JP2006160801A - 導電性ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性カーボンブラックを含有する導電性ポリプロピレン系樹脂組成物において、親和性の低いポリプロピレンマトリックス中に導電性カーボンブラックが偏在した新規なモルフォロジーを有する新規な導電性ポリプロピレン系樹脂組成物の提供。
【解決手段】(a)ポリプロピレン系樹脂、(b)酸素原子を1.5〜8重量%含有する導電性カーボンブラック、(c)少なくとも1以上のポリプロピレン系樹脂にグラフト可能な官能基と1以上の酸素原子を有する官能基とカップリング可能な官能基を持つカップリング剤、(d)ラジカル発生剤、および(e)熱可塑性エラストマーを配合して得られるポリプロピレン系樹脂組成物であって、体積固有抵抗値が10〜109Ω・cmであり、ポリプロピレン中に導電性カーボンブラックが分散している形態であることを特徴とする導電性ポリプロピレン系樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(a)ポリプロピレン系樹脂、(b)酸素原子を1.5〜8重量%含有する導電性カーボンブラック、(c)少なくとも1以上のポリプロピレン系樹脂にグラフト可能な官能基と1以上の酸素原子を有する官能基とカップリング可能な官能基を持つカップリング剤、(d)ラジカル発生剤、および(e)熱可塑性エラストマーを配合して得られるポリプロピレン系樹脂組成物であって、体積固有抵抗値が10〜109Ω・cmであり、ポリプロピレン中に導電性カーボンブラックが分散している形態であることを特徴とする導電性ポリプロピレン系樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、導電性カーボンブラックを含有する導電性ポリプロピレン系樹脂組成物に関し、詳しくは、熱可塑性エラストマー成分の添加量が少ない領域でも安定して導電性を得られる導電性カーボンブラックを含有する導電性ポリプロピレン系樹脂組成物に関する。
導電性樹脂は、コンピューター、VTR、家電製品などの静電防止や電磁波シールドなどの用途を中心に、近年著しくその需要が延びている。中でも導電性ポリプロピレン系熱可塑性樹脂は強度、成形性、コストのバランスが良いため、これらの用途に広く用いられている。
従来より、熱可塑性樹脂に導電性を付与する方法として、カーボンブラックを配合する方法(例えば、特許文献1、2参照。)が知られているが、ポリプロピレン樹脂にカーボンブラックを配合する際、カーボンブラックは、ポリプロピレンよりもエチレン系エラストマー類との親和性が強く、エチレン系エラストマーへ選択的に分散し、エチレン系エラストマーの配合量によって導電性能が変化してしまうという問題があった。
このような問題点を解決する方法として、各種変成樹脂などを用いてカーボンブラックの選択分散を変化させる検討がされており、例えば、カーボンブラックと親和性の強い熱可塑性ポリエステル樹脂に選択分散させる方法(例えば、特許文献3参照。)が知られているが、親和性の低いポリプロピレン系樹脂へカーボンブラックを選択的に偏在させる技術は、本発明者らが調査した範囲においては未だ知られていない。
またポリプロピレン系樹脂にエラストマーを添加することで、耐衝撃性などの改良を行うことは当業者に周知の技術であるが、エラストマーの添加量の変更により導電性が変化したり極端な場合には導電性を発現しなくなったりする不都合があった。
特開昭60−65064号公報
特開昭55−31103号公報
特開2001−40196号公報
従来より、熱可塑性樹脂に導電性を付与する方法として、カーボンブラックを配合する方法(例えば、特許文献1、2参照。)が知られているが、ポリプロピレン樹脂にカーボンブラックを配合する際、カーボンブラックは、ポリプロピレンよりもエチレン系エラストマー類との親和性が強く、エチレン系エラストマーへ選択的に分散し、エチレン系エラストマーの配合量によって導電性能が変化してしまうという問題があった。
このような問題点を解決する方法として、各種変成樹脂などを用いてカーボンブラックの選択分散を変化させる検討がされており、例えば、カーボンブラックと親和性の強い熱可塑性ポリエステル樹脂に選択分散させる方法(例えば、特許文献3参照。)が知られているが、親和性の低いポリプロピレン系樹脂へカーボンブラックを選択的に偏在させる技術は、本発明者らが調査した範囲においては未だ知られていない。
またポリプロピレン系樹脂にエラストマーを添加することで、耐衝撃性などの改良を行うことは当業者に周知の技術であるが、エラストマーの添加量の変更により導電性が変化したり極端な場合には導電性を発現しなくなったりする不都合があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、導電性カーボンブラックを含有する導電性ポリプロピレン系樹脂組成物において、親和性の低いポリプロピレンマトリックス中にカーボンブラックが偏在した新規なモルフォロジーを有する新規な導電性ポリプロピレン系樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、ポリプロピレン系樹脂に特定量の酸素原子を含有する導電性カーボンブラック、特定の官能基を含有するカップリング剤、ラジカル発生剤、熱可塑性エラストマーを配合して得られる組成物は、ポリプロピレン樹脂と導電性カーボンブラックが分子的に結合し、ポリプロピレン系樹脂がマトリックスとなり、ポリプロピレンマトリックス中に導電性カーボンブラックが選択的に分散した、本来ならばドメインとなるエラストマー中に取り込まれてしまう導電性カーボンブラックをポリプロピレンマトリックス中に止め置くことが可能となった新規で特異的なモルフォロジーを有する導電性ポリプロピレン系樹脂組成物であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、(a)ポリプロピレン系樹脂、(b)酸素原子を1.5〜8重量%含有する導電性カーボンブラック、(c)少なくとも1以上のポリプロピレン系樹脂にグラフト可能な官能基と、1以上の酸素原子を有する官能基と、カップリング可能な官能基を持つカップリング剤、(d)ラジカル発生剤、および(e)熱可塑性エラストマーを配合して得られるポリプロピレン系樹脂組成物であって、体積固有抵抗値が10Ω・cm以上109Ω・cm以下であり、ポリプロピレン中に導電性カーボンブラックが分散している形態であることを特徴とする導電性ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、(c)カップリング剤が、下記一般式(I)
XmSiR4−m−n(Y)n …(I)
(式中、Xはエチレン性不飽和炭化水素基、Rは脂肪族飽和炭化水素基、Yは酸素原子を有する官能基とカップリング可能な有機基を表し、m、nはそれぞれ1〜3の整数(ただしm+n≦4である。)を表す。)
で表されるエチレン性不飽和性シラン化合物であることを特徴とする導電性ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
XmSiR4−m−n(Y)n …(I)
(式中、Xはエチレン性不飽和炭化水素基、Rは脂肪族飽和炭化水素基、Yは酸素原子を有する官能基とカップリング可能な有機基を表し、m、nはそれぞれ1〜3の整数(ただしm+n≦4である。)を表す。)
で表されるエチレン性不飽和性シラン化合物であることを特徴とする導電性ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、(a)ポリプロピレン系樹脂が、ポリプロピレン単独重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、(e)熱可塑性エラストマーが、エチレン単位を含有する熱可塑性エラストマーであることを特徴とする導電性ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、成分(a)〜成分(d)の合計100重量%において、成分(a)が60〜98重量%、成分(b)が1〜30重量%、成分(c)が0.5〜15重量%、成分(d)が0.01〜0.5重量%の割合で配合され、かつ成分(a)〜成分(d)の合計100重量部に対して、成分(e)が0.1〜100重量部の割合で配合されていることを特徴とする導電性ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、成分(a)がマトリックスとなり、成分(b)がポリプロピレンマトリックス中に90%以上存在する形態であることを特徴とする導電性ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、成分(a)〜成分(d)を溶融混練した後に、成分(e)を添加することによって製造されたものであることを特徴とする導電性ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂に、ラジカル発生剤の存在下に、酸素原子を含有する導電性カーボンブラック、さらにはポリプロピレンにグラフト可能な官能基等を有するカップリング剤、熱可塑性エラストマーを配合し、導電性カーボンブラックがポリプロピレン樹脂にグラフトするようにポリプロピレン樹脂と導電性カーボンブラックを分子的に結合させ、その結果、導電性カーボンブラックをポリプロピレンマトリックス中に止め置き、プロピレンマトリックスに導電性カーボンブラックを分散させた導電性ポリプロピレン樹脂組成物である。
本発明は、(a)ポリプロピレン系樹脂、(b)酸素原子を1.5〜8重量%含有する導電性カーボンブラック、(c)少なくとも1以上のポリプロピレン系樹脂にグラフト可能な官能基と、1以上の酸素原子を有する官能基と、カップリング可能な官能基を持つカップリング剤、(d)ラジカル発生剤、および(e)熱可塑性エラストマーを配合して得られる導電性ポリプロピレン系樹脂組成物である。また、該導電性ポリプロピレン系樹脂組成物では、導電性カーボンブラックはポリプロピレン中に分散している形態をとっているところに特徴がある。以下に、ポリプロピレン系樹脂組成物の構成成分、成分割合等について詳細に説明する。
1.ポリプロピレン系樹脂組成物の構成成分
(a)ポリプロピレン系樹脂
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物で用いる(a)ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレンを主成分とするプロピレンと炭素数2〜20のオレフィンとを共重合して得られるプロピレン系共重合体が挙げられ、公知のものであれば特に制限なく使用することができる。これらの中では、プロピレンの単独重合体が好ましい。
(a)ポリプロピレン系樹脂
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物で用いる(a)ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレンを主成分とするプロピレンと炭素数2〜20のオレフィンとを共重合して得られるプロピレン系共重合体が挙げられ、公知のものであれば特に制限なく使用することができる。これらの中では、プロピレンの単独重合体が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、0.1〜100g/10分が好ましく、より好ましくは1〜80g/10分である。また、アイソタクチックペンタッド分率は、0.98以上が好ましく、より好ましくは0.980〜0.995、更に好ましくは、0.985〜0.995のものが好適に使用される。
MFRが上記範囲を逸脱した場合、本発明の導電性ポリプロピレン樹脂組成物の成形時の流動性や、衝撃性、引張伸度などが劣ったりするため、好ましくない。また、アイソタクチック分率が0.98未満の場合、成形体の剛性や耐熱性が劣るため好ましくない。ポリプロピレン系樹脂のMFRは、ポリプロピレン系樹脂の重合時に水素濃度を制御したり、重合パウダーを押出機等の溶融混練装置を用いて溶融混練する際に、有機化酸化物等を用いて分子鎖切断したりすることにより調整することができる。アイソタクチックペンタッド分率は、重合触媒の電子供与体(外部及び/又は内部ドナー)の添加量を制御し、さらにこれらの重合過程での欠落を防止することにより側鎖の立体配置を制御することにより、調整することができる。
ここで、MFRは、JIS K7210に準拠して、試験温度230℃、試験荷重21.18Nで測定されたものである。また、アイソタクチックペンタッド分率とは、Macromolecules,6,925(1973 年)記載の方法、すなわち13C−NMR を使用する方法で測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック分率である。換言すれば、アイソタクチックペンタッド分率は、プロピレンモノマー単位が5個接続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。ただし、ピークの帰属に関しては、Macromolecules,8,687(1975 年)に記載の方法に基づいて行った。具体的には13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピーク強度分率としてアイソタクチックペンタッド単位を測定したものである。
MFRが上記範囲を逸脱した場合、本発明の導電性ポリプロピレン樹脂組成物の成形時の流動性や、衝撃性、引張伸度などが劣ったりするため、好ましくない。また、アイソタクチック分率が0.98未満の場合、成形体の剛性や耐熱性が劣るため好ましくない。ポリプロピレン系樹脂のMFRは、ポリプロピレン系樹脂の重合時に水素濃度を制御したり、重合パウダーを押出機等の溶融混練装置を用いて溶融混練する際に、有機化酸化物等を用いて分子鎖切断したりすることにより調整することができる。アイソタクチックペンタッド分率は、重合触媒の電子供与体(外部及び/又は内部ドナー)の添加量を制御し、さらにこれらの重合過程での欠落を防止することにより側鎖の立体配置を制御することにより、調整することができる。
ここで、MFRは、JIS K7210に準拠して、試験温度230℃、試験荷重21.18Nで測定されたものである。また、アイソタクチックペンタッド分率とは、Macromolecules,6,925(1973 年)記載の方法、すなわち13C−NMR を使用する方法で測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック分率である。換言すれば、アイソタクチックペンタッド分率は、プロピレンモノマー単位が5個接続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。ただし、ピークの帰属に関しては、Macromolecules,8,687(1975 年)に記載の方法に基づいて行った。具体的には13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピーク強度分率としてアイソタクチックペンタッド単位を測定したものである。
これらポリプロピレン系樹脂は、市販品を利用することができ、例えば、日本ポリプロ(株)社製MA3、MA2、MA1、MA03等が利用できるし、公知のオレフィン重合用触媒を利用して公知の重合法により製造することもできる。
公知のオレフィン重合用触媒としては、先に述べた物性値(MFR及びアイソタクチックペンタッド分率)を有する重合体を製造できるものであれば特に限定されず、高立体規則性触媒として公知の特定のチーグラーナッタ触媒(ZN触媒)や特定のメタロセン系触媒を用いて製造することができる。
上記ZN触媒としては、チタン、マグネシウム、ハロゲン及び特定の電子供与性化合物を必須とする固体成分(A成分)と、トリエチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物(B成分)、任意成分としての電子供与性化合物(C成分)からなる触媒等が挙げられる。
電子供与性化合物(C成分)としては、t−ブチル−メチル−ジメトキシシラン等の有機珪素アルコキシ化合物、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジエーテル等の1,3−ジエーテル類、フタル酸ブチル、フタル酸オクチル、1,2−ジイソプロピルコハク酸ジブチル等の多価カルボン酸エステル、あるいはこれらを複数種併用する場合が挙げられる。
電子供与性化合物(C成分)としては、t−ブチル−メチル−ジメトキシシラン等の有機珪素アルコキシ化合物、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジエーテル等の1,3−ジエーテル類、フタル酸ブチル、フタル酸オクチル、1,2−ジイソプロピルコハク酸ジブチル等の多価カルボン酸エステル、あるいはこれらを複数種併用する場合が挙げられる。
上記メタロセン系触媒としては、メタロセン錯体(A’成分)と、有機アルミニウムオキシ化合物、ルイス酸、アニオン性化合物、あるいは粘土鉱物の助触媒成分(B’成分)からなるいわゆるメタロセン触媒が用いられる。
メタロセン系触媒におけるメタロセン化合物(A’成分)としては,炭素架橋、あるいは珪素、ゲルマン架橋基を有し、かつ置換あるいは非置換のシクロペンタジエン、インデン、フルオレン、アズレンを配位子とする4族の遷移金属化合物が挙げられる。
メタロセン系触媒に用いる助触媒(B’成分)としては、メチルアルミノキサン等の有機アルミニウムオキシ化合物、トリフェニルボラン等のルイス酸、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のイオン性化合物、あるいはモンモリロナイト等の粘土鉱物が使用可能である。
メタロセン系触媒におけるメタロセン化合物(A’成分)としては,炭素架橋、あるいは珪素、ゲルマン架橋基を有し、かつ置換あるいは非置換のシクロペンタジエン、インデン、フルオレン、アズレンを配位子とする4族の遷移金属化合物が挙げられる。
メタロセン系触媒に用いる助触媒(B’成分)としては、メチルアルミノキサン等の有機アルミニウムオキシ化合物、トリフェニルボラン等のルイス酸、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のイオン性化合物、あるいはモンモリロナイト等の粘土鉱物が使用可能である。
重合方法としては、気相重合法、塊状重合法、溶液重合法、スラリー重合法などを挙げることができ、1つの反応器でバッチ式に重合したり、複数の反応器を組み合わせて連続式に重合してもよい。具体的には、プロピレンの単独重合により結晶性プロピレン単独重合体を重合する方法が挙げられる。
(b)導電性カーボンブラック
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物で用いる(b)導電性カーボンブラックは、酸素原子量として1.5〜8重量%を含有し、好ましくは3〜7重量%を含有する導電性カーボンブラックである。
導電性カーボンブラックの酸素原子量が1.5重量%未満であると成分(c)カップリング剤とのカップリングが不十分となるため、ポリプロピレン系樹脂とのグラフト化が十分に行われないという不都合が生じ、逆に8重量%を超えるとカーボンブラックの導電性を低下させる不都合が生じる。
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物で用いる(b)導電性カーボンブラックは、酸素原子量として1.5〜8重量%を含有し、好ましくは3〜7重量%を含有する導電性カーボンブラックである。
導電性カーボンブラックの酸素原子量が1.5重量%未満であると成分(c)カップリング剤とのカップリングが不十分となるため、ポリプロピレン系樹脂とのグラフト化が十分に行われないという不都合が生じ、逆に8重量%を超えるとカーボンブラックの導電性を低下させる不都合が生じる。
本発明で使用する導電性カーボンブラックは、樹脂と混合することで高い導電性を付与することが可能なカーボンブラックの内、当該酸素量を含有するカーボンブラックであれば良く、各種公知のもの、例えば、ファーネス系カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどの内、当該酸素量を含有する物、または強制的に酸素官能基を付与することで当該酸素量に達した物を本発明の趣旨を逸脱しない限り制限なく利用できる。
具体的なカーボンブラックとしては、酸素を所定量導入した三菱化学(株)社製「#3030B」や「#3050B」等が利用できる。
具体的なカーボンブラックとしては、酸素を所定量導入した三菱化学(株)社製「#3030B」や「#3050B」等が利用できる。
本発明で使用する導電性カーボンブラックに含有される酸素原子量を1.5〜8重量%にする方法は、特に制限はないが、オゾン含有ガスで処理する方法、過硫酸ナトリウム溶液中で酸化する方法等を挙げることができる。オゾン含有ガスで処理する方法としては、特開2000−17193号公報に開示されているオゾン含有ガスを用いてカーボンブラックを酸化させる方法等を挙げることができる。
導電性カーボンブラックに含有される酸素は、どのような形態で存在しても良く、例えば、カルボキシル基、ケトン基、水酸基など酸素を含有する公知の官能基の形態で存在し、これらの中ではカルボキシル基の形態で存在するものが好ましい。
ここで、カーボンブラック中に含有される酸素原子の量は、カーボンブラックを真空中、950℃までに昇温し、それまでに発生した一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO2)の発生量を求め、それらに含まれる酸素量を合計したものであり、CO及びCO2の発生量の測定法は次の通りである。
カーボンブラックを約0.5g精秤し、石英管に入れ、0.01Torrまで減圧した後、減圧系を閉じ、950℃の電気炉内に30分間保持してカーボンブラックに存在する酸素化合物や水素化合物を分解・揮発させる。揮発成分は定量吸引ポンプを通じて、一定容量のガス捕集管に採取する。圧力と温度からガス量を求めると共に、ガスクロマトグラフにて組成分析し、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO2)の発生量(mg)を求め、カーボンブラック1g当たりからのCO及びCO2に換算した値を計算する(単位はmg/g)。
ここで、カーボンブラック中に含有される酸素原子の量は、カーボンブラックを真空中、950℃までに昇温し、それまでに発生した一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO2)の発生量を求め、それらに含まれる酸素量を合計したものであり、CO及びCO2の発生量の測定法は次の通りである。
カーボンブラックを約0.5g精秤し、石英管に入れ、0.01Torrまで減圧した後、減圧系を閉じ、950℃の電気炉内に30分間保持してカーボンブラックに存在する酸素化合物や水素化合物を分解・揮発させる。揮発成分は定量吸引ポンプを通じて、一定容量のガス捕集管に採取する。圧力と温度からガス量を求めると共に、ガスクロマトグラフにて組成分析し、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO2)の発生量(mg)を求め、カーボンブラック1g当たりからのCO及びCO2に換算した値を計算する(単位はmg/g)。
(c)カップリング剤
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物で用いる(c)カップリング剤は、少なくとも1以上のポリプロピレン系樹脂にグラフト可能な官能基と、少なくとも1以上の酸素原子を有する官能基と、カップリング可能な官能基をもつ化合物である。
ここで、ポリプロピレン系樹脂にグラフト可能な官能基としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、シクロヘキセニル等が挙げられ、酸素原子を有する官能基としては、カルボニル基、水酸基、ケトン基等が挙げられ、カップリング可能な官能基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられる。
配合したカップリング剤に対するグラフト化されたカップリング剤の比率等で表されるグラフト効率の面で下記一般式(I)で表されるエチレン性不飽和性シラン化合物が好ましい。
XmSiR4−m−n(Y)n …(I)
(式中、Xはエチレン性不飽和炭化水素基、Rは脂肪族飽和炭化水素基、Yは酸素原子を有する官能基とカップリング可能な有機基を表し、m、nはそれぞれ1〜3の整数(ただしm+n≦4である。)を表す。)
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物で用いる(c)カップリング剤は、少なくとも1以上のポリプロピレン系樹脂にグラフト可能な官能基と、少なくとも1以上の酸素原子を有する官能基と、カップリング可能な官能基をもつ化合物である。
ここで、ポリプロピレン系樹脂にグラフト可能な官能基としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、シクロヘキセニル等が挙げられ、酸素原子を有する官能基としては、カルボニル基、水酸基、ケトン基等が挙げられ、カップリング可能な官能基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられる。
配合したカップリング剤に対するグラフト化されたカップリング剤の比率等で表されるグラフト効率の面で下記一般式(I)で表されるエチレン性不飽和性シラン化合物が好ましい。
XmSiR4−m−n(Y)n …(I)
(式中、Xはエチレン性不飽和炭化水素基、Rは脂肪族飽和炭化水素基、Yは酸素原子を有する官能基とカップリング可能な有機基を表し、m、nはそれぞれ1〜3の整数(ただしm+n≦4である。)を表す。)
式(I)において、Xのエチレン性不飽和炭化水素基は、好ましくは炭素数が2〜20のエチレン性不飽和結合を有する炭化水素基であり、エチレン性不飽和結合を有する基の例示としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、シクロヘキセニルを例示することができる。また、エチレン性不飽和結合を有する炭化水素基は、酸素含有エチレン性不飽和炭化水素基であっても良く、酸素含有エチレン性不飽和炭化水素基の例としては、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタクリロキシプロピル等を例示することができる。
Rの脂肪族飽和炭化水素基としては、好ましくは炭素数が1〜20の直鎖型アルキル基であり、より好ましくは炭素数が1〜8の直鎖型アルキル基であり、具体的には、メチル、エチル、プロピル、デシル等を例示することができる。また、芳香族系炭化水素基、例えば、フェニル基であっても良い。
Yの酸素原子を有する官能基とカップリング可能な有機基は、好ましくは炭素数が1〜20のアルコシキ基であり、より好ましくは炭素数が1〜6のアルコキシ基である。具体的には、メトキシ、エトキシ、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ等が例示できる。アルコシキ基以外にもアルキルないしアリールアミノ基等が例示できる。
mは、1が好ましい。
Rの脂肪族飽和炭化水素基としては、好ましくは炭素数が1〜20の直鎖型アルキル基であり、より好ましくは炭素数が1〜8の直鎖型アルキル基であり、具体的には、メチル、エチル、プロピル、デシル等を例示することができる。また、芳香族系炭化水素基、例えば、フェニル基であっても良い。
Yの酸素原子を有する官能基とカップリング可能な有機基は、好ましくは炭素数が1〜20のアルコシキ基であり、より好ましくは炭素数が1〜6のアルコキシ基である。具体的には、メトキシ、エトキシ、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ等が例示できる。アルコシキ基以外にもアルキルないしアリールアミノ基等が例示できる。
mは、1が好ましい。
一般式(I)で表されるエチレン性不飽和性シラン化合物の中では、特に好ましくは、Xがビニル基含有炭化水素基であり、Yが炭素数1〜6のアルコキシ基の化合物である。好ましい化合物の具体例としては、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルエチルジメトキシシラン、ビニルジエチルメトキシシラン、ビニルプロピルジメトキシシラン、ビニルジプロピルメトキシシラン、ビニルデシルジメトキシシラン、ビニルジデシルメトキシシラン、等が例示できる。
(d)ラジカル発生剤
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物で用いる(d)ラジカル発生剤は、グラフト反応条件下で前記(a)ポリプロピレン系樹脂に遊離ラジカル部位を発生させる化合物である。代表的なラジカル発生剤としては、ジクミルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシオクテート、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾイソブチロニトリル、メチルアゾイソブチレート等のアゾ化合物等が挙げられる。
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物で用いる(d)ラジカル発生剤は、グラフト反応条件下で前記(a)ポリプロピレン系樹脂に遊離ラジカル部位を発生させる化合物である。代表的なラジカル発生剤としては、ジクミルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシオクテート、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾイソブチロニトリル、メチルアゾイソブチレート等のアゾ化合物等が挙げられる。
(e)熱可塑性エラストマー
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物で用いる(e)熱可塑性エラストマーは、ポリプロピレンに対する親和性を有するエラストマーであれば、特に制限はないが、オレフィン系エラストマーが好ましい。オレフィン系エラストマーとしては、炭素数2〜8のα−オレフィンの共重合体であって、その密度が0.850〜0.930g/cm3であるものが好ましく、これらの混合物であってもよい。密度が0.850g/cm3未満では、エラストマーのハンドリング性が著しく低下するため好ましくない。また密度が0.930g/cm3を超えると、衝撃性の向上効果が低下するため好ましくない。
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物で用いる(e)熱可塑性エラストマーは、ポリプロピレンに対する親和性を有するエラストマーであれば、特に制限はないが、オレフィン系エラストマーが好ましい。オレフィン系エラストマーとしては、炭素数2〜8のα−オレフィンの共重合体であって、その密度が0.850〜0.930g/cm3であるものが好ましく、これらの混合物であってもよい。密度が0.850g/cm3未満では、エラストマーのハンドリング性が著しく低下するため好ましくない。また密度が0.930g/cm3を超えると、衝撃性の向上効果が低下するため好ましくない。
オレフィン系エラストマーとして、炭素数2〜8のα−オレフィンの共重合体を用いる場合、炭素数2〜8のα−オレフィンの共重合体であれば任意の組合せを選択可能であるが、エラストマーとしての衝撃改良効果や分散性を考慮し、とりわけ、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体等のエチレン系エラストマーが特に好適に用いられる。
この様なエチレン系エラストマーでは、エチレンと共重合するコモノマー成分の含量は、10〜50重量%であることが好ましい。コモノマー成分の含量が10重量%未満の場合、十分なゴム弾性を示さず、50重量%を超えると、ガラス転移温度が上昇するため、低温の衝撃性が低下し、夫々好ましくない。
この様なエチレン系エラストマーでは、エチレンと共重合するコモノマー成分の含量は、10〜50重量%であることが好ましい。コモノマー成分の含量が10重量%未満の場合、十分なゴム弾性を示さず、50重量%を超えると、ガラス転移温度が上昇するため、低温の衝撃性が低下し、夫々好ましくない。
エチレン系エラストマーとしては、例えば、三井化学社製「タフマー」、デュポンダウエラストマー社製「エンゲージ」「アフィニティ」、JSR社製「ダイナロン」、住友化学「エスプレン」、日本ポリエチレン社製「カーネル」、エクソンモービルケミカル社製「ビスタロン」「イグザクト」などを例示することが出来る。
(f)その他の成分
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて、導電性熱可塑性樹脂の耐熱性、寸法安定性、剛性、機械的強度を向上させるために、マイカ、ガラス繊維、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ステンレス、酸化銅、ニッケル、酸化ニッケル、ジルコン等の無機系充填材を配合することもできる。これらの無機系充填材は、導電性ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、5〜300重量部の割合で用いるのが望ましい。
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて、導電性熱可塑性樹脂の耐熱性、寸法安定性、剛性、機械的強度を向上させるために、マイカ、ガラス繊維、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ステンレス、酸化銅、ニッケル、酸化ニッケル、ジルコン等の無機系充填材を配合することもできる。これらの無機系充填材は、導電性ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、5〜300重量部の割合で用いるのが望ましい。
また、ポリプロピレン樹脂と導電性カーボンブラック、カップリング剤、オレフィン系エラストマーの混練時の劣化防止や成形性を改良する目的で、公知のフェノール系、リン系等の酸化防止剤、金属石鹸、脂肪酸アマイド誘導体等の滑剤、等の成形助剤や用途に応じて公知の難燃剤や可塑剤等を用いることができる。
2.ポリプロピレン系樹脂組成物の構成成分の組成割合
本発明の導電性ポリプロピレン樹脂組成物は、上記成分(a)〜(e)、必要に応じて、成分(f)を配合して得られるものである。
成分(a)〜(e)の各成分の配合割合は、成分(a)〜(d)の合計が100重量%において、成分(a)は、好ましくは40〜98重量%であり、より好ましくは50〜93重量%であり、成分(b)は、好ましくは1〜30重量%であり、より好ましくは5〜25重量%であり、成分(c)は、好ましくは0.5〜30重量%であり、より好ましくは1〜25重量%であり、成分(d)は、好ましくは0.01〜0.5重量%であり、より好ましくは0.05〜0.2重量%である。
また、成分(e)エラストマーは、成分(a)〜(d)の合計100重量部に対して、好ましくは0.1〜100重量部であり、より好ましくは1〜80重量部である。
本発明の導電性ポリプロピレン樹脂組成物は、上記成分(a)〜(e)、必要に応じて、成分(f)を配合して得られるものである。
成分(a)〜(e)の各成分の配合割合は、成分(a)〜(d)の合計が100重量%において、成分(a)は、好ましくは40〜98重量%であり、より好ましくは50〜93重量%であり、成分(b)は、好ましくは1〜30重量%であり、より好ましくは5〜25重量%であり、成分(c)は、好ましくは0.5〜30重量%であり、より好ましくは1〜25重量%であり、成分(d)は、好ましくは0.01〜0.5重量%であり、より好ましくは0.05〜0.2重量%である。
また、成分(e)エラストマーは、成分(a)〜(d)の合計100重量部に対して、好ましくは0.1〜100重量部であり、より好ましくは1〜80重量部である。
上記範囲において、成分(b)の配合下限値がこの範囲を下回ると、導電性を発現しないという不都合が生じ、逆に上限値を上回ると成形性不良という不都合が生じる可能性が高く好ましくない。
成分(c)の配合下限値がこの範囲を下回ると、ラジカル発生剤の存在下でポリプロピレン樹脂とグラフト化させるためのエチレン性官能基(成分(c)に由来する)を成分(b)導電性カーボンブラックの表面に十分カップリングさせることができず、結果的に本発明の特徴であるモルフォロジーを構成できなくなるという不都合が生じる。逆に上限値を上回ると好ましくない架橋による外観不良を引き起こすおそれもあり、また、そのような架橋を生じない場合であっても反応に関与せず揮発してしまうため、経済的メリットがないため好ましくない。
成分(d)ラジカル発生剤の配合下限値が上述の範囲を下回ると、グラフト化が十分でなくなるため本発明の特徴であるモルフォロジーを発現できなくなるという不都合が生じる。逆に上限値を上回るとポリプロピレンマトリックスの分子主鎖を切断してしまい、結果的に樹脂物性を悪化させるという不都合が生じる。
成分(e)の配合比率が0.1重量部未満の場合、衝撃性が低下し100重量部を超えると、成形体の剛性、耐熱性が著しく低下するため、夫々好ましくない。
成分(c)の配合下限値がこの範囲を下回ると、ラジカル発生剤の存在下でポリプロピレン樹脂とグラフト化させるためのエチレン性官能基(成分(c)に由来する)を成分(b)導電性カーボンブラックの表面に十分カップリングさせることができず、結果的に本発明の特徴であるモルフォロジーを構成できなくなるという不都合が生じる。逆に上限値を上回ると好ましくない架橋による外観不良を引き起こすおそれもあり、また、そのような架橋を生じない場合であっても反応に関与せず揮発してしまうため、経済的メリットがないため好ましくない。
成分(d)ラジカル発生剤の配合下限値が上述の範囲を下回ると、グラフト化が十分でなくなるため本発明の特徴であるモルフォロジーを発現できなくなるという不都合が生じる。逆に上限値を上回るとポリプロピレンマトリックスの分子主鎖を切断してしまい、結果的に樹脂物性を悪化させるという不都合が生じる。
成分(e)の配合比率が0.1重量部未満の場合、衝撃性が低下し100重量部を超えると、成形体の剛性、耐熱性が著しく低下するため、夫々好ましくない。
3.導電性ポリプロピレン系樹脂組成物の製造
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物では、(a)ポリプロピレン系樹脂、(b)酸素原子を1.5〜8重量%含有する導電性カーボンブラック、(c)カップリング剤、(d)ラジカル発生剤、および(e)熱可塑性エラストマーを配合することにより、ポリプロピレン系樹脂がマトリックスとなり、ポリプロピレンマトリックス中に導電性カーボンブラックが選択的に分散した新規で特異的なモルフォロジーを有する樹脂組成物が得られるが、配合の順序に注意を払う必要がある。
具体的には、成分(a)〜(d)を実質的に先に接触させて当該カーボンブラックがグラフト化されたポリプロピレン系樹脂を製造した後に、成分(e)であるエラストマーを添加し、溶融混練して均一に分散させる。
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物では、(a)ポリプロピレン系樹脂、(b)酸素原子を1.5〜8重量%含有する導電性カーボンブラック、(c)カップリング剤、(d)ラジカル発生剤、および(e)熱可塑性エラストマーを配合することにより、ポリプロピレン系樹脂がマトリックスとなり、ポリプロピレンマトリックス中に導電性カーボンブラックが選択的に分散した新規で特異的なモルフォロジーを有する樹脂組成物が得られるが、配合の順序に注意を払う必要がある。
具体的には、成分(a)〜(d)を実質的に先に接触させて当該カーボンブラックがグラフト化されたポリプロピレン系樹脂を製造した後に、成分(e)であるエラストマーを添加し、溶融混練して均一に分散させる。
成分(a)〜(d)を実質的に先に接触させる態様としては、
(i)成分(a)〜(d)を混練機に一括投入する方法、
(ii)成分(b)と成分(c)を反応させた後に、成分(a)を混練機に投入し、最後に成分(d)を投入する方法、
(iii)成分(a)を溶融させた後に、成分(b)〜(d)を投入する方法が挙げられる。
これらの中では、(ii)の方法が好ましい。
(i)成分(a)〜(d)を混練機に一括投入する方法、
(ii)成分(b)と成分(c)を反応させた後に、成分(a)を混練機に投入し、最後に成分(d)を投入する方法、
(iii)成分(a)を溶融させた後に、成分(b)〜(d)を投入する方法が挙げられる。
これらの中では、(ii)の方法が好ましい。
上記(i)〜(iii)の方法を採用する場合は、成分(a)〜(d)を一旦均一溶融混練された導電性カーボンブラックグラフト化ポリプロピレン系樹脂ペレットを成分(e)とブレンドし、別工程での混練する方法や、混練機前段にて成分(a)〜(d)を溶融混練したのち、後段にて成分(e)を投入する方法(いわゆるサイドフィード)によって本発明の導電性ポリプロピレン樹脂を製造することができる。
なお、成分(a)〜(d)を一旦均一溶融混練された導電性カーボンブラックグラフト化ポリプロピレン系樹脂ペレットにグラフト化されていないポリプロピレン系樹脂を配合してもよい。
なお、成分(a)〜(d)を一旦均一溶融混練された導電性カーボンブラックグラフト化ポリプロピレン系樹脂ペレットにグラフト化されていないポリプロピレン系樹脂を配合してもよい。
導電性カーボンブラック(以下、CBということがある。)が組成物を構成するポリプロピレン系樹脂(以下、PPということがある。)と熱可塑性エラストマーのうち、ポリプロピレン系樹脂に選択的に分散するモルフォロジーは、ポリプロピレン系樹脂側導電性カーボンブラック存在率(以下、PP側CB存在率ということがある。)で表すことができる。PP側CB存在率とは、エラストマー粒子側ではなくPPマトリックス側に存在する導電性カーボンブラックの全体に対する存在割合をいう。
PP側CB存在率の算出方法は、サンプルを100nm厚の切片に切り出し、TEMを用いて写真撮影する。得られた写真をパソコンへ取り込み、CB粒子の面積を三谷商事(株)製の画像解析ソフト(商品名 Win ROOF)を用いて画像解析し、PPマトリックス中に存在するCB面積を全CB面積で割った比率として求めた。「PPマトリックス中に存在する」とは、CB粒子が完全にPPマトリックス中に存在するものばかりでなく、TEMにより撮影された写真から確認されるCB粒子のうち、PP側にその一部が存在するものも含まれる。
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物は、PP側CB存在率が90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。PP側CB存在率が90%未満では導電性が低下する場合がある。
PP側CB存在率の算出方法は、サンプルを100nm厚の切片に切り出し、TEMを用いて写真撮影する。得られた写真をパソコンへ取り込み、CB粒子の面積を三谷商事(株)製の画像解析ソフト(商品名 Win ROOF)を用いて画像解析し、PPマトリックス中に存在するCB面積を全CB面積で割った比率として求めた。「PPマトリックス中に存在する」とは、CB粒子が完全にPPマトリックス中に存在するものばかりでなく、TEMにより撮影された写真から確認されるCB粒子のうち、PP側にその一部が存在するものも含まれる。
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物は、PP側CB存在率が90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。PP側CB存在率が90%未満では導電性が低下する場合がある。
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物は、樹脂の溶融温度以上で混練し、冷却後、ペレット状、粉末状、塊状等適当な形状に成形して製造される。混練装置としては、単軸押出機、二軸押出機、2本ロールミル、バンバリーミキサー、インターミックス、加圧ニーダー等の公知の装置を制限なく用いることができる。
本発明の導電性ポリプロピレン樹脂組成物の体積固有抵抗値は、好ましくは10Ω・cm以上109Ω・cm以下であり、より好ましくは10Ω・cm以上108Ω・cm以下である。体積固有抵抗値がこの範囲にあることにより、導電性ポリプロピレン樹脂組成物からの成形体は導電性、静電性の効果を有する。
4.成形体
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物を、インジェクション成形、真空成形、ブロー成形、インフレーション成形等公知の成形法により成形することにより、シート状、フィルム状、板状、異形状等用途に応じた形状の導電性ポリプロピレン系熱可塑性樹脂成形体が得られる。
得られる導電性ポリプロピレン系熱可塑性樹脂成形体は、体積固有抵抗値が10〜109Ω・cmの導電性を有し、自動車部品、電子機器、ICトレイやキャリア、電極、電磁波シールド材への応用等幅広い分野に利用することができる。
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物を、インジェクション成形、真空成形、ブロー成形、インフレーション成形等公知の成形法により成形することにより、シート状、フィルム状、板状、異形状等用途に応じた形状の導電性ポリプロピレン系熱可塑性樹脂成形体が得られる。
得られる導電性ポリプロピレン系熱可塑性樹脂成形体は、体積固有抵抗値が10〜109Ω・cmの導電性を有し、自動車部品、電子機器、ICトレイやキャリア、電極、電磁波シールド材への応用等幅広い分野に利用することができる。
次に実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。なお、組成物の評価方法及び酸素原子含有導電性カーボンブラックの製法は以下の通りである。
1.評価方法
(1)体積固有抵抗:東芝機械製EC100射出成形機を使用し、成形温度220℃、金型温度40℃に設定し、テストピース組金型にて棒状試験片を作成した。作成した棒状射出試験片の両端をカットして50×10×4mmtにしたもので、両端に銀ペーストを塗布し、両端に電気抵抗測定計の電極をあてて、抵抗値を測定し体積換算して求めた。
(2)PP側CB存在率:サンプルを100nm厚の切片に切り出し、TEMを用いて写真撮影する。得られた写真をパソコンへ取り込み、CB粒子の面積を三谷商事(株)製の画像解析ソフト(商品名 Win ROOF)を用いて画像解析し、ポリプロピレンマトリックス中に存在するCB面積を全CB面積で割った比率として求めた。
(3)導電性カーボンブラック中の酸素量測定:カーボンブラックを約0.5g精秤し、石英管に入れ、0.01Torrまで減圧した後、減圧系を閉じ、950℃の電気炉内に30分間保持してカーボンブラックに存在する酸素化合物や水素化合物を分解・揮発させる。揮発成分は定量吸引ポンプを通じて、一定容量のガス捕集管に採取する。圧力と温度からガス量を求めると共に、ガスクロマトグラフにて組成分析し、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO2)の発生量(mg)を求め、カーボンブラック1g当たりからのCO及びCO2に換算した値(単位はmg/g)を計算し、それらに含まれる酸素量を合計して求めた。ガスクロマトグラフはGC−14BPT(島津製作所社製)を使用した。
(1)体積固有抵抗:東芝機械製EC100射出成形機を使用し、成形温度220℃、金型温度40℃に設定し、テストピース組金型にて棒状試験片を作成した。作成した棒状射出試験片の両端をカットして50×10×4mmtにしたもので、両端に銀ペーストを塗布し、両端に電気抵抗測定計の電極をあてて、抵抗値を測定し体積換算して求めた。
(2)PP側CB存在率:サンプルを100nm厚の切片に切り出し、TEMを用いて写真撮影する。得られた写真をパソコンへ取り込み、CB粒子の面積を三谷商事(株)製の画像解析ソフト(商品名 Win ROOF)を用いて画像解析し、ポリプロピレンマトリックス中に存在するCB面積を全CB面積で割った比率として求めた。
(3)導電性カーボンブラック中の酸素量測定:カーボンブラックを約0.5g精秤し、石英管に入れ、0.01Torrまで減圧した後、減圧系を閉じ、950℃の電気炉内に30分間保持してカーボンブラックに存在する酸素化合物や水素化合物を分解・揮発させる。揮発成分は定量吸引ポンプを通じて、一定容量のガス捕集管に採取する。圧力と温度からガス量を求めると共に、ガスクロマトグラフにて組成分析し、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO2)の発生量(mg)を求め、カーボンブラック1g当たりからのCO及びCO2に換算した値(単位はmg/g)を計算し、それらに含まれる酸素量を合計して求めた。ガスクロマトグラフはGC−14BPT(島津製作所社製)を使用した。
2.酸素原子含有導電性カーボンの製造
(製造例1)
三菱化学(株)製ファーネスブラック#3050をキルン中に入れ、外部ヒーターで加熱し450℃とする。オゾン発生装置で作成した10%濃度オゾンをキルン中に1L/分の流量で入れて5分間導入し処理を行った後で取り出し、上記(3)の手法にて酸素量を求めたところ、3.5重量%でありカーボン−1とした。
(製造例1)
三菱化学(株)製ファーネスブラック#3050をキルン中に入れ、外部ヒーターで加熱し450℃とする。オゾン発生装置で作成した10%濃度オゾンをキルン中に1L/分の流量で入れて5分間導入し処理を行った後で取り出し、上記(3)の手法にて酸素量を求めたところ、3.5重量%でありカーボン−1とした。
(製造例2)
三菱化学(株)製ファーネスブラック#3050を濃度0.01mol/リットルの過硫酸ナトリウム溶液に添加し、反応温度60℃、反応時間10時間、攪拌速度500rpmの条件下で酸化処理した。酸化処理後、反応液から限外濾過膜により反応液中に残存する塩を分離した後、110℃で乾燥してカーボン−2とした(酸素量は6.3重量%)。
三菱化学(株)製ファーネスブラック#3050を濃度0.01mol/リットルの過硫酸ナトリウム溶液に添加し、反応温度60℃、反応時間10時間、攪拌速度500rpmの条件下で酸化処理した。酸化処理後、反応液から限外濾過膜により反応液中に残存する塩を分離した後、110℃で乾燥してカーボン−2とした(酸素量は6.3重量%)。
(実施例1)
成分(a)として日本ポリプロ(株)製ポリプロピレン(商品名:ノバテックPP MA03、MFR25g/10分、アイソタクチックペンタッド分率0.982)、成分(b)としてカーボン−1、成分(c)として東京化成製のビニルトリメトキシシラン、成分(d)として日本油脂(株)製のパーヘキサ25Bを表1に示す配合量でブレンドして、日本製鋼所製同方向2軸混練機TEX30にて溶融混練した。混練条件は、シリンダー温度220℃、吐出15kg/hrの条件でスクリュー根本より供給した。
また、溶融混合された以降のスクリュー部分に、成分(e)としてエチレン・1−オクテン共重合体(デュポンダウ社製ENGAGE8200)のみをサイドフィードにより投入し、再度溶融混練しペレットを得た。
得られたペレットを射出成形機にて成形し、棒状の導電性評価試料を得た。また、ペレットより切片を作成してTEM観察を行い、画像解析によりPP側CB存在率を求めた。
結果を表1に示す。
成分(a)として日本ポリプロ(株)製ポリプロピレン(商品名:ノバテックPP MA03、MFR25g/10分、アイソタクチックペンタッド分率0.982)、成分(b)としてカーボン−1、成分(c)として東京化成製のビニルトリメトキシシラン、成分(d)として日本油脂(株)製のパーヘキサ25Bを表1に示す配合量でブレンドして、日本製鋼所製同方向2軸混練機TEX30にて溶融混練した。混練条件は、シリンダー温度220℃、吐出15kg/hrの条件でスクリュー根本より供給した。
また、溶融混合された以降のスクリュー部分に、成分(e)としてエチレン・1−オクテン共重合体(デュポンダウ社製ENGAGE8200)のみをサイドフィードにより投入し、再度溶融混練しペレットを得た。
得られたペレットを射出成形機にて成形し、棒状の導電性評価試料を得た。また、ペレットより切片を作成してTEM観察を行い、画像解析によりPP側CB存在率を求めた。
結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と配合する成分(e)量を変更した以外は同様の手法にて評価試料を得た。結果を表1に示す。
実施例1と配合する成分(e)量を変更した以外は同様の手法にて評価試料を得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1と配合する成分(b)をカーボン−1からカーボン−2へ変更した以外は同様の手法にて評価試料を得た。結果を表1に示す。
実施例1と配合する成分(b)をカーボン−1からカーボン−2へ変更した以外は同様の手法にて評価試料を得た。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1の成分(b)の配合量を増加させた以外は同様の手法にて評価試料を得た。結果を表1に示す。
実施例1の成分(b)の配合量を増加させた以外は同様の手法にて評価試料を得た。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例4の成分(e)の配合量を増加させた以外は同様の手法にて評価試料を得た。結果を表1に示す。
実施例4の成分(e)の配合量を増加させた以外は同様の手法にて評価試料を得た。結果を表1に示す。
(比較例1)
混練機への成分(e)の供給を、スクリュー根本より他成分と一括で行った以外は実施例1と同様の手法にて評価試料を得た。結果を表1に示す。
混練機への成分(e)の供給を、スクリュー根本より他成分と一括で行った以外は実施例1と同様の手法にて評価試料を得た。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で使用した成分(b)を、ケッチェンブラックインターナショナル製ケッチェンブラックEC(カーボン−3:酸素量0.2重量%)に変更した以外は同様の手法にて評価試料を得た。結果を表1に示す。
実施例1で使用した成分(b)を、ケッチェンブラックインターナショナル製ケッチェンブラックEC(カーボン−3:酸素量0.2重量%)に変更した以外は同様の手法にて評価試料を得た。結果を表1に示す。
(比較例3)
成分(c)及び成分(d)を添加しない以外は実施例1と同様の手法にて評価試料を得た。結果を表1に示す。
成分(c)及び成分(d)を添加しない以外は実施例1と同様の手法にて評価試料を得た。結果を表1に示す。
表1に示す結果より、実施例は全て導電性能を有し、エラストマー量による導電変化も少ない。一方、比較例1に示す様にエラストマーを一括混練することでPP側CB存在率が低下して導電不良になるので、分割投入が必要である。
比較例2に示す様に酸素量の少ないカーボンブッラクを添加すると、PP側CB存在率が不十分となり、エラストマー配合による導電性に差が生じる。
また比較例3に示す様にシラン化合物及びラジカル発生剤を添加しないとPP側CB存在率がなく、エラストマー配合による導電性に差が生じる。
比較例2に示す様に酸素量の少ないカーボンブッラクを添加すると、PP側CB存在率が不十分となり、エラストマー配合による導電性に差が生じる。
また比較例3に示す様にシラン化合物及びラジカル発生剤を添加しないとPP側CB存在率がなく、エラストマー配合による導電性に差が生じる。
本発明の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物は、熱可塑性エラストマー配合系で安定した導電性を発揮しするポリプロピレンマトリックスに導電性カーボンブラックを分散させた導電性ポリプロピレン樹脂組成物であるので、引張伸びの向上や平面衝撃の向上が期待でき、自動車部品、電子機器、ICトレイやキャリア、電極、電磁波シールド材への応用等幅広い分野に利用することができる。
Claims (7)
- (a)ポリプロピレン系樹脂、(b)酸素原子を1.5〜8重量%含有する導電性カーボンブラック、(c)少なくとも1以上のポリプロピレン系樹脂にグラフト可能な官能基と、1以上の酸素原子を有する官能基と、カップリング可能な官能基を持つカップリング剤、(d)ラジカル発生剤、および(e)熱可塑性エラストマーを配合して得られるポリプロピレン系樹脂組成物であって、体積固有抵抗値が10Ω・cm以上109Ω・cm以下であり、ポリプロピレン中に導電性カーボンブラックが分散している形態であることを特徴とする導電性ポリプロピレン系樹脂組成物。
- (c)カップリング剤が、下記一般式(I)
XmSiR4−m−n(Y)n …(I)
(式中、Xはエチレン性不飽和炭化水素基、Rは脂肪族飽和炭化水素基、Yは酸素原子を有する官能基とカップリング可能な有機基を表し、m、nはそれぞれ1〜3の整数(ただしm+n≦4である。)を表す。)
で表されるエチレン性不飽和性シラン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物。 - (a)ポリプロピレン系樹脂が、ポリプロピレン単独重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物。
- (e)熱可塑性エラストマーが、エチレン単位を含有する熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物。
- 成分(a)〜成分(d)の合計100重量%において、成分(a)が40〜98重量%、成分(b)が1〜30重量%、成分(c)が0.5〜30重量%、成分(d)が0.01〜0.5重量%の割合で配合され、かつ成分(a)〜成分(d)の合計100重量部に対して、成分(e)が0.1〜100重量部の割合で配合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物。
- 成分(a)がマトリックスとなり、成分(b)がポリプロピレンマトリックス中に90%以上存在する形態であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物。
- 成分(a)〜成分(d)を溶融混練した後に、成分(e)を添加、溶融混練することによって製造されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性ポリプロピレン系樹脂組成物。
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