JP2006232051A - 車両用頭部保護エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストな構成で、エアバッグが格納された天井材の外観品質を向上させることができる車両用頭部保護エアバッグ装置を得る。
【解決手段】車両用頭部保護エアバッグ装置10はルーフサイドレール部24とルーフヘッドライニング56の端末部56Aとの間に格納されているが、その格納スペースである隙間66が部分的に広くなっている場合に、エアバッグ12に延長布70を設けて隙間66を埋める方向へ折り畳んで配置することにより、端末部56Aを裏面側から支えることができるので、当該端末部56Aが変形し難くなり、外観品質を向上させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車体側部への所定の高荷重作用時に天井材の端末部を車室内側へ折り曲げながらルーフサイドレール部の下方へカーテン状にエアバッグを展開させる車両用頭部保護エアバッグ装置に関する。
乗員保護補助装置としてのエアバッグ装置には種々の形態があるが、近年、フロントピラー部からルーフサイドレール部(更にはリヤピラー部)に沿ってエアバッグが収納され、側面衝突時やロールオーバー時(本明細書では、両者を含めて「車体側部への所定の高荷重作用時」と称す。)に当該エアバッグをカーテン状に展開させて乗員の頭部を保護する頭部保護エアバッグ装置が搭載されるようになってきている。
例えば、下記特許文献1には、ルーフサイドレール部とルーフヘッドライニングの端末部との間にエアバッグを折り畳み状態で格納すると共にセンタピラー部のピラーガーニッシュの上方側にバッグ展開方向を規制するガイド部材を設け、車体側部への高荷重作用時になると、ルーフヘッドライニングの端末部を押し開きながらガイド部材に案内されて、エアバッグを車室内側の側面に沿って膨出展開させる技術が開示されている。
特開2002−264760号公報 特開2003−63346号公報
しかしながら、上記先行技術に開示された構成による場合、意匠上の制約及びエアバッグの展開形状の最適化のために、ルーフヘッドライニングの端末部と折り畳み状態のエアバッグとの間に隙間が形成されるレイアウトとなる場合がある。この場合、両者の間に隙間が存在するため、ルーフヘッドライニングの端末部の剛性が不足しがちになり、当該端末部付近が容易に変形し、車室内側から見た車両の外観品質を低下させる可能性がある。
前記課題を解消するためには、ルーフヘッドライニングの剛性を上げればよいが、そのためにはルーフヘッドライニングの基材そのものの剛性を上げる必要が生じ、コストアップを招く不利がある。
本発明は上記事実を考慮し、低コストな構成で、エアバッグが格納された天井材の外観品質を向上させることができる車両用頭部保護エアバッグ装置を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車両用頭部保護エアバッグ装置は、長尺状に折り畳まれたエアバッグの所定部位を車両のルーフサイドレール部に固定すると共に、内装部材である天井材の端末部で当該エアバッグを車室内側から覆い、車体側部への所定の高荷重作用時に天井材の端末部を車室内側へ折り曲げながらルーフサイドレール部の下方へカーテン状にエアバッグを展開させる車両用頭部保護エアバッグ装置であって、前記長尺状に折り畳まれたエアバッグの側面と天井材の端末部との間には、他の部分に比べて広い隙間が一部に形成されており、平面展開状態のエアバッグを折り畳んだときに当該隙間に位置される部位に、当該隙間を埋める方向へ折り畳み状態のエアバッグの断面形状を拡大するための柔軟材を設けた、ことを特徴としている。
請求項2記載の本発明に係る車両用頭部保護エアバッグ装置は、請求項1記載の発明において、前記柔軟材は、前記エアバッグと共に折り畳まれている、ことを特徴としている。
請求項3記載の本発明に係る車両用頭部保護エアバッグ装置は、請求項1記載の発明において、前記柔軟材は、前記エアバッグとは別個独立に折り畳まれている、ことを特徴としている。
請求項4記載の本発明に係る車両用頭部保護エアバッグ装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記柔軟材は、前記エアバッグに一体的に設けられている、ことを特徴としている。
請求項5記載の本発明に係る車両用頭部保護エアバッグ装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発明において前記柔軟材は、前記エアバッグとは別体で設けられており、平面展開状態のときにエアバッグに取り付けられている、ことを特徴としている。
請求項6記載の本発明に係る車両用頭部保護エアバッグ装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記エアバッグが前記柔軟材と共に格納された場合に、前記柔軟材が配置されている部分の平断面形状の外形線が前記柔軟材が配置されていない一般部の平断面形状の外形線になだらかに繋がるように、当該柔軟材が配置されている部分の平断面形状を徐変形状とした、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、頭部保護用のエアバッグは所定部位にて車両のルーフサイドレール部に固定され、長尺状に折り畳まれた状態で天井材の端末部とルーフサイドレール部との間に格納されている。そして、車体側部への所定の高荷重作用時になると、天井材の端末部を車室内側へ折り曲げながらルーフサイドレール部の下方へカーテン状に展開される。
ところで、長尺状に折り畳まれたエアバッグの側面と天井材の端末部との間に、他の部分に比べて広い隙間が一部に形成されることがある。このような場合、当該隙間が形成された部位では、天井材の端末部の支持剛性が低くなるので、変形し易くなる。
しかし、本発明では、平面展開状態のエアバッグを折り畳んだときに当該隙間に位置される部位に、当該隙間を埋める方向へ折り畳み状態のエアバッグの断面形状を拡大するための柔軟材を設けたので、他の部分に比べて広い隙間は、柔軟材の存在によって隙間が埋められる。これにより、本来であれば隙間となる部分に位置する天井材の端末部を裏面側から支える支保機能が得られる。従って、この部分における天井材の端末部が変形し難くなる。
しかも、本発明は、天井材の端末部の剛性そのものを高めようとするものではないため、コスト的にも低コストで実現することができる。
請求項2記載の本発明によれば、柔軟材がエアバッグと別個独立に折り畳まれている場合には、折り畳み状態のエアバッグをルーフサイドレール部へ取り付けるまで、別途折り畳まれた柔軟材の形状を保持するための保形のための工夫をしなければならないが、エアバッグと共に柔軟材を折り畳めば、そのような工夫が不要となる。
請求項3記載の本発明によれば、柔軟材がエアバッグと共に折り畳まれている場合には、柔軟材が配設された部位のエアバッグの径が全体に(車室外側及び車室内側の両方に)大きくなるため、それを計算した上で隙間への収まりを考える必要があるが、エアバッグと別個独立に折り畳めば、柔軟材を配置する側にのみエアバッグの径が膨らむので、設計が容易になる。つまり、仮に隙間が広ければ、柔軟材の長さを長くしたり、折り畳み回数を増やすなどして対応すればよく、逆に隙間が比較的狭ければ、柔軟材の長さを短くしたり、折り畳み回数を減らすなどして対応すればよい。
請求項4記載の本発明によれば、柔軟材がエアバッグに一体的に設けられているため、柔軟材を別部材としてエアバッグに後付けする場合に比し、製造工程を削減することができる。
請求項5記載の本発明によれば、柔軟材がエアバッグとは別体で設けられており、平面展開状態のときにエアバッグに取り付けることとしたので、エアバッグを裁断した際に出る余り布を利用することができる。
請求項6記載の本発明によれば、エアバッグが柔軟材と共に格納された場合に、柔軟材が配置されている部分の平断面形状の外形線が柔軟材が配置されていない一般部の平断面形状の外形線になだらかに繋がるように、当該柔軟材が配置されている部分の平断面形状を徐変形状としたので、エアバッグが展開する際の膨張圧力が天井材の端末部に滑らかに加わる。つまり、徐変形状でない場合には、柔軟材が配設されている部位と配設されていない部位との境目で、天井材の端末部に作用する膨張圧力が急変することが考えられるが、徐変形状とすることにより、天井材の端末部に作用する膨張圧力が急変するのを抑制する効果が得られる。
以上説明したように請求項1記載の本発明に係る車両用頭部保護エアバッグ装置は、長尺状に折り畳まれたエアバッグの側面と天井材の端末部との間に、他の部分に比べて広い隙間が一部に形成されており、平面展開状態のエアバッグを折り畳んだときに当該隙間に位置される部位に、当該隙間を埋める方向へ折り畳み状態のエアバッグの断面形状を拡大するための柔軟材を設けたので、当該隙間が形成される部分における天井材の端末部の支保機能が得られ、その結果、低コストな構成で、エアバッグが格納された天井材の外観品質を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両用頭部保護エアバッグ装置は、請求項1記載の発明において、柔軟材がエアバッグと共に折り畳まれているため、車体への組付時に柔軟材の保形のための工夫が不要となり、その結果、組付作業性を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両用頭部保護エアバッグ装置は、請求項1記載の発明において、柔軟材がエアバッグとは別個独立に折り畳まれているため、柔軟材を配置する側にのみエアバッグの径が膨らむので設計が容易になり、その結果、隙間の広狭に簡単に対応することができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車両用頭部保護エアバッグ装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発明において、柔軟材をエアバッグに一体的に設けたので、製造工程を削減することができ、その結果、製造コストを削減することができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る車両用頭部保護エアバッグ装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発明において、柔軟材がエアバッグとは別体で設けられており、平面展開状態のときにエアバッグに取り付けることとしたので、エアバッグを裁断した際に出る余り布を利用することができ、その結果、歩留まりを上げることができるという優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係る車両用頭部保護エアバッグ装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の発明において、エアバッグが柔軟材と共に格納された場合に、柔軟材が配置されている部分の平断面形状の外形線が柔軟材が配置されていない一般部の平断面形状の外形線になだらかに繋がるように、当該柔軟材が配置されている部分の平断面形状を徐変形状としたので、柔軟材が配設されている部位と配設されていない部位との境目で、天井材の端末部に作用する膨張圧力が急変するのを抑制することができ、その結果、天井材の端末部に過度な応力集中が生じるのを避けることができるという優れた効果を有する。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図4を用いて、本発明の第1実施形態に係る車両用頭部保護エアバッグ装置10について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
図2には、本実施形態に係る車両用頭部保護エアバッグ装置10が搭載された車両の室内外観が斜視図にて示されている。また、図4には、車両用頭部保護エアバッグ装置10が作動してエアバッグ12が展開した状態が側面視で示されている。これらの図に示されるように、車両用頭部保護エアバッグ装置10は、車体側部への所定の高荷重作用状態を検出するためのセンサ14と、作動することによりガスを噴出する略円柱形状のインフレータ16と、インフレータ16からガスの供給を受けて膨張し展開するエアバッグ12とを主要構成要素として構成されている。
センサ14は一例としてBピラー(センタピラー)部18の下端部付近に配設されており、所定値以上の高荷重が車体側部に作用した場合にこの状態を検出し、図示しないコントローラに出力するようになっている。また、インフレータ16はCピラー(クォータピラー)部20に配設されており、図示しないコントローラと接続されてその作動が制御されている。さらに、エアバッグ12は、Aピラー(フロントピラー)部22からルーフサイドレール部24を通って(経由して)Cピラー部20に至る範囲に亘って長尺状に折り畳まれた状態で格納されている。
エアバッグ12の平面展開形状について詳細に説明すると、図3に示されるように、エアバッグ12は、フロントシート26に着座する乗員の頭部に対応して設けられた複数の筒状の前側膨張部28と、リヤシート30に着座する乗員の頭部に対応して設けられた比較的前後上下に広範囲な後側膨張部32と、前側膨張部28と後側膨張部32との上部空間同士を相互に連通するガス導入部34と、前側膨張部28と後側膨張部32との間に設けられた非膨張部36と、これらの前側膨張部28、後側膨張部32、ガス導入部34、及び非膨張部36の外周部に非膨張部として設けられた周縁部38と、周縁部38の前端下部に設けられた角状の前側固定部40と、周縁部38の後側下部に設けられたヒレ状の後側固定部42と、周縁部38の上縁側に所定の間隔で設定された複数の上端固定部44と、ガス導入部34の長手方向の中間部に設けれたインフレータ接続用の接続部46と、を含んで構成されている。
なお、エアバッグ12は、通常二枚の基布を適宜縫合及び接着することにより袋状に構成されている。また、前側膨張部28は、各々車両上下方向を長手方向として設けられかつ各々独立した筒状体を車両前後方向に連接させることにより構成されている。さらに、接続部46には、インフレータ16のガス噴出孔に一端部が接続されたガス供給路48の他端部が接続されている。
図1には、上述した車両用頭部保護エアバッグ装置10の格納構造が示されている。この図に示されるように、上記構成のエアバッグ12は車両上下方向へ蛇腹折りされて車両前後方向に細長い長尺体とされた上で、上端固定部44をボルト50及びウエルドナット52でルーフサイドレールインナパネル54に固定することにより、ルーフサイドレール部24と天井材としてのルーフヘッドライニング(成形天井)56の幅方向の端末部56Aとの間に格納されている。
なお、ルーフサイドレール部24を構成するルーフサイドレールインナパネル54の下端フランジ部54Aとルーフサイドレールアウタパネル58の下端フランジ部58Aとの接合部には、ゴム等の弾性材料によって構成されたオープニングトリム60が弾性的に嵌着されている。オープニングトリム60は車室内側へ延びるリップ部60Aを備えており、このリップ部60Aにルーフヘッドライニング56の幅方向の端末部56Aが係止されている。
ここで、図1に示される格納位置(即ち、図2の1‐1線断面位置であり、ルーフヘッドライニング56とAピラー(フロントピラー)部22の内装材であるフロントピラーガーニッシュ62との見切り部)では、ルーフサイドレール部24がAピラー部22と接続される部分であることから、ルーフサイドレールインナパネル54とルーフヘッドライニング56の端末部56Aとの間に、他の一般部64に比べて比較的広い隙間66が部分的に形成されている。かかる隙間66は、通常のエアバッグ12の格納スペース(蛇腹折り等されたエアバッグ12の設置スペース)68よりも広い隙間であり、意匠的な制約及びエアバッグ12のサイズの最適化より、前記見切り部で生じることが多い。
そこで、本実施形態では、平面展開状態のエアバッグ12を折り畳んだときに上記のような部分的に広い隙間66に位置される部位(エアバッグ12の下縁前端側)に、当該隙間66を埋める方向(図1の矢印A方向)へ折り畳み状態のエアバッグ12の断面形状を拡大するための柔軟材としての延長布70をエアバッグ12の下縁側に一体に設けた。図3に示されるように、延長布70はエアバッグ12の裁断時に一体に形成されており、平面展開状態では垂れ幕状に形成されている。なお、この延長布70は非膨張部であり、二枚の基布を接着等により一体にしたものであるが、どちらか一方の基布のみに形成して一枚布として構成してもよい。
そして、図1に示されるように、上記延長布70をエアバッグ12の蛇腹折り方向と直交する方向(略車両幅方向)へ単独で(別個独立に)蛇腹折りして折り畳み状態とし、これを前記隙間66のルーフヘッドライニング56側へ配置した。これにより、折り畳み状態の延長布70はルーフヘッドライニング56の端末部56Aの裏面側に車室外側から車室内側へ向けて軽く押圧して当該端末部56Aを裏面側から支えるように構成されている。
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
車体側部に所定の高荷重が作用すると、この状態がセンサ14によって検出され、コントローラによってインフレータ16が作動される。これにより、インフレータ16からガスが噴出され、ルーフサイドレール部24に沿って略直線状に配策されたガス導入路48を介して折り畳み状態のエアバッグ12の接続部46からエアバッグ12内へガスが流入される。ガスが接続部46から流入されると、ガス導入部34を通って前側膨張部28及び後側膨張部32へ順次ガスが供給され、これらを膨張させる。これにより、図4に示される如く、蛇腹状に折り畳まれたエアバッグ12が徐々に膨張していき、ルーフヘッドライニング56の端末部56Aを押し開きながら展開される。そして、最終的には、エアバッグ12がルーフサイドレール部24の下方へカーテン状に展開される。これにより、乗員の頭部と車体側部の内側面との間にエアバッグ12が介在され、乗員の頭部が効果的に保護される。
ところで、図1に示されるように、長尺状に折り畳まれたエアバッグ12の側面とルーフヘッドライニング56の端末部56Aとの間に、他の一般部64に比べて広い隙間66が一部に形成されることがある。このような場合、当該隙間66が形成された部位では、ルーフヘッドライニング56の端末部56Aの支持剛性が低くなるので、変形し易くなる。
しかし、本実施形態に係る車両用頭部保護エアバッグ装置10では、平面展開状態のエアバッグ12の下縁前端側に垂れ幕状の延長布70を設け、これを蛇腹状に折り畳んで、前記隙間66におけるルーフヘッドライニング56の端末部56A側へ収納配置したので、エアバッグ12の断面形状を当該隙間66を埋める方向(図1の矢印A方向)へ拡大することができる。つまり、折り畳んだ延長布70をエアバッグ12に隣接配置することにより、本来空洞となっている隙間66をエアバッグ12の配設範囲で埋めることができる。これにより、本来であれば隙間66となる空洞部分に位置するルーフヘッドライニング56の端末部56Aを裏面側から支える支保機能が得られる。従って、この部分におけるルーフヘッドライニング56の端末部56Aが車両幅方向外側へ変形し難くなる。
しかも、車両用頭部保護エアバッグ装置10は、ルーフヘッドライニング56の端末部56Aの剛性そのものを高めようとするものではないため、コスト的にも低コストで実現することができる。
以上の結果、本実施形態に係る車両用頭部保護エアバッグ装置10によれば、低コストな構成で、エアバッグ12が格納されたルーフヘッドライニング56の車室内側から見た外観品質を向上させることができる。すなわち、エアバッグ12の基布の形状を部分的に変化させることで、エアバッグ12の折り畳み状態での断面形状を変化させることができ、その結果、内装材であるルーフヘッドライニング56の剛性不足を解消することができ、ひいてはルーフヘッドライニング56の見栄え及び品質感の向上を図ることができる。
また、本実施形態に係る車両用頭部保護エアバッグ装置10では、延長布70がエアバッグ12とは別個独立に折り畳まれているため、延長布70が配置される側にのみ、延長布70を含むエアバッグ12全体の径が膨らむ(ちなみに、延長布70をエアバッグ12と共に折り畳む場合には、延長布70が配設される部位のエアバッグ12の径が全体に(車室外側及び車室内側の両方に)大きくなるため、それを計算した上で隙間66への収まりを考える必要がある)。従って、隙間66の広狭に合わせて延長布70を形状や寸法を決めればよいので、設計が容易になる。つまり、仮に隙間66が広ければ、延長布70の長さを長くしたり、折り畳み回数を増やすなどして対応すればよく、逆に隙間66が比較的狭ければ、延長布70の長さを短くしたり、折り畳み回数を減らすなどして対応すればよい。その結果、本実施形態によれば、隙間66の広狭に簡単に対応することができる。
加えて、前記の如く、延長布70をエアバッグ12と別個独立に折り畳む構成を採っているため、エアバッグ12が展開する際に(折りが解けていく過程で)延長布70とエアバッグ12との間で摩擦抵抗が生じない。従って、エアバッグ12の展開性能に対する影響を排除することができる。
さらに、本実施形態に係る車両用頭部保護エアバッグ装置10では、延長布70がエアバッグ12の裁断時に一体に形成されるため、延長布を別部材としてエアバッグ12に後付けする場合に比し、製造工程を削減することができる。その結果、本実施形態によれば、車両用頭部保護エアバッグ装置10全体の製造コストを削減することができる。
〔その他の実施形態〕
以下、図5〜図10を用いて、幾つかの他の実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
(1) 図5及び図6に示される実施形態では、平面視において延長布を設けた部位(以下、「延長布配設部72」と称す。)が徐変形状(車両幅方向内側へ緩やかに膨らむ曲面形状)となるように構成した点に特徴がある。このような徐変形状の延長布配設部72を設けるには、例えば、図6に示されるように、エアバッグ74の側面視で、外形線が放物線等の曲線になるように延長布76を裁断して、前述した第1実施形態と同様に、蛇腹折りやロール折り等によって(単独で)折り畳むことにより形成される。なお、図6においては、エアバッグ74の各部の構成の符号は、第1実施形態のエアバッグ12と同様に付してある。
上記構成によれば、エアバッグ74が延長布76と共にルーフヘッドライニング56の端末部56Aとルーフサイドレールインナパネル54との間に格納された場合に、延長布配設部72の平断面形状の外形線が、延長布76が配置されていないエアバッグ一般断面部78の平断面形状の外形線になだらかに繋がるため、即ち延長布配設部72の平断面形状を徐変形状としたので、エアバッグ74が展開する際の膨張圧力がルーフヘッドライニング56の端末部56Aに滑らかに加わる。つまり、例えば、前述した第1実施形態のように、徐変形状ではない構成の場合には、延長布70が配設されている部位と配設されていない部位(一般部64)との境目で、エアバッグ12を折り畳んだときの平断面形状に段差が生じるため、ルーフヘッドライニング56の端末部56Aに作用する膨張圧力が急変することが考えられる。しかし、この実施形態のように、徐変形状とすることにより、ルーフヘッドライニング56の端末部56Aに作用する膨張圧力が急変するのを防止する効果が得られる。その結果、この実施形態によれば、ルーフヘッドライニング56の端末部56Aに過度な応力集中が生じるのを防止又は抑制することができる。
なお、上記延長布配設部72の徐変形状(ラウンド形状)は、第1実施形態で用いたような側面視で矩形状の延長布70を用いても、折り畳み方をエアバッグ12と一緒に折り畳む形式に変更すれば得られる。つまり、第1実施形態で用いたような側面視で矩形状の延長布70を用いても、エアバッグ12と一緒に折り畳むのであれば、徐変形状を成すための稜線P(図5参照)が得られる。但し、その場合、稜線Pは延長布70自体の形状の外形線として直接的に現れるのではなく、延長布70がエアバッグ12と一緒に折り込まれたことによるエアバッグ12の外形線として現れる。また、この場合には、延長布配設部72が長尺状のエアバッグ12に対して平面視で左右両側に現れることになるが、エアバッグ12の左右両側に延長布配設部72が対称に現れたとしても、ルーフヘッドライニング56の端末部56Aに過度な応力集中が発生するのを防止又は抑制する効果は充分に得られる。
(2)図7に示される実施形態では、第1実施形態の延長布70が、エアバッグ80を裁断した際に生じる余り布(追加布)82で構成されている点に特徴がある。なお、図7においては、エアバッグ80の各部の構成の符号は、第1実施形態のエアバッグ12と同様に付してある。
従って、この実施形態の場合には、エアバッグ80の平面展開状態のときに、余り布82の上端部をエアバッグ74に縫合等により取り付けるようになっている。
上記構成によれば、柔軟材をエアバッグ80の裁断時に発生する余り布82で構成したので、縫合等の取付のための工数が増えるものの、歩留まりを向上させることができるメリットがある。
(3)図8〜図10に示される実施形態では、図7に示される余り布82(第1実施形態の延長布70を用いてもよい。)をエアバッグ80側へ一旦折り返し、余り布82をエアバッグ80と共に蛇腹折り(図9参照)又はロール折り(図10参照)した点に特徴がある。
上記構成によれば、余り布82をエアバッグ80側へ一旦折り返してエアバッグ80と共に折り畳む構成としたので、以下の作用・効果が得られる。すなわち、第1実施形態のように、延長布70がエアバッグ12と別個独立に折り畳まれている場合には、折り畳み状態のエアバッグ12をルーフサイドレールインナパネル54へ取り付けるまで、別途折り畳まれた延長布70の形状を保持するための保形のための工夫(テープを巻き付ける等)をしなければならないが、エアバッグ80と共に余り布82を折り畳むこの実施形態によれば、そのような工夫が不要となる。その結果、本実施形態によれば、組付作業性を向上させることができる。
なお、図9のように蛇腹折りを採用する場合には、蛇腹折りの向きが隙間66を埋める方向(図9の矢印A方向)となるように配慮する必要がある。図10のようにロール折りを採用する場合には、方向性は無いので、そのような配慮は不要である。
〔本実施形態の補足説明〕
なお、上述した各実施形態では、柔軟材としてエアバッグ12、74、80の基布と同一材質の延長布70、76又は余り布82を用いたが、これに限らず、柔軟な別の素材を使ってもよい。
また、上述した各実施形態では、隙間66を埋めるために延長布70、76又は余り布82を設定する構成を採ったが、隙間66を埋めるためだけであれば、ルーフヘッドライニング56の端末部56Aの裏面側に隙間66を埋めることが可能な(エネルギー吸収用等の)リブ等を設定することも考えられる。しかし、その場合には、ルーフヘッドライニングの端末部の剛性が変化する(高くなる)ため、エアバッグ展開荷重(ルーフヘッドライニングの端末部を開き方向へ変形させる荷重)が高くなる可能性がある。それに対し、本発明のものは、エアバッグ12、74、80自体で構成を成立させるものであるため、ルーフヘッドライニングの端末部自体の剛性は何ら変動せず(影響を受けず)、エアバッグ展開荷重も一定に維持される点で極めて優れており、前記構成とは一線を画すものといえる。
第1実施形態に係る車両用頭部保護エアバッグ装置の格納時の状態を示す図2の1‐1線に沿う要部拡大断面図である。 図1に示される車両用頭部保護エアバッグ装置が搭載された車両の室内外観を示す斜視図である。 図1に示されるエアバッグの平面展開状態を示す側面図である。 図1に示される車両用頭部保護エアバッグ装置が作動してエアバッグが展開した状態を示す側面図である。 別の実施形態に係り、延長布配設部の平面形状を徐変形状とした車両用頭部保護エアバッグ装置の概略平面図である。 図5に示される車両用頭部保護エアバッグ装置で用いるエアバッグの平面展開状態を示す側面図である。 別の実施形態に係り、延長布の替わりに余り布を追加して構成したエアバッグの平面展開状態を示す側面図である。 図7に示されるエアバッグの余り布をエアバッグ側へ折り返してから畳む様子を示す側面図である。 図8に示されるエアバッグを蛇腹折りして畳んだ際の断面形状を示す図1に対応する要部拡大断面図である。 図8に示されるエアバッグをロール折りして畳んだ際の断面形状を示す図1に対応する要部拡大断面図である。
符号の説明
10 車両用頭部保護エアバッグ装置
12 エアバッグ
16 インフレータ
24 ルーフサイドレール部
56 ルーフヘッドライニング(天井材)
56A 端末部
64 一般部
66 隙間
70 延長布(柔軟材)
72 延長布配設部
74 エアバッグ
76 延長布(柔軟材)
78 エアバッグ一般断面部
80 エアバッグ
82 余り布(柔軟材)

Claims (6)

  1. 長尺状に折り畳まれたエアバッグの所定部位を車両のルーフサイドレール部に固定すると共に、内装部材である天井材の端末部で当該エアバッグを車室内側から覆い、車体側部への所定の高荷重作用時に天井材の端末部を車室内側へ折り曲げながらルーフサイドレール部の下方へカーテン状にエアバッグを展開させる車両用頭部保護エアバッグ装置であって、
    前記長尺状に折り畳まれたエアバッグの側面と天井材の端末部との間には、他の部分に比べて広い隙間が一部に形成されており、
    平面展開状態のエアバッグを折り畳んだときに当該隙間に位置される部位に、当該隙間を埋める方向へ折り畳み状態のエアバッグの断面形状を拡大するための柔軟材を設けた、
    ことを特徴とする車両用頭部保護エアバッグ装置。
  2. 前記柔軟材は、前記エアバッグと共に折り畳まれている、
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用頭部保護エアバッグ装置。
  3. 前記柔軟材は、前記エアバッグとは別個独立に折り畳まれている、
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用頭部保護エアバッグ装置。
  4. 前記柔軟材は、前記エアバッグに一体的に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両用頭部保護エアバッグ装置。
  5. 前記柔軟材は、前記エアバッグとは別体で設けられており、平面展開状態のときにエアバッグに取り付けられている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両用頭部保護エアバッグ装置。
  6. 前記エアバッグが前記柔軟材と共に格納された場合に、前記柔軟材が配置されている部分の平断面形状の外形線が前記柔軟材が配置されていない一般部の平断面形状の外形線になだらかに繋がるように、当該柔軟材が配置されている部分の平断面形状を徐変形状とした、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の車両用頭部保護エアバッグ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012214114A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Seiren Co Ltd カーテンエアバッグおよびその製造方法

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