JP2006245066A - 発光ダイオード及び発光ダイオードの製造方法 - Google Patents

発光ダイオード及び発光ダイオードの製造方法 Download PDF

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英樹 森田
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Abstract

【課題】 発光効率(光の取出効率)を向上することができる発光ダイオード及び発光ダイオードの製造方法を提供する。
【解決手段】 発光ダイオード1は、サファイア基板10上に、発光部として機能するための各層が積層されている。サファイア基板10の各面のうち、発光部が形成された面の反対面(裏面)の端部10aが凹凸状に粗面化されている。したがって、発光部からの出射光のうちの端部10aに導光された光は、この端部10aにて散乱させられ、サファイア基板10の外側へ出射される。発光ダイオード1は、例えば、まず複数の発光部を形成した後に、サファイア基板を分割(ダイシング)して個々の発光部に個片化することにより製造される。その場合、まずダイヤモンドスクライブ法、レーザスクライブ法などで基板を切削して溝を形成した後、基板に研磨粒子を噴射することにより、表面を切削して粗面化する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発光ダイオード及び発光ダイオードの製造方法に関し、より具体的には、発光効率が優れた発光ダイオード及び発光ダイオードの製造方法に関する。
発光ダイオードは、小型、薄型、低消費電力及び長寿命などの特徴を持つために様々な用途に用いられている。発光ダイオードは、半導体の一種であり、各種半導体プロセスと同様に、サファイア基板のような透明板上に、それ自体公知の技術を利用して複数の層を積層した構成をしている(例えば、特許文献1参照。)。
図6は従来の発光ダイオードの一例を示す構造断面図である。
従来の発光ダイオード100は、透明基板(ここでは、サファイア基板)110上に、AlNバッファ層111(厚み:略200Å)、SiドープGaN層112(厚み:略1.2μm)、N型GaNとN型InGaNとの積層構造である多重量子井戸(MQW)からなる活性層113(厚み:略400Å)、AlN及びP型GaNの超格子からなるキャップ層114(厚み:略200Å)、MgドープGaN層115(厚み:略0.2μm)、Zn膜116(厚み:数十Å)、ITO膜117(厚み:略0.5μm)が積層された構成をしている。また、ITO膜117の上面の一部には、P型電極118が形成されるとともに、ITO膜117の一部がエッチングされてSiドープGaN層112の一部が露出されており、その露出部にN型電極119が形成されている。そして、P型電極118,N型電極119間に電圧を印加することによって発光現象が起こる。
ところで、従来の発光ダイオード100は、大面積のサファイア基板110に複数の発光部を形成した後に、サファイア基板110を分割(ダイシング)して個々の発光部に個片化することにより製造される。ダイシング方法としては、従来、ダイヤモンドスクライブ法と呼ばれる手法が用いられてきた。しかしながら、ダイシングソーにダイヤモンド(工業用ダイヤモンド)を利用することから、製造コストが高くつくことが問題となっていた。
そこで、近年、レーザスクライブ法と呼ばれる手法が実用化されている。レーザスクライブ法は、基板にレーザ光を照射し、その熱によって基板を切断する方法であり、従来のダイヤモンドスクライブ法と比較すると、はるかに低コストで発光ダイオードを製造することができる。
特許第3394488号公報
しかしながら、レーザスクライブ法を用いてサファイア基板110をダイシングする場合、レーザ照射された箇所のサファイア基板110が変質してしまうため、図7(a)に示すように、切断部近傍の残渣110aで光吸収が生じ、光の取出効率が低下するという問題があった。
また、従来のダイヤモンドスクライブ法を用いて個片化を行った場合であっても、その切断面が極めてシャープであることから、図7(b)に示すように、発光の一部がサファイア基板110の側面及び底面で全反射し、その反射光がチップ表面に設けた電極(ここでは、N型電極119)などに吸収され、光の取出効率が低下するという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、透明板上の一面に発光部が形成されている場合に、透明板の他面の端部、すなわち発光部が形成された面の反対面の端部が粗面化された構造とすることにより、発光部から出射された光のうちの透明板に入射した光を端部で拡散し、透明板の外側に取り出すことで、発光効率(光の取出効率)を向上することができる発光ダイオード及び発光ダイオードの製造方法の提供を目的とする。
また本発明は、透明板上の一面に発光部が形成されている場合に、透明板の他面、すなわち発光部が形成された面の反対面及び/又は透明板の側面が粗面化された構造とすることにより、発光部から出射された光を透明板の界面(透明板の他面及び/又は側面)で拡散し、透明板の外側に取り出すことで、光の取出効率を向上することができる発光ダイオード及び発光ダイオードの製造方法の提供を目的とする。
第1発明に係る発光ダイオードは、透明板の一面に発光部が形成された発光ダイオードにおいて、前記透明板の他面の端部が粗面化されていることを特徴とする。
第1発明にあっては、透明板の各面のうち、発光部が形成された面の反対面の端部が粗面化されているので、透明板上に形成された発光部から出射された光のうちの透明板に入射した光が、端部で散乱されて透明板の外側に出射される。このように、端部を粗面化することで、光の取出効率を向上することができる。
特に、レーザスクライブ法を用いて透明基板であるサファイア基板をダイシングする場合、レーザ照射によってサファイア基板が変質してしまうため、切断部近傍、すなわち粗面化を行おうとする端部で光吸収が生じ、光の取出効率が低下するという問題があったが、粗面化することによって、変質した箇所が除去され、この箇所での光吸収を抑制することができる。
第2発明に係る発光ダイオードは、透明板の一面に発光部が形成された発光ダイオードにおいて、前記透明板の他面及び/又は前記透明板の側面が粗面化されていることを特徴とする。
第2発明にあっては、透明板の各面のうち、発光部が形成された面の反対面(裏面という)及び/又は側面が粗面化されているので、透明板上に形成された発光部から出射された光のうちの透明板に入射した光が、裏面及び/又は側面で散乱されて透明板の外側に出射される。このように、裏面及び/又は側面を粗面化することで、さらに光の取出効率を向上することができる。
第3発明に係る発光ダイオードの製造方法は、複数の発光部が形成された透明板から個々の発光部に分割することで個々の発光ダイオードを製造する発光ダイオードの製造方法において、前記透明板の分割すべき箇所に溝を形成する溝形成工程と、該溝形成工程にて形成された溝の表面を粗面化する粗面化工程とを含むことを特徴とする。
第3発明にあっては、複数の発光部が形成された透明板から個々の発光部に分割して発光ダイオードとする場合、まず、透明板の分割すべき箇所に溝を形成した後、形成された溝の表面を粗面化する。
第4発明に係る発光ダイオードの製造方法は、複数の発光部が形成された透明板から個々の発光部に分割することで個々の発光ダイオードを製造する発光ダイオードの製造方法において、前記透明板の分割すべき箇所に溝を形成する溝形成工程と、該溝形成工程にて形成された溝を含む前記透明板の表面を粗面化する粗面化工程とを含むことを特徴とする。
第4発明にあっては、複数の発光部が形成された透明板から個々の発光部に分割して発光ダイオードとする場合、まず、透明板の分割すべき箇所に溝を形成した後、形成された溝を含む透明板の表面を粗面化する。ここで、形成された溝を含む透明板の表面とは、透明板の各面のうち、発光部の形成面(表面)、該形成面の反対面(裏面)、及び/又は側面のことであり、用途に合わせて粗面化したい表面を適宜選択することが好ましい。
第5発明に係る発光ダイオードの製造方法は、第3発明又は第4発明において、前記溝形成工程は、ダイヤモンドスクライブ法又はレーザスクライブ法を用いることを特徴とする。
第5発明にあっては、ダイヤモンドスクライブ法又はレーザスクライブ法で、透明板の分割すべき箇所に溝を形成する。ダイヤモンドスクライブ法又はレーザスクライブ法は、それ自体公知の方法であり、安定して透明板に溝を形成することができる。
第6発明に係る発光ダイオードの製造方法は、第3発明乃至第5発明のいずれかにおいて、前記粗面化工程は、前記透明板に研磨粒子を噴射することにより前記表面を切削して粗面化することを特徴とする。
第6発明にあっては、透明板に研磨粒子を噴射することで透明板の表面を切削して粗面化する。透明板表面の所定の箇所のみを切削する場合には、その箇所に対応した開口パターンが形成されたマスクを介して研磨粒子を噴射するようにする。開口パターンに対応する透明板の表面を選択的に切削することができるので、用途に応じて粗面化を行う箇所を適宜選択できる。また、一般に研磨粒子の噴射による切削には時間がかかることから、表面を切削して粗面化する場合には、その切削量を溝形成工程による切削量より少なくして、製造タクトを向上させることが好ましい。
本発明によれば、透明板上の一面に発光部が形成されている場合に、透明板の他面の端部、すなわち発光部が形成された面の反対面の端部が粗面化された構造としたので、発光部から出射された光のうちの透明板に入射した光を端部で拡散し、透明板の外側に取り出すことで、光の取出効率を向上することができる。
本発明によれば、透明板上の一面に発光部が形成されている場合に、透明板の側面及び/又は透明板の他面、すなわち発光部が形成された面の反対面が粗面化された構造としたので、発光部から出射された光を透明板の界面で拡散し、透明板の外側に取り出すことで、光の取出効率を向上することができる等、優れた効果を奏する。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る発光ダイオードの一例を示す構造断面図である。
本発明の実施の形態1に係る発光ダイオード1は、可視光領域における透過率が優れた透明基板(ここでは、サファイア基板)10上に、厚みが略200ÅのAlNバッファ層11が形成されている。AlNバッファ層11は、例えば、サファイア基板10の温度を510℃とし、キャリアガスに窒素及び水素を用い、アンモニア及びトリメチルアルミニウムを供給することにより形成される。なお、サファイア基板10は、予めサーマルクリーニング(1050℃)が施されているものとする。
AlNバッファ層11の上面には、N型GaNであるSiドープGaN層12が略1.2μmの厚みで形成されている。SiドープGaN層12は、サファイア基板100の温度を1000℃に上昇させて、上述と同様のキャリアガスを用い、アンモニア、トリメチルガリウムを供給し、N型不純物として機能するシリコンを用いることで形成される。
SiドープGaN層12の上面には、N型GaNとN型InGaNとの積層構造である多重量子井戸(MQW)からなる活性層13が略400Åの厚みで形成されている。活性層13は、トリメチルインジウムを断続的に供給することで、多重量子井戸構造とすることができる。
活性層13の上面には、AlN及びP型GaNの超格子からなるキャップ層14が略200Åの厚さで形成されている。キャップ層14は、サファイア基板10の温度を950℃として、適宜、材料を供給することにより形成される。例えば、AlNを形成する場合には、アンモニア及びトリメチルアルミニウムを供給し、P型GaNを形成する場合には、アンモニア、トリメチルガリウムを供給するとともにP型不純物を用いることで形成される。
キャップ層14の上面には、厚みが略0.2μmのMgドープGaN層15が形成されている。MgドープGaN層15は、キャリアガスにマグネシウムを不純物として添加することで形成される。
MgドープGaN層15の上面には、膜厚が数十ÅのZn膜16が形成されている。Zn膜16は、MgドープGaN層15を形成した後、サファイア基板10の温度を800℃にし、減圧MOCVD装置内の圧力を6650Pa(50torr)とし、アンモニアのような水素原子を含む混合ガスの雰囲気から、速やかに減圧MOCVD装置内の雰囲気を不活性ガスである窒素ガスに切り替え、キャリアガスとして窒素ガスを用い、トリメチルジンクを供給することで形成される。
Zn膜16の上面には、厚みが略0.5μmのITO膜17が形成されている。ITO膜17は、真空蒸着装置内で、サファイア基板10の温度は200℃とし、SnO2 が10%含有されるITOを電子銃で加熱、蒸発させることによって形成される。
ITO膜17の上面の一部には、P型電極18が形成されているとともに、ITO膜17の一部がエッチングされてSiドープGaN層12の一部が露出されており、その露出部にN型電極19が形成されている。そして、P型電極18,N型電極19間に電圧を印加することによって発光現象が起こる。
本実施の形態では、発光部が形成された面の反対面(裏面)の端部10aが、図2の端部拡大図に示すように、凹凸状に粗面化されている(なお、図においては本発明の特徴である凹凸形状を誇張してある)。したがって、発光部からの出射光のうちの端部10aに導光された光は、この端部10aにて散乱させられ、サファイア基板10の外側へ出射されることから、光の取出効率が向上する。
次に、上述した発光ダイオード1の製造方法について説明する。発光ダイオード1は、複数の発光部を基板上に形成した後、個々の発光部に個片化することで製造することができる。
図3は本発明の実施の形態1に係る発光ダイオードの製造方法を説明するための説明図である。なお、基板上に各種積層物を積層することで複数の発光部を形成する方法は、従来と同様であるため、その説明を省略する。
サファイア基板50には、それ自体公知のフォトリソグラフィ技術を用い、上述した各層が積層されることによって形成された複数の発光部60,60,…が形成されている(図3(a))。同図破線がチップ分割線(もちろん、仮想的なものである)であり、各分割線で囲まれる領域が個々の発光ダイオードを示し、以下に説明する工程にて個片化される。
まず、発光部60が形成された面の反対面(裏面)に、有機膜を塗布してマスク70とする(図3(b))。マスク70は、サファイア基板50の裏面全面を被覆するように塗布される。
そして、レーザ照射装置をチップ分割線に沿って可動させながら、サファイア基板50の裏面からレーザ光を照射する。これにより、まずマスク70がレーザ光に反応して溝が形成され、さらに、サファイア基板50がレーザ光と反応して、照射された箇所の材質が変化するとともに、反応箇所が破断して溝50aが形成される(図3(c))。この溝50aの表面は、光を透過させるという性質のものではなく、逆に光を吸収する性質のもの(以下、残渣という)に変質する。形成する溝50aの深さについては限定されるものではないが、例えば、サファイア基板50の厚みの略2/3程度とする。
ところで、発光部60からの出射光は残渣に吸収されることになるので、発光ダイオードとしての光の取出効率が低下する。そこで、サファイア基板50に形成された溝50aの表面を粗面化する。具体的には、サンドブラスト法により、アルミナ、SiCのような研磨粒子を溝50aの表面に噴射して、生じた残渣を除去するとともに、溝50aの表面を粗面化する(図3(d))。溝50aの表面に生じる凹凸の形状は、研磨粒子の種類、並びに研磨粒子の噴射圧及び噴射量などによって調整することができ、所望の形状となるように適宜設定する。
サンドブラスト法を用いる場合、上述した有機膜がマスク70として機能し、溝以外の箇所が切削されることを防止できる。このように、所定の箇所のみを切削する場合には、その箇所に対応した開口パターンが形成されたマスクを介して研磨粒子を噴射するようにする。また、一般に研磨粒子の噴射による切削には時間がかかることから、溝形成工程で必要量の切削を行い、粗面化工程での切削は残渣を除去する程度にして、製造(切削)に要する時間を短縮して製造タクトを向上させることが好ましい。
なお、マスク70は、サンドブラスト耐性を有していれば、その材料に限定されるものではなく、例えば、サファイア基板に、サンドブラスト耐性を有するドライフィルムレジストなどの感光性樹脂フィルムを貼付し、貼付した感光性樹脂フィルムを、フォトリソグラフィ法で所望のマスクパターンに形成した後に、レーザ照射による溝形成工程とサンドブラストによる粗面化工程とを行うようにしてもよい。
そして、溝50aを介して隣り合う発光部60,60が形成されたサファイア基板50に応力を加えて、サファイア基板50を分割する(図3(e))。このようにして、サファイア基板50の各面のうち、発光部60が形成された面の反対面の端部を粗面化することができる。そして、個々の発光ダイオードに分割された後、マスク70を適宜除去することで、発光ダイオード1が製造される。
次に、本実施の形態に係る発光ダイオード1の光出力を評価した。
まず、本実施の形態に係る発光ダイオード1と、レーザスクライブ法のみでチップに分割した従来の発光ダイオード、つまり、図3(d)の粗面化工程を省略した発光ダイオード(ref1とする)との光出力の比較を行った。ref1の光出力を1とした場合、発光ダイオード1の光出力が1.10〜1.15倍に向上していることを確認した。これは、レーザ照射によって生じた残渣を、粗面化工程で除去することによって、残渣にて吸収されていた光を取り出すことができたものと推定される。また、光吸収が抑制されることから、発光ダイオード自体の温度上昇が抑制され、耐久性が向上する。
また、本実施の形態に係る発光ダイオード1と、ダイヤモンドスクライブ法のみでチップに分割した従来の発光ダイオード(ref2とする)との光出力の比較を行った。ref2の光出力を1とした場合、発光ダイオード1の光出力が略1.02倍に向上していることを確認した。これは、サファイア基板の各面のうち、発光部が形成された面の反対面の端部を粗面化することによって、その端部で光拡散を生じせしめ、サファイア基板の外側に取り出すことができたものと推定される。
上述した評価結果から、レーザスクライブ法を溝形成工程として用いた場合は、レーザ照射によって生じた残渣を除去することが、光の取出効率を向上に極めて有効であることがわかる。また、上述したレーザスクライブ法の替わりに、残渣が生じることのないダイヤモンドスクライブ法を溝形成工程として用いてもよく、ダイヤモンドスクライブ法を用いた場合であっても、サファイア基板の各面のうち、発光部が形成された面の反対面の端部を粗面化することによって、光の取出効率を向上させることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、サファイア基板の各面のうち、発光部が形成された面の反対面の端部が粗面化されている構造について説明したが、発光部が形成された面の反対面及び/又はサファイア基板の側面が粗面化されている構造であってもよく、このようにしたものが実施の形態2である。
図4は本発明の実施の形態2に係る発光ダイオードの一例を示す構造断面図である。
本発明の実施の形態2に係る発光ダイオード2は、サファイア基板20に、実施の形態1と同様の構造物が積層された構成をしている。サファイア基板20は、発光部が形成された面の反対面(裏面20c)及び側面20bが凹凸状に粗面化されている(なお、図においては本発明の特徴である凹凸形状を誇張してある)。その他の構成は実施の形態1(図1)と同様であるので、対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
また、発光ダイオード2は、実施の形態1と同様にレーザスクライブ法又はダイヤモンドスクライブ法とサンドブラスト法とを組み合わせて製造することができる。図5は本発明の実施の形態2に係る発光ダイオードの製造方法を説明するための説明図である。
サファイア基板50には、それ自体公知のフォトリソグラフィ技術を用い、上述した各層が積層されることによって形成された複数の発光部60,60,…が形成されている(図5(a))。同図破線がチップ分割線(もちろん、仮想的なものである)である。
まず、レーザ照射装置をチップ分割線に沿って可動させながら、サファイア基板50の裏面からレーザ光を照射する。これにより、サファイア基板50は、レーザ光と反応して、照射された箇所の材質が変化するとともに、反応箇所が破断して溝50aが形成される(図5(b))。
次に、サファイア基板50の裏面側から、アルミナ、Sicなどの研磨粒子をサンドブラスト法により噴射して、溝50aの表面、すなわちサファイア基板50の側面とサファイア基板50の裏面とを粗面化する(図5(c))。サファイア基板50の側面及び裏面に生じる凹凸の形状は、研磨粒子の種類、並びに研磨粒子の噴射圧及び噴射量などによって調整することができ、所望の形状となるように適宜設定する。
そして、溝50aを介して隣り合う発光部60,60が形成されたサファイア基板50に応力を加えて、サファイア基板50を分割する(図5(d))。このようにして、サファイア基板50の各面のうち、発光部60が形成された面の反対面及び側面を粗面化することができる。
本実施の形態に係る発光ダイオード2は、実施の形態1と同様、溝形成工程としてレーザスクライブ法を用いた場合は、レーザ照射によって生じた残渣を除去することができるので、光の取出効率を向上することができる。また、残渣が生じることのないダイヤモンドスクライブ法を溝形成工程として用いた場合であっても、サファイア基板の各面のうち、発光部が形成された面の反対面(裏面)と側面とを粗面化することによって、裏面及び側面に導光した光を拡散することができ、光の取出効率を向上させることができる。
なお、各実施の形態では、サファイア基板に応力を加えてサファイア基板を分割するようにしたが、溝形成工程又は粗面化工程での切削量を大きくして、溝形成工程又は粗面化工程にてサファイア基板を分割するようにしてもよい。
また、サファイア基板の裏面側からダイシングして、裏面を粗面化するような場合について説明したが、サファイア基板の表面側、つまり発光部の形成面側からダイシングして、表面を粗面化するような場合にも適用できる。その場合は、発光部に対応したマスクを用意し、そのマスクを介してサファイア基板の表面に研磨粒子を噴射することが好ましい。
さらに、透明基板としてサファイア基板を用いた場合について説明したが、可視光領域における透過率が優れた透明基板であれば、例えば、石英基板、窒化ガリウム基板などであってもよく、本発明の作用・効果である光取出効率を向上することができる。また、透明基板上に形成されるデバイス構造についても、限定されるものではない。
本発明の実施の形態1に係る発光ダイオードの一例を示す構造断面図である。 発光ダイオードの端部を拡大した端部拡大図である。 本発明の実施の形態1に係る発光ダイオードの製造方法を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態2に係る発光ダイオードの一例を示す構造断面図である。 本発明の実施の形態2に係る発光ダイオードの製造方法を説明するための説明図である。 従来の発光ダイオードの一例を示す構造断面図である。 従来の発光ダイオードの出射光の経路を説明するための説明図である。
符号の説明
1,2 発光ダイオード
10,20,50 サファイア基板
11 AlNバッファ層
12 SiドープGaN層
13 活性層
14 キャップ層
15 MgドープGaN層
16 Zn膜
17 ITO膜
18 P型電極
19 N型電極
60 発光部
70 マスク
50a 溝

Claims (6)

  1. 透明板の一面に発光部が形成された発光ダイオードにおいて、
    前記透明板の他面の端部が粗面化されていること
    を特徴とする発光ダイオード。
  2. 透明板の一面に発光部が形成された発光ダイオードにおいて、
    前記透明板の他面及び/又は前記透明板の側面が粗面化されていること
    を特徴とする発光ダイオード。
  3. 複数の発光部が形成された透明板から個々の発光部に分割することで個々の発光ダイオードを製造する発光ダイオードの製造方法において、
    前記透明板の分割すべき箇所に溝を形成する溝形成工程と、
    該溝形成工程にて形成された溝の表面を粗面化する粗面化工程と
    を含むことを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  4. 複数の発光部が形成された透明板から個々の発光部に分割することで個々の発光ダイオードを製造する発光ダイオードの製造方法において、
    前記透明板の分割すべき箇所に溝を形成する溝形成工程と、
    該溝形成工程にて形成された溝を含む前記透明板の表面を粗面化する粗面化工程と
    を含むことを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  5. 前記溝形成工程は、
    ダイヤモンドスクライブ法又はレーザスクライブ法を用いること
    を特徴とする請求項3又は請求項4に記載の発光ダイオードの製造方法。
  6. 前記粗面化工程は、
    前記透明板に研磨粒子を噴射することにより前記表面を切削して粗面化すること
    を特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の発光ダイオードの製造方法。
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