの各種土木用防水工事や、建物の屋上防水など従来の各種防水シート用途対象物の全てに有効に適用される。
次に実施例により具体的に本発明の実施態様を明らかにする。
長さ25m×幅2m×厚さ1.5mmのシートを用い、施工現場において、熱風機、自走式熱風溶着機などを用いて互いに端部を熱融着させて一体シートを作ったり、場合によってはシートを成形した工場内において、熱風機、ヒートシーラーなどを用いて端部を熱融着させた巾広シートを作製し、ゴルフ場の池、ダム、トンネル、用水路などの各種土木用防水工事や、建物の屋上防水など従来の各種防水シート用途対象物の全てに有効に適用される。
次に実施例により具体的に本発明の実施態様を明らかにする。
以下、実施例によって本発明の内容を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって限定されるものではない。
なお、これらの実施例における物性値は、以下に示す方法で測定した。
なお、これらの実施例における物性値は、以下に示す方法で測定した。
(1)引張強さ
JIS A−6008(2002)に従い、シートの長手方向及び幅方向の引張強さ(N/cm2 )を20℃と60℃の温度条件下で測定する。
JIS A−6008(2002)に従い、シートの長手方向及び幅方向の引張強さ(N/cm2 )を20℃と60℃の温度条件下で測定する。
(2)伸び率
JIS A−6008(2002)に従い、シートの長手方向及び幅方向の伸び率(%)を20℃と−20℃の温度条件下で測定する。
JIS A−6008(2002)に従い、シートの長手方向及び幅方向の伸び率(%)を20℃と−20℃の温度条件下で測定する。
(3)手動機溶着性
日本道路公団仕様JH706に従い、手動式溶着機<ハンドライスター>(ライスター社製)を用いて、10cmの幅で重ね合わせた2枚のシートの端部を、溶着幅25mm、熱風温度410℃、溶着速度0.5m/分にて溶着し、剪断剥離強度(N/25mm)を測定する。
日本道路公団仕様JH706に従い、手動式溶着機<ハンドライスター>(ライスター社製)を用いて、10cmの幅で重ね合わせた2枚のシートの端部を、溶着幅25mm、熱風温度410℃、溶着速度0.5m/分にて溶着し、剪断剥離強度(N/25mm)を測定する。
(4)自動機溶着性
日本道路公団仕様JH706に従い、自走式溶着機<ツイニー>(パーカー社製)を用いて、10cmの幅で重ね合わせた2枚のシートの端部を、溶着幅25mm、熱風温度500℃、溶着圧600N、溶着速度2m/分にて溶着し、剪断剥離強度(N/25mm)を測定する。
日本道路公団仕様JH706に従い、自走式溶着機<ツイニー>(パーカー社製)を用いて、10cmの幅で重ね合わせた2枚のシートの端部を、溶着幅25mm、熱風温度500℃、溶着圧600N、溶着速度2m/分にて溶着し、剪断剥離強度(N/25mm)を測定する。
〔実施例1〕
エチレン−プロピレン−非共役ジエン系ゴム(EPDM)とポリプロピレンの動的架橋組成物に鉱物油系軟化剤を添加した、架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔I〕(住友化学工業社製、商品名「TPE5280」)10重量部、架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔II〕(住友化学工業社製、商品名「TPE4652」)10重量部、メタロセン触媒系線状低密度ポリエチレン〔I〕(三井化学社製、商品名「エボリューSP2020、密度:0.915g/cm3 )70重量部、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、商品名「スーパーSS」)5重量部、カーボンブラック(東京インキ社製、商品名「PEM8080」、濃度:50重量%)5重量部及び添加剤0.7重量部を配合し、二軸混練機(神戸製鋼所社製、4FCM)で溶融混練してペレット状組成物とした。
なお、上記添加剤は、フェノール系酸化防止剤0.3重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.2重量部、ヒンダードアミン系光安定剤0.1重量部及びエルカ酸アミド系滑剤0.1重量部からなり、以下の実施例及び比較例においても同一の添加剤を同量配合した。
ベント孔を有する115mmφ押出機の先端に幅2.5mmのTダイを有するシート成形機を用いて、上記ペレットを180〜200℃で溶融し、80℃の表面温度を有するキャスティングドラム上に押出し、厚さ1.5mm、幅2.6mのシートを成形した。
得られたシートの引張強さと伸び率を測定するとともに、溶着機により熱溶着させた2枚のシートの剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
エチレン−プロピレン−非共役ジエン系ゴム(EPDM)とポリプロピレンの動的架橋組成物に鉱物油系軟化剤を添加した、架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔I〕(住友化学工業社製、商品名「TPE5280」)10重量部、架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔II〕(住友化学工業社製、商品名「TPE4652」)10重量部、メタロセン触媒系線状低密度ポリエチレン〔I〕(三井化学社製、商品名「エボリューSP2020、密度:0.915g/cm3 )70重量部、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、商品名「スーパーSS」)5重量部、カーボンブラック(東京インキ社製、商品名「PEM8080」、濃度:50重量%)5重量部及び添加剤0.7重量部を配合し、二軸混練機(神戸製鋼所社製、4FCM)で溶融混練してペレット状組成物とした。
なお、上記添加剤は、フェノール系酸化防止剤0.3重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.2重量部、ヒンダードアミン系光安定剤0.1重量部及びエルカ酸アミド系滑剤0.1重量部からなり、以下の実施例及び比較例においても同一の添加剤を同量配合した。
ベント孔を有する115mmφ押出機の先端に幅2.5mmのTダイを有するシート成形機を用いて、上記ペレットを180〜200℃で溶融し、80℃の表面温度を有するキャスティングドラム上に押出し、厚さ1.5mm、幅2.6mのシートを成形した。
得られたシートの引張強さと伸び率を測定するとともに、溶着機により熱溶着させた2枚のシートの剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
実施例1で使用した架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔I〕と架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔II〕とメタロセン触媒系線状低密度ポリエチレン〔I〕をそれぞれ10重量部、10重量部、50重量部、結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂〔I〕(住友化学工業社製、商品名「ノーブレンS131」、プロピレン・エチレンランダム共重合体)5重量部、実施例1で使用した重質炭酸カルシウムとカーボンブラックをそれぞれ20重量部、5重量部を配合し、実施例1と同様にしてペレット状組成物とした。 上記組成物を用いて実施例1と同様にしてシート状とした。
得られたシートの引張強さと伸び率と剥離強度を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
実施例1で使用した架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔I〕と架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔II〕とメタロセン触媒系線状低密度ポリエチレン〔I〕をそれぞれ10重量部、10重量部、50重量部、結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂〔I〕(住友化学工業社製、商品名「ノーブレンS131」、プロピレン・エチレンランダム共重合体)5重量部、実施例1で使用した重質炭酸カルシウムとカーボンブラックをそれぞれ20重量部、5重量部を配合し、実施例1と同様にしてペレット状組成物とした。 上記組成物を用いて実施例1と同様にしてシート状とした。
得られたシートの引張強さと伸び率と剥離強度を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
実施例1で使用した架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔I〕と架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔II〕とメタロセン触媒系線状低密度ポリエチレン〔I〕をそれぞれ10重量部、15重量部、35重量部、実施例2で使用した結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂〔I〕12重量部、実施例1で使用した重質炭酸カルシウムとカーボンブラックをそれぞれ20重量部、8重量部を配合し、実施例1と同様にしてペレット状組成物とした。
上記組成物を用いて実施例1と同様にしてシート状とした。
得られたシートの引張強さと伸び率と剥離強度を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
実施例1で使用した架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔I〕と架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔II〕とメタロセン触媒系線状低密度ポリエチレン〔I〕をそれぞれ10重量部、15重量部、35重量部、実施例2で使用した結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂〔I〕12重量部、実施例1で使用した重質炭酸カルシウムとカーボンブラックをそれぞれ20重量部、8重量部を配合し、実施例1と同様にしてペレット状組成物とした。
上記組成物を用いて実施例1と同様にしてシート状とした。
得られたシートの引張強さと伸び率と剥離強度を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
〔比較例〕
実施例1で使用した架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔I〕と架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔II〕をそれぞれ10重量部、15重量部、実施例2で使用した結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂〔I〕22重量部、超低密度ポリエチレン(エチレン・ブテン−1共重合体、住友化学工業社製、商品名「VL200」)25重量部、実施例1で使用した重質炭酸カルシウムとカーボンブラックをそれぞれ20重量部、8重量部を配合し、実施例1と同様にしてペレット状組成物とした。
上記組成物を用いて実施例1と同様にしてシート状とした。
得られたシートの引張強さと伸び率と剥離強度を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
実施例1で使用した架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔I〕と架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔II〕をそれぞれ10重量部、15重量部、実施例2で使用した結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂〔I〕22重量部、超低密度ポリエチレン(エチレン・ブテン−1共重合体、住友化学工業社製、商品名「VL200」)25重量部、実施例1で使用した重質炭酸カルシウムとカーボンブラックをそれぞれ20重量部、8重量部を配合し、実施例1と同様にしてペレット状組成物とした。
上記組成物を用いて実施例1と同様にしてシート状とした。
得られたシートの引張強さと伸び率と剥離強度を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
表1に示すとおり、各実施例において得られたシートは、引張強さ、伸び率及び剥離強度のいずれにおいても、比較例のシートより優れたものであり、特に実施例1及び2のシートは、常温及び高温の引張強さと低温の伸び率において、格段に高い数値を示している。
Claims (7)
- (A)架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー15〜40重量%及び(B)線状低密度ポリエチレン60〜85重量%からなる組成物を成形加工してなることを特徴とする防水シート。
- (A)架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー15〜40重量%、(B)線状低密度ポリエチレン40〜85重量%及び(C)結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂0〜20重量%からなる組成物を成形加工してなることを特徴とする防水シート。
- (C)結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂の配合比率が3〜15重量%である請求項2に記載の記載の防水シート。
- (A)架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマーが、エチレン−プロピレン−非共役ジエン系ゴムとポリプロピレンからなる混合物を有機過酸化物存在下で動的部分架橋してなるエラストマーである請求項1〜3のいずれかに記載の記載の防水シート。
- (B)線状低密度ポリエチレンが0.90〜0.93g/cm3 の密度を有する請求項1〜4のいずれかに記載の防水シート。
- (C)結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂がポリプロピレンとエチレンまたは炭素数4以上のα−オレフィンからなるランダム又はブロック共重合体樹脂である請求項2〜5のいずれかに記載の防水シート。
- 請求項1又は2に記載の組成物に対し、(A)及び(B)、又は(A)、(B)及び(C)の合計100重量部あたり70重量部以下の充填剤が添加された組成物を成形加工してなる防水シート。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005085070A JP2006265367A (ja) | 2005-03-24 | 2005-03-24 | 防水シート |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005085070A JP2006265367A (ja) | 2005-03-24 | 2005-03-24 | 防水シート |
Publications (1)
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ID=37201664
Family Applications (1)
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009149855A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-07-09 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 熱可塑性エラストマー組成物、複合成形体およびウェザーストリップ |
WO2020189633A1 (ja) * | 2019-03-18 | 2020-09-24 | 三井化学株式会社 | 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体 |
CN114672089A (zh) * | 2022-04-21 | 2022-06-28 | 苏州凯伦高分子新材料科技有限公司 | 一种高抗穿刺耐老化预铺防水抗渗卷材及其制备方法 |
-
2005
- 2005-03-24 JP JP2005085070A patent/JP2006265367A/ja active Pending
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