JP2006222743A - 空間多重信号検出回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 空間多重された信号を受信して信号検出を行う際に、特に変調多値数を増加させた場合でも、回路規模増加を抑え、優れた誤り率特性を実現する。
【解決手段】 複数送信信号候補メトリック演算回路112は、QR分解回路103から出力される上三角行列のN行ベクトルに対応した構成要素S108と複数の送信信号候補S112との乗算によってレプリカ信号を生成し、乗算結果記憶回路106に記憶されたN送信系統の要素S107からレプリカ信号の減算を行うことにより、送信系統ごとにメトリックS113を算出する。メトリック加算記憶回路113は、送信信号系列記憶回路111に記憶された送信信号系列S115に応じてN送信系統のメトリックS113を累積加算してN送信系統のメトリックとして記憶する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ディジタル無線通信システムにおける空間多重伝送された信号から信号検出を行う復調器に係り、特に、マルチキャリア変調方式の中でOFDM(Orthogonal frequency division multiplex)変調方式にも適用可能な空間多重信号検出回路に関する。
マルチキャリア変調方式は、複数のサブキャリアを用いて情報を伝送する無線伝送方式である。サブキャリアごとに入力データ信号は、QPSK(Quadrature phase shift keying)等に変調される。このマルチキャリア変調方式の中で各サブキャリアの周波数が直交関係にある直交マルチキャリア変調方式は、直交周波数分割多重(Orthogonal frequency division multiplexing:OFDM)とも呼ばれ、マルチパス伝搬が問題となる無線通信システムで広く適用されている。
OFDMは、マルチパスの影響を受けにくい特徴を備え、高速伝送に適した変調方式であるが、更なる伝送速度の向上を図るためには、複数の送信アンテナを用いて同一の周波数に送信を行い空間多重された信号を用いる空間多重伝送を行うことが考えられる。この空間多重伝送は、SDM(Space division multiplexing)伝送、あるいは、その複数の送信アンテナを送受信器で使用する空間多重伝送方式の伝送路の特徴からMIMO(Multi input multi output)伝送と呼ばれる。
図10は、上記空間多重伝送を説明するためのブロック図である。図10では、送信側、受信側で各4本ずつのアンテナを備えている。空間多重伝送を行う場合には、周波数帯域幅を増加させる必要が無い。例えば、OFDMに空間多重伝送を適用した場合には、OFDMシンボルの送信タイミングを同期させて送信する必要がある。この空間多重伝送を行うに際して、伝送速度を2倍にしたい場合には、2本のアンテナから同時に送信を行う。3倍にしたい場合には、3本のアンテナを用いて同時に送信を行う方式である。当然、多重化を行わないで1本の送信アンテナから送信を行うことも可能である。
さらに、送信を行う送信系統数、データ受信側のアンテナ数は、送信側で用いたアンテナ数と同数である必要はなく、これらの値はシステムの要求条件により決定される。ここでは、送信アンテナをN、受信アンテナをMと一般化して示す。受信信号Yは、周波数領域での行列表現を用いて伝搬路のM×Nの伝達関数Hを用いて、数式(1)のように示すことができる。ここでは、一例としてM≧Nの場合について示している。数式(1)におけるhMN等の行列要素は、各送受信アンテナ間の伝達関数を示している。但し、Wは、雑音を示しており、M次元のM×1列ベクトルで示される。
Figure 2006222743
復調器において数式(1)で示される空間多重された受信信号から各送信系統の送信信号を検出するには、ZF(Zero-forcing)方式、MMSE(Minimum mean square error)方式、OSD(Ordered successive detection)方式、最尤推定検出(Maximum likelihood detection:MLD)方式等がある。この中でMLD方式の誤り率特性が一番優れる。また、見方を変えると、誤り率特性が優れるということは、低CNRでの通信が可能であることを意味しており、通信エリアの拡大にも貢献する。さらに、MLDを用いた場合には、1本の受信アンテナで受信しても復調が可能である。また、受信側で複数のアンテナを用いた場合には、受信ダイバーシチ効果が得られるという特徴がある。
ここで、空間多重された信号から信号検出を行う信号検出方式のことを信号分離、あるいは干渉キャンセラと呼ぶ場合もあるが、本質は、多重化された信号から送信系統毎に送信された信号を検出することである。MLD方式を用いた場合の信号検出は、以下のように実現される。ここで、図11は、従来のMLD方式を説明するための概念図である。MLD方式は、マルチキャリア変調方式にのみ適用できる方式ではなく、シングルキャリア伝送にも一般的に適用できる技術である。ここでは、マルチキャリア復調後のサブキャリア信号に適用する場合を例に示す。MLD方式では、FFT回路出力信号であるサブキャリア信号に対して、チャネル推定結果を用いて信号検出を行う。MLDの信号検出の原理を数式(2)に示す。
Figure 2006222743
但し、
Figure 2006222743
は、k番目の送信信号系列候補を示し、
Figure 2006222743
は、チャネル推定後に得られた推定チャネル行列のM×N−MIMO行列のi−行ベクトルを示す。数式(2)では、1つの尺度であるメトリックμを用いて最尤推定を行っている。MLD方式では、受信系統毎にレプリカ信号と受信信号との信号点距離を算出する。その後、各受信系統で得られた信号点距離を加算して、その結果を用いて最尤推定を行う。もちろん、1受信系統でもMLD方式による信号検出は可能であり、その場合には、1つの受信系統の結果のみを用いる。この加算された信号点距離の中で最も信号点距離の小さいものを最も確からしい送信信号の組み合わせであるとして選択する。そして、この組み合わせの信号の送信信号を信号検出推定結果として出力する。このようにMLD方式は、送信信号のレプリカの組み合わせの全てについて全探索を行うために、誤り率特性が改善し、優れた通信が実現可能となっている。
これに対して、以下の検討例がある。図12は、従来の空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である(例えば非特許文献1参照)。以下に動作を説明する。図12では、復調回路において、N個の送信系統から送信された送信信号を、M受信系統を用いて復調する場合を示している。
受信信号S1は、M個備えられたFFT回路1,1にてマルチキャリア復調され、サブキャリア信号S2を出力する。サブキャリア信号S2は、チャネル推定回路2に入力され、サブキャリア信号S2から伝搬路のチャネルの歪の推定が行われ、チャネル推定信号S3を出力する。一方、送信信号生成回路3からは、変調多値数がmのm値の送信信号が出力される。レプリカ信号生成回路4では、m値の送信信号S4とチャネル推定信号S3との複素乗算を行い、受信信号のレプリカ信号S5を生成する。ここで具体的に必要になる複素乗算器は以下のように求められる。
N個の送信系統について、m値−送信信号を送ることを考えると、考えられる送信信号点の候補は、m通りになる。この1つ1つのレプリカを生成するのに各送信系統分の複素乗算が必要になるので、m×N個が必要となる。さらに、受信側で複数の受信系統について処理を行う場合には、最終的にM×m×N個の複素乗算器が必要になる。次に、信号点距離演算回路5では、各受信系統におけるサブキャリア信号S2と各受信系統でのレプリカ信号S5との信号点距離演算が行われる。この信号点距離演算回路では、数式(2)に示されるような各受信系統における信号点距離の演算を行い、各受信系統の値を加算して、最終的なメトリック信号S6を算出する。また、この距離演算の回数は、具体的には、以下のように計算できる。
レプリカ信号生成回路4から出力されるレプリカ信号の総数は、m個である。このレプリカ信号について各受信系統での信号点距離を算出するので、距離演算の総数は、M×m個になる。このメトリック信号S6は、全探索最尤推定回路6に入力され、最尤推定が行われる。入力された信号の中で最もメトリック、すなわち信号点間距離が小さいレプリカ信号が、最も確からしい送信信号の組み合わせであるとして信号検出がなされ、これに対応したN個の送信信号が出力される。
以上説明したように、図12に示した従来の空間多重信号検出回路では、空間多重信号された信号の最尤推定による信号検出が行われる。まず、受信系統ごとに受信信号とレプリカ信号との信号点距離の演算を行い、この結果に対して最も小さいメトリックである信号点間距離を示すレプリカ信号を選択し、このレプリカ信号を構成する信号を出力する空間多重信号検出を行っている。
A.バン・ゼルスト(A. van Zelst)、R.バン・ニー(R. van Nee)、およびG.A.ワター(G. A. Awater)著、「OFDMシステムのための空間多重化(Space division multiplexing (SDM) for OFDM systems)、Proc. of VTC 2000-Spring,pp.1070-1074.
現在、無線LANの伝送方式のIEEE802.11a規格、またはIEEE802.11a規格と同一の無線区間の信号を用いて、運用周波数帯を2.4GHz帯に変更したIEEE802.11g規格とのバックワードコンパチビィリティを実現し、かつ高速な伝送速度を実現するために、空間多重伝送を用いた無線LANの検討が進んでいる。例えば、IEEE802委員会でのタスク・グループ(TG)nでは、2×2以上の空間多重伝送の適用を目指した検討が開始されている。
この無線バックワードコンパチビィリティを実現し、かつ空間多重伝送を用いる無線LANにおいては、IEEE802.11aに準拠した信号が多重化される前のOFDM信号になり、既存システムに相当する。このバックワードコンパチビィリティを考慮したパケットフォーマットの一例を図13に示す。また、IEEE802.11a信号との共通部分を備えた周波数軸−時間軸を用いた2次元表現でのパケットフォーマットを図14に示す。
これらのパケットでは、バックワードコンパチビィリティを実現するためにパケットの先頭部分では、既存システムが復調可能なプリアンブル信号が送信され、次に必要に応じてパケットの情報を示す既存システムの信号が送信される。しかし、データ部分は、空間多重されて伝送が行われるため、高性能な空間多重信号検出方式の適用は通信品質の改善のために非常に重要である。さらに、伝送されるパケット全てが空間多重された信号で伝送される場合にも、高性能な信号検出方式の適用は当然重要である。この空間多重伝送において高性能な信号検出を実現する手法には、誤り率特性が優れるMLD方式の適用が考えられる。
また、伝送速度のさらなる高速化を実現するために、多重化される前の信号のサブキャリア変調にも変調多値数(m=64)の大きい64QAMが適用される場合が多い。このような変調多値数が大きい場合には、従来の空間多重信号検出回路では、数式(2)に示したようにレプリカ信号と受信信号との全探索を行うために回路規模が増大する。送信系統数=N、復調器での受信系統数=M、送信される信号の多値数=mとすると、レプリカ生成時に必要となる複素乗算器の数がM×m×Nだけ必要になり、回路規模が増加する。特に、高速化に変調多値数が多い変調方式を適用した場合には、指数的に回路規模が増大するため、その影響はより深刻である。
また、具体的に見てみると、複素乗算回路は、回路規模が大きい実数乗算器が4個、さらに加算器2個から構成される。したがって、複素乗算回路を多用することは回路規模が増大することを意味する。特に、PCMCIAカード等の使用が多い無線LANでは、PCMCIAカードに許容される回路規模に制限があるために、回路規模が増大することは問題となる。
さらに、従来技術による回路における信号点距離演算に必要な距離演算回数は、上記と同様のパラメータの下で、M×m個になり、回路規模の増加に直結する。このときに1回の距離演算に必要な実数乗算器は2個、実数加算器は3個必要になり、全体の距離演算回数が大きいために回路規模の増大が避けられない。
さらに、回路規模の増大に比例して消費電力が増加することになる。特に、外部電源の使用が難しい無線LAN等での使用を考えた場合には、消費電力の増大はバッテリーの消耗を早めるという問題がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、これらの問題を解決し、空間多重された信号を受信して信号検出を行う際に、特に変調多値数を増加させた場合でも、回路規模増加を抑え、優れた誤り率特性を実現することができる空間多重信号検出回路を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の受信信号が入力され、各送受信アンテナ間における伝搬路のチャネルの歪を推定するチャネル推定手段と、前記チャネル推定手段によって推定されたチャネルの歪を構成要素とする推定チャネル行列を生成する推定チャネル行列生成手段と、前記推定チャネル行列生成手段によって生成された推定チャネル行列に対してユニタリ・三角化(QR)分解演算を行うQR分解手段と、前記QR分解手段によって得られるユニタリ行列Qに対して複素共役転置演算であるQを行う複素共役転置演算手段と、前記複素共役転置演算手段による演算結果を用いて、複数の受信信号を構成要素とする受信列ベクトル信号rに対してQ×rの行列乗算演算を行う行列乗算手段と、前記行列乗算手段の各送信系統の演算結果を記憶する乗算結果記憶手段と、前記乗算結果記憶手段から得られる各送信系統の出力信号、前記QR分解手段のもう1つの出力信号である上三角行列Rの行列要素信号、および所望の送信系統以外の信号である干渉信号を用いて、所望の各送信系統の送信信号を推定する送信信号推定手段と、送信器から送信される可能性のある信号を生成する送信信号生成手段と、前記送信信号推定手段によって推定された推定送信信号と前記送信信号生成手段によって生成された送信信号との信号点距離を算出する信号点距離演算手段と、前記信号点距離演算手段によって算出された信号点距離のうち、信号点距離が最も小さい方から所定の数だけ順に各送信系統の複数の推定送信信号を候補として選択する信号候補絞り込み手段と、前記信号候補絞り込み手段によって選択された各送信系統の複数の推定送信信号とその各送信系統の情報とを併せて各推定送信信号系列として記憶する信号系列加算記憶手段と、前記信号候補絞込み手段によって選択された各送信系統の複数の推定送信信号、前記乗算結果記憶手段に記憶されている各送信系統の出力信号、前記QR分解手段のもう1つの出力信号である上三角行列Rの行列要素信号、および所望の送信系統以外の信号である干渉信号を用いて、各送信系統の複数の推定送信信号におけるそれぞれのメトリックを算出する信号候補メトリック演算手段と、前記信号系列記憶手段に記憶されている各送信系統の複数の推定送信信号に応じて、前記信号候補メトリック演算手段で算出された各メトリックを加算記憶するメトリック加算記憶手段と、前記信号系列加算記憶手段に記憶されている各送信系統の推定送信信号と前記QR分解手段のもう1つの出力信号である上三角行列Rの行列要素信号とに基づいて、前記所望の送信系統以外の信号である干渉信号を生成する干渉信号生成手段と、前記信号系列加算記憶手段に記憶されている各推定送信信号系列と前記メトリック加算記憶手段から出力される前記推定送信信号系列に対応した既に加算されたメトリック信号との中で最も小さいメトリックを示す信号系列を最終的に推定された送信信号系列として出力する最尤推定手段とを具備することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記チャネル推定手段は、さらに、推定チャネル行列の重み付け情報信号を生成し、前記チャネル推定手段から別途出力される重み付け情報信号を用いて、前記推定チャネル行列生成手段によって生成された推定チャネル行列の送信系統に応じた重み付けを行う重み付け手段と、前記チャネル推定手段から別途出力される重み付け情報信号を用いて、前記最尤推定手段から出力される送信信号系列の並び替えを行う並び替え手段とを具備することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記複数の受信信号に対してマルチキャリア復調を行い、サブキャリア信号を出力するマルチキャリア復調手段を備え、前記サブキャリア信号を前記チャネル推定手段と前記行列乗算手段との入力信号とすることを特徴とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の受信信号が入力され、各送受信アンテナ間における伝搬路のチャネルの歪を推定するチャネル推定手段と、前記チャネル推定手段によって推定されたチャネルの歪を構成要素とする推定チャネル行列を生成する推定チャネル行列生成手段と、前記推定チャネル行列生成手段によって生成された推定チャネル行列に対してユニタリ・三角化(QR)分解演算を行うQR分解手段と、前記QR分解手段によって得られるユニタリ行列Qに対して複素共役転置演算であるQを行う複素共役転置演算手段と、前記複素共役転置演算手段による演算結果を用いて、複数の受信信号を構成要素とする受信列ベクトル信号rに対してQ×rの行列乗算演算を行う行列乗算手段と、前記行列乗算手段の各送信系統の演算結果を記憶する乗算結果記憶手段と、前記乗算結果記憶手段から得られる各送信系統の出力信号、前記QR分解手段のもう1つの出力信号である上三角行列Rの行列要素信号、および所望の送信系統以外の信号である干渉信号を用いて、所望の各送信系統の送信信号を推定する送信信号推定手段と、送信器から送信される可能性のある信号を生成する送信信号生成手段と、前記送信信号推定手段によって推定された推定送信信号と前記送信信号生成手段によって生成された送信信号との信号点距離を演算する信号点距離演算手段と、前記信号点距離演算手段によって算出された信号点距離のうち、信号点距離が最も小さい方から所定の数だけ順に各送信系統の複数の推定送信信号を候補として選択する信号候補絞り込み手段と、前記信号候補絞り込み手段によって選択された各送信系統の複数の推定送信信号とその各送信系統の情報とを併せて各推定送信信号系列として記憶する信号系列加算記憶手段と、前記信号系列加算記憶手段に記憶されている複数の推定送信信号系列、前記乗算結果記憶手段に記憶されている各送信系統の出力信号、前記QR分解手段のもう1つの出力信号である上三角行列Rの行列要素信号、および所望の送信系統以外の信号である干渉信号を用いて、複数の推定送信信号系列におけるそれぞれのメトリックを算出する複数信号系列メトリック演算手段と、前記信号系列加算記憶手段に記憶されている各送信系統の推定送信信号と前記QR分解手段のもう1つの出力信号である上三角行列Rの行列要素信号とに基づいて、前記所望の送信系統以外の信号である干渉信号を生成する干渉信号生成手段と、前記信号系列加算記憶手段に記憶されている各推定送信信号系列と前記複数信号系列メトリック演算手段から出力される前記推定送信信号系列に対応した既に加算されたメトリック信号との中で最も小さいメトリックを示す信号系列を最終的に推定された送信信号系列として出力する最尤推定手段とを具備することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記チャネル推定手段は、さらに、推定チャネル行列の重み付け情報信号を生成し、前記チャネル推定手段から別途出力される重み付け情報信号を用いて、前記推定チャネル行列生成手段によって生成された推定チャネル行列の送信系統に応じた重み付けを行う重み付け手段と、前記チャネル推定手段から別途出力される重み付け情報信号を用いて、前記最尤推定手段から出力される送信信号系列の並び替えを行う並び替え手段とを具備することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記複数の受信信号に対してマルチキャリア復調を行い、サブキャリア信号を出力するマルチキャリア復調手段を備え、前記サブキャリア信号を前記チャネル推定手段と前記行列乗算手段との入力信号とすることを特徴とする。
この発明によれば、チャネル推定手段により、各送受信アンテナ間における伝搬路のチャネルの歪を推定し、推定チャネル行列生成手段により、推定されたチャネルの歪を構成要素とする推定チャネル行列を生成し、QR分解手段により、推定チャネル行列に対してユニタリ・三角化(QR)分解演算を行い、複素共役転置演算手段により、ユニタリ行列Qに対して複素共役転置演算であるQを行い、行列乗算手段により、複素共役転置演算結果を用いて、複数の受信信号を構成要素とする受信列ベクトル信号rに対してQ×rの行列乗算演算を行い、各送信系統の演算結果を乗算結果記憶手段に記憶し、送信信号推定手段により、各送信系統の出力信号、上三角行列Rの行列要素信号、および所望の送信系統以外の信号である干渉信号を用いて、所望の各送信系統の送信信号を推定し、送信信号生成手段により、送信器から送信される可能性のある信号を生成し、信号点距離演算手段により、推定された推定送信信号と生成された送信信号との信号点距離を算出し、信号候補絞り込み手段により、信号点距離のうち、信号点距離が最も小さい方から所定の数だけ順に各送信系統の複数の推定送信信号を候補として選択し、選択された各送信系統の複数の推定送信信号とその各送信系統の情報とを併せて各推定送信信号系列として信号系列加算記憶手段に記憶し、信号候補メトリック演算手段により、選択された各送信系統の複数の推定送信信号、記憶されている各送信系統の出力信号、上三角行列Rの行列要素信号、および所望の送信系統以外の信号である干渉信号を用いて、各送信系統の複数の推定送信信号におけるそれぞれのメトリックを算出し、各送信系統の複数の推定送信信号に応じて、算出された各メトリックをメトリック加算記憶手段に加算記憶し、干渉信号生成手段により、各送信系統の推定送信信号と上三角行列Rの行列要素信号とに基づいて、前記所望の送信系統以外の信号である干渉信号を生成し、最尤推定手段により、各推定送信信号系列と推定送信信号系列に対応した既に加算されたメトリック信号との中で最も小さいメトリックを示す信号系列を最終的に推定された送信信号系列として出力する。したがって、送信系統ごとにメトリックを演算することも特徴とし、メトリック演算に伴う時間を短縮しつつ、回路規模を削減しながら優れた誤り率特性を実現することができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記チャネル推定手段により、さらに、推定チャネル行列の重み付け情報信号を生成し、重み付け手段により、重み付け情報信号を用いて、推定チャネル行列の送信系統に応じた重み付けを行い、並び替え手段により、重み付け情報信号を用いて、前記最尤推定手段から出力される送信信号系列の並び替えを行う。したがって、送信系統のSNR等に応じた重み付け手法を用いて、送信系統のSNRが高い系統からの複数信号推定を可能にし、高精度な信号検出を行うことができ、具体的には複数送信信号候補の絞り込み数を削減可能にすることができる。ゆえに、探索信号点の削減が可能になり,回路規模を削減しながら優れた誤り率特性を実現することができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、マルチキャリア復調手段により、前記複数の受信信号に対してマルチキャリア復調を行ってサブキャリア信号を生成し、前記サブキャリア信号を前記チャネル推定手段と前記行列乗算手段との入力信号とする。したがって、マルチキャリア復調が必要なOFDM変調方式にも適用することができ、回路規模を削減しながら優れた誤り率特性を実現することができるという利点が得られる。
また、この発明によれば、チャネル推定手段により、各送受信アンテナ間における伝搬路のチャネルの歪を推定し、推定チャネル行列生成手段により、推定されたチャネルの歪を構成要素とする推定チャネル行列を生成し、QR分解手段により、推定チャネル行列に対してユニタリ・三角化(QR)分解演算を行い、複素共役転置演算手段により、ユニタリ行列Qに対して複素共役転置演算であるQを行い、行列乗算手段により、複素共役転置演算結果を用いて、複数の受信信号を構成要素とする受信列ベクトル信号rに対してQ×rの行列乗算演算を行い、各送信系統の演算結果を乗算結果記憶手段に記憶し、送信信号推定手段により、各送信系統の出力信号、上三角行列Rの行列要素信号、および所望の送信系統以外の信号である干渉信号を用いて、所望の各送信系統の送信信号を推定し、送信信号生成手段により、送信器から送信される可能性のある信号を生成し、信号点距離演算手段により、推定された推定送信信号と生成された送信信号との信号点距離を算出し、信号候補絞り込み手段により、信号点距離のうち、信号点距離が最も小さい方から所定の数だけ順に各送信系統の複数の推定送信信号を候補として選択し、選択された各送信系統の複数の推定送信信号とその各送信系統の情報とを併せて各推定送信信号系列として信号系列加算記憶手段に記憶し、複数信号系列メトリック演算手段により、複数の推定送信信号系列、記憶されている各送信系統の出力信号、上三角行列Rの行列要素信号、および所望の送信系統以外の信号である干渉信号を用いて、複数の推定送信信号系列におけるそれぞれのメトリックを算出し、干渉信号生成手段により、各送信系統の推定送信信号と上三角行列Rの行列要素信号とに基づいて、前記所望の送信系統以外の信号である干渉信号を生成し、最尤推定手段により、各推定送信信号系列と推定送信信号系列に対応した既に加算されたメトリック信号との中で最も小さいメトリックを示す信号系列を最終的に推定された送信信号系列として出力する。したがって、最終段にて送信信号系列ごとに、メトリックを演算することを特徴とし、メトリック演算に伴う制御処理を簡略化し、回路規模を削減しながら優れた誤り率特性を実現することができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、前記チャネル推定手段により、さらに、推定チャネル行列の重み付け情報信号を生成し、重み付け手段により、重み付け情報信号を用いて、推定チャネル行列の送信系統に応じた重み付けを行い、並び替え手段により、重み付け情報信号を用いて、前記最尤推定手段から出力される送信信号系列の並び替えを行う。したがって、送信系統のSNR等に応じた重み付け手法を用いて、送信系統のSNRが高い系統からの複数信号推定を可能にし、高精度な信号検出を行うことができ、具体的には複数送信信号候補の絞り込み数を削減可能にすることができる。ゆえに、探索信号点の削減が可能になり,回路規模を削減しながら優れた誤り率特性を実現することができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、マルチキャリア復調手段により、前記複数の受信信号に対してマルチキャリア復調を行ってサブキャリア信号を生成し、前記サブキャリア信号を前記チャネル推定手段と前記行列乗算手段との入力信号とする。したがって、マルチキャリア復調が必要なOFDM変調方式にも適用することができ、回路規模を削減しながら優れた誤り率特性を実現することができるという利点が得られる。
以下、本発明の一実施形態による空間多重信号検出回路を、図面を参照して説明する。
A.本発明の基本原理
まず、本発明の基本原理について説明する。本発明では、従来技術での問題である回路規模の増加を抑えつつ、MLD方式と同等の優れた誤り率特性を実現する空間多重信号検出回路を実現する。本発明は、マルチキャリア変調方式、あるいはシングルキャリア変調方式共に適用が可能である。マルチキャリア変調方式に適用をする場合には、マルチキャリア復調後のサブキャリア信号に対して適用する。
本発明では、まず、受信パケット信号のMIMOプリアンブル信号を用いて各送受信アンテナ間の伝達関数のチャネル推定を行う(チャネル推定手段)。そして、そのチャネル推定結果を用いて推定チャネル行列Hの生成を行う(推定チャネル行列生成手段)。次に、数式(5)に示すように、この推定チャネル行列のユニタリ・三角化(QR)分解を行う(QR分解手段)。但し、数式(5)では、説明の簡易化のために推定チャネル行列に対してQR分解を適用した式変形例を示している。また、以下に示すのはM≧Nの場合であり、数式(6)に示されるユニタリ行列Qは、M×Mの正規直交行列、および数式(7)に示される三角行列Rは、M×N行列であり、上三角行列Rと0行列から構成される。当然、M=Nの場合には、三角行列Rには0行列の部分の無い上三角行列Rとして構成される。
Figure 2006222743
但し、
Figure 2006222743
Figure 2006222743
あるいは、数式(5)の別表現として、ユニタリ行列QをM×N行列として定義した上で表現する場合には、三角化行列RはN×N行列としてQR分解される。
このQR分解に用いる演算手法としては、当然、グラム・シュミットの直交化法の適用が考えられる。この場合、上三角行列Rの各要素のうち、行番号と列番号とが等しい要素(対角成分)は、実数となることが特徴である。一般には、QR分解における上三角行列Rの対角成分は、必ずしも実数とは限らないが、これが実数となるようにQR分解演算を行うことで、後述する数式(10)等の除算演算を簡易に実現できることも当然考えられる。
さらに、QR分解の本質は、伝達関数行列Hをユニタリ行列Qと、上三角行列Rとに分割することであり、各行列要素を回転させ、その結果、順次に上三角行列を生成していくギブンス法、さらに、行単位、列単位で上三角行列の“0”要素を追加していくハウスホルダー法の適用が当然可能である。
さらに、本発明では、ユニタリ行列Qについて各行列要素の複素共役演算を行い、次に、その行列の転置演算処理を行う(複素共役転置演算手段)。この複素共役転置についてはエルミート転置、エルミート共役と様々な名称で呼ばれることがあるが、ここでの演算の本質は、ユニタリ行列の各要素について複素共役演算を行い、その行列の転置行列を生成することである。
次に、QR分解で得られたユニタリ行列の複素共役転置行列であるQを受信信号Yに対して左側から乗算を行う(行列乗算手段)。この処理を行うことで、数式(8)に示されるように、受信信号が三角化行列と送信信号との乗算として簡単に示すことができる。
Figure 2006222743
さらに、この行列乗算の場合の特徴として、QR分解では、各列ベクトルが正規直交しているユニタリ行列Qを乗算するために、雑音強調を生じない点も本発明の特徴である。
また、QR分解に用いるユニタリ行列の固有値が全て1であることからQの乗算に伴い雑音強調が生じないことも本発明の更なる特徴である。このようにして演算結果である列ベクトルZ=[z,z,…,zが得られ、この各値は記憶される(乗算結果記憶手段)。
さらに、本発明では、このユニタリ行列の乗算の後に、順次送信系統ごとに送信信号の推定を行っていく。まず、上三角行列の最下行に相当する送信系統の送信信号であるtの推定を行う。次に、上三角行列のN−1行に相当する送信系統の送信信号を推定する。本発明では、順次、他送信系統の干渉成分を除去しながら、繰り返し推定する送信系統のレイヤを上げていく処理が行われる。
具体的な手順は以下の通りである。
まず、上記記憶された列ベクトルZの各要素から他送信系統の干渉信号を減算し、上三角行列Rの所望の送信系統の各行列要素を用いて以下の除算処理を行う(送信信号推定手段)。但し、最下レイヤである送信系統Nの場合には、(干渉信号生成手段からの)他送信系統の干渉信号を考慮する必要はない。まず、以下ではこのN送信系統について算出を行う場合について説明する。
Figure 2006222743
この送信系統Nの場合のtの信号点を軟判定する。
Figure 2006222743
さらに、当然、送信信号推定には、上記軟判定結果だけではなく、硬判定結果を用いることも可能である。
以下では、まず、簡単化のために送信系統Nの場合における送信信号の推定の場合について処理の流れを示し、順次、N−1,N−2,…,1の送信系統の場合について示して行く。次に、送信信号の推定が行われた後は、数式(11)に従って、送信器から送信される可能性のある信号として(送信信号生成手段)によって生成されるm−値の多値信号の信号点sとの信号点距離を算出する(信号点距離演算手段)。
Figure 2006222743
但し、ここでは、距離演算の一例としてユークリッド距離の2乗を用いる場合を示した。この演算結果を用いて、小さい信号点距離を示す順に所定の数だけ複数の信号点を送信系統Nにおける複数の送信信号候補として選択する(送信候補絞込み手段)。例えば、一例として上位32点の信号候補を選択する場合には、数式(11)に基づいて、数式(12)に示すように、N送信系統の複数の送信信号候補を選択する。
Figure 2006222743
そして、これらの送信系統の送信信号、各送信系統の履歴を記憶し(送信系列加算記憶手段)、以下のメトリック演算(干渉信号生成手段)に適用する。
一方、上記記憶された列ベクトルZの要素信号z、QR分解された上三角行列の要素信号であるrNNを用いて、この32個の送信信号候補の各々に対して以下のメトリックMを数式(13)のように計算する(信号候補メトリック演算手段)。
Figure 2006222743
ここで、本発明に用いる信号点距離演算、および、メトリックとして、上記説明ではユークリッド距離の2乗を用いる場合を示したが、具体的な距離演算には、ユークリッド距離、マンハッタン距離、および、それらの距離の二乗距離等さまざまな距離尺度を用いて実現することが当然考えられる。
次に、このメトリックは、各送信系統の送信信号の情報、各送信信号の履歴の情報と併せて、これまでのメトリックに加算した後に累積加算メトリックとして記憶保持される(メトリック加算記憶手段)。但し、この累積加算メトリックの演算は、最下レイヤであるN送信系統の場合ではなく、1つレイヤが上であるN−1の送信系統の場合に実行される。以上、本発明における最下レイヤである送信系統Nにおける信号処理の流れである。
次に、N−1送信系統での処理について示す。このN−1送信系統の送信信号の推定のためには、N送信系統の推定信号から干渉信号を生成する操作が必要になる。例えば、N−1送信系統について計算する場合には、干渉信号は、上三角行列の要素信号rN−1 Nと推定送信信号hat[t(l)]の全組み合わせについて数式(14)に示すように計算されて生成される(干渉信号生成手段)。なお、上記hatは、数式中の記号(^)に相当し、以下、同様の表記とする。
Figure 2006222743
N−1の送信系統の信号を検出する場合の基本動作は、以下のように考えることができる。N−1送信系統の信号検出の手順は、N送信系統の信号検出と基本的には同じ動作である。違いは、(干渉信号生成手段から出力される)他送信系統(N−1送信系統の場合には、N−1より大きい送信系統N)の推定信号を減算することである(送信信号推定手段および信号候補メトリック演算手段)。
まず、実際には、数式(12)に示されるように、複数であるN送信系統の推定信号をhat[t(l)]と表現を簡略化して示すと、以下の数式(15)に従って軟判定演算を行う(送信信号推定手段)。N送信系統と同じように、当然、硬判定の適用も可能である。
Figure 2006222743
次に、N送信系統と同じように、送信器から送信される可能性のある信号として生成される出力信号s(送信信号生成手段)を用いて、数式(16)に示すように、各複数のhat[t(l)]について演算を行う(信号点距離演算手段)。
Figure 2006222743
さらに、この演算で得られた信号距離を用いて、信号距離の小さい値を示す方から複数の送信信号候補を推定する(信号候補絞込み手段)。例えば、上位16点の送信信号候補を推定する場合には、数式(17)のように推定される。
Figure 2006222743
また、この16通りの絞込みに用いられたhat[tN−1(lN−1)]も併せて16通りが得られる。したがって、次のメトリック計算では、N送信系統の複数の推定信号として数式(18)に示される値が得られる。
Figure 2006222743
ここで本発明の大きな特徴は、推定する送信系統が上がるに従い、候補として考える信号点を少なくした場合でも特性の劣化が無いことである。順次推定した送信信号を用いてメトリックを計算していくためにダイバーシチ効果が向上する。これは、上位の送信信号の推定においては、他送信系統からの信号をキャンセルした上で送信信号の推定を行う。上位の信号推定には、その送信系統の情報だけを用いて推定を行っている訳ではない。例えば、N−1送信系統の推定には、N−1送信系統の行列乗算結果zN−1からN送信系統の信号のレプリカ信号を減算する。このように、N−1とNの2つの送信系統の情報を用いて送信信号の推定を行うためにダイバーシチ効果が生じる。したがって、上位で候補として絞り込む送信信号候補数を減少させてもダイバーシチ効果が得られるのである。当然、上位に行くに従って候補を減少させなくとも本発明は適用可能である。
上述した送信信号候補数の減少について具体的に説明する。本発明では、この絞込みの数は、例えば、4送信系統を備える64QAMの場合、「32,16,8,2」と制限して減少させて行くことが可能であり、送信信号点に応じた全ての数のレプリカ信号を生成する必要は無く、簡易な回路規模での実現が可能である。
次に、このようにして得られたN−1送信系統の複数の推定送信信号を用いてメトリックを計算する(信号候補メトリック演算手段)。
Figure 2006222743
さらに、前述したようにN−1送信系統におけるメトリックと1つ前のN送信系統におけるメトリックとを計算して、数式(20)に示すように、累積加算メトリック(AM)を算出する(メトリック加算記憶手段)。
Figure 2006222743
このときの加算では、各送信系統の信号系列(信号系列加算記憶手段)を参考にして累積加算メトリックが計算される。
以降、順次繰り返し、1送信系統までの信号が全て推定され、全送信系統の信号系列と累積加算メトリックとが計算されるまで繰り返される。この様子を図1に示す。この場合には、N送信系統における送信信号の候補数を32、N−1送信系統における送信信号の候補数を16、最後に、最上位である1送信系統における候補数を2としている。このように本発明では、順次、送信信号の候補数を減算した上でメトリックを演算する。また、この演算は、最後に行う必要は無く、各送信系統の演算において計算を行い、メトリックを累積加算して行くことが可能である。したがって、メトリック演算に伴う遅延時間を短縮することが可能であり、遅延時間が大きく影響するスループットの低下も抑えることが可能である。
さらに、本発明では、最終的な送信信号系列の推定が行われる(最尤推定手段)。具体的には、各送信系統の信号系列の候補(信号系列加算記憶手段)と、これに対応した累積加算メトリック(メトリック加算記憶手段)の中で最も小さい値を示す送信信号系列とを送信信号系列として出力する。
以上説明したように、発明では、従来技術で必要であった膨大なレプリカ信号の生成を大幅に削減可能である。従来技術で、M×m×Nだけ必要であった複素乗算回数が、本発明では、最大の演算回数が(64+64+……+64)と大幅に削減可能であり、さらに、干渉信号を逐次演算させるのではなく、干渉信号を記憶させる場合には、(1+2+……+N)×mと大幅に削減が可能である。例えば、通常は、N=4送信系統場合には、m=64である64QAMを用いた場合において、32+8+2+1程度の候補数で運用が可能である。この場合には、例えば、32+(32+16)+(32+16+8)+(32+16+8+1)=78個程度の複素乗算回数まで大幅に削減が可能である。
さらに、上述したように従来技術で必要であった送信信号の探索に必要な信号点距離の演算をM×mから、最も削減が少ない場合で、m×Nまで削減が可能である。本発明の信号点距離演算回数は、最大でm×N通りである。例えば、N=4送信系統場合には、m=64である64QAMを用いた場合において、32×8×2×1=512通り程度まで大幅に削減が可能である。
当然、この信号探索数は総数であり、実際の演算は各送信系統のメトリック演算毎に信号距離の演算を行う。したがって、各送信系統の演算に使用する複素乗算器を共有することが当然可能である。
一方、本発明の特性向上を図る更なる構成として、各チャネル推定結果を用いて、受信アンテナから入力された受信信号の受信SNR(signal to noise ratio)、SNIR(signal to noise and interference ratio)、あるいは受信電力に応じて送信信号系統に応じた重み付け手法等を適用することも可能である(重み付け手段)。具体的には、SNR等に応じて推定チャネル行列の列ベクトルを入れ替える演算を行う。変換行列を数式(21)のようにM×M行列であるAとすると、以下の推定チャネル行列の列ベクトルを入れ替える演算を行い、受信SNRの高い送信系統から送信信号の推定を行うことが可能になる。ここでは、N=4、M=4の場合に各送信系統の受信SNRが高い順に「1,2,3,4」の順である場合には、以下のように示される。
Figure 2006222743
この重み付けを用いる場合には、数式(5)は、変換行列Aを用いて数式(22)のように変形して示すことができる。
Figure 2006222743
この数式(22)の意味は、HAにより列ベクトルを入れ替え、SNRが高い順番に右から並べている。また、H×Tにより、送信信号ベクトルのSNRの高い順番に下から並べ変えを行っている。このように、SNRに基づく重み付けが行われた場合には、推定チャネル行列をHではなく、数式(23)に示すように、HAとしてQR分解を行うことが可能である。
Figure 2006222743
その後の演算手順は、重み付けを用いない場合と同様であり、数式(24)に示すことが可能である。
Figure 2006222743
この重み付け処理を用いることで、送信信号候補の絞込みの推定精度が向上する。その結果、全体の推定候補送信信号が減少でき、回路規模の削減が可能となる。
また、この場合には、最尤推定にて最終的に推定された送信信号は、信号処理上、SNR並び替えを行った後の信号であり、実際の送信系統に応じた送信信号ではない。最後の推定送信信号A×Tを検出した後に、数式(25)に示すように変換行列Aを乗算し、正しい送信信号の並び替えを行い、推定送信信号Tの出力を行う(信号並び替え手段)。
Figure 2006222743
このように、本発明に適用する重み付け手法は、受信信号のSNR、あるいはSNIRに応じて、伝達関数行列の列ベクトルを入れ替える演算を行う回路で簡易に実現される(重み付け手段)。さらに、本発明の更なる構成として、数式(13)、数式(19)、数式(20)のような各送信系統のメトリック演算を行わずに、最終段においてメトリックを演算する構成も当然考えられる。
例えば、通常は、N=4送信系統の場合には、m=64である64QAMを用いた場合において、32+(32+16)+(32+16+8)+(32+16+8+1)=78程度の候補数で、本発明は運用が可能である。この場合には、最終段である1送信系統の信号候補が推定された時点で、32×8×2×1のメトリック演算を行い(複数信号系列メトリック演算手段)、この結果を用いて最終段にて最もメトリックの少ない送信信号系列を推定結果として出力する(最尤推定手段)。この場合には、メトリックの累積加算に伴う送信信号候補とメトリックとの関係を維持する制御動作、および、制御信号等の処理を不要とすることを特徴とする。
さらに、本発明では、各送信系統毎に、数式(10)、数式(15)等で示されるように、過去の送信信号に基づいて送信信号を推定する。そして、数式(10)、数式(15)等で得られた送信信号の推定結果を用いて、数式(11)、数式(16)で示される送信信号の候補の絞込みを行う。したがって、本発明の各送信系統の推定信号は、所望の送信系統の情報だけではなく、過去の送信系統の信号に当然依存している。具体的には、数式(15)では、N−1送信系統のtN−1の推定に、hat[t(l)]で示される1つ前のN系統の送信信号を用いることが示されている。つまり、hat[t(l)]]の異なるl毎に応じて個別にtN−1が求められることになる。
B.第1実施形態
次に、本発明の第1実施形態について説明する。
B−1.第1実施形態の構成
図2は、本発明の第1実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。チャネル推定回路101は、受信パケット信号S101のMIMOプリアンブル信号を用いて各送受信アンテナ間の伝達関数のチャネル推定を行う。推定チャネル行列生成回路102は、上記チャネル推定結果を用いて推定チャネル行列Hの生成を行う。QR分解回路103は、推定チャネル行列のユニタリ・三角化(QR)分解を数式(5)に示すように行う。複素共役転置演算回路104は、ユニタリ行列Qについて各行列要素の複素共役演算を行うとともに、その行列の転置演算処理を行う。
行列乗算回路105は、QR分解で得られたユニタリ行列の複素共役転置行列であるQを受信パケット信号S101に対して左側から乗算を行う。乗算結果記憶回路106は、行列乗算回路105の演算結果である列ベクトルZ=[z,z,…,zを記憶する。送信信号推定回路107は、乗算結果記憶回路106に記憶されている列ベクトルZの各要素S107から他送信系統の干渉信号S116を減算し、QR分解回路103から出力されるN行ベクトルに対応した上三角行列Rの所望の送信系統の各行列要素S108を用いて所定の除算処理を行うことで送信信号の軟判定の推定を行う。但し、最下レイヤである送信系統Nの場合には、干渉信号生成回路114からの他送信系統の干渉信号を考慮する必要はない。
送信信号生成回路108は、送信信号として送信される可能性のある送信信号S109を生成する。送信信号点距離演算回路109は、軟判定の推定結果S110と送信信号S109との信号点距離を算出する。複数送信信号候補絞込み回路110は、信号点距離の小さい方から複数の送信信号候補S112を選択する。送信信号系列記憶回路111は、この複数送信信号候補S112、各送信系統の履歴を記憶する。複数送信信号候補メトリック演算回路112は、QR分解回路103から出力される上三角行列のN行ベクトルに対応した構成要素信号S108と複数の送信信号候補S112とを乗算してレプリカ信号を生成し、乗算結果記憶回路106に記憶されているN送信系統の各要素S107からレプリカ信号を減算してN送信系統のメトリックを算出する。メトリック加算記憶回路113は、送信信号系列記憶回路111に記憶された送信信号系列S115に応じてN送信系統のメトリックS113を累積加算してN送信系統のメトリックとして記憶する。
干渉信号生成回路114は、送信信号系列記憶回路111に記憶されている送信信号系列の候補S115と、QR分解回路103から出力される上三角行列のN−1行ベクトルに対応した行列要素S108とに従って、上述したN−1より大きい送信系統のレプリカS116を生成する。最尤推定回路115は、最もメトリックが小さい推定送信系列S117を出力する。送信信号系列記憶回路111に記憶されている送信信号系列の候補S115と、これに対応した送信信号系列毎メトリック加算記憶回路113に記憶されている累積加算されたN送信系統のメトリックS114との中で最も小さい値を示す送信信号系列を最終的な送信信号系列として出力する。
B−1.第1実施形態の動作
次に、上述した第1実施形態の動作について説明する。受信信号S101はチャネル推定回路101に入力される。チャネル推定回路101では、受信信号の中でMIMOプリアンブル信号、あるいは既存システムのプリアンブル信号を利用して各送受信アンテナ間の伝搬路の歪を推定する。推定された歪S102は、推定チャネル行列生成回路102に入力され、推定チャネル行列S103として出力される。QR分解回路103では、推定チャネル行列S103に対してQR分解演算を行い、ユニタリ行列Qと上三角行列を含む行列Rへの分解を行う。ユニタリ行列S104は、複素共役転置演算回路104へ入力される。
複素共役転置演算回路104では、ユニタリ行列Qについて各行列要素の複素共役演算を行うとともに、その行列の転置演算処理を行い、ユニタリ行列の複素共役転置行列S105として出力する。行列乗算回路105では、入力された受信信号S101に対して、受信信号を列ベクトル表記とした下で左側から複素共役転置行列S105を乗算する。該乗算結果S106は、1シンボル時間に渡り乗算結果記憶回路106に記憶される。
その後、信号検出回路の信号処理動作は信号検出に移行する。まず、最下レイヤであるN送信系統の送信信号を推定する。送信信号推定回路107では、乗算結果記憶回路106に記憶された数式(8)で示されるN送信系統の要素S107に対して、QR分解回路103から出力されるN行ベクトルに対応した上三角行列の構成要素S108を用いた除算演算を行うことで、送信信号の軟判定の推定が行われ、推定信号S110として出力される。
一方、送信信号生成回路108からは、送信信号として送信される可能性のある送信信号S109が出力され、送信信号点距離演算回路109にて、推定信号S110と送信信号S109との信号点に基づいた信号点距離演算が行われる。信号点距離信号S111は、複数送信信号候補絞込み回路110に入力される。複数送信信号候補絞込み回路110では、信号点距離の小さい方から複数の送信信号候補S112を選択する。この複数送信信号候補S112は、送信信号記憶回路111に各送信系統の情報共に記憶される。
さらに、複数送信信号候補メトリック演算回路112では、まず、QR分解回路103から出力される上三角行列のN行ベクトルに対応した構成要素S108と複数の送信信号候補S112との乗算によってレプリカ信号が生成され、乗算結果記憶回路106に記憶された数式(8)で示されるN送信系統の要素S107からレプリカ信号の減算が行われ、N送信系統のメトリックS113が算出される。そして、N送信系統のメトリックS113は、送信信号系列記憶回路111に記憶された送信信号系列信号S115に応じてメトリック加算記憶回路113にN送信系統のメトリックとして記憶される。
次に、信号検出処理動作は、N−1送信系統に移行する。N−1送信系統の推定には、N−1より大きい、例えばN送信系統の干渉信号を除去する必要がある。送信信号系列記憶回路111に記憶されたN送信系統の複数の送信信号S115が干渉信号生成回路114に入力され、併せてQR分解回路103から出力される上三角行列のN−1行ベクトルに対応した構成要素S108も干渉信号生成回路114に入力される。干渉信号生成回路114では、N−1より大きい送信系統のレプリカ信号が生成される。その後は、N送信系統と同じように信号推定が行われる。N送信系統の信号処理とN−1の送信系統の信号処理との主たる差分は、干渉信号生成回路から出力されるレプリカ信号S116を用いるか否かの違いだけである。
送信信号推定回路107では、乗算結果記憶回路106に記憶された数式(8)で示されるN−1送信系統の要素S107から、干渉信号生成回路114の出力であるN送信系統に対応したレプリカS116が減算される。さらに、この減算結果に対してQR分解回路103から出力されるN−1行ベクトルに対応した上三角行列の構成要素S108が除算され、送信信号の軟判定の推定が行われ、N−1送信系統の推定信号S110として出力される。
一方、送信信号生成回路108からは、送信信号として送信される可能性のある送信信号S109が出力され、送信信号点距離演算回路109にて、推定信号S110と送信信号S109との信号点に基づいた信号点距離演算が行われる。信号点距離信号S111は、複数送信信号候補絞込み回路110に入力される。複数送信信号候補絞込み回路110では、信号点距離の小さい方から複数の送信信号候補S112が選択される。このときに、推定処理が行われている送信系統数が上がるに連れて複数の送信信号候補数を削減することも当然可能になる。この送信信号候補S111は、送信信号記憶回路111に各送信系統の情報共に記憶される。具体的には、N−1送信系統の送信信号候補として記憶される。
さらに、複数送信信号候補メトリック演算回路112では、数式(19)に示すように、干渉信号生成回路114の出力であるN送信系統に対応したレプリカS116と、QR分解回路103から出力される上三角行列のN−1行ベクトルに対応した構成要素S108と、複数の送信信号候補S112とを乗算し、次に、乗算結果記憶回路106に記憶されている、数式(8)で示されるN−1送信系統の要素S107から上記各レプリカを減算してN−1送信系統のメトリックS113が算出される。
そして、メトリック加算記憶回路113には、N−1送信系統のメトリックS113が送信信号系列記憶回路111に記憶された送信信号系列S115に応じてN−1送信系統のメトリックとして記憶される。このメトリックの記憶の際には、N送信系統のメトリックにN−1送信系統のメトリックが履歴を考慮した形で累積加算メトリックとして記憶される。このように、順次、1送信系統の送信信号を推定するまでこの処理が繰り返される。最後に送信信号系列S115と送信信号系列の累積メトリックS114とが最尤推定回路115に入力され、最もメトリックが小さい推定送信系列S117が出力される。
C.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本第2実施形態は、上述した第1実施形態に対して、QR分解の前に送信系統に応じた重み付けを行うことにより、信号検出の推定精度を向上させることを特徴としている。さらに、出力される推定送信信号系列の入れ替えを行う。
C−1.第2実施形態の構成
図3は、本発明の第2実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。なお、図2に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。推定チャネル行列重み付け回路216は、チャネル推定回路101から出力される送信系列の重み付けに用いる情報信号S218に従って、推定チャネル行列生成回路102から出力された推定チャネル行列S103に対して重み付けし、該重み付けがなされた推定チャネル行列S221としてQR分解回路103に供給する。出力信号入れ替え回路217は、上記重み付けに用いる情報信号S218に従って適切な送信信号系列の順番になるように並び替えを行う。
C−2.第2実施形態の動作
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下では、第1実施形態との差分のみについて説明する。推定チャネル行列生成回路102から出力された推定チャネル行列S103は、推定チャネル行列重み付け回路216に入力される。さらに、チャネル推定回路101から出力される送信系列の重み付けに用いる情報信号S218も入力される。推定チャネル行列重み付け回路216では、送信系統のSNR等に基づいた推定チャネル行列の列ベクトルの並び替えが行われる。重み付けされた推定チャネル行列S221は、QR分解回路103に供給される。一方、最尤推定回路115から得られた推定送信系列S217は、並び替え回路217において、送信系列の重み付けに用いる情報信号S218に基づいて適切な送信信号系列の順番に並び替えられる。その他の動作は、上述した第1実施形態と同じ動作である。
D.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本第3実施形態は、上述した第1実施形態に対して、メトリックの計算を各送信系統にて行うのではなく、推定送信信号系列が得られた時点で最後にメトリックの演算を行うことを特徴としている。
D−1.第3実施形態の構成
図4は、本発明の第3実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。なお、図2に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。本第3実施形態では、複数送信信号系列メトリック演算回路316にてメトリックS313を算出し、該メトリックS313を、直接、最尤推定回路115へ入力する。したがって、この場合、各送信系統のメトリックを累積加算するメトリック加算記憶回路113は用いられない。
D−2.第3実施形態の動作
次に、本第3実施形態において、特に、複数送信信号系列メトリック演算回路316の動作について、数式(19)を参照して説明する。数式(19)では、各送信系統のメトリックを導出しているが、これと同様の演算手法で全送信系統に渡る推定送信系列からメトリックを算出する。例えば、数式(19)の演算がN=2の2送信系統の場合であると仮定すると、本第3実施形態におけるメトリック演算になる。干渉信号生成回路104の出力信号であるN(=2)送信系統に対応したレプリカS116、および、QR分解回路103から出力される上三角行列のN−1(=1)行ベクトルに対応した構成要素S108と送信信号系列候補S115との乗算結果がN−1送信系統のレプリカ信号として算出される。次に、乗算結果記憶回路106に記憶されたN−1(=2)送信系統の要素S107から上記各レプリカ信号を減算してN−1送信系統のメトリックが算出される。これを推定送信信号系列のメトリックとして最尤推定回路115に入力し、最もメトリックの小さい送信信号系列を選択する。その他の動作は、前述した第1実施形態と同じ動作である。
E.第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本第4実施形態は、前述した第2実施形態に対して上述した第3実施形態を適用したものであり、QR分解の前に送信系統に応じた重み付けを行い、さらに、出力される推定送信信号系列の入れ替えを行う際に、メトリックの計算を各送信系統にて行うのではなく、推定送信信号系列が得られた時点で最後にメトリックの演算を行うことを特徴としている。
E−1.第4実施形態の構成
図5は、本発明の第4実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。なお、図3に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。本第4実施形態では、複数送信信号系列メトリック演算回路316にてメトリックS313を算出し、該メトリックS313を、直接、最尤推定回路115へ入力する。したがって、この場合、各送信系統のメトリックを累積加算するメトリック加算記憶回路113は用いられない。
E−2.第4実施形態の動作
次に、本第3実施形態の動作について説明する。推定チャネル行列生成回路102から出力された推定チャネル行列S103は、推定チャネル行列重み付け回路216に入力される。さらに、チャネル推定回路101から出力される送信系列の重み付けに用いる情報信号S218も推定チャネル行列重み付け回路216に入力される。推定チャネル行列重み付け回路216では、送信系統のSNR等に基づいた推定チャネル行列の列ベクトルの並び替えが行われる。重み付けがなされた推定チャネル行列S221は、QR分解回路103に入力される。
一方、干渉信号生成回路104の出力信号であるN(=2)送信系統に対応したレプリカS116、および、QR分解回路103から出力される上三角行列のN−1(=1)行ベクトルに対応した構成要素S108と送信信号系列候補S115との乗算結果がN−1送信系統のレプリカ信号として算出される。次に、乗算結果記憶回路106に記憶されたN−1(=2)送信系統の要素S107から上記各レプリカ信号を減算してN−1送信系統のメトリックが算出される。これを推定送信信号系列のメトリックとして最尤推定回路115に入力し、最もメトリックの小さい送信信号系列を選択し、推定送信系列S117として出力する。また、最尤推定回路115から得られた推定送信系列S217は、並び替え回路417において、送信系列の重み付けに用いる情報信号S218に基づいて適切な送信信号系列の順番に並び替えられる。その他の動作は、第2実施形態と同じ動作である。
F.第5実施形態
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本第5実施形態では、前述した第1実施形態に対して、受信信号S101を、マルチキャリア復調後のサブキャリア信号としたことを特徴としている。したがって、本第5実施形態では、受信信号がマルチキャリア変調信号となる。
F−1.第5実施形態の構成
図6は、本発明の第5実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。なお、図2に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。FFT回路518,518は、受信信号であるマルチキャリア変調信号S520をマルチキャリア復調し、サブキャリア信号S501としてチャネル推定回路101および行列乗算器105に供給する。
F−2.第5実施形態の動作
次に、本第5実施形態の動作について説明する。受信信号であるマルチキャリア変調信号S520は、FFT回路518,518に入力され、マルチキャリア復調が行われ、サブキャリア信号S501として出力される。このサブキャリア信号S501は、チャネル推定回路101および行列乗算回路105に入力される。その他の動作は、第1実施形態と同じ動作である。
G.第6実施形態
次に、本発明の第6実施形態について説明する。本第6実施形態では、前述した第2実施形態に対して、受信信号S101を、マルチキャリア復調後のサブキャリア信号としたことを特徴としている。したがって、本第6実施形態では、受信信号がマルチキャリア変調信号となる。
G−1.第6実施形態の構成
図7は、本発明の第6実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。なお、図3に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。FFT回路518,518は、受信信号であるマルチキャリア変調信号S520をマルチキャリア復調し、サブキャリア信号S501としてチャネル推定回路101および行列乗算器105に供給する。
G−2.第6実施形態の動作
次に、本第6実施形態の動作について説明する。受信信号であるマルチキャリア変調信号S520は、FFT回路518,518に入力され、マルチキャリア復調が行われ、サブキャリア信号S501として出力される。このサブキャリア信号S501は、チャネル推定回路101および行列乗算回路105に入力される。その他の動作は、第2実施形態と同じ動作である。
H.第7実施形態
次に、本発明の第7実施形態について説明する。本第7実施形態では、前述した第3実施形態に対して、受信信号S101を、マルチキャリア復調後のサブキャリア信号としたことを特徴としている。したがって、本第7実施形態では、受信信号がマルチキャリア変調信号となる。
H−1.第7実施形態の構成
図8は、本発明の第7実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。なお、図4に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。FFT回路518,518は、受信信号であるマルチキャリア変調信号S520をマルチキャリア復調し、サブキャリア信号S501としてチャネル推定回路101および行列乗算器105に供給する。
H−2.第7実施形態の動作
次に、本第7実施形態の動作について説明する。受信信号であるマルチキャリア変調信号S520は、FFT回路518,518に入力され、マルチキャリア復調が行われ、サブキャリア信号S501として出力される。このサブキャリア信号S501は、チャネル推定回路101および行列乗算回路105に入力される。その他の動作は、第3実施形態と同じ動作である。
I.第8実施形態
次に、本発明の第8実施形態について説明する。本第8実施形態では、前述した第4実施形態に対して、受信信号S101を、マルチキャリア復調後のサブキャリア信号としたことを特徴としている。したがって、本第8実施形態では、受信信号がマルチキャリア変調信号となる。
I−1.第8実施形態の構成
図9は、本発明の第8実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。なお、図5に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。FFT回路518,518は、受信信号であるマルチキャリア変調信号S520をマルチキャリア復調し、サブキャリア信号S501としてチャネル推定回路101および行列乗算器105に供給する。
I−2.第8実施形態の動作
次に、本第8実施形態の動作について説明する。受信信号であるマルチキャリア変調信号S520は、FFT回路518,518に入力され、マルチキャリア復調が行われ、サブキャリア信号S501として出力される。このサブキャリア信号S501は、チャネル推定回路101および行列乗算回路105に入力される。その他の動作は、第4実施形態と同じ動作である。
上述した第1ないし第8実施形態によれば、空間多重された信号を受信して信号検出を行う場合に、特に変調多値数を増加させた場合に、回路規模増加を抑え、優れた誤り率特性を実現することができる。
また、上述した第1ないし第8実施形態によれば、QR分解の演算は、チャネル推定結果に基づいて行われ、受信パケットの先頭部のみで演算が行われる。したがって、データ部に渡ってQR分解を行う必要が無く、消費電力の低減が可能となる。また、数式(16)や数式(19)等において、上三角行列Rの非ゼロの要素と推定送信信号の候補との積を干渉信号として用いる。この場合、乗算結果である干渉信号を記憶しておき、複数シンボルに渡る受信しているパケット内では、この記憶された値を参照することが可能であり、乗算回数を大幅に減らすことが可能である。
さらに、上述した第1ないし第8実施形態によれば、回路規模、あるいは消費電力の制限が厳しい無線LAN等においても誤り率特性の優れた信号検出方式の適用が可能となる。また、従来は回路規模、消費電力の点から回路規模は小さいが、誤り率特性が悪い信号検出方式を使用せざるを得なかった場合においても、誤り率特性の優れた信号検出方式の適用が可能になり、高品質の無線システムを提供可能になる効果も得られる。
さらに、上述した第1ないし第8実施形態によれば、誤り率特性が優れる特徴を利用できるため、回路規模を削減しつつ、低CNRでの通信が可能であることを意味しており、通信エリアの拡大にも貢献することができる。また、記憶回路は、各送信系統の処理ごとに書き換えが可能な回路、例えば、RAM等を用いた回路にて実現が可能である。
上述した第1ないし第8実施形態において、多値数(m)の多値信号と一般的な表現で信号が送信されることを明記したが、このm値信号には、当然、m値QAM信号、m値PSK信号、m値ASK、m値FSK信号、m値CCK(Complementary Code Keying)信号、符号多重数m個の符号で多重されたSS(Spread Spectrum)信号等、無線通信方式に適用される一般的な変調方式を適用するようにしてもよい。
また、上述した第5ないし第8実施形態で説明したように、FFT回路518(マルチキャリア復調手段)により、ガードインターバルと呼ばれる繰り返し信号区間を除去してから、マルチキャリア復調を行うようにすることで、後段での処理が各サブキャリアに対する信号処理となる。したがって、マルチキャリア変調方式のみではなく、シングルキャリア変調方式を使用する場合にも適用することが可能となる。
さらに、チャネル推定回路101としては、送信側の空間多重された信号用のチャネル推定用プリアンブル信号がどのような信号形式で送信されるかによっても複数の構成が考えられる。単純に、受信器で備えたプリアンブル信号を用いて同期検波を行い、チャネル推定結果が得られる場合、あるいは逆行列演算を行う場合等、様々な状況に対応する構成としてもよい。
また、上述した第1ないし第8実施形態では、数式(5)に示されるように、送信系統数が3多重以上の場合にも拡張が可能であり、また、受信系統の数も3つ以上の場合に拡張が可能である。また、3多重以上の構成においては、送信される送信系統に等しい数だけ受信系列を備える必要は無く、システムの要求に応じて送信系統と同じ数の場合、あるいは送信系統より少なくなる場合等に応じて様々な組み合わせが可能である。
また、上述した第1ないし第8実施形態による構成の中で、各部、各回路を常に動作させるのではなく、動作が必要な時点でのみ動作させて消費電力を低減させることも可能である。
なお、上述した第1ないし第8実施形態において、各部、各回路は、コンピュータシステム内で実行される。そして、上述した各部、各回路による一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。すなわち、各部、各回路は、CPU等の中央演算処理装置がROMやRAM等の主記憶装置に上記プログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、実現されるものであってもよい。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
本発明におけるメトリック加算を説明するための概念図である。 本発明の第1実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第5実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第6実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第7実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第8実施形態による空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。 従来の空間多重伝送を説明するためのブロック図である。 従来のMLD方式を説明するための概念図である。 従来の空間多重信号検出回路の構成を示すブロック図である。 空間多重伝送システムで使用されるパケットフォーマットの一例を示す概念図である。 空間多重伝送システムで使用される一例のパケットフォーマットの周波数−時間における2次元で示した場合の概念図である。
符号の説明
101 チャネル推定回路(チャネル推定手段)
102 推定チャネル行列生成回路(推定チャネル行列生成手段)
103 QR分解回路(QR分解手段)
104 複素共役転置演算回路(複素共役転置演算手段)
105 行列乗算回路(行列乗算手段)
106 乗算結果記憶回路(乗算結果記憶手段)
107 送信信号推定回路(送信信号推定手段)
108 送信信号生成回路(送信信号生成手段)
109 送信信号点距離演算回路(信号点距離演算手段)
110 複数送信信号候補絞込み回路(信号候補絞り込み手段)
111 送信信号系列記憶回路(信号系列加算記憶手段)
112 複数送信信号候補メトリック演算回路(信号候補メトリック演算手段)
113 メトリック加算記憶回路(メトリック加算記憶手段)
114 干渉信号生成回路(干渉信号生成手段)
115 最尤推定回路(最尤推定手段)
216 推定チャネル行列重み付け回路(重み付け手段)
217 出力信号入れ替え回路(並び替え手段)
316 複数送信信号系列メトリック演算回路(複数信号系列メトリック演算手段)
518 FFT回路(マルチキャリア復調手段)

Claims (6)

  1. 複数の受信信号が入力され、各送受信アンテナ間における伝搬路のチャネルの歪を推定するチャネル推定手段と、
    前記チャネル推定手段によって推定されたチャネルの歪を構成要素とする推定チャネル行列を生成する推定チャネル行列生成手段と、
    前記推定チャネル行列生成手段によって生成された推定チャネル行列に対してユニタリ・三角化(QR)分解演算を行うQR分解手段と、
    前記QR分解手段によって得られるユニタリ行列Qに対して複素共役転置演算であるQを行う複素共役転置演算手段と、
    前記複素共役転置演算手段による演算結果を用いて、複数の受信信号を構成要素とする受信列ベクトル信号rに対してQ×rの行列乗算演算を行う行列乗算手段と、
    前記行列乗算手段の各送信系統の演算結果を記憶する乗算結果記憶手段と、
    前記乗算結果記憶手段から得られる各送信系統の出力信号、前記QR分解手段のもう1つの出力信号である上三角行列Rの行列要素信号、および所望の送信系統以外の信号である干渉信号を用いて、所望の各送信系統の送信信号を推定する送信信号推定手段と、
    送信器から送信される可能性のある信号を生成する送信信号生成手段と、
    前記送信信号推定手段によって推定された推定送信信号と前記送信信号生成手段によって生成された送信信号との信号点距離を算出する信号点距離演算手段と、
    前記信号点距離演算手段によって算出された信号点距離のうち、信号点距離が最も小さい方から所定の数だけ順に各送信系統の複数の推定送信信号を候補として選択する信号候補絞り込み手段と、
    前記信号候補絞り込み手段によって選択された各送信系統の複数の推定送信信号とその各送信系統の情報とを併せて各推定送信信号系列として記憶する信号系列加算記憶手段と、
    前記信号候補絞込み手段によって選択された各送信系統の複数の推定送信信号、前記乗算結果記憶手段に記憶されている各送信系統の出力信号、前記QR分解手段のもう1つの出力信号である上三角行列Rの行列要素信号、および所望の送信系統以外の信号である干渉信号を用いて、各送信系統の複数の推定送信信号におけるそれぞれのメトリックを算出する信号候補メトリック演算手段と、
    前記信号系列記憶手段に記憶されている各送信系統の複数の推定送信信号に応じて、前記信号候補メトリック演算手段で算出された各メトリックを加算記憶するメトリック加算記憶手段と、
    前記信号系列加算記憶手段に記憶されている各送信系統の推定送信信号と前記QR分解手段のもう1つの出力信号である上三角行列Rの行列要素信号とに基づいて、前記所望の送信系統以外の信号である干渉信号を生成する干渉信号生成手段と、
    前記信号系列加算記憶手段に記憶されている各推定送信信号系列と前記メトリック加算記憶手段から出力される前記推定送信信号系列に対応した既に加算されたメトリック信号との中で最も小さいメトリックを示す信号系列を最終的に推定された送信信号系列として出力する最尤推定手段と
    を具備することを特徴とする空間多重信号検出回路。
  2. 前記チャネル推定手段は、さらに、推定チャネル行列の重み付け情報信号を生成し、
    前記チャネル推定手段から別途出力される重み付け情報信号を用いて、前記推定チャネル行列生成手段によって生成された推定チャネル行列の送信系統に応じた重み付けを行う重み付け手段と、
    前記チャネル推定手段から別途出力される重み付け情報信号を用いて、前記最尤推定手段から出力される送信信号系列の並び替えを行う並び替え手段と
    を具備することを特徴とする請求項1記載の空間多重信号検出回路。
  3. 前記複数の受信信号に対してマルチキャリア復調を行い、サブキャリア信号を出力するマルチキャリア復調手段を備え、
    前記サブキャリア信号を前記チャネル推定手段と前記行列乗算手段との入力信号とすることを特徴とする請求項1または2記載の空間多重信号検出回路。
  4. 複数の受信信号が入力され、各送受信アンテナ間における伝搬路のチャネルの歪を推定するチャネル推定手段と、
    前記チャネル推定手段によって推定されたチャネルの歪を構成要素とする推定チャネル行列を生成する推定チャネル行列生成手段と、
    前記推定チャネル行列生成手段によって生成された推定チャネル行列に対してユニタリ・三角化(QR)分解演算を行うQR分解手段と、
    前記QR分解手段によって得られるユニタリ行列Qに対して複素共役転置演算であるQを行う複素共役転置演算手段と、
    前記複素共役転置演算手段による演算結果を用いて、複数の受信信号を構成要素とする受信列ベクトル信号rに対してQ×rの行列乗算演算を行う行列乗算手段と、
    前記行列乗算手段の各送信系統の演算結果を記憶する乗算結果記憶手段と、
    前記乗算結果記憶手段から得られる各送信系統の出力信号、前記QR分解手段のもう1つの出力信号である上三角行列Rの行列要素信号、および所望の送信系統以外の信号である干渉信号を用いて、所望の各送信系統の送信信号を推定する送信信号推定手段と、
    送信器から送信される可能性のある信号を生成する送信信号生成手段と、
    前記送信信号推定手段によって推定された推定送信信号と前記送信信号生成手段によって生成された送信信号との信号点距離を演算する信号点距離演算手段と、
    前記信号点距離演算手段によって算出された信号点距離のうち、信号点距離が最も小さい方から所定の数だけ順に各送信系統の複数の推定送信信号を候補として選択する信号候補絞り込み手段と、
    前記信号候補絞り込み手段によって選択された各送信系統の複数の推定送信信号とその各送信系統の情報とを併せて各推定送信信号系列として記憶する信号系列加算記憶手段と、
    前記信号系列加算記憶手段に記憶されている複数の推定送信信号系列、前記乗算結果記憶手段に記憶されている各送信系統の出力信号、前記QR分解手段のもう1つの出力信号である上三角行列Rの行列要素信号、および所望の送信系統以外の信号である干渉信号を用いて、複数の推定送信信号系列におけるそれぞれのメトリックを算出する複数信号系列メトリック演算手段と、
    前記信号系列加算記憶手段に記憶されている各送信系統の推定送信信号と前記QR分解手段のもう1つの出力信号である上三角行列Rの行列要素信号とに基づいて、前記所望の送信系統以外の信号である干渉信号を生成する干渉信号生成手段と、
    前記信号系列加算記憶手段に記憶されている各推定送信信号系列と前記複数信号系列メトリック演算手段から出力される前記推定送信信号系列に対応した既に加算されたメトリック信号との中で最も小さいメトリックを示す信号系列を最終的に推定された送信信号系列として出力する最尤推定手段と
    を具備することを特徴とする空間多重信号検出回路。
  5. 前記チャネル推定手段は、さらに、推定チャネル行列の重み付け情報信号を生成し、
    前記チャネル推定手段から別途出力される重み付け情報信号を用いて、前記推定チャネル行列生成手段によって生成された推定チャネル行列の送信系統に応じた重み付けを行う重み付け手段と、
    前記チャネル推定手段から別途出力される重み付け情報信号を用いて、前記最尤推定手段から出力される送信信号系列の並び替えを行う並び替え手段と
    を具備することを特徴とする請求項4記載の空間多重信号検出回路。
  6. 前記複数の受信信号に対してマルチキャリア復調を行い、サブキャリア信号を出力するマルチキャリア復調手段を備え、
    前記サブキャリア信号を前記チャネル推定手段と前記行列乗算手段との入力信号とすることを特徴とする請求項4または5記載の空間多重信号検出回路。


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