JP2006159982A - シートベルト用リトラクター - Google Patents

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Masanari Nishikawa
真生 西川
Seina Hayashi
静奈 林
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Abstract

【課題】プリテンショナー機構の影響を可及的に防止しつつ衝撃吸収動作を行わせること。
【解決手段】巻取ドラム20が回転自在に支持されると共に、巻取ドラム20にトーションバー50が遊挿されている。トーションバー50の一端部が巻取ドラム20の一端部に連結されると共に、トーションバー50の他端部がモーター式の第2プリテンショナー機構100及び緊急ロック動作機構30に連結されている。第2プリテンショナー機構100動作後には、緊急ロック動作機構30によりトーションバー50の他端部の回転が抑止された状態で、該トーションバー50をねじれ変形させつつ巻取ドラム20がウエビング引出し方向に回転して、衝撃吸収動作を行う。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両衝突時等の緊急時に、ウエビングの弛みを除去するためのシートベルト用リトラクターに関する。
この種のシートベルト用リトラクターとして、特許文献1に開示のものがある。
特許文献1に開示のリトラクターでは、巻取軸の一端側にプリテンショナーが設けられている。プリテンショナーでは、緊急時に着火によりガスを発生させ、このガスをシリンダ内に導いてピストンを押圧駆動する。この際、ピストンを巻取軸の一端部に歯合させることで、巻取軸を回転させてシートベルトの弛みを除去するようにしている。
また、シートベルトの巻取後には、巻取軸を逆転させてシートベルトを徐々に繰り出し、乗員にかかる衝撃を緩和するようにしている(衝撃吸収動作)。
特開平10−67300号公報
しかしながら、特許文献1に開示のリトラクターでは、衝撃吸収動作時にも、巻取軸の一端部にプリテンショナー側のピストンが係合し合ったままとなっている。この状態で、ウエビングが所定値を超える力で引出されると、巻取軸がウエビング引出し方向へ回動させられ、係合状態のピストンは初期位置に戻ろうとする。このとき、プリテンショナーの機構を駆動させるための抵抗が生じる。また、ピストンが初期位置に戻るときに、シリンダ内にガスが残っておりピストンの移動を妨げる。また、そのガスを排出するためのガス抜き手段も必要となる。このため、衝撃吸収用の機構を設計するにあたって、プリテンショナーによる影響をも考慮する必要があった。
そこで、本発明は、プリテンショナー機構の影響を可及的に防止しつつ衝撃吸収動作を行わせることができる技術を提供することを目的とする。
この発明の第1の態様は、緊急時に弛みを除去するようにウエビングを巻取り、さらに、乗員に加わる衝撃を緩和するようにウエビングを徐々に繰り出すシートベルト用リトラクターであって、一対の側部を有するハウジングと、ウエビングが巻装された状態で前記一対の側部間に回転自在に支持されると共にウエビングの巻取方向へ付勢された巻取ドラムと、車両の緊急時に起動するロック起動機構と、前記ロック起動機構の起動により車両の緊急時に前記巻取ドラムがウエビング引出し方向に回転するのを抑止するロック動作を行うロック動作機構と、前記巻取ドラムに固定されたドラム固定部と、前記ロック機構と相対回転不能に結合されると共に前記ロック機構の前記ロック動作により回転を抑止される回転抑止端部とを有し、前記回転抑止端部の回転が抑止された状態で前記ウエビングが引出されることで、衝撃吸収動作を行う衝撃吸収機構と、車両の緊急時にモータ部を駆動させて前記ロック機構のうち前記回転抑止端部と相対回転不能に結合された部分を介して前記巻取ドラムをウエビング巻取方向に回転させるプリテンショナー機構と、を備えたものである。
この場合に、前記衝撃吸収機構は、前記巻取ドラムに挿入され、その一端部のドラム固定部が前記巻取ドラムの一端部側に相対回転不能に結合されると共に、その他端部の回転抑止端部が前記ロック機構に相対回転不能に結合されるトーションバーであってもよい。
この発明のシートベルト用リトラクターによると、プリテンショナー機構は、車両の緊急時に、車両の緊急時にモータ部を駆動させて前記ロック機構のうち前記回転抑止端部と相対回転不能に結合された部分を介して前記巻取ドラムをウエビング巻取方向に回転させることで、ウエビングの巻取を行う。そして、ウエビングを巻取った後、前記回転抑止端部の回転が抑止された状態で前記ウエビングが引出されることで、衝撃吸収動作を行う。このため、プリテンショナー機構の影響を可及的に防止しつつ衝撃吸収動作を行わせることができる。
また、前記衝撃吸収機構は、前記巻取ドラムに挿入され、その一端部のドラム固定部が前記巻取ドラムの一端部側に相対回転不能に結合されると共に、その他端部が前記ロック機構に相対回転不能に結合されるトーションバーであると、そのトーションバー自体がねじれ変形することで、衝撃を吸収することができる。
<全体構成の説明>
以下、この発明の実施形態に係るシートベルト用リトラクターについて説明する。
図1はリトラクターの全体構成を示す分解斜視図であり、図2はリトラクターの全体構成を示す断面図である。なお、説明の便宜上、図2では一部構成要素が省略されている。
このリトラクターは、車両等の座席に備えられるシートベルト装置に適用されるものであり、通常状態では、シートベルトとしてのウエビングを引出し自在に収容している。そして、車両衝突時等の緊急時には、乗員を効果的に拘束するため、弛みを除去するようにウエビングを巻取り、その後、乗員に加わる衝撃を緩和するようにウエビングを徐々に繰り出すようになっている。
本実施形態におけるのリトラクターは、ハウジング10と、巻取ドラム20と、緊急ロック動作機構30と、衝撃吸収機構としてのトーションバー50と、ガス圧を利用した第1プリテンショナー機構60と、モータを利用した第2プリテンショナー機構100とを備えて構成されている。ここでは、巻取ドラム20の一端側に第1プリテンショナー機構60が設けられ、巻取ドラム20の他端側に緊急ロック動作機構30及び第2プリテンショナー機構100が設けられた構成とされている。以下、各構成要素毎に説明する。
<各構成要素の説明>
<巻取ドラム及び衝撃吸収機構、ハウジングの説明>
図1及び図2に示すように、巻取ドラム20は、ウエビングを巻装可能に構成されている。より具体的には、巻取ドラム20は、アルミ材等により形成されており、略円柱状のドラム本体部21と、そのドラム本体部21の軸心方向両端部に径方向に張出形成されたフランジ部22a,22bとを有している。そして、その両フランジ部22a,22b間のドラム本体部21にウエビングが巻装される。
また、巻取ドラム20の中心軸に沿って軸孔部22hが形成されており、この軸孔部22hのうちの一方のフランジ部22a側(図2の左方側)の部分が結合孔部22haに形成されている。この結合孔部22haには、スチール材等により形成された結合体28が巻取ドラム20に対して相対回転不能に圧入固定等により結合されている(図2参照)。
さらに、トーションバー50が上記軸孔部22h内に挿入されている。軸孔部22hの内径はトーションバー50の外径よりも大きくなっており、従って、巻取ドラム20への連結固定部分を除いて、トーションバー50は軸孔部22h内を自由に回転できるようになっている。
また、トーションバー50の一端部(ドラム固定部)は上記結合体28に、スプライン結合等により相対回転不能に結合されている。これにより、トーションバー50の一端部(図2の左端部)と巻取ドラム20の一端部(図2の左端部)とが相対回転不能に結合されることになる。
このトーションバー50の他端部(回転抑止端部)は、後述する緊急ロック動作機構30に連結されている。そして、緊急時には、該緊急ロック動作機構30のロック動作により、トーションバー50の他端部の回転を抑止される。この状態で、ウエビングに作用する荷重が予め設定された所定値を超えると、トーションバー50をねじれ変形させつつ、巻取ドラム20がウエビングの引出し方向に回転する。このように、トーションバー50をねじれ変形させつつ、ウエビングを引出させることで、乗員に生じる衝撃エネルギーを吸収するようにしている。
なお、衝撃吸収を行う機構としては、上記のようにねじれ変形によって衝撃吸収動作を行うものの他、種々の変形、摩擦力、弾性力等を利用した種々の構成を採用することができる。
また、この巻取ドラム20は、ハウジング10に対して回転自在に支持されている。ハウジング10は、相対向して配設された一対の側板部11a,11bと、該側板部11a,11bの一側縁部を連結する背板部14とを備えた平面視略U字状に構成されている。そして、両側板部11a,11b間で上記巻取ドラム20が回転自在に支持されている。
具体的には、巻取ドラム20の一端部に連結固定された結合体28が一方の側板部11aに形成された通孔11ahに貫通されて、第1プリテンショナー機構60等により回転自在に支持されている。また、巻取ドラム20の他端部では、トーションバー50の他端部がロック機構31に相対回転不能に結合されて、そのロック機構31が他方の側板部11bに形成された通孔11bhに貫通されて、回転自在に支持されている。
また、このハウジング10の一方の側板部11aの外面側に第1プリテンショナー機構60が取付けられると共に、この第1プリテンショナー機構60の外側に、巻取ドラム20を巻取方向に付勢するための巻取機構16が設けられている。
ここでは、巻取機構16は、渦巻バネを含む巻取付勢機構18と、この巻取付勢機構18を収容するバネケース17とを備えている。そして、側板部11b及び第1プリテンショナー機構60を貫通してその外方に突出状とされた結合体28の先端部が、バネケース17内の渦巻バネに結合され、渦巻バネの付勢力により巻取ドラム20をウエビングの巻取方向に常時回転付勢する構造とされている。
<第1プリテンショナー機構の説明>
図3は第1プリテンショナー機構を示す分解斜視図である。図1〜図3に示すように、第1プリテンショナー機構60は、車両の緊急時にガス発生器を作動させ、このガスの圧力を利用してトーションバー50の一端部を介して巻取ドラム20をウエビング巻取方向に回転させる機構である。ここでは、第1プリテンショナー機構60は、ガス発生部61と、シリンダ部62と、ガス発生部61のガス圧を受けて前記シリンダ部62内を移動するラック70と、このラック70と噛合して回転すると共に上記巻取ドラム20と連動回転可能なピニオンギヤ体75と、上記ラック70の移動案内路を形成するカバー体78とを備えている。
ガス発生部61は、火薬を含んでおり、図示省略の制御部からの着火信号により該火薬を着火爆発させてガスを発生させるように構成されている。
シリンダ部62は、その一端(下端)にガス発生部61が装着されると共に、他端部(上端部)の一側部がハウジング10の一方の側板部11aの外方に取付けられた構成とされている。
具体的には、シリンダ部62は、亜鉛合金材等により形成されており、シリンダ本体部63と収容筒部64とを有する略L字状の部材に形成されている。そして、その収容筒部64内にガス発生部61が収容配置された状態で、収容筒部64の開口端側にネジキャップ64aを螺合締結することにより、ガス発生部61が収容筒部64内に装着されることになる。収容筒部64の内部空間とシリンダ部62の内部空間とは、相互に連通しており、ガス発生部61で発生したガスは、シリンダ本体部63内に流入するように構成されている。
また、シリンダ本体部63の両側部に、ネジ穴を有する取付片63pが形成されている。そして、各取付片63pを介して、シリンダ本体部63が一方の側板部11aの外面に沿うようにして該側板部11aに取付けられる。
ラック70は、長尺状の全体形状を有しており、その基端側(下端側)にピストン部71が設けられている。ピストン部71は、シリンダ本体部63内に挿入可能な略短円柱状に形成されている。そして、ピストン部71がシリンダ本体部63内の奥に圧入された状態で、ガス発生部61で発生したガスがシリンダ本体部63内に流入することで、このガスの圧力がピストン部71を押圧してシリンダ本体部63の開口端側(上端側)に移動させる。
また、ラック70の先端部には、略細長板状のラック本体部72が形成され、このラック本体部72の一側部にピニオンギヤ部76に噛合するラック歯72aが形成されている。ガス発生部61が爆発するまでの通常状態では、ラック本体部72はシリンダ本体部63内の奥側に退避してピニオンギヤ部76に非噛合状態となっている。そして、ガス発生部61で発生したガスの圧力により、ラック本体部72がシリンダ本体部63の開口端側より突出し、ラック歯72aがピニオンギヤ部76に噛合して、該ピニオンギヤ体75を所定方向に回転させる構成となっている(図5参照)。
ピニオンギヤ体75は、スチール材等により形成されており、上記ラック歯72aに噛合するピニオンギヤ部76を備えている。
また、このピニオンギヤ体75は、上記巻取ドラム20と連動回転可能に保持されている。
具体的には、クラッチ支持ベース80と、複数のクラッチローラ81と、クラッチリング部77とを含むクラッチ機構により、ピニオンギヤ体75が巻取ドラム20と連動回転可能とされている。クラッチ機構は、上記第1プリテンショナー機構60の作動時に、ピニオンギヤ体75と巻取ドラム20とを連動回転可能に連結すると共に、それ以外の通常時においては、ピニオンギヤ体75に対して巻取ドラム20を自由回転自在な状態にする機能を有している。なお、ここでは、クラッチ機構は、一方向クラッチ機能を有している。
すなわち、クラッチ支持ベース80は、樹脂等により形成されており、側板部11aの外面側に取付けられる。このクラッチ支持ベース80は、巻取ドラム20の軸心延長上に位置させるようにピニオンギヤ体75を保持している。また、トーションバー50の一端部に相対回転不能に結合された結合体28が、クラッチ支持ベース80からピニオンギヤ体75の中心部を貫通するように配設されている(図2参照)。
各クラッチローラ81は、スチール材等により略円柱状の部材に形成されている。複数のクラッチローラ81が、結合体28の径方向外側でクラッチ支持ベース80に保持され
ている。図4は、クラッチリング部と係合筒部と各クラッチローラとの位置関係を示す図である。すなわち、ピニオンギヤ体75の一側部にクラッチリング部77が形成されている。このクラッチリング部77の内周面は、中心からの距離が順次変化するカム面77aに形成されている。
そして、初期状態では、各クラッチローラ81は、カム面77aのうち中心軸からの距離が大きい部分でクラッチ支持ベース80により保持されており、各クラッチローラ81は結合体28の外周面から離隔した状態となっている。従って、通常状態(非緊急状態)におけるウエビングの引出し、巻取時には、各クラッチローラ81の内側で結合体28が相対的に回転自在とされる。これにより、通常状態における、ピニオンギヤ体75と巻取ドラム20との干渉が防止されている。
一方、緊急時にガス発生部61が作動して、ラック70が移動し、ピニオンギヤ体75が矢符A方向に回転動作されると、カム面77aによって各クラッチローラ81が径方向内方側に押動操作される。その後、カム面77aと結合体28外周面間に各クラッチローラ81が噛み込んだ状態となってピニオンギヤ体75と結合体28とが一体的に回転するように構成されている。
カバー体78は、図1〜図3に示すように、シリンダ部62の他端部(上端部)延長上に配設されて、シリンダ部62の他端部から突出移動するラック70の移動案内路を形成している。
具体的には、カバー体78は、スチール材等により形成されており、シリンダ部62の他端部より突出するラック70の移動路を覆うラックカバー部78aと、ピニオンギヤ体75を覆うピニオンギヤカバー部78bとを備えている。
ピニオンギヤカバー部78bは、クラッチ支持ベース80に保持されたピニオンギヤ体75の外周側を覆うように構成されている。また、ラックカバー部78aは、ピニオンギヤカバー部78bの先端部に連設されており、シリンダ部62の他端側延長上に延びるようにしてラック本体部72の移動案内路を形成している。
そして、カバー体78の内側空間で、ラック本体部72のラック歯72aがピニオンギヤ体75のピニオンギヤ部76に噛合しつつ、ラック本体部72がラックカバー部78a内の移動案内路を移動する構成となっている。
このカバー体78は、上記クラッチ支持ベース80及びシリンダ部62と共に、ネジ等により、側板部11aの外面側に取付けられる。
この第1プリテンショナー機構60では、通常の巻取・引出し動作時(第1プリテンショナー機構60の非作動時)では、ラック70のラック歯72aとピニオンギヤ体75とが非噛合状態で、かつ、ピニオンギヤ体75に対して巻取ドラム20が回転自在な状態となっている。
そして、車両衝突時等の緊急時には、図示省略の制御部からの着火信号よりガス発生部61が着火され、その内部の火薬の爆発により発生した高温高圧のガスが、シリンダ部62内に瞬時に充満する。このガスの圧力で、図5に示すように、ラック70が矢符Q方向に押圧駆動される。このラック70の矢符Q方向への移動に伴って、そのラック歯72aがピニオンギヤ部76に噛合して、該ピニオンギヤ部76が矢符P方向に回転駆動される。これに伴いピニオンギヤ体75が回転し、この回転に伴って各クラッチローラ81を介して結合体28が連動回転され、巻取ドラム20がウエビングの弛みを除去する巻取方向に回転される。
そして、図6に示すように、ラック歯72aをピニオンギヤ部76に噛合させながら、ラック歯72aがシリンダ部62の一方端側開口より突出する方向に移動する。最終的に、ラック70のラック歯72aの終端の歯がピニオンギヤ体75と噛合する位置までラック70が移動してピニオンギヤ体75を回転させ、巻取ドラム20をウエビング巻取方向に回転させて弛みを除去する。
<第2プリテンショナー機構の説明>
図7は第2プリテンショナー機構を示す分解斜視図であり、図8は第2プリテンショナー機構におけるクラッチホイールを示す分解斜視図であり、図9は同クラッチホイールの内部構成を示す説明図である。
図1、図2、図7〜図9に示すように、第2プリテンショナー機構100は、巻取ドラム20の他端側に設けられている。ここでは、第2プリテンショナー機構100は、巻取ドラム20の他端側に位置するように、他方側の側板部11bの内面側に取付けられている。この第2プリテンショナー機構100は、車両の緊急時にモータ110を駆動させてトーションバー50の他端部(回転抑止端部)を介して巻取ドラム20をウエビング巻取方向に回転させる。ここでは、第2プリテンショナー機構100は、モータ110と、クラッチホイール120とを備えている。
モータ110は、電動モータであり、図示省略の制御部からの制御を受けて所定のタイミングで回転駆動する。制御部は、例えば、加速度センサやブレーキの動作状態に基づいて、車両衝突が予測される場合に、モータ110を回転駆動させる。
このモータ110のモータ軸112には、小歯車113が固着されている。この小歯車113を外部に突出させた状態で、モータ110がモータカバー118内に収容されている。
クラッチホイール120は、所定のタイミングで、モータ110と巻取ドラム20との間の動力伝達経路を確立し、或は、切離す構成となっている。すなわち、クラッチホイール120は、モータ110が第1方向(巻取ドラム20を巻取方向に回転させる方向)に回転するときに、モータ110と巻取ドラム20との間の動力伝達経路を確立する。一方、モータ110が前記第1方向とは逆の第2方向に回転するときに、モータ110と巻取ドラム20との間の動力伝達経路を切離す。
より具体的に説明すると、クラッチホイール120は、略円板状の全体形状を有しており、その外周囲にギヤ歯124aが形成されている。クラッチホイール120は、クラッチカバー102内に回転自在に収容されている。また、上記モータ110が、小歯車113をクラッチカバー102内に配設するようにして、該クラッチカバー102の外面に取付けられている。また、この小歯車113とクラッチホイール120との間に介在するようにして、中継ギヤ106がクラッチカバー102内に回転自在に配設されている。そして、モータ110の回転駆動力が、小歯車113から中継ギヤ106を介してクラッチホイール120に伝達されるように構成され、モータ110の正転或は逆転方向への回転に連動して、クラッチホイール120が正転或は逆転方向に回転する構成となっている。
クラッチホイール120は、図1,図8及び図9に示すように、ベース部材122と、ギヤ部材124と、ラチェットギヤ部126と、パウル部材128とを備えている。
ギヤ部材124は、略環状部材に形成されており、その外周囲にギヤ歯124aが形成されている。また、ギヤ部材124の内周部には、複数の回転抑止凸部124bがその周方向に沿って連続的に形成されている。
ベース部材122は、略円形板状に形成されており、その一方面の外周側部分に略環状の囲壁部123が突設されている。この囲壁部123の外周側に、上記ギヤ部材124が間隔を有して配設されるようになっている。また、囲壁部123の外周囲には、複数のバネ固定部123aが形成されている。そして、各バネ片125の一端部を回転抑止凸部124bにバネ付勢しつつ係合させた状態で、各バネ片125がバネ固定部123aに固定される。これにより、ベース部材122とギヤ部材124とがバネ片125を介して一体回転可能に結合される。また、各バネ片125が弾性変形しつつ各回転抑止凸部124bを順次乗越え得る程度の大きな相対回転力が加わると、ベース部材122とギヤ部材124とが相対回転することになる。これにより、例えば、モータ110の回転によりウエビングを巻き取っている途中でウエビングに過大な力が加わったとき等に、モータ110と巻取ドラム20との動力伝達経路を絶つようにしている。
また、ベース部材122の中央部にラチェットギヤ部126が回転自在に配設されている。上記パウル部材128は本ラチェットギヤ部126に係脱自在に設けられている。ここでは、ベース部材122の一方面側であって上記囲壁部123で囲まれる中央部にラチェットギヤ部126が配設されている。また、このラチェットギヤ部126を挟込む位置に、支軸部を介して一対のパウル部材128が揺動自在に配設されている。
なお、囲壁部123の開口部は、略円板上のカバープレート122bによりカバーされる。
ラチェットギヤ部126には、後述する外嵌軸部32cが相対回転不能に挿入結合されており、ラチェットギヤ部126は外嵌軸部32c及びトーションバー50を介して巻取ドラム20と一体回転するように構成されている。また、ラチェットギヤ部126の外周囲には、ラチェット歯126aが形成されている。
また、各パウル部材128は、ベース部材122に揺動自在に支持されており、該ベース部材122と共にその回転軸回りに回転する。また、各パウル部材128は、上記ラチェットギヤ部126に係合可能な姿勢と係合解除可能な姿勢との間で揺動自在に支持されている。ここでは、パウル部材128は、ラチェット歯126aに係脱可能なパウル爪128aを有しており、そのパウル爪128aをベース部材122の径方向に沿って内外周に往復移動させるようにして、揺動自在に支持されている。そして、パウル爪128aを内周側に移動させることで該パウル爪128aがラチェット歯126aに係合し、ベース部材122とラチェットギヤ部126とが一体的に回転する。一方、パウル爪128aを外周側に移動させることで該パウル爪128aとラチェット歯126aとの係合が解除され、ベース部材122に対して自由にラチェットギヤ部126が回転するようになっている。
なお、ベース部材122とラチェットギヤ部126との間に、ベアリング部材138が介在配置されている。これにより、ベース部材122に対してラチェットギヤ部126がより円滑に回転するようになっている。
なお、各パウル部材128は、解除方向付勢手段であるねじりコイルバネ129により、ラチェットギヤ部126との係合を解除する方向に常時付勢されている。これにより、後述するモータ110の非回転時に、より確実に係合を解除するようにしている。
上記各パウル部材128の姿勢変更は、パウルの姿勢変更手段であるパウルガイド130によりなされる。
パウルガイド130は、略円板状に形成されており、その中央部に外嵌軸部32cを遊挿可能な摺接筒部131が形成されると共に、外周部にパウル部材128を姿勢変更させるための押動片132が形成されている。
押動片132は、囲壁部123内で各パウル部材128の前後位置に配設される。そして、ベース部材122とパウルガイド130とが相対回転することで、押動片132がパウル部材128に当接してこれを揺動させる。図9では、押動片132に対して、ベース部材122及びパウル部材128を矢符R方向に回転させることで、押動片132がパウル部材128に当接してそのパウル爪128aをラチェット歯126a側に移動させる。これにより、パウル部材128とラチェットギヤ部126とが噛合うようになる。一方、押動片132に対して、ベース部材122及びパウル部材128を矢符S方向に回転させることで、押動片132がパウル部材128に上記とは反対側から当接してそのパウル爪128aをラチェット歯126aから離間する方向に移動させる。これにより、パウル部材128とラチェットギヤ部126との噛合いが解除される。
また、このパウルガイド130は、所定の摩擦力で回転を抑止された状態で、クラッチカバー102に対して回転可能に支持されている。すなわち、パウルガイド130の摺接筒部131は、クラッチカバー102の内周側に突設された支持筒部102aに外嵌めされている。また、摺接筒部131の外周囲に略環状のバネ材133が外嵌めされる。そして、バネ材133の弾性力により、摺接筒部131が縮径変形するように付勢され、摺接筒部131の内周部が所定の摩擦力で支持筒部102aの外周部に接触している。
そして、巻取ドラム20の通常の回転状態では、パウルガイド130は回転停止した状態となっている。そして、モータ110の回転駆動によりクラッチホイール120が回転する際には、当初、パウルガイド130に対してベース部材122は相対回転する(図9の矢符R参照)。このパウルガイド130に対するクラッチホイール120の相対回転により、パウルガイド130が各パウル部材128を姿勢変更させてラチェットギヤ部126に係合させる。この後、モータ110の回転駆動が継続すると、摺接筒部131を支持筒部102aに摩擦接触させつつ、パウルガイド130が、とラチェットギヤ部126及びベース部材122と共に回転する。
また、この状態から、モータ110が逆回転すると、パウルガイド130の回転を停止させつつ、このパウルガイド130に対してベース部材122が逆方向に相対回転する(図9の矢符S参照)。すると、パウルガイド130に対するベース部材122及びパウル部材128の逆回転により、パウルガイド130がパウル部材128を姿勢変更させてラチェットギヤ部126との係合を解除する。この後、モータ110の回転は停止する。
この第2プリテンショナー機構100では、通常の巻取・引出し動作時(第2プリテンショナー機構100の非作動時)では、ラチェットギヤ部126とパウル部材128とは非係合状態となっているため、巻取ドラム20はベース部材122等に対して相対回転自在な状態となっている。
そして、車両衝突が予測される場合には、図示省略の制御部からの制御を受けてモータ110が所定の正転方向に回転駆動される。このモータ110の回転駆動力は、クラッチホイール120に伝達されて、クラッチホイール120が回転するようになる。
クラッチホイール120がパウルガイド130に対して相対回転すると、パウルガイド130がパウル部材128を揺動させる。これにより、パウル部材128がラチェットギヤ部126に係合し、ベース部材122とラチェットギヤ部126とが連動回転するようになる。そして、モータ110の回転駆動力がクラッチホイール120を介して巻取ドラム20に伝達され、モータ110の駆動力を受けて巻取ドラム20が巻取方向に回転する。
なお、パウル部材128は、ラチェットギヤ部126に対して一方の回転方向に係合している。このため、パウル部材128とラチェットギヤ部126とが係合した状態において、ラチェットギヤ部126はパウル部材128に対して相対的に矢符R方向(図9参照)に回転可能とされている。これにより、第2プリテンショナー機構100の動作後にパウル部材128とラチェットギヤ部126とが係合した状態においても、第1プリテンショナー機構60による巻取動作が続けて円滑に行われることになる。
そして、所定の巻取動作終了後に、モータ110を上記所定の正転方向とは逆の逆転方向に回転させると、クラッチホイール120が逆回転する。そして、パウルガイド130に対してクラッチホイール120が逆相対回転すると、該パウルガイド130がパウル部材128を揺動させる。これにより、パウル部材128とラチェットギヤ部126との係合が解除され、ラチェットギヤ部126がベース部材122に対して自由回転するようになる。
このような第2プリテンショナー機構100は、モータ110の回転制御により、ウエビング巻取動作を繰返し可能であるという特徴がある。つまり、上記第1プリテンショナー機構60では、ガス発生部61を一度着火してしまうと、再度の動作が不可能であるのに対し、第2プリテンショナー機構100では、モータ110を適宜回転制御することにより、再度の動作が可能であるという特徴がある。
このため、一般的には、第1プリテンショナー機構60は、衝撃検知センサ等の検知出力に基づいて車両衝突がより確実であると判断されたときに動作し、第2プリテンショナー機構100は、加速度センサやブレーキセンサ、速度センサ等の検知出力に基づいて、車両衝突が予測されるとき動作する。
<緊急ロック動作機構の説明>
緊急ロック動作機構30は、車両の緊急時に巻取ドラム20がウエビング引出し方向に回転するのを抑止するロック動作を行うように構成されている。
ここでは、緊急ロック動作機構30は、ロック機構31と、第1ロック起動機構40と第2ロック起動機構45とを備えている。この緊急ロック動作機構30は、側板部11bの外面に取付けられたカバー体85内に収容されている。
図10はロック機構を示す分解斜視図であり、図11はロック機構の外側端面を示す図である。
図1,図2,図10及び図11に示すように、ロック機構31は、巻取ドラム20の回転を抑止する機構であり、ここでは、トーションバー50の他端部に相対回転不能に連結されたロックベース32と、パウル35とを備えている。
ロックベース32は、アルミ材等により形成されたロックベース本体32aと、ロックベース本体32aの一側面側に装着された樹脂製の保持板32bとを備えている。このロックベース32は、スチール材等からなるパウル35をロックベース32の外周面より出没自在に保持している。
また、ロックベース本体32aの一側面に外嵌軸部32cが突設されている。この外嵌軸部32cは、ピニオンギヤ体75及びカバー体78、さらに、第2プリテンショナー機構100を貫通して、巻取ドラム20の軸孔部22hの他方端側内部に遊挿される。そして、この外嵌軸部32cがトーションバー50の他端部に相対回転不能に外嵌めされる。なお、外嵌軸部32cが軸孔部22hの他方端側内部に挿入された状態で、外嵌軸部32cの外周面に形成された周方向の係合溝32dに、巻取ドラム20に装着された抜止めストッパー90が係止されて、外嵌軸部32cが抜止め保持される構造とされている。
このロック機構31は、側板部11bに形成された通孔11bh内に配設される。ここで、通孔11bhには、その周方向全周に亘ってパウル35が係脱自在に係合するロック歯11baが形成されている。なお、パウル35とロック歯11baとは、巻取ドラム20ウエビング引出し方向への回転を抑止し、巻取方向への回転を許容するように、噛合う形状とされている。そして、次述する第1ロック起動機構40又は第2ロック起動機構45の起動動作を受けて、パウル35がロックベース32の外周面より突出する。これによりパウル35とロック歯11baとが噛合い、ウエビング引出方向の巻取ドラム20の回転が阻止されるように構成されている。
さらに、ロックベース32の外側面側に、円板状のロッククラッチ体36が相対回転可能に支持されている。図12及び図13に示すように、ロッククラッチ体36の外周部には、外周面にラチェット37aが形成された円筒状のラチェットホイール部37が一体に形成されている。
また、ロッククラッチ体36の一側面には、バネ受け部38が突設され、このバネ受け部38はロックベース本体32aに形成された凹溝状のバネ収容部32f内に相対移動自在に遊嵌されている(図11参照)。この際、バネ収容部32fに収容保持されたコイルスプリングよりなる戻しバネ34によって、バネ受け部38が所定方向に弾発付勢され、ロッククラッチ体36はロックベース32に対してウエビングの引出し方向に付勢された状態で、ロックベース32と同期回転するように構成されている。
さらに、ロッククラッチ体36には、パウル35に突設された連動ピン35aが摺動案内される突出ガイド溝36dが形成されている。そして、戻しバネ34の付勢力に抗してロックベース32とロッククラッチ体36とが相対回転することで、連動ピン35aが突出ガイド溝36dに沿って摺動案内される。この摺動案内により、パウル35がロックベース32の外周面より出没自在に突出するように構成されている。
ここでは、第1ロック起動機構40又は第2ロック起動機構45によりロッククラッチ体36の回転を停止させた状態で、ウエビングの引出力によりロックベース32を回転させることで、ロックベース32とロッククラッチ体36とが相対回転する。そして、この相対回転によりパウル35が突出し所定のロック動作を行う。
第1ロック起動機構40及び第2ロック起動機構45は、所定のタイミングで、ロック機構31を作動させる機構である。第1ロック起動機構40は、車両の急激な加速度の変化に反応して起動動作を行う機構であり、第2ロック起動機構45は、ウエビングの急激な引出しに反応して起動動作を行う機構である。
図14は第1ロック起動機構及びその組込み部分を示す分解斜視図であり、図15は第1ロック起動機構及びその組込み部分を示す部分断面図である。
第1ロック起動機構40は、上面開放で、底面に下方向に漸次径小となる円すい凹状の凹状部を有する箱形の樹脂成形体からなるホルダー41と、ホルダー41の凹状部に載置状に配置されると共に所定値を超える加速度に反応して揺動する慣性質量体としてのスチール材等からなる球状体のセンサーウエイト42と、ホルダー41に一端部で回転可能に支承された樹脂成形体からなるセンサーレバー43とを備えている。この第1ロック起動機構40は、上記カバー体85内で、ロッククラッチ体36の外周回り下方位置に保持されている。
そして、所定値を越える加速度が生じていない状態においては、センサーウエイト42はホルダー41の凹状部上に配置された安息姿勢が維持されており、センサーレバー43先端部に突設されたロック爪43aとラチェット37aとは互いに離隔した状態が維持される。
この場合、ロッククラッチ体36の回転は何ら規制されておらず、従って、ウエビングは引出し可能状態で維持される。
一方、車両の衝突や急ブレーキ等の緊急時における急激な加速度の変化が発生した場合には、その加速度の変化に反応して凹状部上よりセンサーウエイト42が揺動して移動し、このセンサーウエイト42の移動に伴ってセンサーレバー43が上方に押動され、センサーレバー43のロック爪43aは上方向に移動する。すると、ロック爪43aがラチェットホイール部37のラチェット37aに係合し、ロッククラッチ体36の回転が停止される。この状態で、ウエビングに引出し方向に負荷が作用すれば、戻しバネ34の付勢力に抗してロックベース本体32aが巻取ドラム20と一体となってウエビングの引出方向に回転する。
このロックベース本体32aの回転に伴って、ロックベース本体32aに保持されたパウル35の連動ピン35aが、突出ガイド溝36d内を摺動移動する。この摺動移動に伴って、パウル35はロックベース本体32aより径方向外方へ突出移動され、側板部11bに形成されたロック歯11baに噛合し、その後のロックベース本体32aの回転が阻止され、ウエビングの引き出しが停止され、ここに、ロック機構31が作動する。
また、急激な加速度の変化が解除されると、センサーウエイト42は重力作用により、ホルダー41のもとの安息位置である凹状部上に戻され、これに伴ってセンサーレバー43も下方に移動して初期位置に戻る。
一方、ウエビングに作用する引出方向の負荷も解除されるため、戻しバネ34の付勢力等によりロックベース本体32aはロッククラッチ体36に対して相対回転され、この回転により突出ガイド溝36dの連動ピン35aは初期位置に戻され、ここに、パウル35は埋没状態に戻され、パウル35とロック歯11baとの噛合が解除される。そして、ウエビングの引き出しや巻取りが可能な初期状態に復帰する。
この緊急ロック動作機構30では、ロック機構31を巻取ドラム20と同期して回転させる一方で、第1ロック起動機構40を一定位置に配設したまま起動動作を行わせることができる。従って、第1ロック起動機構40の起動動作を安定化することができる。
第2ロック起動機構45は、ロッククラッチ体36にその偏心位置で揺動自在に支持されたロックアーム46と、カバー体85の内面側に一体突設された円筒状の係合内周壁86とを備えている。
係合内周壁86の内周部には、ロックアーム46の先端係止部46aが係脱自在に係合される内歯86aが形成されている。
また、係合内周壁86の外径は、ラチェットホイール部37の内径よりも僅かに小径に形成されており、図2及び図15に示されるように、ラチェットホイール部37の内側に係合内周壁86が遊嵌状に配置される構成とされている。
また、ロッククラッチ体36には、ロックアーム46の揺動範囲を規制する揺動ストッパ39aが備えられると共に、コイルスプリング等からなる解除付勢バネ39bがロッククラッチ体36とロックアーム46の基部間に装着され、ロックアーム46を係合解除方向に弾発付勢している。
そして、通常は、ウエビングの引き出しによる巻取ドラム20の回転に伴ってトーションバー50およびロックベース32が回転する際、戻しバネ34の弾発力下、ロッククラッチ体36が同期回転される。
また、ウエビングの巻取り時には、ロックベース32が回転する際、戻しバネ34の押動によりロッククラッチ体36が同期回転される。
これに対し、ウエビングの急激な引き出し時には、上記のロッククラッチ体36の同期回転時に、ロックアーム46の回転が追従せず、解除付勢バネ39bの付勢力に抗して回転方向後方側に慣性遅れが生じ、ロックアーム46は係合方向に揺動され、先端係止部46aが径外方に突出して係合内周壁86の内歯86aに係合し、ここに、ロッククラッチ体36の同期回転が阻止される。
そして、ロッククラッチ体36が停止すると、ロックベース32の回転に伴って連動ピン35aは突出ガイド溝36d内を摺動移動する。この摺動移動に伴って、パウル35はロックベース本体32aより径方向外方に突出移動され、側板部11bのロック歯11baに噛合し、その後のロックベース本体32aの回転が阻止され、ウエビングの引き出しが停止され、ここに、ロック機構31が作動する。
また、ウエビングの急激な引き出しが解除されると、解除付勢バネ39bの付勢力によりロックアーム46は初期の解除位置に復帰し、先端係止部46aと内歯86aとの係止状態が解除される。また、戻しバネ34の付勢力によりロッククラッチ体36はロックベース32に対して相対回転され、この回転により突出ガイド溝36d内の連動ピン35aは初期位置に戻され、ここに、パウル35は初期の埋没状態に戻され、パウル35とロック歯11baとの噛合が解除される。そして、ウエビングの引き出しや巻取りが可能な初期状態に復帰する。
さらに、カバー体85における係合内周壁86の径方向外周部が、周方向全周にわたって、カバー体85が取り付けられる側板部11b方向に向けて***形成された内周壁支持部87として構成されている。
<動作>
このように構成されたシートベルト用リトラクターでは、車両衝突が予測される緊急時には、まず、第2プリテンショナー機構100のモータ110が回転駆動されると共に、この駆動力がクラッチホイール120を介して巻取ドラム20に伝達される。これにより、巻取ドラム20が巻取方向に回転し、ウエビングが巻取られる。
この後、実際に車両衝突が生じなかった場合には、モータ110が逆方向に回転駆動され、クラッチホイール120における動力伝達経路が絶たれ、巻取ドラム20が自由回転可能な状態となり、通常のシートベルト着用状態に戻る。
一方、実際に車両衝突が生じた場合には、上記第2プリテンショナー機構100の動作後、或は衝突態様によっては第2プリテンショナー機構100の動作を省略して、第1プリテンショナー機構60が巻取動作を行う。すなわち、第1プリテンショナー機構60のガス発生部61が点火され、ラック70が移動してピニオンギヤ体75が回転動作される。この回転に伴って各クラッチローラ81を介して結合体28が連動回転され、巻取ドラム20がウエビングの弛みを除去する巻取方向に回転され、ウエビングがさらに巻取られる。
そして、第2プリテンショナー機構100や第1プリテンショナー機構60の動作に前後して、第1ロック起動機構40或は第2ロック起動機構45の起動動作により緊急ロック動作機構30がロック動作を行う。これにより、外嵌軸部32cとトーションバー50の他端部とが、ウエビングの巻取方向への回転を抑止された状態となる。
上記第1及び第2プリテンショナー機構60,100の動作後、乗員を車両に対して前方に押出す慣性力により、ウエビングを引出す力が加わる。すると、緊急ロック動作機構30によりトーションバー50の他端部の回転が抑止された状態で、トーションバー50をねじれ変形させつつ、巻取ドラム20がウエビングの引出し方向に回転する。このように、トーションバー50をねじれ変形させつつ、ウエビングを引出させることで、乗員に生じる衝撃エネルギーを吸収する。
以上のように構成されたシートベルト用リトラクターによると、第2プリテンショナー機構100は、車両の緊急時に、トーションバー50の他端部を介して巻取ドラム20をウエビング巻取方向に回転させる。そして、ウエビングを巻取った後、トーションバー50の他端部の回転を停止させた状態で、トーションバー50をねじれ変形させてウエビングを引出させて、衝撃吸収動作を行うことになる。このため、第2プリテンショナー機構100の動作から切離されて無関係に、巻取ドラム20が回転して衝撃吸収動作を行うことになる。従って、第2プリテンショナー機構100の影響を防止しつつ、衝撃吸収動作を行わせることができる。
{変形例}
なお、上記実施形態において、ガス圧を利用してウエビングの巻取を行う第1プリテンショナー機構60を省略してもよい。
また、第1プリテンショナー機構60を巻取ドラム20の他端側に配設し、第2プリテンショナー機構100と同様に、トーションバー50の他端部(回転抑止端部)を介して巻取ドラム20をウエビング巻取方向に回転させるようにしてもよい。これにより、衝撃吸収動作を行う際に、両第1及び第2プリテンショナー機構60,100の影響を防止することができる。
また、第2プリテンショナー機構100を緊急ロック動作機構30の外側に配設してもよい。
さらに、第1プリテンショナー機構60を省略して巻取ドラム20の他端側に第2プリテンショナー機構100を配設した形態や、巻取ドラム20の他端側に両第1及び第2プリテンショナー機構60,100を配設したような形態では、巻取ドラム20の両端側で左右のバランスが不均衡となる。そこで、図16及び図17に示すような、緊急ロック動作機構230を適用してもよい。
この緊急ロック動作機構230では、ロッククラッチ体36の代りに第1の大歯車236を設けると共に、上記ロックベース32に対応するロックベース232の外周側に、当該第1の大歯車236と噛合可能な第2の大歯車250を設けている。そして、この第2の大歯車250に、上記ロックアーム46に対応するロックアーム246を設けると共に、第2の大歯車250の外周囲のカバー部分に、上記係合内周壁86に対応する係合周壁部286を設けている。つまり、第2の大歯車250側に第2ロック起動機構45を組込んでいる。
なお、上記第1ロック起動機構40は、上記第1及び第2大歯車のいずれの側に組込まれていてもよい。
この変形例では、ロックベース232を含むロック機構231に対して、巻取ドラム20の回転中心外周側に第1ロック起動機構240を配設した構成であるため、緊急ロック動作機構230を薄くできる。これにより、巻取ドラム20の両側で左右バランスを比較的よくできる。
なお、図16では、第1及び第2プリテンショナー機構60,100を省略しているが、これらは緊急ロック動作機構230の内側又は外側のいずれに設けられていてもよい。
さらに、上記実施形態では、図8に示すように、ベース部材122に、所定値以上の力が加わるとベース部材122とギヤ部材124との相対回転を許容する機構を組込み、もって、モータ110と巻取ドラム20との動力伝達経路を絶つようにしているが、図18に示す変形例のように、当該機構を省略してもよい。
すなわち、この変形例では、ベース部材122Bにおいて、上記ベース部材122に相当するベース部材122Bと、ギヤ部材124に相当するギヤ部材124Bとを一体化している。また、上記実施形態における囲壁部123や各バネ片125、各回転抑止凸部124bを省略した構成としている。
この変形例に係る構成は、ベース部材122Bとギヤ部材124Bとが相対回転することなく、常に一体回転する点を除いて、上記実施形態と同様の動作を行う。
この変形例では、次の利点がある。すなわち、従来技術として、プリテンショナー機構の影響を可及的に防止しつつ衝撃吸収動作を行わせるため、衝撃吸収動作時にプリテンショナー機構からの動力伝達経路を絶つことができるトルクリミッタを組込んだものがある(例えば、特開2004−42788号)。ところが、この従来技術では、衝撃吸収動作時に、タイミングよくプリテンショナー機構からの動力伝達経路を絶つことができるように、精密かつ複雑な機構のトルクリミッタを組込む必要がある。ところが、上記実施形態では、衝撃吸収動作に着目した場合、第2プリテンショナー機構100の影響を防止しつつ、衝撃吸収動作を行うことができるため、基本的には、モータ110と巻取ドラム20との動力伝達経路を所定のタイミングで絶つトルクリミッタ等の機構を省略しても問題はない。このため、本変形例のように、ベース部材122Bとギヤ部材124Bとを一体化した構成を採用することができる。
そして、この変形例に係る構成を作用することで、部品数減、構造の簡易化、組付容易性、低コスト化を図ることができることになる。
リトラクターの全体構成を示す分解斜視図である。 リトラクターの全体構成を示す断面図である。 第1プリテンショナー機構を示す分解斜視図である。 クラッチリング部と係合筒部と各クラッチローラとの位置関係を示す図である。 プリテンショナー機構の動作説明図である。 プリテンショナー機構の動作説明図である。 第2プリテンショナー機構を示す分解斜視図である。 第2プリテンショナー機構におけるクラッチホイールを示す分解斜視図である。 同上のクラッチホイールの内部構成を示す説明図である。 ロック機構を示す分解斜視図である。 ロック機構の外側端面を示す図である。 ロッククラッチ体の外側端面を示す図である。 ロッククラッチ体を示す正面図である。 第1ロック起動機構及びその組込み部分を示す分解斜視図である。 第1ロック起動機構及びその組込み部分を示す部分断面図である。 変形例に係る緊急ロック動作機構を示す一部断面説明図である。 同上の緊急ロック動作機構を示す一部破断説明図である。 ベース部材の変形例を示す分解斜視図である。
符号の説明
10 ハウジング
11a,11b 側板部
11ba ロック歯
20 巻取ドラム
28 結合体
30 緊急ロック動作機構
31 ロック機構
35 パウル
37 ラチェットホイール部
40 第1ロック起動機構
45 第2ロック起動機構
50 トーションバー
100 第2プリテンショナー機構
110 モータ
120 クラッチホイール
126 ラチェットギヤ部
128 パウル部材
130 パウルガイド

Claims (2)

  1. 緊急時に弛みを除去するようにウエビングを巻取り、さらに、乗員に加わる衝撃を緩和するようにウエビングを徐々に繰り出すシートベルト用リトラクターであって、
    一対の側部を有するハウジングと、
    ウエビングが巻装された状態で前記一対の側部間に回転自在に支持されると共にウエビングの巻取方向へ付勢された巻取ドラムと、
    車両の緊急時に起動するロック起動機構と、
    前記ロック起動機構の起動により車両の緊急時に前記巻取ドラムがウエビング引出し方向に回転するのを抑止するロック動作を行うロック動作機構と、
    前記巻取ドラムに固定されたドラム固定部と、前記ロック機構と相対回転不能に結合されると共に前記ロック機構の前記ロック動作により回転を抑止される回転抑止端部とを有し、前記回転抑止端部の回転が抑止された状態で前記ウエビングが引出されることで、衝撃吸収動作を行う衝撃吸収機構と、
    車両の緊急時にモータ部を駆動させて前記ロック機構のうち前記回転抑止端部と相対回転不能に結合された部分を介して前記巻取ドラムをウエビング巻取方向に回転させるプリテンショナー機構と、
    を備えたシートベルト用リトラクター。
  2. 請求項1記載のシートベルト用リトラクターであって、
    前記衝撃吸収機構は、
    前記巻取ドラムに挿入され、その一端部のドラム固定部が前記巻取ドラムの一端部側に相対回転不能に結合されると共に、その他端部の回転抑止端部が前記ロック機構に相対回転不能に結合されるトーションバーである、シートベルト用リトラクター。
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