JP3946900B2 - 重合体及び重合体の製造方法 - Google Patents

重合体及び重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジカル重合性オレフィン単量体の重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
重合体の成長末端同士をカップリングさせることにより、長鎖の重合体を製造することは知られている。アニオン重合の場合には、求電子性の官能基を2つ持つ化合物を添加することによりカップリングさせることができる。カチオン重合の場合には、求核性の官能基を2つ持つ化合物を添加することにより同様にカップリングさせることができる。
【0003】
一方で、末端に官能基を有する重合体は、そのもの単独で、又は、適当な硬化剤と組み合わせることによって架橋し、耐熱性、耐久性等の優れた硬化物を与えることが知られている。なかでも、末端に水酸基又は架橋性シリル基を有する重合体はそれらの代表例である。末端に水酸基を有する重合体は、多官能性のイソシアネート化合物を硬化剤として用いることにより架橋硬化する。また、架橋性シリル基を末端に有する重合体は、適当な縮合触媒の存在下、湿分を吸収することにより硬化物を与える。
【0004】
このような、水酸基又は架橋性シリル基を末端に有する重合体の主鎖骨格としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド等のポリエーテル系重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン又はそれらの水素添加物等の炭化水素系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン等のポリエステル系重合体等が例示される。これらは、主鎖骨格と架橋形式に基づき、様々な用途に用いられている。
【0005】
上に例示したようなイオン重合や縮重合で達成されるカップリング反応に対して、ラジカル重合で得られるビニル系重合体の末端同士をカップリングさせることは、まだほとんど実用化されていない。イオン重合の場合と異なり、ラジカル重合の場合はその成長末端であるラジカル同士が直接カップリングすることが原理的に可能であるが、ラジカル重合そのものの制御が非常に困難であるために、そのカップリングを制御することは容易でない。
【0006】
ビニル系重合体の中でも、(メタ)アクリル系重合体は、上述のポリエーテル系重合体、炭化水素系重合体又はポリエステル系重合体では得られない特性、例えば、高い耐候性、透明性等を有している。なかでも、アルケニル基や架橋性シリル基を側鎖に有する(メタ)アクリル系重合体は、高耐候性の塗料等に利用されている。その一方で、アクリル系重合体の重合制御は、その副反応のために容易でなく、成長末端のカップリングが非常に困難である。
【0007】
カップリング反応の利点としては、鎖延長による分子量の増大、ブロックコポリマーの合成、末端官能基化ポリマーの合成等が挙げられる。カップリングを行うと、成長末端が1つのポリマーの場合、分子量は2倍になり、成長末端が2つのポリマーの場合には、原理的には分子量は無限に増大する。モノマーの逐次添加等により合成したジブロックコポリマーをカップリングさせると、ABA型のトリブロックコポリマーが合成される。官能基を持つ開始剤を用いて重合したポリマーの場合、成長末端をカップリングさせると両末端に官能基を持つポリマーが合成される。
【0008】
両末端に架橋性官能基を有するビニル系重合体は、側鎖に架橋性官能基を有するものと比較して物性の優れた硬化物を得ることができる。従って、これまで多くの研究者によって、その簡便な製造方法が検討されてきたが、それらを工業的に製造することは容易ではない。特開平5−255415公報には、連鎖移動剤としてアルケニル基含有ジスルフィドを用いることを特徴とする、両末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル系重合体の合成方法が開示されている。また、特開平5−262808公報には、水酸基を有するジスルフィドを用いて、両末端に水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体を合成し、さらに水酸基の反応性を利用して両末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル系重合体を合成する方法が開示されている。しかしながら、これらの方法では重合体の分子量の制御は容易ではない。また、末端に確実に官能基を導入するためには、連鎖移動剤を大量に使用しなければならず、製造工程上問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、ラジカル重合性オレフィン単量体の重合体同士がカップリングした重合体、及び、その製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【発明を解決するための手段】
すなわち本発明は、ラジカル重合性オレフィン単量体のリビングラジカル重合において、重合中又は重合終了後に、ラジカル重合性の低いアルケニル基を2つ以上有する化合物を添加することにより重合体同士をカップリングさせる方法である。
【0011】
添加するラジカル重合性の低いアルケニル基を2つ以上有する化合物は、好ましくは、一般式(1);
【0012】
【化6】
Figure 0003946900
【0013】
〔式中、Rは、炭素数1〜20の二価以上の飽和炭化水素基、又は、一般式(2);
【0014】
【化7】
Figure 0003946900
【0015】
(式中、Rは、酸素原子、窒素原子又は炭素数1〜20の二価以上の有機基を表す。Rは、水素原子又はメチル基を表し、4つのRのそれぞれは、同じでも異なっていてもよい。)
で表される基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。〕
で表される化合物であり、更に好ましくは、一般式(1)において、Rが炭素数1〜20のアルキレン基であり、特に好ましくは、一般式(3);
【0016】
【化8】
Figure 0003946900
【0017】
(式中、nは、1〜20の整数を表す。)
で表される化合物である。
【0018】
具体的には、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン及び1,9−デカジエンが例示される。
本発明のリビングラジカル重合としては、原子移動ラジカル重合が好ましい。
【0019】
原子移動ラジカル重合の触媒としては、好ましくは、周期律表第7族、8族、9族、10族又は11族の元素を中心金属とする金属錯体であり、更に好ましくは、銅、ニッケル、ルテニウム及び鉄からなる群より選択される金属の錯体であり、特に好ましくは、銅錯体である。
【0020】
本発明のラジカル重合性オレフィン単量体としては、好ましくは、α,β−不飽和カルボン酸系単量体であり、更に好ましくは、(メタ)アクリル酸系単量体であり、より好ましくは、アクリル酸系単量体であり、特に好ましくは、アクリル酸エステル系単量体であり、特別に好ましくは、アクリル酸ブチルである。
【0021】
原子移動ラジカル重合の開始剤としては、官能基を有する有機ハロゲン化物、又は、官能基を有するハロゲン化スルホニル化合物であることが好ましく、官能基が、水酸基または加水分解性シリル基であることが好ましい。
【0022】
本発明は、本発明の方法により得ることのできる重合体でもある。
本発明により得ることのできる重合体としては、限定はされないが、好ましくは、一般式(4);
【0023】
【化9】
Figure 0003946900
【0024】
〔式中、Rは、炭素数1〜20の二価以上の飽和炭化水素基、又は、一般式(5);
【0025】
【化10】
Figure 0003946900
【0026】
(式中、Rは、酸素原子、窒素原子又は炭素数1〜20の二価以上の有機基を表す。Rは、水素原子又はメチル基を表し、4つのRのそれぞれは、同じでも異なっていてもよい。)
で表される基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。Xは、ハロゲン、ニトロキシド基、スルフィド基又はコバルトポルフィリン錯体を表す。〕
で表される基を分子中に有する重合体である。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明は、ラジカル重合性オレフィン単量体のリビングラジカル重合において、重合中又は重合終了後に、ラジカル重合性の低いアルケニル基を2つ以上有する化合物を添加することにより重合体同士をカップリングさせる方法である。
【0028】
ラジカル重合性の低いアルケニル基としては、カルボキシル基やフェニル基等により活性化されていないアルケニル基のことで、末端オレフィンでも内部オレフィンでも環状オレフィンでも構わないが、末端オレフィンが好ましい。
【0029】
添加するラジカル重合性の低いアルケニル基を2つ以上有する化合物は、限定はされないが、好ましくは、一般式(1);
【0030】
【化11】
Figure 0003946900
【0031】
〔式中、Rは、炭素数1〜20の二価以上の飽和炭化水素基、又は、一般式(2);
【0032】
【化12】
Figure 0003946900
【0033】
(式中、Rは、酸素原子、窒素原子又は炭素数1〜20の二価以上の有機基を表す。Rは、一価の基で、好ましくは水素原子又はメチル基を表し、4つのRのそれぞれは、同じでも異なっていてもよい。)
で表される基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。〕
で表される化合物である。
【0034】
上記Rの炭素数1〜20の二価以上の飽和炭化水素基としては特に制限されず、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等のアルキレン基;メチン基、エタントリイル基、プロパントリイル基等の三価の飽和炭化水素基等が挙げられる。上記炭素数1〜20の二価以上の飽和炭化水素基としては、直鎖状のものに限らず、分岐状又は環状のものも使用することができる。
【0035】
上記Rが三価以上の飽和炭化水素基である場合、上記一般式(1)で表される化合物は、−C(R)=CHで表されるアルケニル基がRから更に分岐する構造を有するものである。上記分岐したアルケニル基において、Rは、式(1)のR及びRと同一でも異なっていてもよい。
【0036】
上記一般式(2)において、Rは、酸素原子、窒素原子又は炭素数1〜20の二価以上の有機基を表す。この炭素数1〜20の二価以上の有機基としては特に限定されず、例えば、−CH−O−CH−、−CH−NH−CH−、−CHC(O)O−、フェニレン基等の二価の有機基;フェニリジン基等の三価の有機基等が挙げられる。上記炭素数1〜20の二価以上の有機基としては、酸素原子及び/又は窒素原子を含むものであってもよく、また、アリール及び/又はヘテロアリールを含むものであってもよい。
【0037】
上記一般式(2)においてRが窒素原子を有する場合、上記一般式(1)で表される化合物は、−C(R)=CHで表されるアルケニル基がRの窒素原子から更に分岐する構造を有するものとすることもできる。上記Rが三価以上の有機基である場合は、上記一般式(1)で表される化合物は、−C(R)=CHで表されるアルケニル基がRから更に分岐する構造を有するものである。上記分岐したアルケニル基において、Rは、式(1)のR及びRと同一でも異なっていてもよい。
【0038】
上記Rは、一価の基、好ましくは水素原子又はメチル基を表し、4つのRのそれぞれは、同じでも異なっていてもよい。上記一般式(2)で表される基として、好ましくは、以下に示す基が挙げられる。
【0039】
【化13】
Figure 0003946900
【0040】
ラジカル重合性の低いアルケニル基を2つ以上有する化合物として、更に好ましくは、一般式(1)において、Rが炭素数1〜20のアルキレン基であり、特に好ましくは、一般式(3);
【0041】
【化14】
Figure 0003946900
【0042】
(式中、nは、1〜20の整数を表す。)
で表される化合物である。
【0043】
具体的なラジカル重合性の低いアルケニル基を2つ以上有する化合物としては、限定はされないが、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、1,7−オクタジエン−3−オール及びその誘導体が例示される。
【0044】
以下に本発明に用いられるリビングラジカル重合について説明する。
「リビングラジカル重合法」は、重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなどによる停止反応が起こりやすいため制御の難しいとされるラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって分子量は自由にコントロールすることができる。
【0045】
従って「リビングラジカル重合法」は、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ましいものである。
【0046】
なお、リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。
【0047】
「リビングラジカル重合法」は近年様々なグループで積極的に研究がなされている。その例としては、たとえばジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、116巻、7943頁に示されるようなコバルトポルフィリン錯体を用いるもの、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1994年、27巻、7228頁に示されるようなニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロゲン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラジカル重合」(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)などがあげられる。
【0048】
「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはさらに好ましい。この原子移動ラジカル重合法としては例えばMatyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁、マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年、28巻、7901頁,サイエンス(Science)1996年、272巻、866頁、WO96/30421号公報,WO97/18247号公報あるいはSawamotoら、マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年、28巻、1721頁などが挙げられる。
【0049】
本発明において、これらのうちどの方法を使用するかは特に制約はないが、制御の容易さなどから原子移動ラジカル重合法が好ましい。
【0050】
これらのリビングラジカル重合のうちで、まず、ニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いる方法について説明する。この重合では一般に安定なニトロキシフリーラジカル(=N−O・)をラジカルキャッピング剤として用いる。このような化合物類としては、限定はされないが、2,2,6,6−置換−1−ピペリジニルオキシラジカルや2,2,5,5−置換−1−ピロリジニルオキシラジカル等、環状ヒドロキシアミンからのニトロキシフリーラジカルが好ましい。置換基としてはメチル基やエチル基等の炭素数4以下のアルキル基が適当である。具体的なニトロキシフリーラジカル化合物としては、限定はされないが、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシラジカル、1,1,3,3−テトラメチル−2−イソインドリニルオキシラジカル、N,N−ジ−t−ブチルアミンオキシラジカル等が挙げられる。ニトロキシフリーラジカルの代わりに、ガルビノキシル(galvinoxyl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いても構わない。
【0051】
上記ラジカルキャッピング剤はラジカル発生剤と併用される。ラジカルキャッピング剤とラジカル発生剤との反応生成物が重合開始剤となって付加重合性モノマーの重合が進行すると考えられる。両者の併用割合は特に限定されるものではないが、ラジカルキャッピング剤1モルに対し、ラジカル開始剤0.1〜10モルが適当である。
【0052】
ラジカル発生剤としては、種々の化合物を使用することができるが、重合温度条件下で、ラジカルを発生しうるパーオキシドが好ましい。このパーオキシドとしては、限定はされないが、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類等がある。特にベンゾイルパーオキシドが好ましい。さらに、パーオキシドの代わりにアゾビスイソブチロニトリルのようなラジカル発生性アゾ化合物等のラジカル発生剤も使用しうる。
【0053】
Macromolecules 1995,28,2993で報告されているように、ラジカルキャッピング剤とラジカル発生剤を併用する代わりに、下図のようなアルコキシアミン化合物を開始剤として用いても構わない。
【0054】
【化15】
Figure 0003946900
【0055】
アルコキシアミン化合物を開始剤として用いる場合、それが上図で示されているような水酸基等の官能基を有するものを用いると末端に官能基を有する重合体が得られる。これを本発明の方法に利用すると、末端に官能基を有する星型重合体が得られる。
【0056】
上記のニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いる重合で用いられるモノマー、溶媒、重合温度等の重合条件は、限定されないが、次に説明する原子移動ラジカル重合について用いるものと同様で構わない。
【0057】
次に、本発明のリビングラジカル重合としてより好ましい原子移動ラジカル重合法について説明する。
【0058】
この原子移動ラジカル重合では、有機ハロゲン化物、特に、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するエステル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として用いられる。触媒としては、周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする金属錯体が用いられる。金属種としては特に0価及び1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄が好適である。具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、酢酸第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2’−ビピリジル、およびその誘導体、1,10−フェナントロリン、およびその誘導体、トリブチルアミン等のアルキルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン等のポリアミン、等の配位子が添加される。また、二価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl(PPh)も触媒として好適である。この触媒を使用するときは、その活性を高めるためにトリアルコキシアルミニウム等のアルミニウム化合物が添加される。さらに、二価の塩化鉄のトリストリフェニルホスフィン錯体(FeCl(PPh)も触媒として好適である。
【0059】
この重合法においては有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として用いられる。具体的に例示するならば、
−CHX、
−C(H)(X)CH
−C(X)(CH
(ただし、上の化学式中、Cはフェニル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
−C(H)(X)−CO
−C(CH)(X)−CO
−C(H)(X)−C(O)R
−C(CH)(X)−C(O)R
(式中、R、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
−C−SOX、
(上式において、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
【0060】
また、官能基を持つ有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤として用いると、末端に官能基が導入された重合体が容易に得られるので好ましい。このような官能基としては、アルケニル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、又は、シリル基等が挙げられる。なかでも、水酸基を持つ開始剤が好ましい。ただし、アルケニル基を有する開始剤の場合には、本発明におけるカップリング反応と同様の反応が、成長末端と開始剤のアルケニル基の間で発生してしまう可能性がある。この場合、カップリング剤添加時の成長末端の数は開始剤の数よりも減少しているため、カップリング剤の添加量はそれを考慮しなければならない。アルケニル基を持つ開始剤を利用する場合の主要な目的は、末端にアルケニル基を有する重合体を合成することであるが、この目的の達成のためには、本発明のカップリング剤と同様の化合物を成長末端に対して過剰量添加する方法がより適当である。
【0061】
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としては特に制限はないが、例えば、一般式(6)に示す構造を有するものが例示される。
1112C(X)−R13−R14−C(R)=CH (6)
(式中、Rは水素、またはメチル基、R11、R12は水素、または、炭素数1〜20の1価のアルキル基、アリール基、またはアラルキル、または他端において相互に連結したもの、R13は、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、またはo−,m−,p−フェニレン基、R14は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいても良い、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
【0062】
これらの化合物は、ハロゲンが結合している炭素がカルボニル基あるいはフェニル基等と結合しており、炭素−ハロゲン結合が活性化されて重合が開始する。
【0063】
置換基R11、R12の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。R11とR12は他端において連結して環状骨格を形成していてもよく、そのような場合、−R11−R12−は例えば、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CHCHCHCHCH−、等が例示される。
【0064】
一般式(6)で示される、アルケニル基を有する有機ハロゲン化物の具体例としては、
XCHC(O)O(CHCH=CH
CC(H)(X)C(O)O(CHCH=CH
(HC)C(X)C(O)O(CHCH=CH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CHCH=CH
【0065】
【化16】
Figure 0003946900
【0066】
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
XCHC(O)O(CHO(CHCH=CH
CC(H)(X)C(O)O(CHO(CHCH=CH
(HC)C(X)C(O)O(CHO(CHCH=CH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CHO(CHCH=CH
【0067】
【化17】
Figure 0003946900
【0068】
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−(CH−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CH−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CH−CH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−(CH−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CH−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CH−O−(CHCH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−CH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−O−(CH−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CH−CH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
【0069】
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに一般式(7)で示される化合物が挙げられる。
C=C(R)−R14−C(R11)(X)−R15−R12 (7)
(式中、R、R11、R12、R14、Xは上記に同じ、R15は、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、または、o−,m−,p−フェニレン基を表す)
【0070】
14は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基(1個以上のエーテル結合を含んでいても良い)であるが、直接結合である場合は、ハロゲンの結合している炭素にビニル基が結合しており、ハロゲン化アリル化物である。この場合は、隣接ビニル基によって炭素−ハロゲン結合が活性化されているので、R15としてC(O)O基やフェニレン基等を有する必要は必ずしもなく、直接結合であってもよい。R14が直接結合でない場合は、炭素−ハロゲン結合を活性化するために、R15としてはC(O)O基、C(O)基、フェニレン基が好ましい。
【0071】
一般式(7)の化合物を具体的に例示するならば、
CH=CHCHX、CH=C(CH)CHX、
CH=CHC(H)(X)CH、CH=C(CH)C(H)(X)CH
CH=CHC(X)(CH、CH=CHC(H)(X)C
CH=CHC(H)(X)CH(CH
CH=CHC(H)(X)C、CH=CHC(H)(X)CH
CH=CHCHC(H)(X)−COR、
CH=CH(CHC(H)(X)−COR、
CH=CH(CHC(H)(X)−COR、
CH=CH(CHC(H)(X)−COR、
CH=CHCHC(H)(X)−C
CH=CH(CHC(H)(X)−C
CH=CH(CHC(H)(X)−C
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等を挙げることができる。
【0072】
アルケニル基を有するハロゲン化スルホニル化合物の具体例を挙げるならば、
o−,m−,p−CH=CH−(CH−C−SOX、
o−,m−,p−CH=CH−(CH−O−C−SOX、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)等である。
【0073】
アルケニル基を持つ開始剤の場合、その開始剤のオレフィンも重合末端と反応する可能性があるため、重合条件および添加するオレフィン化合物との反応条件には注意が必要である。具体的な例としては、重合の早い段階でオレフィン化合物を添加することがあげられる。
【0074】
架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としては特に制限はないが、例えば一般式(8)に示す構造を有するものが例示される。
1112C(X)−R13−R14−C(H)(R)CH−[Si(R162−b(Y)O]−Si(R173−a(Y) (8)
(式中、R、R11、R12、R13、R14、R16、R17、a、b、m、X、Yは上記に同じ)
【0075】
一般式(8)の化合物を具体的に例示するならば、
XCHC(O)O(CHSi(OCH
CHC(H)(X)C(O)O(CHSi(OCH
(CHC(X)C(O)O(CHSi(OCH
XCHC(O)O(CHSi(CH)(OCH
CHC(H)(X)C(O)O(CHSi(CH)(OCH
(CHC(X)C(O)O(CHSi(CH)(OCH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは0〜20の整数、)
【0076】
XCHC(O)O(CHO(CHSi(OCH
CC(H)(X)C(O)O(CHO(CHSi(OCH
(HC)C(X)C(O)O(CHO(CHSi(OCH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CHO(CHSi(OCH
XCHC(O)O(CHO(CHSi(CH)(OCH
CC(H)(X)C(O)O(CHO(CH−Si(CH)(OCH
(HC)C(X)C(O)O(CHO(CH−Si(CH)(OCH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CHO(CH−Si(CH)(OCH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
【0077】
o,m,p−XCH−C−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH
o,m,p−XCH−C−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH
o,m,p−XCH−C−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−XCH−C−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−Si(OCH
o,m,p−XCH−C−O−(CH−O−(CH−Si(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CHSi(OCH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
【0078】
架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに、一般式(9)で示される構造を有するものが例示される。
(R173−a(Y)Si−[OSi(R162−b(Y)−CH−C(H)(R)−R14−C(R11)(X)−R15−R12 (9)
(式中、R、R11、R12、R14、R15、R16、R17、a、b、m、X、Yは上記に同じ)
【0079】
このような化合物を具体的に例示するならば、
(CHO)SiCHCHC(H)(X)C
(CHO)(CH)SiCHCHC(H)(X)C
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−C
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−C
(CHO)Si(CHC(H)(X)−C
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−C
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等が挙げられる。
【0080】
ヒドロキシル基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に制限はないが、下記のようなものが例示される。
HO−(CH−OC(O)C(H)(R)(X)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
【0081】
アミノ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に制限はないが、下記のようなものが例示される。
N−(CH−OC(O)C(H)(R)(X)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
【0082】
エポキシ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に制限はないが、下記のようなものが例示される。
【0083】
【化18】
Figure 0003946900
【0084】
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
【0085】
本発明のオレフィン末端構造を1分子内に2つ以上有する重合体を得るためには、2つ以上の開始点を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として用いられる。具体的に例示するならば、
【0086】
【化 19】
Figure 0003946900
【0087】
【化20】
Figure 0003946900
【0088】
等があげられる。
【0089】
この重合において用いられる重合性オレフィン単量体としては特に制約はなく、各種のものを用いることができる。また、ここに示されている重合系はリビング重合であるため、重合性単量体の逐次添加によりブロック共重合体を製造することも可能である。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及び塩等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレンなどのアルケン類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコールなどが挙げられ、これらは単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。これらの内では、官能基導入反応の反応性の高さやガラス転移点の低さなどから、好ましくは、α,β−不飽和カルボン酸系単量体であり、更に好ましくは、(メタ)アクリル酸系単量体であり、より好ましくは、アクリル酸系単量体であり、特に好ましくは、アクリル酸エステル系単量体であり、特別に好ましくは、アクリル酸ブチルである。
【0090】
本発明のカップリング反応は、上述のようにアクリル酸系単量体を重合する場合が好ましいので、他の単量体の重合中にもアクリル酸系単量体を共重合したり、より好ましくは、カップリング反応を起こす際にアクリル酸系単量体を添加したりしても構わない。
【0091】
重合は無溶剤または各種の溶剤中で行うことができる。これらは特に限定されないが、例示するならば、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられ、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
【0092】
また、限定はされないが、重合は0〜200℃の範囲で行うことができ、好ましくは50〜150℃である。
【0093】
本発明においては、このようなリビングラジカル重合の最中又は終了時において、添加するラジカル重合性の低いアルケニル基を2つ以上有する化合物を添加する。これにより、その2つのアルケニル基のうちの片方が1つの重合成長末端と反応して、重合末端に未反応のアルケニル基が導入される。この未反応のアルケニル基が他の重合成長末端と更に反応することにより、重合体末端同士のカップリングが達成される。重合の終了時とは、単量体の好ましくは80%以上が反応した時点、より好ましくは90%以上が反応した時点である。
【0094】
本発明において、添加するラジカル重合性の低いアルケニル基を2つ以上有する化合物の添加量は、限定はされないが、重合成長末端量に対するラジカル重合性の低いアルケニル基量が等量以下になるような量である。この添加量が等量以上である場合、添加するラジカル重合性の低いアルケニル基を2つ以上有する化合物のアルケニル基のうち、一部しか重合成長末端と反応せず、重合体末端同士のカップリング反応が充分に進行しないことがある。末端にアルケニル基を有する重合体を得ることを目的とする場合には、等量以上の添加は適当であるが、そうでない場合には、等量以上の添加は避ける方が好ましい。上記添加量が少量の場合には、カップリングできない成長末端が出てくることになるが、一部だけをカップリングさせる目的なら問題はない。よって、添加するラジカル重合性の低いアルケニル基を2つ以上有する化合物の添加量は、重合成長末端量に対するアルケニル基量で、0.5〜1.0倍が好ましく、0.8〜1.0倍がより好ましく、0.9〜1.0倍が更に好ましい。
【0095】
本発明は、本発明の方法により得ることのできる重合体でもある。
本発明の方法により得ることのできる重合体としては、限定はされないが、一般式(4);
【0096】
【化21】
Figure 0003946900
【0097】
〔式中、Rは、炭素数1〜20の二価以上の飽和炭化水素基、又は、一般式(5);
【0098】
【化22】
Figure 0003946900
【0099】
(式中、Rは、酸素原子、窒素原子又は炭素数1〜20の二価以上の有機基を表す。Rは、一価の基、好ましくは、水素原子又はメチル基を表し、4つのRのそれぞれは、同じでも異なっていてもよい。)
で表される基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。Xは、ハロゲン、ニトロキシド基、スルフィド基又はコバルトポルフィリン錯体を表す。〕
で表される基を分子中に有することを特徴とする重合体が挙げられる。
上記一般式(4)及び(5)におけるR、R、R、R及びRは、上記一般式(1)において上述したものと同等のものである。
【0100】
上記Rの炭素数1〜20の二価以上の飽和炭化水素基としては特に制限されず、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等のアルキレン基;メチン基、エタントリイル基、プロパントリイル基等の三価の飽和炭化水素基等が挙げられる。好ましくは、以下に示すアルキレン基である:
【0101】
【化23】
Figure 0003946900
【0102】
(式中、nは、1〜20の整数を表す。)。なかでも、原料入手の容易さから、nは、2、4又は6のものがより好ましい。
【0103】
上記一般式(5)において、Rは、酸素原子、窒素原子又は炭素数1〜20の二価以上の有機基を表す。上記炭素数1〜20の二価以上の有機基としては特に限定されず、例えば、−CH−O−CH−、−CH−NH−CH−、−CHC(O)O−、フェニレン基等の二価の有機基;フェニリジン基等の三価の有機基等が挙げられる。Rは、一価の基、好ましくは、水素原子又はメチル基を表し、4つのRのそれぞれは、同じでも異なっていてもよい。上記一般式(5)で表される基として、好ましくは、以下に示す基が挙げられる。
【0104】
【化24】
Figure 0003946900
【0105】
上記一般式(4)において、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表すが、水素原子が好ましい。Xは、ハロゲン、ニトロキシド基、スルフィド基又はコバルトポルフィリン錯体を表すが、製造の容易さからハロゲンであることが好ましい。
【0106】
上記一般式(4)でRが三価以上の基である場合、これと同数の重合体鎖が、式(4)で表される基から分枝する。この分枝する重合体鎖の数は特に制限はないが、3以上の場合には、ポリマー成長末端が2以上であるとき、網目構造を形成して、ゲル化する可能性がある。
【0107】
上記一般式(4)で表される基が、本発明の重合体1分子中に含まれる数は、特に限定されない。
【0108】
本発明において製造された重合体は、プラスティック成形材料、プラスティック耐衝撃改良剤、潤滑油物性改良剤、熱可塑性エラストマー等に利用できる。また、末端に官能基を有する重合体の場合、その官能基をそのまま利用したり、縮合性のシリル基等の他の官能基に変換したりして架橋反応を起こすことにより、硬化物にすることができる。この具体的な用途を挙げるならば、シーリング材、接着剤、粘着材、弾性接着剤、塗料、粉体塗料、発泡体、電気電子用ポッティング材、フィルム、ガスケット、各種成形材料、人工大理石等である。
【0109】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0110】
実施例1
30mLのガラス反応容器に、アクリル酸ブチル(10.0mL、8.94g、69.75mmol)、臭化第一銅(250mg、1.74mmol)、ペンタメチルジエチレントリアミン(0.364mL、302mg、1.74mmol)、及び、トルエン(1mL)を仕込み、冷却後減圧脱気したのち窒素ガスで置換した。よく撹拌した後、2−ブロモプロピオン酸2−ヒドロキシエチル(344mg、1.74mmol)を添加し、70℃で加熱撹拌した。75分後に1,9−デカジエン(0.14mL、109mg、0.78mmol)を添加し、70℃で加熱撹拌を7時間継続した。混合物を活性アルミナで処理した。生成した重合体のGPC測定(ポリスチレン換算)結果は、1,9−デカジエンの添加直前で、数平均分子量Mn5600、分子量分布Mw/Mnは1.24で、最終生成物は、数平均分子量Mn7700、分子量分布Mw/Mnは1.37であった。
【0111】
実施例2
100mLのガラス反応容器中で窒素下、アクリル酸ブチル(50.0mL、44.7g、348.9mmol)を、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(1.570g、4.36mmol)を開始剤として、臭化第一銅及びペンタメチルジエチレントリアミンを触媒として、70℃で加熱撹拌し重合を行った。100分後に1,7−オクタジエン(0.64mL、480mg、4.36mmol)を添加し、70℃で加熱撹拌を300分間継続した。混合物を活性アルミナで処理した。生成した重合体のGPC測定(ポリスチレン換算)結果は、1,7−オクタジエンの添加直前で、数平均分子量Mn=10400、重量平均分子量Mw=13100であったのが、最終的に、数平均分子量Mn=13600、重量平均分子量Mw=19100となりカップリング反応が起こったことが確認できた。
【0112】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、本発明で示されたアルケニル基を分子内に2つ以上有する化合物を、重合成長末端量に対するアルケニル基量が等量以下になるようにリビングラジカル重合系に添加することにより、様々なラジカル重合性オレフィン単量体から、カップリングした重合体を容易に製造することができる。本発明の方法により得ることのできるラジカル重合性オレフィン単量体の重合体は、重合体同士が好ましくは炭素−炭素結合でカップリングしているため安定であり、末端基も開始剤により容易に制御されているため、硬化性組成物等への利用に有用である。

Claims (15)

  1. ラジカル重合性オレフィン単量体のリビングラジカル重合において、重合中又は重合終了後に、一般式(1)で表される化合物を添加することにより重合体同士をカップリングさせる方法。
    Figure 0003946900
    〔式中、Rは、炭素数1〜20の二価以上の飽和炭化水素基、又は、一般式(2);
    Figure 0003946900
    (式中、Rは、酸素原子、窒素原子、又は、酸素原子、窒素原子、アリール及び/若しくはヘテロアリールを含む炭素数1〜20の二価以上の有機基を表す。Rは、一価の基で、好ましくは水素原子又はメチル基を表し、4つのRのそれぞれは、同じでも異なっていてもよい。)で表される基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。〕
  2. 一般式(1)において、R が炭素数1〜20のアルキレン基を表すことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 添加する一般式(1)で表される化合物が、一般式(3);
    Figure 0003946900
    (式中、nは、1〜20の整数を表す。)で表される化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 添加する一般式(1)で表される化合物が、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン及び1,9−デカジエンからなる群より選択される化合物であることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. リビングラジカル重合が原子移動ラジカル重合であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 原子移動ラジカル重合の触媒が、周期律表第7族、8族、9族、10族又は11族の元素を中心金属とする金属錯体であることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 原子移動ラジカル重合の触媒が、銅、ニッケル、ルテニウム及び鉄からなる群より選択される金属の錯体であることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 原子移動ラジカル重合の開始剤が、官能基を有する有機ハロゲン化物、又は、官能基を有するハロゲン化スルホニル化合物であることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の方法。
  9. 官能基が、水酸基または加水分解性シリル基であることを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. ラジカル重合性オレフィン単量体が、α,β−不飽和カルボン酸系単量 体であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の方法。
  11. ラジカル重合性オレフィン単量体が、(メタ)アクリル酸系単量体であることを特徴とする請求項10記載の方法。
  12. ラジカル重合性オレフィン単量体が、アクリル酸系単量体であることを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. ラジカル重合性オレフィン単量体が、アクリル酸エステル系単量体であることを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. ラジカル重合性オレフィン単量体が、アクリル酸ブチルであることを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載の方法により得られたものである重合体であって、
    一般式(4);
    Figure 0003946900
    〔式中、R は、炭素数1〜20の二価以上の飽和炭化水素基、又は、一般式(5);
    Figure 0003946900
    (式中、R は、酸素原子、窒素原子、又は、酸素原子、窒素原子、アリール及び/若しくはヘテロアリールを含む炭素数1〜20の二価以上の有機基を表す。R は、一価の基で、好ましくは水素原子又はメチル基を表し、4つのR のそれぞれは、同じでも異なっていてもよい。)で表される基を表す。R 及びR は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。Xは、ハロゲン、ニトロキシド基、スルフィド基又はコバルトポルフィリン錯体を表す。〕で表される基を分子中に有し、
    (メタ)アクリル酸系モノマー;スチレン系モノマー;フッ素含有ビニルモノマー;ケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド系モノマー;ニトリル基含有ビニル系モノマー;アミド基含有ビニル系モノマー;ビニルエステル類;アルケン類;共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、並びに、アリルアルコールからなる群より選択される少なくとも1種のラジカル重合性オレフィン単量体を重合させてなる重合体
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