JP2006241551A - 溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板 - Google Patents

溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】 Mnの添加量を増加させ、NiやCuの添加量を削減させることで、高強度、高機能化、低価格化を図ることができる溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板を提供する。
【解決手段】 質重量%で、C:0.01〜0.14%、Mn:1.60%超3.00%以下、C+Mn/20≦0.22%、Mn≧2.30−10C(%)を満足するC及びMnを含有し、さらに、P:0.020−0.04(C+Mn/20)(%)以下、S:0.015−0.04(C+Mn/20)(%)以下、O:0.005%以下を含有し、さらに、Si:0.50%以下、Al:0.060%以下、Ti:0.025%以下、Ca:0.0060%以下、REM:0.0100%以下、Mg:0.0050%以下の群から選択された1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避不純物からなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板に関するものである。
従来、構造材としての厚鋼板は、溶接して用いられることが多く、工業上の規格化も早くから進み、広く普及している。この厚鋼板に係わる日本工業規格としては、例えば、JIS G 3106「溶接構造用圧延鋼材」等がある。
溶接構造用鋼として溶接性を改善する最も一般的で基本的な方法は、厚鋼板のC量や溶接性を示す指標である炭素当量(Ceq)、溶接割れ感受性組成(PCM)を低減させることである。
これまでにも、溶接構造用鋼の溶接性を改善するために、合金成分の適正化と製造方法を組み合わせた多くの技術が提案されている。
例えば、Mnを含む鋼を例に採ると、Mnを1.6%超(2.0%以下)を含む鋼の製造法が提案されている(特許文献1、2参照)。
特開昭61−79745号公報 特公平6−94569号公報
ところで、従来の日本工業規格JIS G 3106「溶接構造用圧延鋼材」では、鋼材中のMnの含有量を1.60%以下に規定しているために、Mnを1.60%を超えて添加した鋼材に関する提案は比較的少ない。
上記の日本工業規格でMnの添加量を1.60%以下と規定している理由は必ずしも明確ではないが、規格制定が古いこともあって、制定当時の鋳片または鋼片のマクロ偏析制御技術やMnS生成に関わる脱硫能力等からMnの添加量を1.60%以下と規定したものと思われる。
Mnの添加量が1.60%を超えた場合、Mnの含有量が多いことから鋼材中に偏析が生じ易くなり、この偏析の増加に伴ってミクロ硬化組織が増加する虞がある。また、Mnの含有量に伴ってSの含有量も増加し、したがって、MnSが大量に存在することとなり、MnSに起因する割れが発生する虞がある。
一方、Mnには鋼材の強度を増加させる効果があることが知られており、高強度の鋼材や厚手の鋼材を得ようとした場合、Mnの添加量を増加させればよいのであるが、Mnの添加量の上限が規定されていることから、Mnの添加量を増加させることができない。したがって、母材および溶接継手靭性への悪影響が比較的小さいが高価であるNiやCuを添加することで要求特性を満足せざるを得ないのが現状である。
なお、上述した特許文献1、2では、Mnが1.6%超(2.0%以下)を含む鋼の製造法に関する技術は開示されているものの、Mnの添加量は高々1.75%であり、しかも、Mnの添加量とCの添加量との関係については何等記載されていない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、Mnの添加量を増加させると共に高価なNiやCuの添加量を削減させることが可能で、既存の鋼材と同等あるいはそれ以上の高強度を有し、しかも、さらなる高機能化、低価格化を図ることが可能な溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討した結果、Mnを多量に添加させた際に生じる連続鋳造スラブの中心偏析やMnSの生成を、C、P、S等の含有量を制限することにより抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至ったものであり、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1) 質重量%で、C:0.01〜0.14%、Mn:1.60%超3.00%以下、C+Mn/20≦0.22%、Mn≧2.30−10C(%)を満足するC及びMnを含有し、
さらに、P:0.020−0.04(C+Mn/20)(%)以下、S:0.015−0.04(C+Mn/20)(%)以下、O:0.005%以下を含有し、
さらに、Si:0.50%以下、Al:0.060%以下、Ti:0.025%以下、Ca:0.0060%以下、希土類元素:0.0100%以下、Mg:0.0050%以下の群から選択された1種または2種以上を含有し、
残部が鉄および不可避不純物からなることを特徴とする溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板。
(2) さらに、質量%で、Ni:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Cu/2≦Ni≦Mn/2、
かつ、Mn≦2.0%のとき、Ni+Cu≦5.0−2Mn(%)、
Mn>2.0%のとき、Ni+Cu≦1.0%
を満足するCu及びNiを含有してなることを特徴とする(1)に記載の溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板。
(3) さらに、質量%で、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.05〜0.50%、Nb:0.005〜0.10%、V:0.01〜0.10%、B:0.0002〜0.003%の群から選択された1種または2種以上を含有してなることを特徴とする(1)または(2)に記載の溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板。
本発明の溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板によれば、C、Mn、P及びSの添加量のバランスを取ることで、Mnの上限規制に縛られることなく、Mnの添加量を大幅に増加させることができ、その結果、高強度で、しかも溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板を提供することができる。
また、NiやCuの添加量を削減あるいは全く添加しないので、高強度で、溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板を安価に提供することができる。
以上により、各種溶接鋼構造物の安全性を従来よりも低コストで高めることができる。
本発明の溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板の一実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために詳細に説明するものであるから、特に指定の無い限り、本発明を限定するものではない。
本発明の溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板は、
質重量%で、C:0.01〜0.14%、Mn:1.60%超3.00%以下、C+Mn/20≦0.22%、Mn≧2.30−10C(%)を満足するC及びMnを含有し、
さらに、P:0.020−0.04(C+Mn/20)(%)以下、S:0.015−0.04(C+Mn/20)(%)以下、O:0.005%以下を含有し、
さらに、Si:0.50%以下、Al:0.060%以下、Ti:0.025%以下、Ca:0.0060%以下、希土類元素(以下、REMと略称する):0.0100%以下、Mg:0.0050%以下の群から選択された1種または2種以上を含有し、
残部が鉄および不可避不純物からなるものである。
ここで、厚鋼板の組成を上記の様に限定した理由について説明する。
Cは、鋼材の特性に最も顕著に効くもので、0.01〜0.14%の範囲に限定するものである。ここで、Cの含有量を上記の様に限定した理由は、下限値の0.01%は、強度確保及び溶接などの熱影響部が必要以上に軟化することのないようにするための最小量である。しかし、Cの添加量が多すぎると、焼入性が必要以上に上がり、鋼材が本来有すべき強度、靱性のバランス、溶接性などに悪影響を及ぼすため、上限を0.14%とした。
Mnは、本願発明における最重要かつ最大の特徴をなす元素であり、1.60%超3.00%以下の範囲に限定するものである。
ここで、Mnの含有量を上記の様に限定した理由は、下限値の1.60%は、従来技術と一線を画し、本願発明の特徴を明確にするために高いレベルとしたものである。Mnは、母材の強度や靭性確保にも有効であり、溶接構造用鋼として一般に使用される引張強さ400MPa級以上の強度を、CuやNiを添加することなく、各種製造方法で厚鋼材を安定して得るためにはMnを1.60%を超えて添加することが必要である。
この添加量を1.60%超とすることにより、さらに高強度鋼において、高価なNi、Cu添加が不可欠の場合でも、Ni、Cuの添加量の低減を図ることが可能である。
また、上限値の3.00%については、必ずしも限界的な意味を有するものではなく、溶接構造用厚鋼板として優れた特性を有することが確認されたMnの含有量の上限値である。これに加えて、Mnの含有量が多すぎると焼入性が上昇して溶接性や溶接部靭性を劣化させるだけでなく、連続鋳造スラブの中心偏析が顕著となる可能性がある点を考慮して上限値を3.0%とした。
Mnの含有量は、上記の範囲内とすることはもちろんのこと、多量に含有する本願発明においては、Cの含有量に対応して規制しなければ、優れた溶接性や低温靭性は得られない。
そこで、C及びMnそれぞれの含有量を、C+Mn/20≦0.22%、Mn≧2.30−10C(%)のそれぞれを満足するように規定した。
まず、Mnは、溶接性(溶接割れ感受性)に影響を及ぼすため、溶接性を示す指標の一つとして広く知られている溶接割れ感受性組成(PCM)のCとMnの項の関係から、その含有量を
C+Mn/20≦0.22%
と限定する必要がある。
溶接割れ感受性組成(PCM)は低いほど溶接性に優れ、溶接時の予熱が低減できるため、溶接割れ感受性組成(PCM)に関与する他の元素も考慮して上記のように限定した。
したがって、上限値の0.22%は、臨界的な意味合いを持つものではなく、他の元素が含まれる場合であっても、安定して優れた溶接性を確保することができる範囲として限定したものである。
また、Mnは比較的偏析し易い元素であり、Cの含有量が多いほど、偏析の程度は顕著となる。このため、連続鋳造スラブの中心偏析を厚鋼板の所要特性を劣化させない程度に安定して制御する上で、Cの含有量が多いほど、Mnの含有量を抑える必要がある。
そこで、Mnの含有量を
Mn≧2.30−10C
と限定した。
以上により、上述したC、Mnそれぞれの含有量の範囲および総量規制ともいえる関係式
C+Mn/20≦0.22%
と併せ、C、Mnは図1に示す実線で囲まれた領域の如く、自ずとある領域に限定されることとなる。
P、Sは、本発明の鋼においては不純物であり、含有量が多くなると母材および溶接部の靭性を劣化させるため、いずれの含有量も低いほど好ましい。しかし、必要以上に含有量を低減することは、製鋼工程に対する負荷増となり、生産性やコストの面で得策ではない。
そこで、P、Sそれぞれの含有量の上限を、CおよびMnそれぞれの含有量に応じて限定した。
ここでは、C、Mnそれぞれの含有量が多い(結果として偏析も助長される)ほど、P、S各々の上限値が抑制されたものとなることから、P、Sそれぞれの含有量を下記の通りに限定した。
P≦0.020−0.04(C+Mn/20)(%)
S≦0.015−0.04(C+Mn/20)(%)
なお、P、Sは、個別規制に加え、PとSの総量を0.018%以下にすることがさらに好ましい。
ここで、PとSの総量を0.018%以下と限定した理由は、母材及び溶接部の靭性を大きく劣化させないためである。
Oは、鋼の清浄度にも直接関わるものである。比較的高いMnを含む本願発明の厚鋼板においては、Sの含有量の上限値をC、Mnそれぞれの含有量に対応して制限することで、結果的にMnS生成も低減される傾向にあるが、同時に酸化物系の介在物も低減することが厚鋼板の特性を向上させる上で重要である。そこで、Oの含有量を0.005%以下に限定した。
Oの含有量を低く抑えるためには、適切な脱酸元素の添加が必須であり、この脱酸元素としては、Si:0.50%以下、Al:0.060%以下、Ti:0.025%以下、Ca:0.006%以下、REM:0.0100%以下、Mg:0.0050%以下の群から選択された1種または2種以上を含有することが必要である。
上記の各元素の含有量の上限値は、鋼の清浄度を損ねない範囲の上限値として設定される。
脱酸元素は、上述した元素群から各種目的に応じて適宜選択可能である。
例えば、Siは、鋼の清浄性の観点のみならず溶接性、溶接部靭性にも影響を及ぼすため、その含有量を、これらの特性に悪影響を及ぼさない範囲に制限する必要がある。この上限規制は重要なものであるから、そこで、含有量の上限を0.50%とした。
なお、鋼の脱酸はTi、Alのみでも十分可能であるから、特に前記特性が強く要求される場合には、必ずしも添加する必要はない。
Alは、脱酸元素として最も一般的なものであるが、脱酸はSiまたはTiだけでも十分であり、選択的に添加可能である。
特に、Ti添加鋼の場合、後述するように、粒内変態を利用しているため、Alを含有しない方が望ましい場合もある。含有量が多くなると鋼の清浄性だけでなく、溶接金属の靭性も劣化するので、含有量の上限を0.060%とした。
Tiは、母材および溶接部の靭性向上に有効である。その理由は、Tiは、Alの添加量が少ないとき、例えばAlの含有量が0.003%以下のとき、Oと結合してTiを主成分とする析出物を形成し、粒内に変態フェライトが生成される際の核となり、溶接部の靭性を向上させるからである。また、Tiは、Nと結合してTiNとしてスラブ中に微細析出することにより、加熱時のγ粒の粗大化を抑制し、圧延組織の細粒化に有効となり、また鋼板中に存在する微細TiNは、溶接時に溶接部の組織を細粒化するからである。
なお、Tiの含有量が多過ぎると、鋼の清浄性を損なうだけでなく、Cと結合してTiCを生成し、低温靭性や溶接性を劣化させる虞がある。そこで、含有量の上限を0.025%とした。
CaおよびREMは、脱酸のみならず、硫化物の形態制御としても作用し、母材の靭性を向上させるほか、湿潤硫化水素環境下での水素誘起割れ(HIC、SSC、SOHIC)感受性も低下させるという効果があるので、このような効果を得る目的のためには積極的に添加することが好ましい。
上記の効果を得ることのできるCaおよびREMの含有量の下限値は、0.0005%である。
ここでは、鋼の清浄性確保の観点から、Caの含有量を0.0060%以下、REMの含有量を0.0100%以下とした。
Mgは、溶接熱影響部においてオーステナイト粒の成長を抑制し、細粒化する作用があり、溶接部の強靭化を図ることができるので、このような目的のためには、少なくとも0.0002%以上の添加が好ましい。
ただし、添加量が増えると、鋼の清浄性を劣化させるだけでなく、添加量に対する効果の発現程度が小さくなるため、コスト上得策ではない。そこで、上限を0.005%とした。
本発明の溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板は、上記の組成に加えて、
さらに、質量%で、Ni:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Cu/2≦Ni≦Mn/2、
かつ、Mn≦2.0%のとき、Ni+Cu≦5.0−2Mn(%)、
Mn>2.0%のとき、Ni+Cu≦1.0%
を満足するCu及びNiを含有してなることが好ましい。
ここで、Ni、Cuを上記の様に限定した理由について説明する。
Ni、Cuは、いずれも溶接性、溶接部靭性に悪影響を及ぼすことなく母材の強度、靭性を向上させるものであるが、本発明の厚鋼板が、Mnの含有量を増加させると共に、高価なNiやCuを極力低減することを目的としたものであるから、この点を考慮すると、Ni、Cuそれぞれの上限については冶金的、技術的に制約されるものではなく、また、それぞれの下限についても特に規定するものでもない。
以上の点を考慮すると、NiとCuとの和(Ni+Cu)は、図2に示す実線で囲まれた領域の如く、自ずとある領域に限定されることとなる。
本発明の厚鋼板では、鋼の特性上、Niは3.0%、Cuは2.0%程度までは許容されるが、本発明においては、要求強度や板厚によって、その要求特性を満足しながらもやむを得ず添加する場合でも、これらの元素を極力低く抑える必要がある。これらの点を考慮すると、Ni、Cuそれぞれの添加量の最大値は1.0%となるので、Ni、Cuそれぞれの含有量の上限を1.0%とした。
また、Cuは、単独で多く添加すると、熱間圧延時にCuを核とするクラックが発生するため、熱間圧延工程そのものが実施困難となる。そこで、これを防止するため、Cuを常にNiと共存させることとし、この場合のNiの含有量をCuの含有量の1/2以上とした。
このCuの含有量を0.60%以上とした場合、適切な製造条件を付与することにより顕著な析出硬化現象を示す。したがって、Cuの含有量は0.60%以上が好ましい。
本発明の溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板は、上記の組成に加えて、
さらに、質量%で、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.05〜0.50%、Nb:0.005〜0.10%、V:0.01〜0.10%、B:0.0002〜0.003%の群から選択された1種または2種以上を含有してなることが好ましい。
ここで、Cr、Mo、Nb、V及びBそれぞれの含有量を上記の様に限定した理由について説明する。
なお、これらの元素を添加する理由は、本発明の鋼の溶接性、溶接部靭性等の優れた特徴を損なうことなく、強度、溶接性、低温靭性等の特性を向上させるためである。したがって、これらの元素の含有量は、溶接性、溶接部靭性に悪影響を及ぼさない範囲に制限される。
Cr、Moは、本願発明の厚鋼板自体の強度を向上させる元素であるから、その効果を確実に発現させるためには、0.05%以上を含むことが必要である。一方、含有量が多すぎると、母材や溶接部の靭性および溶接性が劣化する虞がある。そこで、含有量の上限を0.50%とした。
Nbは、圧延に先立つスラブの再加熱時や焼入れ時の加熱オーステナイトの細粒化を促し、さらに、この再加熱時や焼入れ時に析出硬化することにより強度を向上させるものであり、オーステナイトの未再結晶温度を上昇させ、しかも熱間圧延工程における圧延の制御効果を十分に発現させるためには、最低0.005%を含有することが必要である。そこで、含有量の下限を0.005%とした。
一方、Nbを過剰に添加した場合、溶接部の靭性劣化を招く。そこで、含有量の上限を0.10%とした。
Vは、Nbに比べてその効果は小さいが、Nbとほぼ同様の作用・効果を奏するものであり、Nbと同様にオーステナイトの未再結晶温度を上昇させ、しかも熱間圧延工程における圧延の制御効果を十分に発現させるためには、最低0.01%を含有することが必要である。そこで、含有量の下限を0.01%とした。
一方、Nbと同様、過剰に添加した場合、溶接部の靭性劣化を招く。そこで、含有量の上限を0.10%とした。
Bは、オーステナイト粒界に偏析することにより、フェライトの生成を抑制すると共に、焼入性を向上させ、強度を向上させる効果を十分に発現させるためには、最低0.0002%を含有することが必要である。そこで、含有量の下限を0.0002%とした。
一方、Bを過剰に添加した場合、B析出物が生成する虞があり、したがって、焼入性を向上させる効果が飽和するだけでなく、靭性が低下する可能性もある。そこで、含有量の上限を0.003%とした。
なお、Bの添加が許容されない鋼材として、応力腐食割れ等が問題とされる鋼材がある。例えば、液体貯留用のタンク用鋼等の様に応力腐食割れが懸念される鋼材においては、母材および溶接熱影響部の硬さの低減がポイントとなることが多く、例えば、硫化物応力腐食割れ(SSC)を防止するためには、HRC≦22(HV≦248)が必須とされるが、この場合、Bが添加されると焼入性を増大させることになるので、好ましくない。
本願発明においては、Nの含有量についての限定はしないが、Nは不可避不純物として鋼中に含まれるものであり、鋼の特性上、0.008%までは許容される。
なお、Nが鋼中に微量含まれていた場合、TiN等を形成して前述のように鋼の性質を高めたり、Nb、V、C等と結合して炭窒化物を形成し、鋼の強度を増加させるという利点があり、一方、Nの含有量が多すぎた様な場合には、溶接部靭性や溶接性を低下させる虞があるが、Nの含有量は、意図的に添加しない限り、必要以上に高くなることはない。通常の鋼の製造工程では、Nの含有量が0.008%を越えることはないので、本願発明においては、鋼中のNの含有量を特に規定することはしない。
また、本願発明は、鋼の組成に特徴を有するものであり、本願発明の鋼を製造する際には、鋼の組成や目的に応じて種々の製造方法を適宜適用すればよく、ここでは、製造方法については特に限定することはしない。
例えば、加熱・圧延温度規制のほとんどない普通圧延、加熱・圧延温度に規制を設けた制御圧延、さらにはその後の制御冷却(直接焼入れを含む)などはもちろん、焼戻処理、焼入−焼戻処理、焼きならし処理、二相域熱処理等、様々な製造プロセスを必要に応じて適宜選択可能である。
次に、本発明の厚鋼板を実施例1〜17及び比較例21〜25にて説明する。
まず、転炉により、表1に示す様々な組成の鋼スラブを溶製し、次いで、表2に示す製造方法により、表2に示す板厚(38〜75mm)の厚鋼板を作製した。
製造方法は、普通圧延(OR)、制御圧延(CR)、加速冷却(ACC)、焼入−焼戻(QT)、直接焼入−焼戻(DQT)、焼き均し(N)の群から1種、または2種を組み合わせたものを適用した。
次いで、実施例1〜17及び比較例21〜25各々の厚鋼板について、表2に示す機械的性質および溶接性の評価を行った。
ここでは、機械的性質として、降伏強さ、引張強さ、靭性(vTrs)の3点を測定し、評価した。また、溶接性については、日本工業規格JIS Z 3158「斜めy形溶接割れ試験」に基づいてルート割れの停止予熱温度(℃)を測定し、評価した。
表1に鋼組成を示し、表2に厚鋼板の製造方法及び諸特性を示す。
Figure 2006241551
Figure 2006241551
これらの評価結果によれば、実施例1〜17は、いずれも溶接構造用鋼として機械的性質は問題ないレベルにあるとともに、ルート割れの停止予熱温度が常温(25℃)以下となっており、実質的に溶接時の予熱が不要であることが明らかとなった。また、Mnの含有量を高めたことで、高価なNiやCuの含有量を低減することができ、低コスト化が可能であることが分かった。
これに対し、比較例21〜25は、降伏強さ、引張強さ、靭性(vTrs)、ルート割れの停止予熱温度の各項目のうち1つまたは複数の項目で実施例1〜17に劣っていることが分かった。
すなわち、比較例21は、Mnの含有量が低いだけであるから、特性上、本願発明の鋼に対し大きく劣るものではないが、加速冷却を施しているにも関わらず、強度・靭性がやや劣るものとなっている。
比較例22は、CとMnの含有量がそれぞれ単独では本願発明の範囲内にあるものの、双方共含有量が高いためにC+Mn/20が高く、中心偏析が劣位にあることもあって靭性に劣り、溶接性(ルート割れの停止予熱温度)も劣るものであった。また、Cuが添加されているが、Niが無添加のためCu割れが生じ、重要構造部材としては問題がある。また、Cuの含有量が多く、合金材料のコストの点で劣っているものであった。
比較例23も、Cの含有量、C+Mn/20共に高く、靭性および溶接性が劣るものであった。
比較例24は、C、Mnそれぞれの添加量に対してPの添加量が高く、PとSの添加量の合計も高いため、靭性が劣るものであった。
比較例25は、Oの含有量が高く、PとSの添加量の合計もやや高いため、靭性が劣るものであった。
本発明は、Mnの添加量を増加させると共に高価なNiやCuの添加量を削減させることにより、既存の鋼材と同等あるいはそれ以上の高強度を有しつつ、さらなる高機能化、低価格化を図ることを可能とした溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板であるから、船舶、自動車、工業用各種プラント等はもちろんのこと、それ以外の工業分野においても広く適用可能であり、その産業上の利用価値は極めて大きい。
CとMnとの関係を示す図である。 Ni+CuとMnとの関係を示す図である。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.01〜0.14%、Mn:1.60%超3.00%以下、C+Mn/20≦0.22%、Mn≧2.30−10C(%)を満足するC及びMnを含有し、
    さらに、P:0.020−0.04(C+Mn/20)(%)以下、S:0.015−0.04(C+Mn/20)(%)以下、O:0.005%以下を含有し、
    さらに、Si:0.50%以下、Al:0.060%以下、Ti:0.025%以下、Ca:0.0060%以下、希土類元素:0.0100%以下、Mg:0.0050%以下の群から選択された1種または2種以上を含有し、
    残部が鉄および不可避不純物からなることを特徴とする溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板。
  2. さらに、質量%で、Ni:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Cu/2≦Ni≦Mn/2、
    かつ、Mn≦2.0%のとき、Ni+Cu≦5.0−2Mn(%)、
    Mn>2.0%のとき、Ni+Cu≦1.0%
    を満足するCu及びNiを含有してなることを特徴とする請求項1記載の溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板。
  3. さらに、質量%で、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.05〜0.50%、Nb:0.005〜0.10%、V:0.01〜0.10%、B:0.0002〜0.003%の群から選択された1種または2種以上を含有してなることを特徴とする請求項1または2記載の溶接性及び低温靭性に優れた厚鋼板。
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