JP2004334092A - クリーニング装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及びこれらに用いるトナー - Google Patents
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Abstract
【課題】クリーニング性能を向上させ、重合トナーを用いる場合でも良好なクリーニング性能を長期に渡って維持できるクリーニング装置を提供する。
【解決手段】像担持体1表面をクリーニングするクリーニング装置6であって、該クリーニング装置6は、像担持体1表面に当接させて配置されるクリーニングブレード61と、該クリーニングブレード61よりも像担持体1回転方向上流側に配置され、像担持体1表面に固形潤滑剤64を塗布する潤滑剤塗布手段62と、該潤滑剤塗布手段62よりも像担持体1回転方向上流側に配置され、トナーを除去するトナー除去手段65とを備えるクリーニング装置である。
【選択図】 図2
【解決手段】像担持体1表面をクリーニングするクリーニング装置6であって、該クリーニング装置6は、像担持体1表面に当接させて配置されるクリーニングブレード61と、該クリーニングブレード61よりも像担持体1回転方向上流側に配置され、像担持体1表面に固形潤滑剤64を塗布する潤滑剤塗布手段62と、該潤滑剤塗布手段62よりも像担持体1回転方向上流側に配置され、トナーを除去するトナー除去手段65とを備えるクリーニング装置である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真プロセスを用いた画像形成装置に搭載されるクリーニング装置に関し、特に、現像に円形度の高いトナーを供する画像形成装置におけるクリーニング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、高画質化のためにトナーの小粒径化及び高円形度化が進められている。粉砕法により製造されたトナーでは、これらの特性に限界があるため、小粒径化や高円形度化が可能な懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により製造された重合トナーが採用されつつある。
一般に円形度の高いトナーは、クリーニング性が悪いことが知られている。これは、従来、粉砕トナーを用いた場合にクリーニング手段として用いられてきたゴムブレードでは、トナーがブレードエッジに引っかからずに転がってしまうため、ブレードをすり抜けやすくなっていることに起因する。特に、重合法で製造されたトナーは真球に近いもの(平均円形度0.98以上)もあり、上記のブレードクリーニング法ではクリーニングが困難である。
【0003】
円径度の高いトナーを用いる場合のクリーニング方法として、以下のような提案がなされている。ブラシローラにトナーの帯電極性とは逆極性のバイアスを印加し、像担持体上から静電的にトナーを除去する方法(例えば、特許文献1参照。)である。しかしながら、像担持体上に残存するトナーの帯電量にはばらつきがあるため、一様な印加バイアスでは回収が困難であったり、印加バイアスの大きさによっては、トナーが像担持体上に再付着するなどの問題がある。
また、別の提案として、像担持体上に潤滑剤を供給し、像担持体表面の摩擦係数を低減して、ゴムブレードによるクリーニング性能を向上させる方法がある。像担持体上に残存しているトナーをゴムブレードによって擦り取るために、ゴムブレードの像担持体への押圧力を上げても像担持体へのダメージを低減することができ、加えてトナーの滑り摩擦係数を低減してクリーニング性を向上させるものである。像担持体上への潤滑剤の供給方法としては、ゴムブレードよりも像担持体回転方向上流側に設けられたブラシローラに固形状の潤滑剤を圧接させて、該ブラシローラが像担持体表面をクリーニングすると共に、潤滑剤を削り取りながら像担持体表面に供給する方法がある(例えば、特許文献2、3参照。)。しかしながら、トナーはブラシローラの繊維間に入り込み、それが経時で蓄積されると、ブラシローラで削り取った潤滑剤を像担持体上に供給することが良好に行えないという不具合がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−248849号公報
【特許文献2】
特開平11−288194号公報
【特許文献3】
特開2001−235987号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、クリーニング性能を向上させ、重合トナーを用いる場合でも良好なクリーニング性能を長期に渡って維持できるクリーニング装置を提供することを課題とする。また、該クリーニング装置を備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。更には、上記プロセスカートリッジ、画像形成装置に好適に使用されるトナーを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、像担持体表面をクリーニングするクリーニング装置であって、該クリーニング装置は、像担持体表面に当接させて配置されるクリーニングブレードと、該クリーニングブレードよりも像担持体回転方向上流側に配置され、像担持体表面に固形潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段と、該潤滑剤塗布手段よりも像担持体回転方向上流側に配置され、トナーを除去するトナー除去手段とを備えるクリーニング装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のクリーニング装置において、前記トナー除去手段が導電性の弾性ローラであり、該弾性ローラは表面に付着したトナーを掻き落とすハードブレードを備えるクリーニング装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のクリーニング装置において、前記弾性ローラが少なくとも弾性層と弾性層を包む表層からなり、該表層を形成する材料は、弾性層を形成する材料よりも伸縮性が小さいクリーニング装置である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のクリーニング装置において、前記弾性ローラの硬度がアスカーC硬度で20°〜60°であるクリーニング装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記弾性ローラが前記像担持体移動方向に対し順方向に移動するように回転するクリーニング装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項2ないし5のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記弾性ローラの線速が前記像担持体の線速と略同速度であるクリーニング装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項2ないし6のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記弾性ローラにバイアスが印加されるクリーニング装置である。
【0009】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記潤滑剤塗布手段がブラシローラであるクリーニング装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のクリーニング装置において、前記ブラシローラがフリッカーを備えるクリーニング装置である。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のクリーニング装置において、前記フリッカーがブラシローラと像担持体との接触位置よりもブラシローラ回転方向下流側で、ブラシローラと固形潤滑剤との接触位置よりも上流側に配置されるクリーニング装置である。
【0010】
請求項11に記載の発明は、請求項8ないし10のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記ブラシローラがアースに接続されているクリーニング装置である。
請求項12に記載の発明は、請求項8ないし11のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記ブラシローラが前記像担持体移動方向に対し順方向に移動するように回転するクリーニング装置である。
請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記固形潤滑剤がステアリン酸亜鉛であるクリーニング装置である。
【0011】
請求項14に記載の発明は、潜像を担持する像担持体と、転写後の該像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、該クリーニング手段は、請求項1ないし13のいずれかに記載のクリーニング装置であるプロセスカートリッジである。
請求項15に記載の発明は、潜像を担持する像担持体と、該像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光手段と、該像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、該像担持体表面の可視像を転写媒体に転写する転写手段と、転写後の該像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段とを備える画像形成装置において、該クリーニング手段は、請求項1ないし13のいずれかに記載のクリーニング装置である画像形成装置である。
【0012】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の画像形成装置において、前記現像手段で使用されるトナーが少なくとも着色剤とバインダ樹脂とからなり、平均円形度が0.93以上である画像形成装置である。
請求項17に記載の発明は、請求項15又は16に記載の画像形成装置において、前記現像手段で使用されるトナーの体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある画像形成装置である。
請求項18に記載の発明は、請求項15ないし17のいずれかに記載の画像形成装置において、前記現像手段で使用されるトナーの形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある画像形成装置である。
【0013】
請求項19に記載の発明は、請求項15ないし18のいずれかに記載の画像形成装置において、前記現像手段で使用されるトナーが、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである画像形成装置である。
請求項20に記載の発明は、請求項15ないし18のいずれかに記載の画像形成装置において、前記現像手段で使用されるトナーが略球形状である画像形成装置である。
請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の画像形成装置において、前記トナーの形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にある画像形成装置である。
【0014】
請求項22に記載の発明は、電子写真プロセスの現像工程に供されるトナーであって、請求項15に記載の画像形成装置において使用され、少なくとも着色剤とバインダ樹脂とからなり、平均円形度が0.93以上であるトナーである。
請求項23に記載の発明は、請求項22に記載のトナーにおいて、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるトナーである。
請求項24に記載の発明は、請求項22又は23に記載のトナーにおいて、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるトナーである。
請求項25に記載の発明は、請求項22ないし24のいずれかに記載のトナーにおいて、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。ここでは、フルカラー複写機を例に挙げて説明する。
画像形成装置100は、画像形成部300、給紙部200、原稿読み取り部400、原稿搬送部500からなる。画像形成部300は、画像形成ユニット10、露光手段3、転写手段5、定着手段7からなる。
画像形成ユニット10は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のトナー像をそれぞれ形成する4つのユニットを並列して備える。各画像形成ユニット10の中央には、それぞれ感光体1K、1C、1M、1Yが備えられ、その周囲に、帯電手段、現像手段、クリーニング手段が備えられている。
露光手段3は、原稿読み取り部400で読み取ったデータ、又は図示しないPC等外部より送られた画像信号を変換し、ポリゴンモータでレーザー光をスキャンさせ、ミラーを通して読み取られた画像信号を基に感光体1上に静電潜像を形成する。
転写手段5は、各感光体1上に形成されたトナー像を順次重ね合わせて保持する中間転写ベルト50を含んで構成されており、中間転写ベルト50上に形成されたカラートナー像を記録紙に転写する構成となっている。この他、転写搬送ベルトによって記録紙を搬送し、各感光体1上に形成されたトナー像を直接記録紙に転写する構成であってもよい。
定着手段7は、内部にハロゲンヒータ等を有するローラに張架されたベルトと加圧ローラとから構成されており、両者によって形成されるニップ部にて記録紙上のトナーに熱と圧を加えてトナー像を定着させる。この他、一対のローラ、あるいは一対のベルトを用いるものであってもよい。
画像形成装置100は、この他に両面反転ユニット9、排紙トレイ8等を備える。
【0016】
図2は、図1の画像形成ユニット10を拡大して示す図である。
感光体1は、光導電性を有するアモルファスシリコン、アモルファスセレン等の非晶質金属、あるいは、ビスアゾ顔料、フタロシアニン顔料等の有機化合物を用いることができる。環境問題及び使用後の後処理を考慮すると、有機化合物を用いたOPC感光体が好ましい。
帯電手段2は、コロナ方式、ローラ方式、ブラシ方式、ブレード方式のいずれであってもよく、ここでは、ローラ方式の帯電手段2を示す。帯電手段2は、帯電ローラ2a、帯電ローラ2aを清掃するために当接されている帯電ローラクリーニング部材2b、帯電ローラ2aに接続される図示しない電源を備える。帯電ローラ2aに高電圧を印加して、感光体1との間でコロナ放電を発生させ感光体1の表面を一様に帯電するものである。
現像手段4は、現像剤を担持して感光体1に供給する現像剤担持体4aと、トナー供給室4b等を備える。現像剤担持体4aは、回転可能に支持された中空円筒状の現像剤担持体4aと、現像剤担持体4aの内部にこれと同軸に固設されたマグネットロールとを備えており、現像剤担持体4aの外周面に現像剤を磁気的に吸着して搬送するようになっている。現像剤担持体4aは導電性で、非磁性部材で構成されており、現像バイアスを印加するための図示しない電源が接続されている。現像剤担持体4aと感光体1との間には、電源から電圧が印加され、現像領域に電界が形成される。
中間転写ベルト50を挟んで感光体1に対向する位置には、1次転写手段51が備えられている。1次転写手段51は図示しない電源が接続されていて、感光体1上のトナー像を中間転写ベルト50に転写する際電圧が印加されて、感光体1と中間転写ベルト50の間に電界が形成され、静電気的にトナー像の転写が行われる。
【0017】
図2を用いて、本発明のクリーニング装置を説明する。クリーニング装置6は、感光体1に当接してクリーニングブレード61を備え、クリーニングブレード61よりも感光体1回転方向上流側に、固形潤滑剤64を削り取り感光体1上に供給する潤滑剤塗布手段62を備え、この潤滑剤塗布手段62よりも更に感光体1回転方向上流側にトナー除去手段65を備える。一次転写を終えた後の感光体1上に残存するトナーは、先ずトナー除去手段65により感光体1上から回収される。引き続いて、感光体1上に潤滑剤塗布手段62により固形潤滑剤64の微粒子が供給され、感光体1上に残存するトナーやフィルミング等が最終的にクリーニングブレード65によって掻き取られる。
【0018】
トナー除去手段65としては、ゴムブレード、ファーブラシ等様々な手段が適用可能であるが、感光体1表面にダメージを与えることなく、効率よくトナーを除去する手段として、図2に示すように、導電性の弾性ローラ65、及び弾性ローラ65表面に付着したトナーを掻き落とすハードブレード66を備えた構成とすることが好ましい。弾性ローラ65は、芯金に硬度がアスカーC20°〜60°、体積抵抗率1×103〜1×108Ω・cmのゴム材料からなる弾性層を設けて構成される。上記の範囲の硬度であれば感光体1表面に接触しても与えるダメージが小さい。
また、トナーを効率的に回収するために、弾性ローラ65に図示しない電源からトナーと逆極性のバイアスを印加し、トナーを感光体1表面から静電気的に回収することが好ましい。印加されるバイアスは、直流電流、又は直流電流に交流電流を重畳したバイアスが好ましい。また、バイアスの大きさとしては、放電開始電圧以下とする。
【0019】
弾性ローラ65表面に移行して付着したトナーを掻き取るハードブレード66は、硬度が高く非磁性で、電気抵抗が低い金属材料が好ましく、特にSUSが好ましい。本実施例においては、入力トナーの層厚が大きい場合でも対応できる、SUS板材の厚さ0.15mmのものを使用している。
ハードブレード66が当接することから、弾性ローラ65は、以下の構成であることが好ましい。図3は、弾性ローラ65の構成を示す図である。弾性ローラ65は、芯金65aに弾性層65bを設け、さらに弾性層65bを包み込む表層65cを有した多層構造からなる。弾性層65bは、弾性機能を持たせることが目的であるから、連続気孔多孔質体である、例えばポリウレタンゴムなどの材料が望ましい。また、表層65cは、機械的ストレスを受けても伸びないことが必要であるから、弾性層65bを形成する材料よりも伸縮性が小さい材料が望ましく、加えて耐摩耗性の観点からポリイミドなどが望ましい。また、これらにカーボンブラックなどの抵抗制御材料を混ぜたり、ハードブレード66に対する表層65cの摩擦係数を低下させるための滑剤を混ぜてもよい。
【0020】
図4は、弾性ローラ65とハードブレード66の当接部を拡大して示す図である。弾性ローラ65とハードブレード66との当接部では、弾性ローラ65が変形する。これにより、ハードブレード66を当接させても隙間が発生することはなく、また、ハードブレード66であるがゆえ、ブレードエッジが変形することもなく、トナーがすり抜けることはない。また、本実施例のように、通常用いるゴムブレードよりも厚さの薄いSUS板をブレードとして使用した場合、トナーがブレードを押す力Fも小さくなる。加えて、力Fに対するブレードの剛性もゴムブレードよりもハードブレードの方が強いため、トナーは更にすり抜けにくくなる。これにより、弾性ローラ65を常にその表面が清浄な状態で感光体1と接触させることができるため、トナー回収能力を低下させることがない。
【0021】
弾性ローラ65は、感光体1移動方向に対し順方向に移動するように回転駆動される。また、弾性ローラ65の線速は、感光体1の線速と略同速度であることが好ましい。このように回転させることで、弾性ローラ65と感光体1との接触によって感光体1表面に与えるダメージを低減することができる。
【0022】
次に、潤滑剤塗布手段62としては、図2に示すようにブラシローラ62を用いることが好ましい。ブラシローラ62は、ナイロン、アクリル等の樹脂にカーボンブラック等の抵抗制御材料を添加して体積抵抗率1×103〜1×108Ω・cmに調整した材料を用いて形成されている。ブラシローラ62には、固形潤滑剤64が自重でもしくは押圧されて接触するように備えられている。固形潤滑剤64としては、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレイン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類を用いることができるが、この中でも、ステアリン酸亜鉛が好ましい。
ブラシローラ62は、回転駆動することによって固形潤滑剤64を削り取り、微粒子化した潤滑剤を感光体1表面に供給する。その後、感光体1表面とクリーニングブレード61との接触により、潤滑剤は引き延ばされて薄膜状になり、感光体1表面の摩擦係数を低下させる。
【0023】
ブラシローラ62は、固形潤滑剤64を削り取り感光体1上に供給する一方で、弾性ローラ65通過後の感光体1上に残存するトナーの一部を回収する。特に小粒径化、球形化されたトナーを用い、高画像面積率の画像形成を行った後等の場合、クリーニングブレード61に入力されるトナーを極力減らすことが良好なクリーニングのためには効果的である。このとき、ブラシローラ62をアースに接続することで、ブラシの機械的な除去能力と共に、わずかに帯電電位が残る感光体1上からトナーを静電気的に引き寄せて回収することができる。
【0024】
図5は、ブラシローラ62にフリッカーを備えた構成を示す図である。弾性ローラ65によってトナーが回収されるため、上記のようにしてブラシローラ62に回収されるトナーは少量ではあるが、トナーを溜め込む一方では経時でブラシローラ62の潤滑剤塗布能力を低下させる要因となる。そこで、図5のようにフリッカー63をブラシローラ62に当接させ、ブラシの繊維間に溜まっているトナーをはじき飛ばして除去する。フリッカー63を設ける位置は、図5に示すように、ブラシローラ62と感光体1との接触位置よりもブラシローラ62回転方向下流側で、ブラシローラ62と固形潤滑剤64との接触位置よりも上流側であることが好ましい。ブラシローラ62が固形潤滑剤64を削り取って感光体1上に塗布するのに先立って、フリッカー63によりブラシ繊維に付着したトナーを除去することで、潤滑剤の塗布能力を高めることができる。これにより感光体1上に一様に潤滑剤が供給され、感光体1表面の摩擦係数を低下させ、また、トナーの滑り摩擦係数も低減させて、クリーニングブレード61のクリーニング性能を向上させることができる。
また、フリッカー63を設けることで、ブラシローラ62の繊維間にトナーが溜まり込むのを防ぐことができるので、ブラシローラ62の寿命を保つことができる。
【0025】
ブラシローラ62の回転方向は、感光体1移動方向に対し順方向であることが好ましい。本クリーニング装置6は、ブラシローラ62よりも感光体1回転方向上流側にトナー除去手段としての弾性ローラ65を備えているため、ブラシローラ62を備える主目的は、固形潤滑剤64を感光体1上に塗布することにある。トナーを回収する機能を優先させる場合は、ブラシローラ62の回転方向を感光体1移動方向とは逆方向にすることが望ましいが、上記の理由から、固形潤滑剤64を塗布するのに好適な感光体1移動方向に対し順方向とするのがよい。
【0026】
以上説明してきた本発明のクリーニング装置6を、感光体1と一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に形成したプロセスカートリッジとすることができる。プロセスカートリッジは、この他に帯電手段2及び/又は現像手段4を含んで構成するものであっても良い。本プロセスカートリッジによって、円径度が高く、また、小粒径のトナーを用いた現像が行われる画像形成プロセスであっても、感光体1上のクリーニングを良好にし、画質の劣化を生じさせることのないプロセスカートリッジとすることができる。また、長期に渡ってクリーニング機能を維持することができるため、プロセスカートリッジの寿命向上にもつながる。
【0027】
本発明のクリーニング装置6を搭載することの効果が大きく得られる画像形成装置は、現像手段4で使用するトナーが、平均円形度0.93以上と円形度の高いトナーである場合である。円形度の高いトナーは、ブレード方式のクリーニングでは感光体1とクリーニングブレードの隙間に入り込み、すり抜けやすい。クリーニングブレードの感光体1に対する当接圧を上げると、感光体1のダメージが大きくなる。また、ブラシローラにトナーの帯電極性とは逆極性のバイアスを印加し、静電的にトナーを回収する方法においても、感光体1上に残存するトナーの帯電電位にばらつきがあることから、一様なバイアスの印加では困難であった。
しかしながら、本発明のクリーニング装置6により、上記のような平均円形度の高いトナーを用いる場合であっても、以下のようにして効率よく感光体1表面をクリーニングすることができる。すなわち、感光体1上の残存トナーは、先ずトナー除去手段である弾性ローラ65によって静電気的に回収され、その後、潤滑剤塗布手段であるブラシローラ62によって感光体1表面に固形潤滑剤64が塗布され感光体1表面の摩擦係数は低下させられて、最終的にクリーニングブレード61によって残存するトナーが掻き取られ除去される。感光体1表面にダメージを与えることなく、効率的にクリーニングを行うことができる。
【0028】
また、トナーが球形状に近いトナーのクリーニングにも適している。球形トナーは、以下の形状係数SF−1、SF−2の値で規定することができる。本画像形成装置で用いるトナーとしては、形状係数SF−1が100〜180、形状係数SF−2が100〜180のトナーである。
図6は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体1との接触合点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体1との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。一方、先にも述べたように、球形トナーはブレード方式のクリーニングではクリーニング不良を起こしやすいが、本発明のクリーニング装置6により良好なクリーニングを行うことができる。尚、SF−1とSF−2が大きくなると、画像上にトナーが散ってしまい画像品位が低下するため、SF−1とSF−2は180を越えない方が好ましい。
【0029】
また、トナーの体積平均粒径が3〜8μmであり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある小粒径で粒径分布も狭いトナーを使用する場合であっても良好なクリーニング性が得られる。トナーは粒径分布を狭くすることで、帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができる。このような小粒径トナーは、従来のブレード方式のクリーニングでは、感光体1との付着力にうち勝ってクリーニングすることが困難である。また、小粒径であるとトナーの外添剤微粒子等の含有率が相対的に高くなる傾向にあるため、これらがトナーから脱離して感光体1上にフィルミングを発生しやすい。しかしながら、本発明のクリーニング装置6により、ブラシローラ62が良好に感光体1表面へ潤滑剤を塗布することで、感光体1表面の摩擦係数を低減させてクリーニングブレード61のクリーニング性能を向上させることができる。
【0030】
本発明の画像形成装置に好適に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
【0031】
(変性ポリエステル)
本発明のトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
【0032】
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
【0033】
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0034】
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
【0035】
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
【0036】
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0037】
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0038】
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0039】
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0040】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0041】
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
【0042】
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0043】
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、バインダは低酸価バインダが帯電や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
【0044】
バインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
【0045】
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0046】
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0047】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEGVP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0048】
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダ樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
【0049】
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
【0050】
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0051】
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
【0052】
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0053】
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0054】
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0055】
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
【0056】
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0057】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0058】
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0059】
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0060】
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状から紡錘形状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
【0061】
本発明に係るトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。
図6は、本発明のトナーの形状を模式的に示す図である。図6において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図6(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図6(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
【0062】
以上によって製造されたトナーは、磁性キャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
また、2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、磁性キャリアとしては、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、体積平均粒径20〜100μmが好ましい。平均粒径が20μm未満では、現像時に感光体1にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。また、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高いことから好ましいが、画像形成装置100のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電気的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
【0063】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明により、クリーニング性能を向上させ、重合トナーを用いる場合でも良好なクリーニング性能を長期に渡って維持できるクリーニング装置を提供することができる。また、本発明のクリーニング装置を備えることで、像担持体のクリーニング不良による異常画像を発生させることのないプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1の画像形成ユニットを拡大して示す図である。
【図3】弾性ローラの構成を示す図である。
【図4】弾性ローラとハードブレードの当接部を拡大して示す図である。
【図5】ブラシローラにフリッカーを備えた構成を示す図である。
【図6】形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
【図7】トナーの形状を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 像担持体(感光体)
2 帯電手段
3 露光手段
4 現像手段
5 転写手段
50 中間転写ベルト
51 1次転写手段
6 クリーニング装置
61 クリーニングブレード
62 潤滑剤塗布手段(ブラシローラ)
63 フリッカー
64 固形潤滑剤
65 トナー除去手段(弾性ローラ)
65a 芯金
65b 弾性層
65c 表層
66 ハードブレード
67 搬送スクリュー
7 定着手段
100 画像形成装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真プロセスを用いた画像形成装置に搭載されるクリーニング装置に関し、特に、現像に円形度の高いトナーを供する画像形成装置におけるクリーニング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、高画質化のためにトナーの小粒径化及び高円形度化が進められている。粉砕法により製造されたトナーでは、これらの特性に限界があるため、小粒径化や高円形度化が可能な懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により製造された重合トナーが採用されつつある。
一般に円形度の高いトナーは、クリーニング性が悪いことが知られている。これは、従来、粉砕トナーを用いた場合にクリーニング手段として用いられてきたゴムブレードでは、トナーがブレードエッジに引っかからずに転がってしまうため、ブレードをすり抜けやすくなっていることに起因する。特に、重合法で製造されたトナーは真球に近いもの(平均円形度0.98以上)もあり、上記のブレードクリーニング法ではクリーニングが困難である。
【0003】
円径度の高いトナーを用いる場合のクリーニング方法として、以下のような提案がなされている。ブラシローラにトナーの帯電極性とは逆極性のバイアスを印加し、像担持体上から静電的にトナーを除去する方法(例えば、特許文献1参照。)である。しかしながら、像担持体上に残存するトナーの帯電量にはばらつきがあるため、一様な印加バイアスでは回収が困難であったり、印加バイアスの大きさによっては、トナーが像担持体上に再付着するなどの問題がある。
また、別の提案として、像担持体上に潤滑剤を供給し、像担持体表面の摩擦係数を低減して、ゴムブレードによるクリーニング性能を向上させる方法がある。像担持体上に残存しているトナーをゴムブレードによって擦り取るために、ゴムブレードの像担持体への押圧力を上げても像担持体へのダメージを低減することができ、加えてトナーの滑り摩擦係数を低減してクリーニング性を向上させるものである。像担持体上への潤滑剤の供給方法としては、ゴムブレードよりも像担持体回転方向上流側に設けられたブラシローラに固形状の潤滑剤を圧接させて、該ブラシローラが像担持体表面をクリーニングすると共に、潤滑剤を削り取りながら像担持体表面に供給する方法がある(例えば、特許文献2、3参照。)。しかしながら、トナーはブラシローラの繊維間に入り込み、それが経時で蓄積されると、ブラシローラで削り取った潤滑剤を像担持体上に供給することが良好に行えないという不具合がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−248849号公報
【特許文献2】
特開平11−288194号公報
【特許文献3】
特開2001−235987号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、クリーニング性能を向上させ、重合トナーを用いる場合でも良好なクリーニング性能を長期に渡って維持できるクリーニング装置を提供することを課題とする。また、該クリーニング装置を備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。更には、上記プロセスカートリッジ、画像形成装置に好適に使用されるトナーを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、像担持体表面をクリーニングするクリーニング装置であって、該クリーニング装置は、像担持体表面に当接させて配置されるクリーニングブレードと、該クリーニングブレードよりも像担持体回転方向上流側に配置され、像担持体表面に固形潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段と、該潤滑剤塗布手段よりも像担持体回転方向上流側に配置され、トナーを除去するトナー除去手段とを備えるクリーニング装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のクリーニング装置において、前記トナー除去手段が導電性の弾性ローラであり、該弾性ローラは表面に付着したトナーを掻き落とすハードブレードを備えるクリーニング装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のクリーニング装置において、前記弾性ローラが少なくとも弾性層と弾性層を包む表層からなり、該表層を形成する材料は、弾性層を形成する材料よりも伸縮性が小さいクリーニング装置である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のクリーニング装置において、前記弾性ローラの硬度がアスカーC硬度で20°〜60°であるクリーニング装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記弾性ローラが前記像担持体移動方向に対し順方向に移動するように回転するクリーニング装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項2ないし5のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記弾性ローラの線速が前記像担持体の線速と略同速度であるクリーニング装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項2ないし6のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記弾性ローラにバイアスが印加されるクリーニング装置である。
【0009】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記潤滑剤塗布手段がブラシローラであるクリーニング装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のクリーニング装置において、前記ブラシローラがフリッカーを備えるクリーニング装置である。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のクリーニング装置において、前記フリッカーがブラシローラと像担持体との接触位置よりもブラシローラ回転方向下流側で、ブラシローラと固形潤滑剤との接触位置よりも上流側に配置されるクリーニング装置である。
【0010】
請求項11に記載の発明は、請求項8ないし10のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記ブラシローラがアースに接続されているクリーニング装置である。
請求項12に記載の発明は、請求項8ないし11のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記ブラシローラが前記像担持体移動方向に対し順方向に移動するように回転するクリーニング装置である。
請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記固形潤滑剤がステアリン酸亜鉛であるクリーニング装置である。
【0011】
請求項14に記載の発明は、潜像を担持する像担持体と、転写後の該像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、該クリーニング手段は、請求項1ないし13のいずれかに記載のクリーニング装置であるプロセスカートリッジである。
請求項15に記載の発明は、潜像を担持する像担持体と、該像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光手段と、該像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、該像担持体表面の可視像を転写媒体に転写する転写手段と、転写後の該像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段とを備える画像形成装置において、該クリーニング手段は、請求項1ないし13のいずれかに記載のクリーニング装置である画像形成装置である。
【0012】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の画像形成装置において、前記現像手段で使用されるトナーが少なくとも着色剤とバインダ樹脂とからなり、平均円形度が0.93以上である画像形成装置である。
請求項17に記載の発明は、請求項15又は16に記載の画像形成装置において、前記現像手段で使用されるトナーの体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある画像形成装置である。
請求項18に記載の発明は、請求項15ないし17のいずれかに記載の画像形成装置において、前記現像手段で使用されるトナーの形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある画像形成装置である。
【0013】
請求項19に記載の発明は、請求項15ないし18のいずれかに記載の画像形成装置において、前記現像手段で使用されるトナーが、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである画像形成装置である。
請求項20に記載の発明は、請求項15ないし18のいずれかに記載の画像形成装置において、前記現像手段で使用されるトナーが略球形状である画像形成装置である。
請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の画像形成装置において、前記トナーの形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にある画像形成装置である。
【0014】
請求項22に記載の発明は、電子写真プロセスの現像工程に供されるトナーであって、請求項15に記載の画像形成装置において使用され、少なくとも着色剤とバインダ樹脂とからなり、平均円形度が0.93以上であるトナーである。
請求項23に記載の発明は、請求項22に記載のトナーにおいて、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるトナーである。
請求項24に記載の発明は、請求項22又は23に記載のトナーにおいて、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるトナーである。
請求項25に記載の発明は、請求項22ないし24のいずれかに記載のトナーにおいて、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。ここでは、フルカラー複写機を例に挙げて説明する。
画像形成装置100は、画像形成部300、給紙部200、原稿読み取り部400、原稿搬送部500からなる。画像形成部300は、画像形成ユニット10、露光手段3、転写手段5、定着手段7からなる。
画像形成ユニット10は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のトナー像をそれぞれ形成する4つのユニットを並列して備える。各画像形成ユニット10の中央には、それぞれ感光体1K、1C、1M、1Yが備えられ、その周囲に、帯電手段、現像手段、クリーニング手段が備えられている。
露光手段3は、原稿読み取り部400で読み取ったデータ、又は図示しないPC等外部より送られた画像信号を変換し、ポリゴンモータでレーザー光をスキャンさせ、ミラーを通して読み取られた画像信号を基に感光体1上に静電潜像を形成する。
転写手段5は、各感光体1上に形成されたトナー像を順次重ね合わせて保持する中間転写ベルト50を含んで構成されており、中間転写ベルト50上に形成されたカラートナー像を記録紙に転写する構成となっている。この他、転写搬送ベルトによって記録紙を搬送し、各感光体1上に形成されたトナー像を直接記録紙に転写する構成であってもよい。
定着手段7は、内部にハロゲンヒータ等を有するローラに張架されたベルトと加圧ローラとから構成されており、両者によって形成されるニップ部にて記録紙上のトナーに熱と圧を加えてトナー像を定着させる。この他、一対のローラ、あるいは一対のベルトを用いるものであってもよい。
画像形成装置100は、この他に両面反転ユニット9、排紙トレイ8等を備える。
【0016】
図2は、図1の画像形成ユニット10を拡大して示す図である。
感光体1は、光導電性を有するアモルファスシリコン、アモルファスセレン等の非晶質金属、あるいは、ビスアゾ顔料、フタロシアニン顔料等の有機化合物を用いることができる。環境問題及び使用後の後処理を考慮すると、有機化合物を用いたOPC感光体が好ましい。
帯電手段2は、コロナ方式、ローラ方式、ブラシ方式、ブレード方式のいずれであってもよく、ここでは、ローラ方式の帯電手段2を示す。帯電手段2は、帯電ローラ2a、帯電ローラ2aを清掃するために当接されている帯電ローラクリーニング部材2b、帯電ローラ2aに接続される図示しない電源を備える。帯電ローラ2aに高電圧を印加して、感光体1との間でコロナ放電を発生させ感光体1の表面を一様に帯電するものである。
現像手段4は、現像剤を担持して感光体1に供給する現像剤担持体4aと、トナー供給室4b等を備える。現像剤担持体4aは、回転可能に支持された中空円筒状の現像剤担持体4aと、現像剤担持体4aの内部にこれと同軸に固設されたマグネットロールとを備えており、現像剤担持体4aの外周面に現像剤を磁気的に吸着して搬送するようになっている。現像剤担持体4aは導電性で、非磁性部材で構成されており、現像バイアスを印加するための図示しない電源が接続されている。現像剤担持体4aと感光体1との間には、電源から電圧が印加され、現像領域に電界が形成される。
中間転写ベルト50を挟んで感光体1に対向する位置には、1次転写手段51が備えられている。1次転写手段51は図示しない電源が接続されていて、感光体1上のトナー像を中間転写ベルト50に転写する際電圧が印加されて、感光体1と中間転写ベルト50の間に電界が形成され、静電気的にトナー像の転写が行われる。
【0017】
図2を用いて、本発明のクリーニング装置を説明する。クリーニング装置6は、感光体1に当接してクリーニングブレード61を備え、クリーニングブレード61よりも感光体1回転方向上流側に、固形潤滑剤64を削り取り感光体1上に供給する潤滑剤塗布手段62を備え、この潤滑剤塗布手段62よりも更に感光体1回転方向上流側にトナー除去手段65を備える。一次転写を終えた後の感光体1上に残存するトナーは、先ずトナー除去手段65により感光体1上から回収される。引き続いて、感光体1上に潤滑剤塗布手段62により固形潤滑剤64の微粒子が供給され、感光体1上に残存するトナーやフィルミング等が最終的にクリーニングブレード65によって掻き取られる。
【0018】
トナー除去手段65としては、ゴムブレード、ファーブラシ等様々な手段が適用可能であるが、感光体1表面にダメージを与えることなく、効率よくトナーを除去する手段として、図2に示すように、導電性の弾性ローラ65、及び弾性ローラ65表面に付着したトナーを掻き落とすハードブレード66を備えた構成とすることが好ましい。弾性ローラ65は、芯金に硬度がアスカーC20°〜60°、体積抵抗率1×103〜1×108Ω・cmのゴム材料からなる弾性層を設けて構成される。上記の範囲の硬度であれば感光体1表面に接触しても与えるダメージが小さい。
また、トナーを効率的に回収するために、弾性ローラ65に図示しない電源からトナーと逆極性のバイアスを印加し、トナーを感光体1表面から静電気的に回収することが好ましい。印加されるバイアスは、直流電流、又は直流電流に交流電流を重畳したバイアスが好ましい。また、バイアスの大きさとしては、放電開始電圧以下とする。
【0019】
弾性ローラ65表面に移行して付着したトナーを掻き取るハードブレード66は、硬度が高く非磁性で、電気抵抗が低い金属材料が好ましく、特にSUSが好ましい。本実施例においては、入力トナーの層厚が大きい場合でも対応できる、SUS板材の厚さ0.15mmのものを使用している。
ハードブレード66が当接することから、弾性ローラ65は、以下の構成であることが好ましい。図3は、弾性ローラ65の構成を示す図である。弾性ローラ65は、芯金65aに弾性層65bを設け、さらに弾性層65bを包み込む表層65cを有した多層構造からなる。弾性層65bは、弾性機能を持たせることが目的であるから、連続気孔多孔質体である、例えばポリウレタンゴムなどの材料が望ましい。また、表層65cは、機械的ストレスを受けても伸びないことが必要であるから、弾性層65bを形成する材料よりも伸縮性が小さい材料が望ましく、加えて耐摩耗性の観点からポリイミドなどが望ましい。また、これらにカーボンブラックなどの抵抗制御材料を混ぜたり、ハードブレード66に対する表層65cの摩擦係数を低下させるための滑剤を混ぜてもよい。
【0020】
図4は、弾性ローラ65とハードブレード66の当接部を拡大して示す図である。弾性ローラ65とハードブレード66との当接部では、弾性ローラ65が変形する。これにより、ハードブレード66を当接させても隙間が発生することはなく、また、ハードブレード66であるがゆえ、ブレードエッジが変形することもなく、トナーがすり抜けることはない。また、本実施例のように、通常用いるゴムブレードよりも厚さの薄いSUS板をブレードとして使用した場合、トナーがブレードを押す力Fも小さくなる。加えて、力Fに対するブレードの剛性もゴムブレードよりもハードブレードの方が強いため、トナーは更にすり抜けにくくなる。これにより、弾性ローラ65を常にその表面が清浄な状態で感光体1と接触させることができるため、トナー回収能力を低下させることがない。
【0021】
弾性ローラ65は、感光体1移動方向に対し順方向に移動するように回転駆動される。また、弾性ローラ65の線速は、感光体1の線速と略同速度であることが好ましい。このように回転させることで、弾性ローラ65と感光体1との接触によって感光体1表面に与えるダメージを低減することができる。
【0022】
次に、潤滑剤塗布手段62としては、図2に示すようにブラシローラ62を用いることが好ましい。ブラシローラ62は、ナイロン、アクリル等の樹脂にカーボンブラック等の抵抗制御材料を添加して体積抵抗率1×103〜1×108Ω・cmに調整した材料を用いて形成されている。ブラシローラ62には、固形潤滑剤64が自重でもしくは押圧されて接触するように備えられている。固形潤滑剤64としては、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレイン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類を用いることができるが、この中でも、ステアリン酸亜鉛が好ましい。
ブラシローラ62は、回転駆動することによって固形潤滑剤64を削り取り、微粒子化した潤滑剤を感光体1表面に供給する。その後、感光体1表面とクリーニングブレード61との接触により、潤滑剤は引き延ばされて薄膜状になり、感光体1表面の摩擦係数を低下させる。
【0023】
ブラシローラ62は、固形潤滑剤64を削り取り感光体1上に供給する一方で、弾性ローラ65通過後の感光体1上に残存するトナーの一部を回収する。特に小粒径化、球形化されたトナーを用い、高画像面積率の画像形成を行った後等の場合、クリーニングブレード61に入力されるトナーを極力減らすことが良好なクリーニングのためには効果的である。このとき、ブラシローラ62をアースに接続することで、ブラシの機械的な除去能力と共に、わずかに帯電電位が残る感光体1上からトナーを静電気的に引き寄せて回収することができる。
【0024】
図5は、ブラシローラ62にフリッカーを備えた構成を示す図である。弾性ローラ65によってトナーが回収されるため、上記のようにしてブラシローラ62に回収されるトナーは少量ではあるが、トナーを溜め込む一方では経時でブラシローラ62の潤滑剤塗布能力を低下させる要因となる。そこで、図5のようにフリッカー63をブラシローラ62に当接させ、ブラシの繊維間に溜まっているトナーをはじき飛ばして除去する。フリッカー63を設ける位置は、図5に示すように、ブラシローラ62と感光体1との接触位置よりもブラシローラ62回転方向下流側で、ブラシローラ62と固形潤滑剤64との接触位置よりも上流側であることが好ましい。ブラシローラ62が固形潤滑剤64を削り取って感光体1上に塗布するのに先立って、フリッカー63によりブラシ繊維に付着したトナーを除去することで、潤滑剤の塗布能力を高めることができる。これにより感光体1上に一様に潤滑剤が供給され、感光体1表面の摩擦係数を低下させ、また、トナーの滑り摩擦係数も低減させて、クリーニングブレード61のクリーニング性能を向上させることができる。
また、フリッカー63を設けることで、ブラシローラ62の繊維間にトナーが溜まり込むのを防ぐことができるので、ブラシローラ62の寿命を保つことができる。
【0025】
ブラシローラ62の回転方向は、感光体1移動方向に対し順方向であることが好ましい。本クリーニング装置6は、ブラシローラ62よりも感光体1回転方向上流側にトナー除去手段としての弾性ローラ65を備えているため、ブラシローラ62を備える主目的は、固形潤滑剤64を感光体1上に塗布することにある。トナーを回収する機能を優先させる場合は、ブラシローラ62の回転方向を感光体1移動方向とは逆方向にすることが望ましいが、上記の理由から、固形潤滑剤64を塗布するのに好適な感光体1移動方向に対し順方向とするのがよい。
【0026】
以上説明してきた本発明のクリーニング装置6を、感光体1と一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に形成したプロセスカートリッジとすることができる。プロセスカートリッジは、この他に帯電手段2及び/又は現像手段4を含んで構成するものであっても良い。本プロセスカートリッジによって、円径度が高く、また、小粒径のトナーを用いた現像が行われる画像形成プロセスであっても、感光体1上のクリーニングを良好にし、画質の劣化を生じさせることのないプロセスカートリッジとすることができる。また、長期に渡ってクリーニング機能を維持することができるため、プロセスカートリッジの寿命向上にもつながる。
【0027】
本発明のクリーニング装置6を搭載することの効果が大きく得られる画像形成装置は、現像手段4で使用するトナーが、平均円形度0.93以上と円形度の高いトナーである場合である。円形度の高いトナーは、ブレード方式のクリーニングでは感光体1とクリーニングブレードの隙間に入り込み、すり抜けやすい。クリーニングブレードの感光体1に対する当接圧を上げると、感光体1のダメージが大きくなる。また、ブラシローラにトナーの帯電極性とは逆極性のバイアスを印加し、静電的にトナーを回収する方法においても、感光体1上に残存するトナーの帯電電位にばらつきがあることから、一様なバイアスの印加では困難であった。
しかしながら、本発明のクリーニング装置6により、上記のような平均円形度の高いトナーを用いる場合であっても、以下のようにして効率よく感光体1表面をクリーニングすることができる。すなわち、感光体1上の残存トナーは、先ずトナー除去手段である弾性ローラ65によって静電気的に回収され、その後、潤滑剤塗布手段であるブラシローラ62によって感光体1表面に固形潤滑剤64が塗布され感光体1表面の摩擦係数は低下させられて、最終的にクリーニングブレード61によって残存するトナーが掻き取られ除去される。感光体1表面にダメージを与えることなく、効率的にクリーニングを行うことができる。
【0028】
また、トナーが球形状に近いトナーのクリーニングにも適している。球形トナーは、以下の形状係数SF−1、SF−2の値で規定することができる。本画像形成装置で用いるトナーとしては、形状係数SF−1が100〜180、形状係数SF−2が100〜180のトナーである。
図6は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体1との接触合点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体1との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。一方、先にも述べたように、球形トナーはブレード方式のクリーニングではクリーニング不良を起こしやすいが、本発明のクリーニング装置6により良好なクリーニングを行うことができる。尚、SF−1とSF−2が大きくなると、画像上にトナーが散ってしまい画像品位が低下するため、SF−1とSF−2は180を越えない方が好ましい。
【0029】
また、トナーの体積平均粒径が3〜8μmであり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある小粒径で粒径分布も狭いトナーを使用する場合であっても良好なクリーニング性が得られる。トナーは粒径分布を狭くすることで、帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができる。このような小粒径トナーは、従来のブレード方式のクリーニングでは、感光体1との付着力にうち勝ってクリーニングすることが困難である。また、小粒径であるとトナーの外添剤微粒子等の含有率が相対的に高くなる傾向にあるため、これらがトナーから脱離して感光体1上にフィルミングを発生しやすい。しかしながら、本発明のクリーニング装置6により、ブラシローラ62が良好に感光体1表面へ潤滑剤を塗布することで、感光体1表面の摩擦係数を低減させてクリーニングブレード61のクリーニング性能を向上させることができる。
【0030】
本発明の画像形成装置に好適に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
【0031】
(変性ポリエステル)
本発明のトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
【0032】
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
【0033】
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0034】
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
【0035】
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
【0036】
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0037】
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0038】
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0039】
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0040】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0041】
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
【0042】
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0043】
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、バインダは低酸価バインダが帯電や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
【0044】
バインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
【0045】
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0046】
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0047】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEGVP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0048】
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダ樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
【0049】
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
【0050】
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0051】
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
【0052】
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0053】
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0054】
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0055】
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
【0056】
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0057】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0058】
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0059】
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0060】
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状から紡錘形状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
【0061】
本発明に係るトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。
図6は、本発明のトナーの形状を模式的に示す図である。図6において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図6(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図6(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
【0062】
以上によって製造されたトナーは、磁性キャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
また、2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、磁性キャリアとしては、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、体積平均粒径20〜100μmが好ましい。平均粒径が20μm未満では、現像時に感光体1にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。また、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高いことから好ましいが、画像形成装置100のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電気的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
【0063】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明により、クリーニング性能を向上させ、重合トナーを用いる場合でも良好なクリーニング性能を長期に渡って維持できるクリーニング装置を提供することができる。また、本発明のクリーニング装置を備えることで、像担持体のクリーニング不良による異常画像を発生させることのないプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1の画像形成ユニットを拡大して示す図である。
【図3】弾性ローラの構成を示す図である。
【図4】弾性ローラとハードブレードの当接部を拡大して示す図である。
【図5】ブラシローラにフリッカーを備えた構成を示す図である。
【図6】形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
【図7】トナーの形状を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 像担持体(感光体)
2 帯電手段
3 露光手段
4 現像手段
5 転写手段
50 中間転写ベルト
51 1次転写手段
6 クリーニング装置
61 クリーニングブレード
62 潤滑剤塗布手段(ブラシローラ)
63 フリッカー
64 固形潤滑剤
65 トナー除去手段(弾性ローラ)
65a 芯金
65b 弾性層
65c 表層
66 ハードブレード
67 搬送スクリュー
7 定着手段
100 画像形成装置
Claims (25)
- 像担持体表面をクリーニングするクリーニング装置であって、
該クリーニング装置は、像担持体表面に当接させて配置されるクリーニングブレードと、
該クリーニングブレードよりも像担持体回転方向上流側に配置され、像担持体表面に固形潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段と、
該潤滑剤塗布手段よりも像担持体回転方向上流側に配置され、トナーを除去するトナー除去手段とを備える
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1に記載のクリーニング装置において、
前記トナー除去手段は、導電性の弾性ローラであり、該弾性ローラは表面に付着したトナーを掻き落とすハードブレードを備える
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項2に記載のクリーニング装置において、
前記弾性ローラは、少なくとも弾性層と弾性層を包む表層からなり、
該表層を形成する材料は、弾性層を形成する材料よりも伸縮性が小さい
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項2又は3に記載のクリーニング装置において、
前記弾性ローラは、硬度がアスカーC硬度で20°〜60°である
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項2ないし4のいずれかに記載のクリーニング装置において、
前記弾性ローラは、前記像担持体移動方向に対し順方向に移動するように回転する
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項2ないし5のいずれかに記載のクリーニング装置において、
前記弾性ローラの線速は、前記像担持体の線速と略同速度である
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項2ないし6のいずれかに記載のクリーニング装置において、
前記弾性ローラには、バイアスが印加される
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載のクリーニング装置において、
前記潤滑剤塗布手段は、ブラシローラである
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項8に記載のクリーニング装置において、
前記ブラシローラは、フリッカーを備える
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項9に記載のクリーニング装置において、
前記フリッカーは、ブラシローラと像担持体との接触位置よりもブラシローラ回転方向下流側で、ブラシローラと固形潤滑剤との接触位置よりも上流側に配置される
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項8ないし10のいずれかに記載のクリーニング装置において、
前記ブラシローラは、アースに接続されている
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項8ないし11のいずれかに記載のクリーニング装置において、
前記ブラシローラは、前記像担持体移動方向に対し順方向に移動するように回転する
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1ないし12のいずれかに記載のクリーニング装置において、
前記固形潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛である
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 潜像を担持する像担持体と、
転写後の該像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、
該クリーニング手段は、請求項1ないし13のいずれかに記載のクリーニング装置である
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 潜像を担持する像担持体と、
該像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、
帯電した該像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光手段と、
該像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、
該像担持体表面の可視像を転写媒体に転写する転写手段と、
転写後の該像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段とを備える画像形成装置において、
該クリーニング手段は、請求項1ないし13のいずれかに記載のクリーニング装置である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15に記載の画像形成装置において、
前記現像手段で使用されるトナーは、少なくとも着色剤とバインダ樹脂とからなり、平均円形度が0.93以上である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15又は16に記載の画像形成装置において、
前記現像手段で使用されるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15ないし17のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像手段で使用されるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15ないし18のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像手段で使用されるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15ないし18のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像手段で使用されるトナーは、略球形状である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項20に記載の画像形成装置において、
前記トナーは、その形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にある
ことを特徴とする画像形成装置。 - 電子写真プロセスの現像工程に供されるトナーであって、
該トナーは、請求項15に記載の画像形成装置において使用されるトナーであり、
少なくとも着色剤とバインダ樹脂とからなり、平均円形度が0.93以上である
ことを特徴とするトナー。 - 請求項22に記載のトナーにおいて、
前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある
ことを特徴とするトナー。 - 請求項22又は23に記載のトナーにおいて、
前記トナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある
ことを特徴とするトナー。 - 請求項22ないし24のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られる
ことを特徴とするトナー。
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