JP2006160827A - 暖房器具用ポリウレタンフォームの製造法 - Google Patents

暖房器具用ポリウレタンフォームの製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリウレタンフォームからのアミン系触媒の揮発量を低減し、高温加熱後の強度特性が良好で着色変化の少ないポリウレタンフォームを暖房器具に使用することで、暖房器具が発熱し、長時間高温状態にあっても、暖房器具の外観を損なうことがなく、更には健康に優しい暖房器具を与えるポリウレタンフォームを提供する。
【解決手段】式(I):(CH32N(CH2pOH・・・(I)、(式中、pは4〜9の整数を示す)で表される化合物及び/又は式(II):(CH32N(CH2qN[CH2CH(OH)CH32・・・(II)、(式中、qは3〜6の整数を示す)で表される化合物を含有する触媒並びに発泡剤の存在下で、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させる暖房器具用ポリウレタンフォームの製造法、前記製造法によって得られうる暖房器具用ポリウレタンフォーム。
【選択図】なし

Description

本発明は、暖房器具用ポリウレタンフォームの製造法に関する。更に詳しくは、住居空間で使用される電気カーペット、床暖房等の暖房器具の構成部材として好適に使用しうる暖房器具用ポリウレタンフォームの製造法に関する。
一般に、ヒーターを内蔵して形成される電気カーペット、床暖房等の暖房器具には、軽量でクッション性や断熱性が良好なことから、ポリウレタンフォームを構成部材として使用することが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかし、これらの暖房器具用のポリウレタンフォームは、住居空間で使用されるため、暖房器具が発熱したときにポリウレタンフォームからアミン系触媒が揮発し、人体への悪影響が懸念されている。
特開平7-180852公報 特開平11-166033公報
本発明は、ポリウレタンフォームからのアミン系触媒の揮発量を低減し、高温加熱後の強度特性が良好で着色変化の少ないポリウレタンフォームを暖房器具に使用することで、暖房器具が発熱し、長時間高温状態にあっても、暖房器具の外観を損なうことがなく、更には健康に優しい暖房器具を与えるポリウレタンフォームを提供することを課題とする。
即ち、本発明の要旨は、
(1)式(I):
(CH32N(CH2pOH (I)
(式中、pは4〜9の整数を示す)
で表される化合物及び/又は式(II):
(CH32N(CH2qN[CH2CH(OH)CH32 (II)
(式中、qは3〜6の整数を示す)
で表される化合物を含有する触媒並びに発泡剤の存在下で、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させる暖房器具用ポリウレタンフォームの製造法、
(2)前記製造法によって得られうる暖房器具用ポリウレタンフォーム、
(3)式(I)で表される化合物及び/又は式(II)で表される化合物を含有する触媒並びに発泡剤の存在下で、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させて得られうるポリウレタンフォームを暖房器具に使用する方法、並びに
(4)式(I)で表される化合物及び/又は式(II)で表される化合物を含有してなる暖房器具用ポリウレタンフォーム用触媒
に関する。
本発明のポリウレタンフォームは、アミン系触媒の揮発量を低減し、高温加熱後の強度特性が良好で着色変化が少なく、ポリウレタンフォームを使用した暖房器具が発熱し、長時間高温状態にあっても、暖房器具の外観を損なうことがなく、健康に優しい暖房器具を与えるという効果を奏する。
本発明においては、暖房器具の構成部材としてのポリウレタンフォームを製造する際に使用される触媒として、式(I) で表される化合物及び/又は式(II)で表される化合物を含有する触媒が用いられている点に、大きな特徴がある。式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物は、いずれも、触媒分子内にイソシアネート基と反応する水酸基を有する。
本発明者らは、分子内にイソシアネート基と反応する水酸基又はアミノ基を有するアミン系触媒について鋭意研究を重ねた結果、その分子内にイソシアネート基と反応する水酸基又はアミノ基を有するアミン系触媒であっても、その化学構造に起因して、ポリウレタンフォームの原料化合物であるイソシアネート成分のイソシアネート基との反応性、換言すれば、ポリウレタンフォーム内への前記化合物の取込まれやすさや、この反応により形成されたウレタン結合の熱劣化の程度が異なり、ポリウレタンフォームからのアミン系触媒に基づく揮発量を低減し、更にポリウレタンフォームの耐熱性を改善するためには、その触媒の選択が非常に重要であることを見出した。
式(I)で表される化合物は、アミノ基の窒素原子と水酸基との間に炭素数が4以上の基が介在している。また、式(II)で表される化合物は、2個の3級アミノ基を有するとともに、N-(2-ヒドロキシエチル)アミノ基構造ではない水酸基2個を有している。
本発明では、式(I)で表される化合物及び/又は式(II)で表される化合物を含有する触媒が用いられたポリウレタンフォームを暖房器具の構成部材として使用した場合、アミン系触媒の揮発量を低減させることができるとともに、暖房器具が長時間高温に発熱した場合であっても、ポリウレタンフォームの着色変化が少なく、外観が良好な暖房器具を得ることができるという格別顕著に優れた効果が奏される。
このように優れた効果が発現される理由は、定かではないが、式(I)で表される化合物は、アミノ基の窒素原子と水酸基との間に炭素数4以上の基が存在していることから、触媒分子内の水酸基の反応性が窒素原子による影響を受け難いため、イソシアネート成分と効率よく反応し、ポリウレタンフォーム中に化学結合によって殆ど取り込まれ、更に、その水酸基がイソシアネート成分と反応して形成されたウレタン結合も式(III):
−NHCOO(CH2)pN(CH3)2 (III)
(式中、pは、前記と同じ)
で表される基のようにアミノ基の窒素原子との間に炭素数が4以上の基が存在して離れていることから、式(I)で表される化合物は、殆どポリウレタンフォームから飛散せず、更にはポリウレタンフォームの熱劣化も抑制されるものと考えられる。
また、式(II)で表される化合物は、水酸基を2個有し、その少なくとも1つの水酸基がイソシアネート成分と反応することにより、ポリウレタンフォーム内に化学結合で取り込まれることから、ポリウレタンフォームから殆ど飛散せず、更に、その分子内の水酸基がイソシアネート成分と反応して形成されたウレタン結合は、式(IV):
Figure 2006160827
(式中、qは前記と同じ。Rは‐CH2CH(CH3)OH基又は‐CH2CH(CH3)OCONH-基を示す)
で表される基のようにアミノ基の窒素原子との間の炭素数が2と非常に近い位置にあるものの、分岐したメチル基の効果で近傍の窒素原子による影響が弱まり、ポリウレタンフォームの熱劣化が抑制されるものと考えられる。
式(I)で表される化合物は、相当するアルキレンジオールとジメチルアミンとの縮合反応によって得ることができる。
式(I) で表される化合物の具体例としては、4-ジメチルアミノ-1- ブタノール、6-ジメチルアミノ-1- ヘキサノール、8-ジメチルアミノ-1- オクタノール、9-ジメチルアミノ-1- ノナノール等が挙げられ、これらの化合物は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、6-ジメチルアミノ-1- ヘキサノールは、触媒活性及び低臭気の観点から好ましい。
式(II)で表される化合物は、相当するN,N-ジメチルアルキレンジアミンへのプロピレンオキシドの付加反応、例えば、式(II)において、qが3である場合には、N,N-ジメチル−1,3−プロピレンジアミンへのプロピレンオキシドの付加反応により得ることができる。
式(II)で表される化合物の具体例としては、N,N-ジメチル-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジメチル-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-1,4-ブタンジアミン、N,N-ジメチル-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-1,6-ヘキサンジアミン等が挙げられ、これらの化合物は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、N,N-ジメチル-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-1,3-プロパンジアミンは、触媒活性及び経済性(原料の入手の容易性及び安価であること)の観点から好ましい。
触媒は、式(I) で表される化合物及び/または式(II)で表される化合物を含有するものであるが、式(I) で表される化合物と式(II)で表される化合物とを併用することが、生産性を鑑みたアミン系触媒の揮発量及び高温発熱時の着色変化を低減させる観点から好ましい。
式(I) で表される化合物と式(II)で表される化合物とを併用する場合、式(I) で表される化合物と式(II)で表される化合物との重量比〔式(I) で表される化合物/式(II)で表される化合物〕は、ポリウレタンフォームの生産性を鑑みた本発明の優位性を更に発現する観点から、好ましくは20/80 〜90/10 、より好ましくは30/70〜80/20、更に好ましくは40/60〜80/20である。
なお、本発明の目的が阻害されない範囲内であれば、他の触媒が含有されていてもよく、その含有量は、その種類や目的とするポリウレタンフォームの種類や密度等に応じて異なるので一概には決定することができないため、これら他の触媒の種類等によって適宜調整することが望ましい。
他の触媒の例としては、ジブチルジ酢酸錫、ジオクタン酸錫、ジブチルジラウリン酸錫等の有機錫触媒に代表される有機金属化合物;1,4-ジアザビシクロ[2.2.2] オクタン、2-メチル-1,4- ジアザビシクロ[2.2.2] オクタン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N-(ジメチルアミノエチル)モルホリン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'-テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N',N'-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N-ジメチルピペラジン、N,N',N'-トリメチルアミノエチルピペラジン、トリス(3- ジメチルアミノプロピル)アミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N,N',N'',N''- ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2- ジメチルアミノエチル)エーテル、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0] ウンデセン-7、N,N',N''-トリス(3- ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-s- トリアジン、5-ジメチルアミノ-3- メチル-1- ペンタノール、N,N-ジメチルエタノールアミン、2‐(2-ジメチルアミノエトキシ)エタノール、2‐[2-(2-ジメチルアミノエトキシ)エトキシ]エタノール、N,N‐ジメチルイソプロパノールアミン、N,N,N',N''-テトラメチル−N''-(2-ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミン、N‐〔2‐(2−ジメチルアミノエトキシ)エチル〕-N‐メチルアミノエタノール、1-〔ビス(3-ジメチルアミノプロピル)アミノ〕‐2‐プロパノール、N-(3- ジメチルアミノプロピル)-N-メチルアミノエタノール、N-(2- ジメチルアミノエチル)-N-メチルアミノエタノール、1-メチルイミダゾール、1-イソブチル-2- メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール等の第3アミン系触媒及びこれらの誘導体、これらとカルボン酸や炭酸等との塩等が挙げられる。
触媒の量は、反応性を高める観点及びポリウレタンフォームの強度保持の観点から、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは0.1 〜7重量部、より好ましくは0.2 〜5重量部、更に好ましくは0.3 〜3重量部である。
ポリオール成分としては、ポリウレタンフォームを製造する際に、従来用いられているものを例示することができる。
ポリオール成分の代表例としては、例えば、岩田敬治編「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(昭和62年9月25日、日刊工業新聞社発行)に記載されている、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール、フェノール樹脂系ポリオール、マンニッヒポリオール等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ポリオール成分の中では、ソフトな感触を付与する観点から、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール等が好ましく、ポリエーテルポリオール及びポリマーポリオールがより好ましい。
ポリエーテル系ポリオールの代表例としては、ポリオキシプロピレン系ポリオール(以下、PPGという)、ポリオキシテトラメチレングリコール(以下、PTMGという)及びそれらの混合物等が挙げられる。中でも、末端にエチレンオキシドが付加されているPPGが好ましい。PPGのポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレンの比(重量比)は、反応性並びにフォームの加水分解性及びフォーム強度の観点から、好ましくは50/50〜95/5、より好ましくは60/40〜80/20である。
ポリマーポリオールの代表例としては、重合性不飽和基含有モノマーを重合させて得られたポリマー微粒子がポリエーテルポリオール中に分散した状態にあるもの等が挙げられる。このものは、例えば、重合性不飽和含有モノマーを重合させて得られたポリマー微粒子とポリエーテルポリオールとを混合し分散させる方法、前記ポリエーテルポリオール中で前記重合性不飽和基含有モノマーを重合させることにより、前記重合性不飽和基含有モノマーから得られたポリマー微粒子を前記ポリエーテルポリオール中に分散させる方法などによって製造することができる。これらの方法の中では、後者の方法が、ポリマー微粒子が該ポリエーテルポリオール中に均一に分散されたポリマーポリオールを容易に得ることができるので好ましい。
重合性不飽和基含有モノマーとしては、例えば、スチレン;アクリロニトリル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜4のアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらのモノマーは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ポリマーポリオールは、ポリエーテルポリオール中にポリマー微粒子が分散しているものであればよく、ポリマー微粒子としてはポリスチレン、ポリアクリロニトリル及びそれらの共重合体が好ましい。
ポリオール成分の平均水酸基価は、粘性及びフォームに弾性を付与する観点から、好ましくは14〜100mgKOH/g、より好ましくは17〜75mgKOH/g 、更に好ましくは17〜70mgKOH/g である。
なお、フォームの加水分解の抑制、フォーム強度の向上及び高い弾性付与の観点から、PPGとポリマーポリオールとを併用することが好ましい。この場合、PPGとポリマーポリオールとの比(重量比)は、フォーム強度の向上及び高い弾性付与の観点から、好ましくは60/40〜95/5、より好ましくは70/30〜90/10である。
ポリオール成分には、必要により、例えば、整泡剤、連通化剤、難燃剤、安定剤、鎖延長剤、顔料、充填剤、減粘剤、相溶化剤等の添加剤を適宜、適量で添加してもよい。
整泡剤は、必要に応じて用いることができるが、一般にポリウレタンフォームを製造する際に使用されているものであればよい。
整泡剤の代表例としては、ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系界面活性剤、脂肪酸塩、硫酸エステル塩、燐酸エステル塩、スルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
整泡剤の使用量は、その種類や目的とするポリウレタンフォームの種類や密度等によって異なるので一概には決定することができないため、これら整泡剤の種類等に応じて適宜調整することが望ましい。
安定剤は、必要に応じて一般にポリウレタンフォームを製造する際に使用されているものを用いることができるが、フォーム強度の向上の観点から、トリフェニルホスファイト及びペンタエリスリチル−テトラキス[3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート] は、好適に使用しうるものであり、特にこれらを併用して使用することが好ましい。
安定剤の使用量は、その種類や目的とするポリウレタンフォームの種類及び密度等によって異なるので一概に決定することができないため、安定剤の種類等に応じて適宜調整することが望ましい。
イソシアネート成分としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート;ウレタン結合、カルボジイミド結合、ウレトイミン結合、アロファネート結合、ウレア結合、ビューレット結合、イソシアヌレート結合等の1種以上を含有する前記ポリイソシアネート変性物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
イソシアネート成分の中では、暖房器具用ポリウレタンフォームとして、適度な衝撃吸収性及び弾性を付与する観点から、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート及びそれらのウレタン結合、カルボジイミド結合等の1種以上を含有するポリイソシアネート変性物が好ましい。
イソシアネート成分の量は、ポリウレタンフォームの要求特性により異なり、一概に決定することはできないが、通常、後述のポリオール混合物とイソシアネート成分との割合(イソシアネートインデックス)が30〜110 となるように調整することが好ましく、80〜105 がより好ましく、95〜105 が更に好ましい。
発泡剤として、水を好適に用いることができる。水以外にも、本発明の目的が阻害されない範囲内であれば、イソペンタン、ノルマルペンタン、シクロペンタン等の低沸点炭化水素、窒素ガス、空気、二酸化炭素等のガス、HCFC-141b 、HFC-134a、HFC-245fa 、HFC-245ca 、HFC-236ea 、HFC-365mfc、HFE-347 等のヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン並びにヒドロフルオロエーテル系の発泡剤を用いてもよい。
発泡剤の量は、目的とするポリウレタンフォームのフォーム密度によって異なるので一概には決定することができないため、目的とするフォーム密度に応じて適宜調整することが好ましい。
式(I) で表される化合物及び/又は式(II)で表される化合物を含有する触媒及び発泡剤の存在下で、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させることによって暖房器具用ポリウレタンフォームを製造することができる。暖房器具用ポリウレタンフォームは、例えば、ポリオール成分、触媒、発泡剤及び必要に応じて添加剤を混合し、得られたポリオール混合物と、イソシアネート成分とを成形機等で混合攪拌し、成形型内に注入し、発泡させることによって製造することができる。より具体的には、例えば、図1(a)に示される平面モールド(例えば内寸:1000mm×1000mm×厚さ5mm)1を用意し、平面モールド1の下面に、図1(a)のA-A部における断面図である、図1(b)に示されるように、ポリエチレンシート2をコーティングした布地3にチュービングヒーター4を接着した表装材を設置し、平面モールド1の型温を50℃に温調する。その後、ポリオール混合物及びイソシアネート成分を混合し、注入した後、上蓋(図示せず)で蓋をして成形をし、5分間経過後に脱型することにより、ポリウレタンフォーム成形品5を得ることができる。
かくして得られる本発明の暖房器具用ポリウレタンフォームを空気中で120℃の温度で24時間加熱したときの着色変化量は、高温加熱後の強度特性を保持し、暖房器具の外観を維持する観点から、イエローインデックスで40以下、好ましくは35以下であることが望ましい。なお、着色変化量は、後述する実施例に記載の測定方法によって測定したときの値である。
また、本発明の暖房器具用ポリウレタンフォームの120℃での揮発アミン量は、人体への悪影響を回避する観点から、フォーム1gあたり0.1mg以下、好ましくは0.05mg以下、より好ましくは0.03mg以下であることが望ましい。なお、揮発アミン量は、後述する実施例に記載の測定方法によって測定したときの値である。
実施例1〜4及び比較例1〜4
ポリオール成分として、末端にエチレンオキシドが付加されているPPGである分岐ポリエーテルポリオール〔平均水酸基価:35mgKOH/g、住化バイエルウレタン(株)製、商品名:スミフェン3900〕80重量部及びPPGタイプのポリマーポリオール〔平均水酸基価:28mgKOH/g、三洋化成工業(株)製、商品名:サンニックスFA-728R〕20重量部、鎖延長剤(トリエタノールアミン)1.5重量部、発泡剤(水)2.0部、整泡剤〔シリコーン系整泡剤、日本ユニカー(株)製、商品名:L-5309〕0.8重量部並びに表1に示す組成の触媒をラボミキサーで混合してポリオール混合物を得た。
なお使用した触媒の詳細は、以下のとおりである。
(使用した触媒の詳細)
・KL-25:6-ジメチルアミノ-1-ヘキサノール、花王(株)製、商品名:カオーライザー No.25
・DMAPO:N,N-ジメチル-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-1,3-プロパンジアミン
・KL-23NP:2-[2-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]エトキシ]エタノール、花王(株)製、商品名:カオーライザー No.23NP
・KL-26:2-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール、花王(株)製、商品名:カオーライザー No.26
・TMAPEA:N,N,N’-トリメチル-N’-(2’-ヒドロキシエチル)-1,3-プロパンジアミン
・KL-31:33%トリエチレンジアミンのジプロピレングリコール溶液、花王(株)製、商品名:カオーライザー No.31
・KL-12:70%ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテルのジプロピレングリコール溶液、花王(株)製、商品名:カオーライザー No.12
得られたポリオール混合物と、イソシアネート成分〔住化バイエルウレタン(株)製、商品名:スミジュール0581〕とをイソシアネートインデックスが100となるように20℃でラボミキサーで混合攪拌し、得られた混合物400gを成形型〔内寸:150×150×300(高さ)mm〕内に注入し、ポリウレタンフォームのフリーフォームを成形した。
次に、得られたポリウレタンフォームの物性を以下の方法に従って調べた。その結果を表1に併記する。
1.反応性
300mL容のポリカップ内で攪拌したポリオール混合物とイソシアネート成分との混合物60gのフリー発泡におけるクリームタイム (CT)、ゲルタイム(GT)及びライズタイム(RT)に到達するまでの時間を測定した。
それぞれの反応時間が短いほど、迅速に発泡・硬化が行われることを示している。
2.フォームのコア密度
フリーフォームを製造後、1日間放置した後、そのコア部分から、100mm ×100mm ×100mm の大きさの試験片を切り出し、その試験片の重量を測定し、その体積で除して測定した。
3.強度保持率
強度保持率は、耐熱性の指標である。
成形したフリーフォームを室温で24時間放置した後、該フリーフォームからJIS K 6301に従い、2号型の引張り試験測定用の試験片10個を切り出し、そのうちの5個の試験片について室温下で引張り試験機〔(株)島津製作所製のオートグラフ、品番:DCS-50M〕を用いて引張り速度125mm/min で引張り試験したときの強度の平均値(初期強度)と、残りの5個の試験片について120 ℃の雰囲気中に24時間放置した後に前記と同様にして引張り試験したときの強度の平均値(高温時強度)を測定し、式:
〔強度保持率(%)〕=〔高温時強度〕÷〔初期強度〕×100
に従って求めた。
4.着色変化量
成形したフリーフォームのコア部から試験片(50mm×50mm×20mm)を切り出し、色彩色差計〔コニカミノルタ センシング(株)、品番:CR-400〕にてイエローインデックスYIを測定した。
次に、この試験片を空気中120℃、24時間放置した後、前記と同様にしてイエローインデックスYI’を測定し、高温加熱時の着色変化量を式:
ΔYI(着色変化量)=YI’ − YI
に従って求めた。
5.揮発アミン量
成形したフリーフォームから試験片0.01gを切り出し、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー(Hewlett-Packard Development Company, L.P.社製、品番:HP6890)によりアミン系触媒の揮発量を定量した。
なお、ヘッドスペース部の前処理は、試験片を120℃の温度で30分間サンドヒーターで加熱し、揮発成分をガスクロマトグラフィーのカラムに導入した。また、アミン系触媒の同定には、付設の質量分析装置を用いた。
Figure 2006160827
表1に示された結果から、各実施例で得られたポリウレタンフォームは、優れた強度を保持しつつ、着色変化量が少なく、しかも揮発アミン量が極めて少ないことがわかる。
また、実施例3では、触媒として、式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物とが併用されているので、単独触媒(実施例1及び2)と比べてCTが比較的長いので成形性に優れ、しかもGTが比較的短いので生産性に優れていることがわかる。
本発明の製造法によって得られた暖房器具用ポリウレタンフォームは、住居空間で使用される電気カーペット、床暖房等の暖房器具の構成部材として有用である。
(a)は本発明の暖房器具用ポリウレタンフォームの製造時の一実施態様を示す概略説明図、(b)は、図1(a)のA-A部における概略断面図である。
符号の説明
1 平面モールド
2 ポリエチレンシート
3 布地
4 チュービングヒーター
5 ポリウレタンフォーム成形品

Claims (6)

  1. 式(I):
    (CH32N(CH2pOH (I)
    (式中、pは4〜9の整数を示す)
    で表される化合物及び/又は式(II):
    (CH32N(CH2qN[CH2CH(OH)CH32 (II)
    (式中、qは3〜6の整数を示す)
    で表される化合物を含有する触媒並びに発泡剤の存在下で、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させる暖房器具用ポリウレタンフォームの製造法。
  2. 空気中で120℃の温度で24時間加熱したときの着色変化量がイエローインデックスで40以下、120℃での揮発アミン量がフォーム1gあたり0.1mg以下である請求項1記載の暖房器具用ポリウレタンフォームの製造法。
  3. 式(I)で表される化合物が6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノールである請求項1又は2記載の製造法。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の製造法によって得られうる暖房器具用ポリウレタンフォーム。
  5. 式(I):
    (CH32N(CH2pOH (I)
    (式中、pは4〜9の整数を示す)
    で表される化合物及び/又は式(II):
    (CH32N(CH2qN[CH2CH(OH)CH32 (II)
    (式中、qは3〜6の整数を示す)
    で表される化合物を含有する触媒並びに発泡剤の存在下で、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させて得られうるポリウレタンフォームを暖房器具に使用する方法。
  6. 式(I):
    (CH32N(CH2pOH (I)
    (式中、pは4〜9の整数を示す)
    で表される化合物及び/又は式(II):
    (CH32N(CH2qN[CH2CH(OH)CH32 (II)
    (式中、qは3〜6の整数を示す)
    で表される化合物を含有してなる暖房器具用ポリウレタンフォーム用触媒。
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