JP2006199084A - 自動二輪車用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回時の操縦安定性の向上された自動二輪車用タイヤ2の提供。
【解決手段】自動二輪車用タイヤ2は、中央に第一ベルトプライ30とその両側に一対の第二ベルトプライ32とが備えられたベルト14を備えている。この第一ベルトプライ30とこの第二ベルトプライ32とが、タイヤ軸方向に隣接している。左右のトレッド端22が結ばれるトレッド面18の長さが周長LTとされ、この周長LTの半分に対する第二ベルトプライ32の周長L2の比率が15%以上35%以下である。この第二ベルトプライ32は、熱収縮性の第二ベルトコードを備えている。このタイヤ2の冷却工程では、正規のリム幅WRに対する左右のビードヒール接触部間の軸方向距離WPの比率が95%以上105%以下であるPCIリム46が用いられる。加硫成形後、タイヤ2はこのPCIリム46に装着され、内部に空気が充填されて冷却される。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動二輪車用タイヤに関する。
ベルトコードが赤道面に対して5°以下の角度で螺旋状に周巻きされたベルトを備えたラジアルタイヤが、自動二輪車に用いられている。このベルト構造は、ジョイントレス構造と称される。このジョイントレス構造の採用により、自動二輪車の高速走行時の安定性及び耐久性の向上が実現されている。
車両の高性能化が進み、タイヤの限界性能の向上が求められている。特に、旋回時の高速高荷重下において車両が保持され安定に走行されるために、タイヤ剛性のさらなる向上が図られている。タイヤは、ゴム、コードをはじめとする様々な素材で構成されている。タイヤ剛性が向上されるために、ゴム部材の剛性アップ、コードがトッピングゴムに埋設されてなる各種プライの使用枚数の増加、コード自体の剛性アップ等が検討されている。これらは、いずれもタイヤ質量の増大を招く。
タイヤ質量が増加されることなくタイヤ剛性が高められ操縦安定性の向上されたタイヤが製造されうる自動二輪車用ラジアルタイヤの製造方法が、特開平8−52737に開示されている。このタイヤ製造方法に含まれる加硫工程で用いられる金型は、左右のビードに備えられるビードヒール間の軸方向距離がタイヤが組み込まれる正規のリム幅の1.10倍から1.30倍広くなるように設定されている。
タイヤの構成部材として用いられるコードには、ナイロン、ポリエステル等の有機繊維が広く用いられている。加硫直後のタイヤは高温状態にあるので、このようなコードが用いられたタイヤがそのまま放置されるとタイヤが変形する場合がある。
加硫直後にあるタイヤが変形することなく冷却でき、リム組時のタイヤとリムとの間の隙間量が抑えられるPCI(Post Cure Inflation)リムが、特開平5−139105号に開示されている。加硫直後にあるタイヤは、このPCIリムに組み込まれその内部に空気が充填された状態で冷却される。
特開平8−52737号公報 特開平5−139105号公報
前述したように、タイヤが組み込まれる正規のリム幅よりも広くなるようにビードヒール間の軸方向距離が設定されている金型でタイヤが加硫成形されると、タイヤ質量が増加されることなくタイヤ剛性は向上される。このタイヤが正規のリムに組み込まれ、空気が充填された時、タイヤのショルダー高さは低くなる。このショルダーの高さが低くなるとこのタイヤのショルダーには圧縮力が作用する。これに加えて、ベルトコードの張力も低下するので、このタイヤは旋回走行時の操縦安定性に劣る。
本発明の目的は、タイヤ質量が増加することなく、旋回時の操縦安定性の向上された自動二輪車用タイヤの提供にある。
本発明に係る自動二輪車用タイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、このトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、このサイドウォールからさらに半径方向略内向きに延びる一対のビードと、トレッド及びサイドウォールの内側に沿って両ビードの間に架け渡されたカーカスと、トレッドの半径方向内側においてカーカスと積層されるベルトとを備えている。このカーカスは、カーカスプライを備えている。このカーカスプライは、カーカスコードを備えている。このカーカスコードのタイヤ赤道面に対してなす角度の絶対値は、70°以上90°以下である。このベルトは、中央に第一ベルトプライとこの第一ベルトプライの両側に一対の第二ベルトプライとを備えている。この第一ベルトプライと第二ベルトプライとは、タイヤ軸方向に隣接している。左右のトレッド端が結ばれるトレッド面の長さが周長LTとされ、この周長LTの半分に対する第二ベルトプライの周長L2の比率は10%以上40%以下である。この第一ベルトプライは、タイヤ周方向に螺旋巻きされる第一帯状プライからなる。この第一帯状プライは、第一ベルトコードと第一トッピングゴムとを備えている。この第一ベルトコードの赤道面に対してなす角度の絶対値は、5°以下である。この第一ベルトコードは非熱収縮性である。この第二ベルトプライは、タイヤ周方向に螺旋巻きされる第二帯状プライからなる。この第二帯状プライは、第二ベルトコードと第二トッピングゴムとを備えている。この第二ベルトコードの赤道面に対してなす角度の絶対値は、5°以下である。この第二ベルトコードは、熱収縮性である。
好ましくは、このタイヤでは、加硫成形後高温状態にあるタイヤに空気が充填されて冷却されることで、上記第二ベルトコードの熱収縮が適正化されている。
好ましくは、このタイヤは、上記冷却にPCIリムを用いている。このPCIリムは、ビード嵌合部を備えている。このビード嵌合部は、ビードヒール接触部を備えている。正規のリム幅に対する左右のビードヒール接触部間の軸方向距離の比率は、95%以上105%以下である。
好ましくは、このタイヤは、ビードの外面が形成されるビードリングを備えており、このビードリングがビードヒール形成部を備えており、正規のリム幅に対する左右のビードヒール形成部間の軸方向距離の比率が105%以上120%以下であるモールドによって加硫成形されている。
この自動二輪車用タイヤは、タイヤ質量が増加されることなくタイヤのショルダーにおけるベルトコードの張力が高められているので、旋回時の操縦安定性に優れる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ2の一部がリム4とともに示された断面図である。この図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。このタイヤ2は、トレッド6、サイドウォール8、ビード10、カーカス12、ベルト14及びインナーライナー16を備えている。図1中、矢印線WRは、正規のリム幅を表す。このタイヤ2は、チューブレスタイプの空気入りタイヤ2である。
トレッド6は架橋ゴムからなり、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド6は、路面と接地するトレッド面18を形成する。トレッド面18には、溝20が刻まれている。この溝20により、トレッドパターンが形成されている。このトレッド6において、トレッド端22の近傍がショルダーである。
サイドウォール8は、トレッド端22から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール8は、架橋ゴムからなる。サイドウォール8は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドウォール8は、カーカス12の外傷を防止する。
ビード10は、サイドウォール8から半径方向略内向きに延びている。ビード10は、コア24と、このコア24から半径方向外向きに延びるエイペックス26とを備えている。コア24はリング状であり、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス26は、半径方向外向きに先細りであるテーパ状であり、高硬度な架橋ゴムからなる。なお、図1中、点BHは、ビードヒールを表す。
カーカス12は、カーカスプライ28からなる。カーカスプライ28は、両側のビード10の間に架け渡されており、トレッド6及びサイドウォール8の内側に沿っている。カーカスプライ28は、コア24の周りを、軸方向内側から外側に向かって巻かれている。
図示されていないが、カーカスプライ28は、カーカスコードとトッピングゴムとからなる。カーカスコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、通常は70°から90°である。換言すれば、このタイヤ2はラジアルタイヤである。カーカスコードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト14は、カーカス12の半径方向外側に位置している。ベルト14は、カーカス12と積層されている。ベルト14は、カーカス12を補強する。ベルト14は、中央に第一ベルトプライ30とその両側に一対の第二ベルトプライ32とを備えている。第一ベルトプライ30と第二ベルトプライ32とは、タイヤ軸方向に隣接している。
第一ベルトプライ30は、第一帯状プライがタイヤ周方向に螺旋状に巻かれることによって得られる。この第一帯状プライは、長手方向に延びる1本又は複数の第一ベルトコードと第一トッピングゴムとからなる。第一ベルトコードは、実質的に周方向に延びる。第一ベルトコードの赤道面に対してなす角度の絶対値は、5°以下である。この第一ベルトコードは、いわゆるジョイントレス構造である。この第一ベルトコードは、非熱収縮性である。第一ベルトコードの好ましい材質は、アラミド繊維、炭素繊維及びスチールである。タイヤ質量増加による走行性能の低下の観点から、第一ベルトコードの材質は、アラミド繊維及び炭素繊維がさらに好ましい。より好ましくは、アラミド繊維である。なお、本明細書において、非熱収縮性とは、昇温速度10℃/minで20℃から150℃まで加熱され、この温度で10分間保持された後、降温速度10℃/minで150℃から20℃まで冷却されたときのコードの寸法変化率が、1%未満であることを表している。ここでコードの寸法変化率は、加熱前のコード長さがLとされ、冷却後のコード長さがLとされたとき、((L−L)/L・100)で表される。
第二ベルトプライ32は、第二帯状プライがタイヤ周方向に螺旋状に巻かれることによって得られる。この第二帯状プライは、長手方向に延びる1本又は複数の第二ベルトコードと第二トッピングゴムとからなる。第二ベルトコードは、実質的に周方向に延びる。第二ベルトコードの赤道面に対してなす角度の絶対値は、5°以下である。この第二ベルトコードも、いわゆるジョイントレス構造である。この第二ベルトコードは、熱収縮性ワイヤーである。第二ベルトコードの材質は、第一ベルトコードの材質と異なる。第二ベルトコードの好ましい材質としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維及びポリエチレンナフタレート繊維が例示される。なお、アラミド繊維とナイロン繊維との組み合わせのように2種以上の繊維が組み合わされてなる複合繊維が用いられてもよい。さらに、第一トッピングゴムと第二トッピングゴムとに同じ配合のゴム組成物が用いられてもよい。なお、本明細書において、熱収縮性とは、前述したコードの寸法変化率が1%以上であることを表している。
インナーライナー16は、カーカス12の内周面に接合されている。インナーライナー16は、架橋ゴムからなる。インナーライナー16には、空気透過性の少ないゴムが用いられている。インナーライナー16は、タイヤ2の内圧を保持する役割を果たす。
この自動二輪車用タイヤ2が得られるには、まず、予備成形工程でローカバーが成形される。このローカバーは、種々の未架橋ゴム組成物及び種々のコードからなる。なお、ローカバーは、加硫成形前のタイヤ成形体であり、グリーンタイヤとも称せられている。
次に、加硫工程において、このローカバーは加圧及び加熱される。この工程でまず、ローカバーはモールド34に投入される。ローカバーは、モールド34のキャビティ面とブラダーとによって加圧される。このローカバーは、同時に加熱される。この加圧と加熱とによって、ローカバーのゴム組成物が流動する。さらに加熱によりローカバーのゴム組成物が、架橋反応を起こす。ローカバーのゴム組成物が完全に架橋され、タイヤ2が形成される。この後、タイヤ2はモールド34から取り出され、PCIリム46に組み込まれる。次いで、このタイヤ2の内部に空気が充填され、この状態で冷却されることによって、図1に示されるタイヤ2が得られる。
図2は、図1のタイヤ2の製造方法に含まれる加硫工程に用いられるモールド34の一部が示された断面図である。この図2において、上下方向がタイヤ2の半径方向と同一であり、左右方向がタイヤ2の軸方向と同一であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向と同一である。なお、この一点鎖線LLは、タイヤ赤道面相当線である。このモールド34が、加硫機に装着されている。タイヤ赤道面相当線LLに対して右側が、加硫機上側になる。このタイヤ赤道面相当線LLに対して左側が、加硫機下側になる。このモールド34は、トレッド6の外面が形成されるトレッドセグメント36と、サイドウォール8の外面が形成される上型サイドモールド38及び下型サイドモールド40と、ビード10の外面が形成される上部ビードリング42及び下部ビードリング44とを備えている。このモールド34は、割モールドである。なお、モールド34として、2ピースモールドが用いられてもよい。
この上部ビードリング42はビードヒール形成部P1を備えており、下部ビードリング44はビードヒール形成部P2を備えている。両矢印線WPは、このビードヒール形成部P1とP2との間の軸方向距離を表している。正規のリム幅WRに対する軸方向距離WPの比率は、105%以上120%以下である。この比率が105%以上に設定されることにより、リム組後のタイヤ2において、特にトレッド端22の近傍の形状が変化する。この形状変化に伴い、カーカスコードが引き延ばされるので、このコードの張力は高まる。ゴム部材においても、この形状変化に伴い内部応力が高まる。したがって、正規のリム4に組み込まれたこのタイヤ2では、タイヤ剛性は向上する。タイヤ剛性の向上されたタイヤ2は、操縦安定性に優れる。この観点から、この比率は110%以上がより好ましい。この比率が120%以下に設定されることにより、タイヤ剛性の過大が防止されうる。これに加えて、このタイヤ2のリム4への組み込み不良も防止されうる。この観点から、この比率は115%以下がより好ましい。
図3は、図1のタイヤ2がPCIリム46に組み込まれている状態を表した断面図である。図4は、図3のタイヤ2の一部が拡大された部分拡大断面図である。このPCIリム46には、ビード嵌合部48が備えられている。このビード嵌合部48は、ビードヒール接触部P3を備えている。図4中仮想線は、加硫工程後PCIリム46に組み込まれる前の自由状態におけるショルダーからトレッド端22が経られてビード10に至るタイヤ2の形状を表している。矢印線WBは、この自由状態におけるタイヤ2の左右にあるビードヒールBH間の軸方向距離を表している。なお、本明細書において、自由状態とは、タイヤ2がリム4に組み込まれていない状態を意味する。
このタイヤ2に用いられている第二ベルトコードは、熱収縮性である。加硫が完了しモールド34から解放されたタイヤ2は、高温状態にある。この高温状態にあるタイヤ2がそのまま冷却されると、この第二ベルトコードが収縮するのでタイヤ2は変形する。そこで、加硫工程後、高温状態にあるこのタイヤ2は、PCIリム46に装着される。PCIリム46に装着されたタイヤ2の内部に標準内圧の90%から100%の範囲で空気が充填される。この状態で、タイヤ2は冷却される。このタイヤ2はその内部に空気が充填されて冷却されるので、この第二ベルトコードには適切な熱収縮が与えられている。この第二ベルトコードの張力はこの熱収縮作用によって適度に高まるので、この第二ベルトコードが配置されるショルダーにおける剛性も適度に高められる。ショルダーにおける剛性が適度に高められたタイヤ2は、旋回時の操縦安定性に優れる。この冷却工程が経られたタイヤ2では過大な変形が防止されるので、このタイヤ2は寸法安定性にも優れる。
図1において、矢印線LTは、左右のトレッド端22が結ばれるトレッド面18の長さを表している。矢印線L1は、第一ベルトプライ30の周長を表している。両矢印線L2は、第二ベルトプライ32の周長を表している。
周長LTの半分に対する周長L2の比率は、10%以上40%以下である。この比率が10%以上に設定されることにより、ベルト14に占める第二ベルトプライ32の比率は上がる。前述したように、第二ベルトプライ32に備えられている第二ベルトコードの張力がその熱収縮作用によって高まるので、この第二ベルトプライ32が配置されるショルダーにおける剛性は適度に向上する。このようなタイヤ2は、旋回時の操縦安定性に優れている。この観点から、この比率は15%以上がより好ましく、20%以上が特に好ましい。この比率が40%以下に設定されることにより、トレッド6の軸方向における剛性が最適化されるので、直進時においても旋回時においても操縦安定性に優れる。この観点から、この比率は30%以下がより好ましい。
周長LTに対する周長L1の比率は、60%以上90%以下であるのが好ましい。この比率が60%以上に設定されることにより、ベルト14の中央に配置される第一ベルトプライ30のベルト14に占める比率は上がる。第一ベルトコードの弾性率は第二ベルトコードよりも高いので、トレッド剛性が適度に高められた領域が軸方向外側に拡がる。このようなタイヤ2は、直進走行時の操縦安定性に優れる。この観点から、この比率は70%以上がより好ましい。この比率が90%以下に設定されることにより、このタイヤ2は旋回時に適度に撓む。このようなタイヤ2は、旋回時における操縦安定性に優れる。この観点から、この比率は85%以下がより好ましく、80%以下が特に好ましい。
図3において、両矢印線WQは左右のビードヒール接触部P3間の軸方向距離を表している。正規のリム幅WRに対する軸方向距離WQの比率は、95%以上105%以下である。この軸方向距離WQは、正規のリム幅WRと同等である。前述したように、このタイヤ2は、ビードヒール形成部P1及びP2間の軸方向距離WPが正規のリム幅WRよりも大きいモールド34で形成されている。したがって、タイヤ2がこのPCIリム46に組み込まれると、特にショルダーにおけるトレッド6の曲率は小さくなる。トレッド6の曲率が小さくなると、カーカス12の半径方向外側に周方向に螺旋巻きされてなるベルト14によるカーカス12の補強効果が低下する。しかし、このタイヤ2では、トレッド6の曲率が小さくなるこのショルダー領域に熱収縮性の第二ベルトコードが配置されている。前述したように、タイヤ2の内部に空気が充填されているので、PCIリム46に装着されているこのタイヤ2の第二ベルトコードは過大な熱収縮が抑えられた状態にある。この状態にある第二ベルトコードは、トレッド6の曲率低下の程度に合わせて熱収縮する。したがって、このタイヤ2では、リム組後にトレッド6の曲率が低下しても、ベルト14によるカーカス12の補強効果は維持される。
さらに、このPCIリム46で冷却されたタイヤ2が正規のリム4に組み込まれたとき、PCIリム46のビードヒール接触部P3間の軸方向距離WQと正規のリム幅WRとが同等であるので、ビード10とリム4との間に隙間は生じない。したがって、両者は、良好に嵌合する。ビード10がリム4と良好に嵌合するタイヤ2では、走行時の振動が防止されうる。
タイヤ2の各部の寸法及び角度は、タイヤ2が正規のリム4に組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規のリム4とは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリム4を意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規のリム4である。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成が備えられ、表1に示された仕様の自動二輪車用タイヤを得た。このタイヤサイズは、190/50ZR17である。カーカスには、1枚のカーカスプライを用いた。このカーカスプライに用いられているコード材質は、ナイロン繊維である。このコードの周方向に対してなす角度は、90°である。このコードの繊度は、1400dtex/2である。このコードの密度は、40エンズである。ベルトには、第一ベルトプライ及び第二ベルトプライを用いた。第一ベルトプライに用いられているコード材質は、アラミド繊維である。このコードの周方向に対してなす角度は、0°である。このコードの繊度は、1670dtex/2である。このコードの密度は、54エンズである。第二ベルトプライに用いられているコード材質は、ナイロン繊維である。このコードの周方向に対してなす角度は、0°である。このコードの繊度は、1400dtex/2である。このコードの密度は、54エンズである。左右のトレッド端が結ばれるトレッド面の周長LTの半分に対する第二ベルトプライの周長L2の比率は、18%である。加硫工程で用いられるモールドに備えられているビードヒール形成部P1とP2との間の軸方向距離WPは、正規のリム幅WRの113%である。冷却工程で用いられるPCIリムの左右にあるビードヒール接触部P3間の軸方向距離WQは、正規のリム幅WRと同じである。
[比較例3及び4並びに実施例3及び4]
トレッド面の周長LTの半分に対する第二ベルトプライの周長L2の比率を下記表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、自動二輪車用タイヤを得た。
[実施例2及び5]
正規のリム幅WRに対する加硫工程で用いられるモールドに備えられているビードヒール形成部P1とP2との間の軸方向距離WPの比率を下記表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、自動二輪車用タイヤを得た。
[実施例6]
正規のリム幅WRに対する冷却工程で用いられるPCIリムの左右にあるビードヒール接触部間の軸方向距離WQの比率を下記表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、自動二輪車用タイヤを得た。
[比較例1及び2]
ベルトを第一ベルトプライのみとし、正規のリム幅WRに対する加硫工程で用いられるモールドに備えられているビードヒール形成部P1とP2との間の軸方向距離WPの比率と正規のリム幅WRに対する冷却工程で用いられるPCIリムの左右にあるビードヒール接触部間の軸方向距離WQの比率とを下記表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、自動二輪車用タイヤを得た。
[実車評価]
排気量が1000cmである市販の自動二輪車の後輪に、試作タイヤが装着された。リムはMT17×6.00、タイヤ空気内圧は250kPaとした。なお、この前輪には、市販されている従来のタイヤが装着されている。この前輪のタイヤサイズは、120/70ZR17である。サーキットコースで、時速100km/h旋回走行と時速250km/h直進走行が実施され、ライダーが5.0点を満点とした官能評価を行った。この数値が大きいほど、良好であることが示される。評価項目は、剛性感、旋回時の応答性及び旋回時の操作性である。この結果が、下記の表1に示されている。
Figure 2006199084
表1に示されるように、実施例の自動二輪車用タイヤは、旋回時の操縦安定性に優れていることが確認された。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係る自動二輪車用タイヤは、種々の車両に装着されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの製造方法に含まれる加硫工程に用いられるモールドの一部が示された断面図である。 図3は、図1のタイヤがPCIリムに組み込まれている状態を表した断面図である。 図4は、図3のタイヤの一部が拡大された部分拡大断面図である。
符号の説明
2・・・タイヤ
4・・・リム
6・・・トレッド
8・・・サイドウォール
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
16・・・インナーライナー
18・・・トレッド面
20・・・溝
22・・・トレッド端
24・・・コア
26・・・エイペックス
28・・・カーカスプライ
30・・・第一ベルトプライ
32・・・第二ベルトプライ
34・・・モールド
36・・・トレッドセグメント
38・・・上型サイドモールド
40・・・下型サイドモールド
42・・・上部ビードリング
44・・・下部ビードリング
46・・・PCIリム
48・・・ビード嵌合部

Claims (4)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドと、このトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、このサイドウォールからさらに半径方向略内向きに延びる一対のビードと、トレッド及びサイドウォールの内側に沿って両ビードの間に架け渡されたカーカスと、トレッドの半径方向内側においてカーカスと積層されるベルトとを備えており、
    このカーカスが、カーカスプライを備えており、
    このカーカスプライがカーカスコードを備えており、このカーカスコードのタイヤ赤道面に対してなす角度の絶対値が70°以上90°以下であり、
    このベルトが、中央に第一ベルトプライとこの第一ベルトプライの両側に一対の第二ベルトプライとを備えており、
    この第一ベルトプライと第二ベルトプライとが、タイヤ軸方向に隣接しており、
    左右のトレッド端が結ばれるトレッド面の長さが周長LTとされ、この周長LTの半分に対する第二ベルトプライの周長L2の比率が10%以上40%以下であり、
    この第一ベルトプライがタイヤ周方向に螺旋巻きされる第一帯状プライからなり、この第一帯状プライが第一ベルトコードと第一トッピングゴムとを備えており、この第一ベルトコードの赤道面に対してなす角度の絶対値が5°以下であり、この第一ベルトコードが非熱収縮性であり、
    この第二ベルトプライがタイヤ周方向に螺旋巻きされる第二帯状プライからなり、この第二帯状プライが第二ベルトコードと第二トッピングゴムとを備えており、この第二ベルトコードの赤道面に対してなす角度の絶対値が5°以下であり、この第二ベルトコードが熱収縮性である自動二輪車用タイヤ。
  2. 加硫成形後高温状態にあるタイヤに空気が充填されて冷却されることで、上記第二ベルトコードの熱収縮が適正化されている請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記冷却にPCIリムが用いられており、このPCIリムがビード嵌合部を備えており、このビード嵌合部がビードヒール接触部を備えており、正規のリム幅に対する左右のビードヒール接触部間の軸方向距離の比率が95%以上105%以下である請求項2に記載のタイヤ。
  4. ビードの外面が形成されるビードリングを備えており、このビードリングがビードヒール形成部を備えており、正規のリム幅に対する左右のビードヒール形成部間の軸方向距離の比率が105%以上120%以下であるモールドによって加硫成形された請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
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