JP2006244544A - 磁気ディスクドライブ装置とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生産性の向上を図るとともに、磁気ヘッドスライダのESD等による破損率の低減を図ることができる磁気ヘッドスライドとその製造方法を提供する。
【解決手段】 磁気ディスクおよびスピンドルモータは、ハウジング部材に装着される。支持アーム21は、カバー部材20へ回動自在に装着される。サスペンション2は、磁気ヘッドスライダ25の装着位置を示すディンプル(第1の指標)と、これとは別の任意位置に形成されたスルーホール(第2の指標)とを有する。カバー部材20は、これら各指標を支持アーム装着面の反対側から観測するための測定用孔を有している。
【選択図】 図7

Description

本発明は、磁気ディスクドライブ装置およびこの磁気ディスクドライブ装置の製造方法に関する。
磁気ディスクドライブ、即ちハードディスクドライブ(HDD)装置では、ヘッドジンバルアセンブリ(HGA)のサスペンションの先端部に取り付けられた磁気ヘッドスライダを、回転する磁気ディスク即ちハードディスクの表面から浮上させ、その状態で、この磁気ヘッドスライダに搭載された薄膜磁気ヘッド素子により磁気ディスクへの記録および/または磁気ディスクからの再生を行う。
HDD装置は、一般に、ハウジング部材とカバー部材とによって外形が形成され、その内部に磁気ディスク、磁気ディスク駆動用のモータ、磁気ヘッドスライダを含むHGA、このHGAを支持する支持アームなどの各構成部品が収容されている。
従来のHDD装置においては、これら各構成部品のほとんどが、ハウジング部材に取り付けられており、カバー部材はハウジング部材の開口部を覆い、HDD装置を密封するのみの役割を有するものであった(例えば、特許文献1を参照)
特開平6−215513号公報
このため、磁気ディスクと対向して配置される磁気ヘッドスライダは、あらかじめHGAのサスペンションの先端部に取り付けられて、ハウジング部材に組み込まれる。その後、磁気ヘッドスライダの性能検査が実施されるが、一般に磁気ヘッドスライダの歩留りは悪く(換言すると、不良品率が高く)、磁気ヘッドスライダが不良と判定された場合、HGAのすべてを再びハウジング部材から取り外して交換する必要がある。
しかも、磁気ヘッドスライダは、塵埃等の付着により性能が劣化するため、高精度なクリーンルーム内で取り扱う必要がある。よって、HGAをハウジング部材に装着する工程についても高精度なクリーンルーム内で行う必要があった。
さらに、HGAのサスペンションに磁気ヘッドスライダを装着した後に、当該HGAをハウジング部材に組み込む等の工程があるため、それら後工程において静電放電(ESD)による磁気ヘッドスライダの破損もしばしば発生していた。
これらのことから、従来の磁気ディスクドライブ装置は、生産性が悪く、この点が製品コストの低減を図る上で障害となっていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、生産性の向上を図るとともに、磁気ヘッドスライダのESD等による破損率の低減を図ることができる磁気ヘッドスライドとその製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の磁気ディスクドライブ装置は、正面が開口したハウジング部材と、
ハウジング部材の正面開口部を覆うカバー部材と、
磁気ヘッドスライダおよび該磁気ヘッドスライダを支持するためのサスペンションを含むヘッドジンバルアセンブリと、
ヘッドジンバルアセンブリを支持する支持アームと、
磁気ヘッドスライダと対向して設けられる磁気ディスクと、
該磁気ディスクを回転させるためのモータと、を備えた磁気ディスクドライブ装置であって、次の(イ)乃至(ニ)の構成を含むことを特徴とする。
(イ)磁気ディスクおよびモータは、ハウジング部材に装着される
(ロ)支持アームは、カバー部材へ回動自在に装着される
(ハ)サスペンションは、磁気ヘッドスライダの装着位置を示す第1の指標と、当該第1の指標とは別の任意位置に設定した第2の指標とを有する
(ニ)カバー部材は、第1および第2の指標を支持アーム装着面の反対側から観測するための測定用孔を有している
ここで、カバー部材およびサスペンションには、位置決めピンを挿通するための位置決め用孔をそれぞれ形成しておくことが好ましい。このうち、カバー部材の位置決め用孔は、支持アームに支持されたサスペンションの回動範囲内で当該サスペンションの位置決め用孔と対向可能な任意の位置に形成してあればよい。
また、測定用孔は、カバー部材およびサスペンションの各位置決め用孔を対向して配置し、これら位置決め用孔に位置決めピンを挿通した状態にて、第1の指標および第2の指標を、支持アーム装着面の反対側からそれぞれ観測できる位置に形成することが好ましい。
上記の構成において、例えば、第1の指標は、サスペンションに形成されたディンプルを利用することができ、第2の指標は、サスペンションに形成されたスルーホールを利用することができる。
サスペンションには、磁気ヘッドスライダを背面側から支えるディンプルと称する突部や、製造工程において位置決め等に利用されるスルーホールが、あらかじめ形成されていることがある。このようにあらかじめサスペンションに形成されたディンプルを第1の指標、スルーホールを第2の指標としてそれぞれ利用することにより、本発明の適用にあたりサスペンションの改良や構造の複雑化を回避することができる。
測定用孔は、第1の指標を支持アーム装着面の反対側から観測する第1の測定用孔と、第2の指標を支持アーム装着面の反対側から観測する第2の測定用孔と、で構成することができる。また、測定用孔は、第1および第2の指標を支持アーム装着面の反対側からそれぞれ観測する長孔形状の共通測定用孔で構成することもできる。
上記カバー部材に形成された位置決め用孔および測定用孔は、完成した磁気ディスクドライブ装置においては封止され、これにより、ハウジング部材とカバー部材とで覆われた装置内部が密封され、内部への塵埃の進入が防止される。
上記構成の本発明によれば、磁気ヘッドスライダおよびサスペンションを含むヘッドジンバルアセンブリが、これを支持する支持アームによってカバー部材に取り付けられており、一方、磁気ディスクおよびモータがハウジング部材に取り付けられているため、磁気ディスクが存在するハウジング部材とは分離してヘッドジンバルアセンブリに関する組み立て作業ができ、その作業に必要な装置や治具などの自由度が増大し、効率的な作業を実現することができる。
また、ヘッドジンバルアセンブリから不良磁気ヘッドスライダを取り外して交換する際にも、ハウジング部材とカバー部材とを分離した状態で交換作業を行えば良いため、磁気ディスクを汚染させることなく、容易にかつ効率的に磁気ヘッドスライダの交換作業を行うことができる。
さらに、磁気ヘッドスライダを除くヘッドジンバルアセンブリをカバー部材に先行して装着した後、サスペンションに磁気ヘッドスライダを装着することで、カバー部材へのヘッドジンバルアセンブリの組付け工程を、高精度のクリーンルーム内で行う必要がなくなる。しかも、磁気ヘッドスライダをサスペンションに装着した後の操作が減るため、ESD等による磁気ヘッドスライダの破損を抑制することができる。
本発明によれば、サスペンションに設けられた第1および第2の指標を、カバー部材に設けた測定用孔によって観測できるようにしてあるので、次に示す製造方法のごとく、カバー部材にサスペンションを装着した後であっても、高精度に磁気ヘッドスライダをサスペンションの所定位置に装着することが可能となる。
すなわち、本発明の磁気ディスクドライブの製造方法は、磁気ディスクおよびモータを、ハウジング部材に装着するハウジング部材側組付け工程と、
磁気ヘッドスライダを装着していない状態のヘッドジンバルアセンブリが取り付けられた支持アームを、カバー部材に装着するカバー部材側組付け工程と、
カバー部材に装着されたヘッドジンバルアセンブリに、磁気ヘッドスライダを装着するスライダ装着工程と、
ハウジング部材の正面開口部を覆うようにして、当該ハウジング部材にカバー部材を組み付ける封止工程と、を含み、
且つ、スライダ装着工程が次の(イ)乃至(ニ)の操作を含むことを特徴とする。
(イ)磁気ヘッドスライダを装着していない状態のヘッドジンバルアセンブリが取り付けられた支持アームを、カバー部材上であらかじめ設定した任意の位置に固定する
(ロ)サスペンションに設定された第1および第2の指標を、カバー部材における支持アーム装着面の反対側から測定用孔を透して測定する
(ハ)第1および第2の指標の測定結果に基づき、サスペンションの向きと当該サスペンション上の磁気ヘッドスライダの装着位置とを認識する
(ニ)サスペンションの向きと当該サスペンション上の磁気ヘッドスライダの装着位置に基づき、サスペンションに磁気ヘッドスライダを装着する
ここで、サスペンションに設定された第1および第2の指標は、カバー部材における支持アーム装着面の反対側に設置した画像読取カメラによって検出して、当該各指標の位置情報を求めることができる。
さらに、サスペンションに装着される前の磁気ヘッドスライダを、画像読取カメラによって検出し、当該磁気ヘッドスライダの向きと位置を認識し、この認識結果に基づいて、サスペンションに磁気ヘッドスライダを装着することができる。
磁気ヘッドスライダは、半田付けをもってサスペンションに装着されることが好ましい。このようにすれば、不良磁気ヘッドスライダを半田を溶融させるのみで簡単にサスペンションから取り外すことができ、交換作業が容易となる。
また、カバー部材に形成された位置決め用孔と測定用孔を封止する孔密閉工程を挿入することで、ハウジング部材とカバー部材とで覆われた装置内部が密封され、内部への塵埃の進入が防止される。
以上説明したように、本発明によれば、カバー部材にヘッドジンバルアセンブリを装着する構成ととした結果、生産性の向上を図ることができ、しかも磁気ヘッドスライダのESD等による破損率を低減することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る磁気ディスクドライブ装置(HDD装置)のハウジング部材側の構成を示す斜視図であり、図2は同じくカバー部材側の構成を示す斜視図、図3(a)は同じくカバー部材側の構成を示す平面図、同図(b)は側面断面図である。
図1において、10は正面が開口したハウジング部材、11は磁気ディスク、12はスピンドルモータの回転軸である。スピンドルモータは図示していないが、ハウジング部材10に組み込まれており、このスピンドルモータの回転軸12に磁気ディスク11が装着されている。磁気ディスク12は、スピンドルモータの回転駆動力をもって高速回転する。13はスピンドルモータに電力を供給するための配線導体である。14は後述するボイスコイルモータ(VCM)を構成するヨークの一部分である。
図2および図3において、20はハウジング部材10の正面開口部を覆うカバー部材、21は支持アームであって、カバー部材20に固着した水平回動軸22に回動自在に装着されている。23はロードビームであって、支持アーム21の先端部に装着されている。23aはリフトタブであって、ロードビーム23の先端に設けられており、非動作時にヘッドジンバルアセンブリを磁気ディスク11の表面から離しておくための機能を有している。24はフレクシャであって、ロードビーム23に装着されている。25は磁気ヘッドスライダであり、フレクシャ24の先端部に装着されている。この磁気ヘッドスライダ25の一部に、磁気ヘッド素子が形成されている。
ここで、本実施形態では、フレクシャ24は弾性を有する金属板で形成してあり、その先端部には図示していないが軟らかな舌部が形成されている。この舌部で磁気ヘッドスライダ25を柔軟に支えることにより浮上姿勢を安定させている。また、図3(b)に示すように、ロードビーム23の先端部には、ディンプル23bと称する突部が形成してある。このディンプル23bは、磁気ヘッドスライダ25の装着位置の中心部を背面から支える機能を有している。よって、ディンプル23bの形成位置は、磁気ヘッドスライダ25の装着位置の中心に対向している。なお、フレクシャ24には、図示されていないがトレース導体(配線部材)が設けてある。
上述したロードビーム23およびフレクシャ24によってサスペンション2が構成され、このサスペンション2、磁気ヘッドスライダ25およびトレース導体によってヘッドジンバルアセンブリが構成される。
26はボイスコイルモータのコイル部であって支持アーム21の後端部に装着されている。27はボイスコイルモータのマグネット部であって、カバー部材20に装着されている。そして、28はボイスコイルモータを構成するヨークの残り部分である。これらヨーク部14,28、コイル部26、マグネット部27で構成されたボイスコイルモータは、水平回動軸22を中心に、支持アーム21を回動させる駆動源である。
また、29は磁気ヘッドスライダ25の電気的接続に用いられる外部配線導体であり、例えば、ICチップを備えたフレクシブルプリント回路(FPC)で構成されている。この外部配線導体29は、フレクシャ24のトレース導体(図示せず)に接続される。30は磁気ヘッドスライダからの信号を増幅するヘッドアンプを含むコネクタ部である。そして、31はヘッドジンバルアセンブリの退避位置に設けたランプであり、非動作時にリフトタブ23aが載置される。なお、例えば、上述したコネクタ部30やランプ31は、ハウジング部材10側に設けることもできる。
図4はハウジング部材とカバー部材とを組み合わせて磁気ディスクドライブ装置を組み立てる様子を示す分解斜視図である。
同図に示すように、ハウジング部材10には、あらかじめ磁気ディスク11,スピンドルモータ、ボイスコイルモータのヨークの一部分14等が装着されており、一方、カバー部材20には、水平回動軸22、支持アーム21、ロードビーム23とフレクシャ24からなるサスペンション2、トレース導体(図示せず)、磁気ヘッドスライダ25、ボイスコイルモータのコイル部26、マグネット部27、ヨークの残り部分28、外部配線導体29、コネクタ部30およびランプ31等があらかじめ装着されている。
このカバー部材20を、ハウジング部材10の正面開口部を覆うようにして当該ハウジング部材10に組み合わせることで内部が密封され、磁気ディスクドライブ装置が組み立てられる。組立状体においては、装置の内部において磁気ヘッドスライダ25が、ボイスコイルモータのく動力をもって磁気ディスク11と対向する仮想平面上を移動可能となる。
図5は本実施形態に係る磁気ディスクドライブ装置の製造方法を示すフローチャートである。
まず、ハウジング部材10の内側に、スピンドルモータおよび磁気ディスク11などからなるモータアセンブリ、ボイスコイルモータのヨークの一部分14、およびその他必要な部品をあらかじめ装着する(ステップS1:ハウジング部材側組付け工程)
一方、カバー部材20の内側に、磁気ヘッドスライダ25を除くヘッドジンバルアセンブリが取り付けられた支持アーム21、水平回動軸22およびボイスコイルモータのコイル部26などからなるヘッドアームアセンブリ(HAA)と、ボイスコイルモータのマグネット部27やヨークの残り部分28からなるVCMヨークアセンブリと、コネクタ部30を含む外部配線導体29と、その他必要な部品とをあらかじめ装着する(ステップS2:カバー部材側組付け工程)。
このカバー部材側組付け工程は、サスペンション2に磁気ヘッドスライダ25を装着する前の工程であるため、クリーンルームの外部または比較的精度を要求されないクリーンルームの内部で、その作業を実施することも可能になる。
次に、カバー部材20に装着されたヘッドジンバルアセンブリのサスペンション2(具体的にはフレクシャ24の先端部)に、磁気ヘッドスライダ25を装着する(ステップS3:スライダ装着工程)。
ここで、サスペンション2には、図2および図3に示すように、あらかじめ位置決め用孔2aとスルーホール2bが形成されている。これら位置決め用孔2aやスルーホール2bは、例えば、ロードビーム23とフレクシャ24とを組み合わせてサスペンション2を製作する際の位置決め用に、従来から設けられている。一般に、これら位置決め用孔2aとスルーホール2bは、磁気ヘッドスライダ25の装着位置の中心と水平回動軸22の中心とを通る直線上の任意の位置に形成されている。本実施形態では、磁気ヘッドスライダ25をサスペンション2の決められた位置へ正確に装着するための指標として、図3(b)に示したディンプル23b(第1の指標)と上記スルーホール2b(第2の指標)とを利用している。
一方、図6に示すように、カバー部材20には、位置決め用孔20aと2つの測定用孔20b,20cが形成されている。このうち、位置決め用孔20aは、支持アーム21に支持されたサスペンション2の回動範囲W内で、サスペンション2の位置決め用孔2aと対向可能な任意の位置に形成されている。また、2つの測定用孔20b,20cは、カバー部材20およびサスペンション2の各位置決め用孔2aを対向して配置した状態にて、ディンプル23b(第1の指標)とスルーホール2b(第2の指標)を支持アーム装着面の反対側からそれぞれ観測できる位置に形成されている。
図7はスライダ装着工程を更に詳細に説明するための模式図である。
同図(a)に示すように、カバー部材20およびサスペンション2の各位置決め用孔20a,2aを対向して配置し、これら各位置決め用孔20a,2aに位置決めピン40を挿通する。このようにして、支持アーム21およびサスペンション2を、カバー部材20上であらかじめ設定した任意の位置に固定する。
次いで、同図(a)に示すように、サスペンション2に形成されたスルーホール2b(第2の指標)を、カバー部材20における支持アーム装着面の反対側から測定用孔20bを透して測定する。この測定にはCCDカメラ等の画像読取カメラ41を用い、得られた画像データに基づいてスルーホール2bの中心位置を認識する。画像読取カメラ41は、あらかじめ設定してある測定原点に固定されており、カバー部材20がX−Yテーブル等の平行移動可能な作業台42上に配置されている。
スルーホール2bの位置を検出した後、図7(b)に示すように、カバー部材20を水平移動させながら画像読取カメラ41により測定用孔20cを透してディンプル23b(第1の指標)を検出し、得られた画像データに基づいてディンプル23bの中心位置を認識する。なお、ディンプル23b(第1の指標)の検出を、スルーホール2b(第2の指標)の検出よりも先に実行してもよい。
ディンプル23b(第1の指標)の中心位置は、既述したように磁気ヘッドスライダ25を装着する位置の中心と対向しているため、これを認識できれば、磁気ヘッドスライダ25の装着位置を正確に認識できることになる。また、サスペンション2における任意の2点(本実施形態では、ディンプル23bとスルーホール2bの各中心位置)を認識できれば、その認識結果よりそれを結ぶ直線の方向を求めることで、サスペンション2の向きを認識することができる。
また、図7(c)に示すように、ロボットアーム43等で搬送されてきた磁気ヘッドスライダ25を、画像読取カメラ41によって検出し、当該磁気ヘッドスライダ25の向きと位置を認識する。このようにして認識された磁気ヘッドスライダ25の向きを、サスペンション2の向きに合わせて補正するとともに、ディンプル23b(第1の指標)の中心位置情報と磁気ヘッドスライダ25の位置情報とに基づいて、磁気ヘッドスライダ25をサスペンション2の所定位置へ正確に搬送して装着する。
このように、サスペンションに2つの指標23b,2bを設けるとともに、カバー部材20にこれらの指標23b,2bを観測するための測定用孔20b,20cを形成することで、カバー部材20に装着された状態のサスペンション2に対し、磁気ヘッドスライダ25を正確に装着することが可能となる。
ここで、磁気ヘッドスライダ25は、半田付けもってサスペンション2に装着される。このようにすれば、不良磁気ヘッドスライダ25を半田を溶融させるのみで簡単にサスペンション2から取り外すことができ、交換作業が容易となる。
図5に戻り、スライダ装着工程を終了した後、カバー部材20に形成された位置決め用孔20aと測定用孔20b,20cをテープ等で封止する(ステップS4:孔閉塞工程)。これにより、ハウジング部材10とカバー部材20とで覆われた装置内部が密封され、内部への塵埃の進入が防止される。なお、位置決め用孔20aと測定用孔20b,20cの封止は、ハウジング部材10にカバー部材20を組み付けた後に、外面側で行ってもよい。
最後に、図4に示したごとく、ハウジング部材10の正面開口部を覆うようにして、当該ハウジング部材10にカバー部材20を組み付ける(ステップS5:封止工程)。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、図8に示すように、ディンプル23b(第1の指標)とスルーホール2b(第2の指標)を支持アーム装着面の反対側からそれぞれ観測するための測定用孔は、1つの長孔形状の共通測定用孔20dによって構成することもできる。
また、サスペンション2の向きを認識するために、3個以上の指標をあらかじめ形成するとともに、カバー部材20にはこれら各指標を支持アーム装着面の反対側から観測できる測定用孔を形成した構成としてもよい。
さらに本発明は、上記実施形態で説明した以外の構造をした各種HDD装置にも適用可能であることは勿論である。
本発明の実施形態に係る磁気ディスクドライブ装置(HDD装置)のハウジング部材側の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る磁気ディスクドライブ装置(HDD装置)のカバー部材側の構成を示す斜視図である。 (a)は本発明の実施形態に係る磁気ディスクドライブ装置(HDD装置)のカバー部材側の構成を示す平面図、(b)は同じく側面断面図である。 ハウジング部材とカバー部材とを組み合わせて磁気ディスクドライブ装置を組み立てる様子を示す分解斜視図である。 本実施形態に係る磁気ディスクドライブ装置の製造方法を示すフローチャートである。 カバー部材の平面図である。 スライダ装着工程を更に詳細に説明するための模式図である。 測定用孔の変形例を示すカバー部材の平面図である。
符号の説明
2:サスペンション
2a:位置決め用孔
2b:スルーホール(第2の指標)
10:ハウジング部材
11:磁気ディスク
12:スピンドルモータの回転軸
13:配線導体
14:VCMのヨークの一部分
20:カバー部材
20a:位置決め用孔
20b:測定用孔
20c:測定用孔
20d:共通測定用孔
21:支持アーム
22:水平回動軸
23:ロードビーム
23a:リフトタブ
23b:ディンプル(第1の指標)
24:フレクシャ
25:磁気ヘッドスライダ
26:VCMのコイル部
27:VCMのマグネット部
28:VCMのヨークの残り部分
29:外部配線導体
30:コネクタ部
31:ランプ
40:位置決めピン
41:画像読取カメラ
42:作業台
43:ロボットアーム

Claims (13)

  1. 正面が開口したハウジング部材と、
    前記ハウジング部材の正面開口部を覆うカバー部材と、
    磁気ヘッドスライダおよび該磁気ヘッドスライダを支持するためのサスペンションを含むヘッドジンバルアセンブリと、
    前記ヘッドジンバルアセンブリを支持する支持アームと、
    前記磁気ヘッドスライダと対向して設けられる磁気ディスクと、
    該磁気ディスクを回転させるためのモータと、を備えた磁気ディスクドライブ装置であって、次の(イ)乃至(ニ)の構成を含むことを特徴とする磁気ディスクドライブ装置。
    (イ)前記磁気ディスクおよび前記モータは、前記ハウジング部材に装着される
    (ロ)前記支持アームは、前記カバー部材へ回動自在に装着される
    (ハ)前記サスペンションは、前記磁気ヘッドスライダの装着位置を示す第1の指標と、当該第1の指標とは別の任意位置に設定した第2の指標とを有する
    (ニ)前記カバー部材は、前記第1および第2の指標を前記支持アーム装着面の反対側から観測するための測定用孔を有している
  2. 前記カバー部材および前記サスペンションには、位置決めピンを挿通するための位置決め用孔がそれぞれ形成してあることを特徴とする請求項1の磁気ディスクドライブ装置。
  3. 完成品において、前記カバー部材の位置決め用孔は封止されていることを特徴とする請求項1または2の磁気ディスクドライブ装置。
  4. 前記カバー部材の位置決め用孔は、前記支持アームに支持された前記サスペンションの回動範囲内で当該サスペンションの位置決め用孔と対向可能な任意の位置に形成してあることを特徴とする請求項2または3の磁気ディスクドライブ装置。
  5. 前記測定用孔は、前記カバー部材および前記サスペンションの各位置決め用孔を対向して配置し、これら位置決め用孔に前記位置決めピンを挿通した状態にて、前記第1の指標および前記第2の指標を、前記支持アーム装着面の反対側からそれぞれ観測できる位置に形成してあることを特徴とする請求項4の磁気ディスクドライブ装置。
  6. 前記第1の指標が、前記サスペンションに形成されたディンプルであり、
    前記第2の指標が、前記サスペンションに形成されたスルーホールであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁気ディスクドライブ装置。
  7. 前記測定用孔は、前記第1の指標を前記支持アーム装着面の反対側から観測する第1の測定用孔と、前記第2の指標を前記支持アーム装着面の反対側から観測する第2の測定用孔と、で構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁気ディスクドライブ装置。
  8. 前記測定用孔は、前記第1および第2の指標を前記支持アーム装着面の反対側からそれぞれ観測する長孔形状の共通測定用孔で構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁気ディスクドライブ装置。
  9. 完成品において、前記測定用孔は封止されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の磁気ディスクドライブ装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の磁気ディスクドライブ装置を製造するための方法であって、
    前記磁気ディスクおよび前記モータを、前記ハウジング部材に装着するハウジング部材側組付け工程と、
    前記磁気ヘッドスライダを装着していない状態の前記ヘッドジンバルアセンブリが取り付けられた前記支持アームを、前記カバー部材に装着するカバー部材側組付け工程と、
    前記カバー部材に装着された前記ヘッドジンバルアセンブリに、前記磁気ヘッドスライダを装着するスライダ装着工程と、
    前記ハウジング部材の正面開口部を覆うようにして、当該ハウジング部材に前記カバー部材を組み付ける封止工程と、を含み、
    且つ、前記スライダ装着工程が次の(イ)乃至(ニ)の操作を含むことを特徴とする磁気ディスクドライブ装置の製造方法。
    (イ)前記磁気ヘッドスライダを装着していない状態の前記ヘッドジンバルアセンブリが取り付けられた前記支持アームを、前記カバー部材上であらかじめ設定した任意の位置に固定する
    (ロ)前記サスペンションに設定された前記第1および第2の指標を、前記カバー部材における前記支持アーム装着面の反対側から前記測定用孔を透して測定する
    (ハ)前記第1および第2の指標の測定結果に基づき、前記サスペンションの向きと当該サスペンション上の前記磁気ヘッドスライダの装着位置とを認識する
    (ニ)前記サスペンションの向きと当該サスペンション上の前記磁気ヘッドスライダの装着位置に基づき、前記サスペンションに前記磁気ヘッドスライダを装着する
  11. 請求項10の磁気ディスクドライブ装置の製造方法において、
    前記サスペンションに設定された前記第1および第2の指標は、前記カバー部材における前記支持アーム装着面の反対側に設置した画像読取カメラによって検出され、当該各指標の位置情報が求められることを特徴とする磁気ディスクドライブ装置の製造方法。
  12. 前記サスペンションに装着される前の前記磁気ヘッドスライダを、前記画像読取カメラによって検出し、当該前記磁気ヘッドスライダの向きと位置を認識し、この認識結果に基づいて、前記サスペンションに前記磁気ヘッドスライダを装着することを特徴とする請求項11の磁気ディスクドライブ装置の製造方法。
  13. 前記磁気ヘッドスライダは、半田付けをもって前記サスペンションに装着されることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載の磁気ディスクドライブ装置の製造方法。
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