JP2006256228A - ポンプ制御機構、このポンプ制御機構を用いたプリンタおよびポンプ制御方法 - Google Patents

ポンプ制御機構、このポンプ制御機構を用いたプリンタおよびポンプ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 騒音変動を小さくし、静穏化を図れると共に、モータの途中停止を防止可能なポンプ制御機構、ポンプ制御機構を用いたプリンタおよびポンプ制御方法を提供する。
【解決手段】 貯留手段71に液体を送り込むポンプユニット70、ポンプ部材74の往復動位置を検出する位置検出手段78、多数の時間帯区分の制御情報を備える制御テーブル、および目標駆動速度に対応する目標情報を記憶する情報記憶手段92、往復動位置検出に基づきモータ72の駆動情報を算出する駆動情報算出手段90、駆動情報と目標情報の差を減じる補正情報を算出する補正情報算出手段90、制御テーブルを補正する補正手段90を具備し、制御テーブルは、モータ72の負荷の大小に応じて駆動力を増減させる時間帯区分の個々の制御情報を備え、それらの中にはモータ72に極所的に大負荷が作用した場合に対応させ駆動力を極所的に増加させるための制御情報増加区分が存在する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポンプ制御機構、このポンプ制御機構を用いたプリンタおよびポンプ制御方法に関する。
普及タイプのプリンタにおいては、キャリッジにインクを蓄えるカートリッジを搭載するタイプが多い。しかしながら、高性能タイプのプリンタには、キャリッジにカートリッジを搭載せずに、プリンタの筐体側にカートリッジを搭載するタイプがある。このタイプのプリンタは、インク残量が変化しても、キャリッジの重量の変動を抑えることができる。そのため、該タイプのプリンタは、キャリッジの移動に関して高精度な制御を行える。
ここで、上記タイプのプリンタにおいては、キャリッジに液体容器が搭載されている。液体容器には、液体管路を介してカートリッジが接続されていて、カートリッジから液体容器に向けてインクを供給可能としている。また、カートリッジには、空気管路の一端側が接続されている。空気管路の他端側は、ポンプユニット内の蛇腹ポンプに接続されていて、この蛇腹ポンプを駆動させると、空気管路を介してカートリッジに空気が送り込まれる。そして、空気圧により、カートリッジからインクを、液体管路を介して液体容器内に供給可能となっている。
なお、このような空気圧を利用するものとしては、特許文献1に開示されているものがある。かかる特許文献1に開示されている構成では、往復移動して空気を圧縮する往復移動部と、この往復移動部を往復移動させるためのポンプモータと、ポンプモータに対して液体容器の圧力が所定圧力になるまで電力を投入する電力投入部と、を有している。
特表2002−510252号公報(第8頁、第1図参照)
ところで、蛇腹ポンプをポンプモータで駆動させる場合、ポンプモータおよび変換機構等の騒音源から生じる騒音が問題となる。プリンタから生じる動作音の中で、かかる騒音は特に大きく、その低減が課題となっている。
特に、蛇腹ポンプを伸縮させる場合、該蛇腹ポンプの内部圧力の変化によって、ポンプモータに作用する負荷が変化し、その変化に応じてポンプモータの回転数が変動する。そのため、騒音も回転数の変動に応じて変動する。ところで、騒音が回転数に応じて変動する場合、一定レベルの音が騒音源から定常的に生じている場合と比較して、騒音が耳につき易い、という問題がある。すなわち、同レベルの騒音でも、大きさが変動しない騒音より、大きさが変動する騒音は、よりうるさく感じられる。
ここで、上述のポンプモータを制御する場合、例えばロータリエンコーダ等の回転数を検出可能なセンサを搭載し、該センサからのフィードバック信号を活用して、ポンプモータの回転数を制御すれば、騒音の低減を図ることができる。しかしながら、ロータリエンコーダ等を搭載する場合、コストの上昇を招く等の問題がある。そこで、ロータリエンコーダを用いずに、既にポンプユニットが備えている位置検出センサ、および圧力センサの検出のみで、騒音を低減できることが望まれている。
また、蛇腹ポンプを駆動させる場合、ポンプモータに作用する実際の負荷は、大小の変動が大きくなっている。そのため、極所的に大きな負荷がポンプモータに作用する場合、その負荷をポンプモータが乗り越えることができず、ポンプモータがその部分で停止してしまう、という問題も生じている。
かかる停止の問題は、プリンタを使用する年月が長くなるにつれて、顕著となっている。すなわち、プリンタを使用する年月が長くなると、メカ部分の組み付け精度の悪化、外部からの埃の付着等の、当初設計事項にはない、外乱要因の影響が大きくなる。かかる外乱による影響は、従来から存在する、負荷が大きくなる部分に、さらに加わることが多い。
例えば、機構の微小なガタ付き部分がプリンタの製造当初から存在し、そのガタ付きを原因として、衝撃荷重が発生し、もって負荷が極所的に増大する部分が存在する、と仮定する。すると、プリンタの使用年月が長くなるにつれて、摩擦等による擦り減り、ネジのゆるみ等により、組み付け精度は一般に悪化してゆき、衝撃荷重が一層増大するケースが多い。その場合、負荷の大小の変動が一層大きくなり、もってポンプモータが停止する、といったケースが増大してしまう。なお、プリンタを使用するにつれて、負荷の大小の変動幅が増大する、という問題は、その他の解明されている原因/解明されていない原因によっても同様に生じている。
このように、プリンタにおいては、ポンプユニットの静穏化を図る以外にも、負荷の大小の変動による、ポンプモータが途中で停止するのを防止する必要があり、これらの両立が求められている。ここで、ポンプモータが途中で停止するのを防止するためには、該ポンプモータに付与する電圧/電流を上昇させれば良い。しかしながら、その場合には、ポンプモータの回転速度も上昇するため、ポンプユニットにおける静穏化の実現が困難となっている。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、1周期内における騒音の変動を小さくし、もって静穏化を図ることを可能とすると共に、モータが途中で停止するのを防止することが可能なポンプ制御機構、このポンプ制御機構を用いたプリンタおよびポンプ制御方法を提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、往復動により空気圧を作用させるポンプ部材および該ポンプ部材を往復動させると共に制御情報に基づいて制御駆動されるモータを具備し、該モータの駆動によりポンプ部材を往復動させて、貯留手段に向けて液体供給源に蓄えられている液体を送り込むポンプユニットと、制御情報を多数備える制御テーブル、およびモータを駆動させるに際して、その目標となる駆動速度に対応する目標情報を記憶する情報記憶手段と、を具備し、制御テーブルは、細分化された多数の時間帯区分ごとに個々の制御情報を備え、該制御情報はモータの負荷の大小に対応させてモータの駆動力を増減させ、これらの時間帯区分の制御情報の中には、モータに極所的に大きな負荷が作用した場合に対応させてモータの駆動力を極所的に増加させるための制御情報増加区分が存在するものである。
このように構成した場合には、モータは、情報記憶手段から読み込まれる制御テーブルに基づいて、制御駆動される。ここで、制御テーブルは、多数の時間帯区分に細分化されていて、それぞれの時間帯におけるモータの負荷の大小に応じて、モータの駆動力を増減させている。このため、制御テーブルのモータへの印加により、モータの駆動速度の変動を抑えることが可能となる。それにより、ポンプ部材やその他の摩擦部分といった、負荷部分から発生する騒音の変動が抑えられ、その分だけ、うるささが低減される。
また、制御テーブルの時間帯区分の制御情報の中には、制御情報増加区分が存在している。そのため、極所的に大きな負荷がモータに作用しても、その負荷によってモータが停止してしまうのを防ぐことができ、モータの駆動を継続させることができる。特に、使用年月が長くなり、負荷が大きくなる場合でも、モータの停止を良好に防止することが可能となる。また、モータの駆動を安定化させることも可能となる。また、大きな負荷の作用に対応させて、モータの限界トルクを上げる必要が無くなる。そのため、出力の大きな高価なモータを使用せずに済み、それによってコストの低減を図ることも可能となる。
また、他の発明は、往復動により空気圧を作用させるポンプ部材および該ポンプ部材を往復動させると共に制御情報に基づいて制御駆動されるモータを具備し、該モータの駆動によりポンプ部材を往復動させて、貯留手段に向けて液体供給源に蓄えられている液体を送り込むポンプユニットと、ポンプ部材の往復動における位置を検出するための位置検出手段と、制御情報を多数備える制御テーブル、およびモータを駆動させるに際して、その目標となる駆動速度に対応する目標情報を記憶する情報記憶手段と、位置検出手段でのポンプ部材の位置検出に基づいて、該ポンプ部材を往復動させているモータの駆動速度に対応する駆動情報を算出する駆動情報算出手段と、駆動情報と目標情報との比較を行うと共に、これらの比較に基づいて、次にモータを駆動させる際の駆動情報と目標情報との差を少なくし、かつ制御テーブルに対する補正情報を算出する補正情報算出手段と、モータに投入される制御テーブルを、補正情報で補正する補正手段と、を具備し、制御テーブルは、細分化された多数の時間帯区分ごとに個々の制御情報を備え、該制御情報はモータの負荷の大小に対応させてモータの駆動力を増減させ、これらの時間帯区分の制御情報の中には、モータに極所的に大きな負荷が作用した場合に対応させてモータの駆動力を極所的に増加させるための制御情報増加区分が存在するものである。
このように構成した場合には、駆動情報算出手段は、位置検出手段におけるポンプ部材の往復動の検出に基づいて、モータの駆動速度に対応する駆動情報を算出する。そして、補正情報算出手段は、算出された駆動情報と、目標情報とを比較し、該目標情報との差を少なくするための補正情報を算出する。また、補正手段は、算出された補正情報で、予め情報記憶手段に記憶されている制御テーブルを補正する。すると、制御テーブルにおける個々の制御情報も、補正情報により補正される。そして、補正された制御テーブルに基づいて、モータを制御駆動され、モータの駆動速度が目標となる駆動速度に近づく。
ここで、制御テーブルは、多数の時間帯区分に細分化されていて、それぞれの時間帯におけるモータの負荷の大小に応じて、モータの駆動力を増減させている。このため、制御テーブルのモータへの印加により、モータの駆動速度の変動を抑えることが可能となる。それにより、ポンプ部材やその他の摩擦部分といった、負荷部分から発生する騒音の変動が抑えられ、その分だけ、うるささが低減される。しかも、モータの駆動速度が目標となる駆動速度に近づくように補正される。そのため、負荷部分から発生する騒音を、抑制することが可能となる。つまり、発生する騒音が、可聴領域から外れるように目標情報を設定しておけば、モータが駆動するに従い、位置検出手段での検出に基づいて騒音の発生の低減が可能となり、また騒音の変動も抑えられる状態にすることが可能となる。また、位置検出手段での検出のみで、騒音の発生を抑えることが可能となる。このため、モータの駆動速度を検出するための、エンコーダ等を必要とせずに済み、コストが上昇するのを抑えることが可能となる。
さらに、制御テーブルの時間帯区分の制御情報の中には、制御情報増加区分が存在している。そのため、極所的に大きな負荷がモータに作用しても、その負荷によってモータが停止してしまうのを防ぐことができ、モータの駆動を継続させることができる。特に、使用年月が長くなり、負荷が大きくなる場合でも、モータの停止を良好に防止することが可能となる。また、モータの駆動を安定化させることも可能となる。また、大きな負荷の作用に対応させて、モータの限界トルクを上げる必要が無くなる。そのため、出力の大きな高価なモータを使用せずに済み、それによってコストの低減を図ることも可能となる。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、制御情報の中には、モータの駆動力を極所的に減少させるための制御情報減少区分が存在するものである。このように構成した場合、時間帯区分の制御情報の中には、制御情報減少区分が存在するため、制御情報の平均が高くなるのを抑えることが可能となる。そのため、モータが必要以上に早く回転されるのを防止することができ、ポンプユニット等の摺動部分から発生する騒音を抑制することが可能となる。また、モータに極所的に小さな負荷が作用する場合、該極所的な小さな負荷に対応させることも可能となる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、制御テーブルには、制御情報増加区分と制御情報減少区分とが交互に繰り返される領域が存在するものである。このように構成した場合、その領域においては、制御情報増加区分と制御情報減少区分とが交互に繰り返される。このため、制御情報増加区分がモータに印加されて、モータの駆動力の増加が図られた後に、制御情報減少区分がモータに印加され、モータの駆動力の減少が図られる。それにより、モータの回転速度が必要以上に増大するのを防ぐことができ、目標情報に対応した回転速度で回転させることが可能となる。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、制御情報増加区分と制御情報減少区分とが交互に繰り返される領域における、制御情報の平均は、その領域においてモータを駆動させるために必要な制御情報の平均よりも大きいものである。
このように構成した場合には、制御情報をモータに向けて与えることにより、モータを確実に駆動させることが可能となる。また、制御情報の平均を、その領域においてモータを駆動させるために必要な制御情報の平均よりも大きくすることにより、外気温の変化、摩擦の増大等、モータの負荷が若干変動する場合でも、モータを確実に駆動させることが可能となる。また、推定される負荷よりも、大きな負荷がモータに作用する場合でも、モータを起動させることができる。
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、制御情報は、モータに投じられるパルス電圧においてPWM制御を行うためのDuty比であると共に、予め計測されるポンプ部材の1周期内における負荷の変動に基づいて、個々の制御情報に対応するDuty比を基準値から個別に増減させることにより、制御テーブルが構成されていて、補正情報は、該PWM制御においてパルス電圧のDuty比を変更する値としたものである。
このように構成した場合には、PWM制御によりモータの駆動速度を調整することができ、簡易でありながら正確にモータを制御することが可能となる。また、制御テーブルを構成する個々の制御情報は、予め計測されるポンプ部材の1周期内における負荷の変動に基づいて、Duty比を基準値から個別に増減させている。そのため、ポンプ部材の往復動の1周期内において、きめの細かな制御を行うことができ、速度の変動を一層抑えることが可能となる。
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、位置検出手段は、ポンプ部材の伸長端側においてポンプ部材の往復動における位置を検出するものである。このようにした場合、次回、モータを駆動させ、位置検出手段でポンプ部材の位置を検出すると、その検出までの時間が最初の周期となる。すなわち、最初の位置検出の段階で、正確な周期の計測を行うことができる。
さらに、他の発明は、上述した各発明に係るポンプ制御機構をプリンタに用いると共に、貯留手段は、キャリッジに存在する液体容器であり、液体は、インクであり、液体供給源は、インクを蓄えるカートリッジとしたものである。
このように構成した場合には、プリンタにおいて、ポンプ制御機構におけるモータの駆動速度の変動を抑えることが可能となり、負荷部分から発生する騒音の変動が抑えられ、その分だけ、うるささが低減される。しかも、モータの駆動速度が目標となる駆動速度に近づくように補正することで、負荷部分から発生する騒音を、抑制することが可能となる。また、位置検出手段での検出のみで、騒音の発生を抑えることが可能となるため、コストが上昇するのを抑えることが可能となる。さらに、制御情報増加区分の存在により、極所的に大きな負荷がモータに作用しても、その負荷によるモータの停止を防ぐことができ、モータの駆動を継続させることができる。
また、他の発明は、往復動により空気圧を作用させるポンプ部材と、該ポンプ部材を往復動させると共に制御情報に基づいて制御駆動されるモータとを具備するポンプユニットを備え、このポンプユニットを用いて、貯留手段に向けて液体供給源に貯留されている液体を送り込むポンプ制御方法において、制御テーブルが情報記憶手段に予め記憶されていると共に、この制御テーブルには、細分化された多数の時間帯区分ごとに個々の制御情報が存在し、該制御情報はモータの負荷の大小に対応させてモータの駆動力を増減させ、さらに時間帯区分の制御情報の中には、モータに極所的に大きな負荷が作用した場合に対応させてモータの駆動力を極所的に増加させるための制御情報増加区分が存在し、この制御テーブルを読み出す読み出し工程と、読み出し工程で読み出された制御テーブルに基づいて、モータを駆動させ、その駆動によってポンプユニットを往復動させる初期駆動工程と、ポンプ部材の往復動における位置を検出する位置検出工程と、位置検出工程におけるポンプ部材の位置検出に基づいて、ポンプ部材を往復動させているモータの駆動速度に対応する駆動情報を算出する駆動情報算出工程と、駆動情報算出工程により算出された駆動情報と、予め情報記憶手段に記憶されているモータの駆動の目標となる駆動速度に対応する目標情報との比較を行い、これらの比較に基づいて、次にモータを駆動させる際の駆動情報と目標情報との差を少なくするための補正情報を算出する補正情報算出工程と、モータに投入される制御テーブルを、補正情報で補正する補正工程と、補正情報で補正した制御情報に基づいて、モータを駆動させる補正駆動工程と、を具備するものである。
このように構成した場合には、読み出し工程では、情報記憶手段から制御テーブルが読み出される。また、初期駆動工程では、読み出された制御テーブルに基づいて、モータが駆動され、ポンプユニットの往復動が為される。また、位置検出工程では、ポンプ部材の往復動における位置が検出され、その検出に基づいて、駆動情報算出工程において、モータの駆動情報が算出される。そして、補正情報算出工程では、算出された駆動情報と、目標情報とを比較し、該目標情報との差を少なくするための補正情報を算出する。また、補正工程では、算出された補正情報で、予め情報記憶手段に記憶されている制御テーブルを補正する。すると、制御テーブルにおける個々の制御情報も、補正情報により補正される。また、補正駆動工程では、補正された制御情報に基づいて、モータを制御駆動され、モータの駆動速度が目標となる駆動速度に近づく。
ここで、制御テーブルは、多数の時間帯区分に細分化されていて、それぞれの時間帯におけるモータの負荷の大小に応じて、モータの駆動力を増減させている。このため、制御テーブルのモータへの印加により、モータの駆動速度の変動を抑えることが可能となる。それにより、ポンプ部材やその他の摩擦部分といった、負荷部分から発生する騒音の変動が抑えられ、その分だけ、うるささが低減される。しかも、モータの駆動速度が目標となる駆動速度に近づくように補正される。そのため、負荷部分から発生する騒音を、抑制することが可能となる。つまり、発生する騒音が、可聴領域から外れるように目標情報を設定しておけば、モータが駆動するに従い、位置検出工程での検出に基づいて騒音の発生の低減が可能となり、また騒音の変動も抑えられる状態にすることが可能となる。また、位置検出工程での検出のみで、騒音の発生を抑えることが可能となる。このため、モータの駆動速度を検出するための、エンコーダ等を必要とせずに済み、コストが上昇するのを抑えることが可能となる。
以下、本発明のポンプ制御機構が適用されるプリンタの一実施の形態について、図1から図13に基づいて説明する。なお、本実施の形態のプリンタ10は、インクジェット式のプリンタであるが、かかるインクジェット式プリンタは、インクを吐出して印刷可能な装置であれば、いかなる吐出方法を採用した装置でも良い。
なお、以下の説明においては、下方側とは、プリンタ10が設置される設置面1側を指し、上方側とは、設置面1から離間する側を指す。また、後述するキャリッジ40が移動する方向を主走査方向、主走査方向に直交する方向であって印刷対象物12が搬送される方向を副走査方向とする。また、印刷対象物12を供給する側(紙送りの上流側)を奥側、印刷対象物12を排出する側(紙送りの下流側)を手前側として説明する。
プリンタ10は、設置面1に接触するシャーシ11を具備し、このシャーシ11には、各種ユニットが搭載される。各種ユニットには、紙送りモータ(PFモータ22)によって印刷対象物12を搬送する用紙搬送機構20、キャリッジモータ(CRモータ35)によってキャリッジ40を紙送りローラの軸方向に往復動させるキャリッジ機構30、インクを蓄えるカートリッジ62を搭載するカートリッジ搭載部60、およびカートリッジ62に対してエアを送り込んで加圧するポンプユニット70等があり、その他、図2および図6に示す制御部90が存在する。
図2に示すように、用紙搬送機構20は、給紙ローラ(不図示)および搬送ローラ21等の各ローラを備えると共に、これらのローラを駆動するための紙送りモータ(PFモータ22)を備えている。また、PFモータ22の駆動力は、複数のギヤ等から構成される伝達機構23を介して、伝達される。
図1および図2等に示すキャリッジ機構30は、キャリッジ40を具備し、さらに、支持フレーム31と、この支持フレーム31によって支持されると共に、キャリッジ40を摺動可能に保持するキャリッジ軸34と、後述する遮蔽プレート部32の背面側に配設されているキャリッジモータ(CRモータ35)と、このCRモータ35に取り付けられている歯車プーリ36と、無端のベルト37と、歯車プーリ36との間にこの無端のベルト37を張設する従動プーリ38と、を備えている。
図1に示すように、支持フレーム31は、遮蔽プレート部32と、遮蔽プレート部32の両端側において、排紙側に向かい折曲された側方プレート部33と、から構成されている。一対の側方プレート部33には、シャーシ11の長手に沿い、キャリッジ40の摺動をガイドするキャリッジ軸34が支持されている。また、遮蔽プレート部32の背面側には、歯車プーリ36を駆動させるCRモータ35が設けられている。
歯車プーリ36は、遮蔽プレート部32の背面側のCRモータ35の回転軸に取り付けられている。また、シャーシ11のうち、支持フレーム31(遮蔽プレート部32)よりも手前側の部位には、プラテン42が設けられている。プラテン42は、その長手方向がシャーシ11の長手に沿うように取り付けられている。このプラテン42の上面は、印刷対象物12を送り込むための紙送り面となっている。なお、プラテン42の上面を搬送されるものは、印刷対象物12には限られず、印刷対象物12を保持するための別途の搬送トレイ等であっても良い。
また、プラテン42に対向して、キャリッジ40が設けられている。キャリッジ40は、その内部に、後述するカートリッジ62の色数分(図2においては、6色分)と同数の液体容器41を搭載可能としている。貯留手段としての各液体容器41には、例えば可撓性のチューブ等の液体管路43の一端側が接続されている。この液体管路43を介して、各液体容器41には、カートリッジ62の各色が供給される。なお、液体容器41は、カートリッジ62の色数と同数存在する構成には限られない。例えば、液体容器41の内部が漏れなく仕切られている場合、該カートリッジ62の色数分よりも、液体容器41の個数を少なくすることができる。
図2に示すように、キャリッジ40の下方には、プラテン42側に向かって、印刷ヘッド45(図4参照)を備える印刷ヘッドユニット44が突出している。印刷ヘッド45の下端側には、ノズル45aが多数形成されている。そして、液体容器41から供給されるインクは、このノズル45aから、インク滴として印刷対象物12に向けて吐出される。また、シャーシ11には、不図示の外部ケースが取り付けられる。外部ケースは、プリンタ10の各機構を覆い、これら各機構を衝撃や埃等から保護している。
また、図1に示すように、シャーシ11には、カートリッジ搭載部60が設けられている。カートリッジ搭載部60は、シャーシ11のうち、主走査方向における一端側および他端側に設けられていて、かつシャーシ11のうち手前側に設けられている。このカートリッジ搭載部60には、カートリッジ62を搭載する筐体61が設けられている。なお、本実施の形態では、液体供給源としてのカートリッジ62は、例えばK(ブラック)、LM(ライトマゼンタ)、LC(ライトシアン)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の6色分存在している。
図4、図5に示すように、筐体61には、空気管路86の一端側が接続されている。空気管路86を介して供給されるエアは、各カートリッジ62に分配される。それにより、それぞれのカートリッジ62に存在するインクは、このエアの圧力によって、液体管路43を介して液体容器41に送り込まれる。また、筐体61には、カートリッジ62の色数分に対応する本数の液体管路43が接続されている。液体管路43は、上述したエアの圧力を受けて、カートリッジ62に存在するインクを液体容器41に向けて導通させる。
図1に示すように、シャーシ11には、ポンプユニット70が設けられている。ポンプユニット70は、シャーシ11のうち、キャリッジ機構30と干渉しない部位(例えば、シャーシ11の手前側かつ一端側)に設けられている。図3に示すように、このポンプユニット70は、ケーシング71と、ポンプモータ72と、ギヤ輪列73と、蛇腹ポンプ74と、逆止弁75(図4参照)と、圧力センサ76と、レギュレータ77と、位置検出センサ78と、を主要な構成としている。
ケーシング71は、底壁71aおよび4つの外壁71bにより、下方および側方を覆っていて、上方が開放した箱状に設けられている。このケーシング71は、ポンプユニット70の各部材を取り付けると共にシャーシ11に設置される部材である。なお、ケーシング71の内部には、外壁71b1に略平行を為す支持プレート80が立設されている。
また、支持プレート80には、回転軸72aに駆動ギヤ72bを備えた、モータに対応するポンプモータ72が取り付けられている。ポンプモータ72は、PWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)制御に対応したDCモータであり、後述するポンプモータ駆動回路からの電力によって、出力ギヤ81を回転させる。また、ケーシング71には、複数の従動ギヤから構成されるギヤ輪列73が設置されている。また、このギヤ輪列73には、出力ギヤ81が噛み合っている。ギヤ輪列73は、ポンプモータ72で発生した駆動力を減速回転させ、出力ギヤ81に伝達している。なお、出力ギヤ81には、その径方向中心を貫通する貫通孔81aが設けられていて、該貫通孔81aに後述するガイド軸88bが挿通されている。
ギヤ輪列73のうち、第2歯車73bには、回転レバー82が同軸に設けられている。回転レバー82は、バネ83により第2歯車73bに付勢されている。この付勢力により、回転レバー82は、第2歯車73bと同期回転しようとする。ここで、回転レバー82が逆転方向に回動すると、レギュレータ77の突出片77aに係合可能となっている。そのため、第2歯車73bが逆転方向に回転すると、回転レバー82は突出片77aに衝突し、該突出片77aを押し下げることが可能となっている。
上述の支持プレート80と外壁71b1との間には、ポンプ部材としての蛇腹ポンプ74が取り付けられている。蛇腹ポンプ74は、蛇腹状の筒状部材であり、可撓性の樹脂等で形成されている。蛇腹ポンプ74の一端側には、他の部分よりも小径の小径部74aが設けられている。小径部74aのうち、一端側の端面は開放した開口部74bとなっていて、該蛇腹ポンプ74の内部にエアを取り込むことを可能としている。なお、本実施の形態では、蛇腹ポンプ74の他端側は、開放されていない。
また、蛇腹ポンプ74のうち、開口部74bが存在する一端側は、一端保持部材84によって受け止められており、該一端保持部材84は、外壁71b1に取り付けられている。この一端保持部材84は、蛇腹ポンプ74の他端側(支持プレート80側)に向かって突出するエア導出部85を備えている。エア導出部85は、蛇腹ポンプ74の伸縮動作によりエアが送り込まれる部分である。そのため、エア導出部85には、蛇腹ポンプ74からエアが送り込まれるエア取込口85aを具備している。
また、エア導出部85には、エア排出口85bが設けられていて、このエア排出口85bには空気管路86の一端側が取り付けられている。この空気管路86の他端側は、カートリッジ62に接続されており、該カートリッジ62にエアを送り込むことができる。また、エア導出部85には、開口部74bから蛇腹ポンプ74の内部に入り込む係合部85cが設けられている。係合部85cが蛇腹ポンプ74の内部に入り込んで係合すると、蛇腹ポンプ74が収縮しても、蛇腹ポンプ74内部のエアが漏れるのが防止される。
さらに、エア導出部85と蛇腹ポンプ74の一端側の間には、バネ87が設けられている。バネ87は、エア導出部85のバネ係止爪85dによって外れないように設けられている。また、バネ87は、係合部85cの外周側に設けられていて、蛇腹ポンプ74の一端側(開口部側)が他端側に向かう付勢力を与えている。そのため、蛇腹ポンプ74が伸長状態にある場合、バネ87の付勢力により、蛇腹ポンプ74の一端側は、他端側に向かう付勢力を受け、開口部74bが係合部85cから離れる。それにより、蛇腹ポンプ74が伸長状態にあるときは、蛇腹ポンプ74の内部にエアを入り込ませることができる。
なお、蛇腹ポンプ74が収縮状態に移行する過程において、開口部74bは、再び係合部85cに係合し、蛇腹ポンプ74の内部に取り込んだエアを外部に漏らさない状態にする。その後、蛇腹ポンプ74がさらに収縮すると、蛇腹ポンプ74の内部にあるエアが、蛇腹ポンプ74の内部から空気管路86に押し出され、該エアの押し出しによる空気圧が、空気管路86を介してカートリッジ62の内部に作用する。
また、空気管路86の中途部には、蛇腹ポンプ74からカートリッジ62に向かうエアの逆流を防止して圧力保持を可能とする逆止弁75(図4参照)が設けられている。逆止弁75は、空気管路86の中途部に設けられていても良いが、一端保持部材84に内蔵される構成を採用しても良い。
また、蛇腹ポンプ74の他端側には、他端保持部材88が設けられている。他端保持部材88は、他端受け部88aと、ガイド軸88bとを有していて、両者が一体的に設けられている。このうち、他端受け部88aは、蛇腹ポンプ74の他端側を受け止めている。また、ガイド軸88bは、上述した出力ギヤ81の貫通孔81aに差し込まれており、該貫通孔81aを挿通自在に設けられている。
また、図7に示すように、ガイド軸88bには、螺旋溝88cが形成されている。この螺旋溝88cには、貫通孔81aの内壁面から突出する係合突起81bが入り込む。そのため、出力ギヤ81の回転に伴って係合突起81bが回転すれば、ガイド軸88bは係合突起81bに押され、蛇腹ポンプ74の軸線方向に沿って往復動する。このようにして、蛇腹ポンプ74の伸縮動作が実行可能となっている。なお、螺旋溝88cは、出力ギヤ81を一方向に回転させる場合、他端保持部材88を往復動させる閉ループを描いている。
また、ケーシング71には、圧力センサ76が取り付けられている。圧力センサ76は、発光素子と受光素子を備えた反射型センサであり、蓋状部材(不図示)と、セロファン等の薄膜部材(同じく不図示)を有している。この薄膜部材に空気圧が負荷されると、該薄膜部材が膨らむ。その膨らみによって、薄膜部材は、蓋状部材に対して近接する。一定以下の距離に近接すると、発光素子からの発光を受光素子において検出することができ、H信号(圧力検出信号に対応)を送信する。それによって、圧力が検出されるようになっている。
また、圧力センサ76を通過したエアは、レギュレータ77に送り込まれる。レギュレータ77は、突出片77aを具備している。突出片77aが回転レバー82により下方に押し込まれると、レギュレータ77は、圧力を開放するように設けられている。また、レギュレータ77は、所定の圧力以上の圧力が負荷されると、自動的に圧力を開放する。
なお、第2歯車73bが正転側に回転する場合、回転レバー82は、上方側に移動しようとし、回転レバー82は、突出片77aに対して係合しない。しかしながら、ギヤ輪列73が逆転側に回転する場合、回転レバー82は下方側に移動しようとし、突出片77aに衝突してこれを押し下げる。このようにして、突出片77aの切り替えを行うことを可能としている。
また、ケーシング71には、位置検出手段の一部を為す位置検出センサ78が取り付けられている。位置検出センサ78は、回動可能な検出レバー78aを有していて、この検出レバー78aが他端受け部88aに当接可能となっている。また、検出レバー78aは、High(H)/Low(L)の信号を送信するスイッチが内蔵されている本体78bから突出しており、かかるH/Lのスイッチが切り替えられることにより、蛇腹ポンプ74の伸長位置を検出可能となっている。ここで、蛇腹ポンプ74が収縮状態にあるとき、検出レバー78aは、他端受け部88aによって押し込まれず、蛇腹ポンプ74に近接する一端側に位置している。しかしながら、蛇腹ポンプ74が伸長状態にあるとき、検出レバー78aは、他端受け部88aの移動によって他端側に押し込まれ、信号が切り替えられる。それにより、蛇腹ポンプ74の伸長位置を検出可能となっている。
なお、本実施の形態においては、位置検出センサ78は、蛇腹ポンプ74が最も伸長する位置において、H/Lの切り替えが為されるように構成されている。また、本実施の形態では、蛇腹ポンプ74が最も伸長して検出レバー78aを押し込んだ場合に、Hの信号(位置検出信号に対応)が送信されるように構成されている。
次に、制御部90の構成について、図6等に基づいて説明する。制御部90は、バス90a、CPU91、ROM92、RAM93、キャラクタジェネレータ(CG)94、I/F専用回路95、DCユニット96、PFモータ駆動回路97、CRモータ駆動回路98、ヘッド駆動回路99、ポンプモータ駆動回路100、不揮発性メモリ101等を備えている。なお、制御部90は、これらが協働することにより、位置検出手段の一部、駆動情報算出手段、補正情報算出手段、補正手段として機能する。
なお、CPU91およびDCユニット96には、不図示の各種のセンサ等(搬送ローラ21の回転量を検出するロータリエンコーダ、キャリッジ40の移動量を検出するリニアエンコーダ、印刷対象物12の始端および終端を検出する紙検出センサ、印刷対象物12の副走査方向長さ(幅)を検出するPWセンサ、プリンタ10の電源をオン/オフする電源SW等)の各出力信号が入力される。
CPU91は、ROM92や不揮発性メモリ101等に記憶されているプリンタ10の制御プログラムを実行するための演算処理や、その他の必要な演算処理を行う。
また、ROM92には、インクジェットプリンタ10を制御するための制御プログラムおよび処理に必要なデータ等が記憶されている。本実施の形態では、ROM92には、ポンプモータ72の駆動速度の目標となる、目標情報の初期値が記憶されている。さらに、ROM92には、ポンプモータ72に印加する電圧のDuty比の制御テーブル(制御テーブルの概形となる初期値)も記憶されている。そのため、ROM92は、情報記憶手段として機能する。しかしながら、目標情報および制御テーブルは、予め不揮発性メモリ101に記憶させるようにしても良い。
ここで、この制御テーブルに関して、図8〜図11に基づいて説明する。位置検出センサ78がH信号を検出してから次のH信号を検出するまでの、1周期内において、電圧のDuty比を一定とした場合、ポンプモータ72の負荷と速度の関係の概略は、図8に示すようになる。なお、図8は、負荷曲線、速度曲線およびH信号検出の波形のみを示す概略的な図であり、単位の記載を省略した図である。
この図8においては、最初にH信号を検出した後に、蛇腹ポンプ74が最も収縮するよりも、少し手前において、蛇腹ポンプ74の負荷が最も高くなっている。そのため、この部分では、ポンプモータ72の速度が、最も遅くなっている。しかしながら、負荷を示す線が、下方において略平らとなる部位においては、負荷が軽いことによりポンプモータ72の速度が、速くなる。そのため、ポンプモータ72に作用する負荷と、該ポンプモータ72の駆動速度の関係は、時間軸に平行な線を挟んで略対称となる。
ところで、上述の1周期内において、図8に示すようなポンプモータ72(蛇腹ポンプ74)の速度変動が生じると、該速度変動による、騒音の強弱(うなり)が生じてしまう。そこで、かかるうなりの発生を防止するために、1周期内において、電圧のDuty比を変化させ、ポンプモータ72の速度の変動の幅を小さくしている。
かかる電圧の概略的なDuty比に関するグラフを、図9に示す。この図9は、Duty比およびH信号検出の波形のみを示す図であり、単位の記載を省略した図である。図9に示すように、1周期内を例えば20分割等のようにN分割に分割する。そして、それぞれの細分割された時間帯において、図8における負荷がピークとなる部分のポンプモータ72の速度を基準として(以下、この速度を、基準速度とする。)、この基準速度に近づくように、それぞれの時間帯におけるDuty比を調整する。すると、1周期内におけるポンプモータ72の駆動速度は、変動が小さく抑えられるか、または概略一定となり、うなりが生じない状態となる。
以上のようにして、Duty比の概略的な制御プロファイルが得られる。しかしながら、実際に測定される負荷は、負荷が上下方向に細かく変動している。この様子を、図10に示す。図10は、ポンプモータ72に作用する負荷を計測したときのグラフであり、縦軸は負荷の大きさ、横軸は他端受け部88a等の往復動における移動距離を示す。この図に示すように、ポンプモータ72に作用する実際の負荷には、極所的に大きくなる部分(図10の破線で囲まれた部分が対応)が存在している。そのため、極所的に負荷が大きくなる部分をポンプモータ72が乗り越えられず、該ポンプモータ72が停止する状態が発生する場合がある。
かかる極所的に大きな負荷の発生に対応させて、制御テーブルは、図11に示す状態となっている。この図11に示す制御テーブルのプロファイルにおいては、Duty比を上昇させている時間帯区分(制御情報増加区分に対応;以下、H区分とする。)と、Duty比を減少させている時間帯区分(制御情報減少区分に対応;以下、L区分とする。)とが、隣接する状態で繰り返される配置となっている。これらのうち、H区分は、極所的に大きな負荷が生じた場合、その負荷を、ポンプモータ72が乗り越えて駆動できるだけの大きさに設定されて(バラ付かせて)いる。
ここで、H区分とL区分の上下方向のバラ付きの程度は、Duty比の大きさに比例させるようにしても良く、負荷のプロファイル(負荷曲線)を中心として、一定の固定的な値を増減させる設定としても良い。なお、図10の負荷計測においては、バラ付きは、負荷の大きい部分・小さい部分に関わり無く生じている。この場合には、固定的な値を増減させる方式の方が、好ましい。
また、図11に示すように、H区分とL区分とから構成されるDuty比の平均値は、負荷のプロファイルにより算出される電圧の平均値よりも、大きく設定されている。このように、図11に示す電圧のDuty比の平均を、ポンプモータ72の駆動に実際に必要なDuty比の平均よりも大きく設定することにより、ポンプモータ72を確実に駆動させることができる。
なお、制御プロファイルにおけるH区分、L区分は、1周期内の全体に亘って存在するようにしても良く、また1周期内の一部の領域にのみ存在するようにしても良い。一部の領域に存在するように設定する例としては、負荷が上昇する部分のみにH区分、L区分が存在するようにしても良い。さらに、H区分とL区分が交互に繰り返される場合のみならず、H区分/L区分が、それぞれ所定回数だけ連続するようにしても良い。
また、上述の制御プロファイルには、H区分とL区分とが存在するが、H区分のみを設けるように設定しても良い。このようにしても、極所的に生じる大きな負荷を、ポンプモータ72が乗り越えて、該ポンプモータ72が停止するのを防止することができる。なお、H区分のみを設けるようにする場合、H区分を一定の時間帯区分ごとに設けるようにしても良く、H区分を設ける時間帯区分の間隔を適宜バラ付かせるように設定しても良い。
このような、電圧のDuty比の制御テーブルが、ROM92には予め記憶されている。なお、かかるDuty比の制御テーブルは、予め実験等により、求めておくことができる。すなわち、特定の初期回転数における、図11に示すような負荷の変動を求めておき、その負荷の変動を反映させて、よりきめ細かくDuty比を設定するようにしても良い。この場合、設定されたDuty比で実際にポンプモータ72を駆動させ、速度変化が一定範囲内に収まることを確認するのが好ましい。
また、図11に示す制御テーブルに対して、後述するように、補正量α1、補正量α3が加減される。この場合、全ての時間帯のDuty比に対して、後述する補正量α1、補正量α3を一律に加減する方式でも良く、また、基準速度や別途の目標速度から見て、比例的に増減させる方式を採用しても良い。また、基準速度や別途の目標速度から見て、それぞれの時間帯のDuty比に対して、補正量α1、補正量α3を個別に算出して増減等する方式でも良い。
また、本実施の形態においては、ポンプモータ72を駆動させるモードは、後述するように3つ存在する。そのため、プリンタ10の制御プログラムも、該モードに対応した分だけ存在する。また、I/F専用回路95は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ111を介してコンピュータ110から供給される印刷信号PSを受け取ることができる。
RAM93は、CPU91が実行途中のプログラムあるいは、演算途中のデータ等を一時的に格納するメモリである。また、不揮発性メモリ101は、インクジェットプリンタ10の電源を切った後も、保持しておくことが必要な各種データを記憶するためのメモリである。なお、後述するように、ポンプモータ72の駆動を停止させる場合の電圧のDuty比も、この不揮発性メモリ101に記憶させる。しかしながら、別途の記憶領域に、これらの制御データ等を記憶させるようにしても良い。また、ROM92に記憶されている制御テーブルに、補正量α1が加算されると、該加算後の制御テーブルは、不揮発性メモリ101に記憶される。
また、DCユニット96は、DCモータであるPFモータ22、CRモータ35の速度制御を行うための制御回路である。DCユニット96は、CPU91から送られてくる制御命令、ロータリエンコーダの出力信号、リニアエンコーダの出力信号、および紙検出センサ(不図示)の出力信号に基づいて、PFモータ22およびCRモータ35の速度制御を行うための各種演算を行い、その演算結果に基づいて、PFモータ駆動回路97およびCRモータ駆動回路98へ、モータ制御信号を送信する。
また、PFモータ駆動回路97は、DCユニット96からのモータ制御信号に基づいて、PFモータ22を駆動制御する。このPFモータ22は、印刷対象物12を搬送するための動力源となる。また、CRモータ駆動回路98は、DCユニット96からのモータ制御信号に基づいて、CRモータ35を制御駆動する。なお、PFモータ22およびCRモータ35は、停止状態において、位置保持することを可能としている。
また、ヘッド駆動回路99は、CPU91からの駆動制御を行う信号に基づいて、印刷ヘッド45に存在するピエゾ素子を制御駆動する。また、ポンプモータ駆動回路100は、ポンプモータ72を制御駆動する。なお、ポンプモータ72も、DCモータであり、駆動に最適な周波数のパルス電圧を印加した場合、PWM制御による駆動制御を容易に行うことを可能としている。
ここで、PWM制御とは、スイッチング素子のオン/オフを切り替えるPWM信号により、DCモータに印加されるパルス電圧のHの幅(以下、パルス電圧の1周期におけるHの幅を、Duty比という。)を調整して、該パルス電圧の平均電圧を調整し、DCモータの駆動制御を行う方式である。なお、Duty比は、制御情報に対応する。また、後記する補正量α1は、補正情報に対応する。
かかるPWM制御においては、全てのパルス幅が均一な等幅パルスを用いる方式、およびパルス幅が変化する不等幅パルスを用いる方式があるが、いずれのパルス信号を用いても良い。また、電圧パルスのDuty比と電圧パルスの周期を種々調整する組み合わせにより、どのようなパルス信号を用いても良い。
なお、上述の制御部90における各構成は、信号線であるバス90aによって接続されている。かかるバス90aにより、CPU91、ROM92、RAM93、CG94、I/F専用回路95、不揮発性メモリ101等は相互に接続され、これらの間でデータの授受を可能としている。
以上のような構成を用いて、プリンタ10を作動させる場合の制御の詳細について、以下に説明する。なお、本実施の形態では、制御部90は、3つのモードでポンプモータ72を駆動させることが可能となっている。ここで、3つのモードとは、最も静かな「静穏モード」、そこそこ静かであるが、速度も重視している「中間モード」、および騒音は気にせずに速度を重視する「スピードモード」の3種類がある。以下の説明においては、3つのモードのうち、ポンプユニット70から発生する騒音を抑制するための、最も静かな静穏モードに関して説明する。
(a)最初にポンプモータ72を駆動する場合
まず、最初にポンプモータ72を駆動する場合について、図12に基づいて説明する。ここで、最初にポンプモータ72を駆動する場合とは、プリンタ10を電源SWをオンさせて、プリンタ10が一番最初に起動させる場合が該当するが、その他にカートリッジ62を差し替えて圧力が大気圧と等しくなっている場合、または長期間プリンタ10を使用していない状態から使用し始める場合を含めても良い。
ステップS10:プリンタ10の電源SWをオンにする。そして、プリンタ10の作動が開始される。この場合、まずROM92に記憶されている制御テーブルが読み込まれる(読み込み工程に対応)。
ステップS11:ステップS10において読み込まれた制御テーブルに基づいて、ポンプモータ72が作動し、蛇腹ポンプ74の往復動が始動される(初期駆動工程に対応)。ここで、ポンプモータ72は、最初の駆動においては、ROM92に記憶されている、図11に示すようなDuty比の制御テーブル(初期駆動用)に基づいて、駆動される。
ところで、最初にポンプモータ72を起動させる場合、1番目のH信号が送信されてくるまでの時間は、1周期に対応しないことが多い。すなわち、プリンタ10が起動する前に他端保持部材88が位置検出センサ78の検出レバー78aを押し込んでいる場合には、最初から正確に1周期の計測を行うことができる。しかしながら、他端保持部材88が検出レバー78aを押し込んでいない場合には、最初の周期においては、1周期の時間を正確に計測することはできない。
そこで、本実施の形態では、1番目にH信号が送信される間(1周期目に対応)および1番目のH信号と2番目にH信号が送信されるまでの間(2周期目に対応)という、2つの周期においては、電圧のDuty比は、上述の初期駆動用のDuty比の制御テーブルを用いて、ポンプモータ72を駆動する。そのため、ポンプモータ72の電圧のDuty比が変更されるのは、3周期目(2回目にH信号を送信してから、3回目にH信号を送信するまでの間の時間)からである。すなわち、2周期目になって初めて、H信号からH信号までの時間を正確に計測できるが、かかる2周期目の正確な時間を投影できるのは、3周期目である。なお、1周期目の時間を正確に計測できる場合、2周期目に計測時間を投影させるようにしても良い。
そして、かかる初期駆動用の制御テーブルのDuty比に基づいて、ポンプモータ72は、2周期分(位置検出センサ78が2番目のH信号を送信するまでの時間)だけ駆動される。なお、起動時においては、数周期の動作を経た後と比較して、ポンプモータ72には、初期負荷が余分に加わる。そのため、初期駆動用の制御テーブルのDuty比は、通常は高めに設定される。
ステップS12:DCユニット96は、位置検出センサ78からH信号を受信したか否かを判断する(位置検出工程の一部に対応)。すなわち、検出レバー78aが他端受け部88aにより押し込まれると、位置検出センサ78は、制御部90のDCユニット96に向けて1番目のH信号を送信する。この判断において、H信号が受信されたと判断される場合(Yesの場合)、後述するステップS13に進行する。また、H信号が受信されないと判断される場合(Noの場合)、このステップS12の前に戻る。なお、回路構成によっては、DCユニット96ではなく、CPU91で判断するようにしても良い。
ステップS13:1番目のH信号を受信したと判断した場合、DCユニット96は、続いて2番目のH信号を受信したか否かを判断する(位置検出工程の一部に対応)。この判断において、H信号が受信されたと判断される場合(Yesの場合)には、次のステップS14に進行する。また、H信号が受信されないと判断される場合(Noの場合)には、再びこのステップS13の前に戻る。
ステップS14:DCユニット96は、位置検出センサ78を用いて計測した蛇腹ポンプ74の周期を算出する(駆動情報算出工程に対応)。ここでの周期とは、位置検出センサ78が1番目にH信号を送信してから、2番目にH信号を送信するまでの時間である。なお、後述するステップS25を経過した場合、算出される周期は、補正量α1を加算した後に新たに位置検出センサ78が送信するH信号と、新たなH信号の1つ前のH信号との間の時間となる。
ステップS15:DCユニット96は、上述のステップS14で得られた周期の算出に基づいて、周期に対応するポンプモータ72の回転数が、所定の範囲内にあるか否かの判断を行う(補正情報算出工程の一部に対応)。すなわち、算出された周期に基づいて、DCユニット96は該周期にダイレクトに対応するポンプモータ72の回転数を算出し、算出されたポンプモータ72の回転数が、目標とする適正範囲内にあるか否かを判断する。この判断において、適正範囲内にあると判断される場合(Yesの場合)、後述するステップS18に進行し、適正範囲内にないと判断される場合(Noの場合)、次のステップS16に進行する。なお、回転数の適正範囲とは、発生する騒音がさほどうるさくないという回転数の上限と、圧力がしきい値に達するまでの許容時間から算出される回転数の下限との間の範囲である。
ステップS16:DCユニット96は、算出された回転数と、ROM92に記憶されている目標情報とから、補正量α1を算出する(補正情報算出工程の一部に対応)。すなわち、ポンプモータ72を適正範囲内の回転数とすべく、補正量α1を算出する。すなわち、ポンプモータ72の回転数を、適正範囲内の目標値の近傍となるように制御すれば、機構的な部分から発生する騒音を目標とする騒音レベル以下にすることができる。そのため、このステップS16においては、現在の電圧のDuty比と回転数、および目標とする回転数との関係から、該Duty比に加えられる補正量α1が決定される。
なお、ポンプモータ72の回転数に対応する、補正量α1のテーブルを、予めROM92または不揮発性メモリ101に記憶させるようにしても良い。この場合、補正量α1のテーブルは、実験等によって求めることができ、そのテーブルをROM92等の記憶部位に記憶させる。この場合、算出されたポンプモータ72の回転数に対して、テーブルの回転数が最も近い補正量α1を呼び出すことにより、補正量α1の算出が為される。
また、かかる補正量α1のテーブルを予め記憶させずに、逐次、計算によって補正量α1を求めるようにしても良い。この場合、ポンプモータ72の初期回転数は、機構的な負荷が変動すると、その負荷の変動に対応して比例的に変化する、との予測に基づいて、補正量α1を計算する。すなわち、ポンプモータ72の特性は、予め分かっているため、ポンプモータ72の初期回転数から、機構的な負荷は算出することができ、ポンプモータ72の回転数を目標とする回転数にするための補正量α1も、算出することができる。
なお、上述のようにして、補正量α1が加えられる場合、算出されるポンプモータ72の回転数と目標情報(目標とする回転数)との間の差が大きい場合には、補正量α1は大きな値となり、差が小さくなるにしたがって、該補正量α1は小さな値となる。
ステップS17:DCユニット96は、電圧のDuty比に対して、上述の補正量α1を加算する(補正工程に対応)。すなわち、次の周期(3周期目;ステップS20を一度経ている場合、最後にH信号を受信してから新たにH信号を受信するまでの間の周期)においては、この補正量α1が加えられた電圧のDuty比を、ポンプモータ72に印加する。この場合、電圧の1パルス当たりの幅は、補正量α1が加えられた分だけ変動する。
ステップS18:ポンプモータ駆動回路100は、上述の補正量α1が加算された電圧のDuty比を、次の周期からポンプモータ72に印加し、ポンプモータ72を駆動させる(補正駆動工程に対応)。
ステップS19:DCユニット96は、圧力センサ76から、圧力値がしきい値を超えたことを通知するH信号を受信したか否かを判断する。なお、この判断は、上述した位置検出センサ78と同様に、しきい値を超えた場合に、H信号を受信するか、またはL信号を受信することにより為される。そして、圧力値がしきい値を超えたと判断される場合(Yesの場合)には、後述するステップS21に進行する。また、圧力値がしきい値を超えていないと判断される場合(Noの場合)には、ステップS20に進行する。
ステップS20:DCユニット96は、補正量α1が加算された後において、位置検出センサ78から、新たな(次の)H信号を受信したか否かを判断する。この判断において、H信号が受信されたと判断される場合(Yesの場合)には、上述したステップS14に戻る。また、H信号が受信されないと判断される場合(Noの場合)には、再びこのステップS20の前に戻る。
ステップS21:DCユニット96は、最新の補正量α1が加えられた電圧のDuty比を、不揮発性メモリ101に対して記憶させる。なお、次回の起動時に、このDuty比が呼び出され、そのDuty比に基づいてポンプモータ72が駆動されるようにするのが好ましい。
ステップS22:DCユニット96は、ポンプモータ72の作動を停止させる。この場合、他端保持部材88が検出レバー78aを押し込む端部において、ポンプモータ72を停止させるようにする。このようにすれば、次回、ポンプモータ72の駆動を開始する場合、DCユニット96が最初にH信号を受信する段階から、正確な周期の計測を行うことができる。しかしながら、何等かのトラブルにより、蛇腹ポンプ74が位置検出センサ78を押し込まない、中途の位置で停止する場合がある。この場合に対応させ、以後のポンプモータ72の作動に際しても、正確に計測される2周期目の時間を、3周期目に投影させるようにするのが好ましい。
なお、例えば子供が何等かのいたずらを行う等により、ポンプモータ72に印加される電圧のDuty比が、一定のしきい値を超えて、さらに高くなる場合がある。この場合、Duty比が高いまま、ポンプモータ72の駆動を継続したのでは、ポンプモータ72からの発熱量が大きくなり、該ポンプモータ72が異常に加熱されて、断線等の不良の原因となる。この場合、ステップS22の駆動停止後に、規定の時間だけポンプモータ72の作動を停止させるようにしても良い。
以上のような各ステップを経ることにより、最初にポンプモータ72を駆動させる場合において、ポンプモータ72の回転数が目標とする回転数からずれている場合でも、ポンプモータ72の駆動が所定時間継続すれば、該ポンプモータ72がいずれ目標となる回転数に収束される。
(b)インターバル後にポンプモータ72を駆動する場合
続いて、所定のインターバルを経た後に、ポンプモータ72を駆動する場合について、図13に基づいて説明する。なお、後述するように、インターバルを経た後とは、プリンタ10が電源オンの状態において、圧力センサ76のしきい値を僅かに下回った場合と、プリンタ10の作動が電源オン/オフに係らず長時間停止していて、圧力センサ76におけるしきい値を大幅に下回っている場合等が該当する。
ステップS30:CPU91は、ROM92に記憶されている制御テーブルを読み出すと共に、不揮発性メモリ101に記憶されている、補正量α1が加算された電圧のDuty比を、呼び出す。
ステップS31:呼び出されたDuty比に対して、該Duty比を変更し、初期駆動時の静穏化を図るための補正量α3を加算する。この補正量α3は、上述したように予め実験等により求めておいても良く、また計算によって算出しても良い。なお、ポンプユニット70の騒音解消が目的であるため、加えられる補正量α3は、マイナスの値であることが望ましい。しかしながら、騒音の問題が生じないと考えられる場合には、αを0としても良い。
ステップS32:ポンプモータ駆動回路100は、上述の補正量α3が加算された電圧のDuty比を、ポンプモータ72に印加し、ポンプモータ72を駆動させる。
なお、ステップS32よりも後のステップは、上述したステップS11〜S21と同様である。なお、図13においては、ステップS11〜S21は、それぞれステップS33〜S43に対応する。そのため、その詳細については、説明を省略する。
ここで、2回目以降にポンプモータ72が駆動される場合としては、インターバルが短く、圧力センサ76において計測される圧力が、しきい値を僅かに下回った場合と、プリンタ10の作動が長時間停止していて、圧力センサ76におけるしきい値を大幅に下回っている場合の2種類が存在する。そのため、補正量α3には、ポンプモータ72の停止時間に応じて、複数種類設けるようにするのが好ましい。例えば、プリンタ10の印刷を実行中の場合、補正量α1を数%程度下げる補正量α3aとすると共に、プリンタ10の停止時間が長く、圧力の低下が大きい場合には、補正量α1を、より大きく下げる補正量α3bとする。
すなわち、補正量α3bの値を小さくしてしまうと、圧力による負荷が小さい状態で、大きなDuty比の電圧が、ポンプモータ72に印加される。そのような電圧が印加されると、インターバル前の圧力の高い状態でポンプモータ72を適切な回転数となっていた状態の電圧と、ほぼ同様の電圧が、圧力の低い状態で印加される。そのため、ポンプモータ72の回転数が上昇することになり、適切な回転数を大きく上回り、騒音を生じる結果となる。そのため、補正量α3bは、補正量α3aよりも大きな値とする必要がある。
なお、一度電源を切り、圧力がほとんど大気圧と等しくなった状態から、ポンプモータ72を作動させる場合も、上述の補正量α3bが印加される場合に、含めるようにすることもできる。
このような構成のプリンタ10によると、制御テーブルは、多数の時間帯に細分化されていて、しかもそれぞれの時間帯におけるポンプモータ72の負荷の大小に応じて、ポンプモータ72の駆動力を増減させている。このため、制御テーブルがポンプモータ72に印加されると、ポンプモータ72の駆動速度の変動(うなり)を抑えることが可能となる。このため、蛇腹ポンプ74やその他の摩擦部分といった、負荷部分から発生する騒音には、該騒音の変動が生じるのを抑えることができる。このように、変動を抑えられる分だけ、うるささが低減される。
しかも、負荷がピークとなる部分のポンプモータ72の速度を基準速度とし、この基準速度に近づくように、それぞれの時間帯におけるDuty比を調整している。このため、ポンプモータ72は、負荷が大きく最も低速となる部位に近づくように、ポンプモータ72の駆動速度が調整される。それにより、蛇腹ポンプ74やその他の摩擦部分といった、負荷部分から発生する騒音を、確実に抑制することが可能となる。つまり、負荷部分から発生する騒音が可聴領域から外れるように、目標情報を設定しておけば、ポンプモータ72が駆動するに従い、位置検出センサ78での検出に基づいて、騒音の発生を確実に低減することが可能となり、また騒音の変動も良好に抑えられた状態にすることが可能となる。
また、位置検出センサ78での検出のみで、騒音の発生を抑えることが可能となる。このため、ポンプモータ72の駆動速度を検出するための、エンコーダ等を必要とせずに済み、コストが上昇するのを抑えることが可能となる。
さらに、図11に示すように、制御テーブルの時間帯区分の制御情報の中には、H区分が存在している。そのため、極所的に大きな負荷がポンプモータ72に作用しても、その負荷によってポンプモータ72が停止してしまうのを防止でき、該負荷をポンプモータ72が乗り越えて、駆動を継続させることができる。特に、プリンタ10の使用年月が長くなると、メカ部分の組み付け精度の悪化等、当初設計事項にはない、外乱要因の影響が大きくなり、負荷が大きくなる部分に、さらに加算される傾向がある。このような場合でも、制御テーブルにH区分を設けることにより、ポンプモータ72が停止してしまうのを良好に防止することが可能となる。また、ポンプモータ72の駆動を安定化させることも可能となる。さらに、大きな負荷の作用に対応させて、ポンプモータ72の限界トルクを上げる必要が無くなる。そのため、出力の大きな高価なモータを、ポンプモータ72として使用せずに済む。それにより、コストの低減を図ることも可能となる。
さらに、制御テーブルには、L区分も存在している。このため、電圧のDuty比が高くなり、ポンプモータ72の回転数が必要以上に上がり過ぎるのを抑制することができる。すなわち、ポンプモータ72の回転数を一定範囲内に維持することができる。また、ポンプユニット70等の摺動部分から発生する騒音を抑制することが可能となる。さらに、ポンプモータ72に極所的に小さな負荷が作用する場合、該極所的な小さな負荷に対応させて回転数を上昇させずに抑えることが可能となる。
また、上述の制御テーブルにおいては、H区分とL区分とが交互に繰り返されている。そして、かかる繰り返しと、ポンプモータ72の慣性等が相俟ることにより、ポンプモータ72の回転速度が必要以上に増大するのを防ぐことができ、目標となる回転速度で回転させることが可能となる。
さらに、本実施の形態では、ポンプモータ72に印加されるDuty比の1周期内における平均は、ポンプモータ72を駆動させるために必要なDuty比の1周期内における平均よりも大きくなっている。このため、ポンプモータ72を確実に駆動させることが可能となる。加えて、外気温の変化、摩擦の増大等、ポンプモータ72の負荷が若干変動する場合でも、該ポンプモータ72を確実に駆動させることが可能となる。また、推定される負荷よりも、大きな負荷がポンプモータ72に作用する場合でも、ポンプモータ72を起動させることができる。
また、ポンプモータ72の制御においては、PWM制御を行っている。そのため、パルス電圧のDuty比を調整するだけで、ポンプモータ72の回転数を調整することができ、簡易でありながら正確にポンプモータ72の回転数を制御することが可能となる。また、Duty比の調整は、予め計測される蛇腹ポンプ74の1周期内における負荷の変動に基づいて、駆動速度の変動を少なくすべく、制御テーブルにおけるDuty比を個別に増減させることにより行われている。このため、蛇腹ポンプ74の1周期内において、きめの細かな制御を行うことができ、速度の変動を、一層抑えることが可能となる。
さらに、位置検出センサ78は、蛇腹ポンプ74の伸長端側において蛇腹ポンプ74の往復動における位置を検出し、H信号を送信している。このため、位置検出センサ78が蛇腹ポンプ74の位置を一度検出し、再び蛇腹ポンプ74の位置を検出すると、該蛇腹ポンプ74の一周期分の始端と終端を計測することができる。そして、この間の時間を計測することにより、蛇腹ポンプ74の1周期の時間を正確に計測することができる。
加えて、上述の実施の形態では、位置検出センサ78は、蛇腹ポンプ74の伸長端側において、ポンプモータ72の駆動を停止させている。そのため、次にポンプモータ72を駆動させる場合、DCユニット96が位置検出センサ78から1番目のH信号を受信すれば、その検出までの時間が最初の周期となる。すなわち、最初の位置検出の段階で、正確な周期の計測を行うことができ、より早く静穏化を図ることができる。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態では、位置検出センサ78で検出信号を送信し、DCユニット96で、かかる検出信号に基づいて、位置検出センサ78で実測される1周期の時間長さを算出し、該実測された1周期の時間長さに基づいて、DCユニット96は、補正量α1を算出している。しかしながら、位置検出センサ78がH信号を送信している時間長さ(すなわち、検出レバー78aが押し込まれてH信号を送信している時間長さ)を計測し、その時間長さに基づいて、補正量(補正情報)を算出する構成を採用しても良い。
ここで、H信号を送信している時間長さは、実測される1周期の時間長さに対して所定の割合を占めている。このため、上述のように構成した場合、H時間を送信している時間長さを計測すれば、蛇腹ポンプ74の1周期の時間長さを、予測することができる。かかる予測に基づけば、蛇腹ポンプ74が動き始めて、最初にH信号を送信する段階から、補正量を算出することができる。そして、この補正量を電圧のDuty比に加算すれば、蛇腹ポンプ74の駆動の最初の段階から、ポンプモータ72の駆動速度を、目標となる駆動速度に近付けることができる。
また、上述の実施の形態では、制御テーブルのDuty比の平均が、ポンプモータ72の駆動に必要なDuty比の平均よりも大きくなるように設定されている。しかしながら、制御テーブルのDuty比の平均を、ポンプモータ72の駆動に必要なDuty比と一致させるようにしても良い。
さらに、上述の実施の形態では、初期駆動時のみ、初期駆動時以外の場合よりも、H区分とL区分との上下方向(振幅方向)におけるバラ付きを大きく設定するようにしても良い。このようにすれば、大きな負荷が作用することの多い初期駆動時において、ポンプモータ72が停止するのを防止することができる。
また、上述の実施の形態では、補正量α1は、カートリッジ62のインク残量に拘わらず、同様となっている。しかしながら、補正量α1は、インク残量に応じて変更するようにしても良い。ここで、カートリッジ62には不図示のEEPROM等のメモリが設けられており、そこにはインク残量が記憶されている。そして、このメモリに記憶されているインク残量を読み出すことで、DCユニット96は、補正量α1に加算する、補正変動量βを決定する。なお、インク残量の読み出し、および補正変動量βの算出は、図12におけるステップS20の前であれば、いずれの段階で行っても良い。
なお、上述のカートリッジ62としては、インクが第1の袋状部材に貯留されると共に、エアも第2の袋状部材に流入させ、第1の袋状部材と第2の袋状部材とが隣り合う構成を採用するものがある。かかる構成を採用する場合、インク残量が少ないと、第2の袋状部材が第1の袋状部材に対して、圧力を及ぼさない状態で接触しているため、インク残量が多い場合と比較して、エアが導入し易くなる。この場合、ポンプモータ72の回転数が上昇しがちとなり、騒音の問題が生じる。このため、インク残量が少ないときは、補正変動量βの値は、インク残量が多いときよりも、マイナス方向に大きな値となっている。
そして、上述のようにして算出された補正変動量βは、補正量α1を算出した後に加算される。それによって、ポンプモータ72には、補正量α1と補正変動量βとの合計のDuty比の電圧が、印加され、ポンプモータ72は駆動させられる。このようにすれば、インク残量に拘わらず、負荷部分から発生する騒音を、抑制することが可能となる。
また、上述の実施の形態では、ポンプモータ72に印加される1周期目と2周期目の電圧は、ROM92に記憶されている固定値としての制御テーブルを用いている。しかしながら、プリンタ10を起動した場合において、起動する度に回転数の変動が大きく不安定である等の事情がある場合、かかる固定値を、次回プリンタ10が起動する場合に対応させて変更するようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、ポンプモータ72としてDCモータを用いる場合について説明している。しかしながら、ポンプモータ72は、DCモータには限られない。PWM方式による制御を行うことが可能であれば、例えばACモータ等を用いる駆動機構に、本発明を適用することが可能である。
さらに、上述の実施の形態では、液体としてインクを用いると共に、液体供給源としてカートリッジ62、および貯留手段として液体容器41を用いた場合について説明している。しかしながら、液体はインクには限られず、半導体等の各種処理を行う処理液、洗浄液等であっても良い。なお、これらの場合、液体供給源は、カートリッジ62ではなく、処理液や洗浄液を蓄えるタンクとなる。
また、上述の実施の形態では、ポンプ制御機構が、家庭用のプリンタ10に適用された場合について説明している。しかしながら、本発明のポンプ制御機構は、プリンタ10に適用される場合には限られず、業務用の大型プリンタに適用されても良い。また、エアコンのコンプレッサー等、プリンタ以外の機器に本発明を適用しても良い。
さらに、上述の実施の形態では、駆動情報は、各周期、各周期における回転数、および各周期における電圧のDuty比としている。また、目標情報は、ポンプモータ72の目標とする各周期およびその周期における回転数としている。しかしながら、駆動情報/目標情報はこれには限られず、例えばインクの流量を駆動情報/目標情報としても良い。
また、上述の実施の形態では、補正とは、補正量α1,α3を加算する場合(マイナス値を加算する場合も含む)につき説明している。しかしながら、補正量α1,α3が所定の補正係数の場合、その補正係数をDuty比に乗算するようにしても良い。また、制御情報、補正情報、補正後制御情報、第2の補正情報等は、一定数値を加算する場合には限られず、制御プログラムで実行される制御タイミング等を変更する情報等であっても良い。
また、上述の実施の形態では、PWM制御により、ポンプモータ72を駆動制御する場合について説明している。しかしながら、ポンプモータ72の駆動制御は、必ずしもPWM制御を行う場合には限られない。例えば、PWM制御を行わずに、所定の値の電圧値を印加する場合、かかる電圧値を適宜調整することにより、ポンプモータ72を流れる電流値を調整するようにしても良い。また、ポンプモータ72に対して、電圧制御ではなく、電流制御を行う場合にも、本発明を適用することが可能である。
本発明の一実施の形態に係るプリンタの構成を示す斜視図である。 プリンタの構成を示す概略図である。 ポンプユニットのメカ的な構成を示す平面図である。 伸長状態のポンプユニットおよび加圧関係を示す概略図である。 収縮状態のポンプユニットおよび加圧関係を示す概略図である。 プリンタの各種制御を行う制御部のブロック図である。 他端保持部材および出力ギヤの構成を示す分解斜視図である。 Duty比を一定とした場合の負荷と速度の関係を示す図である。 1周期内においてDuty比を変化させる例を示す図である。 負荷と他端受け部等の移動距離との関係を示す図である。 H区分とL区分とが存在する制御テーブルの例を示す図である。 ポンプモータの制御を示すフローチャートである。 インターバル経過後のポンプモータ制御を示すフローチャートである。
符号の説明
10…プリンタ、12…印刷対象物、22…PFモータ、35…CRモータ、40…キャリッジ、41…液体容器(貯留手段に対応)、42…プラテン、60…カートリッジ搭載部、62…カートリッジ(液体供給源に対応)、70…ポンプユニット、72…ポンプモータ(モータに対応)、74…蛇腹ポンプ(ポンプ部材に対応)、75…逆止弁、76…圧力センサ、77…レギュレータ、78…位置検出センサ(位置検出手段の一部に対応)、86…空気管路、88…他端保持部材、90…制御部(位置検出手段の一部、駆動情報算出手段、補正情報算出手段、補正手段に対応)、92…ROM(情報記憶手段に対応)、101…不揮発性メモリ

Claims (9)

  1. 往復動により空気圧を作用させるポンプ部材および該ポンプ部材を往復動させると共に制御情報に基づいて制御駆動されるモータを具備し、該モータの駆動により上記ポンプ部材を往復動させて、貯留手段に向けて液体供給源に蓄えられている液体を送り込むポンプユニットと、
    上記制御情報を多数備える制御テーブル、および上記モータを駆動させるに際して、その目標となる駆動速度に対応する目標情報を記憶する情報記憶手段と、
    を具備し、
    上記制御テーブルは、
    細分化された多数の時間帯区分ごとに個々の上記制御情報を備え、該制御情報は上記モータの負荷の大小に対応させて上記モータの駆動力を増減させ、
    これらの上記時間帯区分の上記制御情報の中には、上記モータに極所的に大きな負荷が作用した場合に対応させて上記モータの駆動力を極所的に増加させるための制御情報増加区分が存在する、
    ことを特徴とするポンプ制御機構。
  2. 往復動により空気圧を作用させるポンプ部材および該ポンプ部材を往復動させると共に制御情報に基づいて制御駆動されるモータを具備し、該モータの駆動により上記ポンプ部材を往復動させて、貯留手段に向けて液体供給源に蓄えられている液体を送り込むポンプユニットと、
    上記ポンプ部材の往復動における位置を検出するための位置検出手段と、
    上記制御情報を多数備える制御テーブル、および上記モータを駆動させるに際して、その目標となる駆動速度に対応する目標情報を記憶する情報記憶手段と、
    上記位置検出手段での上記ポンプ部材の位置検出に基づいて、該ポンプ部材を往復動させている上記モータの駆動速度に対応する駆動情報を算出する駆動情報算出手段と、
    上記駆動情報と上記目標情報との比較を行うと共に、これらの比較に基づいて、次に上記モータを駆動させる際の上記駆動情報と上記目標情報との差を少なくし、かつ上記制御テーブルに対する補正情報を算出する補正情報算出手段と、
    上記モータに投入される上記制御テーブルを、上記補正情報で補正する補正手段と、
    を具備し、
    上記制御テーブルは、
    細分化された多数の時間帯区分ごとに個々の上記制御情報を備え、該制御情報は上記モータの負荷の大小に対応させて上記モータの駆動力を増減させ、
    これらの上記時間帯区分の上記制御情報の中には、上記モータに極所的に大きな負荷が作用した場合に対応させて上記モータの駆動力を極所的に増加させるための制御情報増加区分が存在する、
    ことを特徴とするポンプ制御機構。
  3. 前記制御情報の中には、前記モータの駆動力を極所的に減少させるための制御情報減少区分が存在することを特徴とする請求項2記載のポンプ制御機構。
  4. 前記制御テーブルには、前記制御情報増加区分と前記制御情報減少区分とが交互に繰り返される領域が存在することを特徴とする請求項3記載のポンプ制御機構。
  5. 前記制御情報増加区分と前記制御情報減少区分とが交互に繰り返される領域における、前記制御情報の平均は、その領域において前記モータを駆動させるために必要な前記制御情報の平均よりも大きいことを特徴とする請求項4記載のポンプ制御機構。
  6. 前記制御情報は、前記モータに投じられるパルス電圧においてPWM制御を行うためのDuty比であると共に、
    予め計測される前記ポンプ部材の1周期内における前記負荷の変動に基づいて、個々の前記制御情報に対応するDuty比を基準値から個別に増減させることにより、前記制御テーブルが構成されていて、
    前記補正情報は、該PWM制御において上記パルス電圧のDuty比を変更する値であることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載のポンプ制御機構。
  7. 前記位置検出手段は、前記ポンプ部材の伸長端側において前記ポンプ部材の往復動における位置を検出することを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載のポンプ制御機構。
  8. 請求項1から8のいずれか1項に記載のポンプ制御機構を用いると共に、
    前記貯留手段は、キャリッジに存在する液体容器であり、
    前記液体は、インクであり、
    前記液体供給源は、インクを蓄えるカートリッジである、
    ことを特徴とするプリンタ。
  9. 往復動により空気圧を作用させるポンプ部材と、該ポンプ部材を往復動させると共に制御情報に基づいて制御駆動されるモータとを具備するポンプユニットを備え、このポンプユニットを用いて、貯留手段に向けて液体供給源に貯留されている液体を送り込むポンプ制御方法において、
    制御テーブルが情報記憶手段に予め記憶されていると共に、この制御テーブルには、細分化された多数の時間帯区分ごとに個々の上記制御情報が存在し、該制御情報は上記モータの負荷の大小に対応させて上記モータの駆動力を増減させ、さらに上記制御情報の中には、上記モータに極所的に大きな負荷が作用した場合に対応させて上記モータの駆動力を極所的に増加させるための制御情報増加区分が存在し、この制御テーブルを読み出す読み出し工程と、
    上記読み出し工程で読み出された上記制御テーブルに基づいて、上記モータを駆動させ、その駆動によって上記ポンプユニットを往復動させる初期駆動工程と、
    上記ポンプ部材の往復動における位置を検出する位置検出工程と、
    上記位置検出工程における上記ポンプ部材の位置検出に基づいて、ポンプ部材を往復動させている上記モータの駆動速度に対応する駆動情報を算出する駆動情報算出工程と、
    上記駆動情報算出工程により算出された駆動情報と、予め上記情報記憶手段に記憶されている上記モータの駆動の目標となる駆動速度に対応する目標情報との比較を行い、これらの比較に基づいて、次に上記モータを駆動させる際の上記駆動情報と上記目標情報との差を少なくするための補正情報を算出する補正情報算出工程と、
    上記モータに投入される上記制御テーブルを、上記補正情報で補正する補正工程と、
    上記補正情報で補正した上記制御情報に基づいて、上記モータを駆動させる補正駆動工程と、
    を具備することを特徴とするポンプ制御方法。
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