JP2006224369A - 成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 部品をインサート成形する場合において、クラックや割れ等の発生を確実に抑制する。
【解決手段】 部品2を樹脂中にインサート成形するに際し、部品2の周囲において、樹脂の厚さが最も薄い部分(樹脂部D)でウエルドを起こすことがないように樹脂を注入する。また、樹脂が繊維状フィラーfを含有している場合、樹脂部Dの最小断面sに対して略直交する方向に繊維状フィラーfが配向されるように樹脂を注入する。さらに、部品2が希土類金属磁石であり負の熱膨張係数を有する場合には、部品2の寸法Lと当該寸法方向での熱膨張係数αの積αLが最も大きくなる方向と略平行な方向から樹脂を注入する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、各種部品を樹脂中にインサート成形する成形方法に関するものであり、特に、成形後のクラックの発生を防止する技術に関する。
樹脂成形品の分野においては、電子部品や機構部品をインサート成形することが広く行われており、これら部品を一体に組み込むことで、樹脂成形品に様々な機能を付加することが可能になる。ここで、インサート成形は、金型内に部品を配置して、樹脂を注入するだけでよく、電子部品や機構部品等が一体化された樹脂成形品を簡単に作製することができ、工数削減やコストダウンに有効な方法である。
近年、電子機器等の小型化の進展に伴い、機器内に組み込む部品に対しても小型化が要求されており、前記樹脂成型品においても例外ではない。そして、樹脂成型品を小型化するためには、成型品の樹脂厚を極力削減することが必要になり、その成型に際しては、強度の確保が重要な課題となる。
このような状況から、例えば樹脂中にフィラーを混入することで、樹脂成形品の強度を確保する試みがなされている(特許文献1等を参照)。特許文献1は、レンズホルダの成形に関するものであるが、レンズホルダを形状異方性を有するフィラー入り樹脂によって成形すると共に、フィラーが中心軸の軸線方向に配向されるようにしている。これにより、寸法精度に優れ、かつ薄く軽量でも機械的剛性の高いレンズホルダが提供できるとしている。
特開平6−27360号公報
しかしながら、実際に様々な構成、形状の樹脂成形品の作製を試みたところ、仮にフィラー等を混入しても十分にその効果を引き出すことができず、成形後にクラック等が頻繁に発生しているのが実情である。これらクラックが発生すると、製品として提供することはできず、したがって、不良品の発生による歩留まり低下が大きな問題となる。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものである。すなわち、本発明は、部品をインサート成形する場合において、クラック等の発生を確実に抑制することができ、不良品の発生を抑え、歩留まりを向上することが可能な成形方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成せんものと長期に亘り鋭意検討を重ねてきた。その結果、部品をインサート成形する際には、部品による樹脂流れへの影響を考慮し、部品周辺において最も強度の弱い部分において、強度を低下する要因を極力回避し得るように樹脂を注入し、前記樹脂流れを最適化する必要があるとの結論を得るに至った。また、前記強度の弱い部分としては、1)最も薄い部分、2)「きっかけ」を含む部分[例えば曲率半径1mm以下の曲面の部分や角度(特に鋭角な角)等]、3)熱膨張係数差から応力が発生する部分等があるが、特に最も薄い部分に対する強度補強が重要であることが判明し、本発明を完成するに至った。
本発明は、このような知見に基づいて案出されたものであり、部品を樹脂中にインサート成形するに際し、部品の周囲において、樹脂の厚さが最も薄い部分でウエルドを起こすことがないように、すなわち前記樹脂の厚さが最も薄い部分で樹脂が一方向に流れるように樹脂を注入することを特徴とする。
インサート成形においては、注入された樹脂は、部品が存在するとそれを避けるように分流され、部品の終端で合流する。この合流部分、すなわち部品を避けて回り込んだ樹脂が再び出会う合わさり目では、ウエルドを起こし、強度が著しく低下する。インサート成形の場合、必ず部品が存在するため、部品の周囲における前記ウエルドを完全に排除することは難しい。前記の他、複数のゲート口から樹脂を注入した場合もウエルドが発生し、やはり強度低下の原因となるため、最も薄い部分にウエルドが起こらないように樹脂の流れを工夫する必要がある。
そこで、本発明では、強度的に最も弱い部分、すなわち部品の周囲において樹脂の厚さが最も薄い部分でウエルドが起こることのないように樹脂を注入し、この樹脂の厚さが最も薄い部分において強度が低下することがないようにする。この場合、他の部分でウエルドが起こることになるが、樹脂の厚さが厚いため、強度低下の影響は軽微なものとなり、この部分でクラックが発生することはない。
また、成形される樹脂成形品の強度を考えた場合、樹脂中に繊維状フィラーを添加することが有効であると考えられる。ただし、繊維状フィラーを加えると樹脂成形品全体の強度は上がるが、繊維状フィラーが一定の方向に配向した場合、繊維状フィラーの繊維の方向に対して直交する方向に力を加えると、強度の向上は見られず、寧ろクラック等が入り易くなる。
したがって、繊維状フィラーを添加した場合には、前記部品の周囲において樹脂の厚さが最も薄い部分における繊維状フィラーの配向方向が適正になるように樹脂を注入する必要がある。これを規定したのが請求項3記載の発明であり、前記樹脂の厚さが最も薄くなる部分の最小断面に対して略直交する方向に前記繊維状フィラーが配向されるように樹脂を注入することを特徴とする。
樹脂の厚さが最も薄い部分では、断面積が最も小さい最小断面と直交する方向に力を加えた場合に最も破断し易い。前記のように、この最小断面に対して略直交する方向に繊維状フィラーが配向されれば、最小断面と直交する方向に力が加わった場合、繊維状フィラーを引き伸ばす方向に力が加わることになり、この方向の力に対して効果的に強度を確保するように働く。その結果、樹脂の厚さが最も薄い部分でのクラック等が効果的に抑制される。
さらに、部品をインサート成形する場合には、部品と樹脂の熱膨張係数の違いを考慮する必要がある。組み込む部品と樹脂は、通常、熱膨張係数が異なるため、一体成形後、クラックが入り易い。特に、異方性を持つ希土類金属磁石の場合、前記傾向が顕著である。配向方向と直交する方向における熱膨張係数が負であるためである。希土類金属磁石をインサート成形した場合、前記熱膨張係数の関係から、一体成形後の冷却時において希土類金属磁石の周囲を取り囲んだ樹脂は収縮するのに対し、樹脂に取り囲まれた希土類金属磁石は膨張する。その結果、大きな応力が発生することになる。したがって希土類金属磁石は、樹脂等の他の物質と一体化した場合、温度変化時に発生する応力に敏感なためクラックが生じやすい。よって、それを考慮して工程を設計する必要がある。
したがって、部品における熱による変位量が最も大きくなる方向を考慮して樹脂を注入する必要があり、これを規定したのが、請求項4記載の発明である。すなわち、前記部品が負の熱膨張係数を有し、部品の寸法Lと当該寸法方向での熱膨張係数αの積αLが最も大きくなる方向と略平行な方向から樹脂を注入することを特徴とする。
前記方向から樹脂を注入すれば、部品の変位により最も力が加わる部分にウエルドが形成されることがなくなり、その部分の強度が上がり、クラックが抑えられる。同時に、繊維状フィラーの配向方向が部品の変位量が最も大きくなる方向に沿ったものとなり、部品と樹脂の熱膨張係数の違いによる応力に対して繊維状フィラーが有効に働くようになる。
本発明によれば、部品をインサート成形する場合において、クラック等の発生を確実に抑制することができ、不良品の発生を抑え、歩留まりを向上することが可能である。また、前記の効果は、樹脂に繊維状フィラーを添加した場合や、部品の熱膨張係数が負の場合に著しく、これらを考慮して樹脂を注入することにより、クラックの無い信頼性に優れた樹脂成形品の成形が可能である。
以下、本発明を適用した成形方法について、図面を参照して詳細に説明する。
実際の樹脂成形品は、様々な形状をしており、部品の配置等も多様であるが、本実施形態においては、最も簡単なモデルを使用してその基本概念を説明することとする。
先ず、図1は、ほぼ直方体形状を有する金型キャビティ1内に部品2を配置した場合の樹脂成形品の形状例を示すものである。この樹脂成形品においては、部品2の4辺に対応した樹脂部A,B,C,Dを有しており、それぞれの樹脂部A,B,C,Dの厚さがt,t,t,tとする。そして、t,t,t>tであり、樹脂の厚さが最も薄い部分が樹脂部Dとする。したがって、成形される樹脂成形品において、最も強度が弱いのは樹脂部Dということになる。
このような形状の樹脂成形品を成形する場合、例えば図2(a)に示すように、樹脂部C側から樹脂を注入すると、樹脂の流れは図中矢印で示すようなものとなる。すなわち、樹脂部C側から金型キャビティ1内に注入された樹脂の流れは、部品2によって遮られ、部品2を避けながら移動する。そして、樹脂部Dに関しては、樹脂部Aや樹脂部Bを回り込んだ後、樹脂の流れが到達する。このとき、樹脂部Dにおいて、部品2によって分流された樹脂の流れが合流することになり、その結果、図中wで示す位置において、いわゆるウエルドを起こす。ウエルドは、強度低下の大きな原因となり、これが最も強度の弱い樹脂部Dにおいて起こると、この部分でのクラックの発生に繋がり、信頼性を著しく損なうことになる。
一方、図2(b)に示すように、樹脂部A側から樹脂を注入すると、やはり部品2によって樹脂の流れが部品2に沿って分割され、部品2の終端、この場合には樹脂部Bで合流する。したがって、樹脂部Bにおいてウエルドが起こるが、樹脂部Bは樹脂の厚さが厚く、ウエルドが起こったとしても、強度低下の影響は僅かであり、これが原因でクラックが入ることはない。また、樹脂の厚さが最も薄い樹脂部Dについて言えば、この部分には部品2を避けながら移動する樹脂の流れが形成され、樹脂流れの合わさり目となることがないので、ウエルドが起こることはない。したがって、強度的に最も問題となる樹脂部Dにおいて強度が低下することがなく、クラックの発生が抑えられる。
前述のように、樹脂の注入方向によって部品2の周囲での樹脂の流れが変わる。したがって、樹脂成形品の成形に際しては、図2(b)に示すように、樹脂の厚さが最も薄く強度的に問題となる樹脂部Dに沿って平行に樹脂の流れが形成されるように、すなわち樹脂部A側(あるいは樹脂部B側)から樹脂を注入することが好ましいということになる。
以上が本発明の基本的な考えであるが、樹脂成形品の強度を向上するために、樹脂に繊維状フィラーを添加した場合や、部品2に負の熱膨張係数を有する希土類金属磁石等を用いた場合には、これに応じて樹脂の注入方向を考慮する必要がある。
そこで、先ず、樹脂に繊維状フィラーを添加した場合について説明する。樹脂成形品の強度を考えた場合、樹脂中へのフィラーの添加が有効であることは良く知られるところであり、例えばガラスフィラー等のような繊維状フィラーを添加することで、樹脂成形品の強度が大幅に向上される。ただし、この場合、繊維状フィラーの配向方向を適正に制御する必要がある。
図3は、樹脂部Dにおける繊維状フィラーの配向方向を例示するものである。樹脂部Dは、樹脂の厚さが最も薄く、強度が弱い部分であるので、この樹脂部Dにおける繊維状フィラーの配向性を最適化することが最も効果的である。
樹脂部Dにおける繊維状フィラーfの配向方向を考えた場合、樹脂の注入方向によって前記配向方向が変わる。例えば、樹脂部Dの最も断面積が小さな最小断面Sに対して、側方から最小断面sに沿って樹脂を注入した場合には、前記最小断面sに対してほぼ平行に繊維状フィラーfが配列する。図3(b)に示すように、樹脂部Dに対して上方、あるいは下方から樹脂を注入した場合にも、前記最小断面sに対してほぼ平行に繊維状フィラーfが配列する。このような場合、繊維状フィラーfは、最小断面sとほぼ平行に入るクラックに対して、これを妨げるように働かず、繊維状フィラーf間で引き裂かれる形になり、寧ろクラックが入り易くなる。
これに対して、図3(c)に示すように、前記最小断面sと直交する方向から樹脂を注入した場合、最小断面sと直交する方向に樹脂が流れ、繊維状フィラーfもこの方向に配向する。すなわち、繊維状フィラーfは最小断面sと直交する方向に配列する。この場合には、前記最小断面sと直交する方向に力が働いた時に、繊維状フィラーfが引っ張られることになり、前記力に抗する形になる。したがって、繊維状フィラーfがクラックの発生を防ぐ上で有効に寄与し、クラックの発生が効果的に抑えられる。
したがって、樹脂中に繊維状フィラーfを添加した場合には、図3(c)に示すように、樹脂部Dの最小断面sと直交する方向から樹脂を注入することが好ましいことになるが、これは、先の図2(b)に示す樹脂の注入方向と一致する。つまり、図1に示す樹脂成形品を成形するに際し、樹脂部A側から樹脂を注入すれば、樹脂部Dにおいてウエルドが起こることがなく、また繊維状フィラーfの配向方向もクラックを防ぐ方向となるので、強度的に最も問題がある樹脂部Dにおいて、強度低下を回避することができる。
次に、部品2の熱膨張係数が負である場合の樹脂の注入方向の最適化について説明する。例えば、インサート成形する部品2が希土類金属磁石である場合について考えると、希土類金属磁石の熱膨張係数が負であり、樹脂の熱膨張係数が正であることから、一体成形後にクラックが入り易く、その対策が必要である。
希土類金属磁石は、希土類元素R、遷移金属元素T及びホウ素Bを主成分とするものであり、磁気特性に非常に優れるという特徴を有することから、小型化、高性能化を図る上で有用である。希土類金属磁石の組成は、用途等に応じて任意に選択すればよく、例えば、希土類元素Rとは、具体的にはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb又はLuのことをいい、これらから1種又は2種以上を用いることができる。中でも、資源的に豊富で比較的安価であることから、希土類元素Rとしての主成分をNdとすることが好ましい。また、遷移金属元素Tは、従来から用いられている遷移金属元素をいずれも用いることができ、例えばFe、Co、Ni等から1種又は2種以上を用いることができる。これらの中では、焼結性の点からFe、Coが好ましく、特に磁気特性の点からFeを主体とすることが好ましい。また、前記希土類元素R、遷移金属元素T及びホウ素Bの他、保磁力等の特性改善を目的として、例えばAl等の元素を添加してもよい。これらの元素の他、不可避的不純物又は微量添加物として、例えば炭素や酸素等が含有されていてもよい。
前記希土類金属磁石においては、成形時の希土類金属粉の磁場配向方向と熱膨張係数との間に密接な関係があり、前記磁場配向方向と平行な方向において熱膨張係数が正、前記磁場配向方向と直交する方向において熱膨張係数が負である。いま、図4に示すように希土類金属磁石を部品2としてインサート成形する場合を考えると、部品2の厚み方向に磁場配向した場合、部品2の長手方向における熱膨張係数αが負ということになる。ここで、部品2の寸法をLとした場合、前記熱膨張係数αと寸法Lの積αLが最も大きくなる方向(温度変化に伴う変位量が最も大きい方向)は、前記長手方向ということになる。
前記の場合、樹脂注入後、冷却されると、温度低下に伴い部品2は矢印X方向に伸び、一方、樹脂部Dの樹脂は矢印X方向に縮もうとする。したがって、樹脂部Dでは点Fに大きな力が加わり、クラックが入り易くなる。このような力に対抗するためには、前記樹脂部Dに矢印X方向に加わる力に対して強度を確保することが重要である。
したがって、樹脂部Dにおいてウエルドが起こることがなく、また前記矢印X方向に繊維状フィラーが配列されるように樹脂を注入することが好ましいということになる。これは、先の図2(b)に示す方向と一致し、また図3(c)に示す繊維状フィラーの配向と一致する。
以上のように、部品2をインサート成形する場合には、樹脂の注入方向を適正に制御する必要があり、これにより、クラック等の発生を確実に抑制することができ、不良品の発生を抑え、樹脂成形品の歩留まりを大幅に向上することが可能である。また、樹脂に繊維状フィラーを添加した場合や、部品の熱膨張係数が負の場合には、これらを併せて考慮して樹脂の注入方向を決めることが好ましく、これによりより一層の改善を図ることが可能である。
以下においては、実際に樹脂成形品を成形し、本発明の効果を確かめた。
実施例
本実施例において作製した樹脂成形品の形状を図5(a)乃至(c)に示す。この樹脂成形品11は、樹脂部12中に2つの希土類金属磁石13をインサート成形したものである。前記樹脂成形品11は、樹脂部12が大きく2つに分割され、これらが筐体状に連結された構造を有しており、分割された樹脂部12にそれぞれ希土類金属磁石13がインサート成形されている。希土類金属磁石13は、金型に設けられたガイドによって位置決めされており、したがって、樹脂部12には、ガイドに対応してガイド孔14が形成されている。
前述の通り、前記樹脂成形品11は、樹脂部12が大きく2つに分割され、これらが筐体状に連結された構造を有しており、分割された樹脂部12にそれぞれ1つの希土類金属磁石13がインサート成形されているが、前記樹脂部12においては、希土類金属磁石13の上面を覆う部分12A,12Bの樹脂の厚さが最も薄い。具体的には1.25mmである。
樹脂成形品11にインサートされる希土類金属磁石13は、10mm×10mm×3mmであり、通常の粉末冶金の手法により作製した。希土類金属磁石13における配向方向は厚さ方向[図5(a)の紙面における上下方向]であり、表面にはNiめっきを施した。注入する樹脂としては、ガラスフィラーを40質量%充填した熱硬化性樹脂を用いた。
前記樹脂成形品を、図2(b)に示す例と同様の方向から樹脂を注入して成形した。すなわち、図5において、図中左端側に前記2分割された部分に対応してゲート口を2箇所設け、ここから(矢印J方向から)樹脂を注入した。これにより、希土類金属磁石13の長手方向に沿って樹脂流が形成され、前記樹脂厚が最も薄くなる部分12A,12Bにおいても、図中右方向に向かって樹脂が流れることになる。作製した樹脂成形品の数は200個である。
各樹脂成形品について、樹脂が固化した後、金型から取り出し、180℃にて3時間エージングを行った。その後、温度−40℃〜85℃、さらし時間各30分間、15サイクルなる条件で熱衝撃試験を行った。試験後、樹脂成形品に入ったクラックの状況を目視にて観察し、クラックが発生した樹脂成形品の数量を成形個数(200個)で除し、不良品発生率を求めて評価した。その結果、クラックは樹脂の厚さが最も薄い周辺部分12A,12Bの長手方向中央部に若干発生していたが、発生率は3%と小さく、極めて良好な値を示していた。
比較例
実施例と同様の樹脂成形品を成形したが、樹脂の注入方向を図2(a)と同様とした。すなわち、図5において、図中上端側に希土類金属磁石13に対向してゲート口を1箇所設け、ここから(矢印H方向から)樹脂を注入した。この場合、前記樹脂厚が最も薄くなる部分12Bでは、樹脂が一方向に流れ、ウエルドが起こることはないが、樹脂の厚さが最も薄い前記周辺部分12Aにおいては、希土類金属磁石13を避けて移動した樹脂が合流し、ウエルドが起こる可能性が高い。
実際、クラックは、樹脂の厚さが最も薄い周辺部分12Aの長手方向中央部に多く発生しており、発生率は82%と実施例に比べて著しく大きな値であった。
金型キャビティ内への部品の配置例を示す平面図である。 (a)は部品の長手方向と直交する方向から樹脂を注入した場合の樹脂の流れを示す模式図であり、(b)は部品の長手方向と平行な方向から樹脂を注入した場合の樹脂の流れを示す模式図である。 樹脂の注入方向と繊維状フィラーの配向方向の関係を示す模式図であり、(a)は樹脂部Dの幅方向に注入した場合、(b)は厚さ方向に注入した場合、(c)は長手方向に注入した場合である。 部品の熱膨張係数が負である場合の冷却時の部品が伸びる方向及び樹脂が縮む方向を示す模式図である。 実施例で作製した樹脂成形品の形状を示すものであり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
符号の説明
1 金型キャビティ、2 部品、11 樹脂成形品、12 樹脂部、12A 周辺部分(樹脂の厚さが最も薄い部分)13 希土類金属磁石

Claims (8)

  1. 部品を樹脂中にインサート成形するに際し、部品の周囲において、樹脂の厚さが最も薄い部分でのウエルドを防止するように樹脂を注入することを特徴とする成形方法。
  2. 前記樹脂の厚さが最も薄い部分で樹脂が一方向に流れるように注入することを特徴とする請求項1記載の成形方法。
  3. 前記樹脂が繊維状フィラーを含有していることを特徴とする請求項1または2記載の成形方法。
  4. 前記樹脂の厚さが最も薄くなる部分の最小断面に対して略直交する方向に前記繊維状フィラーが配向されるように樹脂を注入することを特徴とする請求項3記載の成形方法。
  5. 前記部品が負の熱膨張係数を有し、部品の寸法Lと当該寸法方向での熱膨張係数αの積αLが最も大きくなる方向と略平行な方向から樹脂を注入することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の成形方法。
  6. 前記部品が希土類金属磁石であることを特徴とする請求項5記載の成形方法。
  7. 前記部品の寸法Lと当該寸法方向での熱膨張係数αの積αLが最も大きくなる方向と略平行な方向は、前記希土類金属磁石の配向方向と略垂直な方向であることを特徴とする請求項6記載の成形方法。
  8. 前記樹脂は、熱硬化樹脂であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の成形方法。
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