JP2006265220A - 血行促進剤、それを含有する飲食品、食品添加物、医薬及び香粧品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 長期間継続的に服用しても安全かつ効果的な、血行を促進し、冷え性解消もしくは痩身するための血行促進剤を提供する。
【解決手段】 リンゴ抽出物を有効成分として含有してなることを特徴とする血行促進剤である。
【選択図】 図1
【解決手段】 リンゴ抽出物を有効成分として含有してなることを特徴とする血行促進剤である。
【選択図】 図1
Description
本発明は血行を促進することにより冷え性を改善し及び痩身を促進する血行促進剤、それを含有する飲食品、食品添加物、医薬及び香粧品に関する。
毛細血管の血管障害が引き起こされると、体温調整に支障をきたすことが知られている。例えば、人間は寒いと感じたとき毛細血管を収縮させ、この作用のおかげで体温を逃がさないように調節している。しかし、暖かくなっても毛細血管をいつまでも収縮させたままの状態が続くと血管に多くの血液が送れなくなるため体温の調節ができなくなる。本来、身体を温めるために血管を拡張するはずが、逆に細くしてしまうので血液が流れないのである。この状態を、一般的に冷え性と呼ぶ。冷え性は、自律神経失調による血管の拡張や収縮をつかさどる交感神経、副交感神経の調整に支障をきたして手足の先の血行が悪くなったり、低血圧が原因で手足の先まで血液が十分に届かなかったり、貧血のため細胞の熱源になる栄養素を運ぶ血液が減少することにより引き起こされる。従って、毛細血管の末梢循環作用を改善し、血行を促進することにより冷え性を改善することが可能となる。
さらに、日本人の食事は近年著しく欧米化し、高カロリー化が進んでいる。特に、脂質の過剰摂取により脂肪の蓄積過多が生じ、肥満が引き起こされ、美容の面から好ましいとは言えない。また、肥満は高血圧、耐糖能異常や高脂血症などを合併しやすく、虚血性心疾患、脳卒中、糖尿病などの危険因子と考えられており、生活習慣病予防の観点から肥満対策はきわめて重要である。しかしながら、これまでの肥満予防や治療の方法として、ほとんどが食事制限やダイエット食によるものであるが、食事制限は精神的困難さを伴い、その方法を誤ると栄養障害を引き起こし、あるいは拒食症といった病的症状を呈する危険性もある。一方で、各種医薬品の投与も行われているが、効能とともに副作用を考慮しなければならない。このように従来の肥満の予防や改善は容易かつ簡便にできるものではなかった。従って、血行促進により、新陳代謝を高めることが可能な、簡便かつ安全な飲食品、食品添加物、医薬及び香粧品が待ち望まれていた。
特許文献1から4には、プロアントシアニジンの血流改善及び血流改善に伴う痩身効果について開示され、特許文献5にはカシス由来のアントシアニンの血流改善効果について開示されている。しかしながら、特許文献1から5には、いずれも、プロアントシアニジン又はアントシアニンの由来はカシス、ブドウ種子及び松樹皮などであると開示され、リンゴ由来であるという記載はない。このように、いずれの特許文献にも、リンゴ抽出物が血行促進作用を有するという開示はなされていない。
特開2003−128560号公報
特開2004−123622号公報
特開2004−123707号公報
特開2004−242663号公報
特開2004−262878号公報
本発明の目的は、長期間継続的に服用しても安全かつ効果的な、血管拡張作用による末梢血管系の血液循環の改善により血行を促進し、冷え性を解消し及び痩身するための血行促進剤、それを含有する飲食品、食品添加物、医薬及び香粧品を提供することにある。
上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、本発明者はリンゴ抽出物が、血行促進作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を要旨とするものである。
(1)リンゴ抽出物を有効成分として含有してなることを特徴とする血行促進剤。
(2)前記リンゴ抽出物がリンゴ由来ポリフェノールであることを特徴とする(1)に記載の血行促進剤。
(3)前記リンゴ由来ポリフェノールは、総ポリフェノール中のプロシアニジン類の含有率が、20〜100重量%であることを特徴とする(2)に記載の血行促進剤。
(4)(1)から(3)のいずれか1に記載の血行促進剤を含有する飲食品。
(5)(1)から(3)のいずれか1に記載の血行促進剤を含有する食品添加物。
(6)(1)から(3)のいずれか1に記載の血行促進剤を含有する医薬。
(7)(1)から(3)のいずれか1に記載の血行促進剤を含有する香粧品。
(1)リンゴ抽出物を有効成分として含有してなることを特徴とする血行促進剤。
(2)前記リンゴ抽出物がリンゴ由来ポリフェノールであることを特徴とする(1)に記載の血行促進剤。
(3)前記リンゴ由来ポリフェノールは、総ポリフェノール中のプロシアニジン類の含有率が、20〜100重量%であることを特徴とする(2)に記載の血行促進剤。
(4)(1)から(3)のいずれか1に記載の血行促進剤を含有する飲食品。
(5)(1)から(3)のいずれか1に記載の血行促進剤を含有する食品添加物。
(6)(1)から(3)のいずれか1に記載の血行促進剤を含有する医薬。
(7)(1)から(3)のいずれか1に記載の血行促進剤を含有する香粧品。
本発明のリンゴ抽出物を有効成分とする血行促進は、副作用が極めて少なく血行を促進させることができる。
また、上記の血行促進剤を有効成分として含有する飲食品、食品添加物、医薬及び香粧品は、副作用が極めて少なく血行を促進させることができる。
本発明における血行促進剤は、血行を促進し、末梢循環作用を改善するものを指す。
本発明におけるリンゴ抽出物は、バラ科リンゴ属植物の果実、例えば、フジ、陸奥、津軽、スターキング・デリシャス等の栽培品種及び原種リンゴ等より公知抽出手段により抽出して得られるものである。
果実としては成熟果実、未熟果実ともに用いることができるが、より多くのポリフェノール化合物を含有すること、及び広範な生理作用を有する各種活性成分を多量に含むことから、未熟果実が特に好ましい。
本発明におけるリンゴ由来ポリフェノールは、リンゴ抽出物中にポリフェノールを有効成分として含まれているものである。本発明における血行促進剤は、リンゴ抽出物あるいはリンゴ由来ポリフェノールのいずれでもよいが、好ましくはリンゴ由来ポリフェノールである。精製度の高いリンゴ由来ポリフェノールは、飲食品等に添加する場合、おりや濁りを発生しにくく、また、飲食品等自身に与える風味の影響も抑えることができるといった加工上の応用性が高い。
本発明におけるリンゴ由来ポリフェノールは、総ポリフェノール中のプロシアニジン類の含有率が、好ましくは20〜100重量%、より好ましくは30〜90重量%、特に好ましくは20〜65重量%である。総ポリフェノールに占めるプロシアニジン類の割合が20重量%より低いと血行を促進させる作用が低下する。プロシアニジン類の含有率が20重量%より低いということはリンゴ由来ポリフェノールに占める単量体(カテキン)の割合が80重量%以上であることを意味し、単量体の割合が80重量%以上になると血行促進の効果を得にくくなるからである。
本発明のリンゴ抽出物中に含有されるリンゴ由来ポリフェノールは、リンゴ果実、若しくは未熟果実の搾汁果汁または、抽出液より精製されたポリフェノール画分からなるものであるが、当該ポリフェノール画分の精製は、搾汁果汁、抽出液を吸着剤で処理することにより行なわれ、吸着剤に吸着する画分(以下、吸着画分という)にポリフェノールは含有されている。吸着剤としては、ポリフェノールを吸着するものであれば特に限定されないが、例えば親水性ビニルポリマー樹脂(東ソー社製「トヨパールHW40」)、スチレン−ジビニルベンゼン樹脂(三菱化学社製「セパビーズSP−850」)、ゲル型合成樹脂(三菱化学社製「ダイヤイオンHP−20」)を挙げることができる。
前記吸着剤に吸着した吸着画分を、例えば含水エタノール等のアルコール溶媒で溶出させることにより、ポリフェノール画分が精製される。当該ポリフェノール画分は、次いで濃縮処理することにより液体製剤を得ることができ、さらに、当該液体製剤を噴霧乾燥もしくは凍結乾燥処理することにより粉末製剤を得ることもできる。
リンゴ由来ポリフェノールの原料となるリンゴ抽出物の抽出方法としては、例えば洗浄した原料をpH3.2〜4.6、好ましくはpH3.5〜4.3で破砕し、得られた果汁にペクチナーゼを5〜75℃、好ましくは30〜60℃で10〜100ppm、さらに好ましくは20〜30ppm添加して清澄化を行い、遠心分離後、5〜75℃、好ましくは15〜25℃で珪藻土(商品名「シリカ300S」、中央シリカ社製)濾過によりさらに清澄化を行い、清澄果汁を得る。或いはヘキサン、クロロホルム等の有機溶媒による分配及び濾過を行い、清澄抽出液としてリンゴ抽出物が得られる。
リンゴ抽出物よりリンゴ由来ポリフェノールを得るには、次いで清澄抽出液を0〜40℃、好ましくは15〜25℃、pH1.5〜4.2、好ましくはpH3.0〜4.0で前記吸着剤を充填した吸着カラム(商品名「ダイヤイオンHP−20」、三菱化学社製)に通液し、ポリフェノール類を吸着させる。続いて純水を通液し、カラム中の非吸着物質(糖類、有機酸類等)を除去した後、10〜90%、好ましくは30〜80%のエタノールで吸着画分を溶出する。得られた吸着画分からエタノールを25〜100℃、好ましくは35〜90℃で減圧留去濃縮し、濃縮液をそのままで液体のリンゴ由来ポリフェノールとしてもよい。或いはデキストリン等の粉末助剤を添加し、噴霧乾燥又は凍結乾燥を行い、リンゴ由来ポリフェノールの抽出粉末品としてもよい。
本発明の血行促進剤により、血行を促進する効果を得るための成人1日あたりの投与量は、リンゴ抽出物あるいはリンゴ由来ポリフェノールとして、100〜2500mgであるが、好ましくは150〜1500mg、更に好ましくは150〜1000mg、特に150〜750mgであるのが好ましい。
本発明の血行促進剤を利用する場合、ポリフェノール類の吸収の点から、1日あたりのリンゴ抽出物量またはリンゴ由来ポリフェノール量を少ない回数で摂取する方がポリフェノール類の血中濃度が高くなり、ポリフェノール類の作用を発現しやすい。
本発明の血行促進剤は、飲料を含む、広く食品一般に食品添加物として添加して用いることができ、例えばスープ類、飲料(ジュース、酒、ミネラルウォーター、コーヒー、茶、ノンアルコールビール等)、菓子類(ガム、キャンディー、チョコレート、スナック、ゼリー等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、アルコール飲料(ビール、発泡酒、カクテル、チューハイ、焼酎、日本酒、ウィスキー、ブランデー、ワイン等)に好適に用いられる。
本発明の血行促進剤を含む医薬品の剤形は特に限定されないが、例えば錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤等の固形製剤、水剤、懸濁剤、シロップ剤、乳剤等の液剤等の経口投与剤が挙げられる。この経口投与剤は、形態に応じて当分野において通常用いられる賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、アルコール類、水、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味料、薬剤用担体等を添加して通常使用されている方法によって製造することができる。
また、香粧品にリンゴ由来ポリフェノールを配合しても良い。本発明における香粧品とは、化粧品、身体洗浄剤、口腔剤、入浴剤等の人体に適用する一連の製品を意味する。化粧品としては、例えば化粧水、化粧クリーム、乳液、ファンデーション、おしろい、口紅、整髪料、ヘトニック、育毛料、ヘアリンス等を挙げることができる。身体洗浄剤としては、例えば洗顔料、シャンプー、ボディーソープ等を挙げることができる。口腔剤としては、例えば練り歯磨き、先口液等を挙げることができる。香粧品を調整する場合には、通常の香粧品原料として使用されているものを適宜配合して製造することができる。
以下に実施例および試験例をあげ、本発明を具体的に説明する。
(試験例1) プロシアニジン類の測定
フィルター(0.8μm)でろ過した液体のリンゴ抽出物を、高速液体クロマトグラフ(日立社製、型式L7000)を用い、逆相液体クロマトグラフ用パックドカラムODS
C18(4.6mmφ×250mm、GLサイエンス社製)に装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。移動相A液はリン酸カリウム10nmol/L含有の20%メタノール水溶液、B液はリン酸カリウム10nmol/Lの50%メタノール水溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
フィルター(0.8μm)でろ過した液体のリンゴ抽出物を、高速液体クロマトグラフ(日立社製、型式L7000)を用い、逆相液体クロマトグラフ用パックドカラムODS
C18(4.6mmφ×250mm、GLサイエンス社製)に装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。移動相A液はリン酸カリウム10nmol/L含有の20%メタノール水溶液、B液はリン酸カリウム10nmol/Lの50%メタノール水溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
(製造例1)
青森県産リンゴ幼果300kgを破砕、圧搾し果汁210kgを得た。得られた果汁にペクチナーゼ30ppmで清澄化を行い、遠心分離後、珪藻土(シリカ300S、中央シリカ社製)濾過により清澄化を行い清澄果汁を得た。清澄果汁を吸着カラム(セパヒーズHP-20、三菱化学社製)に通液し、ポリフェノール類を吸着させた。続いて純水を通
液し、カラム中の非吸着物室(糖類、有機酸類など)を除去したのち、80%アルコールで溶出した。得られた画分からアルコールを減圧濃縮し、抽出粉末品約2kgを調製した。抽出粉末品を逆相計高速液体クロマトグラフィーを用いて検定したところ、クロロゲン酸類(約20%)、フロレチレン配糖体類(約5%)、フラボノール類(約15%)、プロアントシアニジン(約50%)及びその他褐変物質(約10%)からなることが確認できた。更に、このプロトシアジニン類は、マトリックス支援レーザーイオン化―飛行時間型質量分析計(MALDI−TOF/MS、アプライドバイオシステム社製)による解析の結果、フラボノール類であるカテキンやエビカテキンから構成される2量体から15量体までのオリゴマーやポリマーであることが確認された(M.Ohnishi−kameyama et al.Mass Spectrometry,11,31,−36,1997)。
青森県産リンゴ幼果300kgを破砕、圧搾し果汁210kgを得た。得られた果汁にペクチナーゼ30ppmで清澄化を行い、遠心分離後、珪藻土(シリカ300S、中央シリカ社製)濾過により清澄化を行い清澄果汁を得た。清澄果汁を吸着カラム(セパヒーズHP-20、三菱化学社製)に通液し、ポリフェノール類を吸着させた。続いて純水を通
液し、カラム中の非吸着物室(糖類、有機酸類など)を除去したのち、80%アルコールで溶出した。得られた画分からアルコールを減圧濃縮し、抽出粉末品約2kgを調製した。抽出粉末品を逆相計高速液体クロマトグラフィーを用いて検定したところ、クロロゲン酸類(約20%)、フロレチレン配糖体類(約5%)、フラボノール類(約15%)、プロアントシアニジン(約50%)及びその他褐変物質(約10%)からなることが確認できた。更に、このプロトシアジニン類は、マトリックス支援レーザーイオン化―飛行時間型質量分析計(MALDI−TOF/MS、アプライドバイオシステム社製)による解析の結果、フラボノール類であるカテキンやエビカテキンから構成される2量体から15量体までのオリゴマーやポリマーであることが確認された(M.Ohnishi−kameyama et al.Mass Spectrometry,11,31,−36,1997)。
(比較例1) 錠剤
ラクトース140gとコーンスターチ17gとを混合し、この混合物をあらかじめコーンスターチ70gから調整したペーストとともに顆粒化した。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム1gを加えてよく混合し、この混合物を打錠機にて打錠して錠剤1000個を製造した。
ラクトース140gとコーンスターチ17gとを混合し、この混合物をあらかじめコーンスターチ70gから調整したペーストとともに顆粒化した。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム1gを加えてよく混合し、この混合物を打錠機にて打錠して錠剤1000個を製造した。
(実施例1) 錠剤
製造例1で得られたリンゴ由来ポリフェノール150gとラクトース90gとコーンスターチ17gを混合し、この混合物をあらかじめコーンスターチ70gから調整したペーストとともに顆粒化した。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム1gを加えてよく混合し、この混合物を打錠機にて打錠して錠剤1000個を製造した。
製造例1で得られたリンゴ由来ポリフェノール150gとラクトース90gとコーンスターチ17gを混合し、この混合物をあらかじめコーンスターチ70gから調整したペーストとともに顆粒化した。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム1gを加えてよく混合し、この混合物を打錠機にて打錠して錠剤1000個を製造した。
使用したリンゴポリフェノール:
プロシアニジン類 63.8%
成分 2量体 11.1%
3量体 12.3%
4量体 8.7%
5量体 5.9%
6量体 4.9%
7量体以上 20.9%
総ポリフェノール類 93.5%
プロシアニジン類 63.8%
成分 2量体 11.1%
3量体 12.3%
4量体 8.7%
5量体 5.9%
6量体 4.9%
7量体以上 20.9%
総ポリフェノール類 93.5%
(試験例2) リンゴ由来ポリフェノールの末梢循環改善作用(ヒト)
冷え性の女性被験者7名にリンゴ由来ポリフェノールを摂取した場合としない場合における冷水負荷後の体温回復状況をサーモグラフィーで観察し、末梢循環作用への反応を調べた。体温を一定化するために、室温24℃、湿度50%の部屋で30分間安静に過ごした後、実施例1で得られたリンゴポリフェノール錠10粒(リンゴ由来ポリフェノール1500mg含有)あるいは比較例1で得られたプラセボ錠10粒を5%ブドウ糖液100mLで摂取し、1時間後、24℃の冷水に左手を2分間浸漬し、サーモグラフィー(サーモトレーサ:型式TH5104、NEC社製)で測定を開始した。試験はクラスオーバー、単盲検にて実施し、測定結果の一例を示すサーモグラフィーを図1に示す。プラセボの場合、指先の温度は25.5℃から28.1℃に回復したのに対し、リンゴ由来ポリフェノールを摂取した人の指先の温度は25.6℃から32.4℃に回復した。図1の通り、冷水負荷後の体温の回復が、リンゴポリフェノールを摂取している方が早いことが示され、血流改善作用から、末梢循環が改善されていることが示された。
冷え性の女性被験者7名にリンゴ由来ポリフェノールを摂取した場合としない場合における冷水負荷後の体温回復状況をサーモグラフィーで観察し、末梢循環作用への反応を調べた。体温を一定化するために、室温24℃、湿度50%の部屋で30分間安静に過ごした後、実施例1で得られたリンゴポリフェノール錠10粒(リンゴ由来ポリフェノール1500mg含有)あるいは比較例1で得られたプラセボ錠10粒を5%ブドウ糖液100mLで摂取し、1時間後、24℃の冷水に左手を2分間浸漬し、サーモグラフィー(サーモトレーサ:型式TH5104、NEC社製)で測定を開始した。試験はクラスオーバー、単盲検にて実施し、測定結果の一例を示すサーモグラフィーを図1に示す。プラセボの場合、指先の温度は25.5℃から28.1℃に回復したのに対し、リンゴ由来ポリフェノールを摂取した人の指先の温度は25.6℃から32.4℃に回復した。図1の通り、冷水負荷後の体温の回復が、リンゴポリフェノールを摂取している方が早いことが示され、血流改善作用から、末梢循環が改善されていることが示された。
(比較例2) 外用剤
ワセリン30g、流動パラフィン20g、パラフィン7g、ラノリン4gの油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、セスキオレイン酸ソルビタン4g、プロピレングリコール2.5g、硫酸マグネシウム0.2g、パラオキシ安息香酸メチル0.2g、精製水31.7gの水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに香料0.2gを加え、ホモミキサーにて均一に分散させた。この水相成分に前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化し、均一に混合した。
ワセリン30g、流動パラフィン20g、パラフィン7g、ラノリン4gの油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、セスキオレイン酸ソルビタン4g、プロピレングリコール2.5g、硫酸マグネシウム0.2g、パラオキシ安息香酸メチル0.2g、精製水31.7gの水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに香料0.2gを加え、ホモミキサーにて均一に分散させた。この水相成分に前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化し、均一に混合した。
(実施例2) 外用剤
ワセリン30g、流動パラフィン20g、パラフィン7g、ラノリン4gの油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、セスキオレイン酸ソルビタン4g、プロピレングリコール2.5g、硫酸マグネシウム0.2g、パラオキシ安息香酸メチル0.2g、精製水31.7gの水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに香料0.2gを加え、ホモミキサーにて均一に分散させた。この水相成分に前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化した。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて実施例1で得られたリンゴ由来のポリフェノール0.2gの成分を加え、均一に混合した。
ワセリン30g、流動パラフィン20g、パラフィン7g、ラノリン4gの油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、セスキオレイン酸ソルビタン4g、プロピレングリコール2.5g、硫酸マグネシウム0.2g、パラオキシ安息香酸メチル0.2g、精製水31.7gの水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに香料0.2gを加え、ホモミキサーにて均一に分散させた。この水相成分に前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化した。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて実施例1で得られたリンゴ由来のポリフェノール0.2gの成分を加え、均一に混合した。
使用したリンゴポリフェノール:
プロシアニジン類 52.0%
成分 2量体 13.5%
3量体 15.1%
4量体 5.0%
5量体 3.4%
6量体 2.8%
7量体以上 12.1%
総ポリフェノール類 91.2%
プロシアニジン類 52.0%
成分 2量体 13.5%
3量体 15.1%
4量体 5.0%
5量体 3.4%
6量体 2.8%
7量体以上 12.1%
総ポリフェノール類 91.2%
(試験例3) リンゴ由来ポリフェノールの末梢循環改善及び痩身効果(ヒト)
次に、臨床試験により、実施例2で得られたリンゴ由来ポリフェノール含有外用剤を1日100gを目安として8週間使用したときの末梢循環改善及び痩身効果を男女被験者8名で検討した。
次に、臨床試験により、実施例2で得られたリンゴ由来ポリフェノール含有外用剤を1日100gを目安として8週間使用したときの末梢循環改善及び痩身効果を男女被験者8名で検討した。
(1) 20〜65歳の男女8名(内、女性は5名であった。)
(2) BMI値が24以上30未満(BMI高め〜軽度肥満)
(3) 男性:体脂肪率20%以上(インピーダンス法)
(4) 女性:体脂肪率22%以上(インピーダンス法)
図2に、冷水負荷前のサーモグラフィーによる皮膚表面温度を100%として、冷水負荷前に対する負荷後15分での皮膚温度の回復率(%)を示した。同図より、使用開始前と使用8週間後との比較で有意な温度上昇の改善が確認された(p<0.05)。
(2) BMI値が24以上30未満(BMI高め〜軽度肥満)
(3) 男性:体脂肪率20%以上(インピーダンス法)
(4) 女性:体脂肪率22%以上(インピーダンス法)
図2に、冷水負荷前のサーモグラフィーによる皮膚表面温度を100%として、冷水負荷前に対する負荷後15分での皮膚温度の回復率(%)を示した。同図より、使用開始前と使用8週間後との比較で有意な温度上昇の改善が確認された(p<0.05)。
また、リンゴ由来ポリフェノールを摂取した被験者は、終了時に開始前と比較して体脂肪(インピーダンス法)(−2.74%)、ウエスト(−1.41cm)、ヒップ(−2.07cm)、ウエスト/身長比(−0.02)に低下がみられた。本試験における8週間の試験では安全性に問題はなかった。
(実施例3) 飴
リンゴポリフェノール 5.0g
ショ糖 15.0g
水飴(75%固形分) 70.0g
水 9.5g
着色料(ダイワ化成株式会社 ハイオレンジW−150) 0.05g
香料(長谷川香料株式会社 オレンジフレーバーAH−11444) 0.45g
合計 100.0g
上記の各重量部の各成分を用い、常法に従って飴とした。
リンゴポリフェノール 5.0g
ショ糖 15.0g
水飴(75%固形分) 70.0g
水 9.5g
着色料(ダイワ化成株式会社 ハイオレンジW−150) 0.05g
香料(長谷川香料株式会社 オレンジフレーバーAH−11444) 0.45g
合計 100.0g
上記の各重量部の各成分を用い、常法に従って飴とした。
(実施例4) ジュース
リンゴポリフェノール 2.5g
濃縮ミカン果汁 15.0g
果糖 2.5g
クエン酸 0.2g
香料(高砂香料株式会社 オレンジフレーバー) 0.1g
色素(三栄源 オレンジカラーベース) 0.15g
アスコルビン酸ナトリウム 0.05g
水 79.5g
合計 100.0g
上記の各重量部の各成分を用い、常法に従ってジュースとした。
リンゴポリフェノール 2.5g
濃縮ミカン果汁 15.0g
果糖 2.5g
クエン酸 0.2g
香料(高砂香料株式会社 オレンジフレーバー) 0.1g
色素(三栄源 オレンジカラーベース) 0.15g
アスコルビン酸ナトリウム 0.05g
水 79.5g
合計 100.0g
上記の各重量部の各成分を用い、常法に従ってジュースとした。
(実施例5) クッキー
リンゴポリフェノール 5.0g
薄力粉 32.0g
全卵 16.0g
バター 16.0g
砂糖 20.0g
水 10.8g
ベーキングパウダー 0.2g
合計 100.0g
上記の各重量部の各成分を用い、常法に従ってクッキーとした。
リンゴポリフェノール 5.0g
薄力粉 32.0g
全卵 16.0g
バター 16.0g
砂糖 20.0g
水 10.8g
ベーキングパウダー 0.2g
合計 100.0g
上記の各重量部の各成分を用い、常法に従ってクッキーとした。
本発明により、血行を促進できる血行促進剤組成物が得られたので、冷え性解消または痩身できる安全性の高い飲食品、食品添加物、医薬及び香料類に利用可能である。
Claims (7)
- リンゴ抽出物を有効成分として含有してなることを特徴とする血行促進剤。
- 前記リンゴ抽出物がリンゴ由来ポリフェノールであることを特徴とする請求項1に記載の血行促進剤。
- 前記リンゴ由来ポリフェノールは、総ポリフェノール中のプロシアニジン類の含有率が、20〜100重量%であることを特徴とする請求項2に記載の血行促進剤。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の血行促進剤を含有する飲食品。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の血行促進剤を含有する食品添加物。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の血行促進剤を含有する医薬。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の血行促進剤を含有する香粧品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005124431A JP2006265220A (ja) | 2005-02-25 | 2005-04-22 | 血行促進剤、それを含有する飲食品、食品添加物、医薬及び香粧品 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005051995 | 2005-02-25 | ||
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JP (1) | JP2006265220A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010270020A (ja) * | 2009-05-19 | 2010-12-02 | Oriza Yuka Kk | 冷え性改善用組成物 |
-
2005
- 2005-04-22 JP JP2005124431A patent/JP2006265220A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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