JP2006257273A - 合板用接着剤および合板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は充填剤や硬化促進剤が沈降物とならずに分散でき、単板表面への均一塗布が容易な合板用接着剤とこの合板用接着剤を用いた合板の製造方法を提供すること。
【解決手段】 アルカリ触媒存在下、フェノール類中にアルデヒド類を分割添加して、多段階で反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂(A)の水溶液と分子量が250以下のフェノール系化合物(B)とを含有する合板用接着剤であり、フェノール系化合物(B)の含有量がレゾール型フェノール樹脂(A)の固形分100重量部に対して0.1重量部以上であることを特徴とする合板用接着剤、単板に前記合板用接着剤を塗布して単板を接着することを特徴とする合板の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 アルカリ触媒存在下、フェノール類中にアルデヒド類を分割添加して、多段階で反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂(A)の水溶液と分子量が250以下のフェノール系化合物(B)とを含有する合板用接着剤であり、フェノール系化合物(B)の含有量がレゾール型フェノール樹脂(A)の固形分100重量部に対して0.1重量部以上であることを特徴とする合板用接着剤、単板に前記合板用接着剤を塗布して単板を接着することを特徴とする合板の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は充填剤や硬化促進剤が沈降物とならずに分散でき、単板表面への均一塗布が容易な合板用接着剤とこの合板用接着剤を用いた合板の製造方法に関する。
合板の製造に用いられる合板用接着剤としては、例えば、レゾール型フェノール樹脂等の樹脂組成物に硬化促進剤、粘度調製剤等の充填剤と添加した接着剤が使われてきた。このような合板用接着剤を用いて合板を製造するには前記のような合板用接着剤を単板に塗布後、単板同士を重ね合わせて室温で圧をかけ(冷圧)、その後加熱下で圧をかける(熱圧)方法により製造することができる。この合板の製造において、加熱する温度は130〜150℃であり、また、加熱時間も長く、そのため、加熱温度が低く、加熱時間を短くしても合板が得られる合板用接着剤が求められていた。
上記要望に対して、本発明者らはレゾール型フェノール樹脂を高分子化することにより加熱温度の低下、加熱時間の短縮が可能な木材用接着剤が得られることを見出し、例えば、アルカリ触媒存在下、フェノール類中にアルデヒド類を分割添加して、多段階で反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂を含有するレゾール型フェノール樹脂を開示した(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、前記特許文献1に開示されているレゾール型フェノール樹脂は充填剤や硬化促進剤の分散性が悪く、前記レゾール樹脂に充填剤や硬化促進剤を混合すると、充填剤や硬化促進剤が固まってしまう問題がある。特に硬化促進剤が固まり沈降した沈降物は、非常に溶解性が悪くガム状物質となり、単板への均一塗布が困難で合板の生産性が悪い問題がある。
本発明の課題は、沈殿物が無く、単板表面への均一塗布が容易な木材用接着剤と該接着剤を用いた合板の製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下の知見を見出した。
1.前記特許文献1に開示されているレゾール型フェノール樹脂への充填剤や硬化促進剤の分散性不良は、該樹脂中に低分子化合物の含有量が少ないことに起因する。
2.前記低分子化合物は重量平均分子量250以下のフェノール系化合物が好ましい。
3.特許文献1に開示されているレゾール型フェノール樹脂と該重量平均分子量250以下のフェノール系化合物とを混合して合板用接着剤とする場合、重量平均分子量250以下のフェノール系化合物の含有量を該レゾール型フェノール樹脂100重量部に対して0.1重量部以上とすると単板への均一塗布が容易な合板用接着剤が得られる。
4.前記1.〜3.の知見により得られた合板用接着剤は充填剤や硬化促進剤の分散性が良好で、且つ、単板への均一塗布も容易である。そして、単板に前記合板用接着剤を塗布して単板を接着することにより短時間の熱圧時間で合板を製造する事ができる。
本発明は上記知見に基づき完成したものである。
1.前記特許文献1に開示されているレゾール型フェノール樹脂への充填剤や硬化促進剤の分散性不良は、該樹脂中に低分子化合物の含有量が少ないことに起因する。
2.前記低分子化合物は重量平均分子量250以下のフェノール系化合物が好ましい。
3.特許文献1に開示されているレゾール型フェノール樹脂と該重量平均分子量250以下のフェノール系化合物とを混合して合板用接着剤とする場合、重量平均分子量250以下のフェノール系化合物の含有量を該レゾール型フェノール樹脂100重量部に対して0.1重量部以上とすると単板への均一塗布が容易な合板用接着剤が得られる。
4.前記1.〜3.の知見により得られた合板用接着剤は充填剤や硬化促進剤の分散性が良好で、且つ、単板への均一塗布も容易である。そして、単板に前記合板用接着剤を塗布して単板を接着することにより短時間の熱圧時間で合板を製造する事ができる。
本発明は上記知見に基づき完成したものである。
即ち、本発明は、アルカリ触媒存在下、フェノール類中にアルデヒド類を分割添加して、多段階で反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂(A)の水溶液と分子量が250以下のフェノール系化合物(B)とを含有する合板用接着剤であり、フェノール系化合物(B)の含有量がレゾール型フェノール樹脂(A)の固形分100重量部に対して0.1重量部以上であることを特徴とする合板用接着剤を提供するものである。
また、本発明は、単板に前記合板用接着剤を塗布して単板を接着することを特徴とする合板の製造方法を提供するものである。
本発明の合板用接着剤は充填剤や硬化促進剤が沈殿物とならず均一に分散しているため、単板への均一が容易で合板の製造効率向上に貢献する。また、単板に塗布する現場の配管の詰まりもなく、配管の洗浄等が容易である。更に、得られる合板性能のばらつきも生じにくい。
本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂(A)は、アルカリ触媒存在下、フェノール類中にアルデヒド類を分割添加して、多段階で反応させて得られる。前記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール等の(アルキル)フェノール類;レゾルシノール、カテコール等の芳香族時オール類;ビスフェノールA等のビスフェノール類等が挙げられる。また、前記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。
前記アルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、アンモニア等が挙げられる。これらの中でも、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂(A)は前記フェノール類とアルデヒド類とを全使用モル比(X)〔全使用ホルムアルデヒド類〕/〔全使用フェノール類〕で1.5〜2.5となるように用いて得られるレゾール型フェノール樹脂が保存安定性が良好なことから好ましく、また、得られる合板からのホルムアルデヒドの放出が少なく、生産環境、材料使用時の環境が良好となる点から前記(X)が、2.5以下となるように用いて得られるレゾール型フェノール樹脂が好ましい。中でも、(X)が1.8〜2.3となるように用いて得られるレゾール型フェノール樹脂が特に好ましい。
前記アルカリ性の反応触媒の使用量はフェノール類の合計1モルに対して0.1〜3モル、0.2〜1.0モルがより好ましい。
本発明で用いレゾール型フェノール樹脂(A)は、前記の通りアルカリ性の反応触媒下で、フェノール類中にアルデヒド類を分割添加して多段階で反応させて得られる。この様な反応形態を取る事により、高分子化したレゾール型フェノール樹脂が容易に得られ、このレゾール型フェノール樹脂を用いることにより短い時間で硬化する合板用接着剤が得られる。フェノール類中にアルデヒド類を分割添加して多段階で添加する分割添加の回数は特に限定されないが、反応条件の制御のしやすさから2又は3段階で添加することが好ましく、2段階に分けて添加することが特に好ましい。
レゾール型フェノール樹脂(A)としては、フェノール類とアルデヒド類とをフェノール類中にアルデヒド類を分割添加して多段階で反応させる際に、1段階目の反応で用いるフェノール類とアルデヒド類とのモル比(X1)〔1段階目の反応で用いるアルデヒド類/1段目で用いる反応のフェノール類〕と前記(X)とのモル比〔(X)/(X1)で1.05〜2.7となるように用いて得られるレゾール型フェノール樹脂が好ましい。
本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂(A)の水溶液としては特に限定されないが、不揮発分が30〜85重量%である樹脂溶液が好ましく、40〜80重量%である樹脂溶液がより好ましい。
また前記レゾール型フェノール樹脂(A)として、本発明の合板用接着剤の硬化性を向上するために、レゾルシノール、アミノフェノール等の変性剤をフェノール類の一部として用いて、アルデヒド類と共に共縮合したレゾール型フェノール樹脂を併用することもできる。変性剤の使用量は樹脂分重量に対して0.1〜20重量%が硬化性の向上効果が良好に得られ、かつ、コスト高になりにくいので好ましい。
本発明の合板用接着剤で用いるフェノール系化合物(B)は分子量が250以下である必要がある。分子量が250より大きいと充填剤や硬化剤の分散性が良好とならないので好ましくない。尚、本発明で用いるフェノール系化合物(B)はフェノール(C6H5OH)を基本骨格とした化合物であり、実質的な分子量は94以上である。フェノール系化合物(B)としては、分子量が94〜230のものが好ましい。
また、本発明の合板用接着剤中のフェノール系化合物(B)の含有量は、レゾール型フェノール樹脂(A)の固形分100重量部に対して0.1重量部以上である必要がある。フェノール系化合物(B)の含有量が0.1重量部より小さいと充填剤や硬化剤の分散性が良好とならないので好ましくない。フェノール系化合物(B)の含有量は、多いほど充填剤や硬化剤の分散性は向上するが、充填剤や硬化剤が凝集物とならない十分な分散性が得られ、且つ、フェノール系化合物(B)の臭気も強くならないことから、フェノール系化合物(B)の含有量は、レゾール型フェノール樹脂(A)の固形分100重量部に対して0.1〜3重量部が好ましく、0.3〜2重量部がより好ましく、0.4〜1.5重量部が更に好ましい。
本発明で用いるフェノール系化合物(B)としては、例えば、フェノール(分子量94)、クレゾール(分子量108)、キシレノール(分子量122)、α−ナフトール(分子量144)、β−ナフトール(分子量144)等の一価フェノール類;レゾルシン(分子量110)、カテコール(分子量110)、ハイドロキノン(分子量110)等の二価フェノール類;ピロガロール(分子量126)、フロログルシン(分子量126)等の二価フェノール類;キシレントリオール(分子量154)、トリメチルフロログシノール(分子量168)等の三価フェノール類;ヒドロキシメチルフェノール(分子量124)、ジヒドロキシメチルフェノール(分子量154)、トリヒドロキシメチルフェノール(分子量184)等のヒドロキシメチルフェノール類等が挙げられる。
また、下記に示す多核体の化合物等も分子量が250以下であればフェノール系化合物(B)として使用することができる。具体的には、例えば、ビスフェノールA(分子量228)等のビスフェノール類;ジヒドロキシフェニルメタン(分子量200)等の2核体のフェノール系化合物等が挙げられる。
本発明で用いるフェノール系化合物(B)としては一価フェノール類が好ましく、中でフェノールがより好ましい。また、フェノール系化合物(B)は、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明の合板用接着剤は、例えば、前記レゾール型フェノール樹脂(A)の水溶液、フェノール系化合物(B)、充填剤、硬化促進剤に更に、粘度調整剤、ホルムアミド捕捉剤等を必要に応じて混合する事により得られる。
前記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機物;小麦粉、米粉、木粉、クルミ核粉、アンズ核粉、オリーブ核粉等の有機物等が挙げられる。中でも無機物では炭酸カルシウム、有機物では小麦粉が好ましい。
本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂(A)の水溶液は、製造時に用いたアルカリ性の反応触媒が存在するためpHが高く、前記充填剤として小麦粉や米粉等の澱粉質を含有する充填剤を用いる際に小麦粉や米粉の使用量によっては小麦粉や米粉中の澱粉の糊化により本発明の合板用接着剤の製造時の粘度が高くなり、また経時的な増粘が大きく合板製造時の作業性が悪くなる。そのため、小麦粉や米粉等を充填剤として用いるときは、他の充填剤、例えば、炭酸カルシウム、木粉等の澱粉を含有しない充填剤を併用するのが好ましい。澱粉質を含有する充填剤の使用量としては、澱粉質を含有しない充填剤(他の充填剤)100重量部に対して25〜150重量部が好ましい。
前記硬化促進剤としては、例えば、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等の金属の炭酸塩が挙げられる。硬化促進剤の使用量としては、樹脂固形分100重量部に対して0.5〜5重量部が好ましい。
前記粘度調整剤としては、例えば、水等が挙げられる。
前記ホルムアミド吸収剤としては、例えば、ポリアミド化合物、ウレタン化合物、ピリジン誘導体、ピロリドン誘導体、尿素誘導体、トリアジン誘導体、ヒドラジン誘導体、アミジン化合物が挙げられる。
更に本発明の合板用接着剤にはリグニン、その誘導体、タンニン及びその誘導体も添加することができる。これらを添加することにより合板の反り、うねりの発生、パンクの発生を防止することできる。
前記リグニン、その誘導体としては、例えば、例えば亜硫酸パルプの溶出液等を原料としたリグニンスルホン酸カルシウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウム、リグニンスルホン酸マグネシウム塩が挙げられる。
前記タンニンまたはその誘導体としては、例えばタンニン酸に代表される縮合型タンニン;カテキンやエピカテキン等が結合した縮合型タンニン及びその誘導体が挙げられる。中でも、縮合型タンニンが好ましく、タンニン酸がより好ましい。
本発明の合板の製造方法は、本発明の合板用接着剤を塗布して単板を接着することを特徴とする。本発明でいう合板とは単板に接着剤を塗布して積層し、熱プレスして硬化した物を指し、例えば、一般的な合板、或いはそれ以外のLVL(Laminated Veneer Lumber)をも含む。
本発明の製造方法としては、例えば、1.単板に接着剤を塗布し、所定の枚数を重ね合わせ、2.次いで、冷圧によって仮接着した合板を120〜150℃で熱圧によって硬化させる工程を含む製造方法が挙げられる。更に硬化後、耳きり、表面仕上げ、選別、検査などの工程を経て合板を完成させる。
以下、本発明に関して実施例、比較例により説明する。なお、以下に記載の部及び%は、平均木破率、合格率以外は重量基準である。
製造例1〔レゾール型フェノール樹脂(A)の合成〕
フェノール1000g、40%ホルムアルデヒド水溶液1275gを還流装置の付いたフラスコに入れ攪拌を開始、50%水酸化ナトリウム水溶液600gを徐々に加えながら80℃迄昇温し2時間反応させて粘度300mPa・sとした。その後40%ホルムアルデヒド水溶液160g、イオン交換水600gを加え80℃で2時間反応させてレゾール型フェノール樹脂の水溶液を得た。得られたレゾール型フェノール樹脂の水溶液は不揮発分45%、粘度200mPa・s、pH12.8であった。これを樹脂A1と略記する。
フェノール1000g、40%ホルムアルデヒド水溶液1275gを還流装置の付いたフラスコに入れ攪拌を開始、50%水酸化ナトリウム水溶液600gを徐々に加えながら80℃迄昇温し2時間反応させて粘度300mPa・sとした。その後40%ホルムアルデヒド水溶液160g、イオン交換水600gを加え80℃で2時間反応させてレゾール型フェノール樹脂の水溶液を得た。得られたレゾール型フェノール樹脂の水溶液は不揮発分45%、粘度200mPa・s、pH12.8であった。これを樹脂A1と略記する。
製造例2(比較対照用フェノール系化合物の合成)
フェノール1400g、40%ホルムアルデヒド水溶液450gを窒素ガスで空気置換したフラスコに入れ、シュウ酸7gを加え、105℃まで昇温し、還流を3時間継続させた。その後8000Paの減圧下で脱水反応を行い、温度が180℃に達したら、3時間減圧脱水を続け、さらに230℃で4時間水蒸気蒸留を行い、平均分子量300のノボラック型フェノール樹脂を得た。これを比較対照用フェノール系化合物b1と略記する。
フェノール1400g、40%ホルムアルデヒド水溶液450gを窒素ガスで空気置換したフラスコに入れ、シュウ酸7gを加え、105℃まで昇温し、還流を3時間継続させた。その後8000Paの減圧下で脱水反応を行い、温度が180℃に達したら、3時間減圧脱水を続け、さらに230℃で4時間水蒸気蒸留を行い、平均分子量300のノボラック型フェノール樹脂を得た。これを比較対照用フェノール系化合物b1と略記する。
実施例1
200mlのポリ容器に第1表に示す割合でレゾール型フェノール型樹脂の水溶液、フェノール系化合物、充填剤、硬化促進剤、粘度調整剤を配合し混合して本発明の合板用接着剤を調整した。粘度(初期粘度)は粘度25dPa・s/25℃であった。この合板用接着剤を用いて合板を製造した。具体的には、木質材料として、カラマツ材から作ったサイズ30cm×30cmのロータリー単板を用い、2.1mm厚の原板(x1)、3.0mm厚の糊芯単板(x2)及び原中板単板(x3)を作製し、次いで、前記糊心単板(x2)に前記木材用接着剤を片面当たり19gの割合で両面に塗布し、原板(x1)/糊心単板(x2)/中板単板(x3)/糊心単板(x2)/原板(x1)〔=2.1/3.0/2.1/3.0/2.1mm〕の5プライの12mm構成で1サンプルセットして、0.98MPaにて30分間冷圧後、120℃、0.98MPa/cm2にて240秒間熱圧することにより合板を製造した。なお、上記単板(x1)、(x2)及び(x3)の含水率はそれぞれ6%であった。合板用接着剤の塗工性及び得られた合板のパンクの有無、ホルムアルデヒド放散量、引張線弾力、平均木破率及び合格率を評価した。また、合板用接着剤中の沈殿物の有無、使用器具に付着した合成用接着剤の洗浄容易性の評価も合わせて行った。それらの結果を第3表に示す。
200mlのポリ容器に第1表に示す割合でレゾール型フェノール型樹脂の水溶液、フェノール系化合物、充填剤、硬化促進剤、粘度調整剤を配合し混合して本発明の合板用接着剤を調整した。粘度(初期粘度)は粘度25dPa・s/25℃であった。この合板用接着剤を用いて合板を製造した。具体的には、木質材料として、カラマツ材から作ったサイズ30cm×30cmのロータリー単板を用い、2.1mm厚の原板(x1)、3.0mm厚の糊芯単板(x2)及び原中板単板(x3)を作製し、次いで、前記糊心単板(x2)に前記木材用接着剤を片面当たり19gの割合で両面に塗布し、原板(x1)/糊心単板(x2)/中板単板(x3)/糊心単板(x2)/原板(x1)〔=2.1/3.0/2.1/3.0/2.1mm〕の5プライの12mm構成で1サンプルセットして、0.98MPaにて30分間冷圧後、120℃、0.98MPa/cm2にて240秒間熱圧することにより合板を製造した。なお、上記単板(x1)、(x2)及び(x3)の含水率はそれぞれ6%であった。合板用接着剤の塗工性及び得られた合板のパンクの有無、ホルムアルデヒド放散量、引張線弾力、平均木破率及び合格率を評価した。また、合板用接着剤中の沈殿物の有無、使用器具に付着した合成用接着剤の洗浄容易性の評価も合わせて行った。それらの結果を第3表に示す。
合板用接着剤の塗工性の評価:小型スプレッダー(配合糊塗布装置)を用いて、単板に合板用接着剤を塗布する際の塗布状態を目視で観察し、単板に均一に塗布され、表面も滑らかであるものを○、表面の合板用接着剤の塗りムラが観察できるものを×と判定した。
合板のパンクの有無の判定:得られた合板を丸鋸で切断し接着層を目視で観察しパンクの有無を判定した。
ホルムアルデヒド放散量の評価:日本工業規格A−1460「建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験法−デシケーター法」に準じ、成型1日後にホルムアルデヒド測定用試験片にし、試験片を20℃、65%RHの室温中で1日間養生後にホルムアルデヒド放散量を測定した。
引張線弾力、平均木破率、合格率の評価:日本農林規格「構造用合板」にて基づいて行った。
合板のパンクの有無の判定:得られた合板を丸鋸で切断し接着層を目視で観察しパンクの有無を判定した。
ホルムアルデヒド放散量の評価:日本工業規格A−1460「建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験法−デシケーター法」に準じ、成型1日後にホルムアルデヒド測定用試験片にし、試験片を20℃、65%RHの室温中で1日間養生後にホルムアルデヒド放散量を測定した。
引張線弾力、平均木破率、合格率の評価:日本農林規格「構造用合板」にて基づいて行った。
合板用接着剤中の沈殿物の有無の評価:調製後60分経った後、合板用接着剤中の沈降物の有無を目視にて確認し、沈殿物が確認できる時は「有」、沈殿物が確認できない時は「無」と評価した。
洗浄容易性の評価:合板用接着剤の入った容器を逆さまにして中に入っていた合板用接着剤を容器からとりだし、そのまま容器を逆さまの状態にして30分放置し、容器の壁面に付着している合板用接着剤を除去できるだけ除去した。容器を元に戻し、この容器に水200mlを入れた。更にプロペラ型の攪拌翼(直径50mm)のついた攪拌機を用いて120rpmで10分間攪拌した。容器の中の水を捨てて、容器壁面、底部を目視で観察し、壁面に合板用接着剤の付着が確認できないものを洗浄性良好(第3表、第4表では○と標記)、壁面に合板用接着剤の付着が確認できるものを洗浄性不良(第3表、第4表では×と標記)とした。
実施例2〜4、比較例1及び2
第1表、第2表に示す配合で混合した以外は実施例1と同様にして合板用接着剤を調製した。得られた合板用接着剤を用いて実施例1と同様にして合板を測定し、各種試験を行った。結果を第3表及び第4表に示す。
第1表、第2表に示す配合で混合した以外は実施例1と同様にして合板用接着剤を調製した。得られた合板用接着剤を用いて実施例1と同様にして合板を測定し、各種試験を行った。結果を第3表及び第4表に示す。
比較例1は塗工性の評価は○だったものの沈殿物があり、作業性が悪かった。また、比較例2及び3については、沈殿物があり、かつ、塗工性も悪く、合板を製造する事が出来なかった。
Claims (7)
- アルカリ触媒存在下、フェノール類中にアルデヒド類を分割添加して、多段階で反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂(A)の水溶液と分子量が250以下のフェノール系化合物(B)とを含有する合板用接着剤であり、フェノール系化合物(B)の含有量がレゾール型フェノール樹脂(A)の固形分100重量部に対して0.1重量部以上であることを特徴とする合板用接着剤。
- 前記レゾール型フェノール樹脂(A)がフェノール類とアルデヒド類とを全使用モル比(X)〔全使用ホルムアルデヒド類〕/〔全使用フェノール類〕で1.5〜2.5となるように用いて得られるレゾール型フェノール樹脂である請求項1記載の合板用接着剤。
- 前記レゾール型フェノール樹脂(A)が、フェノール類とアルデヒド類とをフェノール類中にアルデヒド類を分割添加して多段階で反応させる際に、1段階目の反応で用いるフェノール類とアルデヒド類とのモル比(X1)〔1段階目の反応で用いるアルデヒド類/1段目で用いる反応のフェノール類〕と前記(X)とのモル比〔(X)/(X1)で1.05〜2.7となるように用いる請求項2記載のレゾール型フェノール樹脂組成物。
- 前記フェノール系化合物(B)が重量平均分子量94〜230のフェノール系化合物である請求項1記載の合板用接着剤。
- 前記フェノール系化合物(B)がフェノールである請求項1記載の合板用接着剤。
- 前記フェノール系化合物(B)の含有量がレゾール型フェノール樹脂(A)の固形分100重量部に対して0.3〜3重量部である請求項1〜5のいずれか1項記載の合板用接着剤。
- 単板に請求項1〜5のいずれか1項記載の合板用接着剤を塗布して単板を接着することを特徴とする合板の製造方法。
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JP2005077025A Pending JP2006257273A (ja) | 2005-03-17 | 2005-03-17 | 合板用接着剤および合板の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006257273A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011118697A1 (ja) | 2010-03-25 | 2011-09-29 | ヤマハ株式会社 | エポキシ樹脂系接着剤用硬化剤組成物および多孔質体用接着剤 |
JP2017052895A (ja) * | 2015-09-10 | 2017-03-16 | 島根県 | フェノール樹脂とリグノフェノールとを含む接着剤およびこれを用いた木製品 |
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2005
- 2005-03-17 JP JP2005077025A patent/JP2006257273A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011118697A1 (ja) | 2010-03-25 | 2011-09-29 | ヤマハ株式会社 | エポキシ樹脂系接着剤用硬化剤組成物および多孔質体用接着剤 |
JP2017052895A (ja) * | 2015-09-10 | 2017-03-16 | 島根県 | フェノール樹脂とリグノフェノールとを含む接着剤およびこれを用いた木製品 |
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