JP2006264225A - ウレタン用成形型およびウレタン用成形型の表面処理方法 - Google Patents

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義幸 村田
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Abstract

【課題】より高い離型性能が長期にわたって保持されるウレタン用成形型を提供する。
【解決手段】ウレタン用成形型1は、金型2の成形面に、ニッケル、クロム、亜鉛のうち少なくとも1種を含むメッキ層4と、メッキ層4に含浸した状態でメッキ層4上に設けられているフッ素樹脂層6とを備える。メッキ層4によって金型2の成形面に成形や清掃において傷つきにくい程度の硬度が付与され、フッ素樹脂層6は、メッキ層4に含浸した状態で設けられているため、メッキ層4に良好に固定化されており、ヒビや剥がれが生じにくい。したがって、このウレタン用成形型1の型面は、フッ素樹脂層6による良好な離型性がより長く保たれる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両のシートパッドなどの製造で行われるウレタン成形、好適にはウレタン発泡成形に適する成形型およびこのような成形型の表面処理方法に関する。
車両用シートのシートパッド等は、発泡ポリウレタンを発泡成形することで製造できる。従来、このような製造工程では、得られるウレタン成形体が成形型の表面に粘着することを防ぐため、シリコン系等の離型剤を成形型表面にスプレー塗布、乾燥させてから、ウレタン原料を注入して成形している。しかしながら、成形の度に離型剤を塗布しなければならない、残留する離型剤によって成形表面に凹凸ができたり、成形型の温度にばらつきができたりするのを防ぐために頻繁に清掃しなければならない、といった煩雑な行為が必要となり、効率が悪い。
離型剤を使用することなく離型性を向上させる方法として、このような金型の表面にフッ素樹脂をコーティングする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、フッ素樹脂被膜は、一般に柔らかいため、工業生産のように繰り返し使用し、頻繁に清掃するという使用状況に耐えられない。そこで、表面の硬さを確保して離型剤を必要としない金型として、特許文献2に四フッ化エチレン樹脂の粒子を懸濁させたニッケルとリンのメッキ液を用いて、金型表面にメッキを施したものが開示されている。
実開昭57−183137号公報 特開平9−183129号公報
しかしながら、この方法では、メッキ液に懸濁させることができる四フッ化エチレン樹脂の量が限定されてしまい、必ずしも所望の離型性能を得られない。また、メッキ層、すなわちニッケルやリンが露出しており、これらはウレタンに対して結合性を有するため、離型剤を塗布した場合と同等の離型性を得ることは、困難である。
そこで、本発明では、より高い離型性能が長期にわたって保持されるウレタン用成形型を提供することを課題とする。
また、併せて、本発明では、より高い離型性能が長期にわたって保持される型面を形成し得るウレタン用成形型の表面処理方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、金型の成形面に、ニッケル、クロム、亜鉛のうち少なくとも1種を含むメッキ層と、前記メッキ層に含浸した状態でメッキ層上に設けられているフッ素樹脂層とを備える、ウレタン用成形型を提供する。
この成形型では、メッキ層によって金型の成形面に成形や清掃において傷つきにくい程度の硬度が付与されている。また、フッ素樹脂層は、このメッキ層に含浸した状態で設けられているため、メッキ層に良好に固定化されており、ヒビや剥がれが生じにくい。したがって、成形面のフッ素樹脂層による良好な離型性がより長く保たれる。
上記成形型の好ましい一形態においては、前記メッキ層は10μmより厚く、メッキ層とフッ素樹脂層とを含む表面処理層が15μm以上である。このような成形型は、ウレタン発泡成形、特に車両用シートなどのシートパッドに好適な発泡ウレタンの成形において良好な離型性を発揮するとともに、傷つきにくく、耐久性が良い。
さらに、上記成形型の好ましい一形態においては、メッキ層表面からフッ素樹脂層の表面までの厚さが5μm以上である。このような成形型は、離型性がより良好である。
また、本発明の第2発明は、ウレタン用成形型の表面処理方法であって、ニッケル、クロム、亜鉛のうち少なくとも1種を含むメッキ層が付与された成形面を、フッ素樹脂粒子が分散状態で保持されたフッ素樹脂分散液に浸漬する浸漬工程と、前記浸漬工程後の成形面を高温乾燥させる焼付け工程とを備える、ウレタン用成形型の表面処理方法を提供する。
また、上記表面処理方法の好ましい形態は、前記焼付け工程を経てメッキ層に含浸したフッ素樹脂層を備える成形面を、フッ素樹脂粒子が分散状態で保持されたフッ素樹脂分散液に浸漬させ、浸漬後の成形面を高温乾燥させるフッ素樹脂層肥厚工程を1回以上有する。
この方法では、傷つきにくい硬度とフッ素樹脂が含浸しやすい多孔質表面とがメッキ層によって付与されている成形面を、フッ素樹脂分散液に浸漬させることで、多孔質表面の凹凸によって形成される細孔にフッ素樹脂層を充填すると共に成形面に均一にフッ素樹脂を付与できる。その後、高温乾燥させることで、フッ素樹脂はメッキ層の細孔に含浸した状態でメッキ層表面に層状に固定化するため、フッ素樹脂自体の三次元構造によりメッキ層表面に安定化させることができる。したがって、この表面処理方法によれば、成形面に良好な離型性がより安定に付与された成形型を得ることができる。また、フッ素樹脂層肥厚工程を1回以上有することにより、フッ素樹脂層を均一且つ所望の厚さに積層することができ、離型性や耐久性を向上させることができる。
本発明によれば、より高い離型性能が長期にわたって保持されるウレタン用成形型、及び、より高い離型性能が長期にわたって保持される型面を形成し得るウレタン用成形型の表面処理方法を提供することにより、離型性に起因する成形不良を低減して効率よくウレタン成形品を製造することができる。
本発明に係るウレタン用成形型は、ポリウレタン成形品を製造するための種々の成形型に適用し得る。ウレタン用成形型のウレタンを成形する部分の少なくとも一部に本発明に係る構成を備える成形型であり、好ましくはウレタンに接触する成形面全体が本発明に係る構成を備える。2以上に分割された型においては、少なくとも1つが上記条件を備える成形型であるウレタン用成形型である。好適には、ポリウレタン発泡成形品、例えば、車両用シートのシートパッドを始めとする各種パッド部材の発泡成形型とされる。典型的には、金型は一対の成形面から成り、メッキ層とフッ素樹脂層とは、一対の成形面のうちどちらか一方、若しくは両方に設けられる。
まず、本発明に係る成形型の一実施形態について説明する。図1に、本発明の一実施形態に係るウレタン用成形型の成形面の断面図を示す。成形型1は、金型2と、金型2の成形面をコートするメッキ層4と、メッキ層4上を被覆するフッ素樹脂層6とを備える。金型2は、従来公知の金属材料、例えば、鉄、アルミ、ステンレスなどによって形成されている公知の金型とすることができる。典型的には、シートパッド用の金型として、アルミ製の金型が好適である。
メッキ層4は、公知のメッキ処理によって形成されるめっきであり、その成分としては、少なくともニッケル、クロム、亜鉛のうち一種を含む。具体的には、例えば、ニッケルメッキ、無電解ニッケルメッキ、硬質クロムメッキ、亜鉛メッキなどである。メッキ層4の厚みは、限定されるものではないが、シートパッド用のウレタン発泡成形品の成形型では、例えば、10μmを超えると、メッキ層表面へのフッ素樹脂の充填量が適当となって離型性が良好となり、好ましい。より好ましくは、メッキ層4の厚みは15μm以上であり、例えば、40μmであると、シートパッド用のウレタン用成形型において良好な硬度、離型性が得られるとともにフッ素樹脂層6に良好な耐傷付き性が付与できる。
フッ素樹脂層6は、公知の離型性に優れるフッ素樹脂から成る皮膜である。フッ素樹脂層6を構成するフッ素樹脂は、典型的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、適宜、PTFEの共重合体とすることができる。PTFEの共重合体としては、例えば、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体や4フッ化エチレンパーフルオロプロピルビニルエーテル共重合体、エチレン4フッ化エチレン重合体などを挙げることができる。これらのフッ素樹脂は、一般に高温において安定であり、ウレタンに対して良好な離型性を備える。フッ素樹脂層6は、図示しないが、メッキ層4の表面の凹凸に侵入、すなわち含浸しているとともに、メッキ層4の上面に所定の厚みで層状に設けられている。すなわち、公知のメッキ処理によって得られるメッキ層4の表面は、多孔質表面であるが、この多孔質表面に密着するとともに孔部に充填された状態になっている。フッ素樹脂層6は、フッ素樹脂層6のメッキ層4の上面からの厚みは、限定されるものではないが、例えば、5μm以上であると、ウレタン、特に発泡ウレタンの離型性を良好にすることができ、好ましい。
メッキ層4の厚みとフッ素樹脂層6の厚みの和は、少なくとも15μm以上であり、少なくともメッキ層4が10μmを超える厚みを有することが好ましい。この場合、フッ素樹脂層6によって良好な離型性を確保するとともに、メッキ層4によって良好な硬度を付与し、さらに、フッ素樹脂層6の耐傷つき性を良好に向上させることができる。好ましくは、メッキ層4の厚みとフッ素樹脂層6の厚みの和は、45μm以上であって、メッキ層4の厚みが40μm以上とされる。この条件を満たすウレタン用成形型1は、特に、車両用シートパッドをウレタン発泡成形において、より長期にわたって良好な離型性が持続し、効率の良いシートパッドの製造を可能とする。
このウレタン用成形型1の成形面は、メッキ層4によって硬度が付与されるとともに、フッ素樹脂層6によって良好な離型性が付与されている。また、フッ素樹脂層6は、メッキ層4の多孔質表面に含浸しており、メッキ層4との接触面積が大きく、且つ三次元的に固定化されている。このため、フッ素樹脂層6を金型2に直接設けた場合等に比してメッキ層4とフッ素樹脂層6との固着強度が高くなっており、フッ素樹脂層6が軟らかいことによって問題となっていたひびが形成されにくい。この結果、良好な離型性が長期にわたって安定に保持される。したがって、ウレタン用成形型1は、繰り返しの成形のみならず、金属工具等を用いたウレタン滓清掃時の摩擦にも耐え得る良好な耐傷つき性を保持し得る。このため、離型剤を用いずに、繰り返し、ウレタン成形、特にウレタン発泡成形を良好に行える成形型を提供することが可能である。
また、ウレタン用成形型1では、メッキ層4の厚みおよび種類が単独で設定されるため、成形面に所望の硬度等を付与することができる。また、フッ素樹脂層6は、単独で設定される厚みで形成される皮膜であるため、所望の離型性および耐磨耗性を有するように積層することができる。したがって、ウレタンの性質に合わせて、好ましい硬度、離型性および耐傷つき性を備える成形面を備える成形型とすることができる。
次に、ウレタン用成形型1を得るための表面処理方法の一実施形態について説明する。
金型2の成形面は、適宜、研磨、脱脂、酸処理など公知の前処理を施しておく。次に、公知の方法により、ニッケル、クロム、又は亜鉛の少なくとも一種を含むメッキ液を用いて、金型2の成形面をメッキ処理しておく。このとき、メッキ層4の厚みが10μmを超えるようにすることが好ましく、より好ましくは40μm以上とする。
金型2にメッキ層4を積層した後、浸漬工程を行う。浸漬工程では、金型2のメッキ層4が積層された成形面の少なくとも一部を、フッ素樹脂を分散状態で含有するフッ素樹脂分散液に浸漬させる。ここで、フッ素樹脂分散液は、上述したフッ素樹脂が粒子の形状で分散又は懸濁しているエマルション、ディスパージョンなどの分散液である。このような分散液は、公知であり、公知の方法によって調製することができる。分散液の分散媒としては、水や、イソプロパノール等のアルコールや、ジメチルエーテル等のエーテル、ジクロロメタンなどの炭化水素類、パラフィン類といった公知の有機溶媒を用いることができ、これらを混合した溶媒でも良い。メッキ層4を備える成形面をフッ素樹脂分散液に浸漬させることで、メッキ層4の凹凸の内部およびメッキ層4の上面に均一な厚みでフッ素樹脂分散液を付着させる。
浸漬工程後、焼付け工程を行う。焼付け工程では、金型2のフッ素樹脂分散液が付着した面を高温乾燥する。高温乾燥における温度は、分散媒が蒸発し、フッ素樹脂が塗膜を形成する温度であり、例えば、200℃以上300℃以下である。高温乾燥により、メッキ層4の上にフッ素樹脂を固定化、すなわち焼付けることができる。これにより、成形面にフッ素樹脂層6を形成することができる。
浸漬工程によって得られるフッ素樹脂層6の厚みは、フッ素樹脂分散液の粘性等の特性によって限定される。例えば、フッ素樹脂分散液中のフッ素樹脂の濃度(固形分)をより多くすることで、より厚みの大きいフッ素樹脂層を形成することができる。また、より厚みの大きいフッ素樹脂層6を得るために、焼付け工程後、フッ素樹脂肥厚工程を行うことができる。フッ素樹脂肥厚工程は、上記焼付け工程によって得られるフッ素樹脂層を備える成形面をフッ素樹脂粒子が分散状態で保持されたフッ素樹脂分散液に浸漬させ、浸漬後の成形面を高温乾燥させる工程を有する。また、適宜、この工程の後、フッ素樹脂層の表面をフッ素樹脂分散液へ浸漬させて、高温乾燥する工程を1回以上くり返す工程を備える。フッ素樹脂肥厚工程において用いられるフッ素樹脂分散液は、浸漬工程におけるものと同じであり、焼付け工程の条件も同様である。典型的には、フッ素樹脂肥厚工程を行う場合、その前に行った浸漬工程と同じフッ素樹脂分散液を用いるが、濃度やフッ素樹脂の種類など異なるフッ素樹脂分散液であっても良い。また、同様に、高温乾燥における乾燥温度等の乾燥条件は、焼付け工程と同じであっても良いし、異なっていても良い。
この表面処理方法では、メッキ層4が積層された成形面をフッ素樹脂分散液に浸漬させることにより、容易にメッキ層4の細孔にフッ素樹脂を侵入させる、すなわち多孔質表面の凹凸によって形成される細孔にフッ素樹脂を含浸させることができる。また、メッキ層4の上面により均一な厚みでフッ素樹脂を付与することができる。したがって、焼付け工程を経て得られるフッ素樹脂層6は、厚みがより均一であるとともに、より均一にメッキ層4に密着しており、均一な強度および耐傷つき性を備えている。また、メッキ処理は、フッ素樹脂層6の形成に関係なく、種々の方法で種々の厚みのメッキが得られるように行うことができるため、種々の表面硬度や表面粗度を備えるメッキを施すことができる。また、フッ素樹脂層6もフッ素樹脂層肥厚工程を所望の回数行うことにより、所望の厚みに形成することができ、所望の離型性能や耐磨耗性を付与することができる。
なお、この表面処理方法は、ウレタン用成形型1の製造方法として適用できるだけでなく、多数回成形をして表面の層が消耗した成形型について、フッ素樹脂層6を剥がした後、あるいは、メッキ層4を剥がしてメッキ層4を再度積層した後に、表面皮膜を再生するためにも適用することができる。
(実施例1)
アルミ鋳造によって作製された乗り物用シートパッドの成形型のうち、下型の成形面を研磨後、この成形面に厚さ40μmのニッケルメッキ層を公知の方法で積層した。次いで、メッキ層の面を、フッ素樹脂としてPTFEを含むフッ素樹脂分散液(固形分20〜30%)に浸漬させてから、280℃の乾燥炉で120分間乾燥させて、厚さ5μmのフッ素樹脂層を形成した。得られる成形型を実施例1とした。
(実施例2)
実施例1と同様にしてニッケルメッキ層を積層し、メッキ層の面を、フッ素樹脂としてPTFEを含むフッ素樹脂分散液(固形分40〜60%)に浸漬させてから、実施例1と同様の条件で乾燥させ、厚さ65μmのフッ素樹脂層を形成した。得られる成形型を実施例2とした。
(比較例1〜4)
アルミ鋳造によって作製された実施例1と同様の乗り物用シートパッドの成形型の下型の成形面を何も処理しなかったものを比較例1、実施例1と同様に研磨のみしたものを比較例2、実施例1と同様にして厚さ40μmのニッケルのメッキ層を施したものを比較例3とした。また、比較例4として、実施例1と同様のアルミ鋳造によって作製された乗り物用シートパッドの成形型の下型の成形面を研磨後、厚みを10μmとする他は実施例1と同様にしてメッキ層を積層した。次いで、メッキ層の面を、フッ素樹脂としてPTFEを含むフッ素樹脂分散液(固形分10〜20%)に浸漬させさせてから、実施例1と同様の条件で乾燥させ、厚さ3μmのフッ素樹脂層を形成した。得られた成形型を比較例4とした。
実施例1,2の表面処理条件を表1に、比較例1〜4の表面処理条件を表1に、それぞれ示す。
Figure 2006264225
Figure 2006264225
(離型性の評価)
実施例1,2および比較例1〜4の成形型について、65±4℃に保温し、軟質発泡ウレタン高圧注入機によってポリオール成分(TLB−213,旭硝子ウレタン(株)製)とトリレンジイソシアネート系およびメチレンジイソシアネート系イソシアネートの混合物(コロネートC−1021,日本ポリウレタン工業(株)製)との混合液を下型に流し込んだ。その後、ただちに上型を閉じて65±4℃で6分間、ウレタンを発泡および硬化させた。その後、上型を開いてから、ウレタン発泡成形品の端を手で持って下型から離型した。このときの、剥がれ具合を目視で確認し、評価した。結果を表1および表2に示す。なお、評価基準は以下の通りである。
○:公知の離型剤を用いた場合と同様、破れなく剥がれた
△:深い凸部に成形された部分の表面が、成形体から破れて型面に残った
×:成形品の表面全体において破れが見られ、表面が型面に残った(材破の状態)
表1、表2の結果より、メッキ層と、メッキ層に含浸した状態で積層されたフッ素樹脂層とを備える実施例1,2では、離型剤を用いた場合と同等の離型性が得られ、離型剤を用いずに、ウレタン発泡成形品を成形できることが明らかとなった。また、メッキ層およびフッ素樹脂層を備えていても、全体の厚みが小さい比較例4では、十分な離型性が得られなかった。このことから、メッキ層は少なくとも10μmを超える厚みを備え、且つフッ素樹脂層が5μm以上有することにより、良好な離型性が得られることが明らかとなった。
(耐傷つき性の評価)
実施例1と実施例2の成形型について、JIS H8504「けい線試験方法」に基づいて工具としてJIS G4401に規定するものを用いて引っかき傷の有無を目視により観察し、耐傷つき性について評価した。
また、比較例5として、PTFEのブロック(塊)について、同じ実験により耐傷つき性について評価した。結果を表3に示す。なお、引っかき傷が目視で観察された場合を×、観察されなかった場合を○とした。
Figure 2006264225

表3より、メッキ層を備え、メッキ層に含浸した状態で積層されたフッ素樹脂層とを備える実施例1,2では、比較例5と比較して良好な耐傷つき性を示した。
本発明のウレタン用成形型の一実施の形態の成形面の断面図である。
符号の説明
1 ウレタン用成形型
2 金型
4 メッキ層
6 フッ素樹脂層

Claims (5)

  1. 金型の成形面に、ニッケル、クロム、亜鉛のうち少なくとも1種を含むメッキ層と、
    前記メッキ層に含浸した状態でメッキ層上に設けられているフッ素樹脂層と
    を備える、ウレタン用成形型。
  2. 前記メッキ層は10μmより厚く、メッキ層とフッ素樹脂層とを含む表面処理層が15μm以上であることを特徴とする、請求項1に記載のウレタン用成形型。
  3. メッキ層表面からフッ素樹脂層の表面までの厚さが5μm以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のウレタン用成形型。
  4. ウレタン用成形型の表面処理方法であって、
    ニッケル、クロム、亜鉛のうち少なくとも1種を含むメッキ層が付与された成形面を、フッ素樹脂粒子が分散状態で保持されたフッ素樹脂分散液に浸漬する浸漬工程と、
    前記浸漬工程後の成形面を高温乾燥させる焼付け工程と
    を備える、ウレタン用成形型の表面処理方法。
  5. 前記焼付け工程を経てメッキ層に含浸したフッ素樹脂層を備える成形面を、フッ素樹脂粒子が分散状態で保持されたフッ素樹脂分散液に浸漬させ、浸漬後の成形面を高温乾燥させるフッ素樹脂層肥厚工程を1回以上有する、請求項4に記載のウレタン用成形型表面処理方法。

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