JP2006224885A - 水素製造設備及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 陸揚げから水素として消費可能となるのに要する時間を短縮して、製造コストを大幅に低減させることができる水素製造設備を提供する。
【解決手段】 この水素製造設備は、原料またはエネルギー源となる資源物質を貯蔵する原料貯蔵部12と、貯蔵部12に貯蔵された資源物質を用いて水素を製造する水素製造部14と、製造された水素を貯蔵する水素貯蔵部16とが航行可能な船体10に設けられていることを特徴とする。これにより、航行中に資源物質を輸送しながらこれを水素に変換することができるので、水素の製造のための時間を節約することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原油や天然ガス等を原料として水素を製造するための水素製造設備及び製造方法に関する。
水素は、燃料電池を介して高効率で電気を発生することができるクリーンなエネルギー源として、多くの用途に向けて実用化され、またその過程にある。しかし、水素は種々の形態のエネルギーを利用して製造されるエネルギー資源(いわゆる2次エネルギー)であり、石油や天然ガス等の炭化水素系燃料を原料として製造することも有力な製造手段である。このように石油や天然ガス等を原料として水素を製造した場合でも、前述のとおり燃料電池での発電は高効率であるため、石油や天然ガス等を燃料として使用する場合に比べて、炭酸ガスの抑制効果が期待できる。
図7にその流れの一例を示すように、石油や天然ガスは、多くの場合、海外に有る油井やガス井等の資源採取設備において採取され(ステップ1)、タンカーやパイプライン等の輸送設備を用いて国内の貯蔵タンク等に輸送され(ステップ2)、さらに精製設備に輸送されて必要に応じて精製される(ステップ3)。水素製造設備ではこれを原料として水素を製造し(ステップ4)、2次処理を行い(ステップ5)、貯蔵する(ステップ6)。製品の水素はさらに各地のガスステーション等に向けて輸送され(ステップ7)、貯蔵され(ステップ8)、必要なユーザに供給され(ステップ9)、使用される(ステップ10)。この過程において、原料及び製造された水素は、必要に応じて中継のための貯蔵設備を経由する。上記の水素製造設備は、原料供給側に近い部分に設置されるオンサイトの設備であり、この他にユーザ側の近くにユーザによって設置されるオフサイトの設備が有るが、フローは基本的に同じである。
上記のような従来のフローにおいては、水素製造設備が原料貯蔵設備とユーザの間に必要であり、そのような施設を所定の場所に設置しなければならないので、大きな設備コストが必要である。また、原料となる石油や天然ガスは、タンカーから貯蔵タンクに移送された後に水素製造設備に移送するので、原料または水素はその製造設備を経由して輸送しなければならない。従って、陸揚げから実際に水素として使用可能になるまでに多大の時間を要する。これも水素の製造コストを上昇させる要因となっている。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、大きな設備コストを必要とせず、陸揚げから水素として消費可能となるのに要する時間を短縮して、製造コストを大幅に低減させることができる水素製造設備及び製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の水素製造設備は、原料またはエネルギー源となる資源物質を貯蔵する原料貯蔵部と、該貯蔵部に貯蔵された資源物質を用いて水素を製造する水素製造部と、製造された水素を貯蔵する水素貯蔵部とが航行可能な船体に設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明においては、資源供給地において原料またはエネルギー源となる資源物質が原料貯蔵部に貯蔵され、船体が航行中または停泊中にこの資源物質を用いて水素が製造されて水素貯蔵部に貯蔵され、目的地において陸揚げされる。
請求項2に記載の水素製造設備は、請求項1に記載の発明において、前記水素製造部で製造された水素を圧縮する水素圧縮部が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の水素製造設備は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記水素貯蔵部は液体水素貯蔵設備を備え、前記水素製造部で製造された水素を液化する水素液化部が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の水素製造設備は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において、前記原料貯蔵部と前記水素貯蔵部は、前記船体上のスペースを共用可能に設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の水素製造設備は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発明において、前記水素製造部において水素を製造する際に発生する炭酸ガスを固定化する炭酸ガス固定化装置を有することを特徴とする。
請求項6に記載の水素製造設備は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の発明において、前記原料貯蔵部、水素製造部及び水素貯蔵部の少なくとも1つが他と別の船体に設けられていることを特徴とする。
請求項7に記載の水素製造方法は、原料またはエネルギー源となる資源物質を貯蔵する原料貯蔵部と、該貯蔵部に貯蔵された資源物質を用いて水素を製造する水素製造部と、製造された水素を貯蔵する水素貯蔵部とを搭載する船体を航行可能な船体を用い、前記船体を航行させながら、前記原料貯蔵部に貯蔵された原料を用いて前記水素製造部において水素を製造し、前記水素貯蔵部に貯蔵することを特徴とする。
請求項8に記載の水素製造方法は、請求項7に記載の発明において、前記水素製造部で製造された水素を圧縮して貯蔵することを特徴とする。
請求項9に記載の水素製造方法は、請求項7または請求項8に記載の発明において、前記水素製造部で製造された水素を液化して貯蔵することを特徴とする。
請求項10に記載の水素製造方法は、請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の発明において、前記原料貯蔵部の貯蔵スペースのうち、原料を使用して空いたスペースの少なくとも一部を水素貯蔵部として用いることを特徴とする。
請求項1ないし請求項9に記載の水素製造設備または水素製造方法によれば、原料またはエネルギー源となる資源物質を資源供給地において積載し、船体が航行中に資源物質を用いて水素を製造し、目的地においてこれを供給することができる。従って、陸上において水素製造設備を設ける必要がなく、原料や水素のフローが簡略化される。また、航行中に資源物質を輸送しながらこれを水素に変換するので、水素の製造のための時間を節約することができ、また、陸上での資源物質や水素の輸送を不要としあるいは縮減することができる。従って、水素の製造コストを大幅に低減させることができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
図1はこの発明の第1の実施の形態の水素製造設備を示すもので、航行可能な船体10に、石油や天然ガス等の炭化水素系原料を貯蔵する原料貯蔵部12と、これらの炭化水素を原料あるいはエネルギー源として水素を製造する水素製造部14と、製造された水素を貯蔵する水素貯蔵部16とが搭載されている。これらの原料貯蔵部12、水素製造部14及び水素貯蔵部16は、それぞれ原料流体及び水素を流す配管18によって接続されている。船体10は、推進装置であるプロペラ20によって航行可能であり、この例では、中東等の産油国から石油を日本等の消費地に運ぶ、例えば、積載量が20万kl/隻程度のいわゆる「大型タンカー」と呼ばれる規模のものとするが、勿論、これに限られるものではない。
図2は、図1の水素製造設備が、例えば、資源産出国において各種の炭化水素資源を積載し、これを日本に輸送する途中で、その一部または全部を用いて水素を製造する場合におけるフロー図である。この図においては、各種の実施の形態における工程、物質、エネルギーの流れがまとめて示されている。原料貯蔵部12の炭化水素系原料は、原料または燃料として、水素製造部14に移送され、水素製造工程S01により水素が製造され、さらに水素精製工程S02により純度を高められ、2次処理工程S03により水素として水素貯蔵部16に貯蔵される。原料貯蔵部12の原料を燃料として用いる発電装置22、あるいは太陽電池24等が設けられており、水素の製造、貯蔵に関わる装置に電源を供給するようになっている。また、他の付属的装置として、空気から液体窒素を製造する液体窒素製造装置26、海水取入口28等が設けられており、液体窒素は水素の液化工程における予冷却のために用いられる。海水は、水素製造の原料として用いられる。
原料貯蔵部12は、タンカーの船体10を隔壁で仕切って構成したタンク等が好適である。この例では、原料は石油であるが、原油ではなく、水素製造により適する精製したものを積載するのが好ましい。原油を用いる場合には、精製設備を船体10に搭載して精製して用いるようにすればよい。
水素製造部14では、水素製造工程と、水素精製工程及び水素の2次処理が行われる。水素製造工程は、例えば、水蒸気改質法、部分酸化法、電気分解法、熱分解法等が用いられるが、これらを適宜に組み合わせて用いても良い。ここでは、触媒存在下に炭化水素系燃料と水を高温で反応させ、水素リッチな改質ガス(水素、CO、COの混合ガス)を生成する水蒸気改質法を採用する。このプロセスについて、以下、図4を参照して説明する。
まず、ステップ1において、炭化水素系燃料を必要に応じて1次処理する。炭化水素系燃料は必要に応じて、精留・脱硫等の1次処理を施す。次に、ステップ2において、海水を使用して水蒸気改質に必要な純水を製造する。純水の製造は逆浸透法や蒸留法を用いればよい。蒸留法であれば炭化水素系燃料を燃料として使用することもできるし、また発電装置の排熱、エンジンやタービンなどの排熱を利用して蒸留することもできる。
次に、ステップ3において、圧縮機やポンプ等で精製した炭化水素系燃料と純水を混合して加熱する。加熱には炭化水素系燃料を燃料とするバーナーを利用できる。また、水素精製時に発生するオフガスと呼ばれる、水素精製後の残留ガスも燃料として利用できる。加熱温度は炭化水素系燃料によって変わり、メタノールの場合で約300℃、天然ガスで約700℃、LPGやガソリンの場合で約800℃となる。そして、ステップ4において、加熱された水と炭化水素系燃料を改質触媒を内蔵した改質装置内で改質する。
改質反応は次のように表せる。
CnHm+n/2O2→nCO+m/2H2
改質触媒としては、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、又はこれらの合金が挙げられる。
次に、ステップ5において、水素及び一酸化炭素が多く含まれる改質ガスを変成器で変成する。
CO+H2O→CO2+H2
CO変成触媒としては、例えば、銅系の触媒が挙げられる。さらに、ステップ6において、変成器を通過した水素リッチガスを、外気や海水などを利用して冷却する。そして、ステップ7において、改質、変成された水素リッチガスの水素純度を高めるために、PSA(圧力変動吸着)法、不純物吸着法等により水素精製工程を行う(図2のステップS02)。PSA法では、高圧の水素リッチガスを水素吸着剤の入っている容器に通して水素を水素吸着剤に吸着させ、水素以外の成分はオフガスとして排気し、水素吸着剤に吸着していた水素のみを取り出す。
精製された水素は、貯蔵に適した形態にするために、図2に示すように2次処理を行った後、水素貯蔵部16に貯蔵する。水素は比容積の大きな気体であるため、水素貯蔵部16において、水素を圧縮して高圧ガスとして貯蔵することにより、同じスペースに多くの量を貯蔵できる。水素圧縮工程S03aは、圧縮機を、例えば、積載している炭化水素系燃料を使用して駆動する。炭化水素系燃料により直接エンジンやタービンを駆動して、その動力で圧縮機を駆動してもよいし、炭化水素系燃料を利用してランキンサイクルその他の熱サイクルを利用して発電し、その電力で圧縮機を駆動してもよい。これにより、高圧水素を製造して高圧水素貯蔵タンク16aに貯蔵する。
この実施の形態においては、船舶による輸送中の時間を有効に活用して、水素を製造することができる。タンカーで炭化水素を輸送する期間は、例えば、中東から原油を輸送するケースを考えると、中東−日本への所要時間は約30日掛かる。すなわち、積み込みに5日、日本への航行に20日、積み下ろしに5日掛かる。従来はこの時間は生産に寄与しない時間であったが、この実施の形態の大型の水素製造設備により、そのような輸送期間を生産に寄与する時間として活用し、陸上での原料や水素の余分なフローを排除して、製造コストを低下させることができる。勿論、積載する原料の種類、船体の航行目的、航行ルートなどは、この実施の形態に限られるものではない。例えば、積み込みや積み下ろしの時間に水素製造を行っても良い。航行時間が水素の生産に要する時間より短い場合には、いずれかの場所に停泊して処理を行うことができる。資源産出国から日本その他へ向かうだけでなく、供給地からの資源物質を同じ場所に水素として供給してもよい。この場合、同じ港に停泊中に水素を製造しても、別の場所で製造して戻ってもよい。
水素を液体水素で貯蔵すれば、さらに容積が小さくなるので、スペース効率をさらに高めることができる。この場合、船上に水素液化装置を有する水素液化部を設け、図2に示すように、製造・精製した水素の液化工程(S03b)を行った後、液体水素タンク16bに貯蔵する。水素液化装置は、圧縮した水素あるいはヘリウム等の媒体が、膨張機あるいはJT弁などで膨張した際に発生する極低温の冷熱を用いて、水素を冷却・液化する。液化して貯蔵する方法は、図5に示すように、積載している炭化水素系燃料が液化天然ガス(LNG)のような極低温状態のものである場合に特に有用である。
図5に示すLNGを原料とする場合、水素製造部14では、まずLNGの気化工程(ステップS00)が行われ、気化したLNGガスは、LNGタンク12において気化して発生するいわゆるボイルオフガスとともに、水素製造工程(ステップS01)での原料や燃料、あるいは発電装置22や船の駆動装置23の燃料として用いられる。
製造された水素は精製工程(ステップS02)で精製され、液化工程(ステップS03b)で液化される。液化工程では、LNGタンク12のLNGが予冷寒剤として用いられる。液化装置内で最大のエネルギー使用機器となる圧縮機には、炭化水素系燃料を利用してエンジンやタービンを駆動して、その動力で圧縮機を駆動してもよいし、炭化水素系燃料を利用してランキンサイクルその他の熱サイクルを利用して発電し、その電力で圧縮機を駆動してもよい。液化装置の消費動力削減のために、空気深冷分離法等を用いた液体窒素製造装置26を併載し、船上で空気を原料として液体窒素を製造して、余冷等に用いてもよい。勿論、船上に液体窒素貯槽を設け、船外で製造された液体窒素をこれに搭載して利用するようにしてもよい。また、水素液化装置あるいは空気深冷分離装置の冷却源として、海水や外気を使用することもできる。
また、水素液化装置のうち極低温となる部分を、船上のLNG貯槽の保冷層の内側の低温域に設置すると、液化装置の保冷効果の向上を図ることができる。液化装置に要する動力・電力は船積載の炭化水素系燃料を利用して得ることができる。液化した水素は、水素貯蔵部である液体水素タンク16bに貯蔵される。ここで発生するボイルオフガス(水素)は、燃料電池32によって発電用に用い、船内機器に用いることができる。製造した水素は、水素エンジン、水素タービンなどを利用して船の電力や動力供給に使用することもできる。
図2にステップS03cとして示すように、水素貯蔵部16において、水素吸蔵能力のある物質に水素を吸蔵させることもできる。例えば、水素吸蔵合金を内蔵した容器16cに、水素を冷却しながら導入して加圧する。吸蔵過程の冷却には、海水や外気あるいは、積載の炭化水素燃料がLNGであればその冷熱(特にボイルオフガスの冷熱)が利用できる。吸蔵のために水素を加圧する際の圧縮には、炭化水素系燃料を利用してエンジンやタービンを駆動して、その動力で圧縮機を駆動してもよいし、炭化水素系燃料を利用してランキンサイクルその他の熱サイクルを利用して発電し、その電力で圧縮機を駆動してもよい。
水素吸蔵物質としては、水素吸蔵合金以外に、シクロヘキサン等の有機物やカーボンナノチューブがあり、これらについても同様に船上に吸蔵設備を設け、海水を冷却源として、あるいは炭化水素系燃料をエネルギー源として吸蔵を行うことができる。上述したような、水素を圧縮する設備、水素を液化する設備、水素を水素吸蔵性物質に吸蔵させる設備等は、大型タンカーのような大型の船体10を用いる場合に特に適している。
図4は、原料貯蔵部12Aと水素貯蔵部16Aが船上の同じスペースを使用できるようにした例である。この例では、原料貯蔵部12Aと水素貯蔵部16Aは同じ高圧容器内の柔軟な隔膜30によって区画された2つの空間として構成されている。原料貯蔵部12Aと水素貯蔵部16Aは、配管18Aによって水素製造部14と接続されている。
この実施の形態では、原料を積載した状態では、水素貯蔵部16Aの占める比率は0に近い。水素の製造が進行するに従い、原料が減り、水素が増えるので、水素貯蔵部16Aの比率が上昇し、最終的に全部の原料が消費されれば原料貯蔵部12Aの比率が0になる。原料貯蔵部12Aと水素貯蔵部16Aを個別に設けておくと、初期状態では水素貯蔵部16Aは空であるので、全体のスペースの半分程度しか原料を積載できないが、この例の構成により、船上の、あるいは高圧容器内のほぼ全部のスペースに原料を積載でき、スペース効率の向上を図ることができる。
この例では、原料貯蔵部12Aと水素貯蔵部16Aを同じ高圧容器内の柔軟な隔膜で仕切るようにしたが、移動式の仕切壁を用いて、それぞれの量に応じて位置を変えるようにしてもよい。また、複数の原料容器を用い、空になった容器に水素を貯蔵するようにしてもよい。
この実施の形態の水素製造設備による水素製造工程のフローを図6を用いて説明する。炭化水素系の資源物質は、資源採取設備において採取され(ステップ1)、水素製造設備の原料貯蔵部12に貯蔵され(ステップ2)、水素製造部14において、必要に応じて精製され(ステップ3)る。水素製造部14は、これを原料として水素を製造し(ステップ4)、2次処理を行い(ステップ5)、水素貯蔵部16に貯蔵する(ステップ6)。製品の水素は、目的地で陸上の受入設備に陸揚げされ(ステップ7)、さらに各地のガスステーション等に向けて輸送され(ステップ8)、貯蔵され(ステップ9)、必要なユーザに供給され(ステップ10)、使用される(ステップ11)。この内のステップ2〜ステップ6は船内で航行中に行われるので、従来の図7に示す場合と比べて水素の供給の期間が大幅に短縮されることが分かる。また、陸上で水素を製造しないので、資源物質の移送の手間を省くことができる。
また、この発明を実施の形態においては、水素製造や水素の2次処理に利用するエネルギーとして太陽光を利用することができる。航行中は多くの場合、充分な日光が得られるので、太陽光を集光しその熱エネルギーを利用したり、太陽電池を使用して電力を供給することで、水素の製造効率を上昇させることができる。また、製造設備の周囲には海水、河水等が有るので、これらを、水蒸気改質に使用する純水の原料としたり、水素製造・精製や各種2次処理中の冷却水として使用することができる。
また、この実施の形態では、資源産出国と需要国を往復するいわゆるタンカーに設備を付加することで、水素製造設備を提供することができるので、現存するタンカーの有効利用を図ることができるようになる。さらに、資源の輸送と製造を適宜に選択できるので、資源の積載と水素の陸揚げの場所を選択することによって、空船の時間を減らして稼動効率を大幅に向上させることができる。
なお、上記の実施の形態では、原料貯蔵部、水素製造部、水素貯蔵部を同一の船に搭載するようにしたが、これらを適宜に別の船に配置して、原料や水素をこれらの船間で移送するようにしてもよい。つまり、これらの複数の船を併走させ、輸送管、クレーン、船舶その他の配送手段で原料や水素を移送させることによって、船上で水素を製造するという同等の効果を上げることができる。
また、炭化水素系燃料から水素を製造する際に発生する炭酸ガスを固定化(大気放散を防止)する設備を船上に設置するとよい。炭酸ガスを固定化する方法の例として、光合成を行う藻類や植物などが入った容器中に水素製造時に発生した炭酸ガスを導入し、太陽光等の光を当てることによる光合成の作用を利用する方法などが考えられる。
この発明の第1の実施の形態の水素製造設備を模式的に示す図である。 第1の実施の形態の水素製造設備における製造工程を示すフロー図である。 水蒸気改質法による水素製造のフローを示す図である。 この発明の他の実施の形態の水素製造設備を模式的に示す図である。 他の実施の形態の水素製造設備における製造工程を示すフロー図である。 この発明の実施の形態の水素製造設備を用いた場合の全体のフローを示す図である。 従来の場合の全体のフローを示す図である。
符号の説明
10 船体
12 タンク
12,12A 原料貯蔵部
14 水素製造部
16,16A 水素貯蔵部
16 水素貯蔵部
16a 高圧水素貯蔵タンク
16b 液体水素タンク
16c 水素吸蔵合金容器
18,18A 配管
20 プロペラ
22 発電装置
23 駆動装置
24 太陽電池
26 液体窒素製造装置
28 海水取入口
30 隔膜
32 燃料電池

Claims (10)

  1. 原料またはエネルギー源となる資源物質を貯蔵する原料貯蔵部と、該貯蔵部に貯蔵された資源物質を用いて水素を製造する水素製造部と、製造された水素を貯蔵する水素貯蔵部とが航行可能な船体に設けられていることを特徴とする水素製造設備。
  2. 前記水素製造部で製造された水素を圧縮する水素圧縮部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水素製造設備。
  3. 前記水素貯蔵部は液体水素貯蔵設備を備え、前記水素製造部で製造された水素を液化する水素液化部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水素製造設備。
  4. 前記原料貯蔵部と前記水素貯蔵部は、前記船体上のスペースを共用可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の水素製造設備。
  5. 前記水素製造部において水素を製造する際に発生する炭酸ガスを固定化する炭酸ガス固定化装置を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の水素製造設備。
  6. 前記原料貯蔵部、水素製造部及び水素貯蔵部の少なくとも1つが他と別の船体に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の水素製造設備。
  7. 原料またはエネルギー源となる資源物質を貯蔵する原料貯蔵部と、該貯蔵部に貯蔵された資源物質を用いて水素を製造する水素製造部と、製造された水素を貯蔵する水素貯蔵部とを搭載する船体を航行可能な船体を用い、前記原料貯蔵部に貯蔵された原料を用いて前記水素製造部において水素を製造し、前記水素貯蔵部に貯蔵することを特徴とする水素製造方法。
  8. 前記水素製造部で製造された水素を圧縮して貯蔵することを特徴とする請求項7に記載の水素製造方法。
  9. 前記水素製造部で製造された水素を液化して貯蔵することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の水素製造方法。
  10. 前記原料貯蔵部の貯蔵スペースのうち、原料を使用して空いたスペースの少なくとも一部を水素貯蔵部として用いることを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の水素製造方法。
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