JP2006247779A - 被覆cBN基焼結体切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】
鉄系材料、特に焼き入れ処理された高硬度鋼からなる加工物の切削加工において、加工物の仕上げ面粗さが小さい切削工具を提供することを目的とする。
【解決手段】
cBNを20〜100体積%含有するcBN基焼結体基材の表面に、Tiを含有する炭化物、窒化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた少なくとも1種からなるチタン化合物膜が被覆され、チタン化合物膜の平均膜厚は0.1〜10μmであり、チタン化合物膜の平均粒径は0.5μm以下である被覆cBN基焼結体切削工具は、加工物の仕上げ面粗さが小さい。

Description

本発明は被覆cBN基焼結体切削工具に関し、その中でも特に高硬度鋼の切削加工に好適な被覆cBN基焼結体切削工具に関する。
被覆cBN基焼結体切削工具の従来技術として、高圧相型窒化硼素を体積で20%以上含む硬質焼結体の表面に1層または2層以上の周期律表第4a、5a族金属の炭化物、窒化物、酸化物、硼化物又はこれ等の複合化合物、又はAl23からなる被覆層を有する被覆硬質焼結体がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、cBN基焼結体母材に平均結晶粒径1μm以下のAl23を含有させ、所定の平均結晶粒径のAl23層を被覆して、耐摩耗性向上を図ったAl23被覆cBN基焼結体切削工具がある(例えば、特許文献2参照。)。
特開昭59−8679号公報 特開2000−44370号公報
近年、機械の長寿命化、省エネの必要性が増加していることから、機械部品には高い仕上げ面品位が要求されるようになってきた。従来の被覆cBN基焼結体切削工具では、こうした高い仕上げ面品位の要求には十分応えられなくなってきた。例えば、高圧相型窒化硼素を体積で20%以上含む硬質焼結体の表面にAl23膜を被覆すると、Al23膜の密着性が低いことから被膜の剥離が生じやすい。そのため、切削加工中に被膜の剥離で形成された微小な凹凸は加工物に転写されるため加工物の仕上げ面粗さが低下するという問題があった。また、Al23膜は膜厚の増加とともにAl23膜の粒径が大きくなりやすく表面粗さが大きくなるという問題があった。そこで本発明は、加工物の切削加工において、その中でも鉄系材料、その中でも特に焼き入れ処理された高硬度鋼からなる加工物の切削加工において、加工物の仕上げ面粗さが小さい切削工具を提供することを目的とする。
本発明者は、被覆cBN基焼結体切削工具の開発に取り組んできたところ、チタン化合物膜の結晶粒を微細にすると、チタン化合物膜の表面が平滑になり、切削加工時に境界部分の損傷が抑えられるとともに刃先が正常に摩耗し、加工物の仕上げ面粗さを小さくできるという知見を得て本発明を完成するに至った。
本発明の被覆cBN基焼結体切削工具は、cBNを20〜100体積%含有するcBN基焼結体基材の表面に、Tiを含有する炭化物、窒化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた少なくとも1種からなるチタン化合物膜が被覆され、チタン化合物膜の平均膜厚は0.1〜10μmであり、チタン化合物膜の平均粒径は0.5μm以下である。
本発明のcBN基焼結体基材は、cBNを20〜100体積%含有し、残部としてTi、Zr、Hf、Al、Si、V、Nb、Ta、Mo、W、Co、Mnの金属、炭化物、窒化物、酸化物、硼化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれる少なくとも1種の結合相を含有するcBN基焼結体基材である。ただし、本発明のcBN基焼結体基材に含有されるcBN量が100体積%であるとき、本発明のcBN基焼結体基材は結合相を含まない。cBN基焼結体基材に含まれるcBN量は20体積%未満になると、硬さが低下するため、高硬度鋼などの切削加工において摩耗が著しく増加する。そこで本発明のcBN基焼結体基材に含まれるcBN量を20〜100体積%と定めた。なお本発明においてcBNは立方晶窒化硼素を示す。
本発明のcBN基焼結体基材に、チタン化合物膜を構成する元素と同じ元素を含有させると、チタン化合物膜とcBN基焼結体基材との密着性がさらに増加するため好ましい。例えば、TiAlN膜を被覆する場合、cBN基焼結体基材にTi、Al、Nを含有させると好ましい。このようにcBN基焼結体基材にチタン化合物膜を構成する元素と同じ元素を含有させると、チタン化合物膜の核発生が増加して密着性が向上すると考えられる。
本発明のチタン化合物膜は、Tiを含有する炭化物、窒化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた少なくとも1種からなる。これは、Tiを含有する炭化物、窒化物およびこれらの相互固溶体はcBN基焼結体基材との密着性が高く耐摩耗性に優れているためである。その中でも、Tiの炭化物、窒化物およびこれらの相互固溶体、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Al、Siの中の1種以上とTiとの複合炭化物、複合窒化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた少なくとも1種であると好ましく、具体的には、TiN、TiCN、TiC、TiAlN、TiSiN、TiCrN、TiAlSiN、TiCrSiN、TiAlCrSiNなどを挙げることができる。その中でもTiN、TiCN、TiAlNの中から選ばれた少なくとも1種であるとさらに好ましく、その中でもTiNであるとさらに好ましい。
本発明のチタン化合物膜は、チタン化合物膜の平均粒径を0.5μm以下にすることにより、チタン化合物膜そのものの表面が平滑になりやすく、cBN基焼結体基材の凹凸を埋める効果があり切削工具の表面を平滑にする。加えて切削加工時には損傷単位が小さくなるため、境界部分の損傷が抑えられて刃先が正常に摩耗し、長時間に亘って加工物の仕上げ面粗さを小さくすることができる。その中でもチタン化合物膜の平均粒径を0.1μm以下とすると、より好ましい。なおチタン化合物膜の平均粒径を0.01μm未満にすることは難しいので、実用的には、チタン化合物膜の平均粒径は0.01〜0.5μmの範囲が好ましく、その中でも0.01〜0.1μmがよりいっそう好ましい。チタン化合物膜の平均粒径は基材と平行な方向におけるチタン化合物膜の平均粒径を示す。チタン化合物膜の平均粒径は、チタン化合物膜の断面をSEM観察またはTEM観察してチタン化合物膜の垂直方向のほぼ中央で写真を撮り、cBN基焼結体基材のすくい面に平行な直線に交差する結晶粒の数から求めることができる。このときチタン化合物膜の平均粒径を正確に求めるためには、直線の長さをチタン化合物膜の平均粒径の10倍以上にすることが好ましい。
チタン化合物膜の平均粒径はcBN基焼結体基材に含まれるcBNの平均粒径以下であると、チタン化合物膜とcBN基焼結体基材との密着性が向上し、基材表面に存在する凹凸を埋める効果が高いため、好ましい。
本発明のチタン化合物膜の平均膜厚は、0.1μm未満になると耐摩耗性が低下し、10μmを超えるとチタン化合物膜の剥離や微少欠損を起こしやすくなり仕上げ面粗さが大きくなるため、平均膜厚を0.1〜10μmとした。その中でも1〜5μmがより好ましい。
本発明の被覆cBN基焼結体切削工具の用途の一つとしては、鉄系材料の切削加工を挙げることができる。その中でも特に焼き入れ処理された高硬度鋼の切削加工に用いると効果が高く好ましい。
本発明のチタン化合物膜は、CVD法および/またはPVD法を用いて被覆することができる。その中でもCVD法よりも微細な結晶粒が得られるPVD法が好ましい。被覆の方法と条件を適切に選択する事により、チタン化合物膜の平均粒径は0.5μm以下にすることができる。
例えば、TiCl4−H2−N2系など原料ガスにTiCl4とH2を使用する熱CVD法においては、原料ガス中のTiCl4量とH2量を増やすことで核発生密度を増加させるとともに、被覆温度を下げることによってチタン化合物膜成長速度を低下させ、チタン化合物膜の平均粒径を小さくすることができる。またTi系蒸発源とN2ガスを使用するPVD法においては、cBN基焼結体基材の温度を下げるとともにN2流量を減らすことで、チタン化合物膜の平均粒径を小さくすることができる。このときチタン化合物膜成長速度は著しく低下するが、バイアス電圧を高めるとチタン化合物膜成長速度を増加させることができる。
本発明の被覆cBN基焼結体切削工具の表面に最外層としてTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Al、Siの炭化物、窒化物、酸化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた少なくとも1種からなる硬質膜を被覆すると耐摩耗性が向上するため、さらに好ましい。その中でも酸化アルミニウム膜からなる硬質層は耐酸化性を向上させるため、さらに好ましい。酸化アルミニウム膜の具体的な組成としてAl23を挙げることができる。
硬質膜の平均膜厚が0.1μm未満では硬質膜を被覆する効果が十分に得られず、硬質膜の平均膜厚が2μmを超えると耐欠損性が低下する傾向を示すため、硬質膜の平均膜厚は0.1〜2μmであるとさらに好ましい。本発明の硬質膜はCVD法および/またはPVD法を用いて被覆することができる。
本発明の被覆cBN基焼結体切削工具を用いて切削加工すると、長時間に亘って加工物の仕上げ面粗さを小さく加工することができる。
平均粒径0.5μmのcBN:60体積%と、TiNとAlからなる結合相:残部とからなるcBN基焼結体基材を、厚み5mmの超硬合金台金と共に焼結した。焼結後、cBN基焼結体基材と超硬合金が強固に結合している事を確認した。これを加工し、JIS規格TNGA160408の工具形状を有するcBN基焼結体切削工具を得た。cBN基焼結体切削工具のすくい面と逃げ面がなす刃先稜線部にダイヤモンド砥石を用いてチャンファー幅T=0.15mm、チャンファー角θ=−25゜のチャンファーホーニングを施した。さらに逃げ面とチャンファー面が交差する部分に断面曲率半径R2=0.02mmの丸ホーニングを施した。
発明品1は上記ホーニングを施したcBN基焼結体切削工具の表面にCVD法で表1に示す条件により平均膜厚4.0μmのTiN膜を被覆した。比較品1は上記ホーニングを施したcBN基焼結体切削工具を被覆せず、未被覆品とした。比較品2として上記ホーニングを施したcBN基焼結体切削工具の表面にCVD法で表1に示す条件により平均膜厚4.0μmのTiN膜を被覆した。発明品2は上記ホーニングを施したcBN基焼結体切削工具の表面にPVD法で表2に示す条件により平均膜厚4.0μmのTiN膜を被覆した。発明品3は上記ホーニングを施したcBN基焼結体切削工具の表面にPVD法で表2に示す条件により平均膜厚4.0μmのTiN膜を被覆した。
Figure 2006247779
Figure 2006247779
発明品1、比較品2におけるTiN膜の平均粒径は、TiN膜の断面をSEM観察してTiN膜の垂直方向のほぼ中央で写真を撮り、cBN基焼結体基材のすくい面に平行な長さ10μmの直線に交差する結晶粒の数から求めた。発明品2、3におけるTiN膜の平均粒径は、TiN膜の断面をTEM観察してTiN膜の垂直方向のほぼ中央で写真を撮り、cBN基焼結体基材のすくい面に平行な長さ1.0μmの直線に交差する結晶粒の数から求めた。これらの測定結果は、それぞれ表1、表2に併記した。
発明品1〜3、比較品1、2について切削試験1を行った。加工物の仕上げ面粗さの評価としては最大高さ粗さRzを用いた。Rzの測定方法はJIS規格B0601:2001に従った。
[切削試験1]
切削形態:外径100mmの外周連続旋削
加工物:円筒形状の焼き入れ処理した高硬度鋼(SCM415H)
加工物の硬さ:HRC58〜61
切削速度:150(m/min)
切り込み:0.15(mm)
送り:0.08(mm/rev)
切削液:使用せず
工具寿命判定基準:加工物の仕上げ面の最大高さ粗さRzが1.6μm以上になった切削時間を工具寿命とする。
比較品1、2、発明品1〜3の切削時間と加工物の最大高さ粗さRz(μm)の関係を表3および図1に示す。
Figure 2006247779
比較品1は、刃先の摩滅とともに加工物の仕上げ面粗さRzが増加した。比較品2はTiN膜の平均粒径がcBN基焼結体基材のcBN粒径よりも大きい。比較品2は境界損傷が発達したため、急激に加工物の仕上げ面粗さが増加した。比較品2はTiN膜を被覆しているが、境界損傷が発達したためTiN膜を被覆していない比較品1よりも加工物の仕上げ面粗さが大きくなり工具寿命が短い。
発明品1〜3は、耐摩耗性と境界損傷のバランスが良いため、比較品1、2より仕上げ面粗さを小さく維持することができた。特に発明品2、3は、TiN膜の平均粒径が0.1μm以下であるため、切削初期から仕上げ面粗さが小さく、比較品1の2.5〜3倍の工具寿命を示した。その中でもTiN膜の平均粒径が最も小さい発明品3が、切削加工中においても加工物の仕上げ面粗さが小さく維持され、最も長寿命であった。
平均粒径0.5μmのcBN:60体積%と、TiNとAlからなる結合相:残部とからなるcBN基焼結体基材を、厚み5mmの超硬合金台金と共に焼結した。焼結後、cBN基焼結体基材と超硬合金が強固に結合していることを確認した。これを加工し、JIS規格TNGN160408の工具形状を有するcBN基焼結体切削工具を得た。cBN基焼結体切削工具のすくい面と逃げ面がなす刃先稜線部にダイヤモンド砥石を用いてチャンファー幅T=0.15mm、チャンファー角θ=−25゜のチャンファーホーニングを施した。さらに、逃げ面とチャンファー面が交差する部分に断面曲率半径R2=0.02mmの丸ホーニングを施した。
発明品4は上記ホーニングを施したcBN基焼結体切削工具の表面にCVD法で表4に示す条件により基材表面に平均膜厚4.0μmのTiN膜を被覆した。発明品5は上記ホーニングを施したcBN基焼結体切削工具の表面にCVD法で表5に示す条件により基材表面に平均膜厚2.0μmのTiN膜を被覆し、更にその表面に平均膜厚2.0μmのAl23膜を被覆した。比較品3は上記ホーニングを施したcBN基焼結体切削工具を被覆せず未被覆品とした。比較品4は上記ホーニングを施したcBN基焼結体切削工具の表面にCVD法で表4に示す条件により平均膜厚4.0μmのTiN膜を被覆した。比較品5は上記ホーニングを施したcBN基焼結体切削工具の表面にCVD法で表6に示す条件により平均膜厚4.0μmのAl23膜を被覆した。
Figure 2006247779
Figure 2006247779
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発明品4、5、比較品4、5におけるTiN膜、Al23膜の平均粒径は、TiN膜、Al23膜の断面をSEM観察してTiN膜、Al23膜の垂直方向のほぼ中央で写真を撮り、cBN基焼結体基材のすくい面に平行な長さ12μmの直線に交差する結晶粒の数から求めた。これらの測定結果は、それぞれ表4、5、6に併記した。
発明品4、5、比較品3〜5について切削試験1よりも切削速度が高い切削試験2を行った。この切削試験では刃先が高温になるため切削工具には高い耐酸化性が求められる。加工物の仕上げ面粗さの評価としては最大高さ粗さRzを用いた。Rzの測定方法はJIS規格B0601:2001に従った。
[切削試験2]
切削形態:外径100mmの外周連続旋削
加工物:円筒形状の焼き入れ処理した高硬度鋼(SCM415H)
加工物の硬さ:HRC58〜61
切削速度:220(m/min)
切り込み:0.15(mm)
送り:0.08(mm/rev)
切削液:使用せず
工具寿命判定基準:加工物の仕上げ面の最大高さ粗さRzが1.6μm以上になった切削時間、もしくは欠損した切削時間を工具寿命とする。
比較品3〜5、発明品4、5の切削時間と加工物の仕上げ面の最大高さ粗さRz(μm)の関係を表7および図2に示す。
Figure 2006247779
切削試験2は切削試験1よりも高速切削のため、摩耗の進行速度は切削試験1のときよりも全体的に増加していた。比較品3は刃先の摩滅とともに加工物の仕上げ面粗さが増加した。比較品4はTiN膜を被覆しており逃げ面摩耗は比較品3よりも小さかったが、境界損傷が発達したため加工物の仕上げ面粗さは大きく、比較品3と同程度の寿命であった。比較品5はAl23膜を被覆しているが、切削初期から仕上げ面粗さが大きく、更に6分の段階で一段と仕上げ面粗さが大きくなった。6分切削後の刃先を観察したところ被膜の微少剥離が切削時の境界部分に見られた。このため加工物の仕上げ面粗さが急激に増加したと考えられる。
発明品4、5は耐摩耗性と境界損傷のバランスが良く、比較品3〜5より仕上げ面粗さを小さく維持することができた。発明品4はTiN膜の平均粒径が0.2μmと比較的小さく切削初期から仕上げ面粗さを良好に維持できた。発明品4は結果的に10.3分の時点で欠損し寿命となった。損傷を観察したところクレーター摩耗が進行しており、刃先の部分まで窪みが達していた。このことから発明品4はクレーター摩耗により刃先が尖った状態になり、刃先の強度が低下して欠損に至ったものと考えられる。
TiN膜、Al23膜の多層膜を被覆した発明品5は、切削初期段階の仕上げ面粗さは比較品1と同程度であったが、時間経過による仕上げ面粗さの増加が小さく、結果として最も長寿命で、比較品3の2.8倍の時間切削可能であった。TiN膜は、cBN基焼結体との密着性が高いため剥離が生じにくい。Al23膜は、Al23粒子の粗粒化を抑えるため薄くしているが、耐酸化性を発揮するのに十分な膜厚を有している。このため発明品5は高速切削においても加工物の仕上げ面粗さを小さく保ったまま工具寿命を延長することが可能になる。
切削試験1における発明品1〜3と比較品1,2の切削時間と加工物仕上げ面の最大高さ粗さRzの関係を示す。 切削試験2における発明品4、5と比較品3〜5の切削時間と加工物仕上げ面の最大高さ粗さRzの関係を示す。

Claims (6)

  1. cBNを20〜100体積%含有するcBN基焼結体基材の表面に、Tiを含有する炭化物、窒化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた少なくとも1種からなるチタン化合物膜が被覆され、チタン化合物膜の平均膜厚は0.1〜10μmであり、チタン化合物膜の平均粒径は0.5μm以下である被覆cBN基焼結体切削工具。
  2. チタン化合物膜の平均粒径は0.1μm以下である請求項1に記載の被覆cBN基焼結体切削工具。
  3. チタン化合物膜は、TiN、TiCN、TiAlNの中から選ばれた少なくとも1種からなるチタン化合物膜である請求項1または2に記載の被覆cBN基焼結体切削工具。
  4. cBN基焼結体基材は、チタン化合物膜を構成する元素を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の被覆cBN基焼結体切削工具。
  5. チタン化合物膜の平均粒径は、cBN基焼結体基材に含まれるcBNの平均粒径以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の被覆cBN基焼結体切削工具。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の被覆cBN基焼結体切削工具の表面にTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Al、Siの炭化物、窒化物、酸化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた少なくとも1種からなる硬質膜を被覆した被覆cBN基焼結体切削工具。
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