JP2006249181A - 絶縁材料形成用組成物の製造方法、絶縁材料形成用組成物およびこれを用いた絶縁膜 - Google Patents

絶縁材料形成用組成物の製造方法、絶縁材料形成用組成物およびこれを用いた絶縁膜 Download PDF

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Abstract

【課題】 低い誘電率かつ高い機械的強度を有する絶縁膜を形成可能な絶縁材料形成用組成物を提供する。
【解決手段】 一般式(1)で表される化合物、その加水分解およびその縮合物から選ばれる少なくとも1種以上のシラン化合物を、置換または無置換のアンモニウム塩存在下で加水分解、縮合して得られる化合物を含有する絶縁材料形成用組成物の製造方法。
【化1】
Figure 2006249181

一般式(1)中、X1は、加水分解性基を表し、R1は、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、n1は1〜3の整数を表し、m1は2以上の整数を表す。L1は単結合または2価の連結基を表し、Aは、かご型構造を含有する基を表す。
【選択図】 なし

Description

本発明は絶縁膜形成に有用な絶縁材料形成用組成物の製造方法およびこれより得られる絶縁材料形成用組成物に関し、さらに該組成物を用いて得られる誘電率が良好な絶縁材料に関する。
引用文献1には従来のゾルゲル反応前駆体を、窒素オニウム塩化合物の存在下で加水分解することを特徴とする絶縁材料形成用組成物の製造方法が開示され、誘電率の温度依存性が小さく、機械的強度が高く安定した膜形成が可能な絶縁材料形成用組成物が得られることが示されている。しかしながら、層間絶縁膜として重要な特性である誘電率が低いこと、また、機械的強度が高いことが望まれていた。
特開2002−20689号公報
本発明の目的は、低い誘電率かつ高い機械的強度を有する絶縁膜を形成可能な組成物を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成することができる。
(1)一般式(1)で表される化合物、その加水分解およびその縮合物から選ばれる少なくとも1種以上のシラン化合物を、置換または無置換のアンモニウム塩存在下で加水分解、縮合して得られる化合物を含有する絶縁材料形成用組成物の製造方法。
Figure 2006249181
一般式(1)中、X1は、加水分解性基を表し、R1は、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、n1は1〜3の整数を表し、m1は2以上の整数を表す。L1は、単結合または2価の連結基を表し、Aは、かご型構造を含有する基を表す。
(2)一般式(1)において、Aにジアマンチル基を含有することを特徴とする(1)に記載の製造方法。
(3)アンモニウム塩が下記一般式(2)で表わされることを特徴とする(1)〜(2)に記載の製造方法。
Figure 2006249181
一般式(2)中、R2〜R5はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基を表わす。nは1〜3の整数を表わす。Xはn価のアニオン性基を表わす。R2〜R5は互いに連結して環構造を形成してもよい。
(4)(1)〜(3)に記載の方法で得られる絶縁材料形成用組成物。
(5)(4)に記載の組成物から形成された絶縁材料。
(6)(5)に記載の組成物から形成された絶縁膜。
本発明の一般式(1)の化合物に一般式(2)を添加することにより、誘電率が低く、機械的強度に優れた膜が得られる。また、一般式(2)の添加は、一般式(1)に示されるようなかご型構造を有する化合物との組み合わせにおいてより機械的強度が高い膜が得られ、大きな効果を発揮することがわかった。
本発明の絶縁膜などの形成に有用な絶縁材料形成用組成物は、一般式(1)で表される化合物、その加水分解およびその縮合物から選ばれる少なくとも1種以上のシラン化合物に、一般式(2)で表される化合物を添加して、加水分解、縮合して得られる化合物を含有する。
Figure 2006249181
一般式(1)中、X1は、加水分解性基を表し、R1は、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、n1は1〜3の整数を表し、m1は2以上の整数を表す。L1は、単結合または2価の連結基を表し、Aは、かご型構造を含有する基を表す。
1としての加水分解性基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シリルオキシ基、水酸基などが挙げられる。X1として好ましいのは、置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基など)である。
1は、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。R1で表されるアルキル基の好ましい例としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基(例えば炭素数1〜2
0のアルキル基、好ましくはメチル基やエチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等)が挙げられ、R1で表されるアリール基の好ましい例としては、炭素数6〜20の置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、R1で表されるヘテロ環基の好ましい例としては、置換又は無置換のへテロ6員環(ピリジル、モルホリノ基、テトラヒドロピラニル等)、置換又は無置換のヘテロ5員環(フリル、チオフェン基、1,3−ジオキソラン−2−イル基等)等が挙げられる。
n1=2または3の場合、複数のX1は互いに同じ基であっても、異なっていてもよい。n1=1の場合、複数のR1は互いに同じ基であっても、異なっていてもよい。
1は単結合または2価の連結基を表す。連結基の例としては、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−O−、−S−、−CO−、−NR'−(R'は水素原子、アルキル基またはアリール基)、又はこれらを2つ以上組み合わせてなる連結基等が挙げられる。上記連結基のうち、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基であり、特に好ましくはエチレン基、ビニレン基である。
Aは、カゴ型構造を含有する基(カゴ型構造含有基)である。「カゴ型構造」とは、共有結合した原子で形成された複数の環によって容積が定まり、容積内に位置する点は環を通過せずには容積から離れることができないような構造である。例えば、アダマンタン構造はカゴ型構造と考えられる。対照的にノルボルナン(ビシクロ[2,2,1]ヘプタン)などの単一架橋を有する環状構造は、単一架橋した環状化合物の環が容積を定めないことから、カゴ型構造とは考えられない。
カゴ型構造は、好ましくは10〜30個、より好ましくは10〜20個、さらに好ましくは14〜20個の炭素原子で構成される。ここでいう炭素原子にはカゴ型構造に置換した連結基や置換基の炭素原子を含めない。例えば、1−メチルアダマンタンは10個の炭素原子で構成されるものとする。
本発明のカゴ型構造を有する化合物は飽和の脂肪族炭化水素であることが好ましく、例えば、アダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン、テトラマンタン、ドデカヘドラン等が挙げられ、特に低誘電率、塗布溶剤への良好な溶解性さらには絶縁膜中のブツ発生抑制の点でジアマンタンが好ましい。
本発明におけるカゴ型構造は1つ以上の置換基を有していても良く、置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、または沃素原子)、炭素数1〜10の直鎖、分岐、環状のアルキル基(メチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、炭素数2〜10のアルケニル基(ビニル、プロペニル等)、炭素数2〜10のアルキニル基(エチニル、フェニルエチニル等)、炭素数6〜20のアリール基(フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、炭素数2〜10のアシル基(ベンゾイル等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(フェノキシ等)、炭素数6〜20のアリールスルホニル基(フェニルスルホニル等)、ニトロ基、シアノ基、シリル基(トリエトキシシリル、メチルジエトキシシリル、トリビニルシリル等)等である。さらに好ましい置換基はフッ素原子、臭素原子、炭素数1〜5の直鎖、分岐、環状のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルキニル基、シリル基である。これらの置換基はさらに別の置換基で置換されていてもよい。
本発明におけるカゴ型構造は2〜4価であることが好ましい。より好ましくは、2または3価であり、特に好ましくは2価である。
また、2つ以上のかご型化合物が連結していてもよい。
一般式(1−1)で表わされる化合物が好ましい。
Figure 2006249181
(一般式(1−1)中、X21〜X22は、各々独立に、加水分解性基を表し、R21〜R22は、各々独立に、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、n21〜n22は1〜3の整数を表す。
p2は0〜2を表し、p2が0の場合、m21は2〜4の整数を表し、p2が1の場合、m21+m22は2〜4の整数を表し、p2が2の場合、m21+m22は2〜6の整数を表す。
21〜L22は、各々独立に、アルキレン基、ビニレン基、アリーレン基、−O−、−S−、−CO−、−NR'−(R'は水素原子、アルキル基又はアリール基を表す)又はこれらの基を組み合わせた2価の連結基を表す。
一般式(1−1)中、X21〜X22は、各々独立に、加水分解性基を表し、R21〜R22は、各々独立に、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、n21〜n22は1〜3の整数を表す。
p2は0〜2を表し、p2が0の場合、m21は2〜4の整数を表し、p2が1の場合、m21+m22は2〜4の整数を表し、p2が2の場合、m21+m22は2〜6の整数を表す。
21〜L22は、各々独立に、アルキレン基、ビニレン基、アリーレン基、−O−、−S−、−CO−、−NR'−(R'は水素原子、アルキル基又はアリール基を表す)又はこれらの基を組み合わせた2価の連結基を表す。
一般式(1−1)において、X21〜X22で表わされる加水分解性基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シリルオキシ基、水酸基などが挙げられる。X21〜X22として好ましいのは、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基など)、ハロゲン原子である。特に好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子である。
21〜R22は、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。R21〜R22で表されるアルキル基の好ましい例としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基(例えば炭素数1〜20のアルキル基、好ましくはメチル基やエチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等)が挙げられ、R21〜R22で表されるアリール基の好ましい例としては、炭素数6〜20の置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、R21〜R22で表されるヘテロ環基の好ましい例としては、置換又は無置換のへテロ6員環(ピリジル、モルホリノ基、テトラヒドロピラニル等)、置換又は無置換のヘテロ5員環(フリル、チオフェン基、1,3−ジオキソラン−2−イル基等)等が挙げられる。
21〜n22=2または3の場合、複数のX21〜X22は互いに同じ基であっても、異なっていてもよい。n21〜n22=1の場合、複数のR21〜R22は互いに同じ基であっても、異なっていてもよい。
21〜L22は2価の連結基を表す。連結基の例としては、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−O−、−S−、−CO−、−NR'−(R'は水素原子、アルキル基
またはアリール基)、又はこれらを2つ以上組み合わせてなる連結基等が挙げられ、炭素数10以下の連結基が好ましい。上記連結基のうち、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基であり、特に好ましくはエチレン基、ビニレン基である。
一般式(1−1)で表される化合物として、一般式(1−2)で表わされる化合物が好ましい。
Figure 2006249181
(一般式(1−2)中、X21〜X22は、各々独立に、加水分解性基を表し、R21〜R22は、各々独立に、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、n21〜n22は1〜3の整数を表す。L21〜L22は、各々独立に、アルキレン基、ビニレン基、アリーレン基、−O−、−S−、−CO−、−NR'−(R'は水素原子、アルキル基又はアリール基を表す)又はこれらの基を組み合わせた2価の連結基を表す。)
一般式(1−1)で表される化合物は、例えば、対応する不飽和基を有する化合物に遷移金属錯体触媒の共存下で対応するシラン化合物を付加するヒドロシリル化反応あるいはハロゲン化アダマンタンと対応するグリニアール試薬との反応により容易に合成できる。
一般式(1)で表される化合物として、一般式(1−3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2006249181
一般式(1−3)中、X31〜X34はそれぞれ、加水分解性基を表し、R31〜R34はそれぞれ、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、n31〜n34は1〜3の整数を表し、m31+m32+m33+m34は、1〜4の整数を表す。L31〜L34はそれぞれアルキレン、ビニレン、アリーレン、−O−、−S−、−CO−、−NR'−(R'は水素原子、アルキル基又はアリール基を表す)又はこれらの基を組み合わせた2価の連結基を表す。
31〜X34で表される加水分解性基は、X1で表されるそれと同義であり、好ましい態様も同様である。
31〜R34で表されるアルキル基、アリール基又はヘテロ環基は、R1で表されるそれと同義であり、好ましい態様も同様である。
式(1)で表される有機ケイ素化合物の具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
Figure 2006249181
Figure 2006249181
Figure 2006249181
Figure 2006249181
Figure 2006249181

次に、式(2)で表される化合物について説明する。
Figure 2006249181
一般式(2)中、R2〜R5はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基を表わす。nは1〜3の整数を表わす。Xはn価のアニオン性基を表わす。R2〜R5は互いに連結して環構造を形成してもよい。環構造は、N、Oなどのヘテロ原子を有していてもよい。
2〜R5で表わされるアルキル基は、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよい。 好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。特に好ましく炭素数1〜5のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基)である。
2〜R5で表わされるアリール基の好ましい例としては、炭素数6〜20の置換または無置換のアリール基であり、特に好ましくはフェニル基またはナフチル基である。
Xで表わされるアニオン性基は、無機酸(硝酸、硫酸、炭酸、塩酸、燐酸、ホウ酸など)あるいは有機酸(酢酸、アジピン酸、アルギン酸、安息香酸、クエン酸、フタル酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、トリクロロ酢酸などのカルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸、トリフルオロメタンスルホンイミドなどのイミド類、活性メチレン化合物、活性メチン化合物など)の共役塩基または、水酸化物イオンである。
Xで表わされるアニオン性基としては、硝酸、シュウ酸、マレイン酸の共役塩基または水酸化物イオンが好ましく、特に好ましくは、硝酸の共役塩基である。
式(2)で表される化合物の分子量の範囲は、一般的には80〜500、好ましくは100〜300である。
式(2)で表される化合物は、公知の方法にて合成してもよいし、市販のものを用いることができる。
式(2)で表される化合物の具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
Figure 2006249181
Figure 2006249181
一般式(2)で表わされる化合物の使用量は、一般式(1)で表わされる化合物など使用するシラン化合物の総量に対して、好ましくは0.1質量%〜20質量%、より好ましくは、0.2質量%〜5質量%である。即ち、誘電率の低下効果の点で0.1質量%以上が好ましく、塗布性および膜の面状の点で20質量%以下が好ましい。
また、一般式(1)で表されるシラン化合物とともに、他の公知のシリコン化合物(例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランなど)を併用し、加水分解・縮合し、ケイ素酸素架橋化合物を得てもよい。
他のシラン化合物の添加量は、上記一般式(1)で表されるシラン化合物に対して1〜200モル%の範囲で用いるのが好ましく、10〜100モル%の範囲で用いるのがより好ましい。
材料の膜特性を向上させるため、必要に応じて添加してもよい他のシラン化合物の例としては、下記一般式(A)で表される有機ケイ素化合物又はそれらをモノマーとするポリマーを挙げることができる。
Figure 2006249181
一般式(A)中、Raはアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、Rbは、水素原
子、アルキル基、アリール基又はシリル基を表す。これらの基は更に置換基を有していてもよい。
qは0〜4の整数を表し、q又は4−qが2以上のとき、Ra又はRbはそれぞれ同一でも異なってもよい。また、該化合物同士は、Ra又はRbの置換基により互いに連結し、多量体を形成してもよい。
一般式(A)のqは0〜2が好ましく、Rbはアルキル基が好ましい。さらにqが0のときの好ましい化合物の例としては、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)等が挙げられ、qが1又は2のときの好ましい化合物の例としては以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006249181
上記一般式(1)で表されるシラン化合物、必要により他のシラン化合物を併用して、加水分解・縮合してケイ素酸素架橋化合物を得る方法は以下のとおりである。
一般式(1)で表されるシラン化合物の加水分解、縮合に際して、一般式(2)の化合物を添加する時期については特に限定はなく、加水分解、縮合反応開始前から予め添加していいてもよいし、一般式(1)の加水分解、縮合反応がある程度進行したのちに添加してもよいが、予め添加しておくのが好ましい。
シラン化合物の加水分解、および縮合するときの温度は、通常0℃〜反応液の沸点で、好ましくは、室温〜100℃(ただし、反応液の沸点を超えない温度)、より好ましくは
10〜90℃である。時間は、組成物がゲル化して流動性がなくなる直前までの任意の時間であり、特に限定されないが、通常5分〜200時間、好ましくは15分〜40時間である。
シラン化合物を加水分解、縮合させる際に、上記一般式(1)で表されるシラン化合物、必要により他のシラン化合物を含むシラン化合物の総量1モル当たり0.5〜150モルの水を用いることが好ましく、1〜100モルの水を加えることが特に好ましい。添加する水の量は、膜の耐クラック性の点から0.5モル以上が好ましく、加水分解および縮合反応中のポリマーの析出やゲル化防止の点から150モル以下が好ましい。
シラン化合物を加水分解、縮合させる際に、アルカリ触媒、酸触媒、又は金属キレート化合物を使用することが好ましい。
アルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ペンチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルアミン、トリメチルイミジン、1−アミノ−3−メチルブタン、ジメチルグリシン、3−アミノ−3−メチルアミンなどを挙げることができ、アミンあるいはアミン塩が好ましく、有機アミンあるいは有機アミン塩が特に好ましく、アルキルアミン、テトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドが最も好ましい。これらのアルカリ触媒は1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
酸触媒としては、無機あるいは有機のプロトン酸が好ましい。無機プロトン酸としては、塩酸、硫酸、フッ酸、リン酸類(H3PO4、H3PO3、H427、H5310、メタリン酸、ヘキサフルオロリン酸など)、硼酸、硝酸、過塩素酸、テトラフルオロ硼酸、ヘキサフルオロ砒素酸、臭化水素酸など、あるいはタングストリン酸、タングテンペルオキソ錯体などの固体酸等が挙げられる。
有機プロトン酸としては、カルボン酸類(シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メロット酸、アラキドン酸、シキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、p−アミノ安息香酸、ギ酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、リンゴ酸、グルタル酸の加水分解物、無水マレイン酸の加水分解物、無水フタル酸の加水分解物、トリフルオロ酢酸、安息香酸、置換安息香酸など)、リン酸エステル類(例えばC数1〜30、リン酸メチルエステル、リン酸プロピルエステル、リン酸ドデシルエステル、リン酸フェニルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸ジドデシルエステルなど)、亜リン酸エステル類(例えばC数1〜30、亜リン酸メチルエステル、亜リン酸ドデシルエステル、亜リン酸ジエチルエステル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジドデシルエステルなど)、スルホン酸類(例えばC数1〜15、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ヘキサフルオロベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシルスルホン酸など)、カルボン酸類(シュウ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、置換安息香酸など)、イミド類(例えばビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸、トリフルオロメタンスルホニルトリフルオロアセトアミドなど)、ホスホン酸類(例えばC数1〜30、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジフェニルホスホン酸、1,5−ナフタレンビスホスホン酸など)などの低分子化合物、あるいは、ナフィオンに代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー、側鎖にリン酸基を有するポリ(メタ)アクリレート(特開2001−114834号)、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(特開平6−93111号)、スルホン化ポリエーテルスルホン(特開平10−45913号)、スルホン化ポリスルホン(特開平9−245818号)などのプトロン酸部位を有する高分子化合物が挙げられる。
金属キレート化合物としては、例えば、トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタンなどのチタンキレート化合物;トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物;などを挙げることができ、好ましくはチタンまたはアルミニウムのキレート化合物、特に好ましくはチタンのキレート化合物を挙げることができる。これらの金属キレート化合物は、1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
上記触媒及びキレート化合物の使用量は、総量として、シラン化合物の1モルに対して、通常0.00001〜10モル、好ましくは0.00005〜5モルである。触媒の使用量が上記範囲内であれば、反応中のポリマーの析出やゲル化の恐れが少ない。
このようにして、一般式(1)で表されるシラン化合物の加水分解物、縮合物、すなわち、本発明のケイ素酸素架橋化合物を調製することができる。
該反応に用いる溶媒は、溶質であるシラン化合物を溶解するものであれば特に制限はないが、好ましくはケトン類(シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン等)、カーボネート化合物(エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、複素環化合物(3−メチル−2−オキサゾリジノン、ジメチルイミダゾリジノン、N―メチルピロリドン等)、環状エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、鎖状エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等)、ニトリル化合物(アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、γ-ブチロラクトン、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等)、非プロトン極性物質(ジメチルスルホキシド、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、非極性溶媒(トルエン、キシレン、メシチレン等)、塩素系溶媒(メチレンジクロリド、エチレンジクロリド等)、ジイソプロピルベンゼン、水等を用いることができる。
上記の中でも、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、γ-ブチロラクトンなどのエステル類、エチレンカーボネートなどのカーボネート類、シクロヘキサノンなどのケトン類、非プロトン性極性物質、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類、非極性溶媒、水が好ましい。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記の中でも、好ましい溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレンカーボネート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、キシレン、メシチレン、ジイソプロピルベンゼンを挙げることができる。
〔組成物〕
本発明のケイ素酸素架橋化合物を含有する組成物は、通常、一般式(1)で表されるシラン化合物自体、上記で調製された該シラン化合物の加水分解物及び縮合物の少なくともいずれかを、必要により、加水分解、縮合に用いる溶媒として例示したような有機溶剤、水などの溶媒に溶解して調製される。
本発明の組成物の全固形分濃度は、好ましくは、2〜30質量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。組成物の全固形分濃度が2〜30質量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、また組成物の保存安定性もより優れるものである。
本発明の組成物を塗布、乾燥、好ましくは加熱することにより、良好な絶縁材料を形成することができる。特に、良好な絶縁膜を提供することができる。
本発明の組成物を、シリコンウエハ、SiO2 ウエハ、SiNウエハなどの基材に塗布する際には、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段が用いられる。
この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾燥するか、あるいは80〜600℃程度の温度で、通常、5〜240分程度加熱することにより、ガラス質または巨大高分子、またはその混合物の絶縁膜を形成することができる。この際の加熱方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することが出来、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行うことができる。
より具体的には、本発明の組成物を、例えばスピンコート法により、基板(通常は金属配線を有する基板)上に塗布し、300℃以下の温度で第一の熱処理を行うことにより溶媒を乾燥させるとともに、組成物に含まれるシロキサンを架橋させ、次いで300℃より高く450℃以下の温度(好ましくは330〜400℃)で、一般的には1分〜10時間、第二の熱処理(アニール)を行うことにより低誘電率の絶縁膜を形成できる。
本発明の組成物に、熱分解性化合物などの空孔形成剤をくわえてもよい。空孔形成剤としては、例えば、特表2002−530505号に記載されている気孔発生体が挙げられる。
本発明の組成物により形成した絶縁膜の上には、シリコン酸化膜等の別の絶縁膜を、例えば気相成長法等により、形成してもよい。これは、本発明により形成した絶縁膜を外気と遮断し、膜中に残留している水素やフッ素の減少を抑制するのに効果があるからである。また、この別の絶縁膜は、その後の工程での処理(例えばCMPによる平坦化等の処理)で本発明による絶縁膜が損傷を被るのを防止するのにも有効である。
本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。なお、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
〔実施例1〕
3.6gの化合物1−1および化合物2−1の2.4%水溶液474mgをプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)17.8gに溶解した。次に70%硝酸水溶液10.6mgを水757mgに溶解した水溶液を滴下し、反応液を室温で5時間撹拌した。その後、撹拌を停止し、減圧濃縮して低沸点物質、水を除き、さらにろ過を行った。ろ液と同質量の溶媒を添加して塗布液を作製した。
〔実施例2〕
3.5gの化合物1−5および化合物2−1の2.4%水溶液468mgをプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)17.4gに溶解した。次に70%硝酸水溶液10.4mgを水747mgに溶解した水溶液を滴下し、反応液を室温で5時間撹拌した。その後、撹拌を停止し、減圧濃縮して低沸点物質、水を除き、さらにろ過を行った。ろ液と同質量の溶媒を添加して塗布液を作製した。
〔実施例3〕
3.2gの化合物1−7および化合物2−1の2.4%水溶液478mgをプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)16.2gに溶解した。次に70%硝酸水溶液1
0.7mgを水764mgに溶解した水溶液を滴下し、反応液を室温で5時間撹拌した。 その後、撹拌を停止し、減圧濃縮して低沸点物質、水を除き、さらにろ過を行った。ろ液と同質量の溶媒を添加して塗布液を作製した。
〔実施例4〕
4gの化合物1−15および化合物2−1の2.4%水溶液479mgをプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)19.4gに溶解した。次に70%硝酸水溶液10.7mgを水765mgに溶解した水溶液を滴下し、反応液を室温で5時間撹拌した。その後、撹拌を停止し、減圧濃縮して低沸点物質、水を除き、さらにろ過を行った。ろ液と同質量の溶媒を添加して塗布液を作製した。
〔実施例5〕
4gの化合物1−21および化合物2−1の2.4%水溶液477mgをプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)19.4gに溶解した。次に70%硝酸水溶液10.6mgを水761mgに溶解した水溶液を滴下し、反応液を室温で5時間撹拌した。その後、撹拌を停止し、減圧濃縮して低沸点物質、水を除き、さらにろ過を行った。ろ液と同質量の溶媒を添加して塗布液を作製した。
〔実施例6〜8〕
実施例4において、化合物2−1の替わりに、化合物2−4、化合物2−17、化合物2−19の2.4%水溶液478mgを用いたほかは、実施例4と同様の操作にて、実施例6〜8の塗布液を作製した。
〔比較例1〕
実施例5において化合物2−1を用いないほかは、同様の操作にて塗布液を作製した。
〔比較例2〕
2.5gの下記化合物Aおよび化合物2−1の2.4%水溶液477mgをプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)13.4gに溶解した。次に70%硝酸水溶液10.6mgを水763mgに溶解した水溶液を滴下し、反応液を室温で5時間撹拌した。その後、撹拌を停止し、減圧濃縮して低沸点物質、水を除き、さらにろ過を行った。ろ液と同質量の溶媒を添加して塗布液を作製した。
Figure 2006249181
〔絶縁膜の作製〕
上記のようにして調製した塗布溶液をシリコン基板上に膜厚3500Aになるようにスピンコートし、ホットプレート上で110℃1分間、200℃1分間にわたって乾燥を行い、溶剤を除去した。次いで,乾燥後のシリコン基板をクリーンオーブンに移し、酸素濃度10ppm以下の窒素中400℃で1時間にわたって熱処理を行った。目的とする絶縁膜が得られた。
〔誘電率の測定〕
温度24℃湿度50%の条件で24時間放置した後、フォーディメンジョンズ社製水銀プローブとヒューレットパッカード社製 HP4285A LCRメーターを用い1MHzで誘電率を測定した。測定結果を表2に示す。
〔弾性率(ヤング率)の測定〕
膜厚の1/10深度における弾性率を、ナノインデンターSA2(MTS社製)を用いて測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2006249181
本発明の絶縁材料形成用組成物により調製した絶縁膜は誘電率が低く、強度も高く、優れた性能を有することがわかる。

Claims (6)

  1. 一般式(1)で表される化合物、その加水分解およびその縮合物から選ばれる少なくとも1種以上のシラン化合物を、置換または無置換のアンモニウム塩存在下で加水分解、縮合して得られる化合物を含有する絶縁材料形成用組成物の製造方法。
    Figure 2006249181
    一般式(1)中、X1は、加水分解性基を表し、R1は、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、n1は1〜3の整数を表し、m1は2以上の整数を表す。L1は、単結合または2価の連結基を表し、Aは、かご型構造を含有する基を表す。
  2. 一般式(1)において、Aにジアマンチル基を含有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. アンモニウム塩が下記一般式(2)で表わされることを特徴とする請求項1〜又は2に記載の製造方法。
    Figure 2006249181
    一般式(2)中、R2〜R5はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基を表わす。nは1〜3の整数を表わす。Xはn価のアニオン性基を表わす。R2〜R5は互いに連結して環構造を形成してもよい。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法で得られる絶縁材料形成用組成物。
  5. 請求項4に記載の組成物から形成された絶縁材料。
  6. 請求項4に記載の組成物から形成された絶縁膜。
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