JP2006254794A - 糖液精製システムにおけるフェノール系吸着樹脂の再生方法および糖液精製装置 - Google Patents

糖液精製システムにおけるフェノール系吸着樹脂の再生方法および糖液精製装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 糖液をフェノール系吸着樹脂に接触させる吸着工程と、糖液をイオン交換樹脂に接触させるイオン交換工程とを有する糖液精製システムにおいて、フェノール系吸着樹脂およびイオン交換樹脂の再生に用いるアルカリ溶液の量を低減させる。
【解決手段】 イオン交換樹脂のアルカリ性再生廃液をフェノール系吸着樹脂の再生に用いる。例えば、アルカリ溶液64をアルカリ溶液導入管36からアニオン交換塔14に導入して強塩基性アニオン交換樹脂16に接触させた後、アニオン交換塔を出たアルカリ性再生廃液を連絡管28、34を介して吸着塔10に導入してフェノール系吸着樹脂12に接触させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、フェノール系吸着樹脂およびイオン交換樹脂を用いた糖液精製システムにおけるフェノール系吸着樹脂の再生方法、およびフェノール系吸着樹脂およびイオン交換樹脂を用いた糖液精製装置に関する。
糖液の精製は、通常、活性炭処理、骨炭処理、イオン交換樹脂処理などによる脱色処理と、イオン交換樹脂処理による脱塩処理との組み合わせによって行われる。また、後者の脱塩処理システムとしては、蔗糖液の場合、蔗糖液をアニオン交換塔と、カチオン交換塔とに順次通液するリバース式システム、蔗糖液を強塩基性アニオン交換樹脂および弱酸性カチオン交換樹脂の混床塔に通液する混床式システム、蔗糖液をアニオン交換塔と、強塩基性アニオン交換樹脂および弱酸性カチオン交換樹脂の混床塔とに順次通液するシステムなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2785833号公報
現在、精製処理後の糖液から生じる臭気が問題となっている。処理糖液中に含まれる臭気成分が具体的に何であるかはわかっていないが、臭気成分は製品となったあとも糖液中に残存し、製品の品質を著しく低下させる。そのため、精製後の処理糖液中に臭気成分が含まれないようにする必要があるが、前述したイオン交換樹脂処理による脱塩処理では、糖液中から臭気成分を除去することは困難であった。
これに対し、本発明者は、糖液中に含まれる臭気成分を効果的に除去することができる糖液精製システムとして、糖液をフェノール系吸着樹脂に接触させる吸着工程と、糖液をイオン交換樹脂に接触させるイオン交換工程とを行う糖液精製システムを既に提案した。
フェノール系吸着樹脂は、母体樹脂が疎水性であることから溶液中に存在する色素物質の吸着性に優れ、また母体樹脂が多孔性であることから活性炭に似た吸着特性を有し、臭気物質の吸着にも効果を示す。フェノール系吸着樹脂は、フェノール性水酸基を官能基としていることから、一定のpH以上のアルカリ溶液に接触させると水酸基が解離し、疎水的に吸着した物質が脱着されて樹脂が再生される。
フェノール系吸着樹脂は、上記のように薬剤により再生が可能であるという大きな利点を有し、アミノ酸溶液やタンパク溶液の脱色、脱臭など利用されている。同じ用途に使用される吸着剤としては、粒状活性炭、骨炭、粉末活性炭などがあるが、粒状活性炭や骨炭の再生には再生炉を設けたり、委託再生を行ったりする必要があり、粉末活性炭は使い捨てであるため購入費用、廃棄費用が高くなる。
フェノール系吸着樹脂には、フェノール性水酸基のみを官能基とする樹脂と、母体樹脂にアミンを導入し、フェノール性水酸基とアニオン交換基の両方を官能基とする樹脂とがある。いずれの樹脂においても、再生にはアルカリ溶液が再生剤として用いられ、さらに残存アルカリ溶液の中和剤として酸溶液が用いられる。
また、本発明者が提案した前述の糖液精製システムでは、イオン交換樹脂は、溶液中のアニオンを除去するアニオン交換樹脂と、溶液中のカチオンを除去するカチオン交換樹脂との組み合わせで使用される。アニオン交換樹脂を再生する薬剤としてはアルカリ溶液、カチオン交換樹脂を再生する薬剤としては酸溶液が用いられる。一般的には、アルカリ溶液としては水酸化ナトリウム水溶液が使用され、酸溶液としては塩酸水溶液が使用される。
しかし、前述したフェノール系吸着樹脂およびイオン交換樹脂を用いた糖液精製システムは、薬剤により吸着剤の再生が可能であるという利点が得られる反面、フェノール系吸着樹脂およびイオン交換樹脂の再生に多量のアルカリ溶液が必要となり、またその再生廃液を中和するための酸溶液も必要となるため、運転コストが高くなる上、フェノール系吸着樹脂の再生廃液は有機成分を多く含むため、排水処理設備の負荷が大きくなるものであった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、フェノール系吸着樹脂およびイオン交換樹脂を用いた糖液精製システムにおいて、フェノール系吸着樹脂およびイオン交換樹脂の再生に用いるアルカリ溶液の量を低減させることができる技術を提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成するために種々検討を行った結果、フェノール系吸着樹脂およびイオン交換樹脂を用いた糖液精製システムにおいては、イオン交換樹脂の再生に使用したアルカリ溶液の廃液をフェノール系吸着樹脂の再生に利用できることを見出した。すなわち、イオン交換樹脂の再生に使用したアルカリ性再生廃液をフェノール系吸着樹脂に接触させることにより、フェノール系吸着樹脂に吸着した色素成分および臭気成分を脱着することができ、これによってフェノール系吸着樹脂の再生に用いるアルカリ溶液の量を低減できることを見出した。
本発明は、上述した知見に基づいてなされたもので、糖液をフェノール系吸着樹脂に接触させる吸着工程と、糖液をイオン交換樹脂に接触させるイオン交換工程とを有する糖液精製システムにおけるフェノール系吸着樹脂の再生方法であって、前記イオン交換樹脂のアルカリ性再生廃液を前記フェノール系吸着樹脂の再生に用いることを特徴とする糖液精製システムにおけるフェノール系吸着樹脂の再生方法を提供する。
また、本発明は、糖液をフェノール系吸着樹脂に接触させる吸着手段と、糖液をイオン交換樹脂に接触させるイオン交換手段と、アルカリ溶液をイオン交換手段のイオン交換樹脂に接触させるとともに、イオン交換樹脂に接触した後のアルカリ性再生廃液を吸着手段のフェノール系吸着樹脂に接触させる再生手段とを具備することを特徴とする糖液精製装置を提供する。
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。本発明の再生方法を用いる糖液精製システムおよび本発明の糖液精製装置における吸着工程および吸着手段では、糖液をフェノール系吸着樹脂に接触させる。フェノール系吸着樹脂とは、多孔性の芳香族ポリマーの表面にフェノール性水酸基を有する吸着樹脂であり、本発明ではこのような構造の吸着樹脂であればどのようなものでも使用することができる。フェノール系吸着樹脂は、上記構造により、多孔性芳香族ポリマーによる活性炭のような物理的吸着作用およびフェノール性水酸基によるイオン交換作用の両作用を併せ持つ。フェノール系吸着樹脂として、具体的には、味の素ファインテクノ社製ホクエツ(登録商標、以下同様)HS、KS、ローム・アンド・ハース社製アンバーライト(登録商標、以下同様)XAD761等を使用することができる。
本発明の再生方法を用いる糖液精製システムおよび本発明の糖液精製装置におけるイオン交換工程およびイオン交換手段では、糖液をイオン交換樹脂に接触させる。この場合、例えば糖液が蔗糖液であるときには、イオン交換樹脂として強塩基性アニオン交換樹脂および弱酸性カチオン交換樹脂を用いることができ、例えば下記(a)〜(c)に示す樹脂構成とすることができる。
(a)糖液を強塩基性アニオン交換樹脂と、弱酸性カチオン交換樹脂とに順次通液する構成。
(b)糖液を強塩基性アニオン交換樹脂および弱酸性カチオン交換樹脂の混床に通液する構成。
(c)糖液を強塩基性アニオン交換樹脂と、強塩基性アニオン交換樹脂および弱酸性カチオン交換樹の混床とに順次通液する構成。
上記強塩基性アニオン交換樹脂および弱酸性カチオン交換樹脂としては、糖の転化を生じさせることなく糖液の脱塩を行うことができるものであればいかなるものでもよい。より具体的には、強塩基性アニオン交換樹脂として、例えばアンバーライトIRA−402BL、IRA−900、IRA−411S、XT−5007、三菱化学社製ダイヤイオン(登録商標、以下同様)PA−308、PA−412、弱酸性カチオン交換樹脂として、例えばアンバーライトIRC−76、IRC−50、ダイヤイオンWK−11を使用することができる。
本発明の再生方法を用いる糖液精製システムおよび本発明の糖液精製装置では、糖液をフェノール系吸着樹脂に接触させた後にイオン交換樹脂に接触させてもよく、イオン交換樹脂に接触させた後にフェノール系吸着樹脂に接触させてもよいが、以下の理由により、前者の方が好ましい。すなわち、糖液をフェノール系吸着樹脂に接触させると、フェノール系吸着樹脂の再生方法によってはフェノール系吸着樹脂から酸またはアルカリが溶出するため、糖液のpHが酸性になったり、あるいはアルカリ性になったりしてしまうが、糖液をフェノール系吸着樹脂に接触させた後にイオン交換樹脂に接触させた場合には、フェノール系吸着樹脂との接触によって酸性またはアルカリ性になった糖液のpHをイオン交換樹脂との接触によって中性付近に回復させることができるという利点が得られる。また、フェノール系吸着樹脂は脱色作用を有するため、糖液をフェノール系吸着樹脂に接触させた後にイオン交換樹脂に接触させた場合には、後段のイオン交換樹脂の負荷を下げることができ、したがって後段のイオン交換樹脂による精製工程において、処理糖液の品質を高純度に維持しつつ、大きい処理量を得ることができるという利点も得られる。
本発明で用いるフェノール系吸着樹脂は、酸性条件または中性条件で臭気成分や色素成分を吸着し、アルカリ性条件で表面の性質が変り、吸着物を脱着する。そのため、通常は酸性条件または中性条件でフェノール系吸着樹脂に糖液を接触させ、フェノール系吸着樹脂の吸着能力が低下した時点で通液を停止し、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液等のアルカリ溶液を用いてフェノール系吸着樹脂の再生を行う。本発明では、このフェノール系吸着樹脂の再生にイオン交換樹脂のアルカリ性再生廃液を用いる。すなわち、イオン交換樹脂を水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液等のアルカリ溶液を用いて再生するとともに、その再生廃液を用いてフェノール系吸着樹脂の再生を行う。
この場合、上記イオン交換樹脂のアルカリ性再生廃液として、具体的にはアニオン交換樹脂の再生廃液やカチオン交換樹脂の回生廃液を用いることができ、特に強塩基性アニオン交換樹脂の再生廃液が好ましい。すなわち、イオン交換処理において強塩基性アニオン交換樹脂を使用する場合、多量のアルカリ性再生廃液が発生する。これは、強塩基性アニオン交換樹脂の吸着力が強く、再生効率が低いことに起因する。フェノール系吸着樹脂のフェノール性水酸基はpH10付近で解離し始めるため、イオン交換樹脂のアルカリ性再生廃液のpHは10以上であればフェノール系樹脂の再生が可能であるが、効率的に再生を行うにはイオン交換樹脂のアルカリ性再生廃液はpH12以上であることが望ましく、強塩基性アニオン交換樹脂の再生廃液はこの条件を満たす。
なお、本発明の再生方法を用いる糖液精製システムおよび本発明の糖液精製装置において処理対象とする糖液としては、前述した蔗糖液の他、澱粉糖液等のいかなる糖液でもよい。また、蔗糖液の場合、通常、原糖の洗糖、溶解、炭酸飽充、濾過、脱色などの各工程を経た後の精製糖液を使用するが、これに限定されるものではない。
以上のように、本発明によれば、フェノール系吸着樹脂およびイオン交換樹脂を用いた糖液精製システムにおいて、フェノール系吸着樹脂およびイオン交換樹脂の再生に用いるアルカリ溶液の量を低減して、運転コストを削減することができる。
図1は本発明に係る糖液精製装置の一例を示すフロー図である。図1において、10は内部にフェノール系吸着樹脂12が充填された吸着塔、14は内部に強塩基性アニオン交換樹脂16が充填されたアニオン交換塔、18は内部に弱酸性カチオン交換樹脂20が充填されたカチオン交換塔を示す。また、図中22は吸着塔10の上部に連結された原糖液導入管、24は吸着塔10の下部とアニオン交換塔14の上部との間に設けられた連絡管、26は連絡管24に連結された廃液排出管、28はアニオン交換塔14の下部とカチオン交換塔18の上部との間に設けられた連絡管、30は連絡管28に連結された廃液排出管、32はカチオン交換塔18の下部に連結された処理液排出管、34は連絡管28と吸着塔10の上部との間に設けられた連絡管、36はアニオン交換塔14の上部に連結されたアルカリ溶液導入管、38はアニオン交換塔14の上部に連結された洗浄水導入管、40は吸着塔10の上部に連結された酸溶液導入管、42〜60はそれぞれ各管に介装された開閉バルブを示す。本例の糖液精製装置では、吸着塔10が吸着手段を構成し、アニオン交換塔14およびカチオン交換塔18がイオン交換手段を構成している。
本例の糖液精製装置によって糖液の精製を行う場合、図2に示すように、原糖液62を原糖液導入管22から吸着塔10に導入してフェノール系吸着樹脂12に接触させ、次いで吸着塔10を出た糖液を連絡管24を介してアニオン交換塔14に導入して強塩基性アニオン交換樹脂16に接触させた後、アニオン交換塔14を出た糖液を連絡管28を介してカチオン交換塔18に導入して弱酸性カチオン交換樹脂20に接触させることにより、臭気のない精製された処理糖液を処理液排出管32から得る。
また、本例の糖液精製装置のフェノール系吸着樹脂12および強塩基性アニオン交換樹脂16を再生する場合は、以下のように行う。まず、図3に示すように、アルカリ溶液64をアルカリ溶液導入管36からアニオン交換塔14に導入して強塩基性アニオン交換樹脂16に接触させた後、アニオン交換塔14を出たアルカリ性再生廃液を連絡管28、34を介して吸着塔10に導入してフェノール系吸着樹脂12に接触させる。フェノール系吸着樹脂12に接触した後の再生廃液は連絡管24、廃液排出管26を通って系外に排出される。したがって、本例の糖液精製装置では、アルカリ溶液導入管36、連絡管28、34、24、廃液排出管26およびこれらに介装された開閉バルブによって再生手段が構成されている。
次に、図4に示すように、洗浄水66を洗浄水導入管38からアニオン交換塔14に導入して強塩基性アニオン交換樹脂16を洗浄水で洗浄した後、アニオン交換塔14を出た洗浄水を連絡管28、34を介して吸着塔10に導入してフェノール系吸着樹脂12を洗浄水で洗浄する。フェノール系吸着樹脂12を洗浄した後の洗浄水は連絡管24、廃液排出管26を通って系外に排出される。本発明では、本例のように、イオン交換手段のイオン交換樹脂を洗浄水で洗浄するともに、イオン交換樹脂を洗浄した洗浄水で吸着手段のフェノール系吸着樹脂を洗浄する洗浄手段を糖液精製装置に設けることが好ましく、これにより洗浄水の使用量を削減することができる。本例の糖液精製装置では、洗浄水導入管38、連絡管28、34、24、廃液排出管26およびこれらに介装された開閉バルブによって洗浄手段が構成されている。ただし、アニオン交換塔14の強塩基性アニオン交換樹脂16の洗浄および吸着塔10のフェノール系吸着樹脂12の洗浄は、アニオン交換塔14および吸着塔10にそれぞれ別個に洗浄水を導入して行ってもよい。
さらに、再生および洗浄処理後のフェノール系吸着樹脂12の中和を行う場合は、図5に示すように、酸溶液68を酸溶液導入管40から吸着塔10に導入してフェノール系吸着樹脂12に接触させ、フェノール系吸着樹脂12中に残存するアルカリ溶液を中和する。フェノール系吸着樹脂12に接触した後の酸溶液は連絡管24、廃液排出管26を通って系外に排出される。中和処理後は、洗浄水を原糖液導入管22から吸着塔10に導入して、フェノール系吸着樹脂12中の塩および過剰な酸を洗浄する。フェノール系吸着樹脂12を洗浄した後の洗浄水は連絡管24、廃液排出管26を通って系外に排出される。
上述したフェノール系吸着樹脂12中に残存するアルカリ溶液の中和には、カチオン交換塔18の弱酸性カチオン交換樹脂20の酸性再生廃液を使用することもできる。この場合、酸溶液をカチオン交換塔18に導入して弱酸性カチオン交換樹脂20を再生した後、再生廃液の一部を吸着塔10に導入すればよい。
なお、図2〜図5では、使用する配管のみを図示している。図2〜図5に示した操作時においては、図示している配管に介装されている開閉バルブを開き、図示していない配管に介装されている開閉バルブは閉じればよい。
以上の工程を行い、イオン交換樹脂のアルカリ性再生廃液をフェノール系吸着樹脂の再生に利用することにより、再生剤の使用量を低減することできる。フェノール系吸着樹脂をイオン交換樹脂のアルカリ性再生廃液を用いて再生した場合は、フェノール系吸着樹脂を未使用のアルカリ溶液を用いて再生した場合と同等の再生効果を得ることができる。
本発明では、フェノール系吸着樹脂およびイオン交換樹脂の再生に用いるアルカリ溶液の量は、フェノール系吸着樹脂量とイオン交換樹脂量との比などに対応して適宜設定することができる。また、フェノール系吸着樹脂の再生に必要なアルカリ溶液の量がイオン交換樹脂のアルカリ性再生廃液のみでは足らないことも考えられるが、この場合にはイオン交換樹脂のアルカリ性再生廃液に未使用のアルカリ液を補充してフェノール系吸着樹脂に接触させるよりも、イオン交換樹脂量の再生に用いるアルカリ溶液の量を増やす方が、イオン交換樹脂の再生効率が向上するために好ましい。
さらに、フェノール系吸着樹脂およびイオン交換樹脂にそれぞれ加わる負荷の割合によっては、イオン交換樹脂の再生時に必ずしもフェノール系吸着樹脂を再生する必要はなく、例えばイオン交換樹脂の再生サイクルの数回に一度の頻度でフェノール系吸着樹脂の再生を行うことも考えられる。
以下に、実施例により本発明を具体的に示す。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例)
図1に示した精製装置と同一構成の実験装置であって、吸着カラム(吸着塔)にフェノール系吸着樹脂としてホクエツHSを100mL充填し、アニオン交換カラム(アニオン交換塔)に強塩基性アニオン交換樹脂としてアンバーライトIRA402BLを100mL充填し、カチオン交換カラム(カチオン交換塔)に弱酸性カチオン交換樹脂としてアンバーライトIRC−76を50mL充填した精製装置を作製した。この精製装置を用いて下記精製工程、再生工程、中和工程、吸着カラム通液工程を行った。
<精製工程>
表1に示した性状の蔗糖液(原糖液)5000mlを、通液温度50℃、通液流量400ml/hの条件で、吸着カラム、アニオン交換カラム、カチオン交換カラムの順に通液して精製された処理糖液を得た。表1におけるBxはブリックス糖濃度(%)を示し、pHおよび電気伝導率は20℃における値を示し、色価(ICUMSA単位)は下記式により算出した値を示す。
Figure 2006254794
Figure 2006254794
<再生工程>
上記精製工程終了後、水で各カラムを洗浄して糖液を各カラムから押し出した。また、アニオン交換カラムと吸着カラムとを直列に連続した。そして、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液200mlを流速400ml/Lでアニオン交換カラムおよび吸着カラムにこの順で通液した。次いで、水をアニオン交換カラムおよび吸着カラムにこの順で通液して両カラムを洗浄した。また、カチオン交換カラムに1mol/Lの塩酸水溶液100mlを通液した後、水でカチオン交換カラムを洗浄した。
<中和工程>
0.2mol/Lの塩酸水溶液100mlを流速400ml/Lで吸着カラムに通液して中和を行い、さらに水で吸着カラムを洗浄した。
フェノール系吸着樹脂、強塩基性アニオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂の再生に要した薬剤量(NaOH量とHCl量)および洗浄水量と、上記再生時に発生した廃液量(薬剤量と洗浄水量の合計)を表2に示した。
Figure 2006254794
<吸着カラム通液工程>
上記再生工程および中和工程を行った後、吸着カラムのみに表1に示した性状の原糖液5000mlを通液した。得られた処理液(吸着カラム出口の処理液)の品質を表1に示した。
(比較例)
実施例と同じ装置を用い、下記精製工程、再生工程、中和工程、吸着カラム通液工程を行った。
<精製工程>
実施例と同様の操作を行った。
<再生工程>
水で各カラムを洗浄して糖液を各カラムから押し出した。そして、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液200mlを吸着カラムに通液した後、水で吸着カラムを洗浄した。また、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液200mlをアニオン交換カラム通液した後、水でアニオン交換カラムを洗浄した。さらに、カチオン交換カラムに1mol/Lの塩酸水溶液100mlを通液した後、水でカチオン交換カラムを洗浄した。
<中和工程>
0.2mol/Lの塩酸水溶液100mlを吸着カラムに通液して中和を行い、さらに水で吸着カラムを洗浄した。
フェノール系吸着樹脂、強塩基性アニオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂の再生に要した薬剤量(NaOH量とHCl量)および洗浄水量と、上記再生時に発生した廃液量(薬剤量と洗浄水量の合計)を表2に示した。
<吸着カラム通液工程>
上記再生工程および中和工程を行った後、吸着カラムのみに表1に示した性状の原糖液5000mlを通液した。得られた処理液(吸着カラム出口の処理液)の品質を表1に示した。
表1の結果より、フェノール系吸着樹脂およびアニオン交換樹脂を用いた糖液精製システムにおいて、フェノール系吸着樹脂の再生にアニオン交換樹脂のアルカリ性再生廃液を用いた場合は、再生剤として未使用のアルカリ溶液を使用した場合と同等の再生効果が得られることが分かる。また、表2の結果より、フェノール系吸着樹脂の再生にアニオン交換樹脂のアルカリ性再生廃液を用いた場合は、フェノール系吸着樹脂の再生にアルカリ溶液を使用した場合に較べ、フェノール系吸着樹脂およびアニオン交換樹脂の再生に要するアルカリ溶液量および洗浄水量が低減することが分かる。したがって、上述した実験により、本発明によれば、フェノール系吸着樹脂およびイオン交換樹脂を用いた糖液精製システムにおいて、フェノール系吸着樹脂およびイオン交換樹脂の再生に用いるアルカリ溶液の量を低減できることが確認された。
本発明に係る糖液精製装置の一例を示すフロー図である。 図1の糖液精製装置の糖液精製工程を示す説明図である。 図1の糖液精製装置の再生工程を示す説明図である。 図1の糖液精製装置の洗浄工程を示す説明図である。 図1の糖液精製装置の中和工程を示す説明図である。
符号の説明
10 吸着塔
12 フェノール系吸着樹脂
14 アニオン交換塔
16 強塩基性アニオン交換樹脂
18 カチオン交換塔
20 弱酸性カチオン交換樹脂
22 原糖液導入管
32 処理液排出管
36 アルカリ溶液導入管
38 洗浄水導入管
40 酸溶液導入管

Claims (6)

  1. 糖液をフェノール系吸着樹脂に接触させる吸着工程と、糖液をイオン交換樹脂に接触させるイオン交換工程とを有する糖液精製システムにおけるフェノール系吸着樹脂の再生方法であって、前記イオン交換樹脂のアルカリ性再生廃液を前記フェノール系吸着樹脂の再生に用いることを特徴とする糖液精製システムにおけるフェノール系吸着樹脂の再生方法。
  2. フェノール系吸着樹脂を再生するに当たり、アルカリ溶液をイオン交換樹脂に接触させるとともに、イオン交換樹脂に接触した後のアルカリ性再生廃液をフェノール系吸着樹脂に接触させることを特徴とする請求項1に記載の糖液精製システムにおけるフェノール系吸着樹脂の再生方法。
  3. アルカリ溶液をイオン交換樹脂に接触させるとともに、イオン交換樹脂に接触した後のアルカリ性再生廃液をフェノール系吸着樹脂に接触させる再生工程と、イオン交換樹脂を洗浄水で洗浄するともに、イオン交換樹脂を洗浄した洗浄水でフェノール系吸着樹脂を洗浄する洗浄工程とを順次行うことを特徴とする請求項1または2に記載の糖液精製システムにおけるフェノール系吸着樹脂の再生方法。
  4. 前記イオン交換樹脂のアルカリ性再生廃液が、前記イオン交換工程で用いる強塩基性アニオン交換樹脂の再生廃液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の糖液精製システムにおけるフェノール系吸着樹脂の再生方法。
  5. 糖液をフェノール系吸着樹脂に接触させる吸着手段と、糖液をイオン交換樹脂に接触させるイオン交換手段と、アルカリ溶液をイオン交換手段のイオン交換樹脂に接触させるとともに、イオン交換樹脂に接触した後のアルカリ性再生廃液を吸着手段のフェノール系吸着樹脂に接触させる再生手段とを具備することを特徴とする糖液精製装置。
  6. イオン交換手段のイオン交換樹脂を洗浄水で洗浄するともに、イオン交換樹脂を洗浄した洗浄水で吸着手段のフェノール系吸着樹脂を洗浄する洗浄手段を具備することを特徴とする請求項5に記載の糖液精製装置。
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