JP2006213102A - ウエビング巻取装置 - Google Patents

ウエビング巻取装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006213102A
JP2006213102A JP2005025598A JP2005025598A JP2006213102A JP 2006213102 A JP2006213102 A JP 2006213102A JP 2005025598 A JP2005025598 A JP 2005025598A JP 2005025598 A JP2005025598 A JP 2005025598A JP 2006213102 A JP2006213102 A JP 2006213102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spool
wire
rotating body
insertion hole
webbing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005025598A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Tatsuma
篤 立間
Seiji Hori
誠司 堀
Katsumi Yagi
克美 八木
Kenichi Aoki
健一 青木
Shinji Mori
信二 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Rika Co Ltd filed Critical Tokai Rika Co Ltd
Priority to JP2005025598A priority Critical patent/JP2006213102A/ja
Publication of JP2006213102A publication Critical patent/JP2006213102A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Abstract

【課題】 ワイヤやワイヤを保持する部材をロックベースのスプールとは反対側に突出させることなく、ロックベースのスプールとは反対側でウエビングベルトの他の部品をロックベースに近接配置できるウエビング巻取装置を得る。
【解決手段】 本ウエビング巻取装置10では、挿入孔204内でワイヤ196の棒状部202に形成された雄ねじに螺合したフランジ状のストッパ208が、挿入孔204の底部である規制壁210の当接面212に当接することで、スプール24側への変位が規制され、これにより、棒状部202が挿入孔204から抜け出ることが防止される。ここで、ストッパ208及び棒状部202の先端は挿入孔204からスプール24とは反対側へ突出しない。このため、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面の近傍に、ウエビング巻取装置10の他の部材を近接配置しても、この他の部材がストッパ208や棒状部202に干渉されない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、長尺帯状のウエビングベルトにより車両乗員の身体を拘束するためのシートベルト装置を構成するウエビング巻取装置に関する。
車両の座席に対応して設けられたシートベルト装置は、座席に着座した乗員の身体を拘束する長尺帯状のウエビングベルトをスプールに巻き取って収納するウエビング巻取装置を備えている。この種のウエビング巻取装置には、例えば、車両急減速状態でウエビングベルトが引き出される際のスプールの回転(以下、この回転方向を、便宜上、引出方向」と称する)を規制するロック機構が設けられており、ロック機構がスプールの引出方向への回転を規制することで、ウエビングベルトのスプールに巻き取られた部分の引き出しが規制される。
これによって、車両急減速状態に略車両前方側へ慣性移動しようとする乗員の身体がウエビングベルトを引っ張っても、ウエビングベルトの引き出されることがなく、略車両前方側への乗員の身体の移動がウエビングベルトにより規制される。
また、この種のウエビング巻取装置には、ロック機構によって引出方向への回転が規制されるロックベースをスプールに対して同軸的に相対回転可能に設け、スプールの軸心部分に設けられた棒状のトーションシャフトの一端をスプールに一体に連結して他端をロックベースに一体に連結したフォースリミッタ機構を備えたタイプがある。
このようなフォースリミッタ機構を備えたウエビング巻取装置は、ロック機構によってロックベースの引出方向への回転が規制された状態で、一定の大きさ以上の引っ張り力でウエビングベルトが引っ張られると、トーションシャフトが捩じり変形させられて、この捩じり量だけスプールの引出方向への回転、ひいては、ウエビングベルトの引き出しが許容される。
このように、ロック機構の作動状態であっても、スプールからのウエビングベルトの引き出しが許容されることで、乗員がウエビングベルトから受ける負荷を軽減させることができる。
さらに、上記のフォースリミッタ機構には、上記のトーションシャフトとは別にワイヤを備えた構成もあり、その一例が下記特許文献1に開示されている。
この種のフォースリミッタ機構を備えたウエビング巻取装置はスプールのロックベース側の端部に、スプールの軸心周りに湾曲した溝が形成されている。また、スプールにはその軸心に対して平行な孔が形成されており、この孔は上記の溝の底部で開口している。ワイヤは長手方向基端側が孔に収容される。
ワイヤの長手方向中間部は孔の開口端から突出した部分で溝に沿って引出方向とは反対の巻取方向に湾曲した状態で溝に収容され、更に、ワイヤの先端はロックベースを貫通する貫通孔を貫通した状態で、この貫通孔から抜け止めされている。
上記のように、ロックベースがロック機構によって回転規制された状態でスプールが引出方向に回転することで、ワイヤの基端側がスプールの孔から引き出される。ワイヤはスプールの孔から引き出される際に、スプールの孔の開口縁にしごかれつつ溝に沿って変形しながら、スプールの孔よりも巻取方向側で溝に収容される。
このワイヤが変形する際に要する荷重が上記のトーションシャフトの捩じり変形に要する荷重に重畳される。したがって、ロック機構によってロックベースの回転が規制された状態で、スプールを引出方向に回転させるには、トーションシャフトとワイヤの双方を変形させるだけの回転力、すなわち、ウエビングベルトに対する引っ張り力が必要になる。
また、スプールの捩じり変形の途中で、ワイヤの長手方向基端側の全てがスプールの孔から抜け出ると、ワイヤの変形が生じなくなる。したがって、それ以降はトーションシャフトの捩じり変形に要する荷重(回転力)だけでスプールが引出方向に回転できる。これにより、この状態では、更に、乗員がウエビングベルトから受ける負荷を軽減できる。
特開2003−146183
ところで、上記のようなワイヤを有するフォースリミッタ機構は、ワイヤの先端側(ロックベース側)をロックベースに形成された孔から確実に抜け止めするため、ロックベースに形成された孔よりもスプールとは反対側へワイヤの先端を突出させ、この突出部分の外周部を保持部材で保持している。
しかしながら、このようにワイヤの先端側をロックベースのスプールとは反対側へ突出させることで、ロックベースのスプールとは反対側に配置されるウエビング巻取装置の他の部品にワイヤの先端等が干渉しないように、このようなウエビング巻取装置の他の部品をロックベースから離間して配置しなくてはならない。このため、ウエビング巻取装置の小型化が難しくなる。
本発明は、上記事実を考慮して、ワイヤやワイヤを保持する部材をロックベースのスプールとは反対側に突出させることなく、ロックベースのスプールとは反対側でウエビングベルトの他の部品をロックベースに近接配置できるウエビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端側が係止され、自らの軸周り一方の巻取方向への回転で前記ウエビングベルトを基端側から外周部に巻き取るスプールと、前記スプールの軸方向一端部の側方で当該一端部に隣接した状態で前記スプールに一体的に連結されると共に、自らが回転規制された状態で、一定の大きさ以上の前記巻取方向とは反対の引出方向への回転力が前記スプールに付与されることで前記スプールが前記引出方向に回転可能な回転体と、前記回転体に直接又は間接的に係合して、前記巻取方向とは反対の引出方向への回転を規制するロック機構と、前記スプールの軸方向端部及び前記スプール側の前記回転体の端面の少なくとも何れか一方に形成されて何れか他方へ向けて開口し且つ長手方向が前記スプールの軸方向に対して傾斜したガイド溝に長手方向中間部が収容され、前記回転体に対して前記スプールが前記巻取方向に変位した際に前記スプール又は前記回転体に対して相対回転しつつ前記ガイド溝内で移動することで前記スプール又は前記回転体によって変形させられるワイヤと、前記回転体の前記スプールとは反対側の端面よりも前記スプール側に設けられ、前記ワイヤの先端を前記回転体及び前記スプールの何れか一方と共に何れか他方に対して相対回転可能に前記ワイヤの先端側を保持する保持手段と、を備えている。
請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置によれば、ウエビングベルトをその先端側へ引っ張ると、スプールがその軸周りに引出方向に回転してスプールに巻き取られているウエビングベルトが引き出される。このようにして引き出されたウエビングベルトを、乗員が身体に装着することで、乗員の身体がウエビングベルトにより拘束される。
このようなウエビングベルトの装着状態で、例えば、車両急減速状態になり、乗員の身体が略車両前方側へ慣性移動しようとすると、乗員の身体に装着されているウエビングベルトが乗員の身体により引っ張られ、スプールには引出方向への回転力が付与される。
この状態で、スプールに一体的に連結されている回転体がロック機構によりロックされて引出方向への回転体の回転が規制されると、スプールの引出方向への回転が規制され、これにより、ウエビングベルトの引き出しが規制される。このように、ウエビングベルトの引き出しが規制されることで、乗員の身体がウエビングベルトによって確実に保持され、車両急減速状態における略車両前方側への乗員の身体の慣性移動が規制される。
また、上記のような略車両前方側へ慣性移動しようとする乗員の身体によりウエビングベルトに付与された引っ張り力が一定の大きさを越え、これに基づくスプールの引出方向への回転力が一定の大きさを越えると、ロック機構によって引出方向への回転が規制されている回転体に対して、スプールが引出方向に回転する。
ここで、スプールの軸方向一端部又は回転体のスプール側の端面には、スプールの軸方向に対して直交する方向(スプールの回転周方向を含む)に長手のガイド溝が形成されており、このガイド溝にはワイヤの長手方向中間部が収容されている。このワイヤの先端部は、保持手段によってスプール及び回転体の何れか一方と共に何れか他方に対して相対回転可能に保持されるため、上記のようにスプールが回転体に対して引出方向に回転すると、ワイヤに対してスプール及び回転体の何れか他方が相対回転する。
このように、ワイヤに対してスプール及び回転体の何れか他方が相対回転すると、ワイヤはスプール及び回転体の何れか他方により変形させられる。このようなワイヤの変形に供される荷重は所謂「フォースリミッタ荷重」となり、上記のように引出方向に回転するスプールの抵抗、ひいては、略車両前方側への慣性移動でウエビングベルトを引き出そうとする乗員に身体に対して、ウエビングベルトが付与する荷重となる。
ここで、本発明に係るウエビング巻取装置では、保持手段は回転体のスプールとは反対側の端面よりもスプール側に設けられてワイヤの先端を保持している。これにより、回転体のスプールとは反対側の端面よりもスプールとは反対側へのワイヤの先端や保持手段の突出を防止又は抑制できる。このため、回転体のスプールとは反対側でウエビング巻取装置を構成する他の部材にワイヤや保持部材が干渉することなく、上記の他の部材を回転体に近接配置できる。
請求項2に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1に記載の本発明において、前記ガイド溝の長手方向に対して傾斜した前記ワイヤの先端側に設けられ、前記ワイヤの先端側での前記ワイヤの長手方向に対し交差する少なくとも1方向に沿った長さが、当該1方向に沿った前記ワイヤの先端よりも基端側における寸法よりも大きなフランジと、前記フランジが挿入可能に前記スプール及び前記回転体の何れか一方に形成された挿入孔の内側に設けられ、前記ワイヤの先端側での長手方向に沿って前記ワイヤの基端側から前記フランジに当接し、前記挿入孔から前記スプール及び前記回転体の何れか他方の側へ抜け出る方向へのフランジの移動を規制する当接面を有する規制手段と、を含めて前記保持手段を構成し、且つ、前記スプールとは反対側の前記回転体の端面よりも前記スプール側に前記挿入孔内の前記フランジが位置する、ことを特徴としている。
請求項2に記載の本発明に係るウエビング巻取装置によれば、ワイヤの先端側はガイド溝の長手方向に対して傾斜して設けられ、更に、その先端部にはフランジが形成される。フランジは、ワイヤの先端側でのワイヤの長手方向に対し交差する少なくとも1方向に沿った長さが、この1方向に沿ったワイヤの先端よりも基端側における寸法よりも大きい。
このフランジが形成されたワイヤの先端側は、スプール及び回転体の何れか一方に形成された挿入孔に挿入される。
挿入孔の内側には当接面を有する規制手段が設けられており、ワイヤの先端が挿入孔からスプール及び回転体の何れか他方の側へ抜け出ようとすると、フランジよりもワイヤの基端側でフランジに対向する当接面がフランジに当接する。このように規制手段の当接面がフランジに当接することで、ワイヤの基端側へのフランジの移動が規制されて、挿入孔から抜け出る方向へのワイヤの先端側の移動が規制される。
このため、回転体に対してスプールが引出方向に回転すると、スプール及び回転体の何れか一方と共にワイヤが何れか他方に対して相対回転し、このようにして生じた相対回転により、何れか他方がワイヤを変形させる。
ここで、挿入孔内でフランジは回転体のスプールとは反対側の端面よりもスプール側に位置している。このため、回転体のスプールとは反対側の端面に対してウエビング巻取装置の他の部材を近接配置しても、フランジがこの他の部材に干渉することがない。
請求項3に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項2に記載の本発明において、前記スプール及び前記回転体のうち、前記挿入孔が形成されていない方の側から前記フランジが挿入可能に開口していると共に、内側へ挿入された前記フランジが前記当接面と対向する位置へ向けて前記挿入孔内に移動可能に連通したガイド孔を、前記スプール及び前記回転体のうち前記挿入孔が形成されている方に形成した、ことを特徴としている。
請求項3に記載の本発明に係るウエビング巻取装置によれば、スプール及び回転体のうち、挿入孔が形成されている方にはガイド孔が形成されている。ガイド孔には、スプール及び回転体のうち、挿入孔が形成されていない方の側からワイヤのフランジが挿入される。
さらに、ガイド孔は挿入孔に連通しており、ガイド孔に挿入されたフランジを挿入孔側に移動させると、フランジが挿入孔内で規制手段の当接面に対向する。
これにより、挿入孔からワイヤが抜け出ようとすると、フランジに当接面が当接してワイヤの移動が規制される。
また、上記のように、ガイド孔から挿入孔へフランジが移動することでフランジが当接面に対向配置される。このため、規制手段が予め挿入孔内に設けられていても、挿入孔にフランジが入り込むにあたり規制手段がフランジの障害にならない。このため、挿入孔内に規制手段を予め一体に形成しておくことができる。
請求項4に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1に記載の本発明において、前記スプール及び前記回転体の回転軸線方向に沿って前記ガイド溝に対して変位した位置で、前記スプール及び前記回転体のうち、前記回転体に対する前記スプールの前記引出方向へ回転状態で前記ワイヤを変形させない方に孔部を形成し、前記ガイド溝の長手方向に対して少なくとも前記回転体の回転軸線に対して平行に屈曲された前記ワイヤの屈曲部分よりも先端側を、前記回転体の前記スプールとは反対側の面よりも前記スプール側で前記孔部に収容し、さらに、前記回転体の前記スプールとは反対側の面よりも前記スプール側で前記孔部に設けられ、前記回転体に対する前記スプールの前記引出方向へ回転時に、前記屈曲部分よりも先端側の前記ワイヤの外周部に対して前記スプールの周方向に沿って干渉し、前記屈曲部分よりも前記ワイヤの先端側の前記孔部から前記何れか他方の側へ抜け出る方向への移動を、前記干渉での前記ワイヤとの摩擦で制限する干渉手段を含めて前記保持手段を構成した、ことを特徴としている。
請求項4に記載の本発明に係るウエビング巻取装置によれば、ワイヤの先端側は、ガイド溝の長手方向に対して回転体の回転軸線に対して平行か又はそれ以上に屈曲される(すなわち、少なくとも回転体の回転軸線に対して平行に屈曲される)。
一方、スプール及び回転体のうち、回転体に対してスプールが引出方向に回転した際にワイヤを変形させない方には孔部が形成される。孔部はスプール及び回転体の回転軸線方向に沿ってガイド溝から変位した位置に形成され、ワイヤの屈曲部分よりも先端側は孔部に収容される。
回転体に対してスプールが引出方向に回転すると、上記の孔部からワイヤが抜け出ようとする、上記のように、孔部に収容されたワイヤの先端側は少なくとも回転体の回転軸線に対して平行に屈曲されており、このように屈曲された部分が孔部から抜け出ようとすると、干渉手段がスプールの周方向に沿ってワイヤの屈曲部分よりも先端側に干渉する。
この干渉状態で尚もワイヤが孔部から抜け出ようとすると、干渉手段とワイヤとの間で摩擦が生じ、この摩擦により孔部から抜け出ようとするワイヤの先端側の移動に対する抵抗になる。これにより、ワイヤの先端が孔部から抜け出ることが防止又は効果的に抑制される。
このため、回転体に対してスプールが引出方向に回転すると、スプール及び回転体のうち、孔部が形成された方と共に孔部が形成されていない方に対してワイヤが相対回転し、このようにして生じた相対回転により、孔部が形成されていない方によってワイヤが変形させられる。
ここで、ワイヤの先端側は回転体のスプールとは反対側の面よりもスプール側で孔部に収容され、更に、干渉手段は回転体のスプールとは反対側の面よりもスプール側で孔部に設けられる。このため、回転体のスプールとは反対側の端面に対してウエビング巻取装置の他の部材を近接配置しても、ワイヤや干渉手段がこの他の部材に干渉することがない。
請求項5に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1に記載の本発明において、前記回転体の前記スプールとは反対側の面よりも前記スプール側に設けられて前記ワイヤの先端を保持する保持部材と、前記スプール及び前記回転体のうち、前記回転体に対する前記スプールの前記引出方向への回転状態で前記ワイヤを変形させない方に形成され、前記スプールの周方向に沿った前記保持部材の変位を規制する規制部と、を含めて前記保持手段を構成した、ことを特徴としている。
請求項5に記載の本発明に係るウエビング巻取装置では、保持部材によってワイヤの先端が保持される。回転体に対してスプールが引出方向に回転しようとすると、スプール及び回転体のうち、前記回転によりワイヤを変形させない方に形成された規制部によりスプールの周方向に沿った保持部材の変位が規制される。
このため、スプール及び回転体のうち、前記回転によりワイヤを変形させる方に対して保持部材、ひいてはワイヤが相対回転し、この相対回転が生じることで前記ワイヤを変形させる方によりワイヤが変形させられる。
ここで、保持部材は、回転体のスプールとは反対側の面よりもスプール側に設けられる。このため、回転体のスプールとは反対側の端面に対してウエビング巻取装置の他の部材を近接配置しても、保持部材や保持部材に保持されるワイヤの先端側がこの他の部材に干渉することがない。
請求項6に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の本発明において、前記保持手段を前記スプールに設け、前記スプールと共に回転可能に前記ワイヤの先端側を前記保持手段が保持し、前記回転体に対する前記引出方向への前記スプールの回転で前記回転体が前記ワイヤを変形させる、ことを特徴としている。
請求項6に記載の本発明に係るウエビング巻取装置では、保持手段がスプールに設けられ、スプールが回転体に対して引出方向に回転すると、ワイヤがスプールに伴われて引出方向に回転する。このように、スプールと共にワイヤが引出方向に回転すると、回転体によってワイヤが変形させられる。
このように、保持手段がスプールに設けられることで、保持手段は回転体よりもスプール側に位置することになる。したがって、保持手段や保持手段に保持されたワイヤの先端側が、回転体のスプールとは反対側の端面よりもスプールとは反対側に突出することがない。
このため、回転体のスプールとは反対側の端面に対してウエビング巻取装置の他の部材を近接配置しても、保持手段や保持手段に保持されるワイヤの先端側がこの他の部材に干渉することがない。
請求項7に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端側が係止され、自らの軸周り一方の巻取方向への回転で前記ウエビングベルトを基端側から外周部に巻き取ると共に、軸方向一端部にて開口したスプール側挿通孔が形成されたスプールと、前記スプールの軸方向一端部の側方で当該一端部に隣接した状態で前記スプールに一体的に連結されると共に、自らが回転規制された状態で、一定の大きさ以上の前記巻取方向とは反対の引出方向への回転力が前記スプールに付与されることで前記スプールが前記引出方向に回転可能な回転体と、前記回転体に直接又は間接的に係合して、前記巻取方向とは反対の引出方向への回転を規制するロック機構と、前記スプール及び前記回転体の少なくとも何れか一方に形成されて、前記スプール側挿通孔の開口端に連通すると共に、長手方向がスプール側挿通孔の開口方向に対して傾斜し、前記スプールが前記回転体に対して前記引出方向に回転する前の状態で少なくとも一部が前記スプール側挿通孔の開口端よりも前記巻取方向側に位置するガイド溝に、長手方向中間部が収容されると共に、長手方向基端側が中間部に対して屈曲して前記スプール側挿通孔に挿通されたワイヤと、前記スプール側挿通孔の開口端よりも前記引出方向側で且つ前記スプールとは反対側の前記回転体の端面よりも前記スプール側で前記回転体に設けられ、前記回転体に対して前記スプールが前記引出方向に回転した状態で、前記ワイヤの先端側に対して前記引出方向側から当接し、前記引出方向への前記ワイヤの先端側の変位を制限する制限手段と、を備えている。
請求項7に記載の本発明に係るウエビング巻取装置によれば、ウエビングベルトをその先端側へ引っ張ると、スプールがその軸周りに引出方向に回転してスプールに巻き取られているウエビングベルトが引き出される。このようにして引き出されたウエビングベルトを、乗員が身体に装着することで、乗員の身体がウエビングベルトにより拘束される。
このようなウエビングベルトの装着状態で、例えば、車両急減速状態になり、乗員の身体が略車両前方側へ慣性移動しようとすると、乗員の身体に装着されているウエビングベルトが乗員の身体により引っ張られ、スプールには引出方向への回転力が付与される。
この状態で、スプールに一体的に連結されている回転体がロック機構によりロックされて引出方向への回転体の回転が規制されると、スプールの引出方向への回転が規制され、これにより、ウエビングベルトの引き出しが規制される。このように、ウエビングベルトの引き出しが規制されることで、乗員の身体がウエビングベルトによって確実に保持され、車両急減速状態における略車両前方側への乗員の身体の慣性移動が規制される。
また、上記のような略車両前方側へ慣性移動しようとする乗員の身体によりウエビングベルトに付与された引っ張り力が一定の大きさを越え、これに基づくスプールの引出方向への回転力が一定の大きさを越えると、ロック機構によって引出方向への回転が規制されている回転体に対して、スプールが引出方向に回転する。
ここで、スプールにはその軸方向一端部にて開口したスプール側挿通孔が形成されており、ワイヤの長手方向基端側が挿通される。スプール側挿通孔にはスプールの軸方向一端部及びスプール側の回転体の端部に形成されたガイド溝が連通しており、ワイヤの長手方向中間部は屈曲されてスプール側挿通孔の開口端よりも引出方向でガイド溝に収容される。
上記のように、回転体に対してスプールが引出方向に回転するとスプール側挿通孔に基端側が挿通されたワイヤもスプールと共に引出方向に回転しようとする。しかしながら、ワイヤの長手方向先端側は回転体に設けられた制限手段に引出方向側から干渉され、これによって、引出方向への変位が制限される。先端側が引出方向へ変位できないワイヤの長手方向中間部は、スプールの引出方向の回転に伴いスプールに対して巻取方向側へ変位しようとする。
但し、ワイヤの基端側はスプール側挿通孔に挿通されているため、ワイヤの長手方向中間部は巻取方向側へ変位するにつれて、スプール側挿通孔の開口端と対向した部分から変形させられてスプール側挿通孔に押し込まれる。
このように、ワイヤがスプール側挿通孔に押し込まれるにあたってワイヤの変形に供される荷重は所謂「フォースリミッタ荷重」となり、上記のように引出方向に回転するスプールの抵抗、ひいては、略車両前方側への慣性移動でウエビングベルトを引き出そうとする乗員に身体に対して、ウエビングベルトが付与する荷重となる。
ここで、本発明に係るウエビング巻取装置では、制限手段がスプールとは反対側の回転体の端面よりもスプール側で前記回転体に設けられてワイヤの先端側に干渉する。したがって、スプールとは反対側の回転体の端面よりもスプールとは反対側に制限手段やワイヤの先端側が突出しない。このため、回転体のスプールとは反対側でウエビング巻取装置を構成する他の部材にワイヤや保持部材が干渉することなく、上記の他の部材を回転体に近接配置できる。
以上説明したように、本発明に係るウエビング巻取装置では、ワイヤやワイヤを保持する部材をロックベースのスプールとは反対側に突出させることなく、ロックベースのスプールとは反対側でウエビングベルトの他の部品をロックベースに近接配置できる。
<第1の実施の形態の構成>
(ウエビング巻取装置10の全体構成)
先ず、本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置10の全体的な構成について説明する。
図3には、本ウエビング巻取装置10の全体的な構成の概略が分解斜視図により示されている。この図に示されるように、ウエビング巻取装置10はフレーム12を備えている。
フレーム12は、例えば、略車両左右方向に沿って厚さ方向とされた板状の背板14を備えており、背板14がボルト等の締結手段により、例えば、センターピラーの下端部近傍にて車体に固定されることで、本ウエビング巻取装置10が車体に取り付けられる構造になっている。
略車両前後方向に沿った背板14の幅方向一端からは、脚板16が車幅方向(略車両左右方向)内方側へ向けて屈曲形成されている。また、背板14の幅方向他端からは、脚板18が脚板16と同方向に屈曲形成されている。
脚板16と脚板18との間には、スプール24が設けられている。スプール24は、脚板16と脚板18との対向方向に沿って軸方向の略円筒形状に形成されている。スプール24には挿通孔26が形成されている。
挿通孔26は、両端がスプール24の外周部にて開口しており、その開口形状はスプール24の軸方向に沿って長手のスリット状とされている。挿通孔26は、スプール24の軸心部分を貫通する貫通孔28を回避するように形成されており、挿通孔26の一方の開口端からは長尺帯状のウエビングベルト30の長手方向基端側が挿通される。
ウエビングベルト30の長手方向基端部には、幅方向に貫通した筒状部32が形成されており、挿通孔26を通過した筒状部32の内側には抜け止めシャフト34が配置されることでウエビングベルト30をその先端側へ引っ張った際にウエビングベルト30の基端側が挿通孔26から抜け出ることを防止している。
このように挿通孔26からの抜け止めがなされたウエビングベルト30は、スプール24が自らの軸周り方向一方の巻取方向に回転することでスプール24の外周部に基端側から層状に巻き取られて収納される。
一方、貫通孔28の内側には、スプール24の軸方向に沿って長手方向とされた棒状のトーションシャフト36が配置されている。トーションシャフト36は、脚板18側でスプール24の内側に軸周り方向の周り止めされた状態でスプール24に連結されている。さらに、トーションシャフト36の脚板18側の端部は、脚板18を貫通してフレーム12の外方へ突出している。
脚板18の外側にはスプリングカバー38が配置されている。スプリングカバー38は、脚板18側へ向けて開口した箱状で、ねじ等の締結手段やスプリングカバー38又は脚板18に形成された嵌合爪等の嵌合により、スプリングカバー38が脚板18に固定されている。
スプリングカバー38の内側には渦巻きばね40が収容されている。渦巻きばね40は、渦巻き方向内側端が渦巻き方向外側端に対して上記の巻取方向とは反対の引出方向に回転変位することで付勢力が漸次増加する構造のばねで、その渦巻き方向外側端は渦巻きばね40よりもスプリングカバー38の開口側に設けられたスプリングシート42に係止されている。
スプリングシート42はスプリングカバー38に固定されており、渦巻きばね40の渦巻き方向外側端は、スプリングシート42及びスプリングカバー38を介して脚板18(フレーム12)に連結されている。また、渦巻きばね40の渦巻き方向内側端の近傍にはアダプタ44が設けられている。
アダプタ44の外周一部には渦巻きばね40の渦巻き方向内側端が固定されている。さらに、アダプタ44の軸心部分にはスプリングシート42を貫通したトーションシャフト36の脚板18側の端部が嵌合固定されている。
一方、脚板16の外側にはプリテンショナ50が設けられている。プリテンショナ50はシリンダ52を備えている。
本実施の形態において、シリンダ52は、例えば、金属のパイプの軸方向中間部に設定された屈曲部54にて、内部の連通を維持したまま適宜に断面形状が変形するように塑性変形させつつ、適宜に屈曲させることで形成されている。屈曲部54よりも軸方向一方の側は装着部56とされている。装着部56の開口端にはガスジェネレータ58が装着されている。
ガスジェネレータ58は、図示しない加速度センサに電気的又は機械的に接続されており、車両が急減速状態になった場合の加速度(減速度)を加速度センサが検出した際にはガスジェネレータ58の内部に設けられたガス発生剤が着火される。これにより、ガス発生剤は極短時間で燃焼されて瞬間的にガスを発生させる。
屈曲部54の装着部56とは反対側はシリンダ本体60とされている。上記のように屈曲部54は塑性変形させられて屈曲されるものの内部の連通は確保されているため、装着部56に装着されたガスジェネレータ58にて発生したガスはシリンダ本体60の底部側に供給される。また、シリンダ本体60の内側にはピストン62が設けられている。
ピストン62は、外径寸法がシリンダ本体60の内径寸法に略等しい(厳密には僅かに小さい)円板状に形成されている。シリンダ本体60の底部側を向くピストン62の端面には、円柱状の保持部64がピストン62に対して同軸的且つ一体的に形成されている。保持部64は、外径寸法がピストン62よりも小径とされており、その外周部には封止部材66が嵌め込まれている。
封止部材66は、環状に形成されていると共に弾性を有しており、ピストン62をシリンダ本体60の内側に配置した状態で保持部64の外周部とシリンダ本体60の内周部の双方に弾性的に圧接し、保持部64とシリンダ本体60との間を封止している。このため、ガスがシリンダ本体60内に供給されてシリンダ本体60の内圧が上昇すると、ピストン62がシリンダ本体60の上端側へ向けて摺動する。
ピストン62の保持部64とは反対側(すなわち、シリンダ本体60の開口端側)にはスライド部材としてのラックバー68が形成されている。ラックバー68はシリンダ本体60の開口方向に沿って長手の角棒状とされており、その幅方向一端には複数のラック歯がラックバー68の長手方向に沿って一定間隔毎に形成されている。
また、シリンダ本体60の開口端近傍の脚板16側には、支持部材としてのギヤケース70が設けられており、シリンダ本体60を介してギヤケース70とは反対側にはカバープレート72が設けられている。
カバープレート72は、シリンダ本体60から突出したラックバー68をシリンダ本体60の脚板16とは反対側から被覆可能な箱形状に形成されており、少なくともシリンダ本体60の開口端から突出したラックバー68に対して干渉しない形状に形成されている。また、カバープレート72の外周部には複数の締結片74が形成されており、これらの締結片74がねじ76によって脚板16に締結固定されることで、カバープレート72がフレーム12に固定される構造になっている。
さらに、カバープレート72には、シリンダ本体60の開口端やその近傍部分が嵌め込まれる図示しない保持部が形成されており、これにより、カバープレート72がシリンダ本体60に連結される。カバープレート72とギヤケース70との間にはピニオン90が配置されている。
ピニオン90は、ラックバー68の先端側でラック歯に噛み合っていると共に、脚板16及びギヤケース70を貫通したトーションシャフト36の他端に回転自在に軸支されており、ラックバー68の上昇によりピニオン90が巻取方向に回転する構造になっている。
また、ピニオン90の脚板16側にはクラッチ92が設けられている。クラッチ92は、トーションシャフト36に回転自在に軸支されているため、トーションシャフト36が回転してもクラッチ92が回転することはない。しかしながら、クラッチ92はピニオン90に係合しており、ピニオン90が巻取方向に回転すると、この回転力によりクラッチ92の一部が変形してトーションシャフト36に連結させられる。
また、脚板16の側方にはロック機構120が設けられている。ロック機構120はセンサホルダ122を備えている。センサホルダ122は部分的に脚板16側へ向けて開口した凹形状に形成されており、脚板16側へ向けて開口した部分の内側には上記のカバープレート72の一部が位置している。
センサホルダ122は、外周部の所定部位から脚板16側へ向けて突出形成された円筒状の突起が、脚板16側に形成された孔部に嵌挿された状態で突起の内側に「ぎぼしピン」を圧入することでセンサホルダ122が脚板16に固定される。
センサホルダ122の脚板16とは反対側にはセンサカバー124が設けられている。センサカバー124には、外周部等に嵌合爪等が形成されており、センサホルダ122の所定部位に嵌合してセンサホルダ122に機械的に連結されている。センサカバー124には、図示しない筒状の軸受部が形成されており、センサホルダ122を貫通したトーションシャフト36の他端部を回転自在に軸支している。
センサホルダ122とセンサカバー124との間には、第2回転体としてのVギヤ126が設けられている。Vギヤ126は外周部にラチェット歯が形成されたラチェットホイールで、トーションシャフト36に同軸的且つ一体的に固定されている。さらに、Vギヤ126のセンサカバー124側には第1回転体としてのセンサギヤ128が設けられている。
センサギヤ128は本体130が略円板状に形成されており、トーションシャフト36が同軸的に貫通している。センサギヤ128の本体130はトーションシャフト36に回転自在に軸支されていると共に、その一部にはリターンスプリング132の一端が係止されている。リターンスプリング132は引っ張りコイルスプリングとされており、その他端はセンサカバー124に係止され、センサギヤ128がトーションシャフト36周りに引出方向に回動した際には巻取方向にセンサギヤ128を付勢する。
また、Vギヤ126のセンサギヤ128側には、回転力伝達手段としてのWパウル134が設けられている。Wパウル134はスプール24の軸心に対して偏心した位置でスプール24と平行な軸周りに回動可能にVギヤ126に軸支されている。
Wパウル134はVギヤ126に対して巻取方向に回動することで、Vギヤ126に対してVギヤ126の回転半径外方へ変位し、この変位によりWパウル134はセンサギヤ128の本体130に形成された図示しない係合部に係合する。本体130の係合部にWパウル134が係合した状態では、Wパウル134を介してVギヤ126の引出方向への回転力をセンサギヤ128に伝えることができ、Vギヤ126と共にセンサギヤ128を引出方向に回転させることができる。
さらに、Wパウル134の側方にはセンサスプリング136が設けられている。センサスプリング136は圧縮コイルスプリングでその一端がWパウル134に固定されている。センサスプリング136の他端はVギヤ126に固定されており、Wパウル134をVギヤ126に対してトーションシャフト36周りに巻取方向に付勢している。
また、Wパウル134のVギヤ126の反対側にはWマス138が設けられている。Wマス138はトーションシャフト36の軸方向に沿って厚さ方向とされた板材で、Wパウル134のウエイト(錘)として取り付けられている。
一方、センサギヤ128の本体130には係合爪140が設けられている。係合爪140はトーションシャフト36の軸方向と平行(同方向)な軸周りに回動可能に本体130に軸支されている。
係合爪140の下方には、加速度検出手段としての加速度センサ142が設けられている。加速度センサ142に対応してセンサホルダ122にはセンサカバー124側へ開口した箱状の収容部144が形成されており、加速度センサ142は少なくともその一部が収容部144に収容されている。
加速度センサ142は基台146を備えている。基台146は全体的に上下方向に厚さ方向の平板状に形成されている。基台146の上側の端面には上方へ向けて開口した湾曲面が形成されており、この湾曲面上に慣性体としての硬球148が配置されている。硬球148の上側にはセンサ爪150が設けられている。
センサ爪150は、基台146の外周一部から上方へ向けて立設された縦壁152の上端に回動可能に軸支されており、硬球148が基台146の湾曲面上を転動して昇ることでセンサ爪150が押し上げられる。センサ爪150は硬球148に押し上げられることで係合爪140に係合して係合爪140を回動させる。
センサ爪150の係合により回動した係合爪140の回動方向側には、上記のVギヤ126が位置しており、これにより、係合爪140がVギヤ126に噛み合う。係合爪140がVギヤ126に噛み合うことでVギヤ126の引出方向への回転力が係合爪140ひいてはセンサギヤ128に伝えられ、センサギヤ128がリターンスプリング132の付勢力に抗して引出方向に回動する。
センサ爪150の係合により回動した係合爪140の回動方向側には、上記のVギヤ126が位置しており、これにより、係合爪140がVギヤ126に噛み合う。係合爪140がVギヤ126に噛み合うことでVギヤ126の引出方向への回転力が係合爪140ひいてはセンサギヤ128に伝えられ、センサギヤ128がリターンスプリング132の付勢力に抗して引出方向に回動する。
一方、ロック機構120は、ロック手段として特許請求の範囲で言うところの特定の部材を構成するロックパウル160を備えている。ロックパウル160はシャフト162を備えている。シャフト162はスプール24の軸方向に対して平行な方向(同方向)に軸方向とされており、その一端は脚板18に形成された軸受孔(図示省略)に回動自在に軸支されている。
シャフト162の軸方向他端部はギヤケース70に形成された軸受孔164に回動自在に軸支されている。
ここで、図3に示されるように、ギヤケース70には連結手段としての係合ピン182が脚板16へ向けて突出形成されている。
スプール24の軸方向に沿ってギヤケース70を見た場合に、係合ピン182はプリテンショナ50のラックバー68のスライド軌跡の側方に位置するように形成されている。
また、ギヤケース70には連結手段としての係合ピン182が脚板16へ向けて突出形成されている。図2に示されるように、係合ピン182はプリテンショナ50のラックバー68のスライド軌跡Sを挟んで係合ピン182とは反対側に位置するように形成されている。
さらに、係合ピン182は係合ピン182よりもフレーム12の上側、すなわち、ピストン62がシリンダ本体60の上端側へ向けて摺動した際のラックバー68のスライド方向側に変位して設けられている。
これらの係合ピン182、184に対応して脚板16には係合孔186、188がそれぞれ形成されており、係合孔186に係合ピン182を嵌合させて係合孔188に係合ピン182を嵌合させることで、ギヤケース70が脚板16に固定される。
図3に示されるように、以上のようなギヤケース70に他端が支持されたシャフト162の軸方向他端側にはパウル部166が形成されている。パウル部166はシャフト162の軸方向に沿って厚さ方向の板状部材で、その外周一部には外歯のラチェット歯が形成されている。
シャフト162の回動半径方向に沿ったパウル部166の側方には回転体としてのロックベース170が設けられている。ロックベース170は嵌挿部172を備えている。嵌挿部172は円柱形状に形成されており、スプール24の貫通孔28の他端部にスプール24に対して同軸的に回転自在に嵌挿されている。
嵌挿部172ひいてはロックベース170には、トーションシャフト36が回り止めされた状態で同軸的に貫通しており、トーションシャフト36に対して同軸的且つ一体的に回転する。
嵌挿部172の脚板16側にはラチェット部174が一体形成されている。ラチェット部174は、嵌挿部172に対して同軸的に形成されており、その外周部にはラチェット歯が断続的に形成されている。
上記のロックパウル160は、シャフト162が巻取方向に回動することで、パウル部166のラチェット歯がラチェット部174のラチェット歯に噛み合う。このパウル部166とラチェット部174との噛合状態では、ラチェット部174、ひいてはロックベース170の引出方向への回転が規制される。
また、パウル部166に対応して上記のセンサギヤ128の本体130には、連結部材としての押圧部168が設けられている。押圧部168は係合爪140に一体的に形成されており、硬球148に押し上げられて係合爪140が回動すると押圧部168が一体的に回動してパウル部166を押圧し、ロックパウル160を巻取方向に回動させる。
(本実施の形態の特徴的構成)
次に、本ウエビング巻取装置10の要部の特徴的な構成について説明する。
図1にはウエビング巻取装置10の要部の構成を拡大した分解斜視図が示されており、図2にはウエビング巻取装置10の要部の構成を拡大した断面図が示されている。
これらの図に示されるように、上述したスプール24には挿通孔192が形成されている。挿通孔192は挿通孔26に対してスプール24の回転半径方向外方側に偏心した位置で、スプール24の軸心に対して平行に形成されている。
また、スプール24のロックベース170側の端部にはガイド溝194が形成されている。ガイド溝194はスプール24の軸心を中心とした円形で、スプール24の軸方向に沿ってロックベース170の側へ向けて開口している。また、スプール24の回転半径方向に沿ったガイド溝194の開口幅寸法は、挿通孔192の内径寸法に略等しく、更には、ガイド溝194の底部にて挿通孔192が開口している。
この挿通孔192及びガイド溝194には、外径寸法が挿通孔192の内径寸法よりも僅かに小さなワイヤ196が配置される。ワイヤ196は直線的な棒状部198を備えている。
棒状部198は挿通孔192に挿通されている。ガイド溝194側の棒状部198の端部ではワイヤ196がスプール24の回転半径方向に屈曲され、更に、この屈曲部分から連続して湾曲部200が形成されている。
湾曲部200は曲率半径がガイド溝194の曲率半径に略等しく、ガイド溝194の内側で上記の屈曲部分から巻取方向へ延出されている。湾曲部200の棒状部198とは反対側の端部ではワイヤ196がスプール24の軸心に平行にロックベース170側へ向けて屈曲されている。
この屈曲部分よりもワイヤ196の先端側は棒状部202とされており、屈曲部分からの延出寸法はロックベース170の回転軸方向に沿った後述する挿入孔204の寸法と円孔206の寸法との和よりもと同じか、それよりも短い。
この棒状部202に対応してロックベース170には挿入孔204が形成されている。挿入孔204は内径寸法が棒状部202の外径寸法よりも十分に大きな有底の孔で、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面にて開口している。
さらに、ロックベース170には円孔206が形成されている。円孔206は内径寸法が挿入孔204よりも小径で挿入孔204に対して同軸的に形成されている。また、円孔206は一端がロックベース170のスプール24側の端面で開口しておりガイド溝194に繋がる。
さらに、円孔206の他端は挿入孔204の底部にて開口している。棒状部202は円孔206に挿入されて更に先端側は挿入孔204内に突出する。棒状部202の挿入孔204内に突出した部分の外周部には雄ねじが形成されており、規制手段として保持手段を構成するリング状のストッパ208の内周部に形成された雌ねじが螺合してストッパ208が棒状部202の先端に取り付けられている。
ストッパ208の外径寸法は挿入孔204の内径寸法よりも小さく円孔206の内径寸法よりも十分に大きい。円孔206及び挿入孔204の開口方向に沿ってストッパ208と対向する挿入孔204の底部は規制壁210とされており更に、この規制壁210のストッパ208側の面は当接面212とされ、規制壁210の当接面212がスプール24側からストッパ208に当接している。さらに、ストッパ208の厚さ寸法(ロックベース170の回転軸に沿った方向の寸法)は、規制壁210からロックベース170のスプール24とは反対側の端面までの挿入孔204の深さ寸法と同じかそれよりも短い。
<本実施の形態の作用、効果>
(動作面での基本的な作用、効果)
本ウエビング巻取装置10では、スプール24に巻き取られた状態のウエビングベルト30を渦巻きばね40の付勢力に抗して先端側へ引っ張ると、ウエビングベルト30が引き出されつつスプール24が引き出し方向に回転する。このようにして引き出されたウエビングベルト30を乗員の身体に掛け回し、例えば、ウエビングベルト30の長手方向中間部に設けられたタングプレートを車両の座席の側方に設けられたバックル装置に保持させることで乗員の身体に対するウエビングベルト30の装着状態となり、乗員の身体がウエビングベルト30により拘束される。
このようなウエビングベルト30の装着状態で、車両が急減速状態になると、硬球148が転動して硬球148によってセンサ爪150が押し上げられる。このようにして押し上げられたセンサ爪150は、センサギヤ128の係合爪140に係合して係合爪140を回動させる。係合爪140は回動することでVギヤ126に噛み合う。
一方、車両の急減速状態で乗員の身体が略車両前方側へ慣性移動すると、乗員の身体によりウエビングベルト30が急激に引き出される。このように、ウエビングベルト30が急激に引き出されると、スプール24、ひいてはVギヤ126が急激に引出方向に回転する。
Vギヤ126が急激に引出方向に回転すると、Wパウル134がVギヤ126と共に引出方向に回転しようとするが、Wパウル134にはWマス138が設けられているため、慣性によって回転せずにその位置で留まろうとする。これにより、引出方向に回転するVギヤ126と停止しようとするWパウル134との間には、センサスプリング136の付勢力に抗した相対移動が生じる。
このようにしてVギヤ126に対してWパウル134が相対移動することでWパウル134がセンサギヤ128に係合される。センサギヤ128にWパウル134が係合することで、センサギヤ128がWパウル134を介してVギヤ126に連結される。
このように、係合爪140又はWパウル134を介してセンサギヤ128がVギヤ126に連結された状態で、乗員の身体によりウエビングベルト30が引き出されてスプール24が引出方向に回転すると、Vギヤ126と共にセンサギヤ128が引出方向に回転する。センサギヤ128がリターンスプリング132の付勢力に抗して一定角度引出方向に回転すると、係合爪140と一体の押圧部168がロックパウル160のパウル部166を押圧して、シャフト162周りにパウル部166を回動させる。
このようにシャフト162周りにパウル部166が回動すると、パウル部166がロックベース170のラチェット部174に噛み合い、ロックベース170、ひいてはスプール24の引出方向への回転を規制する。これにより、略車両前方側へ慣性移動しようとする乗員の身体をウエビングベルト30によって確実に拘束して保持できる。
また、このようにロックベース170の引出方向への回転がパウル部166により規制された状態で、略車両前方側へ移動しようとする乗員の身体が所定の大きさ以上の力でウエビングベルト30を引っ張り、これにより、スプール24に引出方向への所定の大きさ以上の回転力が付与されると、スプール24は、トーションシャフト36の脚板18側の端部を引出方向に回転させようとする。
但し、トーションシャフト36は脚板16側の端部でロックベース170に回り止めされた状態で嵌挿されている。上記のように、ロックベース170はパウル部166により引出方向への回転が規制されているため、トーションシャフト36の脚板18側の端部に引出方向への回転力が付与されても、トーションシャフト36の脚板16側の端部は引出方向に回転できない。
この状態で、トーションシャフト36の脚板18側の端部に付与された引出方向への回転力がトーションシャフト36の機械的強度を上回ると、トーションシャフト36に捩れが生じ、この捩れ分だけスプール24は引出方向に回転できる。
さらに、このようにロックベース170の引出方向への回転が規制されたままの状態でスプール24が引出方向に回転すると、挿通孔192に対して円孔206が巻取方向に遠ざかる。円孔206にはワイヤ196の棒状部202が貫通しているため、挿通孔192に対して円孔206が巻取方向に遠ざかろうとすると、棒状部202は円孔206からガイド溝194側へ抜け出ようとする。
しかしながら、挿入孔204に入り込んだワイヤ196の棒状部202にはストッパ208が設けられており、棒状部202が円孔206からガイド溝194側へ抜け出ようとすると、ストッパ208のスプール24側の端面が規制壁210に干渉されてストッパ208、ひいては棒状部202のスプール24側への移動が規制される。このため、棒状部202は円孔206と共に挿通孔192から遠ざかる。
これにより、ワイヤ196は挿通孔192から棒状部198が強制的に引き出され、更に引き出された棒状部198はガイド溝194の底部における挿通孔192の縁部でしごかれて更にガイド溝194の形状に沿って変形しつつガイド溝194に入り込む。
このような、トーションシャフト36の捩じり変形と上記のしごきによるワイヤ196の変形に供される荷重が、フォースリミッタ荷重としてウエビングベルト30を介して乗員に作用しながらスプール24がロックベース170に対して引出方向へ回転されてウエビングベルト30が引き出され、エネルギー吸収が果たされる。
さらに、上記のようにトーションシャフト36の捩れ過剰によるトーションシャフト36の破断、及び、棒状部198が挿通孔192から完全に抜け出ることによるワイヤ196のしごきの完了の何れか一方が生じると、フォースリミッタ荷重が減少する。このように、本ウエビング巻取装置10では、車両急減速状態で乗員の身体がウエビングベルト30を所定の大きさ以上の力で引っ張っている間にフォースリミッタ荷重を変化(減少)させることができる。
(本実施の形態の特徴的な作用、効果)
ところで、上記のように、湾曲部200側での屈曲部分からの棒状部202の延出寸法は、ロックベース170の回転軸方向に沿った円孔206の寸法と挿入孔204の寸法との和よりもと同じか、それよりも短い。したがって、棒状部202の先端はロックベース170のスプール24とは反対側の端面から突出しない。
また、ストッパ208の厚さ寸法は、規制壁210からロックベース170のスプール24とは反対側の端面までの挿入孔204の深さ寸法と同じかそれよりも短い。したがって、ストッパ208もロックベース170のスプール24とは反対側の端面から突出しない。
このように、本ウエビング巻取装置10では、ワイヤ196やストッパ208がストッパ208もロックベース170のスプール24とは反対側の端面から突出しないため、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面の側方にギヤケース70等の他の部材を配置しても、ワイヤ196やストッパ208がギヤケース70等の他の部材に干渉することがない。
このため、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面に対してギヤケース70等の他の部材を近接配置でき、この結果、ウエビング巻取装置10全体を小型化できる。
<第2の実施の形態の構成>
次に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下の各実施の形態を説明するにあたり、前記第1の実施の形態を含めて説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその説明を省略する。
図4には本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置220の要部の構成が図2に対応した断面図より示されている。
この図に示されるように、本ウエビング巻取装置220では、棒状部202に代わり棒状部222がワイヤ196に形成されている。
棒状部222は、湾曲部200からスプール24の軸方向に沿ってロックベース170側へ向けて屈曲された屈曲部分から延出されており、この点では棒状部222と同じである。しかしながら、棒状部222には雄ねじが形成されておらず環状の溝224が形成されている。
また、本ウエビング巻取装置220は、ストッパ208に代わりフランジとしてのストッパ226を備えている。ストッパ226は挿入孔204に挿入可能な円板部228を備えている。円板部228は外径寸法が挿入孔204の内径寸法よりも小さく円孔206の内径寸法よりも十分に大きな円板上に形成されている。さらに、円板部228の厚さ寸法(軸方向に沿った寸法)は、挿入孔204の開口端から当接面212までの挿入孔204の深さ寸法以下に設定されている。
この円板部228の軸方向一端部からは筒状部230が円板部228に対して同軸的に形成されている。筒状部230は外径寸法が円孔206の内径寸法よりも小さく、棒状部222の外径寸法よりも大きく、円板部228を底とする有底円筒形状に形成されている。
さらに、筒状部230の内周部からは筒状部230の半径方向内方へ向けて突起232が形成されており、筒状部230の開口端から棒状部222の先端を圧入すると溝224に突起232が入り込み、この状態で筒状部230が円孔206に挿入される。
<第2の実施の形態の作用、効果>
以上の構成の本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、パウル部166により引出方向へのロックベース170の回転が規制された状態で、スプール24が引出方向に回転することで、棒状部222が円孔206からガイド溝194側へ抜け出ようとすると、溝224の内壁が突起232をガイド溝194側に押圧してストッパ226をガイド溝194側へ移動させようとする。
しかしながら、この状態では、円板部228が規制壁210の当接面212に干渉されてストッパ226のスプール24側への移動が規制される。これにより、棒状部222のガイド溝194側への移動が規制される。これにより、前記第1の実施の形態と同様に、スプール24の引出方向への回転に伴いワイヤ196の棒状部198が挿通孔192から引き出されつつ変形する。
一方、本実施の形態では、上記のように、ストッパ226の円板部228の厚さ寸法が挿入孔204の開口端から当接面212までの挿入孔204の深さ寸法以下に設定されている。したがって、図4に示されるように、円板部228が挿入孔204に配置された状態では、円板部228の筒状部230とは反対側の面が挿入孔204の開口端から突出しない。
これにより、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面の側方にギヤケース70等の他の部材を配置しても、ワイヤ196やストッパ226がギヤケース70等の他の部材に干渉することがない。このため、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面に対してギヤケース70等の他の部材を近接配置でき、この結果、ウエビング巻取装置10全体を小型化できる。
<第3の実施の形態の構成>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図5には本実施の形態に係るウエビング巻取装置240の要部の構成が分解斜視図により示されている。
この図に示されるように、本ウエビング巻取装置240ではワイヤ196は棒状部202に代わり棒状部242が形成されている。
棒状部242は、湾曲部200からスプール24の軸方向に沿ってロックベース170側へ向けて屈曲された屈曲部分から延出されており、この点では棒状部202と同じである。
しかしながら、棒状部242には雄ねじが形成されておらず、代わりに棒状部242の先端にフランジ244が形成されている。フランジ244の外径寸法は、棒状部242のフランジ244以外の部分での外径寸法や円孔206の内径寸法よりも大きく、挿入孔204の内径寸法よりも小さく形成されている。また、フランジ244の厚さ寸法(軸方向に沿った寸法)は、挿入孔204の開口端から当接面212までの挿入孔204の深さ寸法以下に設定されている。
一方、円孔206及び挿入孔204よりもロックベース170の巻取方向側には、内径寸法がフランジ244の外径寸法よりも大きな挿通孔246が形成されている。
挿通孔246は円孔206及び挿入孔204に対して平行でロックベース170の両端面にて開口している。さらに、挿通孔246はロックベース170の周方向に沿って挿入孔204及び円孔206に繋がっており、円孔206と挿通孔246との間は棒状部242が通過でき、挿入孔204と挿通孔246との間はフランジ244が通過できる程度の幅を有している。
<第3の実施の形態の作用、効果>
本実施の形態では、ワイヤ196は棒状部242のフランジ244が挿通孔246のスプール24側から挿入される。当接面212よりも挿入孔204の開口端側にフランジ244が位置した状態で、棒状部242が引出方向側に移動させられる。これにより、当接面212にフランジ244が対向する。
この状態で、第1の実施の形態と同様に、パウル部166により引出方向へのロックベース170の回転が規制されると共にスプール24が引出方向に回転することで、棒状部242が円孔206からガイド溝194側へ抜け出ようとすると、当接面212がフランジ244に当接して干渉し、これにより、フランジ244、ひいては棒状部242のガイド溝194側への移動が規制される。
これにより、前記第1の実施の形態と同様に、スプール24の引出方向への回転に伴いワイヤ196の棒状部198が挿通孔192から引き出されつつ変形する。
一方、本実施の形態では、上記のように、フランジ244の厚さ寸法が挿入孔204の開口端から当接面212までの挿入孔204の深さ寸法以下に設定されている。したがって、フランジ244が挿入孔204に配置された状態では、フランジ244の筒状部230とは反対側の面が挿入孔204の開口端から突出しない。
これにより、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面の側方にギヤケース70等の他の部材を配置しても、ワイヤ196やフランジ244がギヤケース70等の他の部材に干渉することがない。このため、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面に対してギヤケース70等の他の部材を近接配置でき、この結果、ウエビング巻取装置10全体を小型化できる。
<第4の実施の形態の構成>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
図6には本実施の形態に係るウエビング巻取装置260の要部の構成が分解斜視図により示されている。
この図に示されるように、本ウエビング巻取装置260ではワイヤ196は棒状部202に代わり板状部262が形成されており、その先端にフランジ244が形成されている。板状部262は棒状部202と同様に湾曲部200からスプール24の軸方向に沿ってロックベース170側へ向けて屈曲された屈曲部分から延出されている。板状部262はフランジ244の半径方向の一方へ向けて厚さ方向の板状に形成されており、その厚さ寸法はフランジ244の外径寸法よりも十分に短く、更には円孔206の内径寸法よりも短い。
<第4の実施の形態の作用、効果>
本実施の形態では、ワイヤ196はフランジ244が挿通孔246のスプール24側から挿入される。当接面212よりも挿入孔204の開口端側にフランジ244が位置した状態で、板状部262が引出方向側に移動させられる。
これにより、当接面212にフランジ244が対向する。このため、第3の実施の形態と同様に、パウル部166により引出方向へのロックベース170の回転が規制され、スプール24が引出方向に回転することで、板状部262が円孔206からガイド溝194側へ抜け出ようとすると、当接面212がフランジ244に当接して干渉し、これにより、フランジ244、ひいては板状部262のガイド溝194側への移動が規制される。
これにより、前記第1の実施の形態と同様に、スプール24の引出方向への回転に伴いワイヤ196の棒状部198が挿通孔192から引き出されつつ変形する。
一方、本実施の形態では、第3の実施の形態と同様に、フランジ244の厚さ寸法が挿入孔204の開口端から当接面212までの挿入孔204の深さ寸法以下に設定されている。したがって、フランジ244が挿入孔204に配置された状態では、フランジ244の筒状部230とは反対側の面が挿入孔204の開口端から突出しない。
これにより、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面の側方にギヤケース70等の他の部材を配置しても、ワイヤ196やフランジ244がギヤケース70等の他の部材に干渉することがない。このため、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面に対してギヤケース70等の他の部材を近接配置でき、この結果、ウエビング巻取装置10全体を小型化できる。
<第5の実施の形態の構成>
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
図7には本実施の形態に係るウエビング巻取装置270の要部の構成が分解斜視図により示されている。
これらの図に示されるように、本ウエビング巻取装置270では、ロックベース170に挿入孔としての矩形孔272が形成されている。矩形孔272はスプール24とは反対側のロックベース170の端面にて開口しており、その開口形状は、概ねロックベース170の周方向に沿って対向する一対の辺と、概ねロックベース170の半径方向に沿って対向する一対の辺と、を有する矩形状に形成されている。
ロックベース170には開口形状が略小判形状の小判孔274が形成されている。小判孔274はその長手方向が概ねロックベース170の周方向に沿っており、その長手方向寸法は同じ方向に沿った上記の矩形孔272の開口寸法よりも長く、この方向に沿った矩形孔272の内周部よりも小判孔274の長手方向両側の内周部が外側に位置している。
また、ロックベース170の半径方向に沿った小判孔274の開口寸法は、ワイヤ196の棒状部202の外径寸法よりも僅かに大きく、更に、同じ方向に沿った矩形孔272の開口寸法よりも短い。この方向に沿った小判孔274の長手方向両側の内周部よりも矩形孔272の内周部が外側に位置している。
さらに、小判孔274よりも矩形孔272側には規制手段としての一対の底壁276が形成されている。底壁276は概ねロックベース170の半径方向に沿って互いに対向するように形成されており、そのスプール24とは反対側を向いた面は当接面278とされている。
さらに、一対の底壁276と概ねロックベース170の周方向に沿った巻取方向側に位置する側の矩形孔272の内周部との間には間隙280が形成されている。
一方、ワイヤ196の棒状部202には首部282が形成されている。首部282は概ねロックベース170の半径方向に沿って長手方向の角棒状に形成されており、その長手方向寸法は棒状部202の外径寸法程度に形成されていると共に、概ねロックベース170の周方向に沿った首部282の幅寸法は、上記の間隙280よりも僅かに小さい。
さらに、棒状部202からの首部282の突出寸法は底壁276の厚さ寸法程度に設定されている。
また、首部282の棒状部202とは反対側にはフランジ284が形成されている。フランジ284はフランジ244とは異なり、首部282の長手方向に沿って長手の角棒状に形成されている。フランジ284の長手方向寸法は首部282よりも十分に長く、その長手方向両端は首部282の長手方向両端よりも外側に突出している。
さらに、棒状部202の軸方向に沿ったフランジ284の厚さ寸法は、矩形孔272のスプール24とは反対側の開口端から当接面278までの矩形孔272の深さ寸法以下に設定されている。
<第5の実施の形態の作用、効果>
本実施の形態では、ワイヤ196はフランジ284が小判孔274の間隙280側を通過して矩形孔272に挿入される。当接面278よりも矩形孔272の開口端側にフランジ284が位置した状態で、首部282及びフランジ284が引出方向側に移動させられる。
これにより、当接面278にフランジ284が対向する。このため、第3の実施の形態と同様に、パウル部166により引出方向へのロックベース170の回転が規制されると共に、スプール24が引出方向に回転することで、棒状部202が小判孔274からガイド溝194側へ抜け出ようとすると、当接面278がフランジ284に当接して干渉し、これにより、フランジ284のガイド溝194側への移動が規制される。
これにより、前記第1の実施の形態と同様に、スプール24の引出方向への回転に伴いワイヤ196の棒状部198が挿通孔192から引き出されつつ変形する。
一方、本実施の形態では、第3の実施の形態と同様に、フランジ284の厚さ寸法が矩形孔272の開口端から当接面278までの矩形孔272の深さ寸法以下に設定されている。したがって、フランジ284が矩形孔272に配置された状態では、フランジ284の首部282とは反対側の面が矩形孔272の開口端から突出しない。
これにより、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面の側方にギヤケース70等の他の部材を配置しても、ワイヤ196やフランジ284がギヤケース70等の他の部材に干渉することがない。このため、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面に対してギヤケース70等の他の部材を近接配置でき、この結果、ウエビング巻取装置10全体を小型化できる。
<第6の実施の形態の構成>
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。
図8には本実施の形態に係るウエビング巻取装置290の要部の構成が分解斜視図により示されている。
これらの図に示されるように、本ウエビング巻取装置290では、基本的に前記第3の実施の形態に係るウエビング巻取装置240と同じ構成である。但し、本ウエビング巻取装置290は、ストッパ292を備えている点で前記第3の実施の形態に係るウエビング巻取装置240とは構成が異なる。
ストッパ292は、外周形状が挿通孔246と挿入孔204との連通部分及び挿通孔246の開口形状に対応した板状に形成されており、挿入孔204の内側にストッパ292を配置することでストッパ292によって挿入孔204を塞ぐことができる。
また、ストッパ292の厚さ寸法は挿通孔246の両開口端間の寸法以下に設定されており、挿入孔204の内側にストッパ292を配置した状態でストッパ292のスプール24とは反対側の端面がロックベース170から突出しない構造になっている。
<第6の実施の形態の作用、効果>
本実施の形態では、上記のようなストッパ292で挿通孔246を塞ぐことによりワイヤ196の棒状部202及びフランジ244が挿入孔204側に移動することを防止できる。
また、上記のように、ストッパ292のスプール24とは反対側の端面はロックベース170から突出しないため、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面の側方にギヤケース70等の他の部材を配置しても、ストッパ292がギヤケース70等の他の部材に干渉することがない。
このため、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面に対してギヤケース70等の他の部材を近接配置でき、この結果、ウエビング巻取装置10全体を小型化できる。
<第7の実施の形態の構成>
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。
図9には本実施の形態に係るウエビング巻取装置300の要部の構成が、スプール24及びロックベース170をガイド溝194に沿って部分的に破断した断面図により示されている。
この図に示されるように、本ウエビング巻取装置300では、ロックベース170に孔部302が形成されている。孔部302はロックベース170のラチェット部における両端で開口している。
さらに、孔部302の巻取方向側の内周部からは底壁304が延出されており、この底壁304が形成された部分で孔部302のスプール24側が閉止されている。また、底壁304のスプール24とは反対側の面から孔部302のスプール24とは反対側の開口端までの深さ寸法は、ワイヤ196の外径寸法以下に設定されている。
一方、本実施の形態では、ワイヤ196の棒状部202に代わり鉤状部306が形成されている。鉤状部306は棒状部202と同様に湾曲部200からの屈曲部分からスプール24とは反対側へ延出されている。さらに、鉤状部306はその中間部にて巻取方向側へ屈曲している。この鉤状部306は、図9に示されるように、孔部302に収容されている。
また、上記の孔部302のスプール24側での開口縁のうち、底壁304と対向する部分は干渉手段としての干渉部308とされており、ワイヤ196の湾曲部200と鉤状部306との間の屈曲部分が当接している。
<第7の実施の形態の作用、効果>
本実施の形態では、パウル部166により引出方向へのロックベース170の回転が規制され、スプール24が引出方向に回転することで、鉤状部306が孔部302からガイド溝194側へ抜け出ようとする。
しかしながら、この状態では、干渉部308が鉤状部306と湾曲部200との屈曲部分に当接しているため、屈曲部分と干渉部308との間に摩擦が生じる。この摩擦により、鉤状部306が孔部302から抜け出ることが防止又は効果的に抑制される。
このように、孔部302から鉤状部306が抜け出ることが防止又は効果的に抑制されることで、スプール24の引出方向への回転に伴いワイヤ196の棒状部198が挿通孔192から引き出されつつ変形する。
一方、本実施の形態では、上記のように、底壁304のスプール24とは反対側の面から孔部302のスプール24とは反対側の開口端までの深さ寸法は、ワイヤ196の外径寸法以下に設定される。さらに、鉤状部306における屈曲部分よりも先端側は巻取方向側へ向いている。
このため、鉤状部306における屈曲部分よりも先端側がロックベース170のスプール24とは反対側の端面から突出することがない。したがって、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面の側方にギヤケース70等の他の部材を配置しても、ワイヤ196がギヤケース70等の他の部材に干渉することがない。
このため、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面に対してギヤケース70等の他の部材を近接配置でき、この結果、ウエビング巻取装置10全体を小型化できる。
<第8の実施の形態の構成>
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。
図10には本実施の形態に係るウエビング巻取装置320の要部の構成が、スプール24及びロックベース170をガイド溝194に沿って部分的に破断した断面図により示されている。
この図に示されるように、本ウエビング巻取装置320では、底壁304に有底の円孔322が形成されている。円孔322は底壁304のスプール24とは反対側の端面にて開口している。
この円孔322に対応して鉤状部306の先端はスプール24側へ屈曲して円孔322に入り込んでいる。円孔322の内周部のうち、円孔322に入り込んだ鉤状部306の先端に対して引出方向で対向する部分は干渉部326とされている。
<第8の実施の形態の作用、効果>
本実施の形態では、パウル部166により引出方向へのロックベース170の回転が規制され、スプール24が引出方向に回転することで、鉤状部306が孔部302からガイド溝194側へ抜け出ようとした場合には、干渉部308が鉤状部306と湾曲部200との屈曲部分に干渉するのみならず、鉤状部306の先端に干渉部326が当接し、鉤状部306の先端が引出方向へ変位することが規制される。
これによっても鉤状部306が孔部302から抜け出ることが防止又は効果的に抑制される。
また、円孔322が形成されている部分に鉤状部306の先端が入り込んでいること以外は、基本的に第7の実施の形態に係るウエビング巻取装置300と構成が同じであるため、基本的に第7の実施の形態に係るウエビング巻取装置300と同様の作用を奏し、同様の効果を得ることができる。
<第9の実施の形態の構成>
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。
図11には本実施の形態に係るウエビング巻取装置340の要部の構成が、スプール24及びロックベース170をガイド溝194に沿って部分的に破断した断面図により示されている。
この図に示されるように、本ウエビング巻取装置340では、ロックベース170に孔部302が形成されているが底壁304が形成されていない。また、本ウエビング巻取装置340ではワイヤ196に鉤状部306が形成されておらず代わりに鉤状部342が形成されている。
鉤状部342は湾曲部200での屈曲部分からスプール24とは反対側へ向けて延出されており、更に、その中間部から引出方向側へ屈曲されている。この鉤状部342での屈曲部分よりも先端側は、孔部302のスプール24とは反対側での開口端と同じ位置か又はスプール24とは反対側での開口端よりもスプール24側に位置している。
さらに、鉤状部342での屈曲部分と湾曲部200と鉤状部342との間の屈曲部分との間では、鉤状部306の外周部が孔部302の巻取方向側の内周部に当接しており、この孔部302の巻取方向側の内周部は干渉部344とされている。
<第9の実施の形態の作用、効果>
本実施の形態では、パウル部166により引出方向へのロックベース170の回転が規制され、スプール24が引出方向に回転し、これにより、ロックベース170とスプール24との間に相対的な回転が生じると、挿入孔204の内周部のうち、干渉部344と対向する側の内周部が鉤状部342の先端を巻取方向側へ押圧する。この押圧力で鉤状部342は巻取方向に変位しながら変形してガイド溝194側へ抜け出ようとする。
しかしながら、鉤状部342の巻取方向側で干渉部344が鉤状部342に当接していることで、変形しながら孔部302から抜け出ようとする鉤状部342と干渉部344との間に摩擦が生じる。この摩擦により、鉤状部342が孔部302から抜け出ることが防止又は効果的に抑制される。
このように、孔部302から鉤状部342が抜け出ることが防止又は効果的に抑制されることで、スプール24の引出方向への回転に伴いワイヤ196の棒状部198が挿通孔192から引き出されつつ変形する。
一方、本実施の形態では、上記のように、鉤状部342の屈曲部分よりも先端側は、孔部302のスプール24とは反対側での開口端と同じ位置か又はスプール24とは反対側での開口端よりもスプール24側に位置している。このため、鉤状部342における屈曲部分よりも先端側がロックベース170のスプール24とは反対側の端面から突出することがない。
したがって、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面の側方にギヤケース70等の他の部材を配置しても、ワイヤ196がギヤケース70等の他の部材に干渉することがない。このため、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面に対してギヤケース70等の他の部材を近接配置でき、この結果、ウエビング巻取装置10全体を小型化できる。
<第10の実施の形態の構成>
次に、本発明の第10の実施の形態について説明する。
図12には本実施の形態に係るウエビング巻取装置360の要部の構成が、スプール24及びロックベース170をガイド溝194に対して直交す方向に沿って部分的に破断した断面図により示されている。
この図に示されるように、本ウエビング巻取装置360では、ロックベース170に規制部として保持手段を構成する挿入孔362が形成されている。挿入孔362はロックベース170の軸心を曲率中心とする弧状に形成されており、スプール24側へ向けて開口してスプール24とは反対側が閉止された有底形状に形成されている。
また、ロックベース170の半径方向に沿った挿入孔362の内幅寸法はフランジ244の外径寸法よりも僅かに大きく、挿入孔362の内側にはフランジ244が入り込む。
さらに、挿入孔362に対向してスプール24にはガイド溝364がガイド溝194と重なり合った状態で形成されている。ガイド溝364はスプール24の半径方向に沿った内幅寸法がガイド溝194より大きく、しかも、ガイド溝194と同様にスプール24の軸心を曲率中心として湾曲している。
また、図13に示されるように、ガイド溝364の内側には保持部材として保持手段を構成するスライダ366が嵌挿されている。図14に示されるように、スライダ366は、ガイド溝194の長手方向に沿って湾曲した円筒をその軸心部分で切断した断面半円形状の湾曲片とされている。図13に示されるように、スライダ366は、断面の開口方向がスプール24側へ向いた状態でガイド溝364に沿って巻取方向側へ変位可能にガイド溝364内に収容されている。
また、図12に示されるように、スライダ366の一部は挿入孔362に収容されている。
但し、図13に示されるように、挿入孔362の長手方向寸法(ロックベース170の周方向に沿った寸法)は、スプール24の周方向に沿ったスライダ366の寸法に略等しい。このため、スライダ366はロックベース170に対してロックベース170の周方向に変位しようとしても挿入孔362の内壁に干渉され変位できない。
さらに、スライダ366には円孔368が形成されている。円孔368はスライダ366をガイド溝364に収容した状態でスプール24の軸心方向に沿って貫通しており、その内径寸法はフランジ244の外径寸法よりも小さく、棒状部202の外径寸法よりも大きい。
<第10の実施の形態の作用、効果>
本実施の形態では、パウル部166により引出方向へのロックベース170の回転が規制され、スプール24が引出方向に回転し、これにより、ロックベース170とスプール24との間に相対的な回転が生じると、スライダ366が挿入孔362の内壁に押圧されつつガイド溝364に案内されて巻取方向側へスライドする。
さらに、この状態では、挿入孔362からフランジ244が抜け出ようとする。しかしながら、フランジ244が挿入孔362から抜け出ようとすると、スライダ366がフランジ244に当接して干渉し、これにより、挿入孔362から抜け出る方向へのフランジ244の移動が規制される。
このように、挿入孔362からフランジ244が抜け出ることが防止又は効果的に抑制されることで、スプール24の引出方向への回転に伴いワイヤ196の棒状部198が挿通孔192から引き出されつつ変形する。
一方、本実施の形態では、上記のように、挿入孔362はスプール24とは反対側の端部が閉止されているため、スライダ366やフランジ244がロックベース170のスプール24とは反対側の端面から突出することがない。したがって、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面の側方にギヤケース70等の他の部材を配置しても、ワイヤ196やスライダ366がギヤケース70等の他の部材に干渉することがない。
このため、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面に対してギヤケース70等の他の部材を近接配置でき、この結果、ウエビング巻取装置10全体を小型化できる。
<第11の実施の形態の構成>
次に、本発明の第11の実施の形態について説明する。
図15には本実施の形態に係るウエビング巻取装置380の要部の構成が、スプール24及びロックベース170をガイド溝194に対して直交す方向に沿って部分的に破断した断面図により示されている。
この図に示されるように、本ウエビング巻取装置380では、ワイヤ196に棒状部202が形成されておらず、湾曲部200の棒状部198とは反対側の端部がワイヤ196の先端とされている。したがって、本実施の形態でも、ロックベース170に挿入孔362が形成されているものの、ワイヤ196に棒状部202が形成されていないため、挿入孔362にワイヤ196が入り込むことはない。
また、図15に示されるように、本ウエビング巻取装置380は保持部材として保持手段を構成するスライダ382を備えている。図17に示されるように、スライダ382はスライダ366と同様に断面形状がスプール24側へ向けて開口した凹形状であると共に、図16に示されるように、スライダ382はガイド溝364及び挿入孔362に嵌め込み可能に湾曲したブロック形状に形成されている。
スライダ382の内側にはワイヤ196の湾曲部200が入り込み可能であると共に、スライダ382の内側には図示しない鋸歯状の凸部がスライダ382の長手方向に沿って断続的に形成されており、湾曲部200が入り込むことでスライダ382の凸部が湾曲部200の外周部に係合する。これにより、スライダ382の湾曲方向に沿ったスライダ382の端部から湾曲部200が抜け出ることが防止されている。
<第11の実施の形態の作用、効果>
本実施の形態では、パウル部166により引出方向へのロックベース170の回転が規制され、スプール24が引出方向に回転し、これにより、ロックベース170とスプール24との間に相対的な回転が生じると、スライダ366が挿入孔362の内壁に押圧されつつガイド溝364に案内されて巻取方向側へスライドする。
さらに、このように、スプール24に対してスライダ382がスライドしても、スライダ382の内側に入り込んでいる湾曲部200は、スライダ382の内壁に形成された凸部が湾曲部200の外周部に係合していることで、スライダ382と共にスライドする。これにより、スプール24の引出方向への回転に伴いワイヤ196の棒状部198が挿通孔192から引き出されつつ変形する。
一方、本実施の形態では、上記のように、挿入孔362はスプール24とは反対側の端部が閉止されているため、スライダ382がロックベース170のスプール24とは反対側の端面から突出することがない。したがって、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面の側方にギヤケース70等の他の部材を配置しても、スライダ382がギヤケース70等の他の部材に干渉することがない。
このため、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面に対してギヤケース70等の他の部材を近接配置でき、この結果、ウエビング巻取装置10全体を小型化できる。
<第12の実施の形態の構成>
次に、本発明の第12の実施の形態について説明する。
図18には本実施の形態に係るウエビング巻取装置390の要部の構成が、スプール24及びロックベース170をガイド溝194に沿って部分的に破断した断面図により示されている。
この図に示されるように、本ウエビング巻取装置390では、スプール24に挿通孔192が形成されておらず、代わりにスプール24に挿入孔392が形成されている。挿入孔392もまた挿通孔192と同様にガイド溝194の底部にて開口している。
また挿入孔392はスプール24の周方向に沿った開口幅寸法がワイヤ196の外径寸法よりも十分に大きく形成されていると共に、挿入孔392の開口端における引出方向側の端部からは、巻取方向側へ向けて底壁394が延出されており、この底壁394によってスプール24の周方向に沿った挿入孔392の中間部よりも引出方向側が閉止されている。底壁394の巻取方向側の端部と挿入孔392の内壁との間隔はワイヤ196の外径寸法よりも十分に大きい。
一方、図19に示されるように、ロックベース170には矩形孔396が形成されている。矩形孔396の内壁のうち、概ねロックベース170の半径方向に沿って対向する部分の間には、ブリッジ片398の両端がそれぞれ連結されている。ブリッジ片398はスプール24側へ向けて漸次外径寸法が大きくなる断面半円形状に形成されている。
さらに、ロックベース170の軸心方向に沿ったスプール24とは反対側のブリッジ片398の端部からロックベース170のスプール24とは反対側の端面までの寸法は、ワイヤ196の外径寸法以上に設定されている。
また、図18に示されるように、ワイヤ196は棒状部198、202が形成されておらず、更に、湾曲部200に代わり湾曲部400が形成されている。湾曲部400はガイド溝194に沿って湾曲している点では湾曲部200と同じであるが、その長手方向中間部にて更にガイド溝194から抜け出てブリッジ片398のガイド溝194とは反対側を迂回するよう湾曲している。
さらに、湾曲部400の引出方向側の端部からは連続して鉤状部402が形成されている鉤状部402はその基端側が湾曲部400の引出方向側の端部からスプール24側へ屈曲されることで形成されて、図18に示されるように、挿入孔392の内側に入り込んでいる。
さらに、鉤状部402はその中間部で引出方向側へ屈曲されており、底壁394に対向している。また、挿入孔392の内周部のうち、スプール24の周方向に沿った底壁394の端部と対向する部分は、干渉手段として保持手段を構成する干渉部395とされており、巻取方向側から鉤状部402に当接している。
<第12の実施の形態の作用、効果>
本実施の形態では、パウル部166により引出方向へのロックベース170の回転が規制された状態でスプール24が引出方向に回転すると、ワイヤ196の鉤状部402が挿入孔392の内壁に干渉部395に干渉されつつ押圧され、これにより、鉤状部402から鉤状部402が抜け出ることなく引出方向に移動する。
このように鉤状部402が引出方向に移動することで湾曲部400も引出方向側へ移動する。ここで、湾曲部400はその中間部がガイド溝194から抜け出てブリッジ片398を迂回するように湾曲しているため、湾曲部400が引出方向側へ移動する際には湾曲部400の中間部よりも巻取方向側の部分がブリッジ片398によりしごかれながらブリッジ片398を迂回するように変形させられる。
すなわち、トーションシャフト36の捩じり変形とブリッジ片398による湾曲部400が変形に供される荷重が、フォースリミッタ荷重としてウエビングベルト30を介して乗員に作用しながらスプール24がロックベース170に対して引出方向へ回転されてウエビングベルト30が引き出され、エネルギー吸収が果たされる。
さらに、上記のようにトーションシャフト36の捩れ過剰によるトーションシャフト36の破断、及び、鉤状部402とは反対側の湾曲部400の端部のブリッジ片398よりも引出方向側への移動の何れか一方が生じると、フォースリミッタ荷重が減少する。このように、本ウエビング巻取装置10では、車両急減速状態で乗員の身体がウエビングベルト30を所定の大きさ以上の力で引っ張っている間にフォースリミッタ荷重を変化(減少)させることができる。
一方、本実施の形態では、上記のように、湾曲部400の中間部はガイド溝194から抜け出てブリッジ片398を迂回するように湾曲しているものの、ロックベース170の軸心方向に沿ったスプール24とは反対側のブリッジ片398の端部から、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面までの寸法がワイヤ196の外径寸法以上である。
このため、湾曲部400のブリッジ片398を迂回した部分がロックベース170のスプール24とは反対側の端面から突出することがない。したがって、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面の側方にギヤケース70等の他の部材を配置しても、ワイヤ196の湾曲部400がギヤケース70等の他の部材に干渉することがない。
このため、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面に対してギヤケース70等の他の部材を近接配置でき、この結果、ウエビング巻取装置10全体を小型化できる。
<第13の実施の形態の構成>
次に、本発明の第13の実施の形態について説明する。
図20には本実施の形態に係るウエビング巻取装置410の要部の構成が、スプール24及びロックベース170をガイド溝194に沿って部分的に破断した断面図により示されている。
この図に示されるように、本ウエビング巻取装置410では、ロックベース170に挿通孔192よりも巻取方向側に制限手段としての挿入孔412が形成されている。挿入孔412はスプール24側へ向けて開口した有底の円孔で、その開口半径はワイヤ196の外径寸法よりも僅かに大きい。
また、本実施の形態では、ワイヤ196に湾曲部200が形成されておらず、代わりに湾曲部414が形成されている。湾曲部414は基本的に湾曲部200と同じ形状であるが、湾曲部200とは異なり湾曲部414の巻取方向側の端部に棒状部198が形成されており、湾曲部414の引出方向側の端部に棒状部202が形成され、棒状部202が挿入孔412に嵌挿されている。
<第13の実施の形態の作用、効果>
本実施の形態では、パウル部166により引出方向へのロックベース170の回転が規制された状態でスプール24が引出方向に回転すると、挿入孔412が挿通孔192に接近する。上記のように挿入孔412は有底形状であるため、棒状部202がスプール24とは反対側へ移動することができない。このため、ワイヤ196は湾曲部414が挿通孔192の開口縁によってしごかれながら挿通孔192に入り込み棒状に変形させられる。
すなわち、トーションシャフト36の捩じり変形と、湾曲部414が挿通孔192の開口縁にしごかれて挿通孔192に入り込まされる際の湾曲部414の変形に供される荷重が、フォースリミッタ荷重としてウエビングベルト30を介して乗員に作用しながらスプール24がロックベース170に対して引出方向へ回転されてウエビングベルト30が引き出され、エネルギー吸収が果たされる。
さらに、上記のようにトーションシャフト36の捩れ過剰によるトーションシャフト36の破断、及び、図21に示されるように、挿入孔412と挿通孔192とが対向してワイヤ196の全体が直線状の棒状に変形した湾曲部414の変形の完了の何れか一方が生じると、フォースリミッタ荷重が減少する。
このように、本ウエビング巻取装置10では、車両急減速状態で乗員の身体がウエビングベルト30を所定の大きさ以上の力で引っ張っている間にフォースリミッタ荷重を変化(減少)させることができる。
一方、本実施の形態では、上記のように、挿入孔412はスプール24側へ向けて開口した有底の円孔であるため、棒状部202がロックベース170のスプール24とは反対側の端面から突出することがない。したがって、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面の側方にギヤケース70等の他の部材を配置しても、ワイヤ196がギヤケース70等の他の部材に干渉することがない。
このため、ロックベース170のスプール24とは反対側の端面に対してギヤケース70等の他の部材を近接配置でき、この結果、ウエビング巻取装置10全体を小型化できる。
本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の拡大断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の全体構成を示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部を拡大した図2に対応した断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の拡大分解斜視図である。 本発明の第4の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部を拡大して分解した図5に対応した斜視図である。 本発明の第5の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部を拡大して分解した図5に対応した斜視図である。 本発明の第6の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部を拡大して分解した図5に対応した斜視図である。 本発明の第7の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の拡大断面図である。 本発明の第8の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部を拡大した図9に対応した断面図である。 本発明の第9の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部を拡大した図9に対応した断面図である。 本発明の第10の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の拡大断面図である。 本発明の第10の実施の形態において規制手段を構成するスライダの斜視図である。 本発明の第10の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部を示す図で、(A)がスプールの正面図、(B)がロックベース(回転体)の背面図である。 本発明の第11の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の拡大断面図である。 本発明の第11の実施の形態において規制手段を構成するスライダの斜視図である。 本発明の第11の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部を示す図で、(A)がスプールの正面図、(B)がロックベース(回転体)の背面図である。 本発明の第12の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の拡大断面図である。 本発明の第12の実施の形態に係るウエビング巻取装置のロックベース(回転体)の斜視図である。 本発明の第13の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の拡大断面図である。 ワイヤの変形が完了した状態を示す図20に対応した断面図である。
符号の説明
10 ウエビング巻取装置
24 スプール
30 ウエビングベルト
120 ロック機構
170 ロックベース(回転体)
194 ガイド溝
196 ワイヤ
204 挿入孔
208 ストッパ(フランジ、保持手段)
210 規制部(規制手段、保持手段)
212 当接面
220 ウエビング巻取装置
226 ストッパ(フランジ、保持手段)
240 ウエビング巻取装置
244 フランジ(保持手段)
260 ウエビング巻取装置
270 ウエビング巻取装置
272 矩形孔(挿入孔)
278 当接面
284 フランジ
290 ウエビング巻取装置
300 ウエビング巻取装置
302 孔部
308 干渉部(干渉手段)
320 ウエビング巻取装置
326 干渉部(干渉手段)
340 ウエビング巻取装置
344 干渉部(干渉手段)
360 ウエビング巻取装置
362 挿入孔(規制部)
366 スライダ(保持部材)
380 ウエビング巻取装置
382 スライダ(保持部材)
390 ウエビング巻取装置
392 挿入孔
395 干渉部(干渉手段)
410 ウエビング巻取装置
412 挿入孔(制限手段)

Claims (7)

  1. 長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端側が係止され、自らの軸周り一方の巻取方向への回転で前記ウエビングベルトを基端側から外周部に巻き取るスプールと、
    前記スプールの軸方向一端部の側方で当該一端部に隣接した状態で前記スプールに一体的に連結されると共に、自らが回転規制された状態で、一定の大きさ以上の前記巻取方向とは反対の引出方向への回転力が前記スプールに付与されることで前記スプールが前記引出方向に回転可能な回転体と、
    前記回転体に直接又は間接的に係合して、前記巻取方向とは反対の引出方向への回転を規制するロック機構と、
    前記スプールの軸方向端部及び前記スプール側の前記回転体の端面の少なくとも何れか一方に形成されて何れか他方へ向けて開口し且つ長手方向が前記スプールの軸方向に対して傾斜したガイド溝に長手方向中間部が収容され、前記回転体に対して前記スプールが前記巻取方向に変位した際に前記スプール又は前記回転体に対して相対回転しつつ前記ガイド溝内で移動することで前記スプール又は前記回転体によって変形させられるワイヤと、
    前記回転体の前記スプールとは反対側の端面よりも前記スプール側に設けられ、前記ワイヤの先端を前記回転体及び前記スプールの何れか一方と共に何れか他方に対して相対回転可能に前記ワイヤの先端側を保持する保持手段と、
    を備えるウエビング巻取装置。
  2. 前記ガイド溝の長手方向に対して傾斜した前記ワイヤの先端側に設けられ、前記ワイヤの先端側での前記ワイヤの長手方向に対し交差する少なくとも1方向に沿った長さが、当該1方向に沿った前記ワイヤの先端よりも基端側における寸法よりも大きなフランジと、
    前記フランジが挿入可能に前記スプール及び前記回転体の何れか一方に形成された挿入孔の内側に設けられ、前記ワイヤの先端側での長手方向に沿って前記ワイヤの基端側から前記フランジに当接し、前記挿入孔から前記スプール及び前記回転体の何れか他方の側へ抜け出る方向へのフランジの移動を規制する当接面を有する規制手段と、
    を含めて前記保持手段を構成し、且つ、前記スプールとは反対側の前記回転体の端面よりも前記スプール側に前記挿入孔内の前記フランジが位置する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のウエビング巻取装置。
  3. 前記スプール及び前記回転体のうち、前記挿入孔が形成されていない方の側から前記フランジが挿入可能に開口していると共に、内側へ挿入された前記フランジが前記当接面と対向する位置へ向けて前記挿入孔内に移動可能に連通したガイド孔を、前記スプール及び前記回転体のうち前記挿入孔が形成されている方に形成した、
    ことを特徴とする請求項2に記載のウエビング巻取装置。
  4. 前記スプール及び前記回転体の回転軸線方向に沿って前記ガイド溝に対して変位した位置で、前記スプール及び前記回転体のうち、前記回転体に対する前記スプールの前記引出方向へ回転状態で前記ワイヤを変形させない方に孔部を形成し、前記ガイド溝の長手方向に対して少なくとも前記回転体の回転軸線に対して平行に屈曲された前記ワイヤの屈曲部分よりも先端側を、前記回転体の前記スプールとは反対側の面よりも前記スプール側で前記孔部に収容し、
    さらに、前記回転体の前記スプールとは反対側の面よりも前記スプール側で前記孔部に設けられ、前記回転体に対する前記スプールの前記引出方向へ回転時に、前記屈曲部分よりも先端側の前記ワイヤの外周部に対して前記スプールの周方向に沿って干渉し、前記屈曲部分よりも前記ワイヤの先端側の前記孔部から前記何れか他方の側へ抜け出る方向への移動を、前記干渉での前記ワイヤとの摩擦で制限する干渉手段を含めて前記保持手段を構成した、
    ことを特徴とする請求項1に記載のウエビング巻取装置。
  5. 前記回転体の前記スプールとは反対側の面よりも前記スプール側に設けられて前記ワイヤの先端を保持する保持部材と、
    前記スプール及び前記回転体のうち、前記回転体に対する前記スプールの前記引出方向への回転状態で前記ワイヤを変形させない方に形成され、前記スプールの周方向に沿った前記保持部材の変位を規制する規制部と、
    を含めて前記保持手段を構成した、
    ことを特徴とする請求項1に記載のウエビング巻取装置。
  6. 前記保持手段を前記スプールに設け、前記スプールと共に回転可能に前記ワイヤの先端側を前記保持手段が保持し、前記回転体に対する前記引出方向への前記スプールの回転で前記回転体が前記ワイヤを変形させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のウエビング巻取装置。
  7. 長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端側が係止され、自らの軸周り一方の巻取方向への回転で前記ウエビングベルトを基端側から外周部に巻き取ると共に、軸方向一端部にて開口したスプール側挿通孔が形成されたスプールと、
    前記スプールの軸方向一端部の側方で当該一端部に隣接した状態で前記スプールに一体的に連結されると共に、自らが回転規制された状態で、一定の大きさ以上の前記巻取方向とは反対の引出方向への回転力が前記スプールに付与されることで前記スプールが前記引出方向に回転可能な回転体と、
    前記回転体に直接又は間接的に係合して、前記巻取方向とは反対の引出方向への回転を規制するロック機構と、
    前記スプール及び前記回転体の少なくとも何れか一方に形成されて、前記スプール側挿通孔の開口端に連通すると共に、長手方向がスプール側挿通孔の開口方向に対して傾斜し、前記スプールが前記回転体に対して前記引出方向に回転する前の状態で少なくとも一部が前記スプール側挿通孔の開口端よりも前記巻取方向側に位置するガイド溝に、長手方向中間部が収容されると共に、長手方向基端側が中間部に対して屈曲して前記スプール側挿通孔に挿通されたワイヤと、
    前記スプール側挿通孔の開口端よりも前記引出方向側で且つ前記スプールとは反対側の前記回転体の端面よりも前記スプール側で前記回転体に設けられ、前記回転体に対して前記スプールが前記引出方向に回転した状態で、前記ワイヤの先端側に対して前記引出方向側から当接し、前記引出方向への前記ワイヤの先端側の変位を制限する制限手段と、
    を備えるウエビング巻取装置。
JP2005025598A 2005-02-01 2005-02-01 ウエビング巻取装置 Pending JP2006213102A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005025598A JP2006213102A (ja) 2005-02-01 2005-02-01 ウエビング巻取装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005025598A JP2006213102A (ja) 2005-02-01 2005-02-01 ウエビング巻取装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006213102A true JP2006213102A (ja) 2006-08-17

Family

ID=36976687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005025598A Pending JP2006213102A (ja) 2005-02-01 2005-02-01 ウエビング巻取装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006213102A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10315617B2 (en) 2016-08-04 2019-06-11 Trw Vehicle Safety Systems Inc. Seat belt retractor with load limiting stop mechanism

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997004996A1 (en) * 1995-08-01 1997-02-13 Autoliv Development Ab A safety-belt retractor mechanism
JP2002059809A (ja) * 2000-08-15 2002-02-26 Tokai Rika Co Ltd ウエビング巻取装置
JP2004276742A (ja) * 2003-03-14 2004-10-07 Nsk Autoliv Co Ltd シートベルト巻取装置及びその巻き取り方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997004996A1 (en) * 1995-08-01 1997-02-13 Autoliv Development Ab A safety-belt retractor mechanism
JP2002059809A (ja) * 2000-08-15 2002-02-26 Tokai Rika Co Ltd ウエビング巻取装置
JP2004276742A (ja) * 2003-03-14 2004-10-07 Nsk Autoliv Co Ltd シートベルト巻取装置及びその巻き取り方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10315617B2 (en) 2016-08-04 2019-06-11 Trw Vehicle Safety Systems Inc. Seat belt retractor with load limiting stop mechanism

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4295552B2 (ja) ウエビング巻取装置
US6354528B1 (en) Webbing retractor
JP4819645B2 (ja) ウエビング巻取装置
JP4685674B2 (ja) ウエビング巻取装置
JP4914201B2 (ja) ウエビング巻取装置
JP5557367B2 (ja) シートベルト装置
JP4917395B2 (ja) ウエビング巻取装置
JP2008285138A (ja) 安全ベルトリトラクター
JP5587142B2 (ja) ウエビング巻取装置
JP2002127870A (ja) ウエビング巻取装置
JPH08127313A (ja) シートベルト巻取装置
JP2006188148A (ja) ウエビング巻取装置
WO2014163073A1 (ja) シートベルト用リトラクタ
EP2666680B1 (en) Seat belt retractor
US8590824B2 (en) Seatbelt retractor
JP2001163179A (ja) シートベルト装置
JP2006137290A (ja) ウエビング巻取装置
JP2007238030A (ja) シートベルト装置
JP2000302010A (ja) ウエビング巻取装置
JP5203881B2 (ja) ウエビング巻取装置
JP2009184520A (ja) ウエビング巻取装置
JP2014180905A (ja) ウェビング巻取装置
JP2013184605A (ja) ウェビング巻取装置
JP2006213102A (ja) ウエビング巻取装置
JP5419498B2 (ja) ウエビング巻取装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070730

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100629

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101102