JP2006200578A - ディスクブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】 各パッド4a、4bを挿通支持したパッドピン35をキャリパ1aに低コストで支持できる構造で、誤組み付けを防止する。
【解決手段】 上記パッドクリップ35の両端寄り部分を、キャリパ1aに設けた第三、第四のキャリパ腕部28、29に形成した第一の通孔30a、30bに挿通支持する。上記パッドクリップ35の長さ方向一端部側にフランジ部36を形成すると共に、中間部2個所位置にクリップ38、38を係止する。上記第三のキャリパ腕部28のアウタ側面で、第一の通孔30aの開口端周辺部に誤組み付け突部44を突出形成する。上記パッドピン35の方向を誤って組み付けた場合に、上記フランジ部36の側面に上記誤組み付け突部44が突き当て可能となる様に、この誤組み付け突部44の形成位置を規制する。
【選択図】 図1

Description

この発明に係るディスクブレーキは、例えば、自動二輪車等の車両の制動に利用する。
自動二輪車等に組み付けるディスクブレーキとして、例えば特許文献1に記載された様な構造が従来から知られている。この特許文献1に記載されたディスクブレーキは、図14〜15に示す様に、キャリパ1を、車体を構成するチューブ2に対し、ロータ3の軸方向(図14の表裏方向、図15の左右方向)の変位自在に支持すると共に、一対のパッド4a、4bをキャリパ1により、上記ロータ3の軸方向の変位自在に支持している。
上記キャリパ1を上記チューブ2に対し、ロータ3の軸方向の変位自在に支持する為に、このキャリパ1の片側(図14の左側)に設けた耳部18に第一の摺動ピン6の基端部を結合固定している。又、上記チューブ2に固定したブラケット5の上端部に設けた支持筒(図示せず)に、上記第一の摺動ピン6の先半部を摺動自在に挿通している。又、上記キャリパ1の下端部に摺動孔8(図15)を形成すると共に、上記ブラケット5の下端部にその基端部を固定した第二の摺動ピン7の先半部を、この摺動孔8に内嵌した伸縮ブーツ9内に、摺動自在に挿通している。
又、上記一対のパッド4a、4bを上記キャリパ1により、上記ロータ3の軸方向の変位自在に支持する為に、このキャリパ1の、このロータ3を挟んで両側に設けた爪部10とシリンダ部11との間に、パッドピン12を掛け渡し、このパッドピン12の長さ方向一端部(図15の右端部)を上記シリンダ部11にねじ止めにより固定している。上記各パッド4a、4bは、プレッシャプレート13、13の片面にライニング17、17を添設して成り、これら各プレッシャプレート13、13の上端部に形成した通孔14、14に、上記パッドピン12の中間部を摺動自在に挿通している。
上述の様に構成する特許文献1に記載されたディスクブレーキの制動時には、上記シリンダ部11に設けた給油ポート15(図15)を通じてこのシリンダ部11内に圧油を送り込む。そして、この送り込みに基づいてこのシリンダ部11内に嵌装したピストン16を押し出す事により、上記一対のパッド4a、4bのうち、インナ側(車両の幅方向内側で、図14の表側、図15の右側)のパッド4aのライニング17を、前記ロータ3の片側面(図14の表側面、図15の右側面)に押し付ける。すると、この押し付けの反作用として、上記キャリパ1が上記ピストン16の押し出し方向と反対方向(図14の表側、図15の右側)に変位する。そして、このキャリパ1に設けた前記爪部10により、上記一対のパッド4a、4bのうち、アウタ側(車両の幅方向外側で、図14の裏側、図15の左側)のパッド4bのライニング17を、上記ロータ3の他側面(図14の裏側面、図15の左側面)に押し付ける。この結果、上記1対のパッド4a、4bが上記ロータ3の両側面に押し付けられて、これら両パッド4a、4bのライニング17、17とロータ3の両側面とが摩擦係合する。
上述の様な特許文献1に記載されたディスクブレーキでは、キャリパ1に一対のパッド4a、4bを支持する為に、パッドピン12の長さ方向一端部に設けた雄ねじ部19を上記キャリパ1に形成した雌ねじ部20に螺合する事により、このキャリパ1にこのパッドピン12を固定している。そして、このパッドピン12の中間部に、パッド4a、4bの一部を摺動自在に挿通支持している。但し、この様な構造の場合、パッドピン12及びキャリパ1にねじ部19、20を形成する必要があり、ディスクブレーキの製造時にねじ加工の工程が増える為、製造コストが嵩む原因となっている。
一方、キャリパに対するパッドピンの脱落を防止する為の構造として、2個の脱落防止機構を設けた二重安全構造を採用する事も、従来から考えられている。例えば、パッドピンをキャリパに、ねじ止め結合部により成る1個の脱落防止機構と、このパッドピンに形成した係止孔にクリップ等の係止部材を係止する事により構成する1個の脱落防止機構との合計2個の脱落防止機構により、二重安全構造とする事が従来から考えられている。但し、この様な従来構造の場合も、上記特許文献1に記載されたディスクブレーキの場合と同様に、パッドピン及びキャリパにねじ部を形成する必要があり、ディスクブレーキの製造時にねじ加工の工程が増える為、製造コストが嵩む原因となっている。
[先発明の説明]
この様な事情に鑑みて、本発明の発明者らは、先に、図16〜19に略示する様な先発明のディスクブレーキを発明した。この先発明に係るディスクブレーキは、自動二輪車等の車両の車体を構成する部材のうち、車輪に隣接して設けたチューブ(前輪の場合にはフォーク)2(図14参照)にブラケット5aを固定している。この車輪を構成するホイールの片面には円輪状のロータ3を、このホイールと同心に固定している。この構成により、このロータ3は、上記車輪と共に回転する。又、上記ブラケット5aの上記チューブ2の長さ方向に関する一端部(図16、18の左端部)に、第一の摺動ピン22の中間部をねじ止め若しくは圧入により結合固定している。この第一の摺動ピン22は、中間部に上記ブラケット5aに結合固定する為の結合部を、両端寄り部分に外周面を円筒面とした一対の円杆部21、51を、一体に設けている。又、この第一の摺動ピン22の一方(図18の下方)の円杆部21の先端部(図18の下端部)を、上記ブラケット5aのアウタ側面(図18の下側面)から突出させた後、上記ロータ3の片面(図18の下側面)よりもアウタ側(図18の下側)に突出させている。そして、上記第一の摺動ピン22を、上記ロータ3の中心軸と平行な状態で、上記ブラケット5aに固定している。
一方、上記ブラケット5aの上記チューブ2の長さ方向に関する他端部(図16の右端部)に、第二の摺動ピン23の基端部(図16の表側端部)をねじ止めにより結合固定している。そして、この第二の摺動ピン23を、上記ロータ3の中心軸と平行な状態で、上記ブラケット5aに固定している。又、この第二の摺動ピン23の先端部に、外周面を円筒面とした円杆部を設けている。
そして、上述の様に上記ブラケット5aを介して上記チューブ2に支持固定した、第一、第二の摺動ピン22、23により、キャリパ1aを、上記ロータ3の軸方向の変位を自在に支持している。この為に、このキャリパ1aの、このロータ3を挟んで両側に設けたシリンダ部11と爪部10とのうち、シリンダ部11に、上記ブラケット5aの長さ方向両側に伸びる第一、第二のキャリパ腕部24、25を形成している。又、このうちの第一のキャリパ腕部24の先端部に摺動筒部26を一体に設けると共に、この摺動筒部26に上記第一の摺動ピン22の他方(図18の上方)の円杆部51の先半部を、軸方向の摺動自在に挿入している。又、上記第二のキャリパ腕部25の先端部に、ロータ3の中心軸に対し平行な通孔48(後述する本発明の実施例を表す図6参照)を形成すると共に、この通孔48に内嵌した伸縮ブーツ27(図6参照)内に、上記第二の摺動ピン23の先半部を、軸方向の摺動自在に挿入している。
又、上記シリンダ部11及び爪部10の側面で、上記第二のキャリパ腕部25側に第三、第四のキャリパ腕部28、29を突出形成すると共に、これら第三、第四のキャリパ腕部28、29の先端部で互いに対向する部分に、前記ロータ3の中心軸に対し平行な第一の通孔30a、30bを、それぞれ形成している。
又、上記キャリパ1aに設けたシリンダ部11に、ピストン16a(図18)を、油密に上記ロータ3の軸方向の摺動自在に嵌装し、このシリンダ部11に図示しない給油ポートを通じて圧油の給排を自在とする事により、このシリンダ部11内からの上記ピストン16aの押し出しを自在としている。そして、このシリンダ部11内ヘの圧油の送り込みに伴って、このシリンダ部11から上記ロータ3に向け押し出すピストン16aの反力により、上記キャリパ1aを、このロータ3の軸方向に移動可能としている。そして、このキャリパ1aは、一対のパッド4a、4bを、上記ロータ3の軸方向の変位自在に支持している。
即ち、上記ロータ3の一部両側面と上記ピストン16a及び爪部10との間に、上記一対のパッド4a、4bを設けている。これら各パッド4a、4bは、プレッシャプレート13、13の片面にライニング17、17を添着して成る。この様な各パッド4a、4bは、これら各ライニング17、17を上記ロータ3の側面に対向させた状態で、上記爪部10と上記ロータ3の片側面(図18の下側面)との間、上記ピストン16aの先端面とこのロータ3の他側面(図18の上側面)との間に、それぞれ配置している。
又、上記各パッド4a、4bを構成するプレッシャプレート13、13に、上記ロータ3の周方向両側に伸びる第一、第二のパッド腕部31、32a、32bを、それぞれ形成している。そして、上記各パッド4a、4bのうち、アウタ側(図16の表側、図18の下側)のパッド4bを構成するプレッシャプレート13に形成した第一、第二のパッド腕部31、32bに、厚さ方向に貫通する第二、第三の通孔33、34を、それぞれ形成している。又、上記各パッド4a、4bのうち、インナ側(図18の上側)のパッド4aを構成するプレッシャプレート13に形成した第一、第二のパッド腕部31、32aのうち、前記第三、第四のキャリパ腕部28、29側の第一のパッド腕部31に、厚さ方向に貫通する第二の通孔33を形成している。これに対して、上記インナ側のパッド4aに設けた第二のパッド腕部32aは、ロータ3の周方向に関する長さを、アウタ側のパッド4bに設けた第二のパッド腕部32bよりも小さくしており、厚さ方向に貫通する通孔を形成していない。
そして、上記第三、第四のキャリパ腕部28、29に形成した第一の通孔30a、30bに、パッドピン35の両端寄り部分を挿通支持すると共に、上記各パッド4a、4bの第一のパッド腕部31、31に形成した第二の通孔33、33に、上記パッドピン35の中間部を、ロータ3の中心軸に対し平行な方向の摺動自在に挿通している。又、このパッドピン35の長さ方向一端部(図18の上端部)外周面にフランジ部36を、全周に亙り形成している。又、上記パッドピン35の長さ方向に関して、上記第四のキャリパ腕部29とインナ側のパッド4aのプレッシャプレート13との間、及び、上記パッドピン35の長さ方向他端部(図16の表側端部、図18の下端部)で、上記第三のキャリパ腕部28の第一の通孔30aからアウタ側(図18の下側)に突出した部分との2個所位置に、それぞれが係止部であり、上記パッドピン35の径方向に貫通する係止孔37、37を、それぞれ形成している。そして、これら各係止孔37、37に、抜け止め部材であるクリップ(割りピン)38を、一部を挿通させた状態で係止している。尚、このクリップ38は、図17に詳示する様に、硬鋼線や他のばね材等の金属製の線材により造ったもので、基部39の両端から互いに同方向に折り曲げた一対の脚部40a、40bを有し、一方の脚部40aを上記係止孔37に挿通可能な直線状とする共に、他方の脚部40bに上記パッドピン35の外周面と係合自在な円弧部41を形成する事で、上記係止孔37からの上記クリップ38の抜け止めを図れる構造としている。
一方、上記アウタ側のパッド4bの第二のパッド腕部32bに形成した第三の通孔34に、前記ブラケット5aにその中間部を固定した第一の摺動ピン22の、一方の円杆部21のアウタ側を、上記ロータ3の中心軸に対し平行な方向の摺動自在に挿通している。又、上記ブラケット5aの長さ方向一端寄り部分に形成した凹部49(後述する本発明の実施例を表す図5参照)内に、上記インナ側のパッド4aの第二のパッド腕部32aを、パッドクリップ50(図5参照)を介して、上記ロータ3の中心軸に対し平行な方向の摺動自在に係合させている。
上述の様に構成する先発明のディスクブレーキの場合も、前述の図14〜15に示した特許文献1に記載された構造の場合と同様に、制動時に、前記シリンダ部11に設けた給油ポートを通じてこのシリンダ部11内に圧油を送り込む事により、このシリンダ部11内に嵌装したピストン16aを押し出し、インナ側のパッド4aのライニング17を、ロータ3の他側面(図18の上側面)に押し付ける。すると、この押し付けの反作用として、上記キャリパ1aが上記ピストン16aの押し出し方向と反対方向(図18の上側)に変位する。そして、このキャリパ1aに設けた爪部10により、アウタ側のパッド4bのライニング17を、上記ロータ3の片側面(図18の下側面)に押し付ける。この結果、上記1対のパッド4a、4bが上記ロータ3の両側面に押し付けられて、これら両パッド4a、4bのライニング17、17とロータ3の両側面とが摩擦係合する。
上述の様な先発明のディスクブレーキの場合には、前述の図14〜15に示した従来構造の場合と異なり、一対のパッド4a、4bを挿通支持したパッドピン35をキャリパ1aに支持する為に、これらパッドピン35とキャリパ1aとに、それぞれ雄ねじ部又は雌ねじ部を形成せずに済む。即ち、上述の先発明の構造の場合には、キャリパ1aにパッドピン35を支持する為に、このパッドピン35の両端寄り部分を、このキャリパ1aの第三、第四のキャリパ腕部28、29に形成した第一の通孔30a、30bに挿通支持している。この為、上記パッドピン35の両端寄り部分及び第一の通孔30a、30bにそれぞれ雄ねじ部又は雌ねじ部を形成する必要がない。
又、上述の先発明の場合には、上記キャリパ1aに対する上記パッドピン35の脱落を防止する為に、このパッドピン35の長さ方向一端部側にフランジ部36を形成すると共に、このパッドピン35の長さ方向2個所位置にクリップ38、38を係止している。即ち、このパッドピン35が上記キャリパ1aに対しアウタ側(図18の下側)に変位する事は、上記フランジ部36とインナ側のクリップ38とのうちの少なくとも何れかが、上記第四のキャリパ腕部29の側面又はインナ側のパッド4aの第一のパッド腕部31の側面に突き当たる事で阻止される。又、上記パッドピン35が上記キャリパ1aに対しインナ側(図18の上側)に変位する事は、一対のクリップ38、38のうちの少なくとも何れかが、上記第三のキャリパ腕部28又は第四のキャリパ腕部29の側面に突き当たる事で阻止される。この様に、上述の先発明の構造の場合には、上記パッドピン35の何れの方向への変位も2個の脱落防止機構により阻止でき、二重安全防止構造となる。
尚、上述の先発明の構造で、パッドピン35をキャリパ1aに組み付ける場合、このパッドピン35を、フランジ部36と反対側の端部を先にして、各キャリパ腕部28、29に形成した第一の通孔30a、30b、及び、各パッド4a、4bに形成した第二の通孔33、33に挿入する。そして、この挿入後に、上記パッドピン35の一部で、第四のキャリパ腕部29とインナ側のパッド4aとの間、及び、第三のキャリパ腕部28からアウタ側に突出した部分とに、それぞれ位置する係止孔37、37に、クリップ38、38を係止する。これら各係止孔37、37は、キャリパ1aにより覆われる事がない為、クリップ38、38の係止作業は容易に行なえる。
この様に、先発明のディスクブレーキの場合には、前述の図14〜15に示した従来構造の場合と異なり、キャリパ1aに対するパッドピン35の脱落を防止する為に二重安全防止構造を採用しているのにも関わらず、このキャリパ1aのパッドピン35を支持する部分と、このパッドピン35とに、ねじ部を形成せずに済む。この為、ディスクブレーキの製造時にねじ加工の工程を少なくするか、又はなくす事ができ、コスト低減を図れる。
但し、この様な先発明のディスクブレーキの場合には、作業者がキャリパ1aにパッドピン35を組み付ける際に、このパッドピン35の方向を誤って組み付けてしまう、誤組み付けが生じる可能性がある。そして、キャリパ1aを設置すべき空間が狭い場合に、この誤組み付けが生じると、各パッド4a、4bをロータ3の両側面に良好に押圧させる事ができなくなる可能性がある。この理由に就いて次に説明する。即ち、図19に示す様に、自動二輪車等の車両で、キャリパ1a及び一対のパッド4a、4bを設置する為の空間が十分に広く、このキャリパ1aの軸方向長さを十分に大きくできる場合、係止孔37、37を適切に配置すれば、パッドピン35の方向を誤って組み付けたとしても、問題は生じにくい。この場合には、第三のキャリパ腕部28のインナ側面(図19の右側面)とアウタ側のパッド4bを構成するプレッシャプレート13のアウタ側面(図19の左側面)との間、及び、第四のキャリパ腕部29のアウタ側面(図19の左側面)とインナ側のパッド4aを構成するプレッシャプレート13のインナ側面(図19の右側面)との間の両方に、十分に大きな空間を確保し易くい(インナ、アウタ両側の隙間δ1 、δ2 を大きくし易い)。この為、上記第三のキャリパ腕部28のアウタ側面(図19の左側面)とアウタ側のパッド4bを構成するプレッシャプレート13のアウタ側面との距離L1 を、パッドピン35に設けたフランジ部36のアウタ側面(図19の左側面)とインナ側のクリップ38との距離L2 よりも大きく(L1 >L2 )し易くできる。従って、パッドピン35の組み付け作業時に、図19に示した場合と異なり、図20に示す様に、キャリパ1aのアウタ側(図20の左側)から、パッドピン35を上記フランジ部36と反対側の端部を先にして、上記各キャリパ腕部28、29に形成した第一の通孔30a、30bと、上記各パッド4a、4bに形成した第二の通孔33、33とに挿入し、上記キャリパ1aに上記パッドピン35を支持した場合でも、係止孔37、37を適切に配置すれば、このパッドピン35にクリップ38、38を、上記各パッド4a、4b等、他の部材に干渉させる事なく係止できる。この様に、キャリパ1aを設置すべき空間が広い場合には、パッドピン35をこのキャリパ1aに何れの方向から組み付けた場合でも問題は生じにくい。
但し、前記車両の構造によっては、キャリパ1a及び各パッド4a、4bを設置する為の空間が狭くなり、このキャリパ1aの軸方向長さを十分に大きくできない場合がある。そして、この場合には、図21に示す様に、第三のキャリパ腕部28の側面とアウタ側のパッド4bを構成するプレッシャプレート13の側面との間に十分に大きな空間を確保できなくなる(アウタ側の隙間δ2 ´が小さくなる)場合が生じ易い。この場合には、上記第三のキャリパ腕部28のアウタ側面とアウタ側のパッド4bを構成するプレッシャプレート13のアウタ側面との間の長さL1 ´が、パッドピン35のフランジ部36のアウタ側面とインナ側のクリップ38との距離L2 よりも小さく(L1 ´<L2 )なり易くなる。この結果、図22に示す様に、キャリパ1aのアウタ側からパッドピン35を、フランジ部36と反対側の端部を先にして、上記各キャリパ腕部28と上記各パッド4a、4bとにそれぞれ形成した通孔30a、30b、33に挿入して、上記キャリパ1aに上記パッドピン35を支持した場合、そのキャリパ1aを車両に組み付けた後、このパッドピン35の上記フランジ部36側に係止しているクリップ38がアウタ側のパッド4bに接触して、このパッド4bをロータ3(図21等参照)の面方向に対し傾斜させてしまうと言った問題が生じ易くなる。そして、この場合には、各パッド4a、4bをロータ3の側面に良好に押圧させる事ができなくなる。
この様な事情から、上記第三のキャリパ腕部28の側面とアウタ側のパッド4bを構成するプレッシャプレート13の側面との間に十分に大きな空間を確保できない場合には、パッドピン35を組み付ける際に、このパッドピン35の方向を規制する必要がある。これに対して、前述の先発明の構造の場合には、作業者がこのパッドピン35の方向を誤って組み付けた場合でも、このパッドピン35にクリップ38、38を係止できてしまう。この為、パッドピン35の方向を誤った状態でこのパッドピン35を組み付けたキャリパ1aを、ロータ3と共に車両に組み付けてしまう場合があり、この場合には、組み付け作業のやり直しに要する時間が必要である。
尚、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1の他に特許文献2がある。
実公平6−36346号公報 特開昭52−6875号公報
本発明のディスクブレーキは、この様な事情に鑑みて、パッドを挿通支持したパッドピンをキャリパに、低コストで支持できる構造で、このパッドピンの方向を誤って組み付ける、誤組み付けが生じる事を有効に防止すべく発明したものである。
本発明のディスクブレーキは、前述した先発明の構造と同様に、ロータと、一対のパッドと、キャリパとを備える。
このうちのロータは、車輪と共に回転する。
又、上記各パッドは、そのロータの側面に対向して配置している。
又、上記キャリパは、上記一対のパッドとロータとを跨いで配置している。
特に、本発明のディスクブレーキに於いては、長さ方向一端部側にフランジ部を、長さ方向の少なくとも1箇所に係止部を、それぞれ形成したパッドピンを備える。又、上記キャリパの上記一対のパッドを挟む両側部分にそれぞれ形成した一対の第一の通孔に、上記パッドピンの長さ方向両端寄り部分を挿通支持すると共に、上記各パッドを構成するプレッシャプレートに形成した第二の通孔に、上記パッドピンの長さ方向中間部をそれぞれ摺動自在に挿通している。又、上記係止部に係止した抜け止め部材と上記フランジ部とにより、上記キャリパに対する上記パッドピンの脱落を阻止している。そして、このキャリパの一部で、上記一対の第一の通孔のうちの一方の第一の通孔の開口端周辺部に、上記パッドピンの方向を誤って組み付けた場合に上記フランジ部の側面に突き当て可能となる誤組み付け防止突部を形成している。
上述の様に構成する本発明のディスクブレーキの場合には、前述した先発明のディスクブレーキと同様に、キャリパにパッドピンを支持する為に、このキャリパのこのパッドピンを支持する部分と、このパッドピンとに雄ねじ部又は雌ねじ部を形成せずに済む。この為、ディスクブレーキの製造時に、ねじ加工の工程を少なくするか、又はなくす事ができ、製造コストの低減を図れる。
特に、本発明の場合には、上記キャリパの一部で、一対の第一の通孔のうちの一方の第一の通孔の開口端周辺部に、上記パッドピンの方向を誤って組み付けた場合にこのパッドピンに形成したフランジ部の側面に突き当て可能となる誤組み付け防止突部を形成している。この為、このフランジ部の側面から抜け止め部材の係止部までの長さを、上記誤組み付け防止突部と上記一対の第一の通孔のうちの少なくとも何れかの第一の通孔との間の長さとの関係で適切に規制すれば、パッドピンの方向を誤って組み付けた場合に、上記係止部を第一の通孔内に進入したままの状態とする事ができる。従って、作業者がパッドピンの方向を誤って組み付けても、このパッドピンの係止部に抜け止め部材を係止すると言った、誤組み付けが生じる事を有効に防止できる。
又、本発明のディスクブレーキを実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、上記パッドピンの長さ方向の複数箇所に係止部を形成すると共に、これら各係止部に抜け止め部材を係止する。
この好ましい構成によれば、上記キャリパに対する上記パッドピンの脱落を、より有効に防止できる。
又、より好ましくは、請求項3に記載した様に、上記抜け止め部材を弾性変形可能とすると共に、少なくとも1個の抜け止め部材と上記誤組み付け防止突部との係合により、上記パッドピンの回転阻止を可能とする。
このより好ましい構成の場合、パッドピンの回転を阻止した状態で、係止部に係止した抜け止め部材が抜け出る方向に、キャリパの一部を、小さな隙間を介して対向させる事ができる。この為、この抜け止め部材がこの係止部から抜け出る方向に変位する事を防止でき、このキャリパに対する上記パッドピンの脱落を、より有効に防止できる。
図1〜7は、請求項1、2に対応する、本発明の実施例1を示している。これら各図のうち、図1、2は本実施例の略断面を、図3〜7は本実施例をより詳細に表したものを、それぞれ示している。尚、本実施例の特徴は、パッド4a、4bを挿通支持したパッドピン35をキャリパ1aに、低コストで支持できる構造で、このパッドピン35の方向を誤って組み付けても、このパッドピン35の係止部に抜け止め部材を係止すると言った、誤組み付けが生じる事を有効に防止すべく、上記パッドピン35とキャリパ1aとの構造を工夫した点にある。本実施例に於いて、キャリパ1aを第一、第二の摺動ピン22、23によりブラケット5aに対し、ロータ3の中心軸に対し平行に変位自在とする構造、及び、一対のパッド4a、4bのうちのアウタ側のパッド4bの第三の通孔34に、上記ブラケット5aに固定した第一の摺動ピン22のアウタ側を摺動可能に挿通する構造、及び、インナ側のパッド4aの第二のパッド腕部32aを、上記ブラケット5aに、上記ロータ3の中心軸に対し平行に摺動可能に係合させる構造は、前述の図16〜19に示した先発明の構造と同様である。又、パッドピン35の両端寄り部分を上記キャリパ1aに設けた第三、第四のキャリパ腕部28、29の第一の通孔30a、30bに挿通させると共に、このパッドピン35の中間部を、一対のパッド4a、4bに形成した第二の通孔33、33に摺動可能に挿通させ、このパッドピン35の所定個所に一対のクリップ38、38を係止する基本的構造も、上記先発明の構造と同様である。
又、制動時に、キャリパ1a内に嵌装したピストン16aがパッド4a、4bの側面をロータ3の両側面に押し付ける等、ディスクブレーキの基本的な構造及び作用も、上記先発明の構造と同様である。この為、上記先発明に係る構造と同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分、並びに、上記先発明の構造と異なる部分を中心に説明する。
本実施例の場合、パッドピン35の長さ方向一端部側に、図7に詳示する様な、他の部分よりも直径が大きくなったフランジ部36を形成すると共に、このフランジ部36の片面(図1、7の右端面、図2の左端面、図3の上端面、図5の表側端面)に、プレス加工等により係止突部42を形成している。この係止突部42は、パッドピン35の中心軸に平行で且つ互いに平行な平坦面43、43で形成され、その係止突部42を掴んだペンチ等の把持手段により、上記パッドピン35を容易に回転させる事ができる様にしている。又、このパッドピン35の長さ方向2箇所位置に一対の係止孔37、37を形成すると共に、これら各係止孔37、37に抜け止め部材である、クリップ(割りピン)38、38を係止している。
更に、キャリパ1aを構成する爪部10の側面に突出形成した第三のキャリパ腕部28のアウタ側面(図1、2の左側面、図3の下側面、図4の表側面)で、この第三のキャリパ腕部28に形成した第一の通孔30aのアウタ側開口端周辺部に、誤組み付け防止突部44を、アウタ側に突出する状態で形成している。又、この誤組み付け防止突部44は、上記爪部10で、ロータ3の周方向に向いた側面(図3、4の右側面)に連結している。又、上記パッドピン35の方向を誤って組み付けた場合(図2に示す場合)に、誤組み付け防止突部44の先端縁がこのパッドピン35に設けたフランジ部36の側面に突き当て可能となる様に、この誤組み付け防止突部44の形成位置を、このフランジ部36の直径との関係で規制している。具体的には、上記パッドピン35をキャリパ1aのアウタ側から、フランジ部36と反対側の端部を先にして、各キャリパ腕部28、29に形成した第一の通孔30a、30b、及び、各パッド4a、4bに形成した第二の通孔33、33に挿入した状態で、図4に示す様に、上記フランジ部36と上記誤組み付け防止突部44とが、上記パッドピン35の長さ方向に重畳する様に、この誤組み付け防止突部44の形成位置を規制している。
更に、上記パッドピン35の方向を誤って組み付けた場合に、図2に示す様に、このパッドピン35に形成した一対の係止孔37、37のうち、上記フランジ部36と反対側(図2の右側)の一方の係止孔37が、上記キャリパ1aの第四のキャリパ腕部29に形成した第一の通孔30b内に進入したままの状態となる様に、上記フランジ部36から上記一方の係止孔37までの長さLa (図2)を規制している。具体的には、この長さLa を、上記誤組み付け防止突部44の先端縁と上記第四のキャリパ腕部29の第一の通孔30bのアウタ側開口端との間の長さLb (図2)よりも大きく、且つ、上記誤組み付け防止突部44の先端縁と上記第一の通孔30bのインナ側開口端との間の長さLC (図2)よりも小さくしている(Lb <La <LC )。
上述の様に構成する本発明のディスクブレーキの場合には、前述した先発明のディスクブレーキと同様に、キャリパ1aにパッドピン35を支持する為に、このキャリパ1aのこのパッドピン35を支持する部分と、このパッドピン35とにねじ部を形成せずに済む。この為、ディスクブレーキの製造時に、ねじ加工の工程を少なくするか、又はなくす事ができ、製造コストの低減を図れる。
特に、本発明の場合には、上記キャリパ1aの一部で、第三のキャリパ腕部28に形成した第一の通孔30aの開口端周辺部に、上記パッドピン35の方向を誤って組み付けた場合にこのパッドピン35に形成したフランジ部36の側面に突き当て可能となる誤組み付け防止突部44を形成している。この為、本実施例の様に、このフランジ部36から、このフランジ部36と反対側の、クリップ38を係止する為の一方の係止孔37までの長さLa を、上記誤組み付け防止突部44と上記第四のキャリパ腕部29に形成した第一の通孔30bとの間の長さLb 、LC との関係で適切に規制すれば、パッドピン35の方向を誤って組み付けた場合に、上記一方の係止孔37を上記第四のキャリパ腕部29の第一の通孔30b内に進入したままの状態とする事ができる。従って、作業者がパッドピン35を方向を誤って組み付けても、このパッドピン35の係止孔37、37にクリップ38、38を係止すると言った、誤組み付けが生じる事を有効に防止できる。
又、本実施例の場合、フランジ部36に関してパッドピン35の片側に一対の係止孔37、37を形成すると共に、これら各係止孔37、37にクリップ38、38を係止している。この為、上記キャリパ1aに対する上記パッドピン35の脱落を、より有効に防止できる。しかも、上記クリップ38、38は同一構造のものを使用できる為、共通化による更なるコスト低減を図れる。尚、本実施例では、抜け止め部材にクリップ38、係止部に係止孔37を採用しているが、それぞれCリング、段差溝若しくはパッドピン35の外周面の全周に亙る係止溝としても良い。
次に、図8〜9は、やはり請求項1、2に対応する、本発明の実施例2を示している。上述した実施例1の場合に、誤組み付け防止突部44を、パッドピン35に関してロータ3の周方向片側に配置していたのに対し、本実施例の場合には、誤組み付け防止突部44aを、パッドピン35よりもロータ3の直径方向外側に配置している。又、これに伴って、パッドピン35に係止するクリップ38、38の係止方向を、上述の実施例1の場合と位相を90度異ならせている。
その他の構成及び作用に就いては、上述の実施例1の場合と同様である為、重複する図示並びに説明は省略する。
次に、図10〜12は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施例3を示している。本実施例の場合には、キャリパ1aに設けた第三のキャリパ腕部28のアウタ側面(図10の下側面、図11の表側面)に、円柱状の誤組み付け防止突部44bを突出形成している。そして、この誤組み付け防止突部44bとこの誤組み付け防止突部44bに係合させたクリップ38aとにより、パッドピン35の回転阻止を可能としている。この為に、本実施例の場合には、このクリップ38aを、硬鋼線や他のばね材等の金属製の線材等、弾性変形可能な材料により構成している。又、このクリップ38aの基部39aを、内側に上記誤組み付け防止突部44bを進入可能な略円形状としている。又、本実施例の場合には、上記パッドピン35の長さ方向一端部側に設けたフランジ部36の片面に、図12に詳示する様な係止突部42aを形成している。この係止突部42aは、このフランジ部36の直径とほぼ同じ長さを有する。但し、この係止突部42aは、この様な形状に限定するものでなく、例えば、前述の図7に示したものと同様の形状とする事もできる。
上述の様な本実施例のディスクブレーキで、キャリパ1aにパッドピン35を支持する場合には、このキャリパ1aのインナ側からこのパッドピン35を、上記フランジ部36と反対側の端部を先にして、各キャリパ腕部28及び各パッド4a、4bに形成した第一、第二の通孔30a、30b、33(図1等参照)に挿入した後、第三のキャリパ腕部28に形成した第一の通孔30aから上記パッドピン35の端部を突出させる。そして、この突出させた部分に形成した係止孔37に、広い空間から上記クリップ38aの脚部40aを挿通させた後、上記パッドピン35を、図11に矢印で示す方向に回転させる。この回転作業は、ペンチ等の把持手段により上記係止突部42aを掴む事により、容易に行なえる。尚、係止突部42aの凸形状を凹形状(図示せず)とし、マイナスドライバ等でパッドピン35を回転させても良い。又、この様なパッドピン35の回転作業の際に、上記クリップ38aの基部39aをアウタ側に弾性変形させつつ、この基部39aの内側に上記誤組み付け防止突部44bを進入させる。この状態では、図10、11に示す様に、これら基部39aと誤組み付け防止突部44bとが係合し、この係合により上記パッドピン35の回転が阻止された状態となる。又、この状態で、上記基部39aの先端部を、前記キャリパ1aの爪部10で、ロータ3(図1等参照)の周方向片側面(図10、11の右側面)に、小さな隙間45を介して対向させる。
上述の様にしてキャリパ1aにパッドピン35を支持する本実施例の場合、パッドピン35の回転を阻止した状態で、アウタ側の端部に形成した係止孔37に係止したクリップ38aが抜け出る方向に変位する事を防止できる。この為、上記キャリパ1aに対する上記パッドピン35の脱落を、より有効に防止できる。
又、万が一、飛び石等がクリップ38aに当たって外側に位置する一対の脚部40a、40bにダメージを受けても、クリップ38aは脱落に至る様な折損とはならない。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜7に示した実施例1の場合と同様である為、重複する図示並びに説明は省略する。
次に、図13は、やはり請求項1〜3に対応する、本発明の実施例4を示している。本実施例の場合には、前述の図1〜7に示した実施例1の場合と同様にキャリパ1aに形成した誤組み付け防止突部44cの、ロータ3(図1等参照)の周方向片側面(図13の右側面)に、断面円弧形の凹部46を形成している。この凹部46の内面は、パッドピン35のアウタ側の端部に係止したクリップ38aの基部39aの外面との間に小さな隙間47を持つ。そして、このパッドピン35のアウタ側端部に係止したこのクリップ38aの基部39aを、上記凹部46に係合させる事により、このパッドピン35の回転阻止を可能としている。
この様な本実施例の構造で、キャリパ1a及び各パッド4a、4b(図1等参照)に支持したパッドピン35の長さ方向端部に上記クリップ38aを係止する際には、このパッドピン35の端部で第三のキャリパ腕部28のアウタ側面から突出した部分に形成した係止孔37に上記クリップ38aの脚部40aを、広い空間から挿通させる。次いで、上記パッドピン35を、ペンチ等の把持手段により係止突部42a(図12参照)を掴む等により回転させる。又、この様なパッドピン35の回転作業の際に、上記クリップ38aの基部39aをアウタ側又は脚部40a側に弾性変形させつつ、上記誤組み付け防止突部44cの側面に形成した凹部46内に、この基部39aの先端部を進入させる。この状態では、図13に示す様に、この基部39aと上記誤組み付け防止突部44cとが係合し、この係合により上記パッドピン35の回転が阻止された状態となる。又、この状態で、上記基部39aの先端部を、上記凹部46の内面に、小さな隙間47を介して対向させる。
この様な本実施例の場合も、上述の図10〜12に示した実施例3の場合と同様に、パッドピン35の回転を阻止した状態で、クリップ38aが係止孔37から抜け出る方向に変位する事を防止でき、キャリパ1aに対するパッドピン35の脱落を、より有効に防止できる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図10〜12に示した実施例3の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
本発明の実施例1を、誤組み付け防止突部の上下方向の長さを大きくしたと仮定した状態で示す、図19と同様の図 同じく図20と同様の図。 実施例1の詳細構造を示す、ロータの外径側から見た図。 図3を下方から見た図。 図4の裏側から見た図。 図5のA−O−A断面図。 パッドピンの長さ方向一端部の拡大斜視図。 本発明の実施例2を示す、図19と同様の図。 同じく図20と同様の図。 本発明の実施例3を示す、図3のB部拡大相当図。 図10の下方から見た図。 実施例3に使用するパッドピンの長さ方向一端部の拡大斜視図。 本発明の実施例4を示す、図11と同様の図。 従来構造の1例を示す図。 図14のC−C断面図。 先発明の構造を示す略正面図。 先発明の構造に使用するパッドピンにクリップを係止した状態を示す部分拡大斜視図。 図16の上方から見た図。 図16のD−D断面図。 パッドピンを逆方向から組み付けた状態で示す、図19と同様の図。 アウタ側のパッドと第三のキャリパ腕部との間隔が狭い場合での、図19と同様の図。 同じく、パッドピンを逆方向から組み付けた場合の不都合を説明する為の、図19と同様の図。
符号の説明
1、1a キャリパ
2 チューブ
3 ロータ
4a、4b パッド
5、5a ブラケット
6 第一の摺動ピン
7 第二の摺動ピン
8 摺動孔
9 伸縮ブーツ
10 爪部
11 シリンダ部
12 パッドピン
13 プレッシャプレート
14 通孔
15 給油ポート
16、16a ピストン
17 ライニング
18 耳部
19 雄ねじ部
20 雌ねじ部
21 円杆部
22 第一の摺動ピン
23 第二の摺動ピン
24 第一のキャリパ腕部
25 第二のキャリパ腕部
26 摺動筒部
27 伸縮ブーツ
28 第三のキャリパ腕部
29 第四のキャリパ腕部
30a、30b 第一の通孔
31 第一のパッド腕部
32a、32b 第二のパッド腕部
33 第二の通孔
34 第三の通孔
35 パッドピン
36 フランジ部
37 係止孔
38、38a クリップ
39、39a 基部
40a、40b 脚部
41 円弧部
42、42a 係止突部
43 平坦面
44、44a〜44c 誤組み付け防止突部
45 隙間
46 凹部
47 隙間
48 通孔
49 凹部
50 パッドクリップ
51 円杆部

Claims (3)

  1. 車輪と共に回転するロータと、そのロータの側面に対向して配置した一対のパッドと、これら一対のパッドとロータとを跨いで配置したキャリパとを備えたディスクブレーキであって、
    長さ方向一端部側にフランジ部を、長さ方向の少なくとも一箇所に係止部を、それぞれ形成したパッドピンを備え、上記キャリパの上記一対のパッドを挟む両側部分にそれぞれ形成した一対の第一の通孔に、上記パッドピンの長さ方向両端寄り部分を挿通支持すると共に、上記各パッドを構成するプレッシャプレートに形成した第二の通孔に、上記パッドピンの長さ方向中間部をそれぞれ摺動自在に挿通し、且つ、上記係止部に係止した抜け止め部材と上記フランジ部とにより、上記キャリパに対する上記パッドピンの脱落を阻止しており、このキャリパの一部で、上記一対の第一の通孔のうちの一方の第一の通孔の開口端周辺部に、上記パッドピンの方向を誤って組み付けた場合に上記フランジ部の側面に突き当て可能となる誤組み付け防止突部を形成しているディスクブレーキ。
  2. 上記パッドピンの長さ方向の複数箇所に係止部を形成すると共に、これら各係止部に抜け止め部材を係止している、請求項1に記載したディスクブレーキ。
  3. 上記抜け止め部材を弾性変形可能とすると共に、この少なくとも1個の抜け止め部材と誤組み付け防止突部との係合によりパッドピンの回転阻止を可能としている、請求項1又は請求項2に記載したディスクブレーキ。
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