JP2006160154A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 駆動時、制動時の耐ハイドロプレーニング性をバランス良くかつ高く発揮しながら、ドライグリップ性能、及び耐摩耗性能を向上させる。
【解決手段】 縦主溝に代えて、直線状に傾く直線傾斜部10を含む傾斜主溝9を設けた。中央領域Ycの海面積比Scと、ショルダ領域Ysの海面積比Ssとの比Ss/Scを70〜90%とした。前記傾斜主溝9の周方向に対する角度θは、中央領域Ycにおいては0〜70°、特に直線傾斜部10では35〜70°の範囲、ショルダ領域Ysにおいては0〜90°、特に直線傾斜部10では50〜90°の範囲とする。車両外側のショルダ領域Ysoは、車両外側に向って凸となりかつ角度θが10°以下となる凸円弧部11を含まない。傾斜主溝9のうちの回転方向傾斜部分9fの溝面積の総和Sfと、非回転方向傾斜部分9rの溝面積の総和Srとの比Sr/Sfを90〜150%とした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、特に公道走行に際して優れたウエットグリップ性能(耐ハイドロプレーニング性能)を充分に確保しながら、例えばサーキット競技及びジムカーナ競技等のレース走行に際して高いドライグリップ性能と耐摩耗性能とを発揮しうる空気入りタイヤに関する。
公道での走行に加え、サーキット競技及びジムカーナ競技等のレース走行も前提とした高性能タイヤのトレッドパターンとして、図7(A)に例示する如く、ドライグリップ性能の向上を主目的としたS字状パターン、及び図7(B)に例示する如く、ウエットグリップ性能とドライグリップ性能との双方を向上させたV字状パターンが広く使用されている(例えば特許文献1参照)。
特開2000−127715号公報(図2、図8)
しかし前記S字状パターンのものは、横向き加速度(横G)に対するブロック全体の剛性は高いものの、S字状溝aが湾曲する湾曲部分のうちで、特に車両装着時に車両外側に向って凸となる凸湾曲部分p1において、摩耗が早く進行する傾向がある。とりわけこの摩耗は、車両外側のショルダ領域Ysに位置する凸湾曲部分p1sで顕著に発生する。
これに対し、前記V字状パターンのものは、耐ハイドロプレーニング性能は良好なものの、特に摩擦係数μの高い路面、例えば競技コースなどを高い横Gでレース走行する場合には、車両外側のトレッド半部分toにおける横剛性が充分とはいえず、トレッドゴムの配合、構造の変更などによっても、走破タイムのさらなる短縮を難しいものとしている。またV字状溝bのうち、前記車両外側のトレッド半部分toにおいて、周方向に対する角度θが35°以下となる溝部分b1で摩耗が早く進行するという問題がある。さらにV字状溝bが方向性を有するため、例えば駆動時における耐ハイドロプレーニング性能は良好であるが、制動時の耐ハイドロプレーニング性能を不足させるなどアンバランスとなる傾向が強い。
そこで本発明は、駆動時、制動時の耐ハイドロプレーニング性をバランス良くかつ高く発揮しながら、ドライグリップ性能、及び耐摩耗性能の一層の向上を図りうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部に、周方向に実質的に連続してのびる縦主溝を有することなく、周方向に対して直線状に傾く直線傾斜部を含む傾斜主溝を設けた空気入りタイヤであって、
前記トレッド部は、タイヤ赤道を中心としたトレッド巾の50%の中央領域におけるトレッドパターンの海面積比Scと、その両外側のショルダ領域におけるトレッドパターンの海面積比Ssとの比Ss/Scが70〜90%であり、
かつ前記傾斜主溝は、前記中央領域においては、周方向に対する角度を0〜70°の範囲しかも前記直線傾斜部では35〜70°の範囲とし、かつ前記ショルダ領域においては、周方向に対する角度を0〜90°の範囲しかも前記直線傾斜部では50〜90°の範囲とするとともに、
前記傾斜主溝は、車両装着時に車両外側に向く外のショルダ領域においては、車両外側に向って凸となりかつ周方向に対する角度が10°以下となる凸円弧部を含むことがなく、
しかも前記傾斜主溝のうち、タイヤ赤道からトレッド端に向かってタイヤ回転方向に傾斜する回転方向傾斜部分の溝面積の総和Sfと、非回転方向に傾斜する非回転方向傾斜部分の溝面積の総和Srとの比Sr/Sfを90〜150%としたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記傾斜主溝は、中央領域のうちで車両外側に向く外の中央領域部において、車両外側に向って凸となりかつ周方向に対する角度が10°以下となる凸円弧部を含まないことを特徴としている。
なお前記「トレッド巾」とは、正規リムにリム組しかつ正規内圧を充填した正規内圧状態のタイヤに正規荷重を付加して平面に接地させたときのトレッド接地端間のタイヤ軸方向の巾を意味する。また前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。また前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" を意味するが、乗用車用タイヤの場合には180kPaとする。又前記「正規荷重」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"に0.88を乗じた荷重を意味する。
本発明は叙上の如く構成しているため、駆動時、制動時の耐ハイドロプレーニング性をバランス良くかつ高く発揮しながら、ドライグリップ性能、及び耐摩耗性能をより向上させることができる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は本発明の空気入りタイヤの子午断面を示し、図2はそのトレッドパターンを示す。
図1において、空気入りタイヤ1は、公道走行と、サーキット競技やジムカーナ競技等のレース走行との双方を前提とした高性能タイヤであって、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るラジアル構造のカーカス6を具える。
又該カーカス6の外側かつトレッド部2の内方には、ベルト層7が巻装され、そのタガ効果によって、タイヤ断面高さHとタイヤ巾Wとの比である偏平率H/Wを、本例では50%以下、例えば40%に拘束している。これによって、タイヤ剛性を高める一方、広いトレッド巾TWを確保して、高速性能及び操縦安定性を向上している。
又前記トレッド部2には、図2に示すように、周方向に実質的に連続してのびる縦主溝を有することなく、周方向に対して傾いてのびる複数の傾斜主溝9からなる略横向きV字状模様のトレッドパターンが形成される。なお図2には、車両装着時に車両外側となる外のトレッド接地端Eoを右側、車両内側となる内のトレッド接地端Eiを左側に向けて図示しており、又トレッド接地面のうちの、タイヤ赤道Cを中心としたトレッド巾TWの50%巾を中央領域Yc、その両外側をショルダ領域Ysとして図示している。
そして本実施形態では、前記傾斜主溝9は、周方向に対して直線状に傾く直線傾斜部10を含み、前記中央領域Ycにおいては、周方向に対する角度θを0〜70°の範囲、しかも前記直線傾斜部10では35〜70°の範囲としている。又前記ショルダ領域Ysにおいては、周方向に対する角度θを0〜90°の範囲、しかも前記直線傾斜部10では50〜90°の範囲としている。さらに、前記傾斜主溝9では、車両装着時に車両外側に向く外のショルダ領域Ysoにおいては、車両外側に向って凸となり、かつタイヤ周方向に対する角度θが10°以下となる凸円弧部11を含むことなく構成される。
なお前記角度θは、傾斜主溝9の溝中心線の周方向に対する角度であって、溝中心線が曲線の場合には、その接線の周方向に対する角度を意味する。
次に前記傾斜主溝9を具体的に説明する。本例では、傾斜主溝9が、
(1)タイヤ赤道C近傍に円弧状の頂部20を有し、かつ該頂部20から、前記内のトレッド接地端Eiに向かってタイヤの回転方向F側および非回転方向R側にそれぞれ傾斜してのびる一対の傾斜部21f、21rを設けた略横向きV字状の第1の傾斜主溝9A、 (2)前記第1の傾斜主溝9Aに、前記内のトレッド接地端Ei側で隣設する略横向きV字状の第2の傾斜主溝9B、
(3)前記第1の傾斜主溝9Aに、前記非回転方向R側で隣設するとともに、前記外のトレッド接地端Eo側から内のトレッド接地端Ei側に向かって非回転方向Rに傾斜してのびる第3の傾斜主溝9C、
(4)前記第1の傾斜主溝9Aとは、タイヤ赤道Cを中心とした略線対称形状をなす第4の傾斜主溝9D、
(5)前記第2の傾斜主溝9Bとは、タイヤ赤道Cを中心とした略線対称形状をなす第5の傾斜主溝9E、及び
(6)前記第3の傾斜主溝9Cとは、タイヤ赤道Cを中心とした略線対称形状をなす第6の傾斜主溝9F、
から構成された場合を例示している。
なお前記第4〜6の傾斜主溝9D〜9Fは、前記第1〜3の傾斜主溝9A〜9Cに対して、それぞれ、トレッドパターンの模様構成単位の周方向ピッチP(パターンピッチP)の1/2をタイヤ周方向に位置ズレしている。又各傾斜主溝9A〜9Fは、互いに交差させず、しかもその一端をトレッド接地面内で終端させ、かつ他端をトレッド接地端Ei又はEoで開口させた一端閉止の溝とするのが、パターン剛性とウエットグリップ性能との観点から好ましい。
又図3に示すように、前記第1の傾斜主溝9Aでは、前記頂部20は、車両外側に向って凸となる半円弧状の凸円弧部11をなし、車両装着時に車両外側に向く外の中央領域Ycoに配される。この凸円弧部11における前記角度θは、0〜70°、好ましくは0〜35°の範囲であり、又車両外側に向って最も凸となる凸点位置Qにおいては0°としている。
又前記一方、他方の傾斜部21f、21rは、前記内のトレッド接地端Eiに向かって回転方向F側および非回転方向R側にそれぞれ直線状に傾斜してのびる直線傾斜部10a、10bを含む。そして、例えば一方の直線傾斜部10aには、内のトレッド接地端Eiまで前記角度θを増大させながら円弧状に湾曲してのびる湾曲部12を延設している。各直線傾斜部10a、10bの前記角度θは、本例では50〜70°(例えば60°)であって、それぞれ内の中央領域Yciをこえて内のショルダ領域Ysi内まで延在している。
従って第1の傾斜主溝9Aでは、前記中央領域Ycにおいては、周方向に対する前記角度θが0〜70°の範囲であり、しかも前記直線傾斜部10a、10bでは前記角度θが50〜70°(例えば60°)と35〜70°の範囲内としている。又前記ショルダ領域Ysにおいては、前記角度θが50°以上と0〜90°の範囲内であり、しかも前記直線傾斜部10a、10bでは前記角度θが50〜70°(例えば60°)と50〜90°の範囲内に設定されている。
次に前記第2の傾斜主溝9Bは、前記第1の傾斜主溝9Aと、略同構成であり、中央領域Yciとショルダ領域Ysiとの境界線近傍に頂部22を有し、かつ該頂部22から、前記内のトレッド接地端Eiに向かってタイヤの回転方向F側および非回転方向R側にそれぞれ傾斜してのびる一対の傾斜部23f、23rを設けた略横向きV字状をなす。この頂部22も、車両外側に向って凸となる半円弧状の凸円弧部11をなし、その凸点位置Qにおいて前記角度θを0°としている。
又前記一方、他方の傾斜部23f、23rは、前記内のトレッド接地端Eiに向かって回転方向F側および非回転方向R側にそれぞれ直線状に傾斜してのびる直線傾斜部10c、10dを含み、例えば他方の直線傾斜部10dには、内のトレッド接地端Eiまで、前記角度θを増大させながら円弧状にのびる湾曲部12を延設している。各直線傾斜部10c、10dは、本例では、タイヤ周方向に対する角度θが50〜70°であって、内のショルダ領域Ysi内に配されている。
従って第2の傾斜主溝9Bでは、前記中央領域Ycにおいては、凸円弧部11のみが存在し、前記角度θを0〜70°の範囲内としている。又前記ショルダ領域Ysにおいては、前記角度θが50°以上と0〜90°の範囲内であり、しかも前記直線傾斜部10c、10dでは50〜70°と50〜90°の範囲内に設定されている。
次に前記第3の傾斜主溝9Cは、外のトレッド接地端Eo側から内のトレッド接地端Ei側に向かって非回転方向Rに傾斜してのびる傾斜部24から形成される。この傾斜部24は、本例では、外のショルダ領域Yso内の一端から内のショルダ領域Ysi内の他端まで直線状に傾斜する直線傾斜部10eを含み、例えばその他端側には、内のトレッド接地端Eiまで、前記角度θを増大させながら円弧状にのびる湾曲部12を延設している。この直線傾斜部10eも、本例では、タイヤ周方向に対する角度θが50〜70°であって、外のショルダ領域Yso、中央領域Yc、及び内のショルダ領域Ysiを延在している。
従って、前記第3の傾斜主溝9Cでは、中央領域Ycにおいては、直線傾斜部10eのみが存在し、前記角度θが50〜70°となるなど35〜70°の範囲内としている。又ショルダ領域Ysにおいては、前記角度θが50°以上と0〜90°の範囲内であり、しかも直線傾斜部10eでは50〜70°と50〜90°の範囲内に設定されている。
又第4の傾斜主溝9Dは、前記第1の傾斜主溝9Aとは、タイヤ赤道Cを中心とした略線対称形状をなし、図4に示すように、タイヤ赤道C近傍に位置する円弧状の頂部30から、前記外のトレッド接地端Eoに向かってタイヤの回転方向F側および非回転方向R側にそれぞれ傾斜してのびる一対の傾斜部31f、31rを具える。前記頂部30は、車両外側に向って凹となる半円弧状の凹円弧部13をなし、内の中央領域Yciに配されるとともに、車両外側に向って最も凹となる凹点位置Kにおいて、前記角度θを0°としている。又前記一方、他方の傾斜部31f、31rは、外のトレッド接地端Eoに向かって直線状に傾斜する直線傾斜部10f、10gを含み、一方の直線傾斜部10fには、外のトレッド接地端Eoまで、前記角度θを増大させる湾曲部14を延設している。各直線傾斜部10f、10gの前記角度θも、本例では50〜70°(例えば60°)であって、それぞれ外の中央領域Ycoをこえて外のショルダ領域Yso内まで延在している。従って、第4の傾斜主溝9Dでも、前記中央領域Ycにおいては、前記角度θが0〜70°、特に直線傾斜部10f、10rでは35〜70°の範囲とし、又前記ショルダ領域Ysにおいては、前記角度θが0〜90°、特に直線傾斜部10f、10rでは50〜90°の範囲としている。
又前記第5の傾斜主溝9Eは、前記第2の傾斜主溝9Bとは、タイヤ赤道Cを中心とした略線対称形状をなし、中央領域Ycoとショルダ領域Ysoとの境界線近傍に位置する頂部32から、前記外のトレッド接地端Eoに向かってタイヤの回転方向F側および非回転方向R側にそれぞれ傾斜してのびる一対の傾斜部33f、33rを具える。この頂部32も、車両外側に向って凹となる半円弧状の凹円弧部13をなし、外の中央領域Ycoに配されるとともに、車両外側に向って最も凹となる凹点位置Kにおいて、前記角度θを0°としている。又前記一方、他方の傾斜部33f、33rは、外のトレッド接地端Eoに向かって直線状に傾斜する直線傾斜部10h、10iを含み、他方の直線傾斜部10iには、外のトレッド接地端Eoまで、前記角度θを増大させる湾曲部14を延設している。各直線傾斜部10h、10iの前記角度θも、本例では50〜70°であって、外のショルダ領域Yso内に配されている。従って、第5の傾斜主溝9Eでも、前記中央領域Ycにおいては、凹円弧部13のみが存在して前記角度θを0〜70°の範囲とするとともに、ショルダ領域Ysにおいては、前記角度θが0〜90°、特に直線傾斜部10h、10iでは50〜90°の範囲としている。
又前記第6の傾斜主溝9Fは、前記第3の傾斜主溝9Cとは、タイヤ赤道Cを中心とした略線対称形状をなし、外のトレッド接地端Eo側から内のトレッド接地端Ei側に向かって回転方向Fに傾斜してのびる傾斜部34から形成される。この傾斜部34は、本例では、外のショルダ領域Yso内の一端から内のショルダ領域Ysi内の他端まで直線状に傾斜する直線傾斜部10jを含み、例えばその一端側には、外のトレッド接地端Eoまで、前記角度θを増大させる湾曲部14を延設している。この直線傾斜部10jの前記角度θも本例では50〜70°であって、外のショルダ領域Yso、中央領域Yc、及び内のショルダ領域Ysiを延在している。従って、前記第6の傾斜主溝9Fでは、中央領域Ycにおいては、直線傾斜部10jのみが存在して前記角度θを35〜70°の範囲とするとともに、ショルダ領域Ysにおいては、前記角度θが0〜90°、特に直線傾斜部10jでは50〜90°の範囲としている。
又本例の傾斜主溝9では、第1、第2の傾斜主溝9A、9Bに、車両外側に向って凸る凸円弧部11が形成されるが、この凸円弧部11は、外の中央領域Yco、内の中央領域Yciに位置している。即ち、傾斜主溝9は、外のショルダ領域において凸円弧部11を含むことなく形成されている。
次に、傾斜主溝9による作用効果について説明する。
まず前記傾斜主溝9を用いた本実施形態のトレッドパターンでは、周方向に連続してのびる縦主溝を持たないため、パターン横剛性を充分に確保することができる。従って、高い横Gが作用するレース走行等においても高いドライグリップ性能を発揮しうると同時に早期摩耗の原因となる周方向の溝エッジを排除し、耐摩耗性能の向上を図ることができる。
又傾斜主溝9に直線傾斜部10を設けているため、排水抵抗を最少に抑えることができる。しかも高い排水性が要求される中央領域Ycにおいて、直線傾斜部10の周方向に対する前記角度θを35〜70°としているため、タイヤ前方への排水効果の充分な確保を可能としている。なお前記角度θが35°未満ではパターン横剛性が減じて充分な横グリップが得られず、しかも直線傾斜部10の溝エンジで早期摩耗が起こりやすくなる。逆に70°を越えると、排水効果が減じ充分なウエットグリップ性能が得られなくなる。このような観点から、直線傾斜部10の中央領域Ycにおける前記角度θの下限値を、45°以上、上限値を60°以下とするのが好ましい。
他方、ショルダ領域Ysにおいては、ウエット時のタイヤ前方への排水への寄与が少なく、逆にドライ路面でのコーナ−リング時に受ける接地圧及び横力は、前記中央領域Ycよりも大となる。従って、ショルダ領域Ysでは、前記直線傾斜部10の角度θを50°以上とすることで、パターン横剛性を高めている。50°未満では、パターン横剛性が不足し、横グリップを含むドライグリップ性能を高く発揮することができなくなる。このような観点から、直線傾斜部10のショルダ領域Ysにおける前記角度θの下限値を、55°以上とするのが好ましい。
又前記コーナ−リング時に受ける接地圧及び横力は、Yso>Yco>Yci>Ysi の順で外のショルダ領域Ysoが最も高くなる。従って、もしこの外のショルダ領域Ysoに、前記凸円弧部11がある場合には、前記角度θが10°以下となる凸点位置Q近傍において、早期摩耗が発生し耐摩耗性を著減する傾向となる。しかし本実施形態では、少なくとも外のショルダ領域Ysoにおいて前記凸円弧部11を排除しているため、この種の早期摩耗の発生を抑制することができる。
なお前記第5の傾斜主溝9Eでは、中央領域Ycoとショルダ領域Ysoとの境界線近傍に、車両外側に向って凹となる凹円弧部13があり、この凹円弧部13においても、その凹点位置K近傍では前記角度θが10°以下となる。しかし、凹円弧部13は、外のトレッド接地端Eoに向かって広がる略横向きV字状の頂部をなすため、横剛性は、凸円弧部11の場合に比して大であり、横力に対する変形が小さい。従って、凹円弧部13を起点とする早期摩耗は、発生し難く、外のショルダ領域Ysoに、凹円弧部13が配されることはかまわない。
なお耐摩耗性の観点から各直線傾斜部10は、本例の如く互いに平行に形成するのが好ましい。
又前記傾斜主溝9の採用により、ドライグリップ性能と耐摩耗性能とを大巾に向上しうるが、本実施形態ではさらなる向上を図るため、前記中央領域Ycにおけるトレッドパターンの海面積比Scと、ショルダ領域Ysにおけるトレッドパターンの海面積比Ssとの比Ss/Scを70〜90%に設定している。これは、ウエット時のタイヤ前方への排水への寄与が小なショルダ領域Ysでの海面積比Ssを、寄与が大な中央領域Ycでの海面積比Scの70〜90%と低くすることで、横グリップを含むドライグリップ性能さらに効果的に高めることができるからである。前記比Ss/Scが70%未満では、ウエットグリップ性能が不足し、逆に90%を越えるとドライグリップ性能の向上効果が不十分となる。
このとき、トレッド接地面全体における海面積比Sは、公道走行とレース走行との双方を前提とした従来的な高性能タイヤと同様、0.15〜0.4の範囲とするのが好ましく、0.15未満では、公道走行でのウエットグリップ性能が不十分となり、0.4を越えると、レース走行でのドライグリップ性能が不十分となる。なお海面積比は、周知の如く、トレッドパターンの全面に占めるトレッド溝の溝面積の割合を意味する。
又公道走行とレース走行との双方を前提とした高性能タイヤでは、駆動時と制動時とのウエットグリップ性能をバランス良く高めることが必要である。そのため、本実施形態では、図5に示すように、前記傾斜主溝9のうち、タイヤ赤道Cからトレッド接地端Eに向かって回転方向Fに傾斜する回転方向傾斜部分9fの溝面積の総和Sfと、非回転方向Rに傾斜する非回転方向傾斜部分9rの溝面積の総和Srとの比Sr/Sfを90〜150%に設定している。
ここで非回転方向傾斜部分9rで構成される縦V字状のトレッドパターン(例えば図7(B)のパターン)では、駆動時のタイヤ前方への排水性は良いが、制動時の排水性は悪い。そこで前記比Sr/Sfを90〜150%の範囲とすることにより、制動時のタイヤ前方ヘの排水性を高める。90%未満では、駆動時の排水性が不足し、150%を越えると制動時の排水性が不十分となる。なお前記比Sr/Sfが100%に近づくにつれ、トレッドパターンが横向きV字状模様となるため、ドライ路面で旋回する際に得られるコーナリングフォースの、制動時、駆動時での差が少なくなり、走行の安定を高めることができる。このような観点から、前記比Sr/Sfの下限値を98%以上、上限値を140%以下とするのが好ましい。
次に、図6に本発明の他の実施例を例示する。図において、第1の傾斜主溝9Aは、前記凸円弧部11の凸点位置Q近傍に切り欠き部15を設け、前記角度θが10°以下となる部分を削除している。従って、凸円弧部11を起点とした早期摩耗を抑制することができ、耐摩耗性をいっそう向上させることができる。
又本例では、傾斜主溝9における直線傾斜部10が一本の直線状にのびた好ましい場合を例示しているが、前記直線傾斜部10のうち、中央領域Ycを通る溝部分の角度θと、ショルダ領域Ysを通る溝部分の角度θとをそれぞれ前記角度範囲内で相違させた折れ線状に形成することもできる。このとき各溝部分を、曲線部分で連結しても良い。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、一般の乗用車用タイヤとして形成しうる等、種々の態様に変形して実施しうる。
図2に示すトレッドパターンを基本とした、タイヤサイズ255/40R17をタイヤを表1の仕様で試作し、ドライグリップ性能、ウエットグリップ性能、及び耐摩耗性を比較例品と比較した。なおトレッドパターン以外は同仕様である。
(1)ドライグリップ性能、及びウエットグリップ性能;
試供タイヤを、リム(9J×17)、内圧(230kPa)の条件で全輪に装着した乗用車両(2000cc)を用い、JAF公認のジムカーナコースにおいてジムカーナ走行を行い、ドライ時、ウエット時における走破タイムを測定した。なお走破タイムは、2回のタイムアタック中のベストタイムを記載した。走破タイムが短いほど、グリップ性能に優れている。
(2)耐摩耗性;
前記ドライグリップ性能、及びウエットグリップ性能のテスト後の摩耗状態を目視検査により、比較例1を3点とした5点法によって評価した。数値が大なほど耐摩耗性に優れている。
Figure 2006160154
本発明の一実施例のタイヤの断面図である。 そのトレッドパターンを示す展開図である。 第1〜3の傾斜主溝を説明する展開図である。 第4〜6の傾斜主溝を説明する展開図である。 傾斜主溝のうちの回転方向傾斜部分と、非回転方向傾斜部分とを示す展開図である。 本発明のトレッドパターンの他の実施例を示す展開図である。 (A)、(B)は高性能タイヤに用いられる従来のトレッドパターンを例示する展開図である。
符号の説明
2 トレッド部
9 傾斜主溝
9f 回転方向傾斜部分
9r 非回転方向傾斜部分
10 直線傾斜部
11 凸円弧部
Yc 中央領域
Yci 外の中央領域部
Ys ショルダ領域
Yso 外のショルダ領域

Claims (2)

  1. トレッド部に、周方向に実質的に連続してのびる縦主溝を有することなく、周方向に対して直線状に傾く直線傾斜部を含む傾斜主溝を設けた空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部は、タイヤ赤道を中心としたトレッド巾の50%の中央領域におけるトレッドパターンの海面積比Scと、その両外側のショルダ領域におけるトレッドパターンの海面積比Ssとの比Ss/Scが70〜90%であり、
    かつ前記傾斜主溝は、前記中央領域においては、周方向に対する角度を0〜70°の範囲しかも前記直線傾斜部では35〜70°の範囲とし、かつ前記ショルダ領域においては、周方向に対する角度を0〜90°の範囲しかも前記直線傾斜部では50〜90°の範囲とするとともに、
    前記傾斜主溝は、車両装着時に車両外側に向く外のショルダ領域においては、車両外側に向って凸となりかつ周方向に対する角度が10°以下となる凸円弧部を含むことがなく、
    しかも前記傾斜主溝のうち、タイヤ赤道からトレッド端に向かってタイヤ回転方向に傾斜する回転方向傾斜部分の溝面積の総和Sfと、非回転方向に傾斜する非回転方向傾斜部分の溝面積の総和Srとの比Sr/Sfを90〜150%としたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記傾斜主溝は、中央領域のうちで車両外側に向く外の中央領域部において、車両外側に向って凸となりかつ周方向に対する角度が10°以下となる凸円弧部を含まないことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
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