JP2006258931A - 電子写真用トナー - Google Patents

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【課題】 低温定着性と耐ブロッキング性や耐オフセット性を両立できる電子写真用トナーを提供する。
【解決手段】 バインダー樹脂と着色剤とを含む電子写真用トナーであって、前記バインダー樹脂の数平均分子量が1000〜50000であり、重量平均分子量/数平均分子量の値が10以下のハイパーブランチポリマーを、全バインダー樹脂の10重量%以上含有することを特徴とする電子写真用トナーに関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用した電子写真装置に利用しうる電子写真トナーに関するものである。
一般的な電子写真法では、光導電性物質を利用した感光体表面に、種々の手段により電気的に潜像を形成し、この潜像を電子写真トナーにより現像しトナー画像を形成した後、感光体表面のトナー画像を、中間転写体を介してあるいは直接に、紙等の被記録体表面に転写し、転写画像を加熱、加圧あるいは溶剤蒸気等により定着するという工程により、定着画像が形成される。電子写真用トナーはバインダー樹脂と着色剤を主成分とし、流動性調整剤、帯電制御剤、離型剤等からなる。
トナーに用いられるバインダー樹脂としてはスチレン−アクリル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が用いられている。これらの樹脂のうち、スチレン−アクリル共重合体ではスチレンーブチルアクリレート共重合体、スチレン−ブチルメタクリレート共重合体が、また、ポリエステル樹脂ではビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加型ジオールを含有するものが主として使われている。(非特許文献1)
紙等の被記録体表面へのトナーの定着には、加熱ロール及び加圧ロールからなる熱ロール定着が一般的である。ロールの代わりにベルトが使われる事もある。複写機、プリンターのエネルギー使用量低減のためより低温で定着できるトナーが求められている。トナーの定着温度を低くするには、ガラス転移温度のより低いバインダー樹脂に代えることが有効である。しかし、ガラス転移温度を下げすぎると、粉体のブロッキングが起こり易く、トナーの保存時や現像機内でブロッキングによる問題が発生する。また、ガラス転移温度を下げすぎると、加熱ロールに融着する問題も発生する。
ブロッキングや加熱ロールに融着しないこと(耐ホットオフセット性)と低温定着性の両立のため、種々の提案がなされている。たとえば、特許文献1、2では結晶性樹脂をトナーとして用いている。
また、特許文献3では分子量分布の広い樹脂がトナーとして用いられている。ここでは溶剤に溶解しない成分を含む部分的に架橋したポリエステル樹脂がバインダー樹脂として用いられている。
トナーでは、特に耐オフッセット性の向上のため、分子量分布の大きい樹脂が用いられてきた。これらの樹脂は分岐構造を有するが、樹脂のゲル化なしに樹脂を製造することの制約から線状ポリマーの範疇に入る。線状ポリマー以外に、高度に分岐したポリマーとして重合中に枝分かれを繰り返しながら生長していくポリマーが知られている。このポリマーはハイパーブランチポリマーと呼ばれている。ハイパーブランチポリマーは末端基を樹脂の外側に高濃度で有するが、ゲル化は起こしておらず、熱可塑性を示す。ハイパーブランチポリマーはABx(xは2以上の整数)型の分子の重合により合成できる事が知られている(非特許文献2、3)。ここでA、Bは互いに異なる官能基a、bを有する有機基であり、官能基a、bは互いに化学的に縮合反応、付加反応を起こす事が可能であるものである。ABxの重合時にAB型分子(1分子中にAとBの有機基を各1つ有する化合物)を共重合させる事も知られている。
2(Aの有機基を1分子中に2個有する化合物)とB3(Bの有機基を1分子中に3個有する化合物)の等モル反応から、ハイパーブランチポリマーが得られることも知られている。この場合A2とB3の最初の反応が、続いて起こる反応よりも早い場合にハイパーブランチ構造が形成されるが、反応条件により容易にゲル化することも報告されている(非特許文献4)。
また、A2とB’B2(1分子中にB’の有機基を1個、Bの有機基を2個有する化合物で、B’はBと反応しないが、Aと反応する。Aに対するB’とBの反応性は異なる。)の反応からもハイパーブランチポリマーが得られることも知られている(非特許文献5)。
ハイパーブランチポリマーとしては、ポリエステルでは特許文献4及び特許文献5にはジメチロールプロピオン酸のような1分子中に水酸基を2個、カルボン酸基を1個有するものから得られる水酸基を末端基とするポリエステルが記述されている。また、芳香族ポリエステルでもハイパーブランチポリエステルが知られている(特許文献6)。
ハイパーブランチポリマーをトナーに適用する提案がなされている(特許文献7)。ここでのトナーは線状ポリエステル樹脂とハイパーブランチポリエステルを反応させることにより得ており、特許文献3と同様に分子量分布の広い樹脂を用いることにより耐オフッセット性を向上させることを意図したものである。
室井宗一監修、「超微粒子ポリマーの最先端技術」第5章、(株)シーエムシー(1991) P.J.フローリ(岡 小天、金丸 競 共著)、「高分子化学」第9章 丸善(株)、(1956) 石津 浩二、「分岐ポリマーのナノテクノロジー」第6章、(株)アイピーシー(2000) M. Jikei, S. H. Chon, M. Kakimoto, S. Kawauchi, T. Imase and J. Watanabe, Macromolecules,1999, 32, 2061. D. Yan and C. Gao, Macromolecules, 2000, 33, 7693. 特公昭56−13943号公報 特開2004−168827号公報 特開2002−328491号公報 米国特許公報第3,669,939号 特許第2574201号公報 特開平5−214083号公報 特開2001−242661号公報
電子写真は消費エネルギーを増やさずに、ますます高速化することが求められている。そのため、トナーは低温定着性の更なる実現が必要である。この高度化する要求に対し、ブロッキングや加熱ロールへの融着なしに低温定着性を満足することは従来の樹脂では困難である。耐オフセット性を改良するために、部分ゲルを含むほどの分子量分布の広い樹脂の使用はトナーの低温定着性を悪化させる。
本発明の目的は低温定着性と耐ブロッキング性や耐オフセット性を両立するトナーを提供することにある。
本発明者達はポリマーの構造とトナーとしての適性について、鋭意研究してきた結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、以下電子写真用トナーに関する。
第1の発明は、バインダー樹脂と着色剤とを含む電子写真用トナーであって、前記バインダー樹脂の数平均分子量が1000〜50000であり、重量平均分子量/数平均分子量の値が10以下のハイパーブランチポリマーを、全バインダー樹脂の10重量%以上含有することを特徴とする電子写真用トナーである。
第2の発明は、ハイパーブランチポリマーがポリエステルである第一の発明に記載の電子写真用トナーである。
本発明のトナーはバインダー樹脂にハイパーブランチポリマーを含む。ハイパーブランチポリマーは、その特異的な構造のためポリマー間の相互作用が小さくなり、その結果、ガラス転移温度を超えると樹脂の流動が容易に起こる。そのため、本発明のトナーは低温定着性が高度に改善できる。また、耐ブロッキング性や耐オフセット性はハイパーブランチポリマーのガラス転移温度を高めることやガラス転移温度の高い樹脂と併用することにより達成できる。本発明のトナーは従来のバインダー樹脂のガラス転移温度とトナーの定着性の関連よりも低温定着性が優れ、極めて有用なものである。
本発明で用いるハイパーブランチポリマーはコア物質の存在下あるいは不存在下でABx(xは2以上の整数)型の分子の重縮合により合成されたものが望ましい。ここでA、Bは互いに異なる官能基a、bを有する有機基であり、官能基a、bは互いに化学的に縮合反応、付加反応を起こす事が可能であるものである。
ハイパーブランチポリマーがポリエステルの場合には、Aの官能基はカルボン酸基、Bが水酸基であることが望ましいが、AとBが逆の場合や、Aがカルボン酸のメチルエステル基あるいはエチルエステル基等の低級アルコールからのエステル基でBが水酸基、Bがカルボン酸のメチルエステル基でAが水酸基であっても良い。これらの場合のように、エステル形成時に水や低級アルコールを放出する反応以外に、さらに、Aが水酸基の酢酸エステル基でBがカルボン酸、Bが水酸基の酢酸エステル基でAがカルボン酸の場合のようにエステル形成時、酢酸を放出する反応でハイパーブランチポリエステルを重合しても良い。末端基が水酸基の場合はアルコール性水酸基以外にフェノール性水酸基であっても良い。
ハイパーブランチポリマーがポリエステルの場合、原料のABx(xは2以上の整数)型の分子の具体例としてはジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、3,5−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、5−(2−ヒドロキシエトキシ)イソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、5−アセトキシイソフタル酸、3,5−ジアセトキシイソフタル酸、ジフェノール酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のメチルエステル等が挙げられ、これらの中でジメチロールプロピオン酸やジメチロールブタン酸が望ましい。
本発明で用いるハイパーブランチポリマーには官能基濃度の調整や物性の最適化等のためにAB型分子(A、Bは互いに異なる官能基a、bを有する有機基であり、官能基a、bは互いに化学的に縮合反応、付加反応を起こす事が可能)を共重合させても良い。ハイパーブランチポリマーがポリエステルの場合、AB型分子の具体的な例としてはグリコール酸、乳酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、あるいはAB型分子の自己縮合物であるラクトン化合物、ラクチド化合物が挙げられる。AB型分子はポリエステル中重量比で70%以下が好ましく、50%以下がより好ましい。
本発明で用いるハイパーブランチポリマーの分子量は数平均分子量で1000〜50000のものを用いる。数平均分子量が1000以下では樹脂が脆く、実用上問題が多い。数平均分子量が50000を超えると他樹脂との相容性や定着性が低下するおそれがある。また、重量平均分子量(MW)と数平均分子量(MN)の比が10以下のものを用いる。この比が10を超えると溶融流動性が悪化し、ハイパーブランチポリマーに起因する定着性改善効果が見られなくなる。
ハイパーブランチポリマーは単独バインダーでも用いる事ができるが、他の線状ポリマーとブレンドして用いても良い。他の線状ポリマーとしてはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、スチレンーアクリル樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、ポリスチレン等を挙げることができる。ハイパーブランチポリマーを他の線状ポリマーとブレンドして用いる場合、ハイパーブランチポリマーを全バインダー樹脂中に少なくとも10重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50重量%以上含有する。10重量%未満ではブレンドする効果が見られない。
本発明のトナーにおける着色剤としては、公知の顔料、染料、カーボンブラックが挙げられ、これらは1種類を単独であるいは、併用して用いても良い。顔料としてはイエロー着色にはベンジジン系、アゾ系顔料が、マゼンダ着色にはアゾレーキ系、キナクリドン系顔料が、シアン着色にはフタロシアニン系顔料が好ましく用いられる。ベンガラ、アニリンブラック、紺青、酸化チタン、磁性粉等の無機顔料でも良い。カーボンブラックとしてはサーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が挙げられる。染料ではイエロー着色ではアゾ系、ニトロ系、キノリン系、キノフタロイン系、メチン系染料が、アゼンダ着色にはアントラキノン系、アゾ系、ローダミン系染料が、シアン着色にはアントラキノン系染料が好ましく用いられる。
電子写真用トナーでの着色剤含有率を多くするほど、高濃度の画像が得られ、オフッセット性も優れるが、画像表面の平滑性や、低温定着性が悪化する。本発明の電子写真トナーにおける着色剤の含有率としては、バインダー樹脂100重量部に対し1〜30重量部の範囲が好ましい。
本発明のトナーに用いられる他の成分としては、目的に応じて適宜選択できる。たとえば、トナーの流動性を向上させる目的で使用される、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛等の無機粒子、クリーニング性や転写性、あるいは帯電性を向上させる目的で使用される、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化フィニリデン等の有機微粒子、帯電性を向上させる目的で使用される、サルチル酸金属塩、含金属アゾ化合物、ニグロシンや4級アンモニウム塩等の帯電制御剤がある。離型性を向上させる目的で使用される離型剤としては、ポリエチレンやポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィン化合物、シリコーン化合物、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミド化合物、カルナバワックス、木ロウ、ミツロウ、モンタンワックス、パラフィンワックスあるいはモンタン酸エステル等のエステル系ワックス等ワックス系化合物が挙げられる。
本発明の電子写真用トナーの製造方法としては混練粉砕法や湿式造粒法等の公知の方法が適用できるが、溶融混練時の樹脂の変化を考慮すると湿式造粒法が望ましい。混練粉砕法は上記トナー構成成分を乾式ブレンドした後、溶融混練しその後、ジェットミルなどにより微粉砕し分級して、通常2〜20μmの粒子にするものである。湿式造粒法は溶融懸濁法、乳化凝集法、溶解懸濁法が挙げられる。特に乳化凝集法はバインダー樹脂の水分散体から、pH、温度あるいは塩濃度等調整によりの乳化粒子の凝集体を融合させ、粒径分布が狭く形状が同じ粒子を得る方法であり、この方法により良好な定着画像を形成できるトナーが得られる。
本発明の電子写真用トナーはそのまま一成分現像剤として、あるいはキャリアとトナーからなる二成分現像剤におけるトナーとして使用することができる。二成分現像剤に使用できるキャリアとしては芯材表面にポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂からなる被覆層を有する樹脂コートキャリアを挙げる事ができる。また、マトリックス樹脂に金、銅等の金属やカ−ボンブラックを分散した樹脂分散型キャリアであっても良い。キャリアの芯材としては鉄、ニッケル等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられる。
以下本発明をさらに詳細に説明するために、実施例を用いて説明する。実施例中、単に部とあるのは重量部を示す。なお、実施例中の測定、評価は以下の方法で行った。
(1)数平均分子量、分子量分布
テトラヒドロフランを溶離液としたウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)150cを用いて、カラム温度35℃、流量1ml/分にてGPC測定を行なった結果から計算して、ポリスチレン換算の測定値を得た。ただしカラムは昭和電工(株)shodex KF−802、804、806を用いた。
(2)酸価
樹脂0.2gを20cm3のクロロホルムに溶解し、0.1Nの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、樹脂106g当たりの当量(当量/トン)を求めた。指示薬はフェノールフタレインを用いた。
(3)ガラス転移温度
サンプル5mgをアルミニウム製サンプルパンにいれて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析計「DSC−220」を用いて,200まで昇温速度20℃/分にて測定し、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と遷移部における最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
(4)低温定着性
得られたトナーを用いて、定着機を改造したA Colorフルカラー複写機(富士ゼロックス社製)により、記録紙表面に画像形成を行い、トナーの定着温度の評価を行った。評価は温度を80℃から200℃まで10℃おきに変化させた。作成した定着画像の画像面を谷折にし、折れ目の画像の剥がれ具合を観察し、画像がほとんど剥がれない最低の定着温度をMFT(℃)とし、低温定着性の評価とした。
(5)ホットオフセット発生温度
低温定着性の測定と同様に定着し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視判定した。ホットオフセットが発生した温度をホットオフセット発生温度とした。
(6)画像保存性
最低の定着温度で定着画像が形成された記録紙2枚を、画像面同士を重ね合わせ60℃の環境下に荷重100g/cm2をかけ1日間放置した。重ね合わせた画像をはがし、記録面同士の融着、非画像部への転写の有無を観察した。以下により判定した。
○:画像保存性に問題なし
△:若干の不良個所が観察されるが、実用上の問題は無い
×:不良が多く実用できない
[実施例1〜3]
表−1に記載の共重合ポリエステル樹脂(A)60部、ハイパーブランチポリマーとしてパーストプ社のボルトンH40(トリメチロールプロパンを核とするジメチロールプロパンの重縮合物)40部、メチルエチルケトン40部、イソプロピルアルコール10部を70℃にて溶解後、80℃の水150部を添加し、ポリエステル樹脂の水分散体を得た。得られた水分散体を加熱し、メチルエチルケトンとイソプロピルアルコールを系外に溜去した。冷却後、水を加えて固形分濃度を38%に調整した。
また、顔料水分散液を以下のようにして得た。ベンジジン系ジアゾ顔料(C.I.PIGMENT社製YELLOW17)100部、分散剤(日本エクセラン社製タフチックAD)40部、脱イオン水360部をサンドミルに仕込み4時間分散処理を行い、顔料の水分散体を得た。
温度計、冷却管、攪拌装置備えたフラスコに、ポリエステル樹脂の水分散体834部、顔料水分散体63部、脱イオン水35部およびジメチルアミノエチルメタクリレート4部を入れ75℃に昇温した。さらに120分間75℃で加熱を続けた。ジメチルアミノエチルメタクリレートの重合体とポリエステル樹脂(A)中のスルフォン酸イオンがポリイオンコンプレックスを形成することにより、ポリエステル樹脂の水分散体中のサブミクロン粒子は、共存する顔料粒子を取り込みながら合体し成長した。得られた粒子をろ過、洗浄、脱水、真空乾燥した。粒子は平均粒径が5.5μm、直径をDとした場合に0.5D〜2Dの範囲の粒径を有する粒子の占有率90%、真球度0.7以上の粒子占有率95%の着色粒子であった。得られたトナーの低温定着性、ホットオフセット発生温度、画像保存性を評価した。
実施例2と実施例3は実施例1で用いた共重合ポリエステル樹脂(A)とハイパーブランチポリマーのボルトンH40の比率を変えて、実施例1と同様にトナーを作製した。
評価結果を表−1に示す。
[実施例4〜5]
スチレン60部、n−ブチルアクリレート10部からなる重合性モノマー、ジペンタエリスリトールヘキサミリステアレート10部、ジビニルベンゼン0.2部、カーボンブラック(三菱化学社製#25B)7部、帯電調整剤(保土ヶ谷化学製TRH)0.5部、及びt−ドデシルメルカプタン1部を攪拌混合し、モノマー組成物を得た。
別に、イオン交換水250部に塩化マグネシウム10部を溶解した水溶液にイオン交換水50部に水酸化ナトリウム6部を溶解した水溶液を徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド溶液を調整した。この水酸化マグネシウムコロイド溶液に上記のモノマー組成物を添加し液滴が安定するまで攪拌した後、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート6部を添加後、クリアミックス(エムテクニック社製、CLM−0.8Sを用いて、21000rpmの回転数で30分間高せん断攪拌し、モノマー混合物の液滴を造粒した。このモノマー混合物の水分散液に下記のハイパーブランチポリエステルの水系分散体100部を加え、これを反応容器に移し、90℃で4時間重合を継続し、重合粒子の水分散液を得た。硫酸によりPHを6に調節した。ろ過、水洗浄、脱水した。固形分を乾燥機により乾燥し着色重合体粒子を得た。さらに、着色重合体粒子100部に対し、シリカ微粒子(日本アエロジル社製RX200)0.5部加え、ヘンシェルミキサーにより混合しトナー粒子を得た。ここで混合物の水分散液に添加したハイパーブランチポリエステルの水系分散体はパーストプ社のボルトンH40/エタノール/水(30/30/40重量比)を60℃で1時間加熱攪拌することにより得た。
実施例5は実施例4で用いたスチレン系共重合体とハイパーブランチポリマーのボルトンH40の比率を変えて、実施例4と同様にトナーを作製した。
得られたトナーを実施例1と同様に評価した。評価結果を表−1に示す。
[実施例6]
攪拌機、滴下装置、冷却管を具備した反応装置に、トリメチロールプロパン6.7部をトルエン/メチルエチルケトン(20/40重量比)に溶解した。この溶液にジイソプロオパノールアミン66.5部/メチルエチルケトン40部からなる溶液とイソホロンジイソシアネート111部を同時に30分かけて滴下した。滴下終了後ジブチルスズジラウレート0.1部を加え、80℃に昇温して更に10時間反応させた。得られたポリマーを微量サンプリングし、1H−NMR分析することにより水酸基を末端基とするハイパーブランチポリウレタンウレアが得られた事が分った。このハイパーブランチポリウレタンウレア溶液に無水トリメリット酸10部、トリエチルアミン0.5部を加え80℃で30分間加熱し、末端基の一部をカルボキシル基に変換した。この溶液にジエタノールアミン10部、イオン交換水250部を加えて水分散体を得た。得られた水分散体を加熱し、トルエンとメチルエチルケトンを系外に溜去した。冷却後、水を加えて固形分濃度を40%に調整した。実施例1と同様にハイパーブランチポリウレタンウレア水分散体と顔料水分散体を用いて、攪拌しながら希塩酸水溶液により系内のpHを3に調整する事によりトナー粒子を得た。評価結果を表−1に示す。
[比較例1〜3]
ハイパーブランチポリエステルを用いることなく、比較例1では実施例1で用いたポリエステル樹脂(A)だけをバインダー樹脂として実施例1と同様に、比較例2では実施例3で用いたポリスチレン系共重合体だけをバインダー樹脂として実施例3と同様にトナーを得た。評価結果を表−1に示す。
比較例3ではポリエステル樹脂(A)93部、ボルトンH40が7部の比率になるトナーを実施例1と同様にして得た。評価結果を表−1に示す。
[比較例4]
実施例1で用いたポリエステル樹脂(A)にセバシン酸を共重合する事により、ガラス転移温度を実施例1の樹脂組成に相当する温度に変更したポリエステル樹脂(B)だけをバインダー樹脂として、実施例1と同様にしてトナーを得た。評価結果を表−1に示す。
Figure 2006258931
表1中の樹脂組成や物性は以下の通りである。
共重合ポリエステル(A):
樹脂組成 テレフタル酸/イソフタル酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール(50/46/4//50/50モル比)、MN 5600、MW 12300、酸価 12当量/トン、ガラス転移温度 68℃
スチレン/ブチルアクリレート共重合体:
樹脂組成 スチレン/n−ブチルアクリレート/ジビニルベンゼン(60/9.8/0.2wt比)、MN 7000、MW 128000、ガラス転移温度 59℃
ボルトンH40:
トリメチロールプロパンを核とするジメチロールプロパンの重縮合物、MN 2900、MW 5100、酸価 50当量/トン、ガラス転移温度 37℃
ハイパーブランチポリウレタンウレア:
樹脂組成 トリメチロールプロパン/ジイソプロパノールアミン/イソホロンジイソシアネート(4/36/60wt比)、MN 4600、MW 12300,ガラス転移温度 57℃
共重合ポリエステル(B):
樹脂組成 テレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール(50/41/5/4//50/50モル比)、MN 5100、MW 12200、酸価 10当量/トン、ガラス転移温度 56℃
[実施例7]
ポリエステル樹脂(C)60部、ハイパーブランチポリマーとしてパーストプ社のボルトンH40を40部、カーボンブラックMA−100(三菱化学社製)7部、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製アエロジルR972)0.5部、離型剤としてジペンタエリスリトールヘキサミリステート2部、荷電調整剤T−77(保土谷化学社製)1部を二軸混練機((株)池貝社製PCM−30)により200℃で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業社製)を用いて微粉砕した後、分級し粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。評価結果を表−2に示す。また、実施例7のポリエステル樹脂(C)60部とボルトンH40を40部だけを用いて、実施例7と同様に混練した。得られた樹脂組成物はGPC分析の結果、ポリエステル樹脂(C)とハイパーブランチポリマー間には結合が認められず、ポリエステル樹脂(C)とハイパーブランチポリマーの混合物であった。また、得られた混練物1部をトルエン/メタノール(7/3重量比)10部に室温で浸漬したところ完全に溶解した。
[実施例8]
反応容器にジフェノール酸メチルエステル50部、エステル交換触媒として酢酸亜鉛0.5部を仕込み、窒素雰囲気下、170℃で30分加熱した。さらに系内を徐々に減圧にし、温度250℃、圧力5mmHgで3時間反応させた。得られた樹脂はフェノール性水酸基とメチルエステル部のエステル交換反応により高分子量化したフェノール性水酸基を末端基とするハイパーブランチポリエステルであった。得られたポリエステル100部、カーボンブラックMA−100(三菱化学社製)7部、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製アエロジルR972)0.5部、離型剤としてジペンタエリスリトールヘキサミリステート2部、荷電調整剤T−77(保土谷化学社製)1部を実施例7と同様に混練、微粉砕、分級により粒径(D50)が7μmのトナー粒子を得た。評価結果を表−2に示す。
[比較例5〜8]
比較例5では、実施例6で用いたポリエステル(C)だけをバインダー樹脂として実施例6と同様に、カーボンブラック、コロイダルシリカ、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート、荷電調整剤T−77を混練、微粉砕後、分級し粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。比較例6では酸価400当量/トンのポリエステル樹脂(D)60部とハイパーブランチポリマーとしてパーストーブ社のボルトンH40を40部用いて実施例6と同様に混練したが、押し出し機の中でゲル化を起こした。比較例7はポリエステル樹脂(C)95部とパーストーブ社のボルトンH40を5部用いて、比較例8ではポリエステル樹脂(C)92部とパーストーブ社のハイパーブランチポリエステル、ボルトンH20を8部用いて実施例7と同様にトナーを得た。評価結果を表−2に示す。比較例7と8では実施例7と同様にポリエステル樹脂(C)ハイパーブランチポリマーだけを混練して得られた樹脂組成物の分子量分布を測定した。比較例6、7ではポリエステル樹脂(C)とハイパーブランチポリマー間には結合が認められ、分子量分布が増大した。また、混練物の溶剤溶解性を実施例7と同様に評価した。
Figure 2006258931
表2中の樹脂組成や物性は以下の通りである。
共重合ポリエステル(C):
樹脂組成 テレフタル酸//エチレングリコール/ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(100//20/80モル比)、MN 5900、MW 12300、酸価 12当量/トン、ガラス転移温度 71℃
ボルトンH40:
トリメチロールプロパンを核とするジメチロールプロパンの重縮合物、MN 2900、MW 5100、酸価 50当量/トン、ガラス転移温度 37℃
ジフェノール酸重合体:
ジフェノール酸メチルエステル重合体、MN 10200、MW 35000、ガラス転移温度 73℃
共重合ポリエステル(D):
樹脂組成 テレフタル酸//エチレングリコール/ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物//トリメリット酸(100//20/80//5モル比)、MN 4500、MW 9700、酸価 400当量/トン、ガラス転移温度 70℃
ボルトンH20:トリメチロールプロパンを核とするジメチロールプロパンの重縮合物、MN 1600、MW 2100、酸価 40当量/トン、ガラス転移温度 27℃
以上述べてきたように、本発明のハイパーブランチポリマーをバインダー成分として含むトナーは低温定着性と耐ブロッキング性と耐オフセット性が良好であり、極めて有用なものである。

Claims (2)

  1. バインダー樹脂と着色剤とを含む電子写真用トナーであって、前記バインダー樹脂の数平均分子量が1000〜50000であり、重量平均分子量/数平均分子量の値が10以下のハイパーブランチポリマーを、全バインダー樹脂の10重量%以上含有することを特徴とする電子写真用トナー。
  2. ハイパーブランチポリマーがポリエステルである請求項1に記載の電子写真用トナー。
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