JP2006197933A - 蜂蜜酒の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の蜂蜜酒の味、色、機能性を改善し、かつ産業廃棄物となっているラッカセイの種皮の有効活用を図る。
【解決手段】蜂蜜液にラッカセイ種皮の成分を添加し、酵母の存在下で発酵させることによって味、色、清澄度が良好でかつ抗酸化性、抗菌性に優れた発酵酒を製造する。乳酸及びパントテン酸を添加して発酵させるのが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】蜂蜜液にラッカセイ種皮の成分を添加し、酵母の存在下で発酵させることによって味、色、清澄度が良好でかつ抗酸化性、抗菌性に優れた発酵酒を製造する。乳酸及びパントテン酸を添加して発酵させるのが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、蜂蜜とラッカセイ(ピーナッツ)の種皮とを用いて、機能性にすぐれ、味と色調のよい酒類を製造する方法に関するものである。
蜂蜜を発酵させて得られる酒(Mead)は、ワインやビールと同様に古くから知られており、現代でも欧州など一部の地域で飲まれている。しかしながら、蜂蜜酒は特有の蜂蜜臭を有する重い酒質であるため、ほとんど普及していない。また、蜂蜜のみを原料として発酵させることが難しいため、通常、蜂蜜を水で希釈し酵母を加えて発酵させる方法がとられるが、この方法では、アルコール分2〜3%で発酵が停止してしまう。このため、発酵を容易に進行させる目的で蜂蜜以外に果汁や麦芽、穀類などが加えられている。蜂蜜だけでは発酵がスムーズに進行しない原因としては、発酵の主役である酵母に必要な栄養分が不足するため、最初に添加した酵母が十分に増殖せず、酵母の発酵力が衰えるために発酵が途中から行われなくなると考えられている。
そこで蜂蜜に精製された特定のアミノ酸を添加することで、スムーズに発酵が行なわれるようにして良好な蜂蜜酒を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、アミノ酸添加による香味への影響や、その添加物が非常に高価であることから価格面での問題が指摘されている。
その解決策として、蜂蜜を原料とし、これを発酵して蜂蜜酒を製造する方法において、酵母を発酵液1mL当り4×107個以上添加して行う方法が提案されている(特許文献2参照)。また、蜂蜜を主原料とし、これに更に生赤米の玄米及び焼酎麹を配合して発酵させ、きれいな着色を有し且つ風香味のすぐれた酒類を得る方法も提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、いずれの方法でも味や色合いの良い蜂蜜酒を製造することは難しく、わが国でも広く愛飲されるような蜂蜜酒は未だ商品化されていない。
一方、ラッカセイは殻の中にさらに茶褐色の「渋皮」と呼ばれる種皮を有し、これが食用となる豆の表面を覆っている。このため、食品としてのラッカセイあるいはその加工品を製造するには、収穫したラッカセイの殻をとり、さらに種皮を除去する必要がある。ところが、この種皮は格別の用途がない為、産業廃棄物として処理されているのが現状である。
特開昭62−272866号公報 特開平5−23160号公報 特開平11−341974号公報
本発明の主な目的は、上記のようなラッカセイの種皮を有効活用して味と色調のよい蜂蜜酒を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究の結果、蜂蜜にラッカセイ種皮の成分を添加して酵母の存在下で発酵させることにより、味や色合いだけでなく、ポリフェノール含量が高く機能性にも優れた蜂蜜酒が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)蜂蜜にラッカセイ種皮の成分を添加し、酵母の存在下で発酵させることを特徴とする蜂蜜酒の製造方法、
(2)ラッカセイ種皮の成分を、ラッカセイ種皮を熱水で抽出した液として添加することを特徴とする上記(1)の蜂蜜酒の製造方法、
(3)種皮成分を、蜂蜜の重量を基準にして、0.1〜1.0重量%添加することを特徴とする上記(2)の蜂蜜酒の製造方法、
(4)蜂蜜にラッカセイ種皮の成分を添加し、酵母の存在下で発酵させるに際し、さらに乳酸を添加することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかの蜂蜜酒の製造方法、
(5)乳酸(85〜92%)を、蜂蜜液1L(リットル)当り1.5〜2.25mL(ミリリットル)添加することを特徴とする上記(4)に記載の蜂蜜酒の製造方法、
(6)蜂蜜として未精製の未調整蜂蜜を使用することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の蜂蜜酒の製造方法、そして、
(7)パントテン酸を、蜂蜜液1L当り3〜20mg添加することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の蜂蜜酒の製造方法、
に係るものである。
(1)蜂蜜にラッカセイ種皮の成分を添加し、酵母の存在下で発酵させることを特徴とする蜂蜜酒の製造方法、
(2)ラッカセイ種皮の成分を、ラッカセイ種皮を熱水で抽出した液として添加することを特徴とする上記(1)の蜂蜜酒の製造方法、
(3)種皮成分を、蜂蜜の重量を基準にして、0.1〜1.0重量%添加することを特徴とする上記(2)の蜂蜜酒の製造方法、
(4)蜂蜜にラッカセイ種皮の成分を添加し、酵母の存在下で発酵させるに際し、さらに乳酸を添加することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかの蜂蜜酒の製造方法、
(5)乳酸(85〜92%)を、蜂蜜液1L(リットル)当り1.5〜2.25mL(ミリリットル)添加することを特徴とする上記(4)に記載の蜂蜜酒の製造方法、
(6)蜂蜜として未精製の未調整蜂蜜を使用することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の蜂蜜酒の製造方法、そして、
(7)パントテン酸を、蜂蜜液1L当り3〜20mg添加することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の蜂蜜酒の製造方法、
に係るものである。
本発明の方法においては、主原料として蜂蜜を使用する。蜂蜜にはレンゲ蜂蜜、アカシア蜂蜜、ナタネ蜂蜜、ミカン蜂蜜など花起源によって各種の蜂蜜があるが、原料として使用される蜂蜜はいずれの蜂蜜でもよい。また、主原料となる蜂蜜としては、単一種の蜂蜜だけを使用してもよく、2種以上ブレンドしたものも使用可能であって、市販品も適宜使用することができる。すなわち、蜂蜜は、採取された花、また産地により香味に違いがあるため、種類の異なった蜂蜜を用いることによって、それぞれ特徴のある製品が得られる。さらに、目的に応じて数種類の蜂蜜を混合して使用してもよい。市販の蜂蜜は調整品が多いが、本発明では精製していない未調整品のほうが発酵し易いので好ましい。
一方、副原料としては、ラッカセイの種皮(渋皮)を使用する。種皮はそのままで、或いは粉末状にして添加することもできるが、種皮を熱水処理して種皮中の成分を熱水中に抽出した液を使用するのが好ましい。ラッカセイ種皮の熱水抽出液としては、例えば、ラッカセイの種皮を沸騰水中で約30分間湯煎した後、該種皮を濾別した濾液を使用することが好ましい。
本発明者らの研究により、ラッカセイ種皮の熱水抽出液には、抗菌性及び抗酸化性のあること、そして、その抗菌性及び抗酸化性はラッカセイ種皮に含まれるポリフェノールに由来することが見出された。ラッカセイ種皮は、従来これといった用途がなく産業廃棄物として処分されてきたが、ラッカセイ種皮を蜂蜜酒の製造時に併用すると、蜂蜜酒にワイン風の好ましい渋み、色合い(赤味)を与え、かつ抗酸化性、抗菌性を付与することがわかった。
ラッカセイ種皮の成分の添加量は、蜂蜜液に対して、ラッカセイ種皮の乾燥重量に換算して0.1〜1.0重量%の範囲が好ましい。したがって、熱水抽出液を使用する場合は、熱水中のラッカセイ種皮の成分の濃度を測定して、その熱水抽出液の添加量を算出する必要がある。ラッカセイ種皮成分の添加量が過少のときは、ポリフェノールが少なく、味、色とも希薄となって本発明の目的を達成し難い。また、ラッカセイ種皮の成分の添加量が過大であると渋味過多という問題が生じる。
本発明者らの研究により、ラッカセイ種皮の熱水抽出液には、抗菌性及び抗酸化性のあること、そして、その抗菌性及び抗酸化性はラッカセイ種皮に含まれるポリフェノールに由来することが見出された。ラッカセイ種皮は、従来これといった用途がなく産業廃棄物として処分されてきたが、ラッカセイ種皮を蜂蜜酒の製造時に併用すると、蜂蜜酒にワイン風の好ましい渋み、色合い(赤味)を与え、かつ抗酸化性、抗菌性を付与することがわかった。
ラッカセイ種皮の成分の添加量は、蜂蜜液に対して、ラッカセイ種皮の乾燥重量に換算して0.1〜1.0重量%の範囲が好ましい。したがって、熱水抽出液を使用する場合は、熱水中のラッカセイ種皮の成分の濃度を測定して、その熱水抽出液の添加量を算出する必要がある。ラッカセイ種皮成分の添加量が過少のときは、ポリフェノールが少なく、味、色とも希薄となって本発明の目的を達成し難い。また、ラッカセイ種皮の成分の添加量が過大であると渋味過多という問題が生じる。
蜂蜜とラッカセイ種皮成分とが共存する系をエタノール発酵させるために添加する酵母としては、ワイン酵母、ビール酵母、清酒酵母等の醸造用酵母を用いることができる。これらの2種以上の酵母を混合して使用してもよい。これらの酵母は純粋培養法により製造してもよいが、ビール、ワイン醸造時において発酵の副産物として生産されるものを使用することも可能である。
本発明者らの研究によれば、上記の酵母の中でも以下の菌株が特に好適であることがわかった。
(1)Saccharomyces cerevisiae OC−2株
(2)Saccharomyces cerevisiae W−10株
本発明者らの研究によれば、上記の酵母の中でも以下の菌株が特に好適であることがわかった。
(1)Saccharomyces cerevisiae OC−2株
(2)Saccharomyces cerevisiae W−10株
本発明では、蜂蜜とラッカセイ種皮に、さらに乳酸を添加することが好ましい。乳酸は防腐効果があり、かつ得られる蜂蜜酒に適度な酸味を与える。乳酸(85〜92%)の添加量は、蜂蜜液1L当り1.5〜2.25mLの範囲が適当である。なお、ここで言う「蜂蜜液」とは、主原料の蜂蜜を水で希釈し、糖濃度10〜35(重量%)にした液を言う。
また、付加的な原料として、必要に応じ、グルコース、スクロース、マルトース等の糖類や食用の色素、香料などを添加してもよい。
また、付加的な原料として、必要に応じ、グルコース、スクロース、マルトース等の糖類や食用の色素、香料などを添加してもよい。
本発明を実施するに際しては、前述のごとく、蜂蜜は水で希釈し使用されるが、その濃度は、目的とする製品のアルコール分及び蜂蜜に含まれる糖分の濃度等に基づき計算により決定される。その蜂蜜液中の糖濃度が低すぎると発酵終了時のアルコール濃度が低くなり、好ましい発酵成分の生成も抑えられるため、初発糖濃度(Brix)10〜40%の範囲とすることが好ましい。
また、本発明を実施するに当り、蜂蜜液にパントテン酸を添加するのが好ましい。蜂蜜には酵母の必須栄養素であるパントテン酸が含まれていない。そのため、酵母を1×108/mL以上添加しなければ、十分な発酵が行われない。ところが、パントテン酸を添加することにより、蜂蜜液中で酵母の活発な増殖が行われ、仕込み時の酵母の添加量を100分の1程度に少なくすることができる。例えば、蜂蜜濃度を調整した液1000Lにパントテン酸を10g添加すれば、全培養酵母の添加は10Lでよい。パントテン酸の添加量は、3mg/L以上が適当である。添加量が3mg/Lより少ないと、酵母の増殖効果が小さい。ただし、添加量が20mg/Lを超えても、それ以上効果が増大しないので、通常は3〜20mg/L、特に5〜20mg/L、の範囲内が好ましい。
さらに、ビオチンの如きビタミンを添加すると、酵母の増殖効果がより増大する。
さらに、ビオチンの如きビタミンを添加すると、酵母の増殖効果がより増大する。
本発明における発酵工程は、多量の酵母を使用する場合は、20℃以下の低温で行うこともできるが、通常は20〜30℃で行われる。通常、7日ないし14日程度で発酵液中のアルコール濃度が目的とする濃度となる。所定のアルコール濃度になった時点で約5℃以下に急冷し、発酵を終了させる。急冷した発酵液は、必要に応じ、そのまま保持し香味の安定化(熟成)を行ってもよい。
以上のようにして得られた蜂蜜酒は、ろ過等の清澄化手段によって清澄化し、そのまま飲用に供してもよいが、特に、清澄化前に0.05〜0.20%程度の活性炭を加えて、酵母の多量添加によって生ずる好ましくない香味を除くことによって、香味が特に優れた蜂蜜酒を製造することができる。活性炭処理して得られた蜂蜜酒は、使用した蜂蜜の種類あるいは活性炭の添加量によって異なるが、無色から薄い琥珀色の非常に透明感のあるものである。この場合、分光光度計による試料層の厚さを10mmとしたときの430nm及び480nmにおける吸光度(OD)の値はそれぞれ0.5以下及び0.3以下を呈している。
本発明の蜂蜜酒はそのまま飲用してもよいが、これをベースに、果汁、酸味料あるいは蜂蜜を含めた糖類を加えて味感を調整し、これを水あるいは炭酸水等で希釈した低アルコール飲料とすることもできる。
以上のごとき本発明方法によれば、従来処理に困っていたラッカセイの種皮を有効利用して、良好な味と色調を有するワイン調の発酵酒を製造することが可能となる。このようにして得られた蜂蜜酒は、ポリフェノールを多く含有し、ポリフェノールが抗酸化作用を有するため、飲用によって健康増進を図ることができる。また、ラッカセイ種皮とともに醸造すると発酵が進むにつれて酵母が発酵槽の下部に沈む傾向があるので濁りのない清澄効果の高い酒が得られる。
さらに、ラッカセイ種皮由来のポリフェノールは、発酵過程及び発酵後における雑菌の生育を抑制する制菌効果があるので、従来の洒類に添加されている亜硫酸などの防腐剤を添加する必要がない。
さらに、ラッカセイ種皮由来のポリフェノールは、発酵過程及び発酵後における雑菌の生育を抑制する制菌効果があるので、従来の洒類に添加されている亜硫酸などの防腐剤を添加する必要がない。
以下に、本発明方法の実施例及び比較例を詳述する。ただし、本発明はこれらの実施例によってその範囲が限定されるものではない。なお、例中の%は特に断らない限り重量%を意味する。例中に示す「ラッカセイ種皮成分の添加量」は、各実験において実際に添加したラッカセイ抽出液の量を該抽出液調製に使用した種皮の乾燥重量に換算した重量の、蜂蜜液に対する重量%を表わす。また、「ポリフェノール濃度」は、発酵液1Lに含まれるポリフェノールの重量である。
主原料の蜂蜜としては、中国産の未調整蜂蜜を用いた。該蜂蜜の成分は、タンパク質0.3%、全糖74.9%、総酸0.9%、灰分0.1%を含むもので、pHは4.0であった。蜂蜜は水で希釈して、糖濃度が15%、18%の2種の水溶液として使用した。
副原料のラッカセイ種皮としては、中国産バージニア種の種皮を用い、これを粉砕し、沸騰水中で30分間加熱して種皮中の水溶性成分を抽出した後、濾過した濾液を用いた。
酵母は、Saccharomyces cerevisiaeのOC−2株、W−10株、IFO2215株、IFO2220株、FO2252株、IFO2300株、IFO2361株、IFO2362株及びIFO2363株を個別に使用した。
上記の蜂蜜液、ラッカセイ種皮抽出液及び酵母を容器に仕込み、乳酸(85〜92%)を蜂蜜液1L当り0.75〜3.00mL添加して、25℃で発酵させた。
上記の各種酵母を使用して、初発糖濃度15%又は18%の液から発酵させたときの発酵過程における経過日数と発酵液の吸光度(OD)との関係を、図1及び図2に示す。
副原料のラッカセイ種皮としては、中国産バージニア種の種皮を用い、これを粉砕し、沸騰水中で30分間加熱して種皮中の水溶性成分を抽出した後、濾過した濾液を用いた。
酵母は、Saccharomyces cerevisiaeのOC−2株、W−10株、IFO2215株、IFO2220株、FO2252株、IFO2300株、IFO2361株、IFO2362株及びIFO2363株を個別に使用した。
上記の蜂蜜液、ラッカセイ種皮抽出液及び酵母を容器に仕込み、乳酸(85〜92%)を蜂蜜液1L当り0.75〜3.00mL添加して、25℃で発酵させた。
上記の各種酵母を使用して、初発糖濃度15%又は18%の液から発酵させたときの発酵過程における経過日数と発酵液の吸光度(OD)との関係を、図1及び図2に示す。
また、乳酸を1.50mL/L添加した系で、酵母としてOC−2株を用いて実験した結果を次の表1に示す。
表1に示す各発酵液について、男女計20名で官能検査を行った。
評価は、それぞれ5(優秀)〜1(最悪)の5段階評価で実施した。その結果を各評価項目の平均点で以下の表2に示す。
評価は、それぞれ5(優秀)〜1(最悪)の5段階評価で実施した。その結果を各評価項目の平均点で以下の表2に示す。
上記の官能検査では、実験1〜10のものは、種皮由来のポリフェノールによって適度の渋味があり、飲み易いとの評価を得た。
さらに、味に適度の酸味を加えるため乳酸を添加した。乳酸添加量の影響を見るため、表1に示す実験とは異なる系で、乳酸添加量を変えて同様の実験を行った。その結果を以下の表3に示す。
これらの発酵液について官能検査を実施したところ、初発糖濃度15%では乳酸2.25mL/L添加のもの、初発糖濃度18%では乳酸1.50mL/L添加のものの評価が特に高かった。
以上の実験から、蜂蜜酒の製造に際し、ラッカセイ種皮の成分を添加して発酵させることにより、ポリフェノールの含量が高く健康に良いばかりでなく、味、色、清澄度等においても優れた発酵酒が得られることが確認された。
実施例1と同様に、主原料の蜂蜜として、中国産のpHは4.0の未調整蜂蜜(該蜂蜜には、タンパク質0.3%、全糖74.9%、総酸0.9%、灰分0.1%を含有)を使用した。蜂蜜は水で希釈して、糖濃度が所定初発糖濃度となるように調整した水溶液とした。副原料のラッカセイ種皮としては、中国産バージニア種の種皮を用い、これを粉砕し、沸騰水中で30分間加熱して種皮中の水溶性成分を抽出した後、濾過した濾液を用いた。また、酵母はOC−2株を使用した。
上記の蜂蜜液、ラッカセイ種皮抽出液及び酵母を容器に仕込み、乳酸(85〜92%)を蜂蜜液1L当り0.75〜3.00mL添加して、室温で発酵させた。この際、パントテン酸を10mg/L添加した場合と無添加の場合とについて酵母数の経日変化を調べた。
上記の蜂蜜液、ラッカセイ種皮抽出液及び酵母を容器に仕込み、乳酸(85〜92%)を蜂蜜液1L当り0.75〜3.00mL添加して、室温で発酵させた。この際、パントテン酸を10mg/L添加した場合と無添加の場合とについて酵母数の経日変化を調べた。
その結果、図3に示すとおり、パントテン酸無添加の系では、日数が経過しても酵母の数に殆ど変化が見られないのに対し、パントテン酸を添加した系では、いずれの初発糖濃度でも、日数の経過にしたがって酵母の数が著しく増大することが確認された。このことは、パントテン酸の添加により仕込み時の酵母数が少なくても、十分な発酵が行えることを示唆している。
本発明の方法によれば、従来処置に困っていたラッカセイの種皮(渋皮)を有効利用して、健康増進効果があり、かつ新規な味の蜂蜜酒が製造できるので、本発明は醸造・食品工業にとって非常に有用である。
Claims (7)
- 蜂蜜にラッカセイ種皮の成分を添加し、酵母の存在下で発酵させることを特徴とする蜂蜜酒の製造方法。
- ラッカセイ種皮の成分を、ラッカセイ種皮を熱水で抽出した液として添加することを特徴とする請求項1に記載の蜂蜜酒の製造方法。
- 蜂蜜液に対して、0.1〜1.0重量%に相当するラッカセイ種皮の熱水抽出物を添加することを特徴とする請求項2に記載の蜂蜜酒の製造方法。
- 蜂蜜にラッカセイ種皮の成分を添加し、酵母の存在下で発酵させるに際し、さらに乳酸を添加することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の蜂蜜酒の製造方法。
- 乳酸(85〜92%)を、蜂蜜液1L当り1.50〜2.25mL添加することを特徴とする請求項4に記載の蜂蜜酒の製造方法。
- 蜂蜜として未精製の未調整蜂蜜を使用することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の蜂蜜酒の製造方法。
- パントテン酸を、蜂蜜液1L当り3〜20mg添加することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の蜂蜜酒の製造方法。
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---|---|---|---|---|
JP2009278921A (ja) * | 2008-05-22 | 2009-12-03 | Sapporo Breweries Ltd | アルコール飲料の製造方法 |
JP2010263858A (ja) * | 2009-05-15 | 2010-11-25 | Japan Royal Jelly Co Ltd | 発酵蜂蜜、その製造方法および蜂蜜発酵作用を示す酵母 |
JP2012191937A (ja) * | 2012-05-31 | 2012-10-11 | Sapporo Breweries Ltd | アルコール飲料の製造方法 |
CN110195001A (zh) * | 2019-02-22 | 2019-09-03 | 王伟峰 | 一种发酵型蜂蜜茶酒的制作方法 |
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2005
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