JP2006188392A - 酸化物焼結体、透明導電性薄膜およびその実装素子 - Google Patents

酸化物焼結体、透明導電性薄膜およびその実装素子 Download PDF

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剛 小原
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Abstract

【課題】比抵抗が小さく、膜表面が平滑であり、さらに可視光領域の光透過率が高い非晶質透明導電性薄膜を製造することができる酸化物焼結体を提供する。
【解決手段】インジウム、タングステン、亜鉛、ゲルマニウムから構成し、タングステンをW/In原子数比で0.004〜0.023の割合、亜鉛をZn/In原子数比で0.004〜0.032の割合、ゲルマニウムをGe/In原子数比で0.004〜0.021の割合で含有させ、かつ、比抵抗を1kΩcm以下とした酸化物焼結体とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)素子や有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子などの表示素子や有機トランジスタ、有機太陽電池などの有機デバイス等に用いられ、膜応力が小さく、かつ、比抵抗の小さい非晶質の透明導電性薄膜と、該透明導電性薄膜を直流スパッタリング法で製造する際のターゲット材として用いられる酸化物焼結体に関する。
透明導電性薄膜は、高い導電性(例えば、1×10-3Ωcm以下の比抵抗)と、可視光領域での高い透過率とを有するため、太陽電池、液晶表示素子、その他各種の受光素子等の電子デバイスの電極として利用されるほか、自動車の窓ガラスや、建築物の窓ガラスなどに用いる熱線反射膜、各種の帯電防止膜、冷凍ショーケースなどの防曇用の透明発熱体としても利用されている。
透明導電性薄膜には、アンチモンやフッ素がドーピングされた酸化錫(SnO2)膜、アルミニウムやガリウムがドーピングされた酸化亜鉛(ZnO)膜、錫がドーピングされた酸化インジウム(In23)膜などが広範に利用されている。特に、錫がドーピングされた酸化インジウム膜、すなわちIn23−Sn系膜は、ITO(Indium Tin Oxide)膜と称され、比抵抗の小さい透明導電性薄膜が容易に得られることから、よく用いられている。
これらの透明導電性薄膜の製造方法としては、スパッタリング法がよく用いられている。スパッタリング法は、蒸気圧の低い材料を用いて、被成膜物質(以下、単に「基板」という)上に成膜する場合や、精密な膜厚制御が必要とされる際に、有効な手法であり、操作が非常に簡便であることから、広範に利用されている。
スパッタリング法では、目的の膜の成分を有する原料をターゲットとして用いることが一般的である。この方法では、一般に、真空装置を用い、ターゲットと基板を配置した真空槽を、いったん高真空にした後、アルゴン等の希ガスを導入し、約10Pa以下のガス圧のもとで、基板を陽極とし、ターゲットを陰極とし、これらの間にグロー放電を起こしてアルゴンプラズマを発生させる。そして、プラズマ中のアルゴン陽イオンを、陰極のターゲットに衝突させ、これによってターゲット成分の粒子をはじき飛ばし、該粒子を基板上に堆積させて、成膜する。
一方、LCDや、有機EL素子用の電極には、表面が平滑な透明導電性薄膜が必要とされている。特に、有機EL素子の電極の場合、その上に有機化合物の超薄膜を形成するため、透明導電性薄膜には、優れた表面平滑性が要求される。表面平滑性は、一般に、膜の結晶性に大きく左右される。同一組成のものでも、粒界の存在しない非晶質構造の透明導電性薄膜(非晶質膜)の方が、結晶質構造の透明導電性薄膜(結晶質膜)に比べて、表面平滑性は良好である。実際、従来組成のITO膜の場合でも、成膜時の基板温度を下げて、150℃以下の基板温度で、かつ、1Pa以上のガス圧でスパッタリングをして得られる非晶質ITO膜の方が、表面平滑性に優れている。
しかし、非晶質ITO膜の比抵抗は、小さくても6×10-4Ωcmが限界であり、表面抵抗の低い膜を形成するためには、膜自体を厚く形成する必要がある。しかし、ITO膜の膜厚が厚くなると、着色という問題が生ずる。
また、基板に入射するスパッタ粒子の運動エネルギーが高いため、基板を加熱していない場合でも局所的に温度が上がり、基板を加熱せずに室温で成膜したITO膜でも、微細な結晶相と非晶質相で構成された膜が得られてしまうことがあるという問題もある。この現象はスパッタリングにおけるガス圧が低い場合に顕著である。
微細な結晶相が一部で形成されていると、表面平滑性に大きな影響を及ぼす。また、透明導電性薄膜を所定の形状に、弱酸でエッチング除去する際には、結晶相のみが除去できずに残存することがあり、問題となっている。なお、微細な結晶相の存在は、X線回折のほか、透過型電子顕微鏡や電子線回折でも確認することができる。
次に、本発明の主な適用対象の1つである有機EL素子について説明する。
EL素子は、電界発光を利用したものであり、自己発光のため視認性が高く、かつ、液晶やプラズマディスプレイパネルとは異なり完全固体型素子である。このため、EL素子は、耐衝撃性に優れるなどの利点を有しており、各種の表示装置における発光素子として注目されている。
EL素子には、発光材料として無機化合物を用いる無機EL素子と、有機化合物を用いる有機EL素子とがある。このうち、有機EL素子は、駆動電圧を大幅に低くしても(例えば、10V以下の直流電圧で)明るい発光が得られるため、小型化が容易である。このため、次世代の表示素子としての実用化研究が積極的になされている。
有機EL素子の構成は、陽極/発光層/陰極の積層を基本とし、ガラス板等を用いた基板上に、透明陽極を形成する構成が、通常、採用されている。陰極には、Ca等が用いられており、透明ではないので、この場合、発光は基板側(陽極側)から取り出される。
しかしながら、近年、陰極を透明にして、発光を陰極側から取り出す試みがなされている。陰極と共に陽極も透明にすれば、全体として透明な発光素子とすることができるからである。
全体として透明な発光素子を用いた場合、次のような利点がある。1つ目の利点は、背景色として任意の色を採用することができるので、発光時以外も、カラフルなディスプレイとすることができ、装飾性を改良することができるということである。2つ目の利点は、背景色として黒を採用した場合には、発光時のコントラストを向上させることができるということである。3つ目の利点は、カラーフィルタや色変換層を、該発光素子の上(基板と反対側)に置いて用いることができるので、カラーフィルタや色変換層を考慮することなく、発光素子を製造することができるということである。このため、例えば、耐熱性に劣ったカラーフィルタや色変換層上に透明電極を形成することを考慮する必要がない。
陰極を透明にすることにより、上記のような利点が得られるため、透明陰極を用いた有機EL素子を作製する試みが盛んになされている。
例えば、特開平10−162959号公報に記載された有機EL素子は、陽極と陰極との間に有機発光層を含む有機層が介在しており、陰極は電子注入金属層と非晶質透明導電層とによって構成されており、かつ、電子注入金属層が有機層と接するという構成で成り立っている。
また、特開2001−43980号公報には、陰極を透明にして、陽極に光反射性の金属膜を用いて、陰極から効率的に光を取り出すように工夫した有機EL素子が記載されている。
ここで、有機EL素子を構成する各層(電子注入金属層、有機層、正孔注入輸送層、陽極、陰極)について説明する。
まず、電子注入金属層とは、発光層を含む有機層に、良好に電子注入をすることができる金属の層のことである。透明発光素子を得るためには、電子注入金属層は、50%以上の光線透過率を有することが好ましく、このためには当該層の膜厚を0.5nm〜20nm程度の超薄膜とする必要がある。
具体的には、電子注入金属層として、仕事関数が3.8eV以下で、電子注入性を有する金属、例えば、Mg、Ca、Ba、Sr、Li、Yb、Eu、YおよびScなどを用いて、膜厚を1nm〜20nmとした金属層を挙げることができる。光線透過率は50%以上であることが好ましく、より好ましくは60%以上の値を得ることができる構成とすることが望まれる。
有機層は、陽極と陰極との間に形成され、少なくとも発光層を含む。有機層は、発光層のみからなる層であってもよいし、また、発光層とともに、正孔注入輸送層などを積層した多層構造のものであってもよい。
有機EL素子において、有機層は、(1)電界印加時に、陽極または正孔輸送層から正孔を注入されることができ、かつ、電子注入層から電子を注入されることができる機能、(2)注入された電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる輸送機能、(3)電子と正孔の再結合の場を発光層内部に提供し、これを発光につなげる発光機能などの機能を有している。
正孔注入輸送層は、正孔伝達化合物からなる層であって、陽極より注入された正孔を、発光層に伝達する機能を有する。この正孔注入輸送層を陽極と発光層との間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入される。その上、電子注入層より発光層に注入された電子は、発光層と正孔注入輸送層の界面に存在する電子の障壁により、この発光層内の界面近くに蓄積される。これにより、有機EL素子の発光効率を向上させることができ、発光性能の優れた有機EL素子が得られる。
陽極は、仕事関数が4.4eV以上、好ましくは4.8eV以上の導電性を示すものであれば特に制限はなく、仕事関数が4.8eV以上の金属または透明導電性薄膜、またはこれらを組み合わせたものが好ましい。
陽極は、必ずしも透明である必要はなく、黒色のカーボン層等をコーティングしてもよい。陽極に好適な金属としては、例えば、Au、Pt、Ni、AgおよびPdを挙げることができる。また、導電性酸化物としては、例えば、In−Zn−O、In−Sn−O、ZnO−Al、Zn−Sn−Oを挙げることができる。また、積層体としては、例えば、AuとIn−Zn−Oの積層体、PtとIn−Zn−Oの積層体、In−Sn−OとPtの積層体を挙げることができる。
また、陽極は、有機層との界面が仕事関数4.4eV以上であれば良いため、陽極を二層とし、有機層と接しない側に仕事関数4.4eV以下の導電性膜を用いてもよい。この場合、Al、Ta、W等の金属やAl合金、Ta−W合金等の合金を用いることができる。また、ドープされたポリアニリンやドープされたポリフェニレンビニレンなどの導電性高分子や、a−Si、a−SiC、a−Cなどの非晶質半導体などを用いることもできる。さらには、黒色の半導体性の酸化物であるCr23 、Pr25 、NiO、Mn25 、MnO2 などを用いることもできる。
陰極は、前述のように、透明な導電層であって、平滑性にすぐれた非晶質膜であることが望ましい。また、電圧降下およびそれに起因する発光の不均一性を排除するため、比抵抗が5×10-4Ωcm以下であることが好ましい。
しかしながら、表面平滑性に優れ、かつ、製造工程の熱履歴を受けても非晶質であることを保つことができる安定した透明導電性薄膜を実現することは、従来のITO材料では不可能であった。このため、従来のITO材料を、有機ELディスプレイやLCDなどの表示素子の透明電極に利用することは困難であった。
非晶質膜としては、亜鉛を添加した酸化インジウムが、特許文献3(特開平7−235219号公報)に記載されている。この公報では、Zn元素が、Zn元素とIn元素の総和に対して10at%〜20at%含まれており、安定な非晶質性と高い電導性を示すことが紹介されている。
しかし、ここで紹介されている組成の膜は、可視光の短波長側、特に400nm付近の波長の光についての光透過性が低いという問題点がある。
また、生産性の向上や製造コストの低減を考慮すると、直流スパッタリング法を採用し、高い直流電力を投入して高速成膜を行うことが好ましい。しかし、酸化インジウム薄膜の製造に用いるスパッタリングターゲットに添加されている元素の種類によっては、高い直流電力を投入するとアーキングが生じることがあり、この場合、高速成膜は不可能となる。また、成膜時にアーキングが発生すると、パーティクルの発生原因となり、製品歩留まり低下の要因となる。さらに、持続的にアーキングが生じれば、膜の形成そのものが阻害されてしまう。
さらに、スパッタリングターゲットによっては、投入電力の積算値が増加していくと、スパッタリングターゲットの表面にノジュール(ターゲット表面の黒色突起物)が発生して、アーキングが発生したり、成膜速度が低下したりするなどの問題が生じる。
他方、アーキングの発生規模が小さいスパッタリングターゲットについては、アーキング抑制機能付きの電源を用いて回避することができる。該電源におけるアーキング抑制法としては、DCパルシング法(ターゲットに印加する負電圧を周期的に停止して、その間に低い正電圧を印加してターゲット上のチャージングを中和する方法)と、アーク遮断回路(アーキング発生時の放電電流の増加を検出して完全なアーキングに成長する前に電力供給を停止して、ターゲットに流れる電流が十分に低下したところで、電力供給を再開するような回路)を装備する方法がある(非特許文献1(「透明導電膜の技術」、オーム社、p.193〜195))。
しかし、これらのアーキング抑制機能を持つ電源は、非常に高価であるため、設備コストを増加させてしまう。また、これらのアーキング抑制機能を持つ電源を用いたとしても、特許文献3に記載の酸化インジウムを用いたスパッタリングターゲット等、従来のスパッタリングターゲットでは、アーキングを完全に抑制できるわけではなかった。
特開平10−162959号公報
特開2001−43980号公報
特開平7−235219号公報
「透明導電膜の技術」、オーム社、p.82、p.193〜195
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、比抵抗が小さく、膜表面が平滑であり、さらに可視光領域の光透過率が高い非晶質透明導電性薄膜を製造することができる酸化物焼結体を提供することを目的とする。さらに、アーキング抑制機能のない電源を用いた直流スパッタリング法による成膜において、高い直流電力を投入しても、アーキングが発生しにくく、作製する薄膜にクラックも入りにくいスパッタリングターゲットを提供することも目的とする。
本発明に係る酸化物焼結体は、インジウム、タングステン、亜鉛、ゲルマニウムからなり、タングステンをW/In原子数比で0.004〜0.023の割合、亜鉛をZn/In原子数比で0.004〜0.032の割合、ゲルマニウムをGe/In原子数比で0.004〜0.021の割合で含有し、かつ、比抵抗が1kΩcm以下であることを特徴とする。
なお、前記酸化物焼結体の比抵抗が1×10-1Ωcm以下である方が、スパッタリングターゲットとして用いたときの成膜速度が向上するので好ましく、また、前記酸化物焼結体を、ビックスバイト型構造の酸化インジウム結晶相を主相とし、実質的に酸化タングステン結晶相、酸化亜鉛結晶相、酸化ゲルマニウム結晶相を含まないものとすることも前記成膜速度を向上させるので好ましい。さらに、前記酸化物焼結体の焼結密度を6.5g/cm3以上とすることは、ノジュール(ターゲット表面の黒色突起物)の発生量を少なくし、アーキングの発生や、成膜速度の低下といった問題が生じにくくさせるので好ましい。
本発明に係る酸化物焼結体は、平板状に加工し、冷却用金属板に貼り合わせることで、スパッタリングターゲットとすることができる。
本発明に係る透明導電性薄膜は、インジウム、タングステン、亜鉛、ゲルマニウムからなり、タングステンをW/In原子数比で0.004〜0.023の割合、亜鉛をZn/In原子数比で0.004〜0.032の割合、ゲルマニウムをGe/In原子数比で0.004〜0.021の割合で含有し、かつ、比抵抗が5×10-4Ωcm以下であり、さらに膜質が非晶質であることを特徴とする。さらに、本発明に係る透明導電性薄膜は、表面粗さ(算術平均粗さRa)が膜厚に対して1%未満であることが好ましく、また、波長400nmの光の透過率が65%以上であることが好ましい。
本発明に係る透明導電性薄膜は、本発明に係る酸化物焼結体を用いたスパッタリングターゲットでスパッタリングを実施することで得ることができる。なお、用いるスパッタリング装置はアーキング抑制機能を有していなくてもよく、本発明に係る透明導電性薄膜は、本発明に係る酸化物焼結体を用いたスパッタリングターゲットで直流スパッタリング法を実施することでも得ることができる。
本発明に係る透明導電性薄膜を陰極に用いることで、トップエミッション型有機EL素子とすることができ、また、本発明に係る透明導電性薄膜を樹脂フィルム上に形成し、該透明導電性薄膜を陰極および/または陽極として用いることでフレキシブル有機EL素子とすることができる。
本発明に係る酸化物焼結体の製造方法は、平均粒径が1μm以下のIn23粉末、WO3粉末、ZnO粉末およびGeO2粉末を、タングステンがW/In原子数比で0.004〜0.023の割合、亜鉛がZn/In原子数比で0.004〜0.032の割合、ゲルマニウムがGe/In原子数比で0.004〜0.021の割合となるように調合し、混合して、混合粉末を得る工程と、得られた混合粉末を平均粒径20〜150μmとなるまで造粒し、造粒粉を得る工程と、得られた造粒粉に冷間静水圧プレスで2〜5ton/cm2の圧力を加えて成形体を得る工程と、炉内容積0.1m3あたり50〜250L/minの割合で焼結炉内に酸素を導入しつつ、温度:1200〜1500℃、時間:10〜40時間で前記成形体を焼結し、酸化物焼結体を得る工程と、を有することを特徴とする。
なお、前記混合粉末を得る工程における混合時間は、10〜30時間であることが好ましい。
また、前記焼結において、焼結温度に達するまでの昇温速度は0.5〜3℃/minが好ましく、焼結後の冷却速度は、酸素導入を止めた後、1000℃に降温するまでについては、0.1〜1℃/minとすることが好ましい。
本発明に係る酸化物焼結体をスパッタリングターゲットとして用いることで、比抵抗が小さく、表面平滑性に優れ、かつ、可視光領域の光透過性に優れる非晶質の透明導電性薄膜を製造することができる。また、高速成膜も可能となる。さらに、本発明に係る酸化物焼結体の焼結密度を6.5g/cm3以上とすることで、アーキング抑制機能のない直流電源を装備した安価な直流スパッタリング法による成膜において、大きな直流電力を投入してもアーキングを発生しにくくすることができる。
本発明者は、インジウム、タングステン、亜鉛、ゲルマニウムを所定の原子数比で含み、比抵抗が1kΩcm以下である酸化物焼結体を、スパッタリングターゲットとして用いると、比抵抗が小さく、かつ、表面平滑性に優れ、さらに可視光領域の透過性に優れる非晶質透明導電性薄膜を製造することができるとともに、高速成膜も可能となることを見出した。また、前記スパッタリングターゲットを用いれば、アーキング抑制機能のない直流電源を装備した安価な直流スパッタリング装置を用いた成膜において、高電力を投入しても、アーキングが発生しないことも見出した。本発明は、これらの知見に基づき完成されたものである。
1.酸化物焼結体
本発明の酸化物焼結体は、インジウム、タングステン、亜鉛およびゲルマニウムを含み、タングステンの含有量がW/In原子数比で0.004〜0.023であり、亜鉛の含有量がZn/In原子数比で0.004〜0.032であり、ゲルマニウムの含有量がGe/In原子数比で0.004〜0.021であり、かつ、比抵抗が1kΩcm以下である。また、当該焼結体は、ビックスバイト型構造の酸化インジウムを主相とすることが好ましい。
前記酸化物焼結体から作製したスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法で透明導電性薄膜を作製すると、200℃を超える高い結晶化温度を有し、非晶質で、かつ、比抵抗の小さい透明導電性薄膜を得ることができる。
酸化物焼結体中のタングステン、亜鉛およびゲルマニウムの割合を、上述のように限定した理由は、以下の通りである。
タングステンは、透明導電性薄膜の導電性の向上と結晶化温度の上昇に寄与する。酸化物焼結体のW/In原子数比が0.004未満であると、比抵抗が5×10-4Ωcmよりも大きくなる。また、得られる透明導電性薄膜の結晶化温度が十分に高くならず、スパッタリング法で成膜した場合に、結晶相が含まれる透明導電性薄膜が得られてしまう。一方、酸化物焼結体のW/In原子数比が0.023を超えると、得られる透明導電膜は非晶質であるが、比抵抗が5×10-4Ωcmよりも大きくなってしまう。
亜鉛は、酸化物焼結体において、直流スパッタリングが可能な程度の導電性を付与する目的および膜の結晶化温度を上げる目的で添加する。酸化物焼結体のZn/In原子数比が0.004未満であると、焼結体の比抵抗が高くなるため成膜速度が非常に低くなり、生産性に劣り、また、非晶質の透明導電性薄膜を得ることができない。一方、Zn/In原子数比が0.032を超えると、可視域の短波長側(例えば、波長400nm付近)で、優れた透過特性をもつ透明導電性薄膜が得られない。
ゲルマニウムは、導電性の向上に寄与する。酸化物焼結体のGe/In原子数比が0.004未満だと、Ge添加による透明導電性薄膜の比抵抗を小さくする効果がなく、Ge/In原子数比が0.021を超えると、逆に得られる透明導電性薄膜の比抵抗が大きくなってしまう。
2.酸化物焼結体およびスパッタリングターゲットの製造方法
本発明のインジウム、タングステンおよび亜鉛を含む酸化物焼結体は、次のように作製することができる。
平均粒径が1μm以下のIn23粉末、WO3粉末、ZnO粉末およびGeO2粉末を原料粉末とする。In23粉末、WO3粉末、ZnO粉末およびGeO2粉末を所定の割合で調合し、水、分散剤、バインダーとともに樹脂製ポットに入れ、湿式ボールミルで混合して、スラリーにする。この際、スラリー内への不純物混入を極力避けるため、硬質ZrO2ボールを用いることが好ましい。また、混合時間は10時間〜30時間が好ましい。10時間よりも短いと、原料粉末の粉砕が不十分となり、ビックスバイト型構造の酸化インジウム結晶相を主相とする焼結体が得られにくくなる。また、粉砕が不十分の原料粉末が存在していると、焼結時の拡散が十分に行われず、比抵抗の大きい原料粉末が焼結体中に存在することとなり、アーキングが発生しやすくなる。一方、30時間より長いと、過粉砕となり粒子同士の凝集が強くなり、安定して高密度ターゲットを得られにくくなるので、好ましくない。混合後、スラリーを取り出し、スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥することにより、造粒粉を得る。
平均粒径20μm〜150μm程度に造粒した造粒粉を、冷間静水圧プレスで2〜5ton/cm2の圧力をかけて成形する。成形プレスは、均一な成形体を得ることができる点から、冷間静水圧プレスが好ましい。圧力が2ton/cm2よりも低いと、成形体の密度が高まらず、高密度ターゲットが得られにくい。また、5ton/cm2よりも高いと、成形体の密度を高めることはできるが、設備等が大がかりとなってしまい、製造コストが上がってしまう。
次に、炉内容積0.1m3あたり100L/minの割合で焼結炉内に酸素を導入して得られる雰囲気中で、得られた成形体を、温度:1200〜1500℃、時間:10〜40時間で、熱処理をして焼結させる。
酸素導入量が炉内容積0.1m3あたり50L/minより少ないと、酸化タングステンおよび酸化亜鉛が熱解離されることで蒸発が多くなり高密度焼結体を得ることが困難となる。250L/minを超えると、炉内の温度ばらつきが大きくなり高密度焼結体の安定生産が困難となる。
また、熱処理温度が1200℃よりも低温では、安定的に高密度ターゲットを得ることが困難なため、好ましくなく、熱処理温度が1500℃よりも高温では、原料中のWO3の昇華が起こり、スパッタリングターゲットの組成に影響を及ぼすため、好ましくない。
熱処理の際の昇温速度は、0.5〜3.0℃/min程度が好ましく、熱処理による焼結後の冷却においては、酸素導入を止め、1000℃程度まで1℃/minで降温することが好ましい。昇温を遅くすることは、炉内の温度分布を均一にするために必要であり、降温において、1000℃程度まで1℃/minで行うことは、熱衝撃によるターゲットの割れを防止するために必要である。
得られたインジウム、タングステンおよび亜鉛を含む酸化物焼結体を、所望の形状(スパッタリングターゲットとして用いるため、厚さは通常3〜10mm程度。)に加工し、スパッタリングする面をカップ砥石などで磨く。
上述のように加工した酸化物焼結体を、純銅製またはモリブデン製の冷却用バッキングプレートに、融点が120〜200℃のIn系ろう材で接合して、スパッタリングターゲットとする。この時、バッキングプレートとの濡れ性を向上させ、バッキングプレート材料の拡散防止を図るために、スパッタリングターゲットのボンディング面に、スパッタリングや蒸着によりメタライズ膜を形成してもよい。
3.スパッタリングターゲット
上述のようにして、本発明に係るスパッタリングターゲットを製造することができるが、以下、その特性等について説明する。
直流スパッタリング時の成膜速度は、スパッタリングターゲットの比抵抗に依存し、比抵抗が小さいほど成膜速度は大きくなる。従って、本発明に係るインジウム、タングステン、亜鉛およびゲルマニウムを含む酸化物焼結体をスパッタリングターゲットに用いた場合であっても、速い成膜速度を実現するためには、スパッタリングターゲットの比抵抗は小さい方がよく、具体的には、比抵抗として1kΩcm以下が必要であり、好ましくは、1×10-1Ωcm以下がよい。
また、本発明に係るスパッタリングターゲットにおいては、原料粉である酸化タングステン、酸化亜鉛および酸化ゲルマニウムに起因する結晶相が存在せず、ビックスバイト相のみで構成されていることが好ましい。比抵抗が同じ場合、ビックスバイト相のみで構成された酸化物焼結体の方が、原料粉に起因する酸化物の結晶相が検出された酸化物焼結体よりも、同一条件下におけるスパッタリングによる成膜速度が、明らかに速いという結果が得られているからである。このような結果が得られた理由は、原料に起因する酸化物結晶相のスパッタリングレートが、比較的遅いためであり、その存在する割合に応じて、スパッタリングレートが遅くなるからである。したがって、ビックスバイト型構造で単相の焼結体であれば、高速の成膜速度を実現することができる。
ここで、ビックスバイト(bixbyite)型構造は、酸化インジウム(In23)の結晶構造であり、希土類酸化物C型とも呼ばれる(「透明導電膜の技術」、オーム社、p.82参照)。タングステンや亜鉛、ゲルマニウムなどの陽イオンは、ビックスバイト型構造の酸化インジウム中のインジウムイオンと置換して、固溶体を形成する。なお、In23は、ビックスバイト型構造の他にコランダム型構造をとることもある。
さらに、本発明に係るスパッタリングターゲットにおいては、焼結密度が6.5g/cm3以上であることが望ましい。焼結密度が6.5g/cm3以上のスパッタリングターゲットであれば、ノジュール(ターゲット表面の黒色突起物)の発生量が少なく、アーキングの発生や、成膜速度の低下といった問題が生じにくい。
本発明に係るスパッタリングターゲットでも、焼結密度が低くなると、長時間、スパッタリングを実施する間にエロージョン近傍にノジュール(ターゲット表面の黒色突起物をいう)が発生して、成膜中にアーキングが起きやすくなる。このような状態で成膜すると、比抵抗の小さい透明導電性薄膜は得られない。ノジュールの生じやすさは、焼結密度に関連があり、焼結密度を6.5g/cm3以上にすることが、長時間、スパッタリングを実施した場合に、ノジュールおよびアーキングの抑制に効果的である。
スパッタリング法を実施すると、スパッタリングターゲットはスパッタリングによって表面から元素あるいは粒子が弾き飛ばされて、外観としては削り取られたような状態となるが、この時、スパッタリングターゲット中に存在していた空孔が、表面に出て、表面に出た空孔が、表面で凹部を形成する。表面の凹部では、スパッタリングされた元素あるいは粒子が、凹部の壁に付着して堆積し、成長してノジュールが形成される。焼結密度が低いほど、表面の凹部が多く形成されるため、ノジュールが多く形成される。このノジュールが成長すると、放電中にプラズマが集中し、アーキングの発生および成膜速度の低下が起こり、膜特性の悪化につながる。ターゲット表面のノジュールの発生量や、アーキングの発生および成膜速度の低下が始まる積算投入電力は、焼結密度に大きく依存し、焼結密度が高いほど、ノジュールの発生量は少なく、アーキングの発生および成膜速度の低下が始まる積算投入電力値は大きくなる。
したがって、焼結密度が低い(例えば4〜6.4g/cm3)場合には、アーキングの発生および成膜速度の低下が始まる積算投入電力値は小さくなる。
4.透明導電性薄膜
本発明に係るスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法もしくはイオンプレーティング法を行うことにより、比抵抗が5×10-4Ωcm以下であって、かつ、可視光領域、特に短波長側の透過率の大きい非晶質の透明導電性薄膜を製造することができる。また、この薄膜の表面粗さ(Ra)は、膜厚に対して1%未満である。なお、成膜された透明導電性薄膜の組成は、用いたスパッタリングターゲットと実質的に同一である。
透明導電性薄膜の製造方法は、本発明のスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング時のターゲット基板間距離を60mm〜150mmとし、スパッタリングガス圧を0.5Pa〜1.5Paとして、成膜することが好ましい。
ターゲット基板間距離が60mmよりも短くなると、基板に堆積するスパッタ粒子の運動エネルギーが高くなり、基板が受けるダメージが大きくなる。このため、比抵抗が大きくなってしまう。ターゲット基板間距離が150mmよりも長くなると、基板に堆積するスパッタ粒子の運動エネルギーが低くなりすぎて、基板に堆積した酸化膜内部の固相拡散による緻密化が起きず、密度の低い透明導電性薄膜しか得られず、好ましくない。
また、スパッタリングガス圧が0.5Paより低くなると、基板に堆積するスパッタ粒子の運動エネルギーが高くなり、基板が受けるダメージが大きくなる。このため、膜自体の比抵抗が大きくなってしまう。スパッタリングガス圧が1.5Paよりも高くなると、基板に堆積するスパッタ粒子の運動エネルギーが低くなりすぎて、基板に堆積した酸化膜内部の固相拡散による緻密化が起きず、密度の低い透明導電性薄膜しか得られず、好ましくない。
前記した好ましい条件で作製された本発明の透明導電性薄膜は、5×10-4Ωcm以下と比抵抗が小さい。また、非晶質構造であるため、表面が平滑である。さらに、200℃を超える高い結晶化温度を有することから、200℃未満の加熱でも、それらの性質が変化しない。したがって、基板がプラズマから熱を受けやすいスパッタリング法でも、安定的に非晶質膜を製造しやすい。また、膜付け後の製造プロセスで、200℃未満の加熱工程が含まれても、特性が安定している。さらに、可視光領域、特に短波長側の光(例えば、波長400nmの光)の透過率が大きいので、本発明の透明導電性薄膜を用いた発光素子は青、緑、赤色をそれぞれ均一に発光させることができる。このため、高品位なディスプレイを製造することを可能にする。
なお、本発明の透明導電性薄膜は非晶質構造であるが、この非晶質構造にはX線回折により結晶相が検出されない程度の大きさや量の微結晶がある場合も含む。この程度の微結晶があっても、表面粗さ(Ra)は膜厚に対して1%未満であり、同様の効果を得ることができる。
以上述べてきたように、本発明の透明導電性薄膜は、比抵抗が小さく、表面が平滑で、200℃を超える高い結晶化温度を有し、さらに可視光領域、特に短波長側の光(例えば、波長400nmの光)の透過率が大きい。このため、表示デバイス用に有用であり、特に、有機EL素子や無機EL素子、液晶素子、タッチパネルなどへの適用に好適である。
また、本発明に係る透明導電性薄膜を堆積させる際には、基板を加熱する必要がないため、本発明によれば、樹脂などの熱に弱い基板上に、比抵抗の小さい透明導電性薄膜を堆積させることが可能となる。したがって、有機発光層の上にも、陰極としての透明導電性薄膜を形成することも可能である。よって、本発明に係る透明導電性薄膜は、光を上面電極である陰極から、効率的に取り出すことが可能なトップエミッション型有機EL素子を実現するのに有用であり、たとえば、TFT(thin−film transistor)基板を用いたトップエミッション型の有機EL素子における有機発光層の陰極に利用することができる。
さらに、基板が耐熱性の悪い柔らかい樹脂フィルム基板であっても、基板加熱をする必要がないので、基板を変形させることなく、比抵抗の小さい透明電極を形成することができる。したがって、本発明の透明導電性薄膜は、樹脂フィルム基板上に形成される透明電極として利用することが可能であり、たとえば、樹脂フィルム基板を用いたフレキシブル透明有機EL素子の陰極および/または陽極として利用することができる。
[1.成膜速度および透明導電性薄膜の特性に対する酸化物焼結体の特性の影響について調べた実験例]
(実施例1〜7)
平均粒径が1μm以下のIn23粉末、WO3粉末、ZnO粉末およびGeO2粉末を原料粉末とした。In23粉末、WO3粉末およびZnO粉末を、所定の割合で調合し、水、分散剤、バインダーとともに樹脂製ポットに入れ、湿式ボールミルで混合した。この際、硬質ZrO2ボールを用い、混合時間を18時間とした。混合後、スラリーを取り出し、濾過、乾燥、造粒した。得られた造粒粉を、冷間静水圧プレスで3ton/cm2の圧力をかけて成形した。
次に、得られた成形体を次のように焼結した。炉内容積0.1m3あたり100L/minの割合で、焼結炉内に酸素を導入する雰囲気で、1300℃で20時間、焼結した。この際、1℃/minで昇温し、焼結後の冷却の際は、酸素導入を止め、1000℃までを1℃/minで降温した。
得られた酸化物焼結体の端材を粉砕し、X線回折装置(マックサイエンス社製、M18XHF22)で粉末X線回折測定を実施したところ、ビックスバイト型構造の酸化インジウム結晶相に起因する回折ピークのみが観察された。また、EPMAによる局所分析により、得られた各酸化物焼結体中には酸化インジウムの結晶相は存在するが、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウムの結晶相は存在しておらず、タングステン、亜鉛、ゲルマニウムはインジウムに固溶していることを確認した。
次に、インジウム、タングステン、亜鉛およびゲルマニウムを含む上記の各酸化物焼結体を、直径152mm、厚み5mmの大きさに加工し、スパッタリング面をカップ砥石(ニートレックス製#140)で磨いた。接触式表面粗度計(東京精密製サーフコムE−MD−S75A)で測定したところ、すべて最大高さRzが0.3μm以下であった。また、酸化物焼結体のスパッタリング面に対し、四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)を用いて比抵抗を測定した。その測定結果を表1に示す。
表1に示す結果からわかるように、実施例1〜7の酸化物焼結体は、W/In原子数比が0.004〜0.022、Zn/In原子数比が0.005〜0.032、Ge/In原子数比が0.004〜0.020、比抵抗が0.004〜0.015Ωcmであり、組成、比抵抗とも、本発明の範囲内の酸化物焼結体であった。
次に、前述のように加工・研磨した酸化物焼結体を、無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングして、スパッタリングターゲットとした。ボンディングには金属インジウムを用いた。
次に、このスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングを行い、透明導電性薄膜を作製した。アーキング抑制機能のない直流電源を装備した直流マグネトロンスパッタリング装置(トッキ社製、SPF503K)の非磁性体ターゲット用カソードに、前記スパッタリングターゲットを取り付け、スパッタリングターゲットの対向位置にガラス基板を配置した。膜厚を計測するため、ガラス基板上において、スパッタリングターゲットの中心直上部の一部を、マジックインキでマークした。また、ターゲット−基板間距離は80mmとした。そして、導入する純ArガスにO2ガスを4%だけ混合して、ガス圧を0.8Paとし、直流電力160Wで直流プラズマを発生させ、基板をスパッタリングターゲットに対して静止対向のまま、基板加熱せずに、30分間スパッタリングを実施した。
成膜後、マークしたマジックインキと、その上に堆積した膜とを、アセトンで取り除き、生じた段差を接触式表面形状測定器(日本真空技術株式会社製、Dektak3ST)で測定し、膜厚を測定した。そして、膜厚/成膜時間から、成膜速度を算出した。算出した成膜速度を表1に示す。
また、透明導電性薄膜の電気的特性および光学的特性を調べるため、マジックインキでマークしないこと以外は、前述した方法と同様の方法で、所定の成膜速度に応じて、約150nmの膜厚の透明導電性薄膜を作製した。
次に、作製した透明導電性薄膜について、比抵抗、表面粗さRaおよび波長400nmの光の透過率を測定した。比抵抗は、透明導電性薄膜の表面抵抗を四端針法で測定することで算出した。透明導電性薄膜の表面粗さRaは、原子間力顕微鏡(デジタルインスツルメンツ社製、NS−III、D5000システム)で測定した。基板を含めた光透過率は、分光光度計(日立製作所社製、U−4000)で測定した。表1に、それらの測定結果を示す。
なお、作製した透明導電性薄膜が非晶質であるかどうかについて、透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、HF2200)により確認したところ、実施例1〜7の透明導電性薄膜は全て非晶質であった。
Figure 2006188392
表1からわかるように、実施例1〜7に係る酸化物焼結体は、組成が本発明の範囲内に入っており、かつ、比抵抗も0.004〜0.015Ωcmと小さく、本発明の範囲内に入っている。このため、実施例1〜7に係る酸化物焼結体を用いたスパッタリング法による成膜速度は45〜55nm/minと大きい。また、得られた透明導電性薄膜の特性は、比抵抗が3.3×10-4〜4.8×10-4Ωcmと小さく、かつ、表面粗さRaは0.3〜0.5nmと小さく平滑性に優れ、さらに、波長400nmの光の透過率は65〜70%と大きく、可視光領域において光透過率が良好である。
また、実施例1〜7に係る透明導電性薄膜は、窒素中で200℃にて加熱しても、非晶質性が維持されており、導電性の悪化がみられなかった。したがって、基板がプラズマからの熱を受けやすいスパッタリング法を用いた場合であっても、実施例1〜7に係る酸化物焼結体を用いれば、安定して非晶質膜が得られると考えられる。また、膜付け後の製造プロセスで、200℃の加熱工程が含まれていても、実施例1〜7に係る透明導電性薄膜は特性が安定していると考えられる。
(比較例1〜7)
実施例1〜7では平均粒径が1μm以下のIn23粉末、WO3粉末、ZnO粉末およびGeO2粉末を原料粉末としたのに対して、比較例1〜7では平均粒径が3〜5μmのIn23粉末、WO3粉末、ZnO粉末およびGeO2粉末を原料粉末として用いた。また、実施例1〜7では原料粉末を湿式ボールミルで混合する時間が18時間であるのに対し、比較例1〜7では5時間と短くした。それ以外の条件は、実施例1〜7と同じ製造条件で、インジウム、タングステン、亜鉛およびゲルマニウムを含む酸化物焼結体を作製し、比較例1〜7のサンプルとした。
実施例1から7と同様に、粉末X線回折およびEPMA(島津製作所社製、EPMA−2300)による測定を行い、得られた酸化物焼結体にはWO3 、ZnOおよびGeO2の結晶相が含まれており、さらに、該酸化物焼結体中には、インジウムに対する原子比でタングステン、亜鉛、ゲルマニウムが表2に示す割合で含まれていることを確認した。
また、実施例1から7と同様に、四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)を用いて、比較例1〜7の酸化物焼結体の比抵抗を測定した。
次に、実施例1〜7と同様の方法で、酸化物焼結体を研磨・加工し、無酸素銅製のバッキングプレート上にボンディングして、スパッタリングターゲットとした。そして、該スパッタリングターゲットを用いてスパッタリング法により透明導電性薄膜を作製し、実施例1〜7と同様にして成膜速度の測定をした。表2に、比較例1〜7の酸化物焼結体の組成および比抵抗、ならびに比較例1〜7の酸化物焼結体から作製したスパッタリングターゲットを用いた場合の成膜速度の測定結果を示す。
Figure 2006188392
表2にからわかるように、比較例1〜7の酸化物焼結体は、W/In原子数比が0.005〜0.023、Zn/In原子数比が0.004〜0.032、Ge/In原子数比が0.004〜0.021と組成については本発明に係る酸化物焼結体の範囲内であるが、比抵抗が11000Ωcm〜30000Ωcmと大きく、本発明に係る酸化物焼結体の比抵抗の上限値(1kΩcm=1000Ωcm)を上回っており、本発明に係る酸化物焼結体の範囲から外れる酸化物焼結体であった。このため、成膜速度が20〜29nm/minと小さくなっている。
(比較例8および9)
比較例8および9では、実施例1〜7とは組成を変えたが、原料粉末については実施例1〜7と同様に、平均粒径が1μm以下のIn23粉末、WO3粉末、ZnO粉末およびGeO2粉末を原料粉末とし、また、原料粉末を湿式ボールミルで混合する時間も実施例1〜7と同様に18時間とするとともに、他の製造条件も実施例1〜7と同様にして、酸化物焼結体を作製した。
次に、実施例1〜7と同様の方法で、得られた酸化物焼結体からスパッタリングターゲットを作製し、該スパッタリングターゲットを用いてスパッタリング法により透明導電性薄膜を作製した。そして、実施例1〜7と同様の方法で、作製した透明導電性薄膜について、比抵抗、表面粗さRaおよび波長400nmの光の透過率を測定した。表3に、それらの測定結果を示す。
(比較例10および11)
比較例10では、周知の材料であるITO(In23−10質量%SnO2)からなる透明導電性薄膜を周知の方法で作製し、実施例1から7と同様の方法で、該透明導電性薄膜について、比抵抗、表面粗さRaおよび波長400nmの光の透過率を測定した。表3に、それらの測定結果を示す。
比較例11では、前記特許文献3で提案されているIZO(In23−10質量%ZnO)からなる透明導電性薄膜を周知の方法で作製し、実施例1から7と同様の方法で、該透明導電性薄膜について、比抵抗、表面粗さRaおよび波長400nmの光の透過率を測定した。表3に、それらの測定結果を示す。
Figure 2006188392
表3からわかるように、比較例8に係る酸化物焼結体は、タングステン、亜鉛、ゲルマニウムの含有量が、本発明の範囲の下限値をいずれも下回っている。このため、得られた透明導電性薄膜の特性は、比抵抗が15.1×10-4Ωcmと大きく、かつ、表面粗さRaも1.8nmと大きく平滑性に劣る。
比較例9に係る酸化物焼結体は、タングステン、亜鉛、ゲルマニウムの含有量が、本発明の範囲の上限値をいずれも上回っている。このため、得られた透明導電性薄膜の特性は、表面粗さRaについては1.1nmであり、膜厚に対して0.7%であり、1%未満であるが、比抵抗については18.2×10-4Ωcmと大きく、かつ、波長400nmの光の透過率も60%と小さい。
比較例10に係る酸化物焼結体は、周知の材料であるITO(In23−10質量%SnO2)からなる透明導電性薄膜であり、組成が本発明に係る酸化物焼結体とは異なる。このため、得られた透明導電性薄膜の特性は、比抵抗が6.5×10-4Ωcmと大きく、かつ、表面粗さRaも2.5nmと大きく平滑性に劣る。
比較例11に係る酸化物焼結体は、前記特許文献3で提案されているIZO(In23−10質量%ZnO)からなる透明導電性薄膜であり、組成が本発明に係る酸化物焼結体とは異なる。このため、得られた透明導電性薄膜の特性は、比抵抗および表面粗さRaは良好であるものの、波長400nmの光の透過率も61%と小さい。
[2.アーキングおよびノジュールの発生に対する焼結体密度の影響について調べた実験例]
(実施例8〜11、比較例12〜15)
実施例2の製造条件において、冷間静水圧プレスにより得た成形体を焼結する際の温度を1400℃とし、焼結時間を1〜30時間と振り、他の製造条件は実施例2の製造条件と同様にして、種々の焼結密度の酸化物焼結体を作製した。組成は実施例2と同様に、W/In原子数比=0.007、Zn/In原子数比=0.020、Ge/In原子数比=0.014であり、焼結密度は5.1〜7.0g/cm3となった。酸化物焼結体の破断面の走査型電子顕微鏡観察から、酸化物焼結体中の100個の結晶粒径の平均値を求めたところ、実施例8〜11、比較例12〜15のいずれも結晶粒径の平均値は7〜9μmであった。
次に、直流マグネトロンスパッタリング装置の非磁性体ターゲット用カソードに実施例8〜11、比較例12〜15に係る酸化物焼結体を用いたスパッタリングターゲットを取り付け、スパッタリング法による成膜を実施した。ターゲット基板間距離を80mmとし、純度99.9999質量%のArガスにO2ガスを4%だけ導入し、ガス圧を0.8Paとして直流プラズマを発生させた。直流電力は、150Wから800Wまで50W刻みで上昇させ、各電力で1時間、成膜し、スパッタリングターゲットにクラックが入り始めるときの直流電力を求めた。その結果を表4に示す。
Figure 2006188392
表4に示すように、スパッタリングターゲットの焼結体密度が6.5g/cm3以上(実施例8〜11)であれば、直流電力を800Wまで投入してもクラックが発生することはなく、安定して成膜することができた。透明導電性薄膜の生産性を上げるためには、なるべく高い電力をターゲットに投入して、高い成膜速度で製造することが必要であるが、焼結体密度が6.5g/cm3以上のスパッタリングターゲットであれば、高い電力をターゲットに投入して成膜することが可能であると考えられる。
これに対して、スパッタリングターゲットの焼結体密度が6.5g/cm3未満(比較例12〜15)のときは、直流電力を800Wまで上昇させる前にスパッタリングターゲットにクラックが発生してしまった。スパッタリングターゲットにクラックが発生してしまうと、クラック部分にノジュールが発生することが観察された。また、クラック発生後に引き続いて成膜した場合、成膜速度の減少、アーキングの発生および得られた膜の比抵抗の増加が観察された。したがって、焼結体密度が6.5g/cm3未満(比較例12〜15)のようなスパッタリングターゲットは、透明導電性薄膜の製造に用いることはできない。
なお、実施例8〜11、比較例12〜15は、実施例2と同様の組成(W/In原子数比=0.007、Zn/In原子数比=0.020、Ge/In原子数比=0.014)のスパッタリングターゲットについて測定した結果であるが、実施例1および実施例3〜8と同様の組成からなる酸化物焼結体を用いても、全く同様の結果が得られた。
本発明に係る透明導電性薄膜は、有機EL素子だけでなく、無機EL素子や、LCD(Liquid Crystal Display)、電子ペーパーおよびタッチパネル用の透明電極として利用することができる。

Claims (11)

  1. インジウム、タングステン、亜鉛、ゲルマニウムからなり、タングステンをW/In原子数比で0.004〜0.023の割合、亜鉛をZn/In原子数比で0.004〜0.032の割合、ゲルマニウムをGe/In原子数比で0.004〜0.021の割合で含有し、かつ、比抵抗が1kΩcm以下であることを特徴とする酸化物焼結体。
  2. 比抵抗が1×10-1Ωcm以下であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物焼結体。
  3. ビックスバイト型構造の酸化インジウム結晶相を主相とし、実質的に酸化タングステン結晶相、酸化亜鉛結晶相、酸化ゲルマニウム結晶相を含まないことを特徴とする請求項1または2に記載の酸化物焼結体。
  4. 焼結密度が6.5g/cm3以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の酸化物焼結体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の酸化物焼結体を平板状に加工し、冷却用金属板に貼り合わせたスパッタリングターゲット。
  6. インジウム、タングステン、亜鉛、ゲルマニウムからなり、タングステンをW/In原子数比で0.004〜0.023の割合、亜鉛をZn/In原子数比で0.004〜0.032の割合、ゲルマニウムをGe/In原子数比で0.004〜0.021の割合で含有し、かつ、比抵抗が5×10-4Ωcm以下であり、さらに膜質が非晶質であることを特徴とする透明導電性薄膜。
  7. 表面粗さ(Ra)が膜厚に対して1%未満であることを特徴とする請求項6に記載の透明導電性薄膜。
  8. 波長400nmの光の透過率が65%以上であることを特徴とする請求項6または7に記載の透明導電性薄膜。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の透明導電性薄膜を陰極に用いたことを特徴とするトップエミッション型有機EL素子。
  10. 請求項6〜8のいずれかに記載の透明導電性薄膜を樹脂フィルム上に形成し、該透明導電性薄膜を陰極および/または陽極として用いたことを特徴とするフレキシブル有機EL素子。
  11. 平均粒径が1μm以下のIn23粉末、WO3粉末、ZnO粉末およびGeO2粉末を、タングステンがW/In原子数比で0.004〜0.023の割合、亜鉛がZn/In原子数比で0.004〜0.032の割合、ゲルマニウムがGe/In原子数比で0.004〜0.021の割合となるように調合し、混合して、混合粉末を得る工程と、得られた混合粉末を平均粒径20〜150μmとなるまで造粒し、造粒粉を得る工程と、得られた造粒粉に冷間静水圧プレスで2〜5ton/cm2の圧力を加えて成形体を得る工程と、炉内容積0.1m3あたり50〜250L/minの割合で焼結炉内に酸素を導入しつつ、温度:1200〜1500℃、時間:10〜40時間で前記成形体を焼結し、酸化物焼結体とする工程と、を有することを特徴とする酸化物焼結体の製造方法。
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