JP2006255862A - スパイラルタップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 下穴内に切り屑が入り込んだ状態でも良好にめねじを切削加工できるようにする。
【解決手段】 ねじ部16の先端側に突出センタ18が設けられるとともに、その突出センタ18にはギャッシュ24が設けられているため、ねじ部16が下穴内にねじ込まれてめねじを切削加工する際に、下穴内の切り屑がギャッシュ24により掻き出されて良好にねじれ溝20からシャンク12側へ排出されるようになり、切り屑詰まりによるタップ加工トルクの増大や逆転の際の切り屑の噛み込みなどに起因するタップ折損が抑制される。また、突出センタ18を設けるだけで良いため、従来のドリル付きタップに比較して突出寸法が小さくて済み、有底のねじ穴を加工する場合のねじ穴の底部の無駄な空間が小さくなって、底部近くまでめねじを切削加工できるようになり、加工条件の制約が緩和される。
【選択図】 図1

Description

本発明はスパイラルタップに係り、特に、下穴内に切り屑が入り込んだ状態でも良好にめねじを切削加工できるスパイラルタップに関するものである。
(a) おねじを分断するように設けられたねじれ溝に沿って切れ刃が形成されているねじ部と、(b) そのねじ部よりも小径でそのねじ部と同心に設けられているとともに、前記ねじれ溝がそのねじ部に連続して形成されている首部と、を有し、(c) 下穴内に前記ねじ部がねじ込まれることにより、前記切れ刃によってその下穴の内周面にめねじを切削加工するとともに、前記ねじれ溝によって切り屑をシャンク側へ排出するスパイラルタップが、例えば特許文献1に記載されている。また、特許文献2には、ねじ部の先端側にドリルが設けられ、そのドリルによって下穴加工を行うとともに、その下穴加工に連続してめねじを切削加工するドリル付きタップが提案されている。
特開2005−7527号公報 特開平10−100020号公報
ところで、門型の加工機等にて大型の鋳物品に多数のねじ穴を切削加工する場合、切削油を使用することが困難でドリル加工の切り屑を洗い流すことができないことがあるが、下穴内に細かな切り屑が入り込んだ状態でタップ加工を行うと、従来のスパイラルタップにおいても十分に切り屑を排出することができず、切り屑詰まりや逆転の際の切り屑の噛み込みなどでタップが折損してしまうという問題があった。このため、現状ではドリル加工後にバキューム等により手作業で切り屑を除去してからタップ加工を行うようにしており、労力と時間が必要であるとともに無人運転による自動化ができなかった。
一方、ドリル付きタップを用いて、下穴加工に連続してめねじを切削加工することが考えられるが、めねじを切削加工するねじ部の先端側にドリルが存在するため、有底のねじ穴を加工する場合、そのねじ穴の底部にドリル分の無駄な空間が必要で、底部近くまでめねじを設けることができず、加工条件によっては使用できない場合があった。上記のように下穴に対する切り屑の侵入が問題になるのは、通常は有底のねじ穴を加工する場合であり、ドリル付きタップを使用できないことがあるのである。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、下穴内に切り屑が入り込んだ状態でも良好にめねじを切削加工できるスパイラルタップを提供することにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) おねじを分断するように設けられたねじれ溝に沿って切れ刃が形成されているねじ部と、(b) そのねじ部よりも小径でそのねじ部と同心に設けられているとともに、前記ねじれ溝がそのねじ部に連続して形成されている首部と、を有し、(c) 下穴内に前記ねじ部がねじ込まれることにより、前記切れ刃によってその下穴の内周面にめねじを切削加工するとともに、前記ねじれ溝によって切り屑をシャンク側へ排出するスパイラルタップにおいて、(d) 前記ねじ部の先端側に軸方向へ突出するように同心に設けられるとともに、前記ねじれ溝がそのねじ部に連続して形成されている円錐形状の突出センタと、(e) その突出センタの前記ねじれ溝のうち前記切れ刃側の側壁に設けられたギャッシュと、を有することを特徴とする。
第2発明は、第1発明のスパイラルタップにおいて、前記ギャッシュはストレートまたはスパイラルギャッシュで、前記突出センタの円錐の母線に対して5°〜20°の範囲内の切込み角γで設けられていることを特徴とする。
第3発明は、第1発明または第2発明のスパイラルタップにおいて、(a) 鋳物に設けられた下穴に対してめねじを切削加工するためのもので、(b) 前記ねじ部におけるねじれ溝のねじれ角βは30°〜50°の範囲内で、前記切れ刃の刃数は2枚で、前記突出センタの先端角θは80°〜100°の範囲内で、前記ねじ部の長さLは前記おねじの7ピッチ〜10ピッチの範囲内で、前記首部の径寸法dは呼び径Dの50%〜70%の範囲内であることを特徴とする。
このようなスパイラルタップにおいては、ねじ部の先端側に円錐形状の突出センタが設けられるとともに、その突出センタにはねじれ溝の切れ刃側の側壁にギャッシュが設けられているため、ねじ部が下穴内にねじ込まれてめねじを切削加工する際に、下穴内の切り屑がギャッシュにより掻き出されて良好にねじれ溝内へ導かれ、そのねじれ溝からシャンク側へ排出される。これにより、切り屑詰まりによるタップ加工トルクの増大や逆転の際の切り屑の噛み込みなどに起因するタップの折損が抑制され、ドリル加工後の切り屑除去作業を省略できるとともに無人運転による自動化が可能となる。また、ねじ部の先端には円錐形状の突出センタが設けられるだけであるため、従来のドリル付きタップに比較して突出寸法が小さくて済み、有底のねじ穴を加工する場合のねじ穴の底部の無駄な空間が小さくなって、底部近くまでめねじを切削加工できるようになり、加工条件の制約が緩和される。
第2発明では、ギャッシュが突出センタの円錐の母線に対して5°〜20°の範囲内の切込み角γで設けられているため、切り屑をねじれ溝内に導く掻き出し作用が良好に得られる。
第3発明は、鋳物に対するめねじ加工用のスパイラルタップで、一般に鋳物の切り屑は細かく分断されるため、下穴内の切り屑を前記ギャッシュにより掻き出して良好に排出することができる。また、ねじ部におけるねじれ溝のねじれ角βが30°〜50°の範囲内で、切れ刃の刃数は2枚で、突出センタの先端角θは80°〜100°の範囲内で、ねじ部の長さLがおねじの7ピッチ〜10ピッチの範囲内で、首部の径寸法dが呼び径Dの50%〜70%の範囲内であるため、切り屑収容容積を十分に確保して切り屑詰まりを回避しつつ、突出センタを切り屑で詰まった下穴内に良好に押し込みながらギャッシュにより切り屑を掻き出して、ねじれ溝によりシャンク側へ良好に排出することができる。
本発明は、シャンク、首部、ねじ部、および突出センタが、その順番で同軸に一体に設けられているスパイラルタップに好適に適用されるが、その一部が別体に構成されてロー付けや焼き嵌め、ねじ等により一体的に固設されるものでも良い。スパイラルタップの基材としては、高速度工具鋼(ハイス)や超硬合金等の種々の工具材料を用いることが可能で、必要に応じてTiAlNやTiN、TiCN等の硬質被膜をコーティングすることもできる。
本発明のスパイラルタップは、ねずみ鋳鉄等の鋳物に対してドライ加工でめねじを切削加工する場合、特に下穴内に切り屑が充満していたり、更にワーク上にも切り屑が山盛りになっていたりする場合に好適に用いられるが、他の被削材料にめねじを切削加工する場合に使用することもできる。潤滑油剤を十分に供給しながらタップ加工を行うウェット加工で用いることも可能である。
突出センタに設けられるギャッシュは、例えば研削砥石による研削加工や切削加工等によって設けられ、その断面形状は、例えば90°〜120°程度の角度のV字型断面とされるが、円弧形状等の他の断面形状とすることもできる。このギャッシュは、例えば突出センタとねじ部との境界付近でねじれ溝の側壁と交差するように設けられるが、ギャッシュがねじ部まで侵入していても差し支えない。
ギャッシュは、例えば2枚刃のスパイラルタップの場合、一対のギャッシュの間隔である中心部厚みtが0.5mm〜1.0mmの範囲内となるように、突出センタの中心付近から設けることが望ましいが、例えば呼び径Dや切込み角γ等により中心部厚みtを1.0mmより大きくすることもできる。
ギャッシュの切込み角γは、5°より小さいと所定の掻き出し効果が得られなくなる一方、20°より大きいと突出センタの強度が低下するため、5°〜20°の範囲内が望ましいが、例えば先端角θや呼び径D、中心部厚みt等により5°〜20°の範囲外で設定することもできる。
ねじ部におけるねじれ溝のねじれ角βは、切り屑の排出性の点で30°〜50°の範囲内が望ましい。切れ刃の刃数は、切り屑収容容積を確保する上で2枚が望ましい。突出センタの先端角θは、80°より小さいと突出寸法が長くなって止り穴の底に当たり易くなる一方、100°より大きいと切り屑を押し退け難くなってタップ加工負荷が大きくなるため、80°〜100°の範囲内が望ましい。ねじ部の長さLは、おねじの7ピッチより少ないと案内性が損なわれる一方、10ピッチより長くなると切り屑詰まりが生じ易くなるため、7ピッチ〜10ピッチの範囲内が望ましい。首部の径寸法dは、呼び径Dの50%より小さいと強度が低下する一方、70%より大きいと切り屑の通り道が狭くなって排出性能が悪くなるため、50%〜70%の範囲内が望ましい。但し、上記各設定要素相互の関係や加工条件などにより上記の範囲外で定めることもできる。
首部、ねじ部、および突出センタに跨がって設けられるねじれ溝は、製造上の容易さからリードが一定となるように設けることが望ましく、その場合は径寸法の相違に伴ってねじれ角が変化するが、径寸法の相違に拘らずねじれ角が一定となるようにねじれ溝を設けることも可能である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である鋳物用の2枚刃のスパイラルタップ10を示す図で、(a) は軸心と直角方向から見た正面図、(b) は先端部分の拡大図、(c) は(b) を先端側から見た端面図、(d) はギャッシュ24の断面図である。また、図2は、このスパイラルタップ10を撮影した写真で、(a) は図1(a) に相当するが先端側部分だけを写したものであり、(b) は図1(b) に相当し、(c) はタップ先端側からギャッシュ24を写したものである。
このスパイラルタップ10は、シャンク12、首部14、ねじ部16、および突出センタ18を、その順番で同一の軸線上に一体に備えており、ねじ部16には加工すべきめねじに対応するねじ溝形状のおねじが設けられているとともに、そのおねじを分断するように一対のねじれ溝20が軸心に対して対称的に設けられている。ねじ部16は、ねじ山がテーパ状に除去された先端側の食付き部16aと、その食付き部16aに連続して設けられた完全なねじ山の完全山部16bとを備えており、上記ねじれ溝20との稜線部分に切れ刃22が設けられている。この切れ刃22のすくい角は、2°〜4°程度である。また、上記食付き部16aから前方へ突き出す円錐形状の突出センタ18には、ねじれ溝20のうち切れ刃22側の側壁の開口縁部分をV字型(鉤型)に除去するようにギャッシュ24が設けられ、突出センタ18とねじ部16との境界付近でねじれ溝20の側壁と交差している。一対のねじれ溝20は、それぞれ一定のリードのつる巻き線に沿って突出センタ18からねじ部16および首部14に跨がって一繋がりで連続して設けられている。ねじれ溝20の溝底径は略一定であるが、本実施例では1/80程度の勾配でシャンク12側へ向かうに従って小径とされている。
上記スパイラルタップ10の呼びはM6×1、すなわち谷径が6mmでピッチが1mmの右ねじのめねじを切削加工するためのもので、高速度工具鋼(粉末ハイス)にて構成されているとともに、首部14、ねじ部16、および突出センタ18には、ねじれ溝20を含めてTiCN被膜がコーティングされている。ねじ部16の径寸法は呼び径D(=6mm)で、シャンク12の径寸法はねじ部16と略同じであり、首部14の径寸法(首径)dは呼び径Dの50%〜70%の範囲内で、本実施例では3.5mm(Dの約58%)である。ねじ部16におけるねじれ溝20は右ねじれであるとともに、そのねじれ角βは30°〜50°の範囲内で、本実施例では約43°である。突出センタ18の先端角θは80°〜100°の範囲内で、本実施例では85°であり、ねじ部16の長さ(ねじ長)Lはおねじの7ピッチ〜10ピッチの範囲内で、本実施例では9ピッチである。前記食付き部16aの長さは3ピッチで、完全山部16bの長さは6ピッチである。
一方、前記ギャッシュ24は、図1(c) の端面図において一対のギャッシュ24の間隔である中心部厚みtが0.75mm〜0.65mmの範囲内となるように、突出センタ18の先端中心付近から軸心と平行に設けられたストレートギャッシュであるとともに、突出センタ18の円錐の母線に対する切込み角γは5°〜20°の範囲内で、本実施例では12.5°である。すなわち、本実施例では突出センタ18の先端角θが85°であるため、円錐母線角は85°/2=42.5°であり、軸心に対して42.5°−12.5°=30°で傾斜するように、研削砥石をスパイラルタップ10の軸心から離間させながらスパイラルタップ10の軸方向へ相対移動させることにより、ギャッシュ24が設けられているのである。また、研削砥石の形状に対応するギャッシュ溝角φ=110°で、周方向のすくい角αが7°〜9°の範囲内とされている。図1の(c) は、ギャッシュ24に対して直角な断面図である。
このようなスパイラルタップ10においては、ねじ部16の先端側に円錐形状の突出センタ18が設けられるとともに、その突出センタ18にはねじれ溝20の切れ刃22側の側壁の開口縁部分にギャッシュ24が設けられているため、ねじ部16が下穴内にねじ込まれてめねじを切削加工する際に、下穴内の切り屑がギャッシュ24により掻き出されて良好にねじれ溝20内へ導かれ、そのねじれ溝20からシャンク12側へ排出される。これにより、切り屑詰まりによるタップ加工トルクの増大や逆転の際の切り屑の噛み込みなどに起因するタップ折損が抑制され、ドリル加工後の切り屑除去作業を省略できるとともに無人運転による自動化が可能となる。また、ねじ部16の先端には円錐形状の突出センタ18が設けられるだけであるため、従来のドリル付きタップに比較して突出寸法が小さくて済み、有底のねじ穴を加工する場合のねじ穴の底部の無駄な空間が小さくなって、底部近くまでめねじを切削加工できるようになり、加工条件の制約が緩和される。
また、本実施例ではギャッシュ24が、軸心と平行なストレートギャッシュであるため、スパイラルタップ10を回転させることなく研削砥石を軸方向へ相対移動させることにより、ギャッシュ24を容易に加工することができるとともに、そのギャッシュ24の切込み角γは5°〜20°の範囲内であるため、切り屑をねじれ溝20内に導く掻き出し作用が良好に得られる。
また、本実施例のスパイラルタップ10は鋳物用であるが、一般に鋳物の切り屑は細かく分断されるため、下穴内の切り屑を前記ギャッシュ24により掻き出して良好に排出することができる。また、ねじ部16におけるねじれ溝20のねじれ角βが30°〜50°の範囲内で、切れ刃22の刃数は2枚で、突出センタ18の先端角θは80°〜100°の範囲内で、ねじ部16のねじ長Lがおねじの7ピッチ〜10ピッチの範囲内で、首部14の径寸法dが呼び径Dの50%〜70%の範囲内であるため、切り屑収容容積を十分に確保して切り屑詰まりを回避しつつ、突出センタ18を切り屑で詰まった下穴内に良好に押し込みながらギャッシュ24により切り屑を掻き出して、ねじれ溝20によりシャンク12側へ良好に排出することができる。
図3は、上記スパイラルタップ10と同様にM6×1のめねじ用で、前記ねじれ角β、切れ刃22の刃数、突出センタ18の先端角θ、ねじ長L、首径d、ギャッシュ24の切込み角γが異なる14種類の試験品No1〜No14を用意し、以下の加工条件で耐久性試験を行った結果を示す図である。
(加工条件)
・被削材:FC250(ねずみ鋳鉄)
・ねじ立て深さ:7mm
・下穴深さ:18mm(切り屑が充満+ワーク上に山盛り)
・下穴径:5.0mm
・切削油:ドライ
・切削速度:10m/min
図3において網掛けを付した部分は、それぞれ工具寿命の原因と考えられる設定要素で、便宜的に前記スパイラルタップ10と同じ符号を用いて具体的に説明すると、ねじれ溝20のねじれ角βが25°以下の試験品No1およびNo2では、ねじれ溝20による切り屑排出作用が十分に得られず、それぞれ2穴目、10穴目の逆転時に切り屑の噛み込みでタップが折損した。ねじれ角βが35°或いは45°の場合には、ねじれ溝20による切り屑排出作用が十分に得られるようになり、試験品No3、4、6、13、14から明らかなように、他の設定要素の値が適切であれば十分な耐久性が得られる。
刃数が3枚の試験品No5では、各ねじれ溝20の断面積(切り屑の収容容積)が小さくなるため、十分な切り屑排出性能が得られず、2穴目の逆転時に切り屑の噛み込みでタップが折損した。刃数が2枚の場合には、各ねじれ溝20の断面積が大きくなって十分な切り屑排出性能が得られるようになり、試験品No3、4、6、13、14から明らかなように、他の設定要素の値が適切であれば十分な耐久性が得られる。
先端角θが110°の試験品No7では、突出センタ18が切り屑を押し退けて下穴内に侵入する際のスラスト抵抗が大きくなるため、それだけタップ加工トルクが大きくなり、45穴目の正転時にタップが折損した。先端角θが85°或いは95°の場合には、突出センタ18が切り屑に侵入し易くなってタップ加工トルクが低減され、試験品No3、4、6、13、14から明らかなように、他の設定要素の値が適切であれば十分な耐久性が得られる。
ねじ部16の長さ(ねじ長)Lが6ピッチの試験品No8では、ねじ部16によるタップ加工時の案内作用が低下し、所定のめねじ精度が得られなかった。また、ねじ部16の長さLが12ピッチの試験品No9では、ねじ部16付近の切り屑排出性能が低下して切り屑が詰まり易くなり、32穴目の正転時にタップが折損した。ねじ部16の長さLが9ピッチの場合には、ねじ部16により所定の案内作用が得られるとともに十分な切り屑排出性能が得られるようになり、試験品No3、4、6、13、14から明らかなように、他の設定要素の値が適切であれば十分な耐久性が得られる。
首部14の径寸法(首径)dが2.4mm(0.4D)の試験品No10では、十分な強度が得られず、1穴目の正転時にタップが折損した。また、首部14の径寸法dが4.7mm(0.78D)の試験品No11では、首部14における切り屑排出性能が低下し、10穴目の逆転時に切り屑の噛み込みでタップが折損した。首部14の径寸法dが3.5mm(0.58D)の場合には、所定の強度が得られるとともに十分な切り屑排出性能が得られるようになり、試験品No3、4、6、13、14から明らかなように、他の設定要素の値が適切であれば十分な耐久性が得られる。なお、図3に示されている「%」は、呼び径Dに対する割合である。
ギャッシュ24の切込み角γが0°、すなわちギャッシュ24が無い場合の試験品No12では、下穴内の切り屑を掻き出して排出することができず、1穴目の正転時にタップが折損した。切込み角γが7.5°、12.5°、17.5°の場合には、下穴内の切り屑を掻き出して排出できるようになり、試験品No3、4、6、13、14から明らかなように、他の設定要素の値が適切であれば十分な耐久性が得られる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例であるスパイラルタップを示す図で、(a) は正面図、(b) は先端側部分の拡大図、(c) は(b) を先端側から見た端面図、(d) はギャッシュに直角な断面図である。 図1のスパイラルタップの写真を示す図で、(a) は先端側部分の外観写真、(b) は先端部拡大写真、(c) はギャッシュの拡大写真である。 各種の設定要素の値を変更した14種類の試験品を用いて耐久性試験を行った結果を示す図である。
符号の説明
10:スパイラルタップ 12:シャンク 14:首部 16:ねじ部 18:突出センタ 20:ねじれ溝 22:切れ刃 24:ギャッシュ

Claims (3)

  1. おねじを分断するように設けられたねじれ溝に沿って切れ刃が形成されているねじ部と、
    該ねじ部よりも小径で該ねじ部と同心に設けられているとともに、前記ねじれ溝が該ねじ部に連続して形成されている首部と、
    を有し、下穴内に前記ねじ部がねじ込まれることにより、前記切れ刃によって該下穴の内周面にめねじを切削加工するとともに、前記ねじれ溝によって切り屑をシャンク側へ排出するスパイラルタップにおいて、
    前記ねじ部の先端側に軸方向へ突出するように同心に設けられるとともに、前記ねじれ溝が該ねじ部に連続して形成されている円錐形状の突出センタと、
    該突出センタの前記ねじれ溝のうち前記切れ刃側の側壁に設けられたギャッシュと、
    を有することを特徴とするスパイラルタップ。
  2. 前記ギャッシュはストレートまたはスパイラルギャッシュで、前記突出センタの円錐の母線に対して5°〜20°の範囲内の切込み角γで設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のスパイラルタップ。
  3. 鋳物に設けられた下穴に対してめねじを切削加工するためのもので、
    前記ねじ部におけるねじれ溝のねじれ角βは30°〜50°の範囲内で、前記切れ刃の刃数は2枚で、前記突出センタの先端角θは80°〜100°の範囲内で、前記ねじ部の長さLは前記おねじの7ピッチ〜10ピッチの範囲内で、前記首部の径寸法dは呼び径Dの50%〜70%の範囲内である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のスパイラルタップ。
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