JP2006173497A - 光学素子及びこれを用いた投影露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 極端紫外線下での使用において長期間にわたって良好な反射特性を示す光学素子を提供すること。
【解決手段】
光電子放出の閾値エネルギーがSiよりも高い材料で保護層30を作製することにより、光学素子40が入射光に応じて光電子を発生させる度合いを多層膜20が露出する場合よりも小さくすることができる。この場合、「電子放出能」は、入射光に応じて光電子を発生させる程度を意味するが、具体的には、各材料の表面を光励起することで生じる光電子放出の閾値エネルギーの逆数によって評価することができる。つまり、金属のような材料では、仕事関数の逆数が電子放出能の指標となり、半導体のような材料では、イオン化ポテンシャルの逆数が電子放出能の指標となり、絶縁体のような材料では、価電子バンド上端と真空レベルとのエネルギー差の逆数が電子放出能の指標となる。
【選択図】 図1
【解決手段】
光電子放出の閾値エネルギーがSiよりも高い材料で保護層30を作製することにより、光学素子40が入射光に応じて光電子を発生させる度合いを多層膜20が露出する場合よりも小さくすることができる。この場合、「電子放出能」は、入射光に応じて光電子を発生させる程度を意味するが、具体的には、各材料の表面を光励起することで生じる光電子放出の閾値エネルギーの逆数によって評価することができる。つまり、金属のような材料では、仕事関数の逆数が電子放出能の指標となり、半導体のような材料では、イオン化ポテンシャルの逆数が電子放出能の指標となり、絶縁体のような材料では、価電子バンド上端と真空レベルとのエネルギー差の逆数が電子放出能の指標となる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、極端紫外線等に対して用いられる反射型の光学素子及びこれを用いた投影露光装置に関する。
近年、半導体集積回路の微細化に伴い、光の回折限界によって達成される光学系の解像度を向上させるために、従来の紫外線に代えてこれより短い波長(11〜14nm)となる極端紫外線を用いた露光技術が開発されている。これにより約5〜70nmのパターンサイズの露光が可能になるものと期待されているが、この領域の物質の屈折率は1に近いため、従来のように透過屈折型の光学素子を使用できず、反射型の光学素子が使用される。投影露光装置に用いられるマスクもまた、透過率確保の観点から、通常反射型の光学素子となる。この際、上記光学素子において高い反射率を達成するために、使用波長域において屈折率の高い物質と屈折率の低い物質とを基板上に交互に積層させて反射面を形成することが一般的である(特許文献1参照)。
特開2003−14893号公報
投影露光装置内において、極端紫外線下で上述のような光学素子が使用される場合、環境は真空であるが、光学素子の周囲から有機物等を完全に排除することができない。一方、極端紫外線は非常に大きなエネルギーをもつ。この際、有機物と光学素子表面の物質とが極端紫外線に照射されることで光化学気相堆積(光CVD)を起こし、光学素子表面にカーボン膜が生成してしまう。これらの現象により、光学素子の反射特性が劣化してしまい、光学素子延いては投影露光装置の寿命が短くなるという問題が生じる。
そこで、本発明は、極端紫外線等での使用において長期間にわたって良好な反射特性を示す光学素子を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記のような光学素子を極端紫外線用の投影光学系等として組み込んだ投影露光装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の発明に係る光学素子は、(a)支持用の基板と、(b)基板上に支持されるとともに、極端紫外線を反射する多層膜と、(c)多層膜の最表層上に設けられ、光電子抑制材を含有する保護層とを備える。以上の光学素子において、多層膜は、例えば、極端紫外線領域における真空の屈折率に対する屈折率差が大きい物質からなるMo層と、屈折率差が小さい物質からなるSi層とを基板上に積層してなるものとすることができる。
本発明においては、光学素子が多層膜を有する反射型の素子であり、極端紫外線等に対して良好な反射特性を有する。また、本発明においては、光電子抑制材を含有する保護層が多層膜の最表層上に設けられる。この場合、多層膜を露出させた場合に比較して光電子の発生が抑制されるので、光CVDによって光学素子表面にカーボン膜が生成される現象を抑制することができる。つまり、光学素子の表面及び近傍に存在する有機物が光学素子から射出される光電子によって活性化される可能性が低減されるので、光学素子表面で活性有機物が重合して付着が強化されるとともに極端紫外線の影響でカーボン膜化するといった現象を抑制することができる。
また、第2の発明に係る光学素子では、第1の発明に係る光学素子において、多層膜の最表層は、Siを主成分として含む。この場合、多層膜の最表層は、Siが支配的に存在する表面となっており、少なくとも多層膜表層での吸収を比較的低く設定することができる。
また、第3の発明に係る光学素子では、第1,2の発明に係る光学素子において、光電子抑制材の電子放出能が、Siの電子放出能よりも低い。この場合、多層膜の最表層上にSi膜やこれより電子放出能の高い物質からなる層が存在する場合に比較して、光学素子から射出される光電子の量を減少させることができ、カーボン膜の生成を確実に抑制することができる。ここで、「電子放出能」とは、入射光に応じて光電子を発生させる程度を意味するものとし、例えば、光電子放出の閾値エネルギーを指標することができる。
また、第4の発明に係る光学素子では、第3の発明に係る光学素子において、光電子抑制材は、As、I、Re、W、NiO、Cu2O、CuO、Co、Ge、Se、AlSb、GaP、GaAs、InP、InAs、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、及びCdTeからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含む。これらの物質は、極端紫外線下におけるカーボン膜生成の抑制に好適である。なお、保護層が酸化物である場合、化学的にも構造的にも安定したものとなりやすい。
また、第5の発明に係る投影露光装置は、(a)極端紫外光を発生させる光源と、(b)光源からの極端紫外光を転写用のマスクに導く照明光学系と、(c)マスクのパターン像を感応基板上に形成する投影光学系とを備える。そして、本投影露光装置では、マスク、照明光学系及び投影光学系のうち少なくともいずれか1つが上記第1〜4の発明に係る光学素子を含む。
上記投影露光装置では、上述したいずれかの光学素子を用いることにより、装置内において、当該光学素子表面でのカーボン膜の生成によって光学素子の反射率が低下することを抑制できるので、光学素子の反射特性を長期間にわたって維持することができ、光学素子延いては投影露光装置が長寿命となる。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る光学素子の構造を示す断面図である。本実施形態の光学素子40は、例えば凹面反射鏡であり、多層膜構造を支持する基板10と、反射用の多層膜20と、表層となる保護層30とを有する。
図1は、第1実施形態に係る光学素子の構造を示す断面図である。本実施形態の光学素子40は、例えば凹面反射鏡であり、多層膜構造を支持する基板10と、反射用の多層膜20と、表層となる保護層30とを有する。
基板10は、例えば合成石英ガラスや低膨張ガラスを加工することによって形成されたものであり、その上面10aは、所定精度の鏡面に研磨されている。上面10aは、図示のような凹面とすることもできるが、光学素子40の用途に応じて凸面、平面、多面その他の形状とすることができる。
多層膜20は、屈折率が異なる2種類の物質を基板10上に例えば交互に積層することによって形成した数層から数百層の薄膜からなる反射膜である。この多層膜20は、反射鏡である光学素子40の反射率を高めるために、吸収の少ない物質を多数積層したものであるとともに、それぞれの反射波の位相が合うように光干渉理論に基づいて各層の膜厚を調整したものである。つまり、投影露光装置内で使用される極端紫外線の波長領域に対して、比較的屈折率の小さい薄膜層L1と、比較的屈折率の大きい薄膜層L2とを、基板10上に、反射波の位相が合うよう所定の膜厚で交互もしくは任意順序に積層させることで多層膜20が形成されている。この多層膜20を構成する2種類の薄膜層L1,L2は、それぞれモリブデン層及びシリコン層とすることができる。
なお、多層膜20において、薄膜層L1と薄膜層L2との間にさらに拡散防止膜(不図示)を設けることもできる。多層膜20を形成する薄膜層L1,L2として、MoやSi等を用いた場合には、薄膜層L1と薄膜層L2との境界付近においておのおのを形成する材料同士が混ざり合い、界面が曖昧になりやすい。これにより、反射特性が影響を受け、光学素子40の反射率が下がってしまうことがある。そこで、界面を明瞭化するために、多層膜20の形成にあたって、薄膜層L1と薄膜層L2との間にさらに拡散防止膜を設ける。材料としては、例えばB4C、C、MoC、MoO2等が用いられる。このように界面を明確化することにより、光学素子40の反射特性が向上する。
保護層30は、多層膜20全面を覆うことによって多層膜20をカーボン膜の付着から保護するものである。この保護層30は、Siよりも電子放出能が低い光電子抑制材又はこれを主成分として含む材料で形成される。より具体的には、この保護層30は、砒素、ヨウ素、レニウム、タングステン、コバルト、ゲルマニウム、セレン等の物質又はこれらを主成分とする材料で形成されている。また、この保護層30は、酸化ニッケル(NiO)、亜酸化銅(Cu2O)、酸化第二銅(CuO)等の酸化物又はこれらを主成分とする材料で形成することもできる。また、この保護層30は、アルミニウムアンチモン(AlSb)、ガリウムリン(GaP)、ガリウム砒素(GaAs)、インジウムリン(InP)、インジウム砒素(InAs)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、及びテルル化カドミウム(CdTe)等の化合物又はこれらを主成分とする材料で形成することもできる。
ここで、光電子抑制材で形成された保護層30は、多層膜20を露出させた場合に比較して、光学素子40表面から射出される光電子の発生を抑制する役割を有する。ここで、保護層30を構成する光電子抑制材を、薄膜層L2のSiよりも光電子放出の閾値エネルギーが高い材料で作製することにより、入射光に応じて発生する光電子の量を、薄膜層L2が表面に露出する場合よりも相対的に少なくできるものと考えられる。よって、光電子放出の閾値エネルギーがSiよりも高い材料で保護層30を作製することにより、光学素子40が入射光に応じて光電子を発生させる度合いである「電子放出能」を、多層膜20が露出する場合よりも小さくすることができる。この場合、「電子放出能」は、入射光に応じて光電子を発生させる程度を意味するが、具体的には、各材料の表面の光励起によって生じる光電子放出の閾値エネルギーの逆数によって評価することができる。つまり、金属のような材料では、仕事関数の逆数が電子放出能の指標となり、半導体のような材料では、通常イオン化ポテンシャル(導電バンド下端と真空レベルとのエネルギー差)の逆数が電子放出能の指標となり、絶縁体のような材料では、通常イオン化ポテンシャル(価電子バンド上端と真空レベルとのエネルギー差)の逆数が電子放出能の指標となる。
以上のような考察から、保護層30を作製する材料は、本実施形態の場合、Siよりも光電子放出の閾値エネルギーが高い材料、具体的には、上述のAs、I、Re、W、Co、Ge、Se、NiO、Cu2O、CuO、AlSb、GaP、GaAs、InP、InAs、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe等又はこれらを主成分とする、電子放出能が相対的に低い材料で形成することとした。このように、電子放出能が多層膜20よりも相対的に低い材料で保護層30を作製することにより、多層膜20を露出させた場合に比較して光電子の発生が抑制されるので、光CVDによって光学素子40表面にカーボン膜が生成される現象を抑制することができる。つまり、光学素子40の表面及び近傍に存在する有機物が光学素子40表面から射出される光電子によって活性化される可能性が低減されるので、光学素子40表面で活性有機物が重合して付着が強化されるとともに極端紫外線の影響でカーボン膜化するといった現象を抑制することができる。これにより、光学素子40の反射率が極端紫外線照射下で徐々に低下することを抑制でき、光学素子40の反射特性を長期にわたって維持することができる。
保護層30の形成方法は、表面荒さを悪くせず緻密な膜ができれば蒸着、スパッタ法など成膜手法を問わない。また、表面荒さを悪くせず緻密な膜を形成するのを助けるため、当該膜すなわち保護層30と多層膜20の表面層との間に別の材料を成膜しても構わない。
また、保護層30の形成において、保護層30の光電子抑制機能を有効に発揮させるためには、通常緻密な膜形成に必要な膜厚、つまり、大きな膜厚が望まれる。しかし、極端紫外線は保護層30により少なからず吸収される場合があり、保護層30の厚みは例えば4nm程度以下とする。具体的な厚みは、光学素子40に対して望まれる反射特性に応じて適宜決定される。
なお、保護層30と多層膜20との間には、耐酸化性や触媒作用性を有する層を設けることもできる。耐酸化性層の存在により、光学素子40周辺から供給され酸化の原因となる水分や酸素が保護層30内部や多層膜20に侵入することを防止し、光学素子40の極端紫外線照射下における耐酸化性を向上させることができる。また、触媒作用性層の存在により、光学素子40の表面やその近傍に供給される有機物中の炭素を二酸化炭素に変換することができる。よって、光学素子40表面にカーボン膜が徐々に堆積される光CVD現象の発生を保護層30と相俟って抑制でき、多層膜20の反射率がカーボン膜の堆積に伴って低下することを防止できる。
〔第2実施形態〕
図2は、第1実施形態の光学素子40を光学部品として組み込んだ、第2実施形態に係る投影露光装置の構造を説明するための図である。
図2は、第1実施形態の光学素子40を光学部品として組み込んだ、第2実施形態に係る投影露光装置の構造を説明するための図である。
図2に示すように、この投影露光装置200は、光学系として、極端紫外線(波長11〜14nm)を発生する光源装置50と、極端紫外線の照明光によってマスクMAを照明する照明光学系60と、マスクMAのパターン像を感応基板であるウエハWAに転写する投影光学系70とを備え、機械機構として、マスクMAを支持するマスクステージ81と、ウエハWAを支持するウェハステージ82とを備える。
光源装置50は、プラズマ励起用のレーザ光を発生するレーザ光源51と、ターゲット材料であるキセノン等のガスを筐体SC中に供給するチューブ52とを備える。また、この光源装置50には、コンデンサ54やコリメータミラー55が付設されている。チューブ52の先端から出射されるキセノンに対しレーザ光源51からのレーザ光を集光させることにより、その部分のターゲット材がプラズマ化して極端紫外線を発生する。コンデンサ54は、チューブ52の先端Sで発生した極端紫外線を集光する。コンデンサ54を経た極端紫外線は、収束されつつ筐体SC外に射出し、コリメータミラー55に入射する。なお、以上のようなレーザプラズマタイプの光源装置50からの光源光に代えて、放電プラズマ光源、SOR光源からの放射光等を使用することができる。
照明光学系60は、反射型のオプティカルインテグレータ61,62、コンデンサミラー63、偏向ミラー64等により構成される。光源装置50からの光源光を、オプティカルインテグレータ61,62によって照明光として均一化しつつコンデンサミラー63によって集光し、偏向ミラー64を介してマスクMA上の所定領域(例えば帯状領域)に入射させる。これにより、マスクMA上の所定領域を適当な波長の極端紫外線によって均一に照明することができる。
なお、極端紫外線の波長域で十分な透過率を有する物質は存在せず、マスクMAには透過型のマスクではなく反射型のマスクが使用されている。
投影光学系70は、多数のミラー71,72,73,74で構成される縮小投影系である。マスクMA上に形成されたパターン像である回路パターンは、投影光学系70によってレジストが塗布されたウエハWA上に結像してこのレジストに転写される。この場合、回路パターンが一度に投影される領域は、直線状又は円弧状のスリット領域であり、マスクMAとウエハWAとを同期して移動させる走査露光によって、例えばマスクMA上に形成された矩形の回路パターンをウエハWA上の矩形領域に無駄なく転写することができる。
以上の光源装置50のうち極端紫外線の光路上に配置される部分と、照明光学系60と、投影光学系70とは、真空容器84中に配置されており、露光光の減衰が防止されている。つまり、極端紫外線は大気に吸収されて減衰するが、装置全体を真空容器84によって外部から遮断するとともに、極端紫外線の光路を所定の真空度(例えば、1.3×10−3Pa以下)に維持することで、極端紫外線の減衰すなわち転写像の輝度低下やコントラスト低下を防止している。
以上の投影露光装置において、極端紫外線の光路上に配置される光学素子54,55,61,62,63,64,71,72,73,74やマスクMAとして、図1に例示される光学素子40を用いる。この際、光学素子40の光学面の形状は、凹面に限らず、平面、凸面、多面等組み込む場所によって適宜調整する。
以下、図2に示す投影露光装置の動作について説明する。この投影露光装置では、照明光学系60からの照明光によってマスクMAが照明され、マスクMAのパターン像が投影光学系70によってウエハWA上に投影される。これにより、マスクMAのパターン像がウエハWAに転写される。
以上説明した投影露光装置では、高反射率で高精度に制御された光学素子54,55,61,62,63,64,71,72,73,74,MAが用いられており、高精度の露光が可能になる。さらに、この投影露光装置では、光学素子54,55,61,62,63,64,71,72,73,74,MAの表面において図1に示す保護層30が形成されており、カーボン膜の堆積が抑制されている。よって、これら光学素子の反射特性が劣化することを防ぎ、延いては投影露光装置の寿命を長くすることができる。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、保護層30は、As、I、Re、W、Co、Ge、Se等の物質又はこれらを主成分とする材料に限らず、Ni、Cu、Pt、Mo、Ru等の元素又はこれらを主成分とする材料で形成することができる。また、保護層30は、NiO、Cu2O、CuOの酸化物又はこれらを主成分とする材料に限らず、TiO2等の酸化物又はこれを主成分とする材料で形成することもできる。その他、C、Pd、Ir、Pt、Au等を、保護層30の主成分又は補助的添加成分として用いることができる。
また、薄膜層L1,L2の積層の順序、最上層をいずれの薄膜層とするかといった条件は、光学素子40の用途に応じて適宜変更することができる。また、薄膜層L1,L2の材料は、MoとSiとの組み合わせに限るものではない。例えば、Mo、ルテニウム、ロジウム等の物質と、Si、ベリリウム、四ホウ化炭素(B4C)等の物質とを適宜組み合わせることによって多層膜20を作製することもできる。以上の場合、多層膜20の表面が通常Si以外の物質となるが、このような物質よりも電子放出能が低い光電子抑制材又はこれを主成分として含む材料で保護層30を形成することが望ましい。
上記実施形態では、露光光として極端紫外線を用いる投影露光装置について説明したが、露光光として極端紫外線以外の紫外線を用いる投影露光装置においても、図1に示すような光学素子40を組み込むことができ、光学素子の反射特性の劣化を抑制することができる。
また、投影露光装置以外にも、例えば、軟X線顕微鏡や、軟X線分析装置といった軟X線光学機器を含む様々な光学機器についても同様に図1に示すような光学素子40を組み込むことができる。
10…基板、 20…多層膜、 30…保護層、 40…光学素子、 50…光源装置、 60…照明光学系、 70…投影光学系、 81…マスクステージ、 82…ウェハステージ、 L1,L2…薄膜層、 WA…ウエハ
Claims (5)
- 支持用の基板と、
前記基板上に支持されるとともに、極端紫外線を反射する多層膜と、
前記多層膜の最表層上に設けられ、光電子抑制材を含有する保護層と、
を備える光学素子。 - 前記多層膜の前記最表層は、Siを主成分として含むことを特徴とする請求項1記載の光学素子。
- 前記光電子抑制材の電子放出能は、Siの電子放出能よりも低いことを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一項記載の光学素子。
- 前記光電子抑制材は、As、I、Re、W、NiO、Cu2O、CuO、Co、Ge、Se、AlSb、GaP、GaAs、InP、InAs、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、及びCdTeからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含むことを特徴とする請求項3記載の光学素子。
- 極端紫外光を発生させる光源と、
前記光源からの極端紫外光を転写用のマスクに導く照明光学系と、
前記マスクのパターン像を感応基板上に形成する投影光学系とを備え、
前記マスク、前記照明光学系及び前記投影光学系のうち少なくともいずれか1つが請求項1から請求項4のいずれか一項記載の光学素子を含むことを特徴とする投影露光装置。
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