JP2006199216A - 変動量算出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、操縦安定性に大きく関係するタイヤの横力の変動量を算出することにより、操縦安定性に優れたタイヤの開発の効率を向上させることができる。
【解決手段】本発明は、タイヤを有限個の要素でモデル化したタイヤモデル100を設定するタイヤモデル設定部13−1と、路面に含まれている段差を有限個の要素でモデル化した段差モデル200を設定する段差モデル設定部13−2と、タイヤモデル100が段差モデル200の段差を通過しているときのタイヤモデル100の横力の変動量を算出する変動量算出部13−1とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤを有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを、路面を有限個の要素でモデル化した路面モデルに接触させて転動させる変動量算出装置に関する。
近年では、タイヤを有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを、路面を有限個の要素でモデル化した路面モデル上で転動させることにより、タイヤ性能を予測するタイヤ性能予測装置が提供されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。この場合には、タイヤ性能予測装置は、タイヤモデルのみならずに、タイヤモデルと路面モデルとの間で生じる物理的な影響も含めてタイヤ性能を予測するため、タイヤの開発を効率化させることができる。
特開2001−282873号公報 特許3133738
しかしながら、実際のタイヤが路面の段差を通過する場合には、該タイヤの横力が変動し、これに伴ない操縦安定性が悪化するにも関わらず、上記タイヤ性能予測装置では路面の段差により変動するタイヤの横力が考慮されていなかったため、操縦安定性に優れたタイヤが効率的に開発され難かった。
図12(a)は、車両1が直進してタイヤ2が段差3を通過している様子を示す図である。図12(b)は、車両1が旋回してタイヤ2が段差3を通過している様子を示す図である。図12(a)に示すように、タイヤ2の幅21が段差3の一辺31に対して所定角度を成しているときに、車両1が直進してタイヤ2が段差3を通過している場合には、タイヤ2自体の横力Fyが大きく変動するため、車両1に備えられたハンドルの操作性が失われることとなる。
また、図12(b)に示すように、タイヤ2の幅21が段差3の一辺31に対して所定角度を成しているときに、車両1が旋回してタイヤ2が段差3を通過している場合には、タイヤ2の横力Fyが変動し、車両1が旋回方向に対して外側に揺れることとなり、車両1に備えられたハンドルの操作性が悪くなる。
このようにタイヤが段差を通過している場合にはタイヤの横力が変動し、操縦安定性が悪化するため、シミュレーションにおいても操縦安定性を向上可能なタイヤ性能を予測するためには、タイヤモデルと路面モデルにおける段差とは重要な要因となる。したがって、タイヤモデルが路面モデル上の段差を通過する場合のタイヤモデルの横力の変動量が算出されれば、実際にタイヤが製造されなくても、操縦安定性に優れたタイヤの開発が可能となる。
そこで、本発明は以上の点に鑑みて成されたものであり、操縦安定性に大きく関係するタイヤの横力の変動量を算出することにより、操縦安定性に優れたタイヤの開発の効率を向上させることができる変動量算出装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、タイヤを有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定手段と、段差を有する路面を有限個の要素でモデル化した段差モデルを設定する段差モデル設定手段と、タイヤモデルが段差モデルの段差を通過しているときのタイヤモデルの横力の変動量を算出する変動量算出手段とを備えることを特徴とする。
このような本発明によれば、タイヤモデルが段差モデルの段差を乗り上げるときのタイヤモデルの横力の変動量が算出されることにより、操縦安定性の良否が判定可能となるため、実際のタイヤが製造されなくても操縦安定性に優れたタイヤが開発可能となる。
上記発明においては、タイヤモデルは、タイヤ周方向の要素分割が72分割以上である構成を備えてもよい。ここで、タイヤ周方向の要素分割が72分割未満である場合には、段差モデルの段差にタイヤモデルが接触したときのタイヤモデルの変形が精度良く表現できない。一方、タイヤ周方向の要素分割が72分割以上である場合には、段差モデルの段差にタイヤモデルが接触した部分の局所的な変形が表現できるようになり、タイヤモデルの変形を精度良く表現できる。このため、タイヤ周方向の要素分割が72分割以上とすることにより、タイヤモデルが段差モデルの段差に接触するときのタイヤ変形を適切に表現できるため、タイヤモデルの横力の変動量が適切に算出可能となる。
上記発明においては、路面の段差は5mm以上でもよい。ここで、路面の段差が5mm未満である場合には、当該路面の段差に対応する路面モデルの段差をタイヤモデルが通過しているときのタイヤモデルの横力の変動量が極端に小さく、当該タイヤモデルの横力の変動量の精度が確保し難くなる。また、実際の段差は5mm以上であるのが通常であるため、5mm未満の段差の高さに対応する段差モデルの段差が設定されると、シミュレーション上の段差と実際の段差とが大きく乖離することとなる。このため、路面の段差が5mm以上であることにより、タイヤモデルの横力の変動量の精度が確保可能となり、且つシミュレーション上での段差と実際の路面の段差とが略等価な状態となるため、タイヤモデルが段差モデルの段差を通過しているときのタイヤモデルの横力の変動量が適切に算出可能となる。
上記発明においては、変動量算出手段は、タイヤモデルのキャンバー角又はスリップ角を設定して、タイヤモデルが段差モデルの段差を通過しているときのタイヤモデルの横力の変動量を算出してもよい。
この場合には、キャンバー角又はスリップ角がタイヤモデルに設定されることにより、タイヤモデルが車両モデルに装着された状態と等価となるため、タイヤモデルが車両モデルに装着されていなくても、タイヤモデルの直進時においてキャンバー角、トー角等のアライメントに関係する横力が算出可能となる。さらにキャンバー角、トー角に加えて、タイヤ進行方向に対するタイヤモデルのスリップ角がタイヤモデルの旋回時において考慮されるため、タイヤモデルの旋回時においてもタイヤモデルが段差モデルの段差を通過しているときのタイヤモデルの横力がより正確に算出可能となる。
上記発明においては、タイヤモデルは、有限個の要素でトレッド部がモデル化されたトレッドモデルを備えてもよい。この場合には、トレッドモデルが段差モデルの段差を通過しているときのタイヤモデルの横力の変動量が算出可能となるため、トレッドモデルのトレッドパターンがタイヤモデルの横力に及ぼす影響が予測可能となる。
本発明によれば、操縦安定性に大きく関係するタイヤの横力の変動量を算出することにより、操縦安定性に優れたタイヤの開発の効率を向上させることができる。
(変動量算出装置の構成)
本実施形態における変動量算出装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における変動量算出装置10を示す図である。
図1に示すように、変動量算出装置10は、入力部11と、記憶部12と、処理部13と、表示部14とを備えている。
入力部11は、後述するタイヤモデル100及び段差モデル200などを生成するのに必要な値の入力を促す。記憶部12は、処理部13により処理を実行するためのプログラムなどを記憶する。処理部13は、入力部11により入力された値及び記憶部12に記憶された値に基づいて有限要素法等の解析法により、タイヤモデル100及び段差モデル200の挙動を解析する。表示部14は、処理部13により解析された結果を出力する。
前記処理部13は、タイヤモデル設定部13−1と、段差モデル設定部13−2と、変動量算出部13−3とを備えている。タイヤモデル設定部13−1は、タイヤを有限個の要素でモデル化したタイヤモデル100を設定する。段差モデル設定部13−2は、段差を有する路面を有限個の要素でモデル化した段差モデル200を設定する。
変動量算出部13−3は、タイヤモデル100が段差モデル200の段差を通過しているときのタイヤモデル100の横力の変動量を算出する。また、変動量算出部13−3は、算出したタイヤモデル100の横力の変動量によりタイヤ性能を予測してもよい。このタイヤ性能には、操縦安定性、振動性能、タイヤのコーナリングフォース、駆動時・制動時におけるタイヤの変位、タイヤの摩擦仕事量などが挙げられる。また、特許文献2の記載を用いることにより、ハイドロプレーニング現象、トレッド部の排水性能も解析可能となる。
(シミュレーション方法)
本実施形態における変動量算出装置の動作について図面を参照しながら説明する。図2は、本実施形態にける変動量算出装置10の動作を示すフロー図である。図2に示すように、S101において、タイヤモデル設定部13−1は、数値解析が可能な複数要素の集合体でタイヤモデル100を設定する。S102において、段差モデル設定部13−2は、数値解析が可能な複数要素の集合体で段差モデル200を設定する。
ここで、図3は、本実施形態におけるタイヤモデル100を示す図である。図4は、本実施形態における段差モデル200を示す図である。図3に示すように、タイヤモデル100は、数値解析が可能な複数要素(要素100a,100b,100c…)を備えている。このタイヤモデル100は、数値解析が可能な複数要素の集合体によりトレッド部がモデル化されたトレッドモデル110を備えている。このトレッドモデル110には溝111が形成されている。また、図4に示すように、段差モデル200も、数値解析が可能な複数要素(要素200a,200b,200c…)を備えている。
図5(a)乃至(d)は、複数種類の段差モデル200を示す図である。なお、本実施形態では、図5(a)乃至(d)に示す複数種類のうちの一種類の段差モデル200、二種類上の組み合わされた段差モデル200、その他の段差モデルが用いられる。
図5(a)に示す段差モデル200は、タイヤモデル100が段差201を乗り上げるときのタイヤモデル100の横力の変動量が算出される場合に用いられる。図5(b)に示す段差モデル200は、タイヤモデル100が段差202を乗り下げるときのタイヤモデル100の横力の変動量が算出される場合に用いられる。
図5(c)に示す段差モデル200は、タイヤモデル100が最初に段差203を乗り上げて、その後に段差204を乗り下げるときのタイヤモデル100の横力の変動量が算出される場合に用いられる。図5(d)に示す段差モデル200は、タイヤモデル100が最初に段差205を乗り下げて、その後に段差206を乗り上げるときのタイヤモデル100の横力の変動量が算出される場合に用いられる。
なお、図5(a)乃至図5(d)に示す段差モデル200の段差は、平坦な面に対して直角方向に沿って形成されているが、これに限定されることなく、平坦な面に対して所定角θ方向に沿って形成されてもよい。これにより、段差モデル200の段差が所定角θに沿って形成されることにより、当該段差モデル200の段差が実際の段差に近づくこととなり、タイヤモデル100が段差モデル200の段差を通過しているときのタイヤモデル100の横力の変動量が高精度に算出可能となる。
ここで、各要素100a,100b,100c…,200a,200b,200c…は、図1に示す処理部13により数値解析が可能なデータである。例えば、各要素100a,100b,100c…,200a,200b,200c…には、2次元の3角形・4角形からなる膜要素やシェル要素、3次元の4面体、5面体又は6面体からなるソリッド要素などが挙げられる。また、要素100a,100b,100c…,200a,200b,200c…には、座標のデータ、タイヤの材料特性(例えば、ゴムのポアソン比、密度、弾性係数など)等が定義されている。
S103において、変動量算出部13−3は材料特性値の入力を促す。この材料特性値には、タイヤに備えられているゴム、コード等の密度、弾性係数などが挙げられる。S104において、変動量算出部13−3は境界条件の入力を促す。この境界条件には、タイヤの空気圧、荷重、キャンバー角、スリップ角、速度、又はリム幅などのタイヤの使用条件が挙げられる。なお、S101乃至S104までは、いずれの順序であってもよい。
S105において、変動量算出部13−3は、入力された材料特性値及び境界条件の下で、有限要素法解析を用いてタイヤモデル100を段差モデル200上で転動させることにより、タイヤモデル100が段差モデル200の段差を通過しているときのタイヤモデル100(又はトレッドモデル110)の横力の変動量を計算する。具体的には、変動量算出部13−3は、平坦なモデル上でタイヤモデル100を転動させているときのタイヤモデル100の横力を基準値として設定し、所定の時間間隔毎に、タイヤモデル100が段差モデル200の段差を乗り上げ又は乗り下げているときのタイヤモデル100の横力の値から当該基準値を減算することにより、タイヤモデル100が段差を乗り上げ又は乗り下げているときのタイヤモデル100の横力の変動量を算出する。
図6(a)乃至図6(g)は、タイヤモデル100が段差モデル200の段差に接触して段差モデル200の平坦面に位置するまでの様子を示す図である。図7は、二種類のタイヤモデル100が段差モデル200の段差に接触して段差モデル200の平坦面に位置するまでに、タイヤモデル100の移動時間[ms]に対するタイヤモデル100に作用する横力の変動量を示す図である。
図7に示すように、タイヤモデル100が段差モデル200の段差を乗り上げているとき(図6(e)参照)には、タイヤモデル100が段差モデル200の段差を乗り上げている前(図6(a)参照)に比べて、タイヤモデル100の横力の変化量が大きくなる。
図8(a)は、タイヤモデル100が段差モデル200の段差を乗り上げているとき(図6(e)参照)のタイヤモデル100の接地圧分布を示す図である。図8(b)は、タイヤモデル100が段差モデル200の段差を乗り上げているとき(図6(e)参照)のタイヤモデル100の横方向の変位差分布を示す図である。なお、横方向の変位差分布とは、平坦なモデル上でタイヤモデル100を転動させているときのタイヤモデル100の横方向の変位を基準値として設定し、タイヤモデル100が段差モデル200の段差を乗り上げ又は乗り下げているときのタイヤモデル100の横方向の変位から当該基準値を減算することにより求めたものである。
図8(c)は、タイヤモデル100の幅101と段差モデル200の端部208との成す角度がθであり、タイヤモデル100及びトレッドモデル110の接地圧力分布及び横方向の変位分布が上記図8(a)及び上記図8(b)であるときに、タイヤモデル100が段差モデル200の段差を乗り上げている様子を示す図である。この図8(c)は、上記図6(e)に示すタイヤモデル100を上方から見た図である。
図8(a)及び(c)に示すように、タイヤモデル100の幅101と段差モデル200の端部208との成す角度がθであるときは、タイヤモデル100の一端側101aが他端側101bよりも先に段差モデル200の段差にくい込み、当該一端側101aの接地圧力(図8(a)に示す300a参照)が他端側101bの接地圧力(図8(b)に示す300b参照)よりも大きいことが分かる。また、図8(b)及び(c)に示すように、タイヤモデル100の幅101と段差モデル200の端部208との成す角度がθであるときは、タイヤモデル100の一端側101aが他端側101bよりも先に段差モデル200の段差にくい込み、他端側101bから一端側101aに向けて作用する変位Y1,Y3が一端側101aにおいて他端側101bよりも大きくなっている。なお、一端側101aから他端側101bに向けて作用する変位Y2は変位Y1よりも小さいため、全体の変位は他端側101bから一端側101aに向うこととなる。
これにより、タイヤモデル100の幅全体ではなく一端側101aが他端側101bよりも先に段差モデル200の段差に接している状態(図6(e),図6(c)参照)となり、一端側101aにおける接地圧力(図8(a)に示す300a参照)が他端側101bにおける接地圧力(図8(a)に示す300b参照)よりも大きく、且つ一端側101aにおける横方向の変位(図8(b)に示す400a参照)が他端側101bにおける横方向の変位(図8(b)に示す400b参照)よりも大きいため、タイヤモデル100の横力の変動量が大きくなる。
このタイヤモデル100の横力の変動量が最も大きくなる箇所(図7に示す図6(e)の箇所参照)では、タイヤモデル100の全体が横方向に変位するため、操縦安定性が悪化する。したがって、タイヤモデル100が段差モデル200の段差を乗り上げ又は乗り下げるときのタイヤモデル100の横力の変動量が最小となれば、操縦安定性が良好になることと等価になるため、実際のタイヤが製造されなくても操縦安定性に優れたタイヤが開発可能となる。
さらに、キャンバー角又はスリップ角がタイヤモデル100に設定されることにより、タイヤモデル100が車両モデル(図示せず)に装着された状態と等価となるため、タイヤモデル100が車両モデル(図示せず)に装着されていなくても、タイヤモデル100の直進時においてキャンバー角、トー角等のアライメントに関係する横力が算出可能となる。またキャンバー角、トー角に加えて、タイヤ進行方向に対するタイヤモデル100のスリップ角がタイヤモデル100の旋回時において考慮されるため、タイヤモデル100の旋回時においてもタイヤモデル100が段差モデル200の段差を通過しているときのタイヤモデル100の横力がより正確に算出可能となる。
また、トレッドモデル110が段差モデル200の段差を通過しているときのタイヤモデルの横力の変動量が算出可能となるため、トレッドモデル110のトレッドパターンがタイヤモデル100の横力に及ぼす影響が予測可能となる。
なお、図5(a)乃至(d)に示す段差201乃至206の高さxは、5mm以上30mm以下、より好ましくは5mm以上20mm以下の実際の路面の段差と対応してもよい。この路面の段差の高さが30mm又は20mmを超えると、段差201乃至206の上下の面にタイヤモデル100が同時に接触しなくなり、タイヤ性能の予測計算が不安定となる。このため、路面の段差の高さが30mm又は20mmであることにより、段差201乃至206の上下の面にタイヤモデル100が同時に接触可能となり、タイヤ性能の予測計算が安定化する。
また、路面の段差の高さxが5mm未満である場合には、タイヤモデル100が段差モデル200の段差を通過しているときのタイヤモデル100の横力の変動量が極端に小さく、当該タイヤモデル100の横力の変動量の精度が確保し難くなる。また、実際の段差は5mm以上であるのが通常であるため、5mm未満の段差の高さに対応する段差モデル200の段差が設定されると、シミュレーション上の段差と実際の段差とが大きく乖離することとなる。このため、路面の段差の高さが5mm以上であることにより、タイヤモデル100の横力の変動量の精度が確保可能となり、且つシミュレーション上での段差と実際の路面の段差とが略等価な状態となるため、タイヤモデルの横力の変動量が適切に算出可能となる。なお、路面の段差の高さは10mm未満であることがより好ましい。
なお、タイヤモデル100は、タイヤ周方向の要素分割が72分割以上である構成を備えてもよい。ここで、タイヤ周方向の要素分割が72分割未満である場合には、段差モデル200の段差にタイヤモデル100が接触したときのタイヤモデル100の変形が精度良く表現できない。一方、タイヤ周方向の要素分割が72分割以上である場合には、段差モデル200の段差にタイヤモデル100が接触した部分の局所的な変形が表現できるようになり、タイヤモデル100の変形を精度良く表現できる。このため、タイヤ周方向の要素分割が72分割以上とすることにより、タイヤモデル100が段差モデル200の段差に接触するときのタイヤ変形を適切に表現できるため、タイヤモデル100の横力の変動量が適切に算出可能となる。
なお、タイヤ周方向の全周の上限の要素数は、1440個(タイヤ軸を中心とする角度が0.25度毎に分割されることによりタイヤ周方向の全周の上限の要素数が1440個となる)、より好ましくは720個(タイヤ軸を中心とする角度が0.5度毎に分割されることによりタイヤ周方向の全周の上限の要素数が720個となる)であってもよい。このタイヤ周方向の全周の上限の要素数が1440個を超えると、タイヤモデル100の要素数が多くなるため、タイヤ周方向の全周の上限の要素数が1440個未満である場合に比べて解析時間が増大する。このため、タイヤ周方向の全周の上限の要素数が1440個未満であることにより、タイヤ周方向の全周の上限の要素数が1440個を超える場合に比べて、解析時間を短くすることが可能となる。
(実施例)
解析の実施例について以下詳細に説明する。サイズ205/55R15、内圧230kPa、荷重4.0kN、スリップ角0.1度、キャンバー角0.8度のタイヤモデルA及びタイヤモデルBが用いられた。タイヤモデルA及びタイヤモデルBは全体の形状及びベルト構造(ここでは、タイヤモデルAの各ベルトの交差角度が68deg、タイヤモデルBの各ベルトの交差角度が64deg)が異なり、それ以外は同一である。また10mmの段差を有している段差モデルが用いられた。
図9は、タイヤモデルA及びタイヤモデルBの移動時間[ms]に対する横力の変動量を示す図である。図9に示すように、タイヤモデルA及びタイヤモデルBの移動時間[ms]が210である場合に、タイヤモデルA及びタイヤモデルBの横力の変動量が最大となっている。
図10(a)は、タイヤモデルAの横力の変動量が最大である場合のタイヤモデルAの横方向の変位分布を示す図である。図10(b)は、タイヤモデルBの横力の変動量が最大である場合のタイヤモデルBの横方向の変位分布を示す図である。図10(c)は、図10(a)に示すタイヤモデルA,図10(b)に示すタイヤモデルBを上方から見た図である。
図10(a)及び(b)に示すように、一端側101aから他端側101bに向けて作用するタイヤモデルAの全体の変位(図10(a)に示す領域400dに作用する全体の変位を示す矢印500)は、一端側101aから他端側101bに向けて作用するタイヤモデルBの変位(図10(b)に示す領域400eに作用する全体の変位を示す矢印600)よりも大きいことが分かる。
また、タイヤモデルA,Bと同等のタイヤサイズ、荷重、内圧、アライメント条件、トレッドパターンからなるタイヤと、路面モデルの段差と同等の路面の段差とが用いられ、実際のタイヤが路面の段差を通過しているときのタイヤの横力の変動量が測定されて、その測定結果がタイヤモデルA及びタイヤモデルBと比較された。
図11は、タイヤモデルA及びタイヤモデルBが用いられたときのタイヤモデルA及びタイヤモデルBの横力の変動量と、タイヤモデルAと同等のタイヤ及びタイヤモデルBと同等のタイヤが用いられたときのそれぞれのタイヤの横力の変動量とを示す図である。図11に示す指数は、数値が大きくなる程、横力が大きいことを意味する。
図11に示すように、タイヤモデルA,Bと実際のタイヤとの横力の変動量を比較すると、両者ともに同等の数値が得られた。したがって、タイヤモデルが段差モデルの段差を通過しているときのタイヤモデルの横力の変動量が算出されることにより、実際のタイヤの操縦安定性の良否が判定可能となる。そのことにより、タイヤモデルが段差モデルの段差を通過しているときのタイヤモデルの横力の変動量が最小となれば、実際のタイヤの操縦安定性が良好になることと等価になり、実際のタイヤが製造されなくても操縦安定性に優れたタイヤが開発可能となる。
本実施形態における変動量算出装置を示す図である。 本実施形態における変動量算出装置の動作を示す図である。 本実施形態におけるタイヤモデルを示す図である。 本実施形態におけるタイヤモデルと段差モデルとを示す図である。 本実施形態における複数種類の段差モデルを示す図である。 本実施形態におけるタイヤモデルが段差モデルの段差を通過している様子を示す図である。 本実施形態におけるタイヤモデルの移動時間[ms]に対するタイヤモデルの横力の変動量を示す図である。 本実施形態におけるタイヤモデルの接地圧分布と、タイヤモデルの横方向に作用する変位分布とを示す図である。 本実施例におけるタイヤモデルの移動時間[ms]に対するタイヤモデルの横力の変動量を示す図である。 本実施例におけるタイヤモデルの横方向に作用する変位分布を示す図である。 本実施例におけるタイヤモデルの横力と、タイヤモデルと等価なタイヤの横力とを示す図である。 車両の進行方向とその車両に作用する横力との関係を示す図である。
符号の説明
10…変動量算出装置、11…入力部、12…記憶部、13…処理部、13−1…タイヤモデル設定部、13−2…段差モデル設定部、13−3…変動量算出部、14…表示部、100…タイヤモデル、110…トレッドモデル

Claims (5)

  1. タイヤを有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定するタイヤモデル設定手段と、
    段差を有する路面を有限個の要素でモデル化した段差モデルを設定する段差モデル設定手段と、
    前記タイヤモデルが前記段差モデルの段差を通過しているときの該タイヤモデルの横力の変動量を算出する変動量算出手段と
    を備えることを特徴とする変動量算出装置。
  2. 前記タイヤモデルは、タイヤ周方向の全周に亘り72個以上の要素数が連設して成る構成を備えることを特徴とする請求項1に記載の変動量算出装置。
  3. 前記路面の段差は、5mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の変動量算出装置。
  4. 前記変動量算出手段は、前記タイヤモデルのキャンバー角又はスリップ角を設定して、該タイヤモデルが前記段差モデルの段差を通過しているときの該タイヤモデルの横力の変動量を算出することを特徴とする請求項1に記載の変動量算出装置。
  5. 前記タイヤモデルは、トレッド部が有限個の要素でモデル化されたトレッドモデルを備えることを特徴とする請求項4に記載の変動量算出装置。


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