JP2006253606A - セラミックグリーンシートの製造方法及びセラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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政幸 吉田
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俊二 青木
Junichi Sudo
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Abstract

【課題】 表面に離型処理が施された基材上に形成される導体パターン部とセラミック層との間に空隙が発生し難いセラミックグリーンシートの製造方法及びセラミック電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】 このセラミックグリーンシートの製造方法では、まず表面1aに離型処理が施された基材1上に、所定の溶媒に対して可溶性を有するセラミック層5aを形成する。次に、セラミック層5a上に、感光性導電材料からなる導体層13aを形成する。次に、導体層13aの所定部分13bに露光を施す。次に、所定の溶媒を用いて導体層13aを現像することにより導体パターン部13を形成すると共に、セラミック層5aの一部をエッチングすることによりセラミック部5を形成する。次に、セラミック部5上に、導体パターン部13を覆うようにセラミック層9を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミックグリーンシートの製造方法及びセラミック電子部品の製造方法に関する。
セラミックコンデンサ等のセラミック電子部品を製造するためには、セラミックグリーンシートが用いられる。例えば、セラミックグリーンシートを基材から剥離、転写、積層することによりセラミック電子部品が製造される。セラミックグリーンシートを基材から剥離させるために、通常、表面に離型処理が施された基材が用いられる。また、セラミックグリーンシートの製造方法として、例えば特許文献1に記載されている方法が知られている。この方法では、まず、支持体の表面に感光性導電性ペーストを塗布し、乾燥させて支持体上に感光性導電膜を形成する。次に、この感光性導電膜にマスクを介して紫外線等の光線を照射する。続いて、現像液を用いて感光性導電膜を現像する。これにより、支持体上に所定の形状の導体パターンが形成される。さらに、支持体の表面に、導体パターンを覆うように絶縁体層を形成する。
特開2003−168617号公報
しかしながら、上述のようなセラミックグリーンシートの製造方法では、現像により導体パターン部のエッジを基材の表面に対して垂直に形成することは通常困難である。以下、図9(a)及び図9(b)を参照して上述のようなセラミックグリーンシートの製造方法の一例を詳細に説明する。図9(a)及び図9(b)は、セラミックグリーンシート210の製造方法を模式的に示す工程断面図である。
図9(a)に示されるように、表面201a上に離型層203が形成された基材201上に、フォトリソグラフィー法を用いて導体パターン部213を形成すると、現像によって導体パターン部213の根元部分213aが侵食され易くなる。その結果、導体パターン部213の根元部分213aは基材201に近付くに連れて狭くなってしまう。その後、図9(b)に示されるように、基材201上にセラミック層209を形成すると、導体パターン部213の根元部分213aの近傍において、導体パターン部213とセラミック層209との間に空隙cが発生するおそれがある。空隙cは、例えばセラミック層209を形成するためのセラミックスラリーを基材201上に塗布する時に当該セラミックスラリー内に巻き込まれる気泡等に起因すると考えられる。また、セラミックスラリーを用いてセラミック層209を形成すると、セラミックスラリーが離型層203にはじかれることにより空隙cが更に発生し易くなる。
このような空隙cが形成されると、導体パターン部213が変形することにより、導体パターン部213の形成精度が悪化してしまう。また、空隙cがセラミックグリーンシート210の表面に達すると、ピンホールとなる。ピンホールが形成されたセラミックグリーンシートを用いてセラミック電子部品を製造すると、得られるセラミック電子部品の耐湿性及び耐圧性は低下する。その結果、セラミック電子部品の信頼性が低下してしまう。
そこで、本発明は、表面に離型処理が施された基材上に形成される導体パターン部とセラミック層との間に空隙が発生し難いセラミックグリーンシートの製造方法及びセラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明のセラミックグリーンシートの製造方法は、表面に離型処理が施された基材上に、所定の溶媒に対して可溶性を有する第1のセラミック層を形成する第1のセラミック層形成工程と、第1のセラミック層上に、感光性導電材料からなる導体層を形成する導体層形成工程と、導体層の所定部分に露光を施す第1の露光工程と、第1の露光工程の後、所定の溶媒を用いて導体層を現像することにより導体パターン部を形成すると共に、第1のセラミック層の一部をエッチングすることによりセラミック部を形成する導体パターン部形成工程と、セラミック部上に、導体パターン部を覆うように第2のセラミック層を形成する第2のセラミック層形成工程とを含む。
本発明のセラミックグリーンシートの製造方法では、導体パターン部形成工程において、導体層の厚さ方向から見て導体パターン部よりも大きいセラミック部が形成される。このようなセラミック部上に第2のセラミック層を形成するため、得られるセラミックグリーンシートにおいて導体パターン部と第2のセラミック層との間に空隙が発生し難い。
また、本発明のセラミック電子部品の製造方法は、上記セラミックグリーンシートの製造方法により製造されるセラミックグリーンシートを焼成する焼成工程を含む。なお、焼成工程では、上記セラミックグリーンシートの製造方法により製造されるセラミックグリーンシートと、上記セラミックグリーンシートの製造方法以外の製造方法により製造されるセラミックグリーンシートとを組み合わせて焼成するとしてもよい。このセラミック電子部品の製造方法によれば、得られるセラミック電子部品において、導体パターン部と第2のセラミック層との間に空隙が発生し難い。
また、本発明のセラミック電子部品の製造方法は、上記セラミックグリーンシートの製造方法により製造されるセラミックグリーンシートを、基材から剥離し、複数積層することにより積層体を形成する積層体形成工程と、積層体を焼成する焼成工程とを含む。このセラミック電子部品の製造方法によれば、得られる積層型のセラミック電子部品において、導体パターン部と第2のセラミック層との間に空隙が発生し難い。
本発明のセラミックグリーンシートの製造方法及びセラミック電子部品の製造方法によれば、表面に離型処理が施された基材上に形成される導体パターン部とセラミック層との間に空隙が発生し難くなる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
図1(a)〜図1(f)は、実施形態に係るセラミックグリーンシートの製造方法を模式的に示す工程断面図である。図2は、図1(f)に示される工程断面図の他の例を示す工程断面図であり、図1(e)に続く図である。
(離型処理工程)
まず、図1(a)に示されるように、基材1の表面1aに離型処理を施す。これにより、基材1の表面1a上には離型層3が形成される。
基材1は、板状又はフィルム状であり、具体的には、例えばPETフィルムである。基材1の厚さは、25〜100μm程度であると好ましく、例えば50μm程度である。離型処理では、まず、例えば付加反応型のシリコーン樹脂材料をトルエン又はメチルエチルケトンといった溶媒に加え、得られた溶液をバーコート法、グラビアコート法、ドクターブレードコート法等により基材1の表面1a上に塗布する。その後、例えば150℃で30秒間、加熱による乾燥処理を行う。これにより、付加反応型のシリコーン樹脂材料が付加重合すると共に、溶媒が除去される。このようにして、例えば厚さ0.01〜0.1μm程度の離型層3が形成される。なお、用いるシリコーン樹脂材料の種類や使用量等を変えることにより離型層3の性能(離型性)を調整することができる。
(第1のセラミック層形成工程)
次に、図1(b)に示されるように、表面1aに離型処理が施された基材1上に、所定の溶媒に対して可溶性を有するセラミック材料からなる第1のセラミック層5aを形成する。所定の溶媒に対して可溶性を有するセラミック材料としては、例えば、後述する導体パターン部形成工程におけるエッチング液(所定の溶媒)に対して可溶性を有するバインダー樹脂材料を含有するものが挙げられる。エッチング液としては、例えば、アルカリ溶液、アルカリ水溶液、有機溶剤系エッチング液、水系エッチング液等が挙げられる。バインダー樹脂としては、例えば、アルカリ可溶性セルロース誘導体、アルカリ可溶性アクリル樹脂等を主体とするベースポリマーが挙げられる。また、バインダー樹脂として、光重合開始剤を含有しないフォトレジスト(例えばベースポリマー、モノマー、レジン等)を用いるとしてもよい。また、上記セラミック材料は、バインダー樹脂材料に加えて、セラミック粉末及び有機溶剤等を更に含有するセラミックペースト又はセラミックスラリーであることが好ましい。
セラミック層5aの厚さは、使用目的に応じて適宜設定されることが好ましい。セラミック層5aの厚さは、1〜数十μmであることが好ましく、1〜2μmであることが特に好ましい。セラミック層5aを薄くすると、後述する導体パターン部13のエッジの直線性が向上する。
セラミック層5aは、例えば以下のように形成される。まず、塗布コーター(例えばドクターブレードを備えたコーター)を用いて、ペースト状又はスラリー状のセラミック材料を離型層3上に塗布する。なお、塗布コーターに代えて印刷機を用いて、ペースト状又はスラリー状のセラミック材料を離型層3上にパターン印刷するとしてもよい。この場合、基材1の表面1aの全面にセラミック層5aを形成する場合に比べて、セラミック材料の使用量を抑制することができる。さらに、後述する導体パターン部形成工程におけるエッチング液の使用量、処理時間等を少なくできる。よって、例えば高価なセラミック材料やエッチング液を用いる場合には、セラミックグリーンシートの製造コストを低減できる。続いて、通常は加熱による乾燥処理を行うことにより、セラミック材料中の溶剤成分を除去する。
(導体層形成工程)
次に、図1(c)に示されるように、セラミック層5a上に、感光性導電材料からなる導体層13aを形成する。導体層13aは、所定の溶媒に対して可溶性を有する感光性導電材料からなることが好ましい。なお、導体層13aは、セラミック層5a上に部分的に形成されるとしてもよいし、全面に形成されるとしてもよい。セラミック層5aは、導体層13aよりも広い面積にわたって形成されることが好ましい。上記感光性導電材料は、例えば感光性電極材料であり、その場合、導体層13aは電極層となる。
所定の溶媒に対して可溶性を有する感光性導電材料としては、例えば、後述する導体パターン部形成工程における溶媒(現像液又はエッチング液)に対して可溶性を有するネガ型の感光性バインダー樹脂材料を含有するものが挙げられる。溶媒としては、例えば、アルカリ溶液、アルカリ水溶液、有機溶剤系溶媒、水系溶媒等が挙げられる。ネガ型の感光性バインダー樹脂材料は、例えば、紫外線の照射により架橋重合するポリマー又はモノマー、及び重合開始剤等を含有する。感光性導電材料は、ネガ型の感光性バインダー樹脂材料に加えて、金属粒子(例えば、Ag、Ni、Pd、Cu又はAg−Pd合金といったこれらの合金等からなる粒子)及び有機溶剤等を更に含有する感光性導電ペーストであることが好ましい。
導体層13aは、例えば以下のように形成される。まず、印刷機を用いて、ペースト状又はスラリー状の感光性導電材料をセラミック層5a上にパターン印刷する。この場合、セラミック層5a上の全面に導体層13aを形成する場合に比べて、感光性導電材料の使用量を抑制することができる。感光性導電材料は通常高価であるので、セラミックグリーンシートの製造コストを低減できる。さらに、後述する導体パターン部形成工程における溶媒の使用量、処理時間等を少なくできるので、製造コストを一層低減できる。続いて、通常は加熱による乾燥処理を行うことにより、感光性導電材料中の溶剤成分を除去する。また、加熱により感光性導電材料の感光性能を変化又は発現させるとしてもよい。
(露光工程)
次に、図1(d)に示されるように、導体層13aの所定部分13bに露光を施す。本実施形態では、所定のパターン形状を有する光透過部11aと、光透過部11aを取り囲む遮光部11bとを有するマスク11を用いて、導体層13aに紫外線等の光Lを照射する。紫外線は例えば高圧水銀灯から出射される。
導体層13aに照射する光Lとしては、波長が365nmの光(i線)、波長が405nmの光(h線)、波長が436nmの光(g線)、又はこれらの混合光等が挙げられる。また、連続した波長帯を有する光を導体層13aに照射するとしてもよい。
露光法としては、密着露光法、プロキシミティ露光法、プロジェクション露光法等が挙げられる。露光量は、導体層13aに含まれる感光性導電材料の感光性能、導体層13aの厚さ等に応じて適宜調整され、例えば数百〜数千mJ/cmである。また、所望の解像度を得るために、後述の現像処理条件と露光量とを適宜設定することができる。
マスク11としては、例えばガラスマスク、フィルムマスク等のフォトマスクが挙げられる。なお、マスク11を用いずに、導体層13aの所定部分13bにレーザ光を選択的に照射するとしてもよい。レーザ光を照射する際には、レーザ描画装置を好適に用いることができる。
(導体パターン部形成工程)
図1(d)に示される露光工程の後、図1(e)に示されるように、所定の溶媒を用いて、導体層13aを現像することにより導体パターン部13を形成すると共に、セラミック層5aの一部をエッチングすることによりセラミック部5を形成する。本実施形態では、導体パターン部13は、マスク11の光透過部11aに対応するパターン形状を有する。このとき、溶媒は現像液又はエッチング液として機能する。露光が施された導体層13aの所定部分13bでは、感光性導電材料が架橋重合し、溶媒(現像液)に不溶となる。一方、露光が施されていない導体層13aの部分では、感光性導電材料が架橋重合せず、溶媒(現像液)に可溶となる。
上記溶媒としては、例えば、アルカリ溶液、アルカリ水溶液、有機溶剤系溶媒、水系溶媒等が挙げられる。溶媒は、感光性導電材料及びセラミック材料に含まれるバインダー樹脂材料との相溶性を考慮して選択されることが好ましい。一実施例において、溶媒はNaCOの1質量%水溶液である。この場合、まず、溶媒をスプレー圧0.01〜0.3MPaで数十秒〜数分間、セラミック層5a及び導体層13aに吹き付ける。続いて、純水をスプレー圧0.01〜0.3MPaで数十秒〜数分間、セラミック層5a及び導体層13aに吹き付ける。これにより、例えば、感光性導電材料に含まれる感光性樹脂側鎖等にあるカルボキシル基における水素原子(H)が溶媒中のナトリウム原子(Na)と置換されることにより、架橋重合していない部分がOHの存在下で溶解する。
導体パターン部13の厚さは、導体パターン部13の機能に応じて適宜設定されることが好ましい。導体パターン部13をコンデンサに適用する場合、導体パターン部13の厚さは1〜2μmであることが好ましい。導体パターン部13をインダクタに適用する場合、導体パターン部13の厚さは5〜50μmであることが好ましい。導体パターン部13を回路に適用する場合、導体パターン部13の厚さは5〜50μmであることが好ましい。
セラミック部5は、現像処理条件と露光量とを適宜設定することにより形成される。本実施形態では、セラミック部5は導体パターン部13よりも広い面積にわたって形成される。よって、セラミック部5は、導体層13aの厚さ方向から見て導体パターン部13よりも大きい。ここで、セラミック部5が所定の溶媒に対して可溶性を有するセラミック材料からなるので、所定の溶媒に溶解した感光性導電材料がセラミック部5上に残存し難くなる。このため、感光性導電材料がセラミック部5上に残存することによって生じるコンタミネーションやショート等の不具合を防止できる。
(第2のセラミック層形成工程)
次に、図1(f)に示されるように、セラミック部5上に、導体パターン部13を覆うように第2のセラミック層9を形成する。よって、セラミック層9はセラミック部5及び導体パターン部13上に形成される。セラミック層9は、例えば、セラミックスラリーをセラミック部5及び導体パターン部13上に塗布(オーバーコート)することによって形成される。これにより、セラミック部5と導体パターン部13とセラミック層9とを有するセラミックグリーンシート10が離型層3上に形成される。その後、基材1を剥離してもよい。
セラミックグリーンシート10では、基材1の表面1aからのセラミック層9の高さd5を、基材1の表面1aからの導体パターン部13の高さd2以上にすることが好ましい。これにより、セラミックグリーンシート10の表面の段差を小さくし易くなるので、セラミックグリーンシート10を複数積層し易くなる。なお、セラミック層9の高さd5は、導体パターン部13が基材1の表面1aの第1の領域1b上に形成されている場合に、第1の領域1bを取り囲む第2の領域1c上におけるセラミック層9の高さである。
なお、図2に示されるように、セラミック層9に代えてセラミック層91をセラミック部5及び導体パターン部13上に形成するとしてもよい。セラミック層91の厚さは、セラミック層9の厚さよりも厚い。これにより、セラミック部5と導体パターン部13とセラミック層91とを有するセラミックグリーンシート10aが離型層3上に形成される。その後、基材1を剥離してもよい。
本実施形態のセラミックグリーンシートの製造方法では、上述のように、導体パターン部形成工程において、導体層13aの厚さ方向から見て導体パターン部13よりも大きいセラミック部5が形成される。セラミック部5は、導体パターン部13側から基材1に近付くに連れて徐々に広くなる形状を有すると好ましい。このようなセラミック部5上にセラミック層9,91を形成するため、得られるセラミックグリーンシート10,10aにおいて、導体パターン部13及びセラミック部5と、セラミック層9,91との間に空隙c(図9(b)参照)が発生し難い。したがって、空隙cに起因するピンホールの発生も抑制することができる。
また、例えばセラミックスラリーを用いてセラミック層9,91を形成する場合であれば、セラミックスラリーはセラミック部5にはじかれ難い。これは、セラミック部5がポーラスであるために、セラミックスラリー中の溶剤がセラミック部5内に染み込んでいくからと考えられる。よって、セラミックスラリーをセラミック部5上に塗布する際に、セラミックスラリー内に気泡が巻き込まれ難くなる。その結果、空隙cの発生が更に抑制される。
さらに、本実施形態のセラミックグリーンシートの製造方法によれば、導体パターン部13の変形を抑制することによりその形成精度を向上させることができる。
また、本実施形態のセラミックグリーンシートの製造方法では、導体パターン部13上のセラミック層9,91を除去する必要がないので、製造が容易になると共に製造コストを大幅に低減できる。
上記実施形態に係るセラミックグリーンシートの製造方法により製造されるセラミックグリーンシート(例えば、セラミックグリーンシート10,10a)では、上述のように導体パターン部とセラミック層との間に空隙が発生し難い。このようなセラミックグリーンシートを焼成することにより得られるセラミック電子部品では、耐湿性及び耐圧性が向上する。その結果、セラミック電子部品の信頼性が高くなる。
また、上記実施形態に係るセラミックグリーンシートの製造方法により製造されるセラミックグリーンシートを用いてセラミック電子部品を製造すると、セラミック電子部品の製造コストを大幅に低減できる。
セラミック電子部品としては、例えば、回路基板;インダクタ;コンデンサ;バリスタ;NTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタ、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタ等のサーミスタ;アクチュエータ;及びこれらの積層品又は複合部品等が挙げられる。上記積層品としては、例えば多層基板等が挙げられ、上記複合部品としては、例えばLCフィルタ等のフィルタが挙げられる。バリスタやサーミスタの場合、積層数が数十程度と少ないので、セラミックグリーンシートの表面の平坦性はそれ程要求されない。よって、導体パターン部を覆うようにセラミック層が形成されたセラミックグリーンシート(例えばセラミックグリーンシート10,10a)を用いてセラミック電子部品を好適に製造することができる。
図3(a)〜図3(e)は、コンデンサの製造方法の一例を模式的に示す工程断面図である。
(積層体形成工程)
まず、図3(a)に示されるように、上記セラミックグリーンシートの製造方法により製造されるセラミックグリーンシート10を複数積層し、これらの上にセラミックグリーンシート10aを更に積層することにより、積層体90を形成する。セラミックグリーンシート10,10aは、予め基材1から剥離されている。積層体90の最外層となるセラミック層91及びセラミック部5の厚さは、他のセラミック層9及びセラミック部5の厚さよりも厚く設定されることが好ましい。
(プレス・切断工程)
次に、必要に応じて、積層体90を積層方向にプレスし、図3(b)に示される積層体100を得る。積層体100の端面93を切断除去することにより、図3(c)に示される積層体110が得られる。
(焼成工程)
次に、積層体110を焼成することにより、図3(d)に示される焼成体120が得られる。焼成体120は、例えば、板状の導体部27と、導体部27を取り囲むセラミック部25とからなる。焼成体120の側面29には導体部27が露出している。導体部27は、コンデンサの電極板として機能する。
(端子形成工程)
次に、焼成体120の側面29上に一対の端子121を形成することにより、導体部27と端子121とを電気的に接続する。これにより、図3(e)に示される積層型のコンデンサ130が得られる。
図4(a)〜図4(e)は、コンデンサの製造方法の他の例を模式的に示す工程断面図である。
(積層体形成工程)
まず、図4(a)に示されるように、セラミックグリーンシート101上に、上記セラミックグリーンシートの製造方法により製造されるセラミックグリーンシート10を複数積層し、これらのセラミックグリーンシート10上に更なるセラミックグリーンシート101を積層することにより、積層体90aを形成する。セラミックグリーンシート10は、予め基材1から剥離されている。セラミックグリーンシート101は、例えばセラミック材料からなる。
(プレス・切断工程)
次に、必要に応じて、積層体90aを積層方向にプレスし、図4(b)に示される積層体100aを得る。積層体100aの端面93aを切断除去することにより、図4(c)に示される積層体110aが得られる。
(焼成工程)
次に、積層体110aを焼成することにより、図4(d)に示される焼成体120aが得られる。焼成体120aは、例えば、板状の導体部27aと、導体部27aを取り囲むセラミック部25aとからなる。焼成体120aの側面29aには導体部27aが露出している。導体部27aは、コンデンサの電極板として機能する。
(端子形成工程)
次に、焼成体120aの側面29a上に一対の端子121aを形成することにより、導体部27aと端子121aとを電気的に接続する。これにより、図4(e)に示される積層型のコンデンサ130aが得られる。
図5(a)、図5(b)及び図6(a)〜図6(c)は、コンデンサアレイの製造方法の一例を模式的に示す工程断面図である。
(積層体形成工程)
まず、図5(a)に示されるように、複数のセラミックグリーンシート7と、上記セラミックグリーンシートの製造方法により製造されるセラミックグリーンシート10aとを交互に積層することにより、積層体90bを形成する。セラミックグリーンシート10aは、予め基材1から剥離されている。セラミックグリーンシート7は、図1(e)にも示されるように、セラミック部5と導体パターン部13とを有する。セラミックグリーンシート7に代えて、セラミック層上に導体パターン部が形成された通常のセラミックグリーンシートを使用してもよい。積層体90bの最外層となるセラミック層91及びセラミック部5の厚さは、他のセラミック部5の厚さよりも厚く設定されることが好ましい。
(プレス・切断工程)
次に、必要に応じて、積層体90bを積層方向にプレスし、図5(b)に示される積層体100bを得る。積層体100bの端面93bを切断除去することにより、図6(a)に示される積層体110bが得られる。
(焼成工程)
次に、積層体110bを焼成することにより、図6(b)に示される焼成体120bが得られる。焼成体120bは、例えば、板状の導体部27bと、導体部27bを取り囲むセラミック部25bとからなる。焼成体120bの側面29bには導体部27bが露出している。導体部27bは、コンデンサの電極板として機能する。
(端子形成工程)
次に、焼成体120bの側面29b上に複数対の端子121bを形成することにより、導体部27bと端子121bとを電気的に接続する。これにより、図6(c)に示される積層型のコンデンサアレイ130bが得られる。
図7(a)、図7(b)及び図8(a)〜図8(c)は、フィルタの製造方法の一例を模式的に示す工程断面図である。
(積層体形成工程)
まず、図7(a)に示されるように、複数のセラミックグリーンシート103上に上述の積層体90を積層し、積層体90上に複数のセラミックグリーンシート103を積層することにより、積層体90cを形成する。セラミックグリーンシート103は、例えばセラミック材料からなる。セラミックグリーンシート103上又はその内部には、インダクタのコイルを形成するための導体パターン層105が形成されている。
(プレス・切断工程)
次に、必要に応じて、積層体90cを積層方向にプレスし、図7(b)に示される積層体100cを得る。積層体100cの端面93cを切断除去することにより、図8(a)に示される積層体110cが得られる。
(焼成工程)
次に、積層体110cを焼成することにより、図8(b)に示される焼成体120cが得られる。焼成体120cは、例えば、コイル状の導体部27cと、板状の導体部28cと、導体部27c,28cを取り囲むセラミック部25cとからなる。焼成体120cの側面29cには導体部27c,28cが露出している。導体部28cはコンデンサの電極板として機能し、導体部27cはインダクタのコイルとして機能する。
(端子形成工程)
次に、焼成体120cの側面29c上に複数対の端子121cを形成することにより、導体部28cと端子121cとを電気的に接続すると共に、導体部27cと端子121cとを電気的に接続する。これにより、図8(c)に示される積層型のフィルタ130cが得られる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態ではセラミックグリーンシート10又はセラミックグリーンシート10aを複数積層して積層体90,90a,90b,90cを形成するとしたが、1枚のセラミックグリーンシート10又はセラミックグリーンシート10aを焼成することによりセラミック電子部品を製造するとしてもよい。
また、本実施形態のセラミックグリーンシートの製造方法により製造されたセラミックグリーンシートを少なくとも1枚含む積層体を形成し、当該積層体を焼成することにより積層型のセラミック電子部品を製造するとしてもよい。
図1(a)〜図1(f)は、実施形態に係るセラミックグリーンシートの製造方法を模式的に示す工程断面図である。 図1(f)に示される工程断面図の他の例を示す工程断面図である。 図3(a)〜図3(e)は、コンデンサの製造方法の一例を模式的に示す工程断面図である。 図4(a)〜図4(e)は、コンデンサの製造方法の他の例を模式的に示す工程断面図である。 図5(a)及び図5(b)は、コンデンサアレイの製造方法の一例を模式的に示す工程断面図である。 図6(a)〜図6(c)は、コンデンサアレイの製造方法の一例を模式的に示す工程断面図である。 図7(a)及び図7(b)は、フィルタの製造方法の一例を模式的に示す工程断面図である。 図8(a)〜図8(c)は、フィルタの製造方法の一例を模式的に示す工程断面図である。 図9(a)及び図9(b)は、セラミックグリーンシートの製造方法を模式的に示す工程断面図である。
符号の説明
1a…表面、1…基材、3…離型層、5a…セラミック層(第1のセラミック層)、5…セラミック部、11…マスク、L…光、13a…導体層、13b…導体層の所定部分、13…導体パターン部、9,91…セラミック層(第2のセラミック層)、10,10a…セラミックグリーンシート、90,90a,90b,90c…積層体、130,130a…コンデンサ(セラミック電子部品)、130b…コンデンサアレイ(セラミック電子部品)、130c…フィルタ(セラミック電子部品)。

Claims (3)

  1. 表面に離型処理が施された基材上に、所定の溶媒に対して可溶性を有する第1のセラミック層を形成する第1のセラミック層形成工程と、
    前記第1のセラミック層上に、感光性導電材料からなる導体層を形成する導体層形成工程と、
    前記導体層の所定部分に露光を施す第1の露光工程と、
    前記第1の露光工程の後、前記所定の溶媒を用いて前記導体層を現像することにより導体パターン部を形成すると共に、前記第1のセラミック層の一部をエッチングすることによりセラミック部を形成する導体パターン部形成工程と、
    前記セラミック部上に、前記導体パターン部を覆うように第2のセラミック層を形成する第2のセラミック層形成工程と、を含む、セラミックグリーンシートの製造方法。
  2. 請求項1に記載のセラミックグリーンシートの製造方法により製造されるセラミックグリーンシートを焼成する焼成工程を含む、セラミック電子部品の製造方法。
  3. 請求項1に記載のセラミックグリーンシートの製造方法により製造されるセラミックグリーンシートを、前記基材から剥離し、複数積層することにより積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記積層体を焼成する焼成工程と、
    を含む、セラミック電子部品の製造方法。
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