JP2006237465A - ダイシングシート機能付きダイアタッチフィルム及びそれを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置。 - Google Patents

ダイシングシート機能付きダイアタッチフィルム及びそれを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置。 Download PDF

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Abstract

【課題】貼付時に不具合が生じる等によりシリコンウェハーを再利用する必要性が生じた場合、ウェハーを破損することなくフィルム状接着剤の部分をシリコンウェハー裏面から剥離できる機能を付与した高信頼性のダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムを用いたシリコンウェハーの再生方法を提供する。
【解決手段】シリコンウェハー5が貼り付けられたダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムに紫外線を照射する工程、その後に前記シリコンウェハー5が貼り付けられたダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムからシリコーンウェハー5を剥離させる工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダイシングシート機能付きダイアタッチフィルム及びそれを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
近年の電子機器の高機能化とモバイル用途への拡大に対応して半導体装置の高密度化、高集積化の要求が強まり、ICパッケージの大容量高密度化が進んでいる。
これらの半導体装置の製造方法としては、ケイ素、ガリウム、ヒ素などからなる半導体ウエハーに粘着シートを貼付し、ダイシングにより個々の半導体素子に切断分離した後、エキスパンディング、個片チップのピックアップを行い、次いで、半導体チップを金属リードフレームあるいはテープ基板または有機硬質基板にダイボンディングする半導体装置の組立工程へ移送される。
ピックアップされた半導体チップは、ダイボンディング工程において、フィルム状接着剤層などのダイアタッチ材を介してリードフレームあるいは基板に接着され、半導体装置が製造されている(特許文献1、2)。
特開2002−353252号公報 特開2002−294177号公報
このダイボンディング材にペースト状接着剤に替わりフィルム状接着剤が主流になりつつある。これはフィルム状接着材を予めシリコンウェハーの裏面に貼付したものをフィルム状接着剤ごとダイシングにより個々の半導体素子に切断し基板もしくはチップ上にダイマウントするものである。ペースト状接着剤を個々の半導体素子ごとに基板上に塗布する工程に比較して工程の短縮化を図ることが可能であり、かつダイマウント後の接着剤層厚みの均一性を向上することが可能である。
さらにこのフィルム状接着剤の新たなアプリケーションとしてダイシングシート機能を付与したフィルム状接着剤も開発、上市されている。これはダイシングシートにウェハーを貼付すると同時にフィルム状接着剤も貼付することで更なる工程の短縮化を図ることができるものである。一度フィルム状接着剤のみをウェハー裏面に貼り付けてから再度ダイシングシートに貼付する工程に比較して、大口径ウェハーおよび厚みの薄いウェハーの取り扱いに効果的である。
しかしいずれのフィルム状接着剤を用いても、ウェハー裏面に貼り付ける際に貼付不良が生じる場合がある。これはフィルム状接着剤にシワが生じたり、特に大口径ウェハーにおいては貼付時の圧力不均一が生じるために空気層の巻きこみが懸念される。
ダイシングシートと異なり、フィルム状接着剤を一度ウェハー裏面に貼り付けてしまうと剥がすことは困難であり、無理に剥がせばウェハーの破損等に至る。また容易に剥がすことができるものでは、その後の工程において組立時に接着剤剥れに起因する不具合が生じてしまう。よってフィルム状接着剤の貼付で不良が生じたウェハーにおいては廃棄されるのが一般的である。特に大口径ウェハーにおいてこのような問題が生じると廃棄すべき半導体素子の損失は量、金額的にも深刻なものとなる。
本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、その目的とするところは貼付時に不具合が生じる等によりシリコンウェハーを再利用する必要性が生じた場合、ウェハーを破損することなくフィルム状接着剤の部分をシリコンウェハー裏面から剥離できる機能を付与した高信頼性のダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムを用いたシリコンウェハーの再生方法を提供することにある。
[1] シリコンウェハーが貼り付けられたダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムに紫外線を照射する工程、その後に前記シリコンウェハーが貼り付けられたダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムからシリコーンウェハーを剥離させる工程を含むことを特徴とするシリコーンウェハーの再生方法であって、
前記ダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムが、基材フィルム(I)、粘着剤層、基材フィルム(II)およびフィルム状接着剤層がこの順に構成されてなり、前記フィルム状接着剤層が、アクリル酸エステル共重合体、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂を含むものであるシリコーンウェハーの再生方法。
[2] 前記基材フィルム(II)のフィルム状接着剤層側の界面が離型処理されている[1]記載のシリコーンウェハーの再生方法。
[3] 前記アクリル酸エステル共重合体のガラス転移温度が−30℃以上60℃以下である[1]または[2]記載のシリコーンウェハーの再生方法。
[4] 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である[1]乃至[3]のいずれかに記載のシリコーンウェハーの再生方法。
[5] 前記光硬化性樹脂がアクリル系樹脂である[1]乃至[4]のいずれかに記載のシリコーンウェハーの再生方法。
本発明の再生方法は、シリコンウェハーが貼り付けられたダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムに紫外線を照射する工程、その後に前記シリコンウェハーが貼り付けられたダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムからシリコーンウェハーを剥離させる工程を含むことを特徴とするシリコーンウェハーの再生方法であって、
前記ダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムが、基材フィルム(I)、粘着剤層、基材フィルム(II)およびフィルム状接着剤層がこの順に構成されてなり、前記フィルム状接着剤層が、アクリル酸エステル共重合体、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂を含むものであるシリコーンウェハーの再生方法である。
なお下記は例示であり、本発明は何ら下記に限定されるものではない。以下に本発明に用いられるダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムの各構成要素、及びそれを用いた再生方法について詳細に説明する。
本発明で用いる基材フィルム(I)としては公知のものを使用してもよく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢ビ共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ビニルポリイソプレン、ポリカーボネート等の一般的な熱可塑性樹脂からなるフィルムの他、さらにこれらの混合物からできるフィルム、さらにこれらを積層したフィルムを用いることができる
これらの基材フィルム(I)のうち、ポリプロピレン樹脂を30〜70重量部(好ましくは40〜60重量部)と、ポリスチレンブロックとビニルイソプレンブロックからなる共重合体70〜30重量部(好ましくは60〜40重量部)の混合物を用いることが好ましい。また粘着剤層との密着性を上げるために、これら基材の表面にコロナ処理を行ってもよい。基材フィルム(I)の厚みとしては、好ましくは30〜300μm、特に好ましくは50〜200μmである。
本発明で用いる粘着剤層としては特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのエステルモノマーを重合させたポリマーの他、前記モノマーと共重合可能な不飽和単量体(例えば、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなど)とを共重合させたコポリマーが用いられる。
また本発明の粘着剤層には、凝集力を高めるためにロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂等の粘着付与剤等を添加しても構わない。
さらに上記の粘着剤層の成分として帯電防止剤を添加することもできる。帯電防止剤を添加することにより、エキスパンド時あるいはピックアップ時に発生する静電気を抑制できるため、チップの信頼性が向上する。帯電防止剤としては、具体的にはアニオン性、カチオン性、非イオン性、ないし両イオン性の一般に公知の界面活性剤、カーボンブラック、銀、ニッケル、アンチモンドープスズ酸化物、スズドープインジウム酸化物などの粉体が用いられる。帯電防止剤は、粘着剤中に0〜30重量部、特に0〜20重量部の範囲で用いられることが好ましい。
また本発明における粘着剤層は基材フィルム(I)及び基材フィルム(II)を固定し、かつウエハーリングに簡便に貼り付き、かつ簡便に取り外しができるようにガラス転移温度が−30℃以上60℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が60℃を超えるとウエハーリングを60℃以下で貼り付けることが難しくなり、−30℃を下回ると粘着力が強すぎてウエハーリングの取り外しが難しくなる。
本発明において、前記粘着剤層の厚さは特に限定されるものではないが、5〜35μm程度であるのが好ましい。5μm未満であると、粘着力が充分でなくダイシング時にチップが飛散する問題があり、35μm以上であると、ダイシング時にチッピング等が起こりやすくなる。
前記粘着剤層を製造するには、粘着剤層を構成する成分を必要に応じて適当な有機溶剤により溶液化し、コンマコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーターなど一般に公知の方法に従って適宜の厚みに塗布又は散布等により基材上に塗工し、80〜100℃、30秒〜10分程度加熱処理等で乾燥させることにより得ることができる。
本発明に用いる基材フィルム(II)としては、片面が表面離型処理されているものであれば公知のものを使用してよく、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタラートフィルム等があげられる。離型処理としては離型剤をフィルム表面にコーティングする処理や、フィルム表面に細かい凹凸をつける処理等があげられる。前記離型剤としてはシリコーン系、アルキッド系、フッ素系等があげられるが、特にダイシング後のピックアップ性に優れるため、シリコーン系の離型剤による処理が好ましい。
基材フィルム(II)の厚みとしては、5〜100μmが好ましく、特に10〜60μmが好ましい。厚みが薄すぎるとダイシング時にチップが飛散する問題があり、厚すぎるとピックアップ不良が起こる問題がある。
本発明では、基材フィルム(II)の表面離型された面にフィルム状接着剤層を形成し、表面離型されてない面を粘着剤層に貼り付けることにより、ピックアップ工程において、基材フィルム(II)がフィルム状接着剤層間の界面から容易に剥離することを可能にし、優れたピックアップ性を実現させる。
本発明のフィルム状接着剤層を構成する樹脂組成物は、アクリル酸エステル共重合体、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂からなる。
本発明のフィルム状接着剤層に用いるアクリル酸エステル共重合体は、接着力の向上、凝集力の向上という点で優れている。またアクリル酸エステル共重合体のガラス転移温度は−20〜120℃であることが好ましい。さらに−20〜60℃がより好ましく、特に−10〜50℃が好ましい。ガラス転移温度が低すぎるとフィルム状接着剤層の粘着力が強くなり、ピックアップ不良が起こる場合や、作業性が低下する場合がある。ガラス転移温度が高すぎるとチッピングやクラックが起こる場合や、低温接着性を向上する効果が低下する場合がある。
前記アクリル酸エステル共重合体は、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよびアクリルニトリルのうち少なくとも1つをモノマー成分とした共重合体が挙げられる。この中でも、官能基としてエポキシ基、水酸基、カルボキシル基、二トリル基等を持つ化合物を有するアクリル酸エステル共重合体が好ましい。これにより、半導体素子等の被着体への密着性をより向上することができる。
前記官能基を持つ化合物として、具体的にはグリシジルエーテル基を持つグリシジルメタクリレート、水酸基を持つヒドロキシメタクリレート、カルボキシル基を持つカルボキシメタクリレート、二トリル基を持つアクリロニトリル等が挙げられる。
前記官能基を持つ化合物の含有量は、特に限定されないが、前記アクリル酸エステル共重合体全体の0.5〜40重量%が好ましく、特に5〜30重量%が好ましい。含有量が低すぎるとチッピングやクラックが起こる場合や、密着性を向上する効果が低下する場合がある。含有量が高すぎると粘着力が強すぎ、ピックアップ不良が起こる場合や、作業性を向上する効果が低下する場合がある。
前記アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、10万以上が好ましく、特に15万以上100万以下が好ましい。重量平均分子量がこの範囲内であると、特に半導体用接着フィルムの製膜性を向上することができる。
次に、本発明のフィルム状接着剤層に用いる熱硬化性樹脂は、例えばビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂等が挙げられ、またフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等も挙げられる。これらは単独でも混合して用いても良い。
熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂が好ましく、特に結晶性エポキシ樹脂が好ましい。このような結晶性エポキシ樹脂としては、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格、スチルベン骨格等の剛直な構造を主鎖に有し、比較的低分子量であるものが挙げられる。結晶性エポキシ樹脂が好ましい理由は、常温では結晶化している固体であるが、融点以上の温度域では急速に融解して低粘度の液状に変化するからである。それによって、本発明のダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムの接着剤層部分にシリコンウエハー裏面とを貼り合わせる工程における、初期密着性をより向上することができる。
本発明のフィルム状接着剤層に用いるエポキシ樹脂の配合量は、アクリル酸エステル共重合体100重量部に対し好ましくはエポキシ樹脂10〜100重量部、より好ましくは30〜70重量部である。配合量が多すぎるとチッピングやクラックが起こる場合や、密着性を向上する効果が低下する場合がある。配合量が低すぎると、粘着力が強すぎ、ピックアップ不良が起こる場合や、作業性を向上する効果が低下する場合がある。
本発明のフィルム状接着剤層に用いる光硬化性樹脂としては、アクリル系樹脂が好ましい。例えばアクリル酸もしくはメタクリル酸エステルモノマーなどが挙げられる。中でもジアクリル酸エチレングリコール、ジメタクリ酸エチレングリコール、ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジアクリル酸グリセリン、ジメタクリル酸グリセリン、ジアクリル酸1,10−デカンジオール、ジメタクリル酸1,10−デカンジオール等の2官能アクリレート、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、トリアクリ酸ペンタエリスリトール、トリメタクリ酸ペンタエリスリトール、ヘキサアクリル酸ジペンタエリスリトール、ヘキサメタクリル酸ジペンタエリスリトール等の多官能アクリレートなどが挙げられる。これらの内、アルキルエステルが好ましく、特に好ましくはエステル部位の炭素数が1〜15のアクリル酸、メタクリル酸アルキルエステルである。
本発明に用いる光硬化性樹脂であるアクリル酸またはメタクリル酸エステルから誘導される成分単位の含有量は、アクリル酸エステル共重合体100重量部に対して、通常10〜100重量部、好ましくは20〜50重量部である。下限値未満であると粘着力に乏しくなり上限値を超えるとタック性が強くなり作業性が悪くなる。
また、分子内にヒドロキシ基などの水酸基を有する光硬化性樹脂のアクリル酸又はメタクリル酸エステルを導入することで被着体との密着性や粘接着剤の特性を容易に制御することができる。
光硬化性樹脂には、更に、重合開始剤を混在させることにより、紫外線、熱などを与えて光硬化性樹脂の重合を促進することができる。
このような重合開始剤としては、具体的にはベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルフィニルサルファイド、ベンジル、ジベンジル、ジアセチルなどが挙げられる。
重合開始剤の含有量は光硬化性樹脂100重量部に対し0.1〜30重量部、好ましくは1〜10重量部である。1重量部未満であると光開始剤の効果が弱く10重量部を超えると反応性が高くなり保存性が悪くなる。
本発明のフィルム状接着剤層は必要に応じて硬化剤を含むことができる。
前記硬化剤としては、例えばジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物等のアミン系硬化剤、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物(液状酸無水物)、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等の酸無水物系硬化剤、フェノール樹脂等のフェノール系硬化剤が挙げられる。
これらの中でもフェノール系硬化剤が好ましく、具体的にはビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン(通称テトラメチルビスフェノールF)、4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタンおよびこれらの内ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタンの3種の混合物(例えば、本州化学工業(株)製、ビスフェノールF−D)等のビスフェノール類、1,2−ベンゼンジオール、1,3−ベンゼンジオール、1,4−ベンゼンジオール等のジヒドロキシベンゼン類、1,2,4−ベンゼントリオール等のトリヒドロキシベンゼン類、1,6−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類の各種異性体、2,2’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール等のビフェノール類の各種異性体等の化合物が挙げられる。
前記硬化剤の配合量は、特に限定されないが、前記アクリル酸エステル共重合体100重量部に対して1〜90重量部が好ましく、特に3〜60重量部が好ましい。配合量が低すぎると耐熱性を向上する効果が低下する場合があり、配合量が高すぎると保存性が低下する場合がある。
本発明のフィルム状接着剤層は、硬化促進剤としてイミダゾール類を含んでもよい。具体的には、2メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ベンジルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−フェニルイミダゾール イソシアヌル付加物、2−メチルイミダゾール イソシアヌル付加物、2−フェニルー4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール臭化水素酸塩、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン イソシアヌル酸付加物などの化合物が挙げられる。
前記硬化促進剤の配合量は、特に限定されないが、前記アクリル酸エステル共重合体100重量部に対して0.01〜30重量部が好ましく、特に0.5〜10重量部が好ましい。配合量が低すぎると硬化性が不十分である場合があり、高すぎると保存性が低下する場合がある。
本発明のフィルム状接着剤層は必要に応じてさらにカップリング剤を含むことができる。これにより樹脂と被着体及び樹脂とシリカ界面との密着性を向上させることができる。
カップリング剤としてはシラン系、チタン系、アルミニウム系などが挙げられるが中でもシラン系カップリング剤が好ましい。カップリング剤としては例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
前記カップリング剤の配合量は、特に限定されないが、前記アクリル酸エステル共重合体100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、特に0.1〜10重量部が好ましい。配合量が低すぎると密着性の効果が不十分である場合があり、高すぎるとアウトガスやボイドの原因になる場合がある。
本発明のフィルム状接着剤層には、必要に応じてフィラーを配合してもよい。フィラーの平均粒径は0.1〜25μmであることが好ましい。平均粒径が0.1μm未満であるとフィラー添加の効果が少なく、25μmを超えるとフィルムとしての接着力の低下をもたらす可能性がある。
本発明のフィルム状接着剤層に用いるフィラーとしては、銀、酸化チタン、シリカ、マイカ等が好ましい。フィラーの配合量は0.1%〜30重量%が好ましく、30%を超えるとフィルムとしてもろくなり接着性が低下する。
本発明のフィルム状接着剤層のウエハーへの貼り付け温度は15℃以上60℃以下であることを特徴とする。温和な条件での貼り付けを可能にすることでウエハー貼り付け後の反り、割れを抑制することができる。
本発明のダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムの製造方法としては、先ず基材フィルム(II)の離型処理された面上に、フィルム状接着剤層を構成する樹脂組成物を必要に応じて適当な有機溶剤により溶液化し、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーターなど、一般に周知の方法に従って、塗工し、乾燥させてフィルム状接着剤層を形成し、そこに保護シートを積層する。または耐熱性の保護シート上に、フィルム状接着剤層を構成する樹脂組成物を必要に応じて適当な有機溶剤により溶液化し、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーターなど、一般に周知の方法に従って塗工し、乾燥させて接着剤層を形成しそこに、基材フィルム(II)を積層する。ここで得られた基材フィルム(II)と接着剤層をハーフカットすることにより円形に得られた基材フィルム(II)及びフィルム状接着剤層と、カットされていない保護フィルムの三層構造シートが得られる。ハーフカットの円形はウエハーの貼り付け予定部分の外径より大きく、かつウエハーリング貼り付け予定部分の内径より小さいものであるため、ウエハーリングを汚染することなく半導体装置作成作業に用いることができる。
また、粘着剤層を構成する成分を必要に応じて適当な有機溶剤により溶液化し、コンマコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーターなど一般に公知の方法に従って適宜の厚みに塗布又は散布等により基材フィルム(I)上に塗工し、基材フィルム(I)上に粘着剤層が塗られた2層構造シートが得られる。または耐熱性の保護シート上に、粘着剤層を構成する樹脂組成物を必要に応じて適当な有機溶剤により溶液化し、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーターなど、一般に周知の方法に従って塗工し、乾燥させて粘着剤層を形成しそこに、基材フィルム(I)を積層することにより、基材フィルム(I)上に粘着剤層が塗られた2層構造シートが得られる。
前述の粘着剤層が塗られた基材フィルム(I)の2層構造シートに前述のハーフカットされた3層構造シートを積層することで、基材フィルム(I)、粘着剤層、基材フィルム(II)およびフィルム状接着剤層がこの順に構成されてなるダイアタッチフィルムを得ることができる。
本発明の一つの態様として、基材フィルム(II)と接着剤層の外径がウエハーの貼り付け予定部分の外径より大きく、かつウエハーリング貼り付け予定部分の内径より小さいことを特徴とするものがある。基材フィルム(II)上のフィルム状接着剤層の外径がウエハーの貼り付け予定部分より大きいことでウエハー全面にフィルム状接着剤層が貼りつき、ウエハーリング貼り付け予定部分の内径より小さいことでウエハーリングとフィルム状接着剤層が貼り付くことを防ぎ、基材フィルム(I)上の粘着剤にウエハーリングを貼り付けることができる。ウエハーリングとフィルム状接着剤層が接するとフィルム状接着剤層がウエハーリングに貼りつきウエハーリングが汚染されるという問題が生じる。
本発明に用いられるダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムは通常は次のように使用される。
まず、シリコンウエハーの裏面に本発明のダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムの接着剤層を室温あるいは60℃以下の温和な条件で貼付した後、ウエハーリングを粘着剤層に貼り付けた後ダイアタッチフィルム付きシリコンウエハーを、光透過性基材を介してダイシング装置上に固定し、ダイシングソーなどの切断手段を用いて、上記のダイアタッチフィルム付きシリコンウエハーを、個片単位に切断して個片ダイとした半導体チップを得る。
続いて、上記のようにして得られた半導体チップに貼付したダイアタッチフィルムの光透過性基材面に、紫外線(中心波長=約365nm)を照射する。通常、照度は20〜500mJ/cm2、さらに照射時間は、5〜600秒の範囲内に設定される。上記の紫外線照射の場合準じて諸条件を設定することができる。
次いで、ダイアタッチフィルムを半導体チップの裏面に固着残存させたままで、光透過性基材と接着剤層界面で剥離する。
この際、シリコンウェハーの裏面との接着界面においても接着力が低下するが、ダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムを構成している基材フィルム(II)の表面に離型処理を施すことによって光透過性基材と接着剤層界面での剥離を優先させることができ、裏面にダイアタッチフィルムを固着残存させた半導体チップを得ることができる。
このようにして、ダイアタッチフィルムのフィルム状接着剤層が固着されている半導体チップを、そのまま金属リードフレームや基板に、フィルム状接着剤層を介し、加熱・圧着することで、ダイボンディングすることができる。加熱・圧着の条件として、通常は、100〜300℃の加熱温度、1〜10秒の圧着時間であり、好ましくは100〜200℃の加熱、1〜5秒の圧着時間である。つづいて、加熱にすることにより、ダイアタッチフィルム中のエポキシ樹脂を硬化させ、半導体チップとリードフレームや基板等とを、強固に接着させた半導体装置を得ることができる。この場合の加熱温度は、通常は100〜300℃程度、好ましくは150〜250℃程度であり、加熱時間は通常は1〜240分間、好ましくは10〜60分間である。
最終的に硬化したダイアタッチフィルムは、高い耐熱性を有するとともに、アクリルゴム樹脂成分のため硬化物は、脆質性が低く、優れた剪断強度と高い耐衝撃性、耐熱性を有する。
以上が、本発明に用いられるダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムの通常の使用方法である。しかしながら現実的な作業においては、シリコンウェハ貼り付け時に不良が生じる場合があり、本発明によればそのような場合でもウェハを無駄にすることなくフィルム状接着剤層から剥離させることができる。シリコンウェハの貼り付け不良とは、具体的には、フィルム状接着剤にシワが生じたり、特に大口径ウェハーにおいては貼付時の圧力不均一が生じるために空気層の巻きこみ等が挙げられる。
本発明のシリコンウェハーの再生方法としては、まず、シリコンウエハーの裏面に本発明のダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムの接着剤層を室温あるいは60℃以下の温和な条件で貼付する。貼付時に接着剤層とシリコンウェハーの裏面の間においてシワや巻きこみボイド等の不良が発生した場合に、ダイアタッチフィルムの光透過性基材面に、紫外線(中心波長=約365nm)を照射する。通常、照度は20〜500mJ/cm2、さらに照射時間は、5〜600秒の範囲内に設定される。上記の紫外線照射の場合準じて諸条件を設定することができる。紫外線照射され硬化したフィルム状接着剤とシリコンウェハーとの界面においては粘着性が低くなるためにシリコンウェハーの裏面から接着剤層およびダイシング機能付きダイアタッチフィルムをシリコンウェハーを破損することなく剥離させることができる。
以上により、シリコンウェハを適切に本発明に用いられるダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムの接着剤層に貼り付けたときには問題なくシリコンウェハを基板に貼り付けることができる一方で、ダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムの接着剤層にシリコンウェハを誤って貼り付けたときには、ダイシングソーで個片ダイに切断する前に紫外線を照射することでシリコンウェハに貼り付いたフィルム状接着剤層を容易に剥離させることができる。
(実施例1)
[1]基材フィルム(I)及び粘着剤層
基材フィルム(I)としてハイブラ60重量部ポリプロピレン40重量部からなるクリアテックCT−H717(クラレ製)を、押し出し機で、厚み100μmのフィルムを形成し、表面をコロナ処理した。次にアクリル酸2−エチルヘキシル50重量部とアクリル酸ブチル10重量部、酢酸ビニル37重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル3重量部とを共重合して得られた重量平均分子量500000の共重合体を剥離処理した厚さ38μmのポリエステルフィルムに乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、80℃で5分間乾燥し、粘着剤層を得た。その後粘着剤層を基材フィルム(I)のコロナ処理面にラミネートして基材フィルム(I)及び粘着剤層を得た。
[2]フィルム状接着剤層成分
フィルム状接着剤成分A: アクリル酸エステル共重合体(グリシジル基含有アクリル酸エステル共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−80H、Tg:15℃、重量平均分子量:350,000)100重量部と、熱硬化性樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、日本化薬(株)製)32重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、日本化薬(株)製)48重量部、フェノール硬化剤(MEH7500、明和化成(株)製)39重量部、光硬化樹脂(TMP、共栄社化学(株)製)50重量部、光開始材(IG651、チバスペシャリティケミカルズ(株)製)5重量部、
カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.2重量部、とをメチルエチルケトン(MEK)に溶解して樹脂固形分40%の樹脂ワニスを得た。
[3]フィルム状接着剤層及び基材フィルム(II)
コンマコーターを用いて上述の樹脂ワニスを、基材フィルム(II)であるポリエチレンテレフタレートフィルム(王子製紙(株)製、RL−07、厚さ38μm)のシリコーン離型面に塗布し、70℃、10分間乾燥して、基材フィルム(II)つきのフィルム状接着剤層を得た。
[4]ダイシングシート機能付きダイシングシート機能付きダイアタッチフィルム
上述の基材フィルム(II)つきのフィルム状接着剤層に保護フィルムを貼り付け、基材フィルム(II)及びフィルム状接着剤層をハーフカットし、上述の基材フィルム(I)上の粘着剤層に貼り付け、保護フィルムを剥がすことにより、基材フィルム(I)、粘着剤層、基材フィルム(II)およびフィルム状接着剤層がこの順に構成されてなるダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムを得た。
[5]ダイシング機能付きダイアタッチフィルムを用いた半導体装置
得られたダイシング機能付きダイアタッチフィルムを6インチ550μmウエハーの裏面に60℃で貼り付けし、ダイシング機能付きダイアタッチフィルム付きウエハーを得た。このダイシング機能付きダイアタッチフィルム付きウェハーの基材フィルム(I)の裏面
から紫外線(中心波長=約365nm)を積算照射量として250mJ/cm2照射した後にシリコンウェハーからダイシング機能付きダイアタッチフィルムを剥離させた。そしてダイシング機能付きダイアタッチフィルムが剥離されたシリコンウェハーの裏面に再び新たなダイシング機能付きダイアタッチフィルムを60℃で貼付し、ダイシング機能付きダイアタッチフィルム付きウェハーを得た。その後ダイシング機能付きダイアタッチフィルム付きウエハーを、ダイシングソーを用いて、スピンドル回転数30,000rpm、切断速度50mm/secで5mm×5mm角の半導体素子のサイズにダイシング(切断)して、次にダイシングシート機能付きダイシングシートの裏面から突上げし基材フィルム(II)及びフィルム状接着剤層間で剥離した。
(実施例2)
フィルム状接着剤成分B: フィルム状接着剤層成分の樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にしてダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムおよびそれを用いた半導体チップを得た。
アクリル酸エステル共重合体(グリシジル基含有アクリル酸エステル共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−80H、Tg:15℃、重量平均分子量:350,000)100重量部と、熱硬化性樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、日本化薬(株)製)10重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、日本化薬(株)製)20重量部、フェノール硬化剤(MEH7500、明和化成(株)製)15重量部、光硬化樹脂(TMP、共栄社化学(株)製)40重量部、光開始材(IG651、チバスペシャリティケミカルズ(株)製)4重量部、カップリング剤としてγ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.1重量部。
(実施例3)
基材フィルム(II)に離型処理がされていないポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した以外は、実施例1と同様にしてダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムおよびそれを用いた半導体チップを得た。
(比較例1)
フィルム状接着剤層成分の樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にしてダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムおよびそれを用いた半導体チップを得た。
フィルム状接着剤成分C: アクリル酸エステル共重合体(グリシジル基含有アクリル酸エステル共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−80H、Tg:15℃、重量平均分子量:350,000)100重量部と、熱硬化性樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、日本化薬(株)製)32重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、日本化薬(株)製)48重量部、フェノール硬化剤(MEH7500、明和化成(株)製)39重量部、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.2重量部、とを用いた。
(比較例2)
フィルム状接着剤成分D: フィルム状接着剤層成分の樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にしてダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムおよびそれを用いた半導体チップを得た。
アクリル酸エステル共重合体(グリシジル基含有アクリル酸エステル共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−80H、Tg:15℃、重量平均分子量:350,000)100重量部と、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.2重量部、とを用いた。
各実施例および比較例で得られたダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムおよびおよびそれを用いた半導体チップに関して次の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を表1、2に示す。
(1) ウエハ貼り付け正常時のウエハピックアップ性
半導体ウェハーのダイシング後に紫外線照射し、ダイアタッチフィルム付き半導体チップを光透過性基材から取り上げること(ピックアップ)ができるかを評価した。
○:ほぼ全てのチップがピックアップ可能なもの
△:ダイシングしたチップの50〜90%がピックアップ可能なもの
×:ピックアップが50%以下のもの
(2) ウエハ貼り付け不良時のウエハ再生状態
○: きれいに剥離させることができた。
△: 剥離させることができたが、接着剤の残存物がシリコンウェハーの裏面に存在し た。
×: 剥離させることができず、またシリコンウェハーが破損した。
Figure 2006237465
Figure 2006237465
表2から明らかなように、実施例1〜2は、紫外線照射後の剥離性に優れ、ピックアップ性も優れていた。
本発明のシリコンウェハーの再生方法は、半導体素子組立時の歩留まり向上に大きく貢献する。
図1は本発明に用いられるダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムの断面図を示す。
符号の説明
1基材フィルム(I)
2粘着剤層
3基材フィルム(II)
4フィルム状接着剤層
5シリコンウエハー
6ウエハーリング

Claims (5)

  1. シリコンウェハーが貼り付けられたダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムに紫外線を照射する工程、その後に前記シリコンウェハーが貼り付けられたダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムからシリコーンウェハーを剥離させる工程を含むことを特徴とするシリコーンウェハーの再生方法であって、
    前記ダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムが、基材フィルム(I)、粘着剤層、基材フィルム(II)およびフィルム状接着剤層がこの順に構成されてなり、前記フィルム状接着剤層が、アクリル酸エステル共重合体、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂を含むものであるシリコーンウェハーの再生方法。
  2. 前記基材フィルム(II)のフィルム状接着剤層側の界面が離型処理されている請求項1記載のシリコーンウェハーの再生方法。
  3. 前記アクリル酸エステル共重合体のガラス転移温度が−30℃以上60℃以下である請求項1または2記載のシリコーンウェハーの再生方法。
  4. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項1乃至3のいずれかに記載のシリコーンウェハーの再生方法。
  5. 前記光硬化性樹脂がアクリル系樹脂である請求項1乃至4のいずれかに記載のシリコーンウェハーの再生方法。
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