JP2006206869A - カチオン電着塗料 - Google Patents

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政明 篠原
Toshiharu Soga
利晴 曽我
Naoya Haruta
直哉 春田
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Abstract

【課題】 凹凸のある被塗物に対しても均一な電着塗膜を形成せしめることのできる、導
電性及び防食性に優れた塗膜を形成する塗料安定性が良好なカチオン電着塗料を提供すること。
【解決手段】 ケッチェンブラック(a)と、ファーネスブラック、黒鉛及び導電性ウ
ィスカーから選らばれる少なくとも1種類の導電性粉末(a)とからなる導電性フィラ
ー(A)を顔料分散用樹脂を用いて分散させてなる導電性フィラー分散ペーストを用いて
調製された、基体樹脂及び硬化剤を含んでなるカチオン電着塗料であって、
(イ)基体樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部あたり、ケッチェンブラック(a
を少なくとも5重量部含む導電性フィラー(A)を30〜100重量部含有し、
(ロ)導電性粉末(a)/ケッチェンブラック(a)の重量比が0.4〜8の範囲内にあり、
(ハ)顔料分散用樹脂がオニウム塩型の顔料分散用樹脂である
ことを特徴とするカチオン電着塗料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電性塗膜を形成し得るカチオン電着塗料に関する。
近年、石油燃料を燃焼させた際に発生するガスが地球環境に悪影響を与えることから問
題となっており、環境面を配慮して二酸化炭素や二酸化窒素などの排気ガスを全く発生せ
ずに、動力・熱などのエネルギーを得る手段として燃料電池が開発されている。
燃料電池の中でも、セパレーター、燃料極、固体電解質、ガス拡散電極及びセパレータ
ーから構成される固体電解質型燃料電池は、コンパクトで軽量であるため、多方面での利
用が考えられている。
固体電解質型燃料電池のセパレーターは、電力を取り出すために導電性材料からなり、
電極表面で発生する反応性ガス(酸素、水素など)を効率よく透過させるために、通常、
表面に凹凸の溝が形成されている。このような機能及び形状を有するセパレーターとして、従来、黒鉛が用いられていたが、黒鉛は高価であり且つ切削加工に熟練を要し、物理的強度にも問題がある。
そのため、平板状又は表面に凹凸の溝が形成された導電性金属材料の表面に導電性塗料
を塗装したものをセパレーターとして使用することが提案されているが(表面に凹凸が形
成されたセパレーターはリブ付セパレーターと呼ばれている)、一般に、金属材料表面に導電性塗料をスプレー塗装やロールコーター塗装などの方法で均一に塗布することは困難であり、特にリブ付セパレーターの場合には導電性塗膜を均一に設けることは極めて困難である。
特許文献1には、金属系粉末、金属被覆粉末、炭素系粉末などの導電性粉末を含有する
電着塗料を用いて固体電解質型燃料電池の金属セパレーターを電着塗装することが開示さ
れている。しかし、形成塗膜の導電性や防食性がユーザーの要求レベル(例えば、塗膜の
抵抗値としては0.2kΩ以下が要求されている)に達せず、しかも、長期間塗装ラインで使用した場合の塗料安定性が不十分である等の問題がある。
特開2004−31166号公報
本発明の目的は、リブ付セパレーターに対しても均一な電着塗膜を形成せしめることの
できる、導電性及び防食性に優れた塗膜を形成する塗料安定性が良好なカチオン電着塗料を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、今回、導電性フィラー
として、ケッチェンブラックを、ファーネスブラック、黒鉛及び/又は導電性ウィスカー
と組み合わせて用い、これらの導電性フィラーをオニウム塩型の顔料分散用樹脂を用いて
分散ペーストとなし、それをカチオン電着塗料に配合すると、塗膜の導電性及び防食性や塗料安定性に優れたカチオン電着塗料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、ケッチェンブラック(a)と、ファーネスブラック、黒鉛及び
導電性ウィスカーから選ばれる少なくとも1種の導電性粉末(a)とからなる導電性フ
ィラー(A)を顔料分散用樹脂を用いて分散させてなる導電性フィラー分散ペーストを用
いて調製された、基体樹脂及び硬化剤を含んでなるカチオン電着塗料であって、
(イ)基体樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部あたり、ケッチェンブラック(a
を少なくとも5重量部含む導電性フィラー(A)を30〜100重量部含有し、
(ロ)導電性粉末(a)/ケッチェンブラック(a)の重量比が0.4〜8の範囲内 にあり、
(ハ)顔料分散用樹脂がオニウム塩型の顔料分散用樹脂である
ことを特徴とするカチオン電着塗料を提供するものである。
本発明のカチオン電着塗料は、それから形成される塗膜が導電性に優れており、特に、抵抗値が0.2kΩ以下の電着塗膜を容易に形成せしめることができ、固体電解質型燃料
電池のセパレーターの塗装用として極めて適している。
本発明のカチオン電着塗料は、また、つきまわり性に優れており、リブ付セパレーター
に対しても均一な導電性塗膜を形成せしめることができる。
しかも、本発明のカチオン電着塗料は、塗料安定性に優れており、長期間にわたり塗装
ラインで使用しても問題を生ずることなく、濾過残渣が増加せず、塗膜の仕上り性も低下
することがない。
以下、本発明のカチオン電着塗料についてさらに詳細に説明する。
導電性フィラー(A)
本発明は、形成される電着塗膜に導電性を付与するための導電性フィラーとして、ケッチェンブラック(a)と、ファーネスブラック、黒鉛及び導電性ウィスカーから選らばれる導電性粉末(a)とを組み合わせて使用する。
ケッチェンブラック(a
ケッチェンブラック(a)は、中空シェル状の構造を有するカーボンブラックであり、他のカーボンブラックより少ない量で樹脂に導電性を付与することができるという特性を有する。
本発明において使用するケッチェンブラック(a)は、好ましくは250〜600ml/100g、特に350〜500ml/100gの範囲内のDBP吸油量を有することができる。
本明細書において、「DBP吸油量」は下記の方法によって測定される値である。
乾燥試料1.0gを精確に秤かり取り、これを300mm×300mm以上の大きさの平滑なガラス板又は石板上に移し、もし粒状であれば、へらで適度の圧力をかけ粒を砕く。ビュレットから必要とされる予測量のDBP(フタル酸ジ−n−ブチル)の約1/2量をガラス板又は石板上に静かに注ぎ加え、DBPを円状に均等に広げてから試料を少しずつDBPの上に移して分散させ、へらで小円形を描く操作で丁寧に練る。
へらに付着した試料は、他のへらで取り除き、さらに必要とされる予測量のDBPの約1/3〜1/4量を加え、同一操作を繰り返して混合物が均一になるようにする。終点に近くなったら1滴ずつ加えて、更に終点近くなったら1/2滴ずつ加え、全体が一つの締まった塊状となった点を終点とする。この操作は、10〜15分で終わるようにし、操作終了後3分経過してからビュレット中のDBP滴下量を読み、次式によって吸油量:OA(ml/100g)を算出する。
OA=(V/W)×100
[式中、Vは終点までに用いた油の使用量(ml)であり、Wは乾燥試料の重さ(g) である]
ケッチェンブラック(a)としては、例えば、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックEC600JD、カーボンECP、カーボンECP600JD(以上、ライオン株式会社製、商品名)などの市販品を使用することができる。
導電性粉末(a
本発明においては、ファーネスブラック、黒鉛及び導電性ウィスカーから選ばれる少なくとも1種の導電性粉末(a)が、上記のケッチェンブラック(a)と組み合わせて使用される。かかる導電性粉末(a)をケッチェンブラック(a)と併用することにより、電着塗膜中に形成される導電経路がより緻密なものとなる。特に、本来少ない添加量で樹脂に導電性を付与することができるという特性をもつケッチェンブラック(a)を上記のごとき導電性粉末(a)と組み合わせることによって、電着塗料中のケッチェンブラック(a)と導電性粉末(a)の合計含有量が比較的少なくても、形成される塗膜の導電性を十分に確保することができ、そのため、塗装ラインにおいて長期間にわたり使用しても、フィルターの閉塞が発生するがことなく、塗膜の仕上り性や耐衝撃などに優れた塗装物品を得ることができる。
導電性粉末(a)は、粒状、板状、短繊維状などの任意の形状であることができ、通常、0.01〜100μm、特に0.02〜80μmの範囲内の平均粒子径を有することができる。また、導電性粉末(a)は、0.1〜1300m/g、特に0.5〜500m/gの範囲内の比表面積を有することが好ましい。さらに、導電性粉末(a)は、好ましくは30〜250ml/100g、特に50〜200ml/100gの範囲内のDBP吸油量を有することができる。
そのような導電性粉末(a)としては、例えば、バルカンXC−72、バルカンXC−605(以上、キャボット社製、商品名、ファーネスブラック)、ラーベン1255(コロンビアカーボン株式会社製、商品名、ファーネスブラック);RPシリーズ及びAGBシリーズ(以上、伊藤黒鉛株式会社、商品名、黒鉛)、黒鉛粉SP−10、SP−20、HAG−15、HAG−150、HAG−300(以上、日本黒鉛(株)製、商品名、黒鉛)、人造黒鉛POG−2、POG−10、POG−20(以上、住友化学(株)製、商品名、黒鉛)、UFG−5、UFG−10、UFG−30(以上、昭和電工株式会社製、商品名、黒鉛);デントールBK−400(大塚化学(株)製、商品名、チタン酸カリウム、導電性ウィスカー)などの市販品を使用することができ、これらはそれぞれ単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
導電性フィラー分散ペーストの調製
以上に述べたケッチェンブラック(a)と導電性粉末(a)とからなる導電性フィラー(A)は、カチオン電着塗料に配合するに先立ち、予め、顔料分散用樹脂を用いて分散させることによって、導電性フィラー分散ペーストが調製される。
本発明では、この分散ペーストの調製に際して、顔料分散用樹脂として、アンモニウム塩基、スルホニウム塩基、ホスホニウム塩基などのオニウム塩基を有するオニウム塩型の顔料分散用樹脂、好ましくはアンモニウム塩型の顔料分散用樹脂を使用する。
かかるオニウム塩型の顔料分散用樹脂を使用することによって、他の顔料分散用樹脂、例えば、酸中和型の顔料分散用樹脂を用いた場合に比べて、塗膜の導電性をさらに一層高めることができ、さらに形成塗膜の仕上り性や塗料安定性が向上したカチオン電着塗料が得られる。
オニウム塩型の顔料分散用樹脂を構成する樹脂種としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂などが挙げられるが、中でもエポキシ樹脂が好適である。そのようなオニウム塩型のエポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂に、3級アミノ基を含有する化合物及びカルボン酸を反応させてなるアンモニウム塩型のエポキシ樹脂が好適である。
導電性フィラー分散ペーストは、例えば、ケッチェンブラック(a)及び導電性粉末(a)を、通常の顔料分散ペーストの調製法に従い、上記の如きオニウム塩型の顔料分散用樹脂の溶液又は分散液に添加・混合し、ボールミル、ペブルミル、サンドミル等の攪拌機中で分散処理することによって調製することができる。
ケッチェンブラック(a)及び導電性粉末(a)は、導電性粉末(a)/ケッチェンブラック(a)の重量比が0.4〜8、好ましくは1〜6、さらに好ましくは3〜5.5の範囲内となるようにして使用することができる。
また、ケッチェンブラック(a)及び導電性粉末(a)は、顔料分散用樹脂の固形分100重量部あたり、合計で250〜900重量部、特に320〜750重量部の範囲内で配合することができる。
さらに、導電性フィラー分散ペーストには、必要に応じて、酸化チタン、ベンガラなどの着色顔料;クレー、マイカ、バリタ、タルク、炭酸カルシウム、シリカなどの体質顔料;リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム等の防錆顔料、キシレン樹脂等の石油樹脂;及びジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド等の有機錫化合物;他の導電性粉末;界面活性剤などを分散時に加えることもできる。
カチオン電着塗料の調製
本発明のカチオン電着塗料は、通常の電着塗料の調製法と同様にして、例えば、基体樹
脂及び硬化剤を含んでなる電着塗料用エマルションに、前述の如くして調製される導電性
フィラー分散ペーストを添加し、均一に混合することにより調製することができる。
その際の分散ペーストの配合割合は、基体樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部あた
り、ケッチェンブラック(a)が少なくとも5重量部、好ましくは7〜40重量部、さ
らに好ましくは10〜35重量部の範囲内、そしてケッチェンブラック(a)と導電性
粉末(a)とからなる導電性フィラー(A)が30〜100重量部、好ましくは35〜
70重量部、さらに好ましくは40〜65重量部の範囲内となるようにすることができる
。また、分散ペーストの調製に用いられる顔料分散用樹脂の配合割合は、基体樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部あたり3〜20重量部、特に5〜15重量部、さらに特に8〜10重量部の範囲内であることが望ましい。
基体樹脂
本発明のカチオン電着塗料における基体樹脂としては、カチオン電着塗料の基体樹脂と
して通常使用されているものが同様に使用可能であり、具体的には、例えば、分子中にア
ミノ基、アンモニウム塩基、スルホニウム塩基、ホスホニウム塩基などのカチオン化可能
な基を有する樹脂(以下、カチオン性樹脂という)が挙げられ、樹脂種としては、例えば
、エポキシ系、アクリル系、ポリブタジエン系、アルキド系、ポリエステル系などのいず
れの樹脂であってもよい。特に、ポリエポキシド化合物にアミノ基含有化合物を付加反応
させて得られるアミン付加エポキシ樹脂が好適である。
上記のアミン付加エポキシ樹脂としては、例えば、(1)ポリエポキシド化合物と第1
級モノ−及びポリアミン、第2級モノ−及びポリアミン又は第1、2級混合ポリアミンと
の付加物(例えば、米国特許第3,984,299号明細書参照);(2)ポリエポキシ
ド化合物とケチミン化された第1級アミノ基を有する第2級モノ−及びポリアミンとの付
加物(例えば、米国特許第4,017,438号 明細書参照);(3)ポリエポキシド
化合物とケチミン化された第1級アミノ基を有するヒドロキシ化合物とのエーテル化によ
り得られる反応物(例えば、特開昭59−43013号公報参照)等を挙げることができ
る。
上記のアミン付加エポキシ樹脂の製造に使用されるポリエポキシド化合物は、1分子中
にエポキシ基を1個以上、好ましくは2個以上有する化合物であり、一般に少なくとも2
00、好ましくは400〜4,000、更に好ましくは800〜2,500の範囲内の数
平均分子量及び少なくとも160、好ましくは180〜2,500、さらに好ましくは4
00〜1,500の範囲内のエポキシ当量を有するものが適しており、特に、ポリフェノ
ール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるものが好ましい。
本明細書において、数平均分子量は、JIS K 0124−83に記載の方法に準じ
て、分離カラムとしてTSK GEL4000HXL+G3000HXL+G2500H
XL+G2000HXL(東ソー株式会社製)及び溶離液としてGPC用テトラヒドロフ
ランを用い、温度40℃及び流速1.0ml/分で測定し、RI屈折計で得られたクロマ
トグラムとポリスチレンの検量線から計算により求めた値である。
該ポリエポキシド化合物の形成のために用い得るポリフェノール化合物としては、例え
ば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4’−ジヒドロキシベン
ゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−2もしくは3−tert−ブ
チル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ
(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等を挙げることができる。
該ポリエポキシド化合物は、ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリ
オール、ポリアミドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート化合物などと一部反応
させたものであってもよく、更にまた、ε−カプロラクトンなどのカプロラクトン、アク
リルモノマーなどをグラフト重合させたものであってもよい。
上記(1)のアミン付加エポキシ樹脂の製造に使用される第1級モノ−及びポリアミン
、第2級モノ−及びポリアミン又は第1、2級混合ポリアミンとしては、例えば、モノメ
チルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノイソプロピルア
ミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミンなどのモノ−もしくは
ジ−アルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキ
シプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノールなどのアルカノールアミン;エチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのアルキレンポリアミンなどを挙げることが
できる。
上記(2)のアミン付加エポキシ樹脂の製造に使用されるケチミン化された第1級アミ
ノ基を有する第2級モノ−及びポリアミンとしては、例えば、上記(1)のアミン付加エ
ポキシ樹脂の製造に使用される第1級モノ−及びポリアミン、第2級モノ−及びポリアミ
ン又は第1、2級混合ポリアミンのうち、第1級アミノ基を有する化合物(例えば、モノ
メチルアミン、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなど)
にケトン化合物を反応させてなるケチミン化物を挙げることができる。
上記(3)のアミン付加エポキシ樹脂の製造に使用されるケチミン化された第1級アミ
ノ基を有するヒドロキシ化合物としては、例えば、上記(1)のアミン付加エポキシ樹脂
の製造に使用される第1級モノ−及びポリアミン、第2級モノ−及びポリアミン又は第1
、2級混合ポリアミンのうち、第1級アミノ基とヒドロキシル基を有する化合物(例えば
、モノエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミンなど)にケトン化合物
を反応させてなるヒドロキシル基含有ケチミン化物を挙げることができる。
前記アミン付加エポキシ樹脂には、前記ポリエポキシド化合物、1分子中に2個以上の
活性水素含有基を有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるポリオール化合物、
及びアミノ基含有化合物を反応させてなるポリオール変性アミン付加エポキシ樹脂も包含
され、好適に使用することができる。
上記1分子中に2個以上の活性水素含有基を有する化合物は、一般には、62〜5,0
00の範囲内の分子量を有し、1分子当り2〜30個の活性水素含有基を含有するもので
あることが好ましく、この活性水素含有基としては、例えば、水酸基、第1級アミノ基、
第2級アミノ基などを挙げることができる。
上記1分子中に2個以上の活性水素含有基を有する化合物の具体例としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネ
オペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールな
どの低分子量ポリオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、ビスフェノールAポリエチレングリコールエーテルなどの線状
又は分岐状ポリエーテルポリオール;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸
、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸な
どの有機ジカルボン酸又はその無水物と、上記低分子量ポリオールなどの有機ジオールと
を有機ジオール過剰の条件下で重縮合反応させてなるポリエステルポリオール;ブチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサ
ミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ(2−
ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、1,3−ビスアミ
ノメチルシクロヘキサノン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、メタキシリレン
ジアミン、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミン、エチレンジアミン、プロピ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのアミン化合物;ピ
ペラジンやこれらのアミン化合物から誘導されるポリアミド、ポリアミドアミン、エポキ
シ化合物とのアミンアダクト、ケチミン、アルジミンなどを挙げることができる。
上記1分子中に2個以上の活性水素含有基を有する化合物に付加反応せしめられるカプ
ロラクトンとしては、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトンな
どが挙げられ、特にε−カプロラクトンが好適である。
上記1分子中に2個以上の活性水素含有基を有する化合物とカプロラクトンとの付加反
応は、それ自体既知の方法で行うことができ、この付加反応によってポリオール化合物が
得られる。
上記ポリオール変性アミン付加エポキシ樹脂の製造に用いられるアミノ基含有化合物は
、樹脂中にアミノ基を導入して、該樹脂をカチオン性化するためのカチオン性付与成分で
あり、エポキシ基と反応する活性水素を少なくとも1個有するものを使用することができ
る。
その具体例としては、例えば、前記(1)のアミン付加エポキシ樹脂の製造に使用され
る第1級モノ−及びポリアミン、第2級モノ−及びポリアミン又は第1、2級混合ポリア
ミン;前記(2)のアミン付加エポキシ樹脂の製造に使用されるケチミン化された第1級
アミノ基を有する第2級モノ−及びポリアミン;前記(3)のアミン付加エポキシ樹脂の
製造に使用されるケチミン化された第1級アミノ基を有するヒドロキシ化合物として使用
可能なものを挙げることができる。
カチオン性樹脂は、一般に、数平均分子量が700〜6,000、特に1,000〜4
,000の範囲内にあり、カチオン性基を樹脂1kgあたり0.5〜3当量、特に0.7
〜2当量の範囲内の量で有することが好ましい。
また、カチオン性樹脂は、カチオン化可能な基としてアミノ基を有する場合には、ギ酸
、酢酸、プロピオン酸、乳酸などの有機カルボン酸;塩酸、硫酸などの無機酸などの酸に
よって中和することにより水溶化ないしは水分散化することができ、他方、カチオン化可
能な基としてアンモニウム塩基、スルホニウム塩基又はホスホニウム塩基などのオニウム
塩基を有する場合には、中和することなく、そのまま水溶化ないしは水分散化することが
できる。
カチオン性樹脂として、さらに、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポ
キシ樹脂を用いることもできる。キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキ
シ樹脂には、エポキシ当量が180〜3,000のエポキシ樹脂にキシレンホルムアルデ
ヒド樹脂及びアミノ基含有化合物を反応させて得られるアミノ基含有エポキシ樹脂が包含
される。
上記アミノ基含有エポキシ樹脂の製造のための出発材料として用いられるエポキシ樹脂
としては、前記のアミン付加エポキシ樹脂について述べたものと同様のエポキシ樹脂が好
適である。
キシレンホルムアルデヒド樹脂は、エポキシ樹脂の内部可塑化(変性)に役立つもので
あり、例えば、キシレン及びホルムアルデヒドならびにさらに場合によりフェノール類を
酸性触媒の存在下に縮合反応させることにより製造することができる。
上記のホルムアルデヒドとしては、工業的に入手容易なホルマリン、パラホルムアルデ
ヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒドを発生する化合物などを例示することができる
さらに、上記のフェノール類には、2個又は3個の反応サイトを持つ1価もしくは2価
のフェノール性化合物が包含され、具体的には、例えば、フェノール、クレゾール、パラ
−オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールプロパン、ビスフェノールメ
タン、レゾルシン、ピロカテコール、ハイドロキノン、パラ−tert−ブチルフェノー
ル、ビスフェノールスルホン、ビスフェノールエーテル、パラ−フェニルフェノール等が
挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組合わせて用いることができる。この中
で特に、フェノール、クレゾールが好適である。
以上に述べたキシレン及びホルムアルデヒドならびにさらに場合によりフェノール類の
縮合反応に使用される酸性触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸
、シュウ酸等が挙げられるが、一般的には、特に硫酸が好適である。
縮合反応は、例えば、反応系に存在するキシレン、フェノール類、水、ホルマリン等が
還流する温度、通常、約80〜約100℃の温度に加熱することにより行うことができ、
通常、2〜6時間程度で終了させることができる。
上記の条件下に、キシレンとホルムアルデヒド及びさらに場合によりフェノール類を酸
性触媒の存在下で加熱反応させることによって、キシレンホルムアルデヒド樹脂を得るこ
とができる。
かくして得られるキシレンホルムアルデヒド樹脂は、一般に、20〜50,000セン
チポイズ(25℃)、好ましくは30〜15,000センチポイズ(25℃)の範囲内の
粘度を有することができ、そして一般に100〜50,000、特に200〜10,00
0の範囲内の水酸基当量を有していることが好ましい。
アミノ基含有化合物は、エポキシ樹脂にアミノ基を導入して、該エポキシ樹脂をカチオ
ン性化するためのカチオン性付与成分であり、前記カチオン性樹脂の製造の際に用いたも
のと同様のものを用いることができる。
前記エポキシ樹脂に対する上記のキシレンホルムアルデヒド樹脂及びアミノ基含有化合
物の反応は任意の順序で行うことができるが、一般には、エポキシ樹脂に対して、キシレ
ンホルムアルデヒド樹脂及びアミノ基含有化合物を同時に反応させるのが好適である。
上記の付加反応は、通常、適当な溶媒中で、約80〜約170℃、好ましくは約90〜
約150℃の温度で1〜6時間程度、好ましくは1〜5時間程度行うことができる。上記
の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの炭
化水素系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系;アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系;ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系;メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、iso−プロパノールなどのアルコール系;あるいはこれらの混合物などが挙
げられる。
上記の付加反応における各反応成分の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、適
宜変えることができるが、エポキシ樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂及びアミノ基含
有化合物の3成分の合計固形分重量を基準にして以下の範囲内が適当である。すなわち、
エポキシ樹脂は、一般に50〜90重量%、好ましくは50〜85重量%;キシレンホル
ムアルデヒド樹脂は、一般に5〜45重量%、好ましくは6〜43重量%;そしてアミノ基含有化合物は、一般に5〜25重量%、好ましくは6〜20重量%の範囲内で用いることが好ましい。
硬化剤
本発明のカチオン電着塗料において使用される硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物とブロック剤とのほぼ化学理論量での付加反応生成物であるブロック化ポリイソシアネート化合物が、防食性や硬化性などの面から好適である。
ここで使用されるポリイソシアネート化合物としては、従来から知られているものを使
用することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェ
ニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(通常「MDI」と呼ばれる)、クルードMD
I、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ートなどの芳香族、脂肪族又は脂環族ポリイソシアネート化合物;これらのポリイシアネ
ート化合物の環化重合体、イソシアネートビゥレット体;これらのポリイソシアネート化
合物の過剰量にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、
ヘキサントリオール、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末
端イソシアネート含有化合物などを挙げることができる。これらはそれぞれ単独で又は2
種以上組合わせて使用することができる。
一方、ブロック剤は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロッ
クするものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常
温においては安定であるが、塗膜の焼付け温度(通常約100〜約200℃)に加熱した
際、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるものであることが望まし
い。
このような要件を満たすブロック剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチ
ロラクタムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキ
シムなどのオキシム系化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールな
どのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコ
ール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルカノール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物等を挙げることができる。
以上に述べたアミノ基含有エポキシ樹脂及びブロック化ポリイソシアネート化合物は、
一般に、両者の合計固形分を基準にして、基体樹脂は50〜95重量%、特に65〜85
重量%の範囲内、そしてブロック化ポリイソシアネート化合物は5〜50重量%、特に15〜35重量%の範囲内で使用することができる。
カチオン電着塗料用のエマルションは、例えば、基体樹脂及びブロック化ポリイソシア
ネート化合物、及び場合によりその他の添加剤を一緒にし、十分に混ぜ合わせて溶解ワニ
スを作製し、それに水性媒体中で、ぎ酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ
酸、スルファミン酸、それらの1種もしくはそれ以上の混合物などから選ばれる中和剤を
添加して水分散化することにより調製することができる。
カチオン電着塗料は、上記の如くして調製されるエマルションに、前述の導電性フィラ
ー分散ペーストを加え、必要により水性媒体で希釈して調製することができる。
かくして調製されるカチオン電着塗料は、電着塗装によって被塗物の表面に塗装することができる。
本発明のカチオン電着塗料が適用可能な被塗物としては、電着塗装が可能な材料であれ
ば特に制限はなく、例えば、ステンレス、鉄、鋼、銅、亜鉛、スズ、アルミニウム、アル
マイトなどの金属類;これらの金属の合金;該金属をメッキしたシート;該金属が積層されたシートなどが挙げられ、これらは、必要に応じて、耐食性及び付着性を向上させるために、表面処理、プライマーなどを施すことができ、例えば、ステンレスには、クロム系表面処理を施すことができる。
具体的な被塗物には、自動車ボディ、自動車部品、各種工業用製品、例えば、固体電解
質燃料電池などが挙げられる。
電着塗装は、一般に、本発明のカチオン電着塗料を浴固形分濃度が約5〜約40重量%
となるように脱イオン水などで希釈し、さらにpHを5.5〜9.0の範囲内に調整され
たカチオン電着塗料浴を用い、通常、浴温15〜35℃及び印加電圧30〜400Vの条
件下で行うことができる。
本発明のカチオン電着塗料を用いて形成される塗膜の膜厚は、特に制限されるものではないが、一般的には、硬化塗膜に基づいて10〜40μmの範囲内が好ましい。塗膜の焼き付け温度は、被塗物表面で一般に約120〜約200℃、好ましくは約140〜約180℃の範囲内の温度が適しており、焼き付け時間は5〜60分、好ましくは10〜30分程度が好ましい。
かくして形成される電着塗膜の導電性は、導電性フィラー(A)、殊にケッチェンブラ
ック(a)の含有量に依存して変えることができ、本発明に従えば、抵抗値が0.2kΩ以下、特に0.18kΩ以下、さらに特に0.15kΩ以下である導電性塗膜を容易に形成せしめることができる。
したがって、本発明のカチオン電着塗料は、固体電解質型燃料電池の金属セパレーター
の片面又は両面の塗装に極めて適している。
本明細書において、塗膜の「抵抗値」は、試験塗板を測定機に固定し、測定機の端子を表と裏に当てて測定したときの接触抵抗値(Ω)である。「抵抗値」の測定は、CUSTOM社製、商品名:CDM−03D接触抵抗値測定機を用いて行うことができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す
製造例1 アンモニウム塩型エポキシ樹脂(顔料分散用樹脂)の製造
エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名、エポキシ樹脂)
1010部に、ビスフェノールA 390部、ポリカプロラクトンジオール(数平均分子
量約1200)240部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキ
シ当量が約1090になるまで反応させた。
次に、ジメチルエタノールアミン134部及び酢酸90部を加え、120℃で4時間反
応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテルを加えて固形分を調整し、アンモニ
ウム塩価44mgKOH/g、固形分60%のアンモニウム塩型エポキシ樹脂(顔料分散
用樹脂)を得た。
製造例2 酸中和型3級アミノ基含有エポキシ樹脂(顔料分散用樹脂)の製造
撹拌機、温度計、滴下ロート及び還流冷却器を取り付けたフラスコに、エチレングリコールモノブチルエーテル398部、EHPE−3150(ダイセル化学株式会社製、商品名、エポキシ当量180の脂環型エポキシ樹脂)900部、ジエタノールアミン315部、アミン化合物(注1)371部及びエポキシアミン生成物(注2)1651部を仕込み、混合撹拌しながら徐々に加熱し、150℃で反応させ、エポキシ当量が0になったことを確認し、次いでエチレングリコールモノブチルエーテルを加えて固形分を調整し、アミン価96.5mgKOH/g、固形分60%の酸中和型3級アミノ基含有エポキシ樹脂(顔料分散用樹脂)を得た。
(注1)アミン化合物:
温度計、攪拌機、還流冷却器及び水分離器を取り付けた反応容器に、ステアリン酸 285部、ヒドロキシルエチルアミノエチルアミン104部及びトルエン80部を仕 込み、混合撹拌しながら徐々に加熱し、必要に応じてトルエンを除去し温度を上げな がら反応水18部を分離除去した後、残存するトルエンを減圧除去することにより得 られるアミン価150、凝固点76℃のアミン化合物。
(注2)エポキシアミン生成物:
撹拌機、温度計、滴下ロート及び還流冷却器を取付けたフラスコに、ジエタノール アミン105部、エポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジルエーテル76 0部、ビスフェノールA 456部及びエチレングリコールモノブチルエーテル33
0部を添加し、150℃でエポキシ基残量が0になるまで反応させることにより得ら れる固形分80%のエポキシアミン生成物。
製造例3 導電性フィラー分散ペーストNo.1の製造
60%アンモニウム塩型エポキシ樹脂(顔料分散樹脂)16.7部(固形分10部)、
ケッチェンブラックEC(注3)7部、バルカンXC−72(注4)25部及び脱イオン
水27.7部をボールミルに配合して20時間分散し、固形分55%の導電性フィラー分
散ぺーストNo.1を得た。
製造例4〜32 導電性フィラー分散ペーストNo.2〜No.30の製造
製造例3と同様にして、下記表1(実施例用)及び表2(比較例用)に示す配合で導電
性フィラー分散ペーストNo.2〜No.30を得た。
Figure 2006206869
Figure 2006206869
(注3)ケッチェンブラックEC:ライオン株式会社製、商品名、ケッチェンブラック、 DBP吸油量368ml/100g
(注4)ケッチェンブラックEC600JD:ライオン株式会社製、商品名、ケッチェン
ブラック、DBP吸油量495ml/100g
(注5)バルカンXC−72:キャボット社製、商品名、ファーネスブラック、DBP吸
油量178ml/100g
(注6)デントールBK−400:大塚化学(株)製、商品名、チタン酸カリウムを導電
性カーボンで被覆したもの、導電性ウィスカー、DBP吸油量150ml/
100g
(注7)UFG−5:昭和電工社製、商品名、黒鉛、DBP吸油量55ml/100g
(注8)DOTO:三共有機株式会社製、商品名、ジオクチル錫オキサイド
製造例33 基体樹脂No.1の製造
温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、5
0%ホルマリン240部、フェノール55部、98%工業用硫酸101部及びメタキシレ
ン212部を仕込み、84〜88℃で4時間反応させる。反応終了後、静置して樹脂相と
硫酸水相とを分離した後、樹脂相を3回水洗し、20〜30mmHg/120〜130℃
の条件で20分間未反応メタキシレンをストリッピングして、粘度1050センチポイズ
(25℃)のフェノール変性のキシレンホルムアルデヒド樹脂240部を得た。
別のフラスコに、エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポ
キシ樹脂、エポキシ当量190、分子量350)1000部、ビスフェノールA 40
0部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量750になる
まで反応させた。
次に、フェノール変性のキシレンホルムアルデヒド樹脂300部、ジエタノールアミン
140部及びジエチレントリアミンのケチミン化物65部を加え120℃で4時間反応さ
せた後、ジエチレングリコールモノブチルエーテル420部を加え、固形分80%のキシ
レンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂である基体樹脂No.1を得た
製造例34 ブロックポリイソシアネート硬化剤の製造
反応容器中にコスモネートM−200(三井化学社製、商品名、クルードMDI)2
70部及びメチルイソブチルケトン25部を加え70℃に昇温した。その中に2,2−ジ
メチロールブタン酸15部を徐々に添加し、ついでエチレングリコールモノブチルエーテ
ル118部を滴下して加え、70℃で1時間反応させた後、60℃に冷却し、プロピレン
グリコール152部を添加した。
この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応
のイソシアナト基の吸収がなくなったことを確認し、樹脂固形分90%のブロックポリイ
ソシアネート硬化剤を得た。
製造例35 カチオン電着塗料用のエマルションの製造
製造例33で得た基体樹脂No.1 87.5部(固形分70部)、製造例34で得た
ブロック化ポリイソシアネート硬化剤33.3部(固形分30部)及び10%酢酸15部
を混合し均一に撹拌した後、脱イオン水 158.3部を強く撹拌しながら約15分かけ
て滴下し、固形分34%のカチオン電着塗料用のエマルションを得た。
実施例1
製造例35で得たエマルション294部(固形分100部)に、導電性フィラー分散ペーストNo.1 94.5部(固形分52部)及び脱イオン水371.5部を加えて、固形分20%のカチオン電着塗料No.1を得た。
実施例2〜19
実施例1と同様にして、下記表3に示す配合で、カチオン電着塗料No.2〜No.1
9を得た。
Figure 2006206869
比較例1
製造例35で得たエマルション294部(固形分100部)に、導電性フィラー分散ペーストNo.20 94.5部(固形分52部)及び脱イオン水371.5部を加えて、固形分20%のカチオン電着塗料No.20を得た。
比較例2〜11
比較例1と同様にして、下記表4に示す配合でカチオン電着塗料No.21〜No.3
0を得た。
Figure 2006206869
試験塗板の作成
実施例1〜19及び比較例1〜11で得た各カチオン電着塗料中に、0.8×150×70mmのステンレス鋼板(SUS304)を浸漬し、それをカソードとして印加電圧50V−2分間の電着塗装条件下に膜厚20μmの電着塗膜を形成せしめ、水洗後、170℃−20分の焼付けを行なって試験塗板を得た。塗料試験及び試験塗板の性能試験の結果を下記表5及び表6に示す。
Figure 2006206869
Figure 2006206869
(注9)導電性:試験塗板を測定機に固定し、測定機の端子を表と裏に当てて接触抵抗値を測定した。接触抵抗値の測定はCDM−03D測定機(CUSTOM社製、商品名、接触抵抗値測定機)を用いて行った。
(注10)ろ過残渣:カチオン電着塗料を30℃にて4週間密閉攪拌し、塗料を400
メッシュの濾過網を用いて濾過した時の残渣量(mg/L)を測定した。
○:残渣量が10mg/L未満
△:残渣量が11〜15mg/L
×:残渣量が15mg/Lを越える。
(注11)L字仕上がり性:カチオン電着塗料を、被塗物として先端をL字に折り曲げた 試験板に、印加電圧50Vにて、通電時間を調整して硬化膜厚で膜厚が20μm となるように電着塗装を行い、L字に折り曲げた先端の水平面の塗膜の状態を目 視評価した。
◎:問題なく良好
○:塗膜にツヤびけがやや見られるが、製品としては問題なし
△:塗膜のブツ、肌荒れがみられる
×:塗膜のブツ、肌荒れが著しい。
(注12)防食性:試験塗板に、素地に達するように電着塗膜にナイフでクロスカット傷
を入れ、JISZ−2371に準じて840時間耐塩水噴霧試験を行い、ナイフ
傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
◎:錆、フクレの最大幅がカット部より2mm未満(片側)
○:錆、フクレの最大幅がカット部より2mm以上でかつ3mm未満(片側)
△:錆、フクレの最大幅がカット部より3mm以上でかつ4mm未満(片側)
×:錆、フクレの最大幅がカット部より4mm(片側)を越える。
(注13)耐衝撃性:デュポン式衝撃試験機を用いて、撃心の直径1/2インチ、落錘高
さ50cm、測定雰囲気20℃の条件で試験を行ない、衝撃を受けた凸凹部を目
視で評価した。
◎:塗板の表(おもて)・裏(うら)とも異常なし
○:塗板の表(おもて)面は、異常なし
△:塗板の表(おもて)・裏(うら)とも、細かな亀裂が少しみられる
×:塗板の表(おもて)・裏(うら)とも、大きなワレがみられる。
本発明のカチオン電着塗料は、導電性と防食性を必要とし、かつ凹凸を有する工業用部
品の塗装に好適である。

Claims (4)

  1. ケッチェンブラック(a)と、ファーネスブラック、黒鉛及び導電性ウィスカーから選らばれる少なくとも1種類の導電性粉末(a)とからなる導電性フィラー(A)を顔料分散用樹脂を用いて分散させてなる導電性フィラー分散ペーストを用いて調製された、基体樹脂及び硬化剤を含んでなるカチオン電着塗料であって、
    (イ)基体樹脂と硬化剤の固形分合計100重量部あたり、ケッチェンブラック(a)を少なくとも5重量部含む導電性フィラー(A)を30〜100重量部含有し、
    (ロ)導電性粉末(a)/ケッチェンブラック(a)の重量比が0.4〜8の範囲内にあり、
    (ハ)顔料分散用樹脂がオニウム塩型の顔料分散用樹脂である
    ことを特徴とするカチオン電着塗料。
  2. 形成塗膜の抵抗値が0.2kΩ以下である請求項1に記載のカチオン電着塗料。
  3. 被塗物に請求項1に記載のカチオン電着塗料を電着塗装することを特徴とする導電性塗膜の形成方法。
  4. 被塗物が固体電解質型燃料電池の金属セパレーターである請求項3に記載の方法。
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