JP2006249274A - 2液型ポリウレタン組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】反応速度を抑制することができる2液型ポリウレタン組成物の提供。
【解決手段】ウレタンプレポリマーを含む主剤と、硬化剤と、前記主剤および前記硬化剤の一方または両方に含有される2液型ポリウレタン組成物用遅延剤とを含有する2液型ポリウレタン組成物であって、前記2液型ポリウレタン組成物用遅延剤が、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、前記N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の量が、前記N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種以外の成分100質量部に対して、0.5〜10質量部である2液型ポリウレタン組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、2液型ポリウレタン組成物に関する。
近年、ポリウレタンよりなる塗膜(ウレタン塗膜)は、接着性、柔軟性、耐候性等に優れることから、土木建築分野で、防水材、塗床材、注型用材料、シーリング材、接着剤等として幅広く使用されている。このうちの防水材用のポリウレタン組成物については、2液型のポリウレタン組成物が多く用いられている。
2液型ポリウレタン防水材用組成物としては、例えば、特許文献1に記載されている二液常温硬化型防水材組成物が挙げられる。特許文献1に記載されている二液常温硬化型防水材組成物は、トリレンジイソシアネートとポリオールとの反応で得られるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを主成分とする主剤と、トルエンジアミン構造を有するジアミン化合物、分子量700以下の2官能ポリプロピレングリコールおよび酸触媒を主成分とする硬化剤とからなり、該ウレタンプレポリマーが、トリレンジイソシアネートとポリオールとを、当量比でNCO基/OH基=1.5〜2.1の範囲で反応させてなり、該ウレタンプレポリマーのNCO%が1.5〜6.0重量%であり、該硬化剤中のトルエンジアミン構造を有するジアミン化合物の含有量が、該ウレタンプレポリマーに対し、当量比でNCO基/NH2基=0.8〜3.0であり、分子量700以下の2官能ポリプロピレングリコールの含有量が該ウレタンプレポリマーに対し、当量比でNCO基/OH基=1.1〜10.0であり、酸触媒の含有量が該硬化剤の0.05〜5重量%である二液常温硬化型防水材組成物である。
特開2002−20727号公報
しかし、本発明者が検討した結果、特許文献1に記載されている二液常温硬化型防水材組成物を夏期のように高い温度の環境下で施工した場合、二液常温硬化型防水材組成物の反応速度が速くなり、粘度の上昇を抑えられないという問題があることが分かった。このことから、本発明者は、特許文献1に記載されている二液常温硬化型防水材組成物の反応速度の抑制について向上させる余地があることを見出した。
従来の2液型ポリウレタン組成物の反応速度を抑制し、反応を遅延させる方法としては、例えば、イソシアネート基をブロック剤でブロック化したブロックイソシアネート化合物を用いる方法が挙げられる。この方法では、ブロック剤がブロックイソシアネート化合物から解離するまで2液型ポリウレタン組成物の反応が抑制される。しかし、ブロックイソシアネート化合物からブロック剤が解離する温度は一般的に100℃以上であり、2液型ポリウレタン組成物をこのような高温まで加熱する必要があるため、ブロックイソシアネート化合物を含有する2液型ポリウレタン組成物は、実用的ではない場合がある。
従って、本発明は、反応速度を抑制することができる2液型ポリウレタン組成物の提供を目的とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種が、2液型ポリウレタン組成物の反応速度を抑制することができることを知見し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(3)を提供する。
(1)N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する2液型ポリウレタン組成物用遅延剤。
(2)ウレタンプレポリマーを含む主剤と、硬化剤と、前記主剤および前記硬化剤の一方または両方に含有される上記(1)に記載の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤とを含有する2液型ポリウレタン組成物であって、
前記N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の量が、前記N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種以外の成分100質量部に対して、0.5〜10質量部である2液型ポリウレタン組成物。
(3)ウレタンプレポリマーを含む主剤と、硬化剤とを含有する2液型ポリウレタン組成物に、上記(1)に記載の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を添加して混合物を得る混合工程と、
前記混合物を施工する施工工程とを具備する、2液型ポリウレタン組成物の施工方法。
本発明の2液型ポリウレタン組成物は、反応速度を抑制することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤について説明する。
本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤は、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する2液型ポリウレタン組成物用遅延剤である。
本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤は、2液型ポリウレタン組成物の反応速度を抑制し、反応を遅延させるものである。2液型ポリウレタン組成物の反応としては、例えば、ウレタンプレポリマーに含有されるイソシアネート基と硬化剤(例えば、ポリオール化合物、ポリアミン化合物)に含有されるヒドロキシ基、アミノ基等との反応が挙げられる。
N−メチル−2−ピロリドンは、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 2006249274
N−メチル−2−ピロリドンは、その製造について、特に制限されない。また、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、三菱化学社製のN−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンは、下記式(2)で表される化合物である。
Figure 2006249274
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンは、その製造について、特に制限されない。また、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、三井化学社製のジメチルイミダゾリジノン、川研ファインケミカル社製の1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが挙げられる。
ジメチルスルホキシドは、(CH32S=Oで表される化合物である。ジメチルスルホキシドは、その製造について、特に制限されない。また、市販品を使用することができる。
N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、および、ジメチルスルホキシドは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤は、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するものであれば特に制限されない。必要に応じ、本発明の目的を損なわない範囲で添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、充填剤、硬化触媒(硬化促進剤)、潜在性硬化剤、溶剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、難燃剤、補強剤、接着性付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、揺変性付与剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、防錆剤、帯電防止剤、中空球状体(バルーン)が挙げられる。添加剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
溶剤としては、例えば、ミネラルスピリット、キシレン、メチルエチルケトンが挙げられる。溶剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
溶剤の量は、2液型ポリウレタン組成物用遅延剤中、1〜99質量%であるのが好ましく、10〜90質量%であるのがより好ましい。このような範囲の場合、混合性に優れるため2液型ポリウレタン組成物を均一にする効果を発揮することができる。
また、溶剤を使用する場合、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の量は、2液型ポリウレタン組成物用遅延剤中、1〜99質量%であるのが好ましく、10〜90質量%であるのがより好ましい。このような範囲の場合、混合性に優れるため2液型ポリウレタン組成物を均一にする効果を発揮することができる。
本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤が、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種と添加剤とを含有する場合、その調製については、特に制限されない。
本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤が用いられる2液型ポリウレタン組成物は、特に制限されず、例えば、ウレタンプレポリマーを含む主剤と、硬化剤とを含有するものが挙げられる。主剤および硬化剤の具体例については、本発明の2液型ポリウレタン組成物において述べる。
本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤は、その使用方法について、特に制限されない。例えば、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を2液型ポリウレタン組成物中に予め含有させる方法、施工時に本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を2液型ポリウレタン組成物(例えば、従来公知のもの)に添加して混合物とする方法、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を2液型ポリウレタン組成物中に予め含有させ、施工時にさらに本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を2液型ポリウレタン組成物に添加して混合物とする方法が挙げられる。
本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を2液型ポリウレタン組成物中に予め含有させる場合、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤は、2液型ポリウレタン組成物の主剤および硬化剤の一方または両方に含有できる。
また、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を2液型ポリウレタン組成物中に予め含有させる場合、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を脱水したものを使用するのが好ましい態様の1つである。
本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を脱水する方法は、特に制限されず、例えば、モレキュラーシーブのような乾燥剤を用いて本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を脱水する方法が挙げられる。
脱水された2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を主剤に含有させるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。このような場合、脱水された2液型ポリウレタン組成物用遅延剤の量は、主剤に含まれるウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.5〜10質量部であるのが好ましく、1〜5質量部がより好ましく、1〜3質量部がさらに好ましい。このような範囲の場合、反応速度の抑制と硬化性とのバランスが良く、発泡しにくい。
また、脱水された2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を、貯蔵安定性の観点から、硬化剤に含有させるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の量は、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種以外の2液型ポリウレタン組成物の成分100質量部に対して、0.5〜10質量部であるのが好ましく、1〜5質量部であるのがより好ましく、1〜3質量部であるのがさらに好ましい。このような範囲である場合、2液型ポリウレタン組成物の反応速度をより効果的に抑制することができ、硬化性に優れ、発泡しにくい。
本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を含有する2液型ポリウレタン組成物や、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤と2液型ポリウレタン組成物との混合物は、通常主剤と硬化剤とを混合することにより、ウレタンプレポリマーと硬化剤とが反応して硬化し硬化物となる。このとき、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤は、2液型ポリウレタン組成物や混合物の反応速度を抑制し、反応を遅延させる。特に、2液型ポリウレタン組成物や混合物を使用する環境が高温であったり、用いる材料の温度が高い場合、効果的に反応速度を抑制することができる。また、このようなことから、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を用いることにより2液型ポリウレタン組成物や混合物の可使時間を確保することができる。
また、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を含有する2液型ポリウレタン組成物や、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤と2液型ポリウレタン組成物との混合物は、従来の2液型ポリウレタン組成物の硬化時間と同等またはより短い硬化時間で硬化することができる。そして、得られる硬化物の表面は、ベタつきがなく硬化性に優れる。
さらに、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を含有する2液型ポリウレタン組成物や、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤と2液型ポリウレタン組成物との混合物から得られる硬化物には、発泡がほとんどない。これまで、2液型ポリウレタン組成物の反応を遅らせると、反応は水の影響を受けて発泡しやすくなるという問題があった。このような問題に対し、本発明者は、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤が、2液型ポリウレタン組成物の反応を遅延させることができ、その上、発泡がほとんどないことを発見したのである。
次に、本発明の2液型ポリウレタン組成物について説明する。
本発明の2液型ポリウレタン組成物は、
ウレタンプレポリマーを含む主剤と、硬化剤と、前記主剤および前記硬化剤の一方または両方に含有される本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤とを含有する2液型ポリウレタン組成物であって、
前記N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の量が、前記N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種以外の成分100質量部に対して、0.5〜10質量部である2液型ポリウレタン組成物である。
ウレタンプレポリマーについて、以下に説明する。
ウレタンプレポリマーは、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物とを反応させて得られる反応生成物であって、イソシアネート基を分子末端に含有するポリマーである。
ポリイソシアネート化合物は、特に限定されず、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリデンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)のような芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)のような脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6XDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)のような脂環式ポリイソシアネート;上記の各ポリイソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシアネート、または、これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネート化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオール化合物は、特に限定されず、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、および、これらの混合ポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン、4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールから選ばれる少なくとも1種に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等から選ばれる少なくとも1種を付加させて得られるポリオール;ポリオキシテトラメチレンオキサイドが挙げられる。
上記の多価アルコールから選ばれる少なくとも1種に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等から選ばれる少なくとも1種を付加させて得られるポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオール、ポリグリセリン、ポリトリメチロールプロパン、ポリヘキサントリオール、ポリブタンジオール、ポリジヒドロキシフェニルメタン、ポリジヒドロキシフェニルプロパンが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、その他の低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、その他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンのような開環重合体が挙げられる。
その他のポリオールとしては、例えば、ポリマーポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール;アクリルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールのような低分子ポリオールが挙げられる。
これらのポリオール化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
ポリオール化合物とイソシアネート化合物との組み合わせは、特に限定されない。ポリオール化合物のそれぞれと、イソシアネート化合物のそれぞれとを任意の組み合わせで用いることができる。中でも、ポリエチレングリコール、および、ポリプロピレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種と、TDI、および、MDIからなる群から選ばれる少なくとも1種とから得られるウレタンプレポリマーが、入手の容易さの点から好ましい。
ウレタンプレポリマーは、その製造について特に限定されない。例えば、反応温度を50〜100℃程度とし、常圧下でポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させてウレタンプレポリマー得る方法が挙げられる。また、有機スズ化合物、有機ビスマス化合物のようなウレタン化触媒を用いることができる。
ウレタンプレポリマーの製造において、ポリオール化合物のヒドロキシ基に対するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が1.4〜3.0であるのが好ましく、1.7〜2.5であるのがより好ましい。NCO/OHがこのような範囲である場合、ポリイソシアネート化合物の残存による発泡や、分子鎖の延長に起因するウレタンプレポリマーの粘度の増加がなく、本発明の2液型ポリウレタン組成物から得られる硬化物の物性が良好となる。
ウレタンプレポリマーは、本発明の効果を損なわない範囲でブロックイソシアネート基を含有することができる。ここで、「ブロックイソシアネート基」とは、イソシアネート基を保護基でブロックした基であって、熱、湿気等により保護基が外れてイソシアネート基を発生しうる基をいう。ブロックイソシアネート基としては、例えば、イソシアネート基を、アルコール類、フェノール類、オキシム類、ピラゾール類、トリアゾール類、カプロラクタム類のようなブロック剤でブロックした基が挙げられる。
ウレタンプレポリマーのイソシアネート基のブロック化率は特に限定されない。用途、硬化後の物性等に応じて、イソシアネート基の一部をブロック剤で保護することができる。
ウレタンプレポリマーは、取扱い性の観点から室温で液状であるのが好ましい。また、ウレタンプレポリマーは、イソシアネート基のほかに、例えば、ヒドロキシ基、酸無水物基、アミノ基、潜在性アミノ基、メルカプト基、カルボキシ基のような基を分子内に有することができる。これらのようなイソシアネート基と反応し架橋できる基を有する場合、本発明の2液型ポリウレタン組成物から得られる硬化物の架橋密度が向上し、物性に優れる。
硬化剤について、以下に説明する。
本発明の2液型ポリウレタン組成物に使用される硬化剤は、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物であれば特に制限されず、例えば、分子内にアミノ基を2つ以上有するポリアミン化合物、分子内にヒドロキシ基を2つ以上有するポリオール化合物が挙げられる。
ポリアミン化合物としては、例えば、分子内にアミノ基を2つ有するアミン化合物(脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン等)、分子内にアミノ基を3つ以上有するアミン化合物が挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン、メタキシリレンジアミン(MXDA)が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、例えば、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,2′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,3−トリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,5−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、3,4−トリレンジアミンが挙げられる。
分子内にアミノ基を3つ以上有するアミン化合物としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンが挙げられる。
分子内にヒドロキシ基を2つ以上有するポリオール化合物としては、例えば、上記のウレタンプレポリマーの原料として使用されているポリオール化合物と同様のものが挙げられる。
中でも、MOCA、ポリプロピレングリコールが好ましい。硬化剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
硬化剤の量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、5〜30質量部であるのが好ましい。硬化剤の量がこのような範囲の場合、可使時間が十分確保でき、充填材、可塑剤、添加剤の量の調節、粘度の調節、硬化時間の調節がしやすい。
2液型ポリウレタン組成物用遅延剤について、以下に説明する。
本発明の2液型ポリウレタン組成物に使用される2液型ポリウレタン組成物用遅延剤は、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤である。使用される2液型ポリウレタン組成物用遅延剤は、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する遅延剤である。2液型ポリウレタン組成物用遅延剤の詳細は、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤と同様である。2液型ポリウレタン組成物用遅延剤は、主剤および硬化剤の一方または両方に含有される。
N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の量は、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種以外の成分100質量部に対して、0.5〜10質量部である。このような範囲の場合、2液型ポリウレタン組成物の反応速度を抑制することができ、硬化性に優れ、発泡しにくい。また、2液型ポリウレタン組成物の反応速度をより効果的に抑制し、硬化性により優れ、より発泡しにくいという点から、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の量は、1〜5質量部であるのが好ましく、1〜3質量部であるのがより好ましい。
ここで「N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種以外の成分」は、本発明の2液型ポリウレタン組成物に含有される、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種以外の成分をいう。N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種以外の成分には、本発明の2液型ポリウレタン組成物の必須成分であるウレタンプレポリマーおよび硬化剤が含まれる。また、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種以外の成分としては、ウレタンプレポリマーおよび硬化剤のほかに、例えば、添加剤が挙げられる。
添加剤として、例えば、充填剤、硬化触媒(硬化促進剤)、潜在性硬化剤、溶剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、難燃剤、補強剤、接着性付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、揺変性付与剤、界面活性剤(レベリング剤を含む。)、分散剤、脱水剤、防錆剤、帯電防止剤が挙げられる。添加剤は、2液型ポリウレタン組成物に通常用いられるものを通常の含有量で用いることができる。添加剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。添加剤は、通常、硬化剤に含有させるが、用途や必要に応じて、主剤に含有させることもできる。
充填剤としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、ケイ酸誘導体、タルク、金属粉、炭酸カルシウム、クレーが挙げられる。充填剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。充填剤の量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、50〜90質量部であるのが好ましく、60〜80質量部であるのがより好ましい。充填剤の量がこのような範囲の場合、2液型ポリウレタン組成物の粘度やその他の物性の調節が容易となる。
硬化触媒としては、例えば、有機金属系触媒、第三級アミンが挙げられる。
有機金属系触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズラウレート、オクチル酸亜鉛、有機ビスマス化合物が挙げられる。
第三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンが挙げられる。
硬化触媒は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。硬化触媒の量は、硬化性、可使時間(ワークライフ)の観点から、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.5〜5質量部であるのが好ましく、1〜3質量部であるのがより好ましい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、トリメリット酸エステル、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステルが挙げられる。可塑剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。可塑剤の量は、作業性および硬化性の観点から、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、5〜200質量部であるのが好ましく、20〜100質量部であるのがより好ましく、10〜50質量部であるのがさらに好ましい。
潜在性硬化剤としては、例えば、ポリアミンとカルボニル化合物との反応物であるケチミン類、エナミン類、ポリアミンとアルデヒド化合物との反応物であるアルジミン類、アミノアルコールとカルボニル化合物との反応物であるオキサゾリジン類が挙げられる。
顔料は、無機顔料と有機顔料とに大別される。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイドーポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
接着性付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂が挙げられる。
本発明の2液型ポリウレタン組成物において、2液型ポリウレタン組成物用遅延剤は、ウレタンプレポリマーを含む主剤および硬化剤の一方または両方に含有される。
2液型ポリウレタン組成物用遅延剤は、脱水したものを使用するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を脱水する方法は、特に制限されず、例えば、モレキュラーシーブのような乾燥剤を用いて本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を脱水する方法が挙げられる。
脱水された2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を主剤に含有させるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。このような場合、脱水された2液型ポリウレタン組成物用遅延剤の量は、主剤に含まれるウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.5〜10質量部であるのが好ましく、1〜5質量部がより好ましく、1〜3質量部がさらに好ましい。このような範囲の場合、反応速度の抑制と硬化性とのバランスが良く、発泡しにくい。
また、脱水された2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を、貯蔵安定性の観点から、硬化剤に含有させるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
本発明の2液型ポリウレタン組成物は、ウレタンプレポリマーを含む主剤と、硬化剤とを別々に調製した後、使用時にこれらを混合することにより得られる。主剤および硬化剤の調製方法は、特に限定されない。例えば、ウレタンプレポリマーを含む主剤と、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を含有する硬化剤とをそれぞれ用意し、これらに任意成分を添加した後充分に混練する方法が挙げられる。混練後、主剤および硬化剤は、各々別の密閉容器で保存し、使用時に主剤と硬化剤とを充分に混合して使用することができる。上記のような2液型ポリウレタン組成物は、主剤中のイソシアネート基と硬化剤中のヒドロキシ基および/またはアミノ基とが反応してウレタン結合および/またはウレア結合することで架橋し、硬化する。
また、本発明の2液型ポリウレタン組成物は、これにさらに本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を添加して混合物として使用することができる。このような場合、本発明の2液型ポリウレタン組成物に添加するN−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の量は、本発明の2液型ポリウレタン組成物100質量部に対し、0.5〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましく、1〜3質量部がより好ましい。このような範囲の場合、反応速度を抑制し、硬化性に優れ、発泡しにくい。
本発明の2液型ポリウレタン組成物は、その用途としては、特に制限されない。例えば、防水材、塗床材、注型用材料、シーリング材、接着剤、注入剤が挙げられる。
本発明の2液型ポリウレタン組成物を防水材として使用する場合、例えば、建築物の外壁(例えば、屋上の床面、壁面、ベランダ、開放廊下)、室内(例えば、床面、壁、天井)、道路の舗装面用に用いることができる。
また、本発明の2液型ポリウレタン組成物を防水材として使用する場合、硬化剤は、ポリオール化合物とポリアミン化合物とを含有するのが、可使時間、硬化性、物性の観点から好ましい。具体的なポリオール化合物およびポリアミン化合物は、上記と同様である。
本発明の2液型ポリウレタン組成物を防水材として使用する場合、好ましいポリオール化合物としては、例えば、ポリプロピレングリコールが挙げられる。ポリオール化合物の量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、5〜30質量部であるのが好ましい。このような範囲の場合、作業性(可使時間)、硬化性、物性に優れる。
本発明の2液型ポリウレタン組成物を防水材として使用する場合、好ましいポリアミン化合物としては、例えば、3,3′−ジクロロ−4,4′ジアミノジフェニルメタン(MOCA)が挙げられる。ポリアミン化合物の量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、2〜15質量部であるのが好ましい。このような範囲の場合、作業性(可使時間)、硬化性、物性に優れる。
また、本発明の2液型ポリウレタン組成物をシーリング材として使用する場合、硬化剤は、ポリオール化合物を含有するのが、可使時間、硬化性の観点から好ましい。具体的なポリオール化合物は、上記と同様である。
本発明の2液型ポリウレタン組成物をシーリング材として使用する場合の好ましいポリオール化合物としては、例えば、ポリプロピレングリコールが挙げられる。ポリオール化合物の量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、10〜80質量部であるのが好ましい。このような範囲の場合、作業性(可使時間)、硬化性、物性に優れる。
本発明の2液型ポリウレタン組成物において、使用される2液型ポリウレタン組成物用遅延剤は、本発明の2液型ポリウレタン組成物の反応速度を抑制することができる。特に、2液型ポリウレタン組成物を使用する環境が夏期のように高温(例えば、25〜40℃)であったり、使用する材料の温度が高い場合、効果的に反応速度を抑制することができる。また、本発明の2液型ポリウレタン組成物は、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を含有することによって、粘度の上昇を抑えることができ、可使時間を十分に確保することができる。
また、本発明の2液型ポリウレタン組成物は、従来の2液型ポリウレタン組成物の硬化時間と同等またはより短い硬化時間で硬化することができる。従って、例えば、本発明の2液型ポリウレタン組成物を施工した場合、翌日には硬化物が十分硬化し、次の作業を行うことができるので、作業の効率性に優れる。また、得られる硬化物の表面にベタつきがないので、硬化性に優れる。
さらに、2液型ポリウレタン組成物から得られる硬化物には発泡がほとんどない。これまで、2液型ポリウレタン組成物の反応を遅らせると、反応は水の影響を受けて発泡しやすいという問題があった。このような問題に対し、本発明者は、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤が、2液型ポリウレタン組成物の反応を遅延させる上、発泡がほとんどないことを発見したのである。
次に、本発明の2液型ポリウレタン組成物の施工方法について説明する。
本発明の2液型ポリウレタン組成物の施工方法は、ウレタンプレポリマーを含む主剤と、硬化剤とを含有する2液型ポリウレタン組成物に、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を添加して混合物を得る混合工程と、
前記混合物を施工する施工工程とを具備する、2液型ポリウレタン組成物の施工方法である。
本発明の2液型ポリウレタン組成物の施工方法において、使用される2液型ポリウレタン組成物用遅延剤は、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤である。使用される2液型ポリウレタン組成物用遅延剤は、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する。使用される2液型ポリウレタン組成物用遅延剤の詳細は、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤と同様である。
本発明の2液型ポリウレタン組成物の施工方法に使用される2液型ポリウレタン組成物は、ウレタンプレポリマーを含む主剤と硬化剤とを含有するものであれば特に限定されない。このような2液型ポリウレタン組成物としては、例えば、上記の本発明の2液型ポリウレタン組成物、従来公知の2液型ポリウレタン組成物が挙げられる。
2液型ポリウレタン組成物に含有される成分は、例えば、本発明の2液型ポリウレタン組成物に含有される成分と同様の成分を含有することができる。また、使用される2液型ポリウレタン組成物は、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を含んでも含まなくてもよい。
混合工程について以下に説明する。
混合工程では、ウレタンプレポリマーを含む主剤と、硬化剤とを含有する2液型ポリウレタン組成物に、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を添加して混合物が得られる。
混合工程において、使用されるN−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の量は、2液型ポリウレタン組成物100質量部に対し、0.5〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましく、1〜3質量部がより好ましい。このような範囲の場合、混合物は、反応速度が抑制され、硬化性に優れ、発泡しにくい。
2液型ポリウレタン組成物と、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤との混合方法は、特に限定されない。2液型ポリウレタン組成物と、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤とを、例えば、電動かくはん機を用いて施工現場で十分にかくはんし、均一に混合する方法が挙げられる。このように、本発明の2液型ポリウレタン組成物の施工方法は、施工現場で本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を2液型ポリウレタン組成物に添加し、混合物の反応速度を調節することができる。
次に、施工工程において上記の混合物を施工する。
混合物の施工方法は、特に限定されない。例えば、ゴムベラ、左官ごて、刷毛、ローラーを用いて行う方法が挙げられる。
混合物は、例えば、コンクリート、モルタル、プラスチック、陶器、金属、木材のような下地に施工することができる。
下地に混合物を施工する回数は、特に制限されない。例えば、2回以上であるのが好ましい態様の1つである。
混合物を下地に塗布する場合、得られる塗膜の厚さは、2〜6mmであるのが好ましい。
なお、混合物を下地に施工する前に、下地にプライマー処理を施すことができる。使用されるプライマーは特に限定されない。また、混合物を施工した後、保護仕上げ層を施工することができる。保護仕上げ層は、特に制限されない。
本発明の2液型ポリウレタン組成物の施工方法において、2液型ポリウレタン組成物に遅延剤としてN−メチル−2−ピロリドンおよび/または1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを添加することにより、混合物の反応速度を抑制することができる。得られる混合物は、可使時間が確保され、硬化時間が短く、硬化性が良好で、発泡しにくい。特に、混合物が夏期のように高温(例えば、25〜40℃)の環境下で使用される場合や混合物の温度が高い場合、混合物は、反応速度が効果的に抑制され、粘度の上昇が抑制され流動性が保たれる。従って、このような混合物を施工することにより得られる硬化物は、平坦で仕上がりに優れる。
本発明の2液型ポリウレタン組成物の施工方法は、その用途としては、例えば、防水材、シーリング材、塗床材、接着剤が挙げられる。
防水材としては、例えば、建築物の外壁用(例えば、屋上の床面、壁面、ベランダ、開放廊下)、室内用(例えば、床面、壁、天井)、道路の舗装面用に用いることができる。
シーリング材としては、例えば、建築用シーリング材、土木用シーリング材が挙げられる。建築用シーリング材としては、例えば、2液型ポリウレタン組成物を下地層とし表面に仕上げ塗料層を有する表面塗装シーリング材が挙げられる。
以下、本発明を実施例に従ってより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
第1表に示す2液型ポリウレタン組成物と各化合物との混合物(単位は質量部)について、下記の各評価方法に従って可使時間、硬化性、発泡性を評価した。結果を第1表に示す。
(1)可使時間
第1表に示された2液型ポリウレタン組成物と各化合物とを、35℃、湿度70%RHで、電動かくはん機を用いて均一に混合し、混合物とした。混合完了後から、混合物の粘度が30Pa・Sに達するまでの時間を測定した。
また、実施例1および比較例2で得られた混合物については、混合完了時、混合完了から60分後、および、120分後の粘度を測定した。結果を第2表に示す。第2表中、0分は混合完了時、60分は混合完了から60分後、および、120分は混合完了から120分後の意味である。また、第2表中の[]内の数値は、各実施例および比較例において、混合完了時の粘度に対する混合開始から60分後または120分後の粘度の比の値である。
(2)硬化性
第1表に示された2液型ポリウレタン組成物と各化合物とを均一に混合し、混合物とした後、得られた混合物をスレート板に塗布(塗布量:湿質量で2.5kg/m2相当)して試験片を作製した。この試験片を実験室雰囲気(23℃、湿度50%RH)で15時間養生させた後、表面のベタつき度合いを指触により評価した。ベタつきがなかった場合を○とし、ややベタつきがあった場合を△とし、ベタつきが強かった場合を×とした。
(3)発泡性
第1表に示された2液型ポリウレタン組成物と各化合物とを環境試験室雰囲気下(35℃、湿度70%RH)で均一に混合し、混合物とした後、得られた混合物をスレート板に塗布(塗布量:2.5kg/m2相当)して試験片を作製した。この試験片を環境試験室雰囲気(35℃、湿度70%RH)で18時間養生させた。この後、発泡の度合いを目視により評価した。発泡が確認されなかった場合を○とし、やや発泡があった場合を△とした。
Figure 2006249274
第1表に示された各化合物の詳細は以下のとおりである。
・2液型ポリウレタン組成物:A剤としてウレタンプレポリマー100質量部を含み、B剤としてポリプロピレングリコール15質量部、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)5質量部、炭酸カルシウム64.8質量部、フタル酸系可塑剤10質量部、熱安定剤2質量部、光安定剤3質量部、顔料0.2質量部を含む2液型ポリウレタン組成物
・NMP:N−メチル−2−ピロリドン、三菱化学社製
・DMI:1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、川研ファインケミカル社製
・IPA:イソプロピルアルコール(試薬)
・MIBK:メチルイソブチルケトン(試薬)
・DMSO:ジメチルスルホキシド、東レ・ファインケミカル社製
・DMF:ジメチルホルムアミド、デュポン社製
・オクチル酸:協和発酵ケミカル社製
Figure 2006249274
第1表から明らかなように、NMP、DMIまたはDMSOと2液型ポリウレタン組成物とを含有する混合物(実施例1〜5)は、比較例1、3〜5に比べて、可使時間が長い。また、第2表から明らかなように、NMPを含有する実施例1の混合物は、NMPを含有しない比較例1の混合物に比べて、反応速度が抑制されている。このように、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤は、2液型ポリウレタン組成物の反応速度を抑制することができ、可使時間が長い。
また、第1表から明らかなように、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤と2液型ポリウレタン組成物とを含有する混合物(実施例1〜5)は、比較例2、3に比べて、硬化物の表面にベタつきがなく、硬化性に優れる。
さらに、第1表から明らかなように、本発明の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤と2液型ポリウレタン組成物とを含有する混合物(実施例1〜5)には、発泡が生じない。従来、2液型ポリウレタン組成物の反応を遅延させると、反応は水の影響を受けて発泡しやすいという問題があった(比較例2参照)。しかし、実施例1〜5の混合物は、反応速度が抑制されている上、発泡が生じない。

Claims (3)

  1. N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する2液型ポリウレタン組成物用遅延剤。
  2. ウレタンプレポリマーを含む主剤と、硬化剤と、前記主剤および前記硬化剤の一方または両方に含有される請求項1に記載の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤とを含有する2液型ポリウレタン組成物であって、
    前記N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の量が、前記N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種以外の成分100質量部に対して、0.5〜10質量部である2液型ポリウレタン組成物。
  3. ウレタンプレポリマーを含む主剤と、硬化剤とを含有する2液型ポリウレタン組成物に、請求項1に記載の2液型ポリウレタン組成物用遅延剤を添加して混合物を得る混合工程と、
    前記混合物を施工する施工工程とを具備する、2液型ポリウレタン組成物の施工方法。
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