JP2006234176A - 動圧軸受装置 - Google Patents

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和男 柴
Isao Mizuma
功 水間
Toyoji Kanazawa
豊次 金澤
Takashi Shimada
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Abstract

【課題】 量産的にスラスト軸受部の隙間の精度が得られる構造の動圧軸受装置を提供することにある。
【解決手段】 外周面と円筒状の内周面11及びスラスト板対向面12と保持面13を有する軸受スリーブと円筒状外周面2を有する軸体1とが相対的に回転自在に嵌合し、且つ軸体1の一部にスラスト板20を設け、スラスト受板25によりスラスト隙間を形成する動圧軸受装置であって、軸受スリーブ10のスラスト板対向面12とスラスト板20のスリーブ対向面21及びスラスト受板25の軸受面26とスラスト板20の受板対向面22は各々対向配置されていて、軸受スリーブ10のスラスト板対向面12又はスラスト受板25の軸受面26又はスラスト板20のスリーブ対向面21と受板対向面22の内少なくとも1つの面は、研削加工か研磨加工等の面仕上げ加工が成された面とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えばハードディスクドライブやポリゴンミラー等の回転部の軸受に用いられる動圧軸受装置に関する。
ハードディスクドライブやポリゴンミラー等に用いられるスピンドルモーターの分野に於いて、高速、高容量化の要求から、高速で高精度のスピンドルモーターが必要とされ、これに伴い動圧軸受構造を採用したスピンドルモーターが種々提案されている。その中でも、軸体に1枚のスラスト板を設け、軸体と軸体に対向する軸受スリーブの一方を固定し、一方を回転自在にしたタイプは比較的構造が簡単で小型化が容易であるため、種々の改良型が提案されている。このようなタイプでは以下に述べるように、軸受スリーブが軸体とラジアル方向の軸受部を形成すると共に、スラスト板との対向面を設けてスラスト方向の軸受部も構成し、更にスラスト板の隙間を管理する構造のタイプが多い。
例えば特許文献1では、軸受スリーブが、軸体とラジアル方向の軸受部を形成すると同時に、スラスト板に対向する面を有してスラスト軸受部を形成し、更にスラスト軸受部の隙間を管理する段差を有する構造となっている。また、軸受スリーブを基台に固定し、軸体を回転自在な構造としている。その他に、特許文献2では、軸受スリーブがラジアル軸受部、スラスト軸受部、スラスト軸受部の隙間を管理する段差を有する構造であり、軸体を固定し軸受スリーブを回転自在の構造としている。
図4は、従来の動圧軸受装置140を組み込んだモーター150を示す断面図であり、図5はその部分拡大図である。モーターハウジング120に軸受スリーブ103が固定され、軸受スリーブ103の下端にはスラスト受板105が固定され、軸体101の保持体を構成している。軸体101の下端にスラスト板102が固定されており、軸受スリーブ103及びスラスト受板105に対して回転自在に支持される。ここでは、軸体101の外周面107と軸受スリーブ103の内周面106がラジアル軸受部を構成し、軸体101の外周面107と軸受スリーブ103の内周面106の少なくとも一方に動圧発生溝が形成されている。
更に、スラスト板102の上面108に対向する軸受スリーブ103の面110及びスラスト板102の下面109に対向するスラスト受板105の軸受面114とがスラスト軸受部を構成し、スラスト板102の上面108と下面109には動圧発生溝が形成されている。また、固定部と回転部の隙間には潤滑流体が隙間の開放口115付近まで充填されている。以上の構造の動圧軸受装置を回転させる為に、軸体101にはハブ125を設け、ハブ125にはローターマグネット126を設け、モーターハウジング120にはステーター121を設けている。前記構成において、軸体101とスラスト板102及びハブ125の固定、モーターハウジング120と軸受スリーブ103、スラスト受板105、ステーター121との固定は、隙間嵌め、接着、スポット溶接等から適宜選択または組み合わせて行われている。
特開平9−182367号公報 特開平9−298860号公報
図4及び図5に示す従来の動圧軸受装置に於いて、動圧を発生する為には、ラジアル軸受部及びスラスト軸受部の隙間は一般に5μm付近に管理する必要がある。さらに、量産的に製品のバラツキを管理するためには各製品の軸受部の隙間が1μm〜2μm程度のバラツキ精度で管理される必要がある。ラジアル軸受部の隙間は、軸体101の外径と軸受スリーブ103の内周面106の内径との差だけでなく、実際には、軸体101の外周面107の表面粗さと真円度及び円筒度と、軸受スリーブ103の内周面106の表面粗さと真円度及び円筒度等の精度を含めて管理される。軸体101の外周面107及び軸受スリーブ103の内周面106は旋盤等の切削加工の他、研削加工や研磨加工による仕上げ加工をすることも可能である為、量産的にも精度を管理し易い部分である。
もう一方のスラスト軸受部の隙間についても、軸受スリーブ103の段差112とスラスト板102の厚み113の差だけでなく、実際には、スラスト板102の上面108及び下面109の平面度と、スラスト受板105の軸受面114の平面度、及び軸受スリーブ103の面110と面111の平面度等の精度を含めて管理される。その中で、スラスト板102の厚み113、その上面108、その下面109、及びスラスト受板105の軸受面114は切削加工の他、必要に応じて研削加工や研磨加工での面仕上げ加工により、部品の精度を得ることは可能である。
しかしながら、軸受スリーブ103の面110は面仕上げ加工が難しい構造となっている為、旋盤等の切削加工の精度に依存し、研削加工面や研磨加工面の平面度には到底及ばない。よって、段差112の加工精度も旋盤等の切削加工の精度に依存し、その量産的な部品加工精度は5μm程度が限界である。このような精度の軸受スリーブを用いて動圧軸受装置を組み立てた場合、スラスト軸受部の隙間の製品ばらつきは、段差112の精度に面110の平面度も影響して、5μm以上になってしまった。よって、量産的にスラスト軸受部の隙間を、製品ばらつきで1μm〜2μmに管理することは非常に困難である。
本発明は前記課題を解決するためのものであり、その目的とするところは、量産的にスラスト軸受部の隙間の精度が得られる構造の動圧軸受装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の動圧軸受装置は、外周面と円筒状の内周面及びスラスト板対向面と保持面を有する軸受スリーブと、円筒状外周面を有する軸体と、該軸体の一部に設けられスリーブ対向面と受板対向面とを有するスラスト板と、少なくとも軸受面を有するスラスト受板とを備えた動圧軸受装置において、前記軸受スリーブの内周面と前記軸体の円筒状外周面とは相対的に回転自在に嵌合していると共に、前記軸受スリーブのスラスト板対向面と前記スラスト板のスリーブ対向面及び前記スラスト受板の軸受面と前記スラスト板の受板対向面は各々対向配置されていて、前記軸受スリーブのスラスト板対向面又は前記スラスト受板の軸受面又は前記スラスト板のスリーブ対向面と受板対向面の内少なくとも1つの面は、研削加工か研磨加工等の面仕上げ加工が成された面であることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の動圧軸受装置は、請求項1に記載の構成において、前記面仕上げ加工が施された面は、前記軸受スリーブのスラスト板対向面と前記スラスト板のスリーブ対向面であることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の動圧軸受装置は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記面仕上げ加工が施された面は、前記スラスト板の受板対向面と前記スラスト受板
の軸受面であることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の動圧軸受装置は、請求項1から請求項3に記載の構成において、前記スラスト板のスリーブ対向面と受板対向面及び、前記軸受スリーブのスラスト板対向面又は前記スラスト受板の軸受面とによってスラスト軸受部の隙間を形成していることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の動圧軸受装置は、請求項1から請求項4に記載の構成において、前記スラスト板のスリーブ対向面と前記軸受スリーブのスラスト板対向面の少なくとも一方、又は前記スラスト板の受板対向面と前記スラスト受板の軸受面の少なくとも一方に、動圧発生溝を設けてスラスト軸受部を形成すると共に、前記軸受スリーブの内周面と前記軸体の円筒状外周面の少なくとも一方に動圧発生溝を設けてラジアル軸受部を形成し、前記スラスト軸受部と前記ラジアル軸受部に潤滑流体を封入したことを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の動圧軸受装置は、請求項1から請求項5に記載の構成において、前記軸受スリーブのスラスト板対向面と前記スラスト受板の軸受面との間にはスラストスペーサが配設されていて、該スラストスペーサのスリーブ対応面と受板対応面も研削加工か研磨加工等の面仕上げ加工が成された面であることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の動圧軸受装置は、請求項6に記載の構成において、面仕上げ加工がされた前記スラストスペーサの厚さ精度は、1μm以下であることを特徴とする。
本発明の請求項8に記載の動圧軸受装置は、請求項6又は請求項7に記載の構成において、前記軸受スリーブのスラスト板対向面と前記スラスト受板の軸受面及び前記スラストスペーサのスリーブ対応面と受板対応面とで形成する空間に前記スラスト板を配置したことを特徴とする。
本発明の請求項9に記載の動圧軸受装置は、請求項1から請求項8に記載の構成において、前記軸体と前記スラスト板とは、別体で形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項10に記載の動圧軸受装置は、請求項1から請求項9に記載の構成において、前記軸受スリーブのスラスト板対向面は、その軸受スリーブの内周面から外周面までを平面にて形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項11に記載の動圧軸受装置は、請求項6から請求項10に記載の構成において、前記スラストスペーサは、脆性材料で形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項12に記載の動圧軸受装置は、請求項11に記載の構成において、前記スラストスペーサは、セラミックス材で形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項13に記載の動圧軸受装置は、請求項1から請求項12に記載の構成において、前記軸受スリーブの保持面には、潤滑流体の飛散を防止するためのカバーが設けられていることを特徴とする。
本発明の動圧軸受装置の構造によれば、軸受スリーブのスラスト板対向面とスラスト板のスリーブ対向面及びスラスト受板の軸受面とスラスト板の受板対向面は対向配置する構成を有していて、軸受スリーブのスラスト板対向面又はスラスト受板の軸受面又はスラスト板のスリーブ対向面と受板対向面の内少なくとも1つの面は、研削加工か研磨加工等の
面仕上げ加工が成された面であるため、部品の加工精度が向上し、スラスト軸受部の隙間の製品のばらつきを小さく抑えることが可能となり、これによってアッセンブリされた動圧軸受装置の精度を大いに向上させることが出来るようになった。
また、更にスラストスペーサを有し、このスラストスペーサのスリーブ対応面及び受板対応面を研削加工か研磨加工等の面仕上げ加工が成された面と成すと共に、加工時の弾性変形が少なくまた加工中に発生する熱に対して寸法変化の小さいセラミックスを用いることにより、スラストスペーサの加工精度を更に向上させることが可能であると共に、スラスト軸受部の隙間の製品ばらつきをさらに小さく抑えることが可能となった。
本発明の最良の実施形態は、外周面と円筒状の内周面及びスラスト板対向面と保持面を有する軸受スリーブと、円筒状外周面を有する軸体と、該軸体の一部に設けられスリーブ対向面と受板対向面とを有するスラスト板と、少なくとも軸受面を有するスラスト受板とを備えた動圧軸受装置において、前記軸受スリーブの内周面と前記軸体の円筒状外周面とは相対的に回転自在に嵌合していると共に、前記軸受スリーブのスラスト板対向面と前記スラスト板のスリーブ対向面及び前記スラスト受板の軸受面と前記スラスト板の受板対向面は各々対向配置されていて、前記軸受スリーブのスラスト板対向面又は前記スラスト受板の軸受面又は前記スラスト板のスリーブ対向面と受板対向面の内少なくとも1つの面は、研削加工か研磨加工等の面仕上げ加工が成された面であるように構成したものである。
また、スラストスペーサを更に設け、このスラストスペーサのスリーブ対応面及び受板対応面を研削加工か研磨加工等の面仕上げ加工が成された面とすると共に、特にこのスラストスペーサとしてセラミックスを用いるように成したものである。
本発明の実施例を、図1と図2を用いて説明する。図1は本発明の第1実施例の動圧軸受装置7及びそれを組み込んだモーター8の断面図であり、図2はその部分拡大図である。モーターハウジング45の内周46に、外周面14や円筒状の内周面11を有する軸受スリーブ10とスラストスペーサ30が固定されている。即ち軸受スリーブ10の外周面14とスラストスペーサ30の外周面34とは面一に形成されている。軸受スリーブ10の内周面11には円筒状外周面2を有する軸体1が回転自在に嵌合されて、隙間3を形成している。軸受スリーブ10の内周面11もしくは軸体1の円筒状外周面2の少なくとも一方に動圧発生溝パターンを設けることにより軸受スリーブ10の内周面11と軸体1の円筒状外周面2との間でラジアル軸受部を形成している。
また、軸体1の下部4には軸体1の円筒状外周面2の径よりも大なる外径のスラスト板20を設けている。スラスト板20を軸体1にスラストスペーサ30を介して軸受スリーブ10とスラスト受板25に対向するように嵌合して、スラスト板20を回転自在にする為のスラスト軸受部の隙間を形成している。また、スラスト板20の軸受スリーブ10とのスリーブ対向面である上面21と軸受スリーブ10のスラスト板20とのスラスト板対向面である下面12の少なくとも一方と、スラスト板20のスラスト受板25との受板対向面である下面22とスラスト受板25のスラスト板20との対向面である軸受面としての上面26の少なくとも一方に動圧発生溝パターンを設けることにより、スラスト板20と軸受スリーブ10、スラスト受板25との間にスラスト軸受部を形成している。
さらに、ラジアル軸受部及びスラスト軸受部には潤滑流体が封入されている。軸受スリーブ10の保持面としての上面13は、内周面11から外周面14まで平面にて形成されていて、上面13には潤滑流体の飛散を防止するため開放口3aの部分にカバー35を設
け、そのカバー35の軸体1の近傍の部分36には、ラビリンスシール構造や磁性流体シール構造を形成することも可能である。また、上記の部分36のところに軸受スリーブ10の保持面である上面13とカバー部材35との間には空間37が形成されている。軸体1はかばー35より上方に突出している。尚、モーターの回転機構については、先に図4を用いて説明した従来技術の一般的な構成であるので、ここでは説明を省略する。
次に、軸受部の隙間管理について説明する。ラジアル軸受部の隙間管理は従来と同様であるので省略し、ここでは、本発明の特徴であるスラスト軸受部の隙間管理について説明する。スラスト軸受部の隙間は、スラスト板20の厚み23とスラストスペーサ30の厚み33との差だけでなく、実際には、スラスト板20の上面(スリーブ対向面)21と下面(受板対向面)22との平行度及びそれぞれの平面度、スラスト受板25の上面(軸受面)26の平面度、及び軸受スリーブ10の下面(スラスト板対向面)12の平面度、スラストスペーサ30の軸受スリーブ10側の面であるスリーブ対応面としての上面31とスラスト受板25側の面である受板対応面としての下面32との平行度及びそれぞれの平面度等の精度を含めて管理される。
従来と同様に、スラスト板20の厚み23、その上面(スリーブ対向面)21、その下面(受板対向面)22、及びスラスト受板25の上面(軸受面)26は切削加工の他、必要に応じて研削加工や研磨加工での面仕上げ加工により、部品の精度を得ることが可能であるが、さらに、本発明では、従来の軸受スリーブに設けた段差構造を無くし、隙間管理の為にスラストスペーサ30を設けたことにより、軸受スリーブ10の下面(スラスト板対向面)12、スラストスペーサ30の上面(スリーブ対応面)31と下面(受板対応面)32の面はいずれも内周面から外周面34まで平面に形成されているので、研削加工や研磨加工での面仕上げ加工が可能である。よって、スラスト軸受部の隙間の管理に関わるすべての部材表面に面仕上げ加工が可能な構造となっている。これによって、アッセンブリされた動圧軸受装置の精度を大いに向上させることが出来る。
動圧軸受装置7を構成する各部品には、金属及び合金、セラミックス、ガラス、プラスチック等から適宜選択して用いることが可能であるが、研削加工や研磨加工によって寸法精度を得る部分には、加工時の弾性変形が少なく、且つ加工中に発生する熱に対して寸法変化の小さい材質が好ましく、その材料としてはセラミックスやガラス等の脆性材料が挙げられる。その中でも、強度が高いセラミックスを用いることはさらに好ましい。セラミックスの材質としては、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素等を用いることが可能である。しかしながら、全ての部材にセラミックスを用いることはコストアップにつながる為、その中でも軸受スリーブ10及びスラストスペーサ30にセラミックスを用いて面仕上げ加工を施せば、従来の軸受スリーブ103と比較して格段に寸法精度が向上する。
さらに、その中でも特に、スラストスペーサ30にセラミックスを用いることは最も効果が大きく、このことはその厚み33の加工精度が、従来の軸受スリーブ103の段差112の切削加工精度と比較される部分であることから明らかである。具体的には、段差112の切削加工精度は量産的に5μmが限界であるが、セラミックス製のスラストスペーサ30の上面(スリーブ対応面)31及び下面(受板対応面)32に研磨加工を行った場合は、その厚み33の寸法精度は量産的にも1μm以下に管理可能である。
本発明の動圧軸受装置7を組み立てて、スラスト軸受部の隙間の製品ばらつきを測定した。尚、スラスト軸受部の隙間とは、単にスラストスペーサ30の厚み33とスラスト板20の厚み23との差ではなく、前述の様に、スラスト軸受部の隙間を構成する部材の表面の影響を受けるので、スラスト板が実際に上下に可動な範囲をスラスト軸受部の隙間とした。その測定は、軸体1に嵌合したスラスト板20をスラスト受板25の上面(軸受面
)26に押しつけた場合と、軸受スリーブ10の下面(スラスト板対向面)12に押しつけた場合との、軸体1の面6の高さの差を測定して求めた。スラスト軸受部の隙間の設計値は10.0μmとした。
はじめに、軸受スリーブ10、スラスト受板25、スラスト板20、スラストスペーサ30にはステンレスを用いて、軸受スリーブ10の下面(スラスト板対向面)12、スラスト受板25の上面(軸受面)26、スラスト板20の上面(スリーブ対向面)21と下面(受板対向面)22、スラストスペーサ30の上面(スリーブ対応面)31と下面(受板対応面)32に研磨加工を行い、スラストスペーサ30の厚み33の最大最小範囲を1μm以下で使用して、本発明の動圧軸受装置7を20台組み立てた。スラスト軸受部の隙間を測定したところ平均値10.5μm、標準偏差0.8μmであった。次に、スラストスペーサ30にセラミックスを用いて、その厚み33の最大最小範囲を0.5μm以下に管理して、本発明の動圧軸受装置7を20台組み立てた。スラスト軸受部の隙間を測定したところ平均値10.1μm、標準偏差0.3μmであった。
以上、本発明の第1実施例のように、軸受スリーブ10とスラストスペーサ30とを組み合わせて用いる方が、従来構造の軸受スリーブ103よりも、各部品の構造が単純化される為、軸受スリーブ10の下面(スラスト板対向面)12、スラストスペーサ30の上面(スリーブ対応面)31、下面(受板対応面)32への研削加工や研磨加工といった面仕上げの加工が可能になり、スラスト軸受部の隙間の各製品のばらつきを格段に小さくすることが可能となった。また、スラストスペーサにセラミックスを用いて、スラストスペーサの厚み精度を高めると、組立後のスラスト軸受部の隙間ばらつきも、より小さくすることが可能である。
図3は本発明の第2実施例の動圧軸受装置57及び、それを組み込んだモーター58の断面図である。第1実施例は軸が回転するタイプであるが、第2実施例は軸受スリーブが回転するタイプである。軸受スリーブの従来の段差構造を無くして、スラストスペーサを用いた特徴は第1実施例と同様であり、スラスト軸受部の隙間のばらつき範囲は第1実施例と同様の精度が得られる為、以下は動圧軸受装置57の構造のみを説明する。モーターハウジング95に、軸体50が固定されている。軸体50の外周には隙間52を形成して、軸受スリーブ60が回転自在に嵌合されており、軸受スリーブ60の外周にはハブ90が固定されている。
さらに、軸体50にはその径よりも大なる外径のスラスト板70を設けている。スラスト板70を軸体50にスラストスペーサ80を介して軸受スリーブ60とスラスト受板75に対向するように嵌合し、スラスト板70に対して回転自在にする為のスラスト軸受部の隙間を形成している。軸受スリーブ60の内周面61もしくは軸体50の円筒状外周面51の少なくとも一方に動圧発生溝パターンを設けることにより軸受スリーブ60の内周面61と軸体50の円筒状外周面51との間でラジアル軸受部を形成している。
また、スラスト板70の軸受スリーブ60に対向する面であるスリーブ対向面としての下面71と軸受スリーブ60のスラスト板70に対向する面であるスラスト板対向面としての上面62との少なくとも一方と、スラスト板70のスラスト受板75に対向する面である受板対向面としての上面72とスラスト受板75のスラスト板70に対向する面である軸受面としての下面76の少なくとも一方に動圧発生溝パターンを設けることにより、スラスト板70と軸受スリーブ60及びスラスト受板75との間にスラスト軸受部を形成している。また、ラジアル軸受部及びスラスト軸受部には潤滑流体が封入されている。軸受スリーブ60の保持面としての下面63には、潤滑流体の飛散を防止するた
めのカバー85を設けている。モーターの回転機構については、先に図4を用いて説明した従来技術と同様に一般的な構成を応用することが可能である。
本発明の第1実施例で、動圧軸受装置を組み込んだモーターを示す模式断面図。 図1に示す本発明の動圧軸受装置を組み込んだモーターを示す模式断面図の部分拡大図。 本発明の第2実施例で、動圧軸受装置を組み込んだモーターを示す模式断面図。 従来の動圧軸受装置を組み込んだモーターを示す模式断面図。 従来の動圧軸受装置を組み込んだモーターを示す模式断面図の部分拡大図。
符号の説明
1、50 軸体
2、51 外周面
3、52 隙間
3a 開放口
4 下部
6 面
7、57 動圧軸受装置
8、58 モーター
10、60 軸受スリーブ
11、61 内周面
12、22、32、63、71、76 下面
13、21、26、31、62、72 上面
14 外周面
20、70 スラスト板
23、33 厚み
25、75 スラスト受板
30、80 スラストスペーサ
35、85 カバー
36 部分
37 空間
45、95 モーターハウジング
46 内周
90 ハブ

Claims (13)

  1. 外周面と円筒状の内周面及びスラスト板対向面と保持面を有する軸受スリーブと、円筒状外周面を有する軸体と、該軸体の一部に設けられスリーブ対向面と受板対向面とを有するスラスト板と、少なくとも軸受面を有するスラスト受板と、を備えた動圧軸受装置において、
    前記軸受スリーブの内周面と前記軸体の円筒状外周面とは相対的に回転自在に嵌合していると共に、前記軸受スリーブのスラスト板対向面と前記スラスト板のスリーブ対向面及び前記スラスト受板の軸受面と前記スラスト板の受板対向面は各々対向配置されていて、前記軸受スリーブのスラスト板対向面又は前記スラスト受板の軸受面又は前記スラスト板のスリーブ対向面と受板対向面の内少なくとも1つの面は、研削加工か研磨加工等の面仕上げ加工が成された面であることを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 前記面仕上げ加工が施された面は、前記軸受スリーブのスラスト板対向面と前記スラスト板のスリーブ対向面であることを特徴とする請求項1に記載の動圧軸受装置。
  3. 前記面仕上げ加工が施された面は、前記スラスト板の受板対向面と前記スラスト受板の軸受面であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動圧軸受装置。
  4. 前記スラスト板のスリーブ対向面と受板対向面及び、前記軸受スリーブのスラスト板対向面又は前記スラスト受板の軸受面とによってスラスト軸受部の隙間を形成していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の動圧軸受装置。
  5. 前記スラスト板のスリーブ対向面と前記軸受スリーブのスラスト板対向面の少なくとも一方、又は前記スラスト板の受板対向面と前記スラスト受板の軸受面の少なくとも一方に、動圧発生溝を設けてスラスト軸受部を形成すると共に、前記軸受スリーブの内周面と前記軸体の円筒状外周面の少なくとも一方に動圧発生溝を設けてラジアル軸受部を形成し、前記スラスト軸受部と前記ラジアル軸受部に潤滑流体を封入したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載の動圧軸受装置。
  6. 前記軸受スリーブのスラスト板対向面と前記スラスト受板の軸受面との間にはスラストスペーサが配設されていて、該スラストスペーサのスリーブ対応面と受板対応面も研削加工か研磨加工等の面仕上げ加工が成された面であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1に記載の動圧軸受装置。
  7. 面仕上げ加工がされた前記スラストスペーサの厚さ精度は、1μm以下であることを特徴とする請求項6に記載の動圧軸受装置。
  8. 前記軸受スリーブのスラスト板対向面と前記スラスト受板の軸受面及び前記スラストスペーサのスリーブ対応面と受板対応面とで形成する空間に前記スラスト板を配置したことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の動圧軸受装置。
  9. 前記軸体と前記スラスト板とは、別体で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1に記載の動圧軸受装置。
  10. 前記軸受スリーブのスラスト板対向面は、その軸受スリーブの内周面から外周面までを平面にて形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1に記載の動圧軸受装置。
  11. 前記スラストスペーサは、脆性材料で形成されていることを特徴とする請求項6乃至請
    求項10のいずれか1に記載の動圧軸受装置。
  12. 前記スラストスペーサは、セラミックス材で形成されていることを特徴とする請求項11に記載の動圧軸受装置。
  13. 前記軸受スリーブの保持面には、潤滑流体の飛散を防止するためのカバーが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1に記載の動圧軸受装置。
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