JP2006171549A - オーディオデータ送信装置、オーディオデータ受信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 オーディオデータを送信する側のセッション端末10は、予め設定された一連のデータ処理のうち、最もデータ量が少なくなる段階のデータ処理を特定し、特定したデータ処理までを施したオーディオデータを送信する。そして、そのオーディオデータを受信する側のセッション端末10は、送信側で行われなかった残りのデータ処理を施してから放音する。
【選択図】 図1
Description
このセッション端末は、通信機能に加えて、オーディオデータをエンコードし及びデコードする機能を搭載する。そして、ある演奏者が自らのセッション端末に接続した電子楽器を演奏すると、そのオーディオデータが自らのセッション端末からサーバ装置を経由して他の演奏者のセッション端末へほぼリアルタイムに伝送され、伝送先の端末から楽音として放音される。このような処理が相互に行われることにより、音楽セッションが実現する。
しかしながら、オーディオデータに付与される音響効果の内容如何によっては、音楽セッションのリアルタイム性が損なわれしまうという問題がある。
この問題は、以下に示すような理由から発生する。セッション端末のデータ伝送路となるネットワークは、各帯域毎にデータストリームの許容量が決められており、端末は自らが利用する帯域の許容量よりも大きなデータを送信することはできない。一方、各セッション端末によって付与される音響効果の中には、それを付与した後のデータ量が元のオーディオデータよりも増加するものがある。この種の音響効果を付与した後のオーディオデータのデータ量がネットワークの許容量を超える程度まで増加してしまうと、そのオーディオデータがセッションの相手の端末に到達するまでの時間に遅延が生じることになる。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、ネットワークを介して遣り取りするオーディオデータのデータ量を可能な限り抑えつつも、そのオーディオデータに各種音響効果を付与できるような仕組みを提供することを目的とする。
この態様において、前記指示情報生成手段は、最も少ないデータ量のデータ内容へと改変されていた段階を特定するようにしてもよい。
本願発明の実施形態について説明する。本実施形態にかかるセッションシステムの特徴は、共に音楽セッションを行うセッション端末間で各種音響効果が付与されたオーディオデータを遣り取りする際、オーディオデータの送信側の端末で本来付与されるべき音響効果の一部又は全部を、その受信側の端末に請け負わせることができるようにした点にある。
ここで、以降の説明で用いる主要な用語を定義しておく。「運営者」とは、ネットワークを利用した各種サービスを提供している事業者を意味する。「演奏者」とは、運営者による支援の下、セッション端末の持ち主としてサービスを利用する個人を意味する。
図2は、セッション端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。図に示すように、この端末10は、オーディオデータ入力部11、オーディオデータ出力部12、通信部13、端末ID記憶部14、音響効果付与部16、エンコード/デコード部17、表示部18、操作部19、及び制御部20を備える。
端末ID記憶部14は、自端末10を識別する固有の識別情報である端末IDを予め記憶している。
制御部20は、上記各部を制御する。この制御部20が行う特徴的な動作については、後にフローチャートを参照しつつ詳述する。
音楽セッション支援プログラム37aは、本実施形態に特有の機能をCPU31に実現させるためのプログラムである。CPU31によってこのプログラムが実行されると、RAM32にはセッション管理テーブルが形成される。
図に示す処理は、何れかの演奏者が自らのセッション端末10からセッション管理サーバ装置30にアクセスすると開始される。
セッション端末10からのアクセスを受けたセッション管理サーバ装置30のCPU31は、RAM32のセッション管理テーブルの記憶内容を基に生成したセッションルーム案内画面の表示データを、アクセスしてきたセッション端末10に宛てて送信する(S100)。
図8は、セッションルーム案内画面である。この画面は、セッション管理テーブルにおける各レコードの記憶内容を、「セッションルーム」と呼ばれる仮想的な部屋への入室の有無として夫々表す。同画面の上段には、「入室するセッションルームを選択して下さい。但し、セッションが既に開始されているセッションルームには入室できません。」という内容を示す文字列が表示される。また、同画面の下段には、セッション管理テーブルの記憶内容が、「セッションルーム」、「入室者」、及び「状態」の3つの項目を対応付けた表として表示される。この表では、セッション管理テーブルの「セッション」のフィールドに記憶されていたセッション識別情報が「セッションルーム」の項目として表示され、「参加メンバー」のフィールドに記憶されていた端末IDが「入室者」の項目として表示される。更に、セッション管理テーブルの「セッション中フラグ」フィールドの記憶内容が「1」である音楽セッションについては、対応するセッションルームの「状態」の項目が「セッション中」と表示される一方で、「0」である音楽セッションについては「入室者募集中」と表示される。
操作部19によってセッションルームが選択されると、セッション端末10のCPU31は、選択されたセッションルームのセッション識別情報と、端末ID記憶部14から読み出した自身の端末IDとをセッション管理サーバ装置30へセットとして送信する(S120)。
続いて、CPU31は、ステップ130で特定したレコードの「参加メンバー」のフィールドへ端末IDを記憶する(S140)。このステップ140にて、自らが送信した端末IDが「参加メンバー」のフィールドに記憶されたセッション端末10は、同じフィールドに既に記憶されていた、又は後から記憶されるもう1つの端末IDの発信元のセッション端末10を相手に音楽セッションを行うことができる。
ステップ150にて、記憶された端末IDの総数が2つになったと判断したCPU31は、ステップ130で特定したレコードの「セッション中フラグ」のフィールドの記憶内容を「0」から「1」へと書き換える(S160)。
続いて、CPU31は、ステップ130で特定したレコードの「参加メンバー」のフィールドに記憶されている2つの端末IDをRAM32に読み出す(S170)。
CPU31は、ステップ170で読み出した2つの端末IDを所定の雛形に埋め込むことによって得た音響効果設定要求画面の表示データを、それら2つの端末IDの発信元のセッション端末10に宛てて送信する(S180)。
図9は、音響効果設定要求画面である。この画面の上段には、「今回は、以下の2人の方でセッションを行います。セッションを開始する前に、ご自身の演奏音に付与する音響効果を設定してください。」という内容の文字列が表示され、その下には、ステップ160で読み出された両端末IDが入室者として表示される。
操作部19によって各音響効果が入力されると、セッション端末10の制御部20は、入力された各音響効果を夫々付与するための一連のデータ処理を、入力オーディオデータ用として音響効果付与部16に設定する(S200)。
次に、制御部20は、試し演奏要求画面を表示部18に表示させる(S210)。この試し演奏要求画面には、「セッション環境を最適化しますので、試し演奏を行ってください。」という内容の文字列が表示される。
オーディオデータが入力されると、セッション端末10の音響効果付与部16は、そのオーディオデータに対し、ステップ200で設定された各データ処理をそれらが設定された順序に従って施すことにより、データ内容が夫々改変された一連のオーディオデータを取得する(S220)。
データ量を計測した制御部20は、音響効果付与部16が一連のデータ処理の各々を施した各段階のうち、最も少ないデータ量のオーディオデータへとデータ内容が改変されていた段階を特定する(S240)。
更に、制御部20は、ステップ250で生成した音響効果指示情報を、セッション管理サーバ装置30へ送信する(S260)。
セッション管理サーバ装置30から音響効果指示情報を受信したセッション端末10の制御部20は、その音響効果指示情報が示す一又は複数のデータ処理を、受信オーディオデータ用としてエンコード/デコード部17へ設定する(S280)。この結果、エンコード/デコード部17には、入力オーディオデータ用と受信オーディオデータ用の2系統のデータ処理が個別に設定されることになる。
セッション管理サーバ装置30のCPU31は、音響効果設定要求画面の表示データの宛先であった両セッション端末10から音響効果の設定が完了したことを示すメッセージを受信すると、音楽セッションの開始タイミングまでの残り時間長を表すカウントダウン信号を、それらのセッション端末10に宛てて夫々送信する(S300)。
カウントダウン信号を受信したセッション端末10の制御部20は、音楽セッションの開始タイミングまでの残り時間長を表示部18に表示させる(S310)。具体的には、「スタート3秒前」→「スタート2秒前」→「スタート1秒前」の各内容を示す文字列をこの順番で一秒おきに表示させ、更に「スタート1秒前」の文字列を表示してから1秒経過したタイミングで、「スタート!」の文字列を表示させる。
各演奏者は、自らのセッション端末10の表示部18に表示されるカウントダウン表示を参照し、「スタート!」の文字列が表示されたタイミングに合わせて一斉に電子楽器40の演奏を開始する。
また、セッション管理サーバ装置30を介して互いに圧縮済みオーディオデータを遣り取りする両セッション端末10の制御部20は、以下に示す3つの処理を並行して行う。
a.入力オーディオデータ出力制御処理
これは、ステップ200で設定された一連のデータ処理が音響効果付与部16によって最後まで施されたオーディオデータをオーディオデータ出力部12へ供給する処理である。この処理が行われることにより、電子楽器40から自端末10へ入力されるオーディオデータは、音響効果設定画面を介して入力されていた音響効果の全てが付与された楽音としてスピーカ50から放音されることになる。
b.入力オーディオデータ送信制御処理
これは、ステップ200で設定された一連のデータ処理のうちステップ240で特定した段階のデータ処理までが施されたオーディオデータをエンコード/デコード部17へ供給する処理である。この処理が行われることにより、電子楽器40から自端末10へ入力されたオーディオデータは、最もデータ量の少ない圧縮オーディオデータとして相手のセッション端末10へ送信されることになる。
c.受信オーディオデータ出力制御処理
これは、ステップ280で音響効果付与部16に設定されたデータ処理が施されたオーディオデータをオーディオデータ出力部12へ供給する処理である。この処理が行われることにより、エンコード/デコード部17による復号化処理を経たオーディオデータは、相手の端末10側で音響効果設定画面を介して入力されていた音響効果の全てが付与された楽音としてスピーカ50から放音されることになる。
図10は、ある一対のセッション端末10で行われる処理内容を概念的に示す図である。この図において、電子楽器40Y及びスピーカ50Yと接続されたセッション端末10Yを使用する演奏者は、自らの演奏音に対して「音響効果A」→「音響効果B」→「音響効果C」→「音響効果D」の付与を指示する入力を行っており、また、電子楽器40Z及びスピーカ50Zと接続されたセッション端末10Zを使用する演奏者は、「音響効果A」→「音響効果B」→「音響効果E」→「音響効果F」の付与を指示する入力を行なっているものとする。
圧縮オーディオデータを受信すると、セッション端末10Zの制御部20は受信オーディオデータ出力制御処理を実行する。この処理が行われることにより、スピーカ50Zからは音響効果Dを更に付与したオーディオデータが放音される。
圧縮オーディオデータを受信すると、セッション端末10Yの制御部20は受信オーディオデータ出力制御処理を実行する。この処理が行われることにより、スピーカ50Yからは音響効果EとFを更に付与したオーディオデータが放音される。
本実施形態は、種々の変形実施が可能である。
上記実施形態では、音響効果付与部16に一連のデータ処理が設定されると、演奏者に対して試し演奏が求められるようになっていた。そして、求めに応じて演奏者が電子楽器40の試し演奏を行うと、電子楽器40からセッション端末10へ入力されたオーディオデータに対して音響効果付与部16に登録された一連のデータ処理が施され、最もデータ量が少なくなるデータ処理が特定されるようになっていた。これは、データ処理を施した後のデータ量はその処理対象となるオーディオデータの周波数特性に依存するため、演奏に使用する電子楽器40のオーディオデータに各データ処理を施してみなければ、どのデータ処理を施した段階でデータ量が最も少なくなるかを特定できないからである。
Claims (3)
- オーディオデータを順次入力する入力手段と、
前記入力手段から順次入力されるオーディオデータに対し、予め設定された一連のデータ処理を施すことにより、データ内容が夫々改変された一連のオーディオデータを取得する効果付与手段と、
前記入力されたオーディオデータについて前記効果付与手段が前記各データ処理の各々を施した各段階のうち、データ処理を最後まで施して得られるオーディオデータより少ないデータ量のデータ内容へと改変されていた段階を特定し、前記設定された一連のデータ処理のうち当該特定した段階よりも後に施されることになっていた一又は複数のデータ処理を示す音響効果指示情報を生成する指示情報生成手段と、
前記生成された音響効果指示情報と前記特定された段階までの前記効果付与手段の処理結果とを送信する送信手段と
を備えたオーディオデータ送信装置。 - 請求項1に記載のオーディオデータ送信装置において、
前記指示情報生成手段は、最も少ないデータ量のデータ内容へと改変されていた段階を特定する
オーディオデータ送信装置。 - 予め設定された一連のデータ処理のうち、途中のあるデータ処理までが施されたオーディオデータを受信するオーディオデータ受信手段と、
前記一連のデータ処理のうち未だ施されていない残りのデータ処理を示す音響効果指示情報を受信する指示情報受信手段と、
前記オーディオデータ受信手段が受信したオーディオデータに対し、前記指示情報受信手段が受信した音響効果指示情報が示す残りのデータ処理を施すことにより、当該受信したオーディオデータのデータ内容を改変する効果付与手段と、
前記効果付与手段によってデータ内容が改変されたオーディオデータを楽音として出力する出力手段と
を備えたオーディオデータ受信装置。
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